JP2007027574A - 基板処理方法 - Google Patents

基板処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007027574A
JP2007027574A JP2005210324A JP2005210324A JP2007027574A JP 2007027574 A JP2007027574 A JP 2007027574A JP 2005210324 A JP2005210324 A JP 2005210324A JP 2005210324 A JP2005210324 A JP 2005210324A JP 2007027574 A JP2007027574 A JP 2007027574A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic film
film pattern
substrate
processing method
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005210324A
Other languages
English (en)
Inventor
Taiji Umihira
泰司 海平
Shusaku Kido
秀作 城戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Kagoshima Ltd
NEC Kagoshima Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Kagoshima Ltd
NEC Kagoshima Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Kagoshima Ltd, NEC Kagoshima Ltd filed Critical Nippon Electric Kagoshima Ltd
Priority to JP2005210324A priority Critical patent/JP2007027574A/ja
Publication of JP2007027574A publication Critical patent/JP2007027574A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】 当初の有機膜パターンがエッチングによるダメージや露光を受けていたりするような場合であっても、現像処理の後の有機膜パターンを所望の寸法・形状にすることが可能な基板処理方法を提供する。
【解決手段】 基板901上に形成された有機膜パターン901aを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法である。有機膜パターン加工処理では、有機膜パターン901aを上方から加熱する加熱処理と、有機膜パターン901aの少なくとも一部を縮小するか又は有機膜パターン901aの一部を除去する本処理とをこの順に行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板処理方法に関する。
従来、半導体ウェハ、LCD(Liquid Crystal Display)基板或いはその他の基板に有機膜パターンを形成後、該有機膜パターンをマスクとしたエッチングによって下地膜すなわち基板をパターン加工(下地膜加工)することにより、配線回路等を形成する技術がある。
なお、下地膜加工の後で、有機膜パターンは剥離処理により除去されるのが一般的であるが、有機膜パターンを更に加工する技術もある。
すなわち、例えば、特許文献1に示されるように、基板に有機膜パターン(特許文献1には「レジストパターン」と記載)を形成した後、該有機膜パターンをマスクとしたエッチングによって下地膜(1層又は2層)をパターン加工(下地膜加工)し、再度現像(以下「再現像」と呼ぶ)することによりオーバー現像し、そのオーバー現像した有機膜パターンをマスクとして、下地膜(1層又は2層)を再度パターン加工(下地膜再加工)することにより、下地膜パターンをテーパー状或いは階段状に形成し、絶縁破壊耐性の高い配線回路等を形成する技術がある。この場合、有機膜パターンは、下地膜再加工の後で剥離処理により除去される。
