JP2006319346A - 基板処理方法及びそれに用いる薬液 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Abstract

【課題】基板上に形成された当初の有機膜パターンが、少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンであり、前記有機膜パターンに対する2回目の現像処理により前記有機膜パターンを新たなパターン形状に加工する処理をスムーズに行うことを可能とする基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板上に形成された当初の有機膜パターンが、少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンであり、前記有機膜パターンに対し、前記有機膜パターンの表面に形成されたダメージ層を除去する前処理S11と、前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか又は前記有機膜パターンの一部を除去する現像処理(2回目)S12と、をこの順に行う。前処理S11によりダメージ層を除去した後で現像処理S12を行うので、2回目の現像処理S12をスムーズに均一性良く行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板処理方法及びそれに用いる薬液に関する。
従来、半導体ウェハ、LCD(Liquid Crystal Display)基板或いはその他の基板に有機膜パターンを形成後、該有機膜パターンをマスクとしたエッチングによって下地膜すなわち基板をパターン加工(下地膜加工)することにより、配線回路等を形成する技術がある。
なお、下地膜加工の後で、有機膜パターンは剥離処理により除去するのが一般的である。
ただし、例えば、特許文献1に示されるように、基板に有機膜パターン(特許文献1にはレジストパターンと記載)を形成した後、該有機膜パターンをマスクとしたエッチングによって下地膜(1層、又は2層)をパターン加工(下地膜加工)し、再度現像(以下再現像と呼ぶ)することによりオーバー現像し、そのオーバー現像した有機膜パターンをマスクとして、下地膜(1層、又は2層)を再度パターン加工(下地膜再加工)することにより、下地膜パターンをテーパー状或いは階段状に形成し、絶縁破壊耐性の高い配線回路等を形成する技術がある。この場合、有機膜パターンは、下地膜再加工の後で剥離処理により除去する。
特許文献1に記載の有機膜パターンの現像と、エッチングによる下地膜加工処理と、前記有機膜パターン(レジストパターン)の再現像と、下地膜再加工処理を行う基板処理方法を、より具体的に図18に示す。
図18に示すように、特許文献1では、導電膜を成膜した基板上に、有機膜(この引例では、フォトレジスト)を塗布した後、通常の露光処理(ステップS01)と現像処理(ステップS02)とプリベークとしての加熱処理(ステップS03)とをこの順に行うことにより、基板上に当初の有機膜パターンを形成する。続いて、有機膜パターンをマスクとして、基板上の導電膜を対象とするエッチング処理(ステップS04)(下地膜加工)を行い、導電膜パターンの一次加工を行う。この後、更に、同一の有機膜パターンへの再現像である現像処理(ステップS101)を行ってオーバー現像し、再度のプリベークである加熱処理(ステップS102)を行うことにより、有機膜パターンを新たなパターン形状に加工する。更に、特許文献1には、オーバー現像された新たな有機膜パターンをマスクとし、導電膜を再度半分程度エッチング(下地膜再加工)することにより、導電膜の断面形状を階段状にし、断面が垂直化したり逆テーパーになったりすることを防ぐ技術が記載されている。
特開平8−23103号公報
しかしながら、特許文献1においては、基板上の導電膜を対象とするエッチング処理(ステップS04:下地膜加工)にて、当初の有機膜パターンがダメージを受け、該有機膜パターン上に変質層と堆積層の何れか一方又は両方が形成されてしまう事についての記載がない。
このように有機膜パターン表面に形成される変質層或いは堆積層(以下、ダメージ層と呼ぶ)は、該有機膜パターンへの次回の現像(再現像処理:ステップS101の現像処理)を阻害する。このため、この再現像処理は、通常の場合、スムーズに行うことができない。
なお、再現像処理の進行は、ダメージ層の状態によっても異なる。ダメージ層の状態には、ステップS04のエッチング処理がウェットエッチングの場合には、使用薬液と処理温度が大きく影響する。他方、ドライエッチングの場合には、使用ガス種、処理圧力及び放電方式が影響する。なお、使用ガス種によって有機膜パターンへの化学的ダメージが異なり、処理圧力及び放電方式によってイオン化ガス又はラジカルガスの有機膜パターンへの物理的な衝撃力の大ききが異なる。但し、概してウェットエッチングの方は物理的衝撃力がないためダメージが小さく、ダメージ層の現像阻害程度も小さい。
このように、ダメージ層の存在によって再現像処理がスムーズに行うことができないと、有機膜パターンに対する再現像処理が不均一となってしまい、例えば、下地膜に対する再度のパターン加工(下地膜再加工)が不均一になってしまうという問題が生じる。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、例えば有機膜パターンへの2回目以降の現像処理をスムーズに行うことなどを可能とする基板処理方法及びそれに用いる薬液を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の基板処理方法は、基板上に少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、前記有機膜パターン加工処理では、前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は前記有機膜パターンの少なくとも一部を除去する本処理を、薬液を用いて行うことを特徴としている。
また、本発明の基板処理方法は、基板上に少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、前記有機膜パターン加工処理は、前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は前記有機膜パターンの少なくとも一部を除去する本処理を備え、前記本処理では、前記有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に更に薄くすることを特徴としている。
また、本発明の基板処理方法は、基板上に少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、前記有機膜パターン加工処理は、前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は前記有機膜パターンの少なくとも一部を除去する本処理を備え、前記本処理では、前記有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に除去することを特徴としている。
本発明の基板処理方法においては、前記有機膜パターン加工処理では、前記有機膜パターンの表面に形成された変質層又は堆積層を除去する前処理と、前記本処理と、をこの順に行うことが好ましい。
ここで、前記変質層は、前記有機膜パターンの表面が時間放置劣化、熱酸化及び熱硬化のうちの少なくとも何れか1つの要因により変質したものである場合や、前記有機膜パターンの表面がウェットエッチング液処理により変質したものである場合や、前記有機膜パターンの表面がドライエッチング又はアッシング処理により変質したものである場合や、前記有機膜パターンの表面がドライエッチング又はアッシング処理により変質したものである場合がある。
また、前記堆積層は、例えば、前記有機膜パターンの表面上にドライエッチングにより形成されたものである
前記前処理では、少なくとも前記変質層又は少なくとも前記堆積層を除去することが一例である。
前記前処理では、前記変質層・前記堆積層を選択的に除去することが一例である。
前記前処理では、前記変質層を除去し、変質していない有機膜パターンを露出及び残存させることが一例である。
前記本処理では、前記有機膜パターンの少なくとも一部を残存させることが一例である。
前記有機膜パターン加工処理では、前記有機膜パターンの表面に形成された堆積層を除去し、前記有機膜パターンを露出及び残存させる前処理と、前記本処理と、をこの順に行うことが好ましい。
また、基板上に形成された当初の有機膜パターンは、フォトリソグラフィ法により形成された有機膜パターンであっても良いし、或いは、印刷法により形成された有機膜パターンであっても良い。
前記本処理は、有機膜パターンの現像機能を持つ薬液を用いた現像処理により行うことを好適な一例とする。
前記有機膜パターンの現像機能をもつ薬液(現像機能液)は、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を主成分とするアルカリ水溶液、又は、無機アルカリ水溶液であることを好ましい一例とする。ここで、前記無機アルカリ水溶液は、NaOH又はCaOHであることが好ましい。
或いは、前記本処理は、有機膜パターンの現像機能を持たず、有機膜パターンを溶解除去する機能を持つ薬液を用いた薬液処理により行うようにしても良い。この場合、剥離液の濃度を薄めることにより得られる薬液を用いて薬液処理を行うと良い。
また、前記有機膜パターン加工処理前の有機膜パターンをマスクとして該有機膜パターンの下地膜をパターン加工する下地膜加工処理や、前記有機膜パターン加工処理後の有機膜パターンをマスクとして該有機膜パターンの下地膜をパターン加工する下地膜加工処理を更に備えることが好ましい。
下地膜加工処理では、下地膜をテーパー状又は階段状に加工したり、複数層に成膜された下地膜のうちの何れか層を相互に異なるパターン形状に加工することが挙げられる。
また、前処理は、薬液処理とアッシング処理とのうちの少なくとも何れか一方の処理により行うことが好ましい。
また、前処理に薬液処理を適用する場合、薬液として、酸性の薬品を含有する薬液、有機溶剤を含有する薬液、アルカリ性の薬品を含有する薬液の何れかを用いると良い。
ここで、有機溶剤を含有する薬液を用いる場合、少なくともアミン系の材料を含有してなる有機溶剤を含有する薬液を用いることが好ましい。
或いは、有機溶剤を含有する薬液を用いる場合、少なくとも有機溶剤とアミン系の材料とを含有してなる薬液を用いることが好ましい。
また、アルカリ性の薬品を含有する薬液を用いる場合、少なくともアミン系の材料と水とを含有してなるアルカリ性薬品を含有する薬液を用いることが好ましい。
或いは、アルカリ性の薬品を含有する薬液を用いる場合、少なくともアルカリ性の薬品とアミン系の材料とを含有してなる薬液を用いることが好ましい。
ここで、アミン系の材料は、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソピルアミン、ジイソピルアミン、トリイソピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、無水ジエチルヒドロキシルアミン、ピリジン、ピコリンのうちの少なくとも何れか1つからなる材料であることが好ましい。
また、前処理における薬液処理で用いる薬液におけるアミン系の材料の濃度は、0.01重量%以上10重量%以下であること、或いは0.05重量%以上3重量%以下であること、或いは0.05重量%以上1.5重量%以下であることが好ましい。
更に、前処理における薬液処理で用いる薬液には、防食剤が添加されていることが好ましい。
また、前処理は、有機膜パターンに対する露光処理(有機膜に対する初期露光とは別の露光処理)に続いて行ったり、該露光処理を前処理の途中で行ったり、或いは、該露光処理を前処理と本処理との間に行うことも好ましい。
ここで、この露光処理は、有機膜パターンのうち、基板の所望範囲(前面又は一部)に含まれる有機膜パターンに対してのみ行うことが好ましい。
この露光処理は、基板の全面に対して充分な露光を行うことを目的とした露光処理であっても良いし、露光処理による露光範囲によって有機膜パターンの新たなパターン形状を決定するために行う処理であっても良い。
露光処理による露光範囲によって有機膜パターンの新たなパターン形状を決定する場合、例えば、有機膜パターンの少なくとも何れか1つを複数部分に分離させるように露光範囲を設定して露光処理を行うことが挙げられる。
ここで、2段階以上の膜厚を有する有機膜パターンを形成するためには、該有機膜パターンを形成するための初期露光における露光量を、有機膜パターンの面内で2段階以上に制御すると良い。具体的には、例えば、初期露光において、2種類以上の透過光量のレチクルマスクを用いると良い。このように、露光量を2段階以上に制御した後で現像処理(当初の有機膜パターンを形成するための現像処理であり、本処理として行う現像処理とは別)を行うことにより、露光量が多い又は少ない部分のみの有機膜が優先的に薄くなるので、2段階以上の膜厚を有する有機膜パターンを形成することができる。
ここで、初期露光による露光の履歴は、その後も残存するため、本処理の現像処理を行うことにより、有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に更に薄くしたり、或いは、有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に除去したりすることができる。
なお、本処理の現像処理で用いる現像機能液としては、当初の有機膜パターンを形成するための現像処理で用いた現像機能液がポジ用であれば、同じくポジ用の現像機能液を用い、当初の有機膜パターンを形成するための現像処理で用いた現像機能液がネガ用であれば、同じくネガ用の現像機能液を用いると良い。
ここで、薄膜部を選択的に薄くしたり除去したりする本処理は、基板上に当初の有機膜パターンを形成して以後、有機膜パターン加工処理までの間は有機膜パターンを感光させない状態に保つことにより、好適に行うことができる。
或いは、基板上に当初の前記有機膜パターンを形成して以後、前記有機膜パターン加工処理までの間、有機膜パターンを感光させない状態に保つことにより、有機膜パターン加工処理における露光処理による有機膜パターンの新たなパターン形状決定を好適に行うことができる。
また、本発明の薬液は、本発明の基板処理方法の前記前処理における薬液処理に用いられる薬液であって、前記アミン系の材料の濃度が、0.01重量%以上10重量%以下であること、或いは0.05重量%以上3重量%以下であること、或いは0.05重量%以上1.5重量%以下であることを特徴としている。
或いは、本発明の薬液は、本発明の基板処理方法の前記前処理における薬液処理に用いられる薬液であって、前記アミン系の材料は、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、無水ジエチルヒドロキシルアミン、ピリジン、ピコリンの少なくとも何れか1つからなることを特徴としている。
更に、本発明においては、有機膜パターン加工処理の始めに加熱処理を追加して施すようにしても良い。この加熱処理は、例えば、有機膜パターン加工処理以前の処理工程において有機膜パターン内、又は下部に染み込んだ水分、酸、アルカリ溶液を除去する目的、或いは、有機膜パターンと下地膜や基板との密着力が低下している場合に該密着力を回復する目的で行う。そのような加熱処理の例としては、50〜150℃の温度で、60〜300秒の処理を行うことが挙げられる。
更に、本発明の前記有機膜パターン加工処理において、前記有機膜パターンを完全に除去することも可能であり、そのことは、前記有機膜パターンの剥離処理の代替として用いることも可能であることを示している。
本発明によれば、基板上に少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、前記有機膜パターン加工処理では、前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は前記有機膜パターンの少なくとも一部を除去する本処理を、薬液を用いて行うので、本処理をスムーズに行うことができる。
或いは、本発明によれば、基板上に少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、前記有機膜パターン加工処理は、前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は前記有機膜パターンの少なくとも一部を除去する本処理を備え、前記本処理では、前記有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に更に薄くすることにより、有機膜パターンを新たなパターン形状に加工することができる。
或いは、本発明によれば、基板上に少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、前記有機膜パターン加工処理は、前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は前記有機膜パターンの少なくとも一部を除去する本処理を備え、前記本処理では、前記有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に除去することにより、有機膜パターンを新たなパターン形状に加工することができる。
更に、本発明によれば、有機膜パターンの表面に形成された変質層・堆積層を除去する前処理を備えるので、有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか又は有機膜パターンの一部を除去する本処理をスムーズに行うことができる。すなわち、本処理を有機膜パターンに対する2回目以降の現像処理により行う場合には、現像機能液の有機膜パターンへの浸透を容易にさせ、該現像処理の効果を均一化させることができる。また、本処理を、有機膜パターンの現像機能を持たず、有機膜パターンを溶解除去する機能を持つ薬液を用いた薬液処理により行う場合にも、同様の効果が得られる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係る基板処理方法は、例えば、図9に示される基板処理装置100又は図10に示される基板処理装置200を用いて行うことができる。
これら基板処理装置100、200は、基板に対し各種処理(後述)を施すための処理ユニット(後述)を必要に応じて選択的に備えることが可能となっている。
これら基板処理装置100、200に備えられる処理ユニットの候補は、例えば、図11に示すように、簡易露光処理ユニット17、加熱処理ユニット18、温度調整処理ユニット19、現像処理ユニット20、薬液処理ユニット21及びアッシング処理ユニット22の6種類である。
図11に示す処理ユニットのうち、簡易露光処理ユニット17は、基板上に形成された有機膜パターンに対し露光処理を施すためのユニットであり、基板の所望範囲(基板全面又は一部;例えば、基板面積の1/10以上の範囲)に含まれる有機膜パターンに対する露光が可能に構成されている。簡易露光処理ユニット17による露光は、基板の所望範囲に対する一括した露光であっても良いし、或いは、基板の所望範囲内で露光スポットを走査させることにより該範囲内を隈無く露光させるのであっても良い。簡易露光処理ユニット17にて露光に使用する光は、紫外線光(UV光)、蛍光、自然光或いはその他の光である。
加熱処理ユニット18は、基板に対し加熱処理(ベーキング)を施すためのものであり、その加熱温度は、例えば、80℃〜180℃、或いは、100℃〜150℃の範囲で調節することが可能となっている。加熱処理ユニット18は、例えば、基板を略水平状態に保持するステージと、このステージが内部に配されたチャンバーと、を備える。
温度調整処理ユニット19は、基板の温度制御を行うためのものであり、その調温範囲は、例えば、10℃〜50℃、或いは、10℃〜80℃となっている。この温度調整処理ユニット19は、例えば、基板を略水平状態に保持するステージと、このステージが内部に配されたチャンバーと、を備える。
薬液処理ユニット21は、基板に対し薬液処理を行うためのものである。
この薬液処理ユニット21は、例えば、図12に示すように、薬液を蓄える薬液タンク301と、内部に基板500が配されるチャンバー302と、を備えている。チャンバー302は、薬液タンク301より圧送される薬液を基板500上に供給するための可動ノズル303と、基板500を略水平状態で保持するステージ304と、該チャンバー302内より廃液及び排気を排出するための排出口305と、を備えている。
このような薬液処理ユニット21においては、薬液タンク301内に窒素ガスを圧送することにより、該薬液タンク301内の薬液を可動ノズル303を介して基板500上に供給することができる。なお、可動ノズル303は、例えば、水平方向に可動となっている。また、ステージ304は、例えば、その板状の本体部より起立する複数のピンにより基板500を下面側から点支持するように構成されている。
或いは、薬液処理ユニット21は、薬液を蒸気化して基板上に供給可能なドライ式のものであっても良い。
なお、薬液処理ユニット21で用いる薬液(薬液タンク301内に蓄えられる薬液)は、例えば、酸、有機溶剤、アルカリのうちの少なくとも何れか1つを含むものである。
現像処理ユニット20は、基板に対し現像処理を行うためのものであり、例えば、薬液処理ユニット21の薬液タンク301内に蓄える薬液を現像液とし、それ以外は薬液処理ユニット21と同様に構成することもできる。
アッシング処理ユニット22は、プラズマ放電処理(酸素、又は、酸素及びフッ素の雰囲気中で行う)、紫外線光などの波長の短い光エネルギーを用いた処理、及び、その光エネルギー或いは熱を用いたオゾン処理のうちの何れか、或いはその他の処理により、基板上の有機膜パターンのエッチングを行うユニットである。
また、図9に示すように、基板処理装置100は、基板(例えば、LCD基板或いは半導体ウェハ)を収納するためのカセットL1が載置されるカセットステーション1と、カセットL1と同様のカセットL2が載置されるカセットステーション2と、各種処理ユニットU1、U2、U3、U4、U5、U6、U7、U8及びU9が配置される処理ユニット配置区域3、4、5、6、7、8、9、10及び11と、各カセットステーション1,2及び各処理ユニットU1〜U9の相互間での基板搬送を行う基板搬送ロボット(基板搬送機構)12と、この基板搬送ロボット12による基板搬送と各処理ユニットU1〜U9で実行される処理とを各種の基板処理方法に応じて適宜に制御する制御機構24と、を備えている。
カセットL1、L2のうち、例えば、カセットL1は、基板処理装置100による処理前の基板の収納に用いられ、カセットL2は、基板処理装置100による処理完了後の基板の収納に用いられる。
また、各種処理ユニット配置区域3〜11に設置される各種処理ユニットU1〜U9としては、図11に示す6種類の処理ユニットのうちの何れか1つずつを、用途プロセスに応じて選択可能となっている。
なお、用途プロセスにて必要とされる処理の種類或いは処理能力に応じては、選択される処理ユニットの数量も適宜に調節可能である。従って、処理ユニット配置区域3〜11には、処理ユニット17〜22の何れも選択・設置されない区域が含まれていても良い。
また、制御機構24は、各種用途プロセスに応じたプログラムを選択的に実行することにより、基板搬送ロボット12及び各処理ユニットU1〜U9の動作制御を行う。