特許文献1に記載の有機膜パターンの現像、エッチングによる下地膜加工処理、有機膜パターン(レジストパターン)の再現像、及び、下地膜再加工処理を行う基板処理方法を、より具体的に図31に示す。
図37に示すように、特許文献1では、導電膜を成膜した基板上に、有機膜(この特許文献1には「フォトレジスト」と記載)を塗布した後、通常の露光処理(ステップS01)と現像処理(ステップS02)とプリベークとしての加熱処理(ステップS03)とをこの順に行うことにより、基板上に当初の有機膜パターンを形成する。続いて、有機膜パターンをマスクとして、基板上の導電膜を対象とするエッチング処理(ステップS04)(下地膜加工)を行い、導電膜パターンの一次加工を行う。この後、更に、同一の有機膜パターンへの再現像である現像処理(ステップS101)を行い、オーバー現像することにより有機膜パターンの縮小或いは一部除去を行い、再度のプリベークである加熱処理(ステップS102)を行うことにより、有機膜パターンを新たなパターン形状に加工する。更に、特許文献1には、オーバー現像された新たな有機膜パターンをマスクとし、導電膜を再度半分程度エッチング(下地膜再加工)することにより、導電膜の断面形状を階段状にし、断面が垂直化したり逆テーパーになったりすることを防ぐ技術が記載されている。
特開平8−23103号公報
図38は従来技術の問題点を説明するための図であり、このうち(a)は当初の有機膜パターンの形状を示す模式的な正面断面図、(b)は現像処理(再現像)の後の有機膜パターンの形状を示す模式的な正面断面図である。
上記のように、基板上に形成された当初の有機膜パターンに対して再度の現像処理(再現像:図37のステップS101)を行うことにより、該有機膜パターンは縮小或いは一部除去されるが、この現像処理後の有機膜パターンを所望の形状・寸法とするためには、該現像処理による有機膜パターンの変形量を的確に制御する必要がある。
しかしながら、図37にて説明した処理のように、基板上に形成された当初の有機膜パターンに対してエッチング処理(図37のステップS04)を行うと、当初の有機膜パターンはダメージを受けてしまう。
このため、その後の現像処理(図37のステップS101)を行うことにより、有機膜パターンの寸法は、エッチング処理により受けたダメージに応じた分量だけ余分に減少してしまう。
すなわち、基板1001上に当初形成された有機膜パターン1002(図38(a))は、現像処理(再現像)を行うことにより、図38(b)に示すように、幅及び厚さが減少し、その減少量には、エッチング処理により受けたダメージに応じた分量が上乗せされる。
しかし、エッチング処理により有機膜パターンに対して与えるダメージ量を制御することは困難であるため、現像処理(再現像:図37のステップS101)の後における有機膜パターンを所望の形状・寸法とすることが困難であった。
また、図37にて説明した処理の場合に、基板上に当初の有機膜パターンを形成してから現像処理(再現像)を行うまでの間、すなわち、図37のステップS03からステップS101の間は、有機膜パターンが無露光状態に維持管理されるとは限らない。
すなわち、当初の有機膜パターンを形成してから現像処理(再現像)を行うまでの間に、例えば、製造工場の室内灯などにより有機膜パターンが露光されてしまうことが想定される。
このように有機膜パターンが露光されてしまうと、現像処理(再現像:ステップS101)による有機膜パターンの寸法の減少量には、該露光による影響の分量が上乗せされてしまう。
この場合も、当初の有機膜パターンを形成してから現像処理(再現像)を行うまでの間の露光量を調節することは(無露光状態に維持管理する以外は)困難であるため、現像処理(再現像:図37のステップS101)の後における有機膜パターンを所望の形状・寸法とすることが困難であった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、有機膜パターンに対しエッチングによるダメージが生じていたり、有機膜パターンが(露光量が制御されていない)露光を受けていたりするような場合であっても、有機膜パターンに対する現像処理(或いは現像処理と同様に有機膜パターンを縮小或いは一部除去する処理)の後の有機膜パターンを所望の寸法・形状にすることが可能な基板処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の基板処理方法は、基板上に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、前記有機膜パターン加工処理では、前記有機膜パターンを上方から加熱する加熱処理と、前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は、前記有機膜パターンの一部を除去する本処理と、をこの順に行うことを特徴としている。