すなわち、制御機構24は、各種用途プロセスに応じた処理順序のデータに基づいて基板搬送ロボット12による基板搬送順序を制御し、各カセットステーション1,2及び各処理ユニットU1〜U9からの基板取り出しや、それらへの基板収納、載置等を所定の順序通りに行わせる。
また、制御機構24は、各種用途プロセスに応じた処理条件データに基づいて各処理ユニットU1〜U9による処理の実行制御を行う。
なお、図9に示す基板処理装置100は、該基板処理装置100が備える各処理ユニットによる処理順序を、用途に応じて変更可能に構成されている。
他方、図10に示す基板処理装置200は、該基板処理装置200が備える各処理ユニットによる処理順序が固定的となっている。
図10に示すように、基板処理装置200は、カセットL1が載置されるカセットステーション13と、カセットL2が載置されるカセットステーション16と、各種処理ユニットU1、U2、U3、U4、U5、U6及びU7が配置される各種処理ユニット配置区域3、4、5、6、7、8及び9と、カセットステーション13のカセットL1から処理ユニット配置区域3の処理ユニットU1へ基板を搬送する基板搬送ロボット14と、処理ユニット配置区域9の処理ユニットU7からカセットステーション16のカセットL2へ基板を搬送するための基板搬送ロボット15と、これら基板搬送ロボット14,15による基板搬送と各処理ユニットU1〜U9間での基板搬送と各処理ユニットU1〜U9で実行される処理とを各種の基板処理方法に応じて適宜に制御する制御機構24と、を備えている。
基板処理装置200では、各処理ユニットによる処理順序が固定的であり、上流側の処理ユニットから順に(図10の矢印A方向に)連続処理するように構成されている。
基板処理装置200も、各種処理ユニット配置区域3〜9に設置される各種処理ユニットU1〜U7として、図11に示す6種類の処理ユニットのうちの何れか1つずつを、用途プロセスに応じて選択可能となっている。また、用途プロセスにて必要とされる処理の種類或いは処理能力に応じては、選択される処理ユニットの数量も適宜に調節可能であり、処理ユニット配置区域3〜9には、処理ユニット17〜22の何れも選択・設置されない区域が含まれていても良い。
このように、本発明の実施形態に係る基板処理方法に用いて好適な基板処理装置100、200は、基板上に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を施すために、基板搬送機構(基板搬送ロボット)とカセット設置部(カセットステーション)の他に、上記6種類の処理ユニットのうちの適宜に選択された処理ユニットを一体的に備えて構成されている。
なお、基板処理装置100、200に設置する処理ユニットの数量をそれぞれ9個、7個とした例を図9、図10に示しているが、それらの数量は、用途プロセスの種類や処理能力、コストの観点により適宜に増減させた構成としても良い。
また、例えば、カセットL1及びL2の2つのカセットを用いる例を説明したが、必要な処理能力、コストの観点により、カセットの数量は適宜に増減させた構成としても良い。
また、基板処理装置100,200に備えられる処理ユニットとしては、上記の6種類の処理ユニットの他にも、例えば、微細パターン露光を伴う露光処理ユニット、エッチング(ドライ、又はウェット)処理ユニット、レジスト塗布ユニット、および密着強化処理(密着強化剤処理等)、表面洗浄(ドライ洗浄:UV光、プラズマ使用等、ウェット洗浄:洗浄液使用等)処理ユニット等を追加することも可能であり、更に全体的な処理を効率的に行うことも可能である。
エッチング処理ユニットを備える場合、例えば、有機膜パターンをマスクとして下地膜(例えば基板上層部)のパターン加工(下地膜加工処理)を行うことができる。
ここで、エッチング処理ユニットは、薬液処理ユニット21で用いる薬液として、下地膜のパターン加工が可能な薬液(すなわち酸を含むエッチング液、またはアルカリを含むエッチング液)を用いることにより、薬液処理ユニット21で代用できる。
また、処理の均一化の目的のために、基板処理装置は同一の処理ユニットを複数個備えるものとし、複数個備えられた同一の処理ユニットにより、それぞれ基板に同一の処理を施すこと、すなわち、同一の処理を流れ作業により複数回繰り返し行うことも好ましい。
更に、複数個備えられた同一の処理ユニットによる処理を、それぞれ基板の向きをその板面内において互いに異ならせて(例えば、反対向きにして)行うことも好ましい。この場合、基板処理装置は、複数個備えられた同一の処理ユニットによる処理を、それぞれ基板の向きをその板面内において互いに異ならせて行う機能を有することが好ましく、このように構成することにより、基板の向きの変更を作業者の手に頼らずに自動的に行うことができる。
或いは、同一の処理ユニットは1つだけ備える場合に、その一の処理ユニットによる処理を、基板の向きをその板面内において互いに異ならせて複数回に分けて行うことも好ましい。この場合、少なくとも、相互に反対向きの複数方向にて、それぞれ基板に処理を行うことが、より好ましい。これらの場合、基板処理装置は、少なくとも何れか1つの処理ユニットによる処理を、基板の向きをその板面内において互いに異ならせて複数回に分けて行う機能を有することが好ましい。
或いは、一の処理ユニットによる処理には、基板の板面において一方向への処理と、それとは異なる方向(例えば、反対方向)への処理と、が含まれることも好ましい。この場合、基板処理装置は、少なくとも何れか1つの処理ユニットによる処理として、基板の板面において一方向への処理と、それとは異なる方向への処理と、を行う機能を有することが好ましい。
次に、好適な実施形態の例(具体的な基板処理方法の例)について説明する。
なお、本実施形態に係る各基板処理方法は、基板上の有機膜パターンが主として感光性有機膜である場合に適用される方法であり、前処理によって有機膜パターン表面のダメージ層(変質層又は堆積層)を除去した後で、本処理によって有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか又は有機膜パターンの一部を除去する。
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
第1の実施形態に係る基板処理方法では、有機膜パターン表面の変質層又は堆積層を除去した後で、該有機膜パターンに対して現像処理(例えば2回目の現像処理)を行うことにより該有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか又は有機膜パターンの一部を除去する。
なお、基板上に当初の有機膜パターンを形成する処理は、例えば、従来技術と同様に、例えばフォトリソグラフィ法により行うことができる。
すなわち、基板上に有機膜を塗布した後、図1に示すように、露光処理(ステップS01)と現像処理(ステップS02)とプリベークとしての加熱処理(ステップS03)とをこの順に行うことにより、基板上に当初の有機膜パターンを形成する。
ただし、基板上に当初の有機膜パターンを形成する処理は、フォトリソグラフィ法に限らず、例えば、印刷法により行うこととしても良い。この場合、有機膜パターン表面の変質層又は堆積層を除去した後で行う現像処理は、例えば1回目の現像処理となる。
また、図1に示すように、例えば、基板上に形成された当初の有機膜パターンをマスクとして該有機膜パターンの下地膜、すなわち基板の上層部をエッチング処理(ステップS04:下地膜加工)する点も、従来技術と同様である。
第1の実施形態に係る基板処理方法では、例えばエッチング処理(ステップS04)に続いて、以下の処理を行う。
すなわち、図1に示すように、第1の実施形態に係る基板処理方法では、前処理としての薬液処理(ステップS11)を行った後で、本処理として、現像処理(ステップS12)及び加熱処理(ステップS13)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
このうち前処理として行う薬液処理(ステップS11)は、有機膜パターンの表面(表層部)の変質層或いは有機膜パターン表面上の堆積層の除去を目的とした薬液(酸性溶液、アルカリ性溶液、有機溶剤溶液等)処理であり、薬液処理ユニット21を用いて行われる。
ステップS11の薬液処理では、有機膜パターン表面上或いは表層部のダメージ層(変質層或いは堆積層)のみを選択的に除去できるように、処理時間を設定したり、使用薬液を選択することが好ましい。
つまり、ステップS11の薬液処理では、有機膜パターンの表層部に変質層が存在する場合で有機膜パターン表面上に堆積層が存在しない場合には変質層を、有機膜パターンの表層部に変質層が存在し且つ有機膜パターン表面上に堆積層が存在する場合には変質層及び堆積層を、有機膜パターン表面上に堆積層が存在する場合で有機膜パターンの表層部に変質層が存在しない場合には変質層を、それぞれ選択的に除去する。
そして、このように変質層・堆積層を除去する結果として、変質していない有機膜パターンを露出及び残存させたり、堆積層に覆われていた有機膜パターンを露出及び残存させたりする。
ここで、前処理により除去すべき変質層は、有機膜パターンの表層部が、時間放置劣化、熱酸化、熱硬化、デポジション層(堆積層)の付着、酸系エッチング液の使用(ウェットエッチング液処理)、アッシング処理(Oアッシングなど)、その他ドライエッチングガスの使用(ドライエッチング処理)を要因として変質し、生成されるものが想定される。すなわち、これらの要因により、有機膜パターンは物理的、化学的ダメージを受けて変質化するのであるが、その変質化の程度や特性は、ウェットエッチング処理における使用薬液の種類、ドライエッチング処理の一種であるプラズマ処理における等方性・異方性の差、有機膜パターン上における堆積物の有無、ドライエッチング処理における使用ガスの種類など、各種の生成要因に応じて大きく異なるため、変質層の除去のし易さにも違いが生じる。
また、前処理により除去すべき堆積層としては、ドライエッチング処理に伴い堆積した堆積層が想定される。この堆積層の特性も、ドライエッチング処理の一種であるプラズマ処理における等方性・異方性の差、ドライエッチング処理における使用ガスの種類などの生成要因に応じて大きく異なるため、堆積層の除去のし易さにも違いが生じる。
よって、薬液処理の時間の長さや、薬液処理で用いる薬液の種類は、変質層又は堆積層の除去し易さに応じて適宜に設定或いは選択する必要がある。
薬液処理で用いられる薬液としては、例えば、アルカリ性の薬品を含有した薬液、酸性の薬品を含有した薬液、有機溶剤を含有した薬品、有機溶剤とアミン系の材料とを含有した薬液、アルカリ性の薬品とアミン系の材料とを含有した薬液の何れかが用いられる。
ここで、アルカリ性の薬品は、例えば、アミン系の材料と水とを含有してなるものであることが挙げられ、有機溶剤は、例えば、アミン系の材料を含有してなるものであることが挙げられる。
更に、薬液処理で用いられる薬液は、防食剤を含有したものであることが好ましい。
アミン系の材料の具体例としては、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、無水ジエチルヒドロキシルアミン、ピリジン、ピコリンなどが挙げられる。つまり、薬液は、アミン系の材料を含有する場合、これらの材料のうちの何れか1種を含有していても良いし、何れか複数種を含有していても良い。
なお、薬液は、アミン系の材料を含有する場合、アミン系の材料を0.01から10Wt%(0.01重量%以上10重量%以下)の範囲で含有する水溶液であることが挙げられる。薬液におけるアミン系の材料の濃度は、0.05重量%以上3重量%以下であることも好ましい。或いは、薬液におけるアミン系の材料の濃度は、0.05重量%以上1.5重量%以下であることも好ましい。
前処理としての薬液処理(ステップS11)は、後の現像処理(ステップS12)において有機膜パターンに現像機能液を浸透し易くさせ、該現像処理の質及び効率を向上させる効果を奏する。
次に、ステップS12の現像処理は、基板上の有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか又は有機膜パターンの一部を除去することを目的とした処理であり、現像処理ユニット20を用いて行われる。
この現像処理ユニット20では、有機膜パターンの現像機能をもつ薬液(現像機能液)を用いて基板上の有機膜パターンに対して現像処理を行う。
現像機能液としては、例えば、主成分としてのTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を0.1から10.0Wt%の範囲で含有するアルカリ水溶液、又は、NaOH(水酸化ナトリウム)やCaOH(水酸化カルシウム)などの無機アルカリ水溶液がある。
ステップS13の加熱処理では、所定の加熱温度(例えば80℃〜180℃)に保たれた加熱処理ユニット18のステージ上に基板を載置して所定時間(例えば3分〜5分)保持する。この加熱処理を行うことにより、先の現像処理にて基板上に供給した現像機能液を有機パターン内により深く浸透させることができ、現像による有機膜パターンの縮小又は除去をより進行させることができる。
ステップS13の後は、常温付近への温度調整処理を行うことが好ましい。
ここで、以上の処理において、現像処理(ステップS12)及び加熱処理(ステップS13)により、基板上の有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか又は有機膜パターンの一部を除去する本処理が構成されている。
ここで、有機膜パターンの少なくとも一部の縮小とは、有機膜パターンの面積は変化させずに体積のみを縮小させる(つまり有機膜パターンの少なくとも一部を薄くさせる)ことや、或いは有機膜パターンの面積を縮小させることである。また、有機膜パターンの一部を除去することは、有機膜パターンの面積の縮小を伴う。
本実施形態の場合の本処理は、より具体的には、例えば、以下に列挙する何れかの目的で行う。
(1)有機膜パターンの面積を縮小させることにより、有機膜パターンを新たなパターン形状に加工する目的。
(2)有機膜パターンの少なくとも何れか1つの一部を除去して有機膜パターンの少なくとも何れか1つを複数部分に分離させることにより、有機膜パターンを新たなパターン形状に加工する目的。
(3)上記(1)及び(2)の処理の前及び後で、それぞれ有機膜パターンをマスクとして下地膜をエッチングすることにより、ステップS12の現像処理の前に基板に対して行うエッチング処理(ステップS04のエッチング処理)にてエッチングされる範囲と、ステップS12の現像処理(及びステップS13の加熱処理)の後で基板に対して行うエッチング処理にてエッチングされる範囲とを相互に異ならせる目的。
(4)上記(3)の処理を行うことにより、有機膜パターンの下地膜(例えば基板の上層部)をテーパー状(上側ほど細くなるようなテーパー状)又は階段状に加工する目的。
なお、有機膜パターンの下地膜を階段状に加工する処理は、特許文献1と同様に、ステップS12の現像処理後の有機膜パターンをマスクとし、下地膜(例えば導電膜)を半分程度エッチングすることにより行うことができる。この処理を行うことにより、下地膜の断面形状を階段状にし、断面が垂直化したり逆テーパーになったりすることを防ぐことができる。
(5)有機膜パターンの下地膜(基板の上層部)が複数層に成膜された膜である場合に、上記(3)の処理を行うことにより、その複数層の下地膜のうちの何れか2つ以上の層を相互に異なるパターン形状にエッチング加工する目的。
(6)上記(1)及び(2)の目的のより具体的な他の例としては、有機膜パターンが絶縁性の場合に、ステップS12の現像処理の前に基板に対して行うエッチング処理(ステップS04のエッチング処理)を行った後、該有機膜パターンを回路パターンの絶縁膜となるように変形させる(基板上に形成された回路パターンのみを覆う絶縁膜となるように有機膜パターンを縮小させる)目的が挙げられる。
(7)当初の有機膜パターンが少なくとも2段階以上の膜厚に形成されている場合に、該2段階以上の膜厚の部分における薄膜部のみを選択的に除去することにより、上記(1)或いは(2)の処理、ひいては上記(3)〜(6)の処理を行う目的。
(8)有機膜パターンの少なくとも一部を縮小(薄膜化)する目的。この処理を行うことにより、有機膜パターンの少なくとも一部を除去しやすくすることができる。
なお、(8)の処理は、下地膜に達するまで行うことにより、有機膜パターンの少なくとも一部を除去することができる。
(9)当初の有機膜パターンが少なくとも2段階以上の膜厚に形成されている場合に、該2段階以上の膜厚の部分における薄膜部のみを選択的に薄膜化することにより、該薄膜部を除去しやすくする目的。
なお、(9)の処理は、下地膜に達するまで行うことにより、実質的に上記(7)の処理と同様の処理となる。
次に、図6を参照して、上記(7)の具体的な例について説明する。
すなわち、図6は、当初の有機膜パターンが少なくとも2段階以上の膜厚に形成されている場合に、該2段階以上の膜厚の部分における薄膜部のみを選択的に除去する処理を行う場合の一連の工程図を示す。
図6(a−2)、図6(b−2)、図6(c−2)及び図6(d−2)はそれぞれ平面図、図6(a−1)は図6(a−2)の断面図、図6(b−1)は図6(b−2)の断面図、図6(c−1)は図6(c−2)の断面図、図6(d−1)は図6(d−2)の断面図である。
図6(a−1)及び図6(a−2)に示すように、例えば、絶縁基板(基板)601上には所定形状のゲート電極602が形成され、このゲート電極602を覆うように絶縁基板601上にゲート絶縁膜603が形成され、更に、ゲート絶縁膜603上には、アモルファスシリコン層604、Nアモルファスシリコン層605及びソース・ドレイン層606がこの順に積層されている。
次に、図6(b−1)及び図6(b−2)に示すように、ソースドレイン層606上に当初の有機膜パターン607を所定のパターン形状となるよう形成した(ステップS01〜S03)後、有機膜パターン607をマスクとしてソース・ドレイン層606、Nアモルファスシリコン層605及びアモルファスシリコン層604をエッチング(ステップS04)する。これにより、有機膜パターン607が形成されていない領域のみ、ゲート絶縁膜603を露出させる。
ここで、当初の有機膜パターン607は、該有機膜パターン607において、例えば、ゲート絶縁膜603上を覆う一部のみが薄膜部607aとなるように形成する。このような2段階の膜厚差を有する有機膜パターン607は、薄膜部607aとする部分とそれ以外の部分とで露光量を相互に異ならせることにより、形成することができる。
次に、本実施形態に係る基板処理方法の前処理及び本処理(ステップS11の薬液処理、ステップS12の現像処理及びステップS13の加熱処理)を行う。ここで、当初の有機膜パターン607を形成する際の露光の履歴は、その後も残留する。このため、この本処理(現像処理及び加熱処理)により、有機膜パターン607における薄膜部のみが選択的に除去され、図6(c−1)及び図6(c−2)に示す状態となる。つまり、当初の有機膜パターン607が複数部分に分割(例えば2分割)される。
次に、本処理(現像処理及び加熱処理)後の有機膜パターン607をマスクとしてソース・ドレイン層606及びNアモルファスシリコン層605をエッチングし、アモルファスシリコン層604を露出させた後、有機膜パターン607を除去する。
このように、当初の有機膜パターンが2段階の膜厚に形成されている場合に、該2段階以上の膜厚の部分における薄膜部のみを選択的に除去することにより、有機膜パターンを新たなパターン形状に加工することができる。より具体的には、有機膜パターンを複数部分(例えば図6(c−2)に示すように2つの部分)に分離させることにより、有機膜パターンを新たなパターン形状に加工することができる。
更に、有機膜パターンの下地膜が複数層からなる場合に、有機膜パターンの加工処理(ステップS11、S12、S13)の前及び後で、それぞれ有機膜パターンをマスクとして下地膜をエッチングするので、有機膜パターンの加工処理の前に基板に対して行うエッチング処理(ステップS04のエッチング処理)にてエッチングされる範囲と、有機膜パターンの加工処理の後で基板に対して行うエッチング処理にてエッチングされる範囲とを相互に異ならせることができ、複数層の下地膜のうちの第1の層(例えばアモルファスシリコン層604)と第2の層(例えばソース・ドレイン層606及びNアモルファスシリコン層605)とを相互に異なるパターン形状にエッチング加工することができる。
次に、このような第1の実施形態の場合に用いられる基板処理装置の具体例について説明する。
第1の実施形態の場合に用いられる基板処理装置は、例えば、各種処理ユニットU1〜U9又はU1〜U7として、少なくとも薬液処理ユニット21、現像処理ユニット20及び加熱処理ユニット18を備える基板処理装置100又は200である。
基板処理装置100の場合には、薬液処理ユニット21、現像処理ユニット20及び加熱処理ユニット18の配置は任意である。
他方、基板処理装置200の場合には、薬液処理ユニット21、現像処理ユニット20及び加熱処理ユニット18が、この順に、図10の矢印A方向において配置されている必要がある。なお、基板処理装置200の場合に各処理ユニットを処理順に配置する必要があるのは、以下に説明する各基板処理方法においても同様である。
また、ステップS13の加熱処理は省略することも可能であり、該加熱処理を省略する場合、加熱処理ユニット18は不要となる。以下、図2乃至図5の各図において、ステップS13と同様に括弧書きとなっているステップは、同様に省略可能であることを意味する。従って、括弧書きとなっているステップに対応する処理ユニットを省略可能であることは、以下に説明する各基板処理方法においても同様である。
なお、基板処理装置100の場合には、同一の処理を複数回行うような基板処理方法(例えば、加熱処理(ステップS4)を2回行うような基板処理方法)の場合にも、その処理用の処理ユニットは1つで良いが、基板処理装置200の場合には、同一の処理を複数回行うには、その回数分の同一処理ユニットが必要である。すなわち、基板処理装置200の場合、例えば、加熱処理(ステップS4)を2回行うには、加熱処理ユニット22が2つ必要である。このことは、以下に説明する各基板処理方法においても同様である。
以上のような第1の実施形態によれば、有機膜パターンの表面に形成された変質層・堆積層を除去する前処理を行った後で、有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか又は有機膜パターンの一部を除去する本処理を行うでの、該本処理をスムーズに行うことができる。すなわち、本処理を構成する現像処理における現像機能液の有機膜パターンへの浸透を容易にさせ、該現像処理の効果を均一化させることができる。
〔第2の実施形態〕
図2は第2の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
図2に示すように、第2の実施形態に係る基板処理方法では、前処理としてのアッシング処理(ステップS21)を行った後で、本処理として、現像処理(ステップS12)及び加熱処理(ステップS13)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
すなわち、第2の実施形態に係る基板処理方法は、前処理をアッシング処理(ステップS21)により行う点でのみ上記の第1の実施形態に係る基板処理方法と異なり、その他の点では第1の実施形態に係る基板処理方法と同様である。