また、本発明の基板処理方法は、基板上に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、前記有機膜パターン加工処理では、前記有機膜パターンを上方及び下方から加熱する加熱処理と、前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は、前記有機膜パターンの一部を除去する本処理と、をこの順に行うことを特徴としている。
この場合、前記加熱処理では、前記有機膜パターンに対する下方からの加熱温度よりも上方からの加熱温度の方を高温に設定することも好ましい。
前記有機膜パターンには、前記有機膜パターン加工処理の以前に、露光処理、現像処理、ウェットエッチング処理及びドライエッチング処理のうちの少なくともいずれか1つの処理を行うことが好ましい。
前記加熱処理は、例えば、前記有機膜パターン加工処理以前の処理工程において前記有機膜パターンの内部又は下部に染み込んだ水分、酸またはアルカリ溶液を除去する目的の下に、あるいは、前記有機膜パターンと下地膜または基板との密着力が低下している場合に、前記密着力を回復させる目的の下に行われる。
前記加熱処理は50乃至150℃の温度で行うことが好ましい。
但し、最適には、その後の再度の現像処理を考慮した場合、感光機能を維持できる140℃以下が好ましく、更には、100乃至130℃が好ましい。
加熱処理は、有機膜パターンを架橋させる温度よりも低温で行うことが好ましい。
また、前記加熱処理を行う時間は60乃至300秒間であることが好ましい。
本発明の基板処理方法においては、前記有機膜パターンの表面に形成された変質層及び/又は堆積層を除去する前処理を、前記加熱処理と前記本処理の間に行うことが好ましい。
或いは、前記有機膜パターンの表面に形成された変質層及び/又は堆積層を除去する前処理を、前記加熱処理の前に行うことも好ましい。
前記前処理では、前記変質層及び/又は前記堆積層のみを選択的に除去することが好ましい。
前記前処理は、例えば、前記有機膜パターンの表面に形成された変質層を除去し、変質していない有機膜パターンを露出及び残存させる処理である。
あるいは、前記前処理は、前記有機膜パターンの表面に形成された堆積層を除去し、前記有機膜パターンを露出及び残存させる処理である。
ここで、前記変質層は、前記有機膜パターンの表面が時間放置劣化、熱酸化及び熱硬化のうちの少なくとも何れか1つの要因により変質したものである場合や、前記有機膜パターンの表面がウェットエッチング液処理により変質したものである場合や、前記有機膜パターンの表面がドライエッチング又はアッシング処理により変質したものである場合や、前記有機膜パターンの表面がドライエッチングによるデポジッションにより変質したものである場合がある。
また、前記堆積層は、例えば、前記有機膜パターンの表面上にドライエッチングにより形成されたものである。
また、基板上に形成された当初の有機膜パターンは、フォトリソグラフィ法により形成された有機膜パターンであっても良いし、或いは、印刷法により形成された有機膜パターンであっても良い。
前記本処理は、有機膜パターンの現像機能を持つ薬液を用いた現像処理により行うことを好適な一例とする。
前記有機膜パターンの現像機能をもつ薬液(現像機能液)は、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を主成分とするアルカリ水溶液、又は、無機アルカリ水溶液であることを好ましい一例とする。ここで、前記無機アルカリ水溶液は、NaOH又はCaOHであることが好ましい。
或いは、前記本処理は、有機膜パターンの現像機能を持たず、有機膜パターンを溶解除去する機能を持つ薬液を用いた薬液処理により行うようにしても良い。この場合、剥離液の濃度を薄めることにより得られる薬液を用いて薬液処理を行うと良い。