本実施形態の場合、基板上の有機膜パターンに対してステップS21のアッシング処理を施すことにより、有機膜パターンの表面(表層部)の変質層の除去、又は、有機膜パターン表面上の堆積層の除去を行う。
このアッシング処理は、アッシング処理ユニット22を用いて行われる処理であり、プラズマ放電処理(酸素、又は、酸素及びフッ素の雰囲気中で行う)、紫外線光などの波長の短い光エネルギーを用いた処理、及び、その光エネルギー或いは熱を用いたオゾン処理のうちの何れか、或いはその他の処理により、基板上の有機膜パターンをエッチングする処理である。
ステップS14のアッシング処理では、有機膜パターンの表層部の変質層のみ、又は、有機膜パターン表面上の堆積層のみを、選択的に除去できるように、その処理時間を設定したり、処理の種類を選択することが好ましい。
そして、このように変質層又は堆積層を除去する結果として、上記の第1の実施形態の場合と同様に、変質していない有機膜パターンを露出及び残存させたり、堆積層に覆われていた有機膜パターンを露出及び残存させたりする。
このように、前処理としてのアッシング処理(ステップS21)を行うことにより、後の現像処理(ステップS12)において有機膜パターンに現像機能液を浸透し易くさせ、該現像処理の質及び効率を向上させる効果を奏する。
以後の処理については、上記の第1の実施形態におけるのと同様であるため、説明を省略する。
以上のような第2の実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、前処理をアッシング処理により行うので、変質層・堆積層が強固であり、現像処理では除去困難な場合にも、好適にこれら変質層・堆積層を除去することができる。
〔第3の実施形態〕
図3は第3の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、第3の実施形態に係る基板処理方法では、前処理として、アッシング処理(ステップS21)及び薬液処理(ステップS11)をこの順に行った後で、本処理として、現像処理(ステップS12)及び加熱処理(ステップS13)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
すなわち、第3の実施形態に係る基板処理方法は、前処理をアッシング処理(ステップS21)及び薬液処理(ステップS11)の組み合わせにより行う点でのみ上記の第1の実施形態に係る基板処理方法と異なり、その他の点では第1の実施形態に係る基板処理方法と同様である。
本実施形態の場合、第1の実施形態のように前処理の全てをウェット処理である薬液処理により行うのではなく、例えば、薬液処理の前にアッシング処理を行うことによって変質層・堆積層の中でも特に表層部を除去した後、薬液処理により残りの変質層・堆積層を除去するようにしている。
以上のような第3の実施形態によれば、上記の第1の実施形態の場合と同様の効果が得られる。
また、薬液処理のみでは除去できないような強固な変質層又は堆積層が存在する場合にも、薬液処理の前のアッシング処理により、その変質層又は堆積層を容易に除去することができる。
また、前処理でアッシング処理を行うが、このアッシング処理は、有機膜パターン表面の変質層又は堆積層の中でも特に表層部のみの除去に利用するのに留めているため、第2の実施形態の場合と比べて、その処理時間を短縮でき、該アッシング処理による下地膜へのダメージを低減することができる。
また、第3の実施形態のステップS11で用いる薬液としては、第1の実施形態のステップS11で用いる薬液と比べて、有機膜パターンの浸食度の少ないものを適用したり、第3の実施形態のステップS11の処理時間を第1の実施形態のステップS11よりも短縮したりすることができる。
〔第4の実施形態〕
図4及び図5は第4の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
なお、図4及び図5においては、基板上に当初の有機膜パターンを形成する処理(ステップS01〜S03)と、当初の有機膜パターンとして下地膜をエッチングする処理(ステップS04)とを省略している。
図4及び図5に示すように、第4の実施形態に係る基板処理方法は、上記の第1乃至第3の実施形態に係る基板処理方法における現像処理の前に、有機膜パターンを感光させる露光処理(ステップS41)を追加した基板処理方法である。
ステップS41の露光処理は、図4(a)、図4(b)及び図4(c)に示すように前処理の前に行うか、図4(d)に示すように前処理の途中で行うか、図5(a)、図5(b)及び図5(c)に示すように前処理の後で行う。
ここで、ステップS41の露光処理は、当初の有機膜パターンをフォトリソグラフィ法により形成した場合には、例えば2回目の露光処理であり、当初の有機膜パターンを印刷法により形成した場合には、例えば1回目の露光処理である。
また、ステップS41の露光処理は、基板の所望範囲(全面の場合もある)に含まれる有機膜パターンに対し露光処理を施す処理(つまり、例えば、微細パターン露光などとは異なる露光処理)であり、簡易露光処理ユニット17を用いて行う。露光する光は、紫外線光(UV光)、蛍光、自然光或いはその他の光である。この露光処理では、基板の所望範囲(基板全面又は一部;例えば、基板面積の1/10以上の範囲)に含まれる有機膜パターンに対する露光を行う。なお、露光は、基板の所望範囲に対する一括した露光であっても良いし、或いは、基板の所望範囲内で露光スポットを走査させることにより該範囲内を隈無く露光させるのであっても良い。
なお、第4の実施形態においては、最初に有機膜パターンを形成する際の初期露光の後、ステップS41の露光処理を行うまでの間は、基板を無露光(無感光)状態に保っておくことが好ましく、このように無露光状態に保つことにより、ステップS12の現像処理の効果を一定化させたり、トータルの露光量の均一化を図ったりすることができる。基板を無露光状態に保つためには、工程を管理したり、或いは、基板処理装置の構成を、基板を無露光状態に保てるような構成にすると良い。
ここで、ステップS41の露光処理は、例えば、以下の何れかの位置付けで行うことが挙げられる。
1つ目は、所定パターンのマスクを用いて露光処理を行うことにより、有機膜パターンに対して新たなパターン露光を行う場合である。つまり、ステップS41の露光処理による露光範囲によって有機膜パターンの新たなパターン形状を決定する。この場合、その後の現像処理(ステップS12)により、有機膜パターンが新たなパターン形状となるように、有機膜パターンの一部が選択的に除去されるので、該御有機膜パターンを新たなパターンに形成することができる。ただし、この場合は、最初に有機膜パターンを形成する際の初期露光の後、ステップS41の露光処理を行うまでの間は、基板を無露光(無感光)状態に保っておく必要がある。
2つ目は、基板全面を充分露光することにより、ステップS12の現像処理をより一層効果に行う場合である。この場合には、最初に有機膜パターンを形成する際の初期露光の後、ステップS41の現像処理を行うまでの間の基板を無露光(無感光)状態に保っておく必要はない。この場合、露光処理以前にある程度露光され(紫外線光、UV光、蛍光、自然光により露光され、又は、その光の中で長時間放置され)てしまった場合や、露光量が不明な場合(露光が不均一な場合や無管理状態の場合)であっても、ステップS41の露光処理を行うことにより、露光量を基板全面で実質的に均一化することができる。
次に、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例について説明する。
<第4の実施形態の具体例1>
図4(a)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例1を示すフローチャートである。
図4(a)に示すように、具体例1の基板処理方法では、第1の実施形態に係る基板処理方法(図1)において、ステップS11の薬液処理の前(ただしステップS04のエッチング処理の後)に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例1の場合に用いられる基板処理装置は、各種処理ユニットU1〜U9又はU1〜U7として、少なくとも簡易露光処理ユニット17、薬液処理ユニット21、現像処理ユニット20及び加熱処理ユニット18を備える基板処理装置100又は200である(括弧書きとなっているステップに対応する処理ユニットを省略しない場合)。
<第4の実施形態の具体例2>
図4(b)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例2を示すフローチャートである。
図4(b)に示すように、具体例2の基板処理方法では、第2の実施形態に係る基板処理方法(図2)において、ステップS21のアッシング処理の前(ただしステップS04のエッチング処理の後)に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例2の場合に用いられる基板処理装置は、各種処理ユニットU1〜U9又はU1〜U7として、少なくとも簡易露光処理ユニット17、アッシング処理ユニット22、現像処理ユニット20及び加熱処理ユニット18を備える基板処理装置100又は200である(括弧書きとなっているステップに対応する処理ユニットを省略しない場合)。
<第4の実施形態の具体例3>
図4(c)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例3を示すフローチャートである。
図4(c)に示すように、具体例3の基板処理方法では、第3の実施形態に係る基板処理方法(図3)において、ステップS21のアッシング処理の前(ただしステップS04のエッチング処理の後)に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例3の場合に用いられる基板処理装置は、各種処理ユニットU1〜U9又はU1〜U7として、少なくとも簡易露光処理ユニット17、アッシング処理ユニット22、薬液処理ユニット21、現像処理ユニット20及び加熱処理ユニット18を備える基板処理装置100又は200である(括弧書きとなっているステップに対応する処理ユニットを省略しない場合)。
<第4の実施形態の具体例4>
図4(d)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例4を示すフローチャートである。
図4(d)に示すように、具体例4の基板処理方法では、第3の実施形態に係る基板処理方法(図3)において、ステップS21のアッシング処理とステップS11の薬液処理の間に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例4の場合に用いられる基板処理装置は、具体例3の場合と同様である。
<第4の実施形態の具体例5>
図5(a)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例5を示すフローチャートである。
図5(a)に示すように、具体例5の基板処理方法では、第1の実施形態に係る基板処理方法(図1)において、ステップS11の薬液処理とステップS12の現像処理の間に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例5の場合に用いられる基板処理装置は、具体例1の場合と同様である。
<第4の実施形態の具体例6>
図5(b)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例6を示すフローチャートである。
図5(b)に示すように、具体例6の基板処理方法では、第2の実施形態に係る基板処理方法(図2)において、ステップS21のアッシング処理とステップS12の現像処理の間に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例6の場合に用いられる基板処理装置は、具体例2の場合と同様である。