また、前記有機膜パターン加工処理前の有機膜パターンをマスクとして該有機膜パターンの下地膜をパターン加工する下地膜加工処理や、前記有機膜パターン加工処理後の有機膜パターンをマスクとして該有機膜パターンの下地膜をパターン加工する下地膜加工処理を更に備えることが好ましい。
下地膜加工処理では、下地膜をテーパー状又は階段状に加工したり、複数層に成膜された下地膜のうちの何れか層を相互に異なるパターン形状に加工することが挙げられる。
また、前処理は、薬液処理とアッシング処理とのうちの少なくとも何れか一方の処理により行うことが好ましい。
また、前処理に薬液処理を適用する場合、薬液として、酸性の薬品を含有する薬液、有機溶剤を含有する薬液、アルカリ性の薬品を含有する薬液の何れかを用いると良い。
ここで、有機溶剤を含有する薬液を用いる場合、少なくともアミン系の材料を含有してなる有機溶剤を含有する薬液を用いることが好ましい。
或いは、有機溶剤を含有する薬液を用いる場合、少なくとも有機溶剤とアミン系の材料とを含有してなる薬液を用いることが好ましい。
また、アルカリ性の薬品を含有する薬液を用いる場合、少なくともアミン系の材料と水とを含有してなるアルカリ性薬品を含有する薬液を用いることが好ましい。
或いは、アルカリ性の薬品を含有する薬液を用いる場合、少なくともアルカリ性の薬品とアミン系の材料とを含有してなる薬液を用いることが好ましい。
ここで、アミン系の材料は、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソピルアミン、ジイソピルアミン、トリイソピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヒドロキシルアミン、ジエチルエヒドロキシルアミン、無水ジエチルエヒドロキシルアミン、ピリジン、ピコリンのうちの少なくとも何れか1つからなる材料であることが好ましい。
また、前処理における薬液処理で用いる薬液におけるアミン系の材料の濃度は、0.01重量%以上10重量%以下であること、或いは0.05重量%以上3重量%以下であること、或いは0.05重量%以上1.5重量%以下であることが好ましい。
更に、前処理における薬液処理で用いる薬液には、防食剤が添加されていることが好ましい。
また、前処理は、有機膜パターンに対する露光処理(有機膜に対する初期露光とは別の露光処理)に続いて行ったり、該露光処理を前処理の途中で行ったり、或いは、該露光処理を前処理と本処理との間に行うことも好ましい。
ここで、この露光処理は、有機膜パターンのうち、基板の所望範囲(前面又は一部)に含まれる有機膜パターンに対してのみ行うことが好ましい。
この露光処理は、基板の全面に対して充分な露光を行うことを目的とした露光処理であっても良いし、露光処理による露光範囲によって有機膜パターンの新たなパターン形状を決定するために行う処理であっても良い。
露光処理による露光範囲によって有機膜パターンの新たなパターン形状を決定する場合、例えば、有機膜パターンの少なくとも何れか1つを複数部分に分離させるように露光範囲を設定して露光処理を行うことが挙げられる。
基板上に形成された当初の前記有機膜パターンは、全体が均一な膜厚に形成されたものであっても良いが、少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンであっても良い。
ここで、2段階以上の膜厚を有する有機膜パターンを形成するためには、該有機膜パターンを形成するための初期露光における露光量を、有機膜パターンの面内で2段階以上に制御すると良い。具体的には、例えば、初期露光において、2種類以上の透過光量のレチクルマスクを用いると良い。このように、露光量を2段階以上に制御した後で現像処理(当初の有機膜パターンを形成するための現像処理であり、本処理として行う現像処理とは別)を行うことにより、露光量が多い又は少ない部分のみの有機膜が優先的に薄くなるので、2段階以上の膜厚を有する有機膜パターンを形成することができる。
ここで、初期露光による露光作用は、その後も残存するため、本処理の現像処理を行うことにより、有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に更に薄くしたり、或いは、有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に除去したりすることができる。
なお、本処理の現像処理で用いる現像機能液としては、当初の有機膜パターンを形成するための現像処理で用いた現像機能液がポジ用であれば、同じくポジ用の現像機能液を用い、当初の有機膜パターンを形成するための現像処理で用いた現像機能液がネガ用であれば、同じくネガ用の現像機能液を用いると良い。
ここで、薄膜部を選択的に薄くしたり除去したりする本処理は、基板上に当初の有機膜パターンを形成して以後、有機膜パターン加工処理までの間は有機膜パターンを感光させない状態に保つことにより、好適に行うことができる。
或いは、基板上に当初の前記有機膜パターンを形成して以後、前記有機膜パターン加工処理までの間、有機膜パターンを感光させない状態に保つことにより、有機膜パターン加工処理における露光処理による有機膜パターンの新たなパターン形状決定を好適に行うことができる。
更に、本発明の前記有機膜パターン加工処理において、前記有機膜パターンを完全に除去することも可能であり、そのことは、前記有機膜パターンの剥離処理の代替として用いることも可能であることを示している。
本発明によれば、有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は、前記有機膜パターンの一部を除去する本処理(現像処理など)を行う前に、有機膜パターンを加熱する加熱処理を行うので、有機膜パターンに対しエッチングによるダメージが生じていた場合に、そのダメージを加熱処理により回復させた後で、本処理を行うことができる。
また、有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は、前記有機膜パターンの一部を除去する本処理(現像処理など)を行う前に、有機膜パターンを加熱する加熱処理を行うので、有機膜パターンに対し(露光量が制御されていない)露光がなされていた場合に、その感光作用を加熱処理により解消させた後で、本処理を行うことができる。
すなわち、有機膜パターンに対しエッチングによるダメージが生じていたり、有機膜パターンが(露光量が制御されていない)露光を受けていたりするような場合であっても、本処理による有機膜パターンの縮小量や除去量を好適に制御することができ、本処理後の有機膜パターンを所望の寸法・形状にすることが可能となる。
更に、本処理以前の工程において有機膜パターンに加えられた各種処理により、有機膜パターン内部又は下部に水分、酸またはアルカリ溶液が染み込んでいたり、或いは、有機膜パターンと下地膜または基板との間の密着力が低下していたりする場合があるが、このような場合には、本処理の前に行う加熱処理により、有機膜パターン内部又は下部に染み込んだ水分、酸またはアルカリ溶液を除去し、或いは、有機膜パターンと下地膜または基板との間の密着力を回復したりすることが可能となる。この結果、有機膜パターンの感光性その他の特性を初期状態に近いものとすることができるので、本処理における有機膜パターンの加工性を向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。
本実施形態で説明する各種の基板処理方法に共通する特徴は、基板(半導体ウェハ、LCD基板或いはその他の基板)上に予め形成された有機膜パターンを加熱する加熱処理と、この有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか又は有機膜パターンの一部を除去する本処理と、をこの順に行う点である。
有機膜パターンは、基板上に形成された当初の形状に形成された段階で、例えば、該有機膜パターンの下地膜に対するエッチング処理におけるマスクなどとして機能した後、本処理により加工され、再びマスクとして機能したり、或いは、加工後の形状の有機膜パターンを絶縁膜などとして基板上に残留させたりする目的に供されたりする。
ここで、加熱処理は、エッチングによって有機膜パターンに与えられたダメージを回復させる効果や、有機膜パターンに対する感光作用を解消させる効果を奏する。また、それらの効果は、有機膜パターンにおいて、加熱処理での熱源から近い部分ほど高い。このため、本処理による有機膜パターンの縮小量或いは除去量は、有機膜パターンにおいて、加熱処理での熱源から遠い部分ほど多くなってしまう。