<第4の実施形態の具体例7>
図5(c)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例7を示すフローチャートである。
図5(c)に示すように、具体例7の基板処理方法では、第3の実施形態に係る基板処理方法(図3)において、ステップS11の薬液処理とステップS12の現像処理の間に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例7の場合に用いられる基板処理装置は、具体例3の場合と同様である。
次に、図7を参照して、第4の実施形態に係る基板処理方法のより具体的な適用例の第1の例について説明する。
図7(a−2)、図7(b−2)、図7(c−2)及び図7(d−2)はそれぞれ平面図、図7(a−1)は図7(a−2)の断面図、図7(b−1)は図7(b−2)の断面図、図7(c−1)は図7(c−2)の断面図、図7(d−1)は図7(d−2)の断面図である。
図7(a−1)及び図7(a−2)に示すように、例えば、絶縁基板(基板)601上には所定形状のゲート電極602が形成され、このゲート電極602を覆うように絶縁基板601上にゲート絶縁膜603が形成され、更に、ゲート絶縁膜603上には、アモルファスシリコン層604、Nアモルファスシリコン層605及びソース・ドレイン層606がこの順に積層されている。
次に、図7(b−1)及び図7(b−2)に示すように、ソースドレイン層606上に当初の有機膜パターン607を所定のパターン形状となるよう形成した後、有機膜パターン607をマスクとしてソース・ドレイン層606、Nアモルファスシリコン層605及びアモルファスシリコン層604をエッチングする。これにより、有機膜パターン607が形成されていない領域のみ、ゲート絶縁膜603を露出させる。
ここで、当初の有機膜パターン607は、図6の場合とは異なり、全体が均一な膜厚に形成されている。
次に、本実施形態に係る基板処理方法の前処理、本処理及び露光処理を上記具体例1〜7(図4、図5)の何れかの順序で行う。
ここで、ステップS41の露光処理は、所定パターンのマスクを用いて行う。これにより、その後の現像処理(ステップS12)では、有機膜パターンが新たなパターン形状に加工され、図7(c−1)及び図7(c−2)に示す状態となる。つまり、当初の有機膜パターン607が複数部分に分割(例えば2分割)される。
次に、本処理(現像処理及び加熱処理)後の有機膜パターン607をマスクとしてソース・ドレイン層606及びNアモルファスシリコン層605をエッチングし、アモルファスシリコン層604を露出させた後、有機膜パターン607を除去する。
このように、有機膜パターンの下地膜が複数層からなる場合に、有機膜パターンの加工処理(前処理、本処理及び露光処理)の前及び後で、それぞれ有機膜パターンをマスクとして下地膜をエッチングするので、有機膜パターンの加工処理の前に基板に対して行うエッチング処理(ステップS04のエッチング処理)にてエッチングされる範囲と、有機膜パターンの加工処理の後で基板に対して行うエッチング処理にてエッチングされる範囲とを相互に異ならせることができ、複数層の下地膜のうちの第1の層(例えばアモルファスシリコン層604)と第2の層(例えばソース・ドレイン層606及びNアモルファスシリコン層605)とを相互に異なるパターン形状にエッチング加工することができる。
つまり、図7に示す処理を行うことにより、当初の有機膜パターンの膜厚が全面で均一な場合にも、図6に示す処理を行う場合(当初の有機膜パターンが2段階の膜厚に形成されている場合)と同様の効果が得られる。
次に、図8を参照して、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体的な適用例の第2の例について説明する。
図8(a−2)、図8(b−2)、図8(c−2)及び図8(d−2)はそれぞれ平面図、図8(a−1)は図8(a−2)の断面図、図8(b−1)は図8(b−2)の断面図、図8(c−1)は図8(c−2)の断面図、図8(d−1)は図8(d−2)の断面図である。なお、図8(b−2)及び図8(c−2)においては有機膜パターンの図示を省略している。
図8(a−1)及び図8(a−2)に示すように、例えば、絶縁基板(基板)601上には所定形状のゲート電極602が形成され、このゲート電極602を覆うように絶縁基板601上にゲート絶縁膜603が形成され、このゲート絶縁膜603上には、所定形状のソース・ドレイン電極801が形成され、このソース・ドレイン電極801を覆うようにゲート絶縁膜603上にカバー絶縁膜802が形成されている。
次に、図8(b−1)及び図8(b−2)に示すように、カバー絶縁膜802上に当初の有機膜パターン607を所定のパターン形状となるよう形成した後、該有機膜パターン607をマスクとしてカバー絶縁膜802及びゲート絶縁膜603をエッチングする。これにより、有機膜パターン607が形成されていない領域のみ、ゲート電極602を露出させる。
ここで、当初の有機膜パターン607は、図6の場合とは異なり、全体が均一な膜厚に形成されている。
次に、本実施形態に係る基板処理方法の前処理、本処理及び露光処理を上記具体例1〜7の何れかの順序で行う。
ここで、ステップS41の露光処理は、所定パターンのマスクを用いて行う。これにより、その後の現像処理(ステップS12)では、有機膜パターンが新たなパターン形状に加工され、図8(c−1)に示す状態となる。
次に、、図8(c−1)及び図8(c−2)に示すように、本処理(現像処理及び加熱処理)後の有機膜パターン607をマスクとしてカバー絶縁膜802をエッチングすることによりソースドレイン電極801の一部を露出させた後、有機膜パターン607を除去する。
このように、有機膜パターンの下地膜が複数層からなる場合に、有機膜パターンの加工処理(前処理、本処理及び露光処理)の前及び後で、それぞれ有機膜パターンをマスクとして下地膜をエッチングするので、有機膜パターンの加工処理の前に基板に対して行うエッチング処理(ステップS04のエッチング処理)にてエッチングされる範囲と、有機膜パターンの加工処理の後で基板に対して行うエッチング処理にてエッチングされる範囲とを相互に異ならせることができ、複数層の下地膜のうちの第1の層(例えばゲート絶縁膜603)と第2の層(例えばカバー絶縁膜802)とを相互に異なるパターン形状にエッチング加工することができる。
なお、予めゲート電極602上のゲート絶縁膜603及びカバー絶縁膜802をエッチングした後で、ソースドレイン電極801上のカバー絶縁膜802のみを別途エッチングすることにより、ソースドレイン電極801へのダメージを抑制することができる。
以上のような第4の実施形態によれば、第1〜第3の実施形態に係る各基板処理方法にステップS41の露光処理を追加しているので、当初の有機膜パターンの膜厚が均一な場合(膜厚が2段階以上でない場合)であっても、有機膜パターンの新たなパターン形状への加工を容易に行うことができる。
或いは、有機膜パターンの新たなパターン形状への加工は行わない場合であっても、第1〜第3の実施形態に係る各基板処理方法にステップS41の露光処理を追加しているので、ステップS12の現像処理をより効果的に行うことができる。
次に、上記の各実施形態における前処理の種類の選択に関する指針を説明する。
図13は、前処理により除去すべき変質層の成因に応じた変質化の程度を示す図である。なお、図13においては、変質化の程度を、ウェット剥離の難易を基準としてレベル分けしている。
図13に示すように、有機膜表面の変質層の変質化の程度は、有機膜のウエットエッチング処理、ドライエッチング処理、更にドライエッチング処理のうちのプラズマ処理における等方性、異方性の差、有機膜上の堆積物の有無、ドライエッチング処理における使用ガスの種類などに応じて大きく異なる。つまり、これらの各種パラメータに応じて、有機膜表面の変質層の除去のし易さに違いがある。
ステップS11の薬液処理で用いる薬液としては、酸、アルカリ水溶液及び有機溶剤のうちの何れか1つ、又は、それらの混合液を用いる。
更に具体的な例として、アルカリ水溶液、又はアミン類の有機溶剤を混合した水溶液であって、少なくとも1種類のアミン類を0.05〜10wt%(0.05重量%以上10重量%以下)の範囲で含有する薬液を用いる。
アミン類の典型例は、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、無水ジエチルヒドロキシルアミン、ピリジン、ピコリンなどである。
但し、変質層の変質化の程度が比較的軽い場合、すなわち時間放置劣化(放置酸化)、酸系エッチング液、等方性Oアッシングなどの要因により形成された変質層の場合には、アミン類の濃度は、例えば、0.05〜3wt%(0.05重量%以上3重量%以下)で良い。
ここで、図17は、使用する薬液中のアミン類の含有濃度と、有機膜の変質の有無に応じた除去レートと、の関係を示す図である。
図17に示すように、変質層を選択的に除去し、変質していない有機膜は残存させる為には、前記アミン類の有機溶剤を0.05〜1.5wt%(0.05重量%以上1.5重量%以下)含有するような水溶液を用いて薬液処理を行うと良い。なお、前記アミン類の中でも、特に、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、無水ジエチルヒドロキシルアミン、ピリジン、ピコリンなどが最適である。また、添加する防食剤の典型例として、D−グルコース(C12)、キレート剤、酸化防止剤などがあり、それらを添加している場合もある。
更に、ステップS11の薬液処理では、上記のように薬液の種類を適宜に選択するほか、その処理時間の長さを適宜の値に設定することにより、変質層又は堆積層のみを選択的に除去し、変質していない有機膜パターンを露出及び残存させたり、堆積層に覆われていた有機膜パターンを露出及び残存させたりすることができる。
このような薬液処理を行うことにより、その後の現像処理において、現像機能液有機膜パターン内に浸透しやすくなるという効果が得られる。
実際には、有機膜パターンの表面の変質層を上記薬液で処理することにより、変質層に亀裂が入るか、変質層の一部又は全部が除去される。これにより、現像処理において、有機パターン内への現像機能液の浸透が変質層によって妨げられてしまうことを、回避することが可能となる。
ここで重要な点は、有機膜パターンにおいて変質していない部分は除去或いは剥離せずに残存させることと、変質層のみを選択的に除去するか或いは該変質層に亀裂を入れることにより有機膜パターンにおいて変質していない部分への有機溶剤の浸透を容易にすることであり、そのような作用を変質層に対して及ぼすことが可能な薬液を使用する必要がある。
また、例えば図2、図3、図4(b)、図4(c)、図4(d)、図5(b)及び図5(c)に示すアッシング処理は、有機膜の表面の変質層又は堆積層が強固な場合、厚い場合、フッ素と化合した変質層などのより除去し難い変質層である場合に、薬液処理と組み合わせるか又は単独で行うと良い。このようにアッシング処理と薬液処理とを組み合わせて行うか、又はアッシング処理のみを単独で行うことにより、薬液処理では変質層の除去が困難であるか又は除去に時間がかかるなどの問題点を解消することができる。
ここで、図14は変質層に対しOアッシング(等方性プラズマ)処理のみを施した場合の変質層の変化を示し、図15は変質層に対し薬液処理(ヒドロキシルアミンを2%含有する水溶液を用いた薬液処理)のみを施した場合の変質層の変化を示し、図16は変質層に対しOアッシング(等方性プラズマ)処理と薬液処理(ヒドロキシルアミンを2%含有する水溶液を用いた薬液処理)とを順に施した場合の変質層の変化を示している。なお、図14〜図16においても、図12におけるのと同様に、変質化の程度を、ウェット剥離の難易を基準としてレベル分けしている。