従って、加熱処理において、有機膜パターンを基板の下方からのみ加熱する場合には、本処理により加工された後の有機膜パターンは、上部が痩せた形状となってしまい、不都合を生じる可能性がある。すなわち、加工後の有機膜パターンを再びマスクとして機能させたり、加工後の有機膜パターンを基板上に残留させて絶縁膜などとして用いるのに不都合が生じる場合がある。
そこで、このような問題を回避するために、本実施形態における加熱処理は、(1)有機膜パターンを上方から加熱する第1の態様、(2)有機膜パターンを上方及び下方から加熱する第2の態様、(3)第2の態様の場合に、有機膜パターンに対する下方からの加熱温度よりも上方からの加熱温度の方を高温に設定する第3の態様、のうちの何れか1つの態様で行う。
これにより、加熱処理の後で本処理を行った後の有機膜パターンにおける上部の寸法を十分に確保することが可能となり、上記のような不都合を回避することができる。
図1は本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の第1の態様を説明するための図であり、このうち(a)は加熱処理を行う加熱処理ユニットのチャンバーの要部を示す模式的な正面断面図、(b)は加熱処理及び現像処理の後の有機膜パターンの形状を示す模式的な正面断面図である。
図1(a)に示すように、加熱処理の第1の態様に用いられる加熱処理ユニットのチャンバー内には、基板901を保持するステージ902と、基板901を加熱する加熱装置903と、が設けられている。
ステージ902は、例えば、本体902aと、この本体902aの上面に、上方に突出するように設けられた複数の支持ピン902bと、を備えて構成され、これら支持ピン902bにより基板901を略水平状態に支持する。
加熱処理の第1の態様の場合、基板901上に形成された有機膜パターン901aを上方から加熱する。このため、加熱装置903は、基板901の上方に配されている。
加熱処理の第1の態様によれば、基板901上に形成された有機膜パターン901aを加熱装置903により上方から加熱するので、その後の本処理による有機膜パターン901aにおける上部の寸法の減少量を抑制することができる。よって、本処理後の有機膜パターン901aにおける上部の寸法を十分に確保することが可能となる。
図2は本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の第2の態様を説明するための図であり、このうち(a)は加熱処理を行う加熱処理ユニットのチャンバーの要部を示す模式的な正面断面図、(b)は加熱処理及び現像処理の後の有機膜パターンの形状を示す模式的な正面断面図である。
図2(a)に示すように、加熱処理の第2の態様に用いられる加熱処理ユニットのチャンバー内には、基板901を略水平状態に保持する機能と基板901を下方から加熱する機能とを有する加熱ステージ912と、基板901を上方から加熱する加熱装置903と、が設けられている。
ステージ912は、例えば、加熱装置(図示略)を有する本体912aと、この本体902aの上面に、上方に突出するように設けられた複数の支持ピン902bと、を備えて構成されている。
ステージ912は、支持ピン902bにより基板901を略水平状態に支持し、本体912aに設けられた加熱装置(図示略)により、基板901(及び基板901上の有機膜パターン901a)を下方から加熱する。
なお、加熱装置903が基板901の上方に配され、該加熱装置903により、基板901上に形成された有機膜パターン901aを上方から加熱する点は、加熱処理の第1の態様の場合と同様である。
加熱処理の第2の態様によれば、基板901上に形成された有機膜パターン901aを、加熱装置903により上方から加熱する一方で、本体912aに設けられた加熱装置(図示略)により下方から加熱するので、その後の本処理による有機膜パターン901aにおける全体に亘って、寸法の減少量を抑制することができる。よって、本処理後の有機膜パターン901aにおける全体の寸法を十分に確保することが可能となる。
図3は本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の第3の態様を説明するための図であり、このうち(a)は加熱処理を行う加熱処理ユニットのチャンバーの要部を示す模式的な正面断面図、(b)は加熱処理及び現像処理の後の有機膜パターンの形状を示す模式的な正面断面図である。
図3(a)に示すように、加熱処理の第3の態様に用いられる加熱処理ユニットのチャンバー内の構成は、加熱処理の第2の態様に用いられる加熱処理ユニットのチャンバー内と同様である。
ただし、加熱処理の第3の態様に用いられる加熱処理ユニットは、基板901の上方に配された加熱装置903の方が、基板901の下方に配された加熱装置(加熱ステージ912aが備える加熱装置:図示略)よりも高温で有機膜パターン901aを加熱する点でのみ、加熱処理の第2の態様に用いられる加熱処理ユニットと相違する。
すなわち、加熱処理の第3の態様では、有機膜パターン901aに対する下方からの加熱温度よりも上方からの加熱温度の方を高温に設定する。
加熱処理の第3の態様によれば、加熱処理の第2の態様と同様の効果が得られるのに加え、有機膜パターン901aに対する下方からの加熱温度よりも上方からの加熱温度の方を高温に設定するので、その後の本処理による有機膜パターン901aにおける上部の寸法の減少量を特に好適に抑制することができ、本処理後の有機膜パターン901aにおける上部の寸法を特に十分に確保することが可能となる。
なお、図1乃至図3は、現像処理(本処理)の前後での有機膜パターン901aの断面形状の変化を模式的に説明するための図であり、基板901の形状や、基板901に対する有機膜パターン901aの相対的寸法や、その他の要素の具体的形状などを的確に示すものとは言えない。
次に、加熱処理の効果、すなわち、エッチングによって有機膜パターンに与えられたダメージを回復させる効果や、有機膜パターンに対する感光作用を解消させる効果について説明する。
図4乃至図7は加熱処理での加熱温度と現像処理後の有機膜パターンの厚さ(高さ)との関係を示す図である。
このうち図4は、加熱温度毎に、現像処理後の有機膜パターンの厚さ(高さ)の数値データ(単位:Å)を示す。図5は、加熱温度毎に、当初の有機膜パターンの厚さに対する現像処理後の有機膜パターンの厚さの割合(%)を示す。
図6は図4のデータをプロットしたグラフである。すなわち、図6の横軸は加熱温度(℃)を示し、縦軸は現像処理後の有機膜パターンの厚さを示している。なお、当初の有機膜パターンの厚さは、例えば、20000Å(2.0μm)
とした。
図7は図5のデータをプロットしたグラフである。すなわち、図7の横軸は加熱温度(℃)を示し、縦軸は当初の有機膜パターンの厚さ(高さ)に対する現像処理後の有機膜パターンの厚さの割合(%)を示している。
また、図8乃至図11は加熱処理での加熱温度と現像処理後の有機膜パターンの幅(太さ)との関係を示す図である。
このうち図8は、加熱温度毎に、現像処理後の有機膜パターンの幅(太さ)の数値データ(単位:Å)を示す。図9は、加熱温度毎に、当初の有機膜パターンの厚さに対する現像処理後の有機膜パターンの幅の割合(%)を示す。
図10は図8のデータをプロットしたグラフである。すなわち、図10の横軸は加熱温度(℃)を示し、縦軸は現像処理後の有機膜パターンの幅を示している。なお、当初の有機膜パターンの幅は、例えば、39000Å(3.9μm)とした。
図11は図9のデータをプロットしたグラフである。すなわち、図11の横軸は加熱温度(℃)を示し、縦軸は当初の有機膜パターンの幅に対する現像処理後の有機膜パターンの幅の割合(%)を示している。
図6、図7、図10、図11に示す曲線L1、L4、L7、L10は、有機膜パターンに対しウェットエッチングによるダメージが無く、しかも、有機膜パターンを基板上に当初形成してから現像処理(本処理)を行うまでの間、該有機膜パターンを無露光状態に維持管理した場合の実験結果を示す。
図6、図7、図10、図11に示す曲線L2、L5、L8、L11は、有機膜パターンに対しウェットエッチングによるダメージが生じているが、有機膜パターンを基板上に当初形成してから現像処理(本処理)を行うまでの間、該有機膜パターンを無露光状態に維持管理した場合の実験結果を示す。
図6、図7、図10、図11に示す曲線L3、L6、L9、L12は、有機膜パターンに対しウェットエッチングによるダメージが生じており、しかも、有機膜パターンを基板上に当初形成してから現像処理(本処理)を行うまでの間に、該有機膜パターンが室内灯により露光された場合の実験結果を示す。