図14〜図16に示すように、何れの場合にも変質層の除去は可能であるが、図14に示すOアッシング(等方性プラズマ)処理のみの場合と、図15に示す薬液処理(ヒドロキシルアミンを2%含有する水溶液を用いた薬液処理)のみの場合とでは、処理前の変質層の厚さや性質に応じて変質層の除去程度が異なる。
すなわち、Oアッシング(等方性プラズマ)処理は、図14に示すように、比較的、堆積物の有る変質層の除去に効果があるが、ダメージを残存させてしまう特徴がある為、堆積物の無い変質層に対して行った場合には、薬液処理のみの場合(図15)よりも変質層の残存の程度が大きい。
それに比較し、薬液処理(ヒドロキシルアミンを2%含有する水溶液を用いた薬液処理)は、図15に示すように、堆積物の有る変質層の除去に対しては効果が小さいが、ダメージを残存させない特徴がある為、堆積物の無い変質層に対して行った場合には、Oアッシング(等方性プラズマ)処理のみの場合(図14)よりも変質層の残存の程度が大きい。
そこで、Oアッシング(等方性プラズマ)処理と薬液処理(ヒドロキシルアミンを2%含有する水溶液を用いた薬液処理)とを順に施した場合を図16に示すが、図16の場合には、図14の場合と図15の場合との双方の長所を取り入れた方法であることが分かる。すなわち、図16の場合には、堆積物有りの場合にも、無しの場合にも、共に効果を発揮するとともに、ダメージの残存を抑制した理想的な態様で変質層を除去できることが分かる。
なお、上記の各実施形態においては、本処理を現像処理(及び加熱処理)により行う例を説明したが、本処理は、有機膜パターンの現像機能を持たず、有機膜パターンを溶解除去する機能を持つ薬液を用いた薬液処理により行うようにしても良い。この場合の薬液処理に用いる薬液は、例えば、剥離液の濃度を薄めることにより得られる薬液であることを好ましい例とする。具体的には、例えば、剥離液を20%以下に薄めることにより、この薬液を得ることができる。なお、剥離液の濃度は2%以上が好ましい。また、この薬液は、剥離液を例えば水で薄めることにより得ることができる。
また、上記の各実施形態では、有機膜パターンが主として感光性有機膜である場合について説明したが、有機膜パターンを印刷法により形成する場合で、且つ、有機膜パターンの現像機能を持たず有機膜パターンを溶解除去する機能を持つ薬液を用いた薬液処理により本処理を行う場合には、有機膜パターンが感光性有機膜からなる必要はない。更に、この場合、ステップS41の露光処理は不要となる。
ただし、有機膜パターンを印刷法により形成する場合であっても、感光性有機膜からなる有機膜パターンを形成し、ステップS41の露光処理を適用するようにしても良い。
また、有機膜パターン加工処理の始めに加熱処理を追加して施すようにしても良い。この加熱処理は、例えば、有機膜パターン加工処理以前の処理工程において有機膜パターン内、又は下部に染み込んだ水分、酸、アルカリ溶液を除去する目的、或いは、有機膜パターンと下地膜や基板との密着力が低下している場合に該密着力を回復する目的で行う。そのような加熱処理の例としては、50〜150℃の温度で、60〜300秒の処理を行うことが挙げられる。
更に、上記の実施形態で説明したのと同様の有機膜パターン加工処理において、有機膜パターンを完全に除去することも可能であり、そのことは、有機膜パターン加工処理、或いは該有機膜パターン加工処理の一部を有機膜パターンの剥離処理の代替として適用可能であることを示している。具体的には、まず第一の方法として、前記前処理の段階で、変質層或いは堆積層だけでなく有機膜パターンも除去可能な薬液を用いて、処理時間を上記の各実施形態で述べた処理時間(有機膜パターンが残存する処理時間)よりも長時間にすることにより、有機膜パターン全体を除去することが挙げられる。また、第二の方法として、前記前処理では、有機膜パターンの変質層或いは堆積層を主に除去し、その後の前記本処理の処理時間を上記の各実施形態で述べた処理時間(前記有機膜パターンが残存する処理時間)よりも長時間にすることにより、有機膜全体を除去することが挙げられる。
本発明の第1の実施形態に係る基板処理方法を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る基板処理方法を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る基板処理方法を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る基板処理方法を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る基板処理方法を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る基板処理方法の具体的な適用例を示す一連の工程図である。 本発明の第4の実施形態に係る基板処理方法の第1の具体的な適用例を示す一連の工程図である。 本発明の第4の実施形態に係る基板処理方法の第2の具体的な適用例を示す一連の工程図である。 基板処理装置の一例を模式的に示す平面図である。 基板処理装置の他の一例を模式的に示す平面図である。 基板処理装置に備えられる処理ユニットの選択候補を示す図である。 薬液処理ユニット(或いは現像処理ユニット)の一例を示す断面図である。 前処理により除去すべき変質層の成因に応じた変質化の程度を示す図である。 変質層に対しアッシング処理のみを施した場合の変質層の変化を示す図である。 変質層に対し薬液処理のみを施した場合の変質層の変化を示す図である。 変質層に対しアッシング処理と薬液処理とをこの順に施した場合の変質層の変化を示す図である。 薬液処理に使用する薬液中のアミン類の含有濃度と、有機膜の変質の有無に応じた除去レートと、の関係を示す図である。 従来の基板処理方法を示す図である。
符号の説明
S11 薬液処理(前処理)
S12 現像処理(本処理)
S13 加熱処理(本処理)
S21 アッシング処理(前処理)
S41 露光処理
S04 エッチング処理(下地膜加工処理)

Claims (62)

  1. 基板上に少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、
    前記有機膜パターン加工処理では、
    前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は前記有機膜パターンの少なくとも一部を除去する本処理を、薬液を用いて行うことを特徴とする基板処理方法。
  2. 基板上に少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、
    前記有機膜パターン加工処理は、
    前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は前記有機膜パターンの少なくとも一部を除去する本処理を備え、
    前記本処理では、前記有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に更に薄くすることを特徴とする基板処理方法。
  3. 基板上に少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、
    前記有機膜パターン加工処理は、
    前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は前記有機膜パターンの少なくとも一部を除去する本処理を備え、
    前記本処理では、前記有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に除去することを特徴とする基板処理方法。
  4. 前記有機膜パターン加工処理では、
    前記有機膜パターンの表面に形成された変質層又は堆積層を除去する前処理と、
    前記本処理と、
    をこの順に行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の基板処理方法。
  5. 前記前処理では少なくとも前記変質層又は少なくとも前記堆積層を除去することを特徴とする請求項4に記載の基板処理方法。
  6. 前記前処理では前記変質層又は前記堆積層を選択的に除去することを特徴とする請求項4に記載の基板処理方法。
  7. 前記前処理では、前記変質層を除去し、変質していない有機膜パターンを露出及び残存させることを特徴とする請求項6に記載の基板処理方法。
  8. 前記本処理では、前記有機膜パターンの少なくとも一部を残存させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の基板処理方法。
  9. 前記変質層は、前記有機膜パターンの表面が時間放置劣化、熱酸化及び熱硬化のうちの少なくとも何れか1つの要因により変質したものであることを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載の基板処理方法。
  10. 前記変質層は、前記有機膜パターンの表面がウェットエッチング液処理により変質したものであることを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載の基板処理方法。
  11. 前記変質層は、前記有機膜パターンの表面がドライエッチング又はアッシング処理により変質したものであることを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載の基板処理方法。
  12. 前記変質層は、前記有機膜パターンの表面がドライエッチングによるデポジションに伴い変質したものであることを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載の基板処理方法。
  13. 前記有機膜パターン加工処理では、
    前記有機膜パターンの表面に形成された堆積層を除去し、前記有機膜パターンを露出及び残存させる前処理と、
    前記本処理と、
    をこの順に行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の基板処理方法。
  14. 前記堆積層は、前記有機膜パターンの表面上にドライエッチングにより形成されたものであることを特徴とする請求項4又は13に記載の基板処理方法。
  15. 基板上に形成された当初の有機膜パターンは、印刷法により形成された有機膜パターンであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  16. 基板上に形成された当初の有機膜パターンは、フォトリソグラフィ法により形成された有機膜パターンであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  17. 前記本処理は、有機膜パターンの現像機能を持つ薬液を用いた現像処理により行うことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  18. 前記有機膜パターンの現像機能をもつ薬液は、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を主成分とするアルカリ水溶液、又は、無機アルカリ水溶液であることを特徴とする請求項17に記載の基板処理方法。
  19. 前記無機アルカリ水溶液は、NaOH又はCaOHであることを特徴とする請求項18に記載の基板処理方法。
  20. 前記本処理は、前記有機膜パターンに対する少なくとも2回目以降の現像処理により行うことを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  21. 前記本処理は、有機膜パターンの現像機能を持たず、有機膜パターンを溶解除去する機能を持つ薬液を用いた薬液処理により行うことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  22. 有機膜パターンの現像機能を持たず、有機膜を溶解除去する機能を持つ前記薬液は、剥離液の濃度を薄めることにより得られる薬液であることを特徴とする請求項21に記載の基板処理方法。
  23. 前記本処理は、前記有機膜パターンの少なくとも何れか1つを複数部分に分離させる処理であることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  24. 前記有機膜パターン加工処理前の有機膜パターンをマスクとして該有機膜パターンの下地膜をパターン加工する下地膜加工処理を備えることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  25. 前記本処理は、基板上に形成された回路パターンを覆う絶縁膜となるように前記有機膜パターンを変形させる処理であることを特徴とする請求項1乃至24のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  26. 前記有機膜パターン加工処理後の有機膜パターンをマスクとして該有機膜パターンの下地膜をパターン加工する下地膜加工処理を備えることを特徴とする請求項1乃至25のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  27. 前記下地膜加工処理により、前記下地膜をテーパー状又は階段状に加工することを特徴とする請求項24又は26に記載の基板処理方法。
  28. 前記下地膜は、複数層に成膜された膜であり、前記下地膜加工処理により、該複数層の膜のうちの何れかを相互に異なるパターン形状に加工することを特徴とする請求項24又は26に記載の基板処理方法。
  29. 前記有機膜パターンに対するアッシング処理により、前記前処理の少なくとも一部を行うことを特徴とする請求項4、5、6、7、13、14のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  30. 前記有機膜パターンに対する薬液処理により、前記前処理の少なくとも一部を行うことを特徴とする請求項4、5、6、7、13、14のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  31. 前記有機膜パターンに対するアッシング処理と薬液処理とを組み合わせて実行することにより、前記前処理の少なくとも一部を行うことを特徴とする請求項4、5、6、7、13、14のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  32. 前記有機膜パターンに対するアッシング処理と薬液処理とをこの順に実行することにより、前記前処理の少なくとも一部を行うことを特徴とする請求項4、5、6、7、13、14のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  33. 前記有機膜パターンに対する薬液処理により、前記前処理の全てを行うことを特徴とする請求項4、5、6、7、13、14のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  34. 前記有機膜パターンに対するアッシング処理と薬液処理とをこの順に実行することにより、前記前処理の全てを行うことを特徴とする請求項4、5、6、7、13、14のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  35. 前記前処理における前記薬液処理で用いる薬液は、少なくとも酸性の薬品を含有していることを特徴とする請求項30乃至34のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  36. 前記前処理における前記薬液処理で用いる薬液は、少なくとも有機溶剤を含有していることを特徴とする請求項30乃至34のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  37. 前記前処理における前記薬液処理で用いる薬液は、少なくともアルカリ性の薬品を含有していることを特徴とする請求項30乃至34のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  38. 前記有機溶剤は、少なくともアミン系の材料を含有していることを特徴とする請求項36に記載の基板処理方法。
  39. 前記前処理における前記薬液処理で用いる薬液は、少なくとも有機溶剤とアミン系の材料とを含有していることを特徴とする請求項30乃至34のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  40. 前記アルカリ性の薬品は、少なくともアミン系の材料と水とを含有していることを特徴とする請求項36に記載の基板処理方法。
  41. 前記前処理における前記薬液処理で用いる薬液は、少なくともアルカリ性の薬品とアミン系の材料とを含有していることを特徴とする請求項30乃至34のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  42. 前記アミン系の材料は、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソピルアミン、ジイソピルアミン、トリイソピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、無水ジエチルヒドロキシルアミン、ピリジン、ピコリンのうちの少なくとも何れか1つからなることを特徴とする請求項38乃至41のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  43. 前記前処理における前記薬液処理で用いる薬液における前記アミン系の材料の濃度が、0.01重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項38乃至42のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  44. 前記前処理における前記薬液処理で用いる薬液における前記アミン系の材料の濃度が、0.05重量%以上3重量%以下であることを特徴とする請求項38乃至42のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  45. 前記前処理における前記薬液処理で用いる薬液における前記アミン系の材料の濃度が、0.05重量%以上1.5重量%以下であることを特徴とする請求項38乃至42のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  46. 前記前処理における前記薬液処理で用いる薬液には、防食剤が添加されていることを特徴とする請求項30乃至45のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  47. 前記有機膜パターン加工処理は、前記有機膜パターンに対する露光処理を更に備え、
    前記露光処理を前記本処理の前に行うことを特徴とする請求項1乃至46のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  48. 前記有機膜パターン加工処理は、前記有機膜パターンに対する露光処理を更に備え、
    前記露光処理を前記前処理の前に行うことを特徴とする請求項4〜7、13、14、29〜46のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  49. 前記有機膜パターン加工処理は、前記有機膜パターンに対する露光処理を更に備え、
    前記露光処理を前記前処理の途中で行うことを特徴とする請求項4〜7、13、14、29〜46のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  50. 前記有機膜パターン加工処理は、前記有機膜パターンに対する露光処理を更に備え、
    前記露光処理を前記前処理と前記本処理との間に行うことを特徴とする請求項4〜7、13、14、29〜46のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  51. 前記露光処理は、前記有機膜パターンのうち、基板の所望範囲に含まれる有機膜パターンに対してのみ行うことを特徴とする請求項47乃至50のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  52. 前記露光処理は、前記所望範囲に対して一括して露光を行う処理であるか、又は、前記所望範囲内で露光スポットを走査させる処理であることを特徴とする請求項51に記載の基板処理方法。
  53. 前記所望範囲は、少なくとも基板面積の1/10以上の範囲であることを特徴とする請求項51又は52に記載の基板処理方法。
  54. 前記露光処理による露光範囲によって有機膜パターンの新たなパターン形状を決定することを特徴とする請求項51乃至53のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  55. 前記露光処理は、前記有機膜パターンの少なくとも何れか1つを複数部分に分離させるように露光範囲を設定して行うことを特徴とする請求項54に記載の基板処理方法。
  56. 前記露光処理は、紫外線、蛍光及び自然光のうちの少なくとも何れか1つで露光する処理であることを特徴とする請求項47乃至55のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  57. 前記アッシング処理は、プラズマ、オゾン及び紫外線のうちの少なくとも何れか一つを用いて基板上の各種膜をエッチングする処理であることを特徴とする請求項29、31、32、34のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  58. 基板上に当初の前記有機膜パターンを形成して以後、前記有機膜パターン加工処理までの間は、有機膜パターンを感光させない状態に保つことを特徴とする請求項1乃至57のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  59. 請求項38乃至42のいずれか一項に記載の基板処理方法の前記前処理における前記薬液処理に用いられる薬液であって、前記アミン系の材料の濃度が、0.01重量%以上10重量%以下であることを特徴とする薬液。
  60. 請求項38乃至42のいずれか一項に記載の基板処理方法の前記前処理における前記薬液処理に用いられる薬液であって、前記アミン系の材料の濃度が、0.05重量%以上3重量%以下であることを特徴とする薬液。
  61. 請求項38乃至42のいずれか一項に記載の基板処理方法の前記前処理における前記薬液処理に用いられる薬液であって、前記アミン系の材料の濃度が、0.05重量%以上1.5重量%以下であることを特徴とする薬液。
  62. 請求項38乃至42のいずれか一項に記載の基板処理方法の前記前処理における前記薬液処理に用いられる薬液であって、前記アミン系の材料は、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、無水ジエチルヒドロキシルアミン、ピリジン、ピコリンの少なくとも何れか1つからなることを特徴とする薬液。
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