なお、曲線L1〜L12の各々は、それぞれ加熱温度を130℃、120℃、100℃、及び加熱処理無し(25℃)とした実験データをプロットした点を折れ線で結んでいる。
図6、図7、図10、図11に示すように、現像処理(本処理)の前に加熱処理を行わない場合(25℃)は、ウェットエッチングによるダメージが無く、しかも、有機膜パターンに露光が生じていない場合(曲線L1、L4、L7、L10)と比べて、ウェットエッチングによるダメージが生じている場合(曲線L2、L5、L8、L11)、ウェットエッチングによるダメージ及び感光が生じている場合(曲線L3、L6、L9、L12)で、ともに現像処理後の有機膜パターンの寸法が大きく減少していることが分かる。
これは、ウェットエッチングによりダメージを受けたり感光された有機膜パターンを現像処理した場合に、有機膜パターンの寸法が大きく減少することを示す。なお、ウェットエッチングによるダメージ及び感光が生じている場合(曲線L3、L6、L9、L12)は、感光作用の分だけ、ウェットエッチングによるダメージのみ生じている場合(曲線L2、L5、L8、L11)よりも有機膜パターンの寸法の減少量が多くなっている。
対して、加熱処理を130℃で行った場合は、ウェットエッチングによるダメージが生じている場合(曲線L2、L5、L8、L11)、ウェットエッチングによるダメージ及び感光が生じている場合(曲線L3、L6、L9、L12)で、ともに現像処理後の有機膜パターンの寸法が、ウェットエッチングによるダメージが無く、しかも、有機膜パターンに露光が生じていない場合(曲線L1、L4、L7、L10)とほぼ同程度となっている。
つまり、加熱処理を行うことにより、有機膜パターンに対しエッチングによるダメージが生じていた場合のダメージを加熱処理により回復させたり、有機膜パターンが感光されていた場合の感光作用を加熱処理により解消させたりすることが可能であることが分かる。
また、加熱処理を120℃で行った場合にも、130℃で行った場合ほどではないが、エッチングによるダメージを回復させたり、感光作用を解消させたりする効果があることが分かる。
また、加熱処理を100℃で行った場合には、図6、図7、図10、図11ではわかりにくいが、図4及び図8に示すように、エッチングによるダメージを回復させたり、感光作用を解消させたりする効果が、それぞれ若干ではあるが認められる。
このように、有機膜パターンに対しエッチングによるダメージが生じていたり、有機膜パターンが露光されていたりした場合に、加熱処理によりダメージを回復させり感光作用を解消させた後で、現像処理を行うことができる。
よって、現像処理による有機膜パターンの縮小量や除去量を好適に制御することができ、現像処理後の有機膜パターンを所望の寸法・形状にすることが可能となる。
このような効果は、図4乃至図11から分かるように、加熱処理の温度が高いほど向上する。
なお、加熱処理の温度は、高ければよいというものではなく、有機膜パターンを架橋させる温度よりも低温で加熱処理を行うことが好ましい。
すなわち、具体的には、加熱処理は、150℃以下で行うことが好ましい。加熱処理は、140℃以下で行うことも好ましい。加熱処理は、130℃以下で行うことも好ましい。
また、加熱処理は、50℃以上の温度で行うことが好ましく、100℃以上の温度で行うことも好ましく、120℃以上の温度で行うことも好ましい。
なお、有機膜パターンとしては、例えば、ノボラック系のポジ型の感光性有機材料からなるものが挙げられるが、ポジ型、ネガ型を問わず、その他の感光性有機材料からなるものであっても良い。
本実施形態に係る各基板処理方法は、例えば、図26に示される基板処理装置100又は図27に示される基板処理装置200を用いて行うことができる。
これら基板処理装置100、200は、基板に対し各種処理(後述)を施すための処理ユニット(後述)を必要に応じて選択的に備えることが可能となっている。
これら基板処理装置100、200に備えられる処理ユニットの候補は、例えば、図28に示すように、簡易露光処理ユニット17、加熱処理ユニット18、温度調整処理ユニット19、現像処理ユニット20、薬液処理ユニット21、ガス雰囲気処理ユニット22及びアッシング処理ユニット23の7種類である。
図28に示す処理ユニットのうち、簡易露光処理ユニット17は、基板上に形成された有機膜パターンに対し露光処理を施すためのユニットであり、基板の所望範囲(基板全面又は一部。例えば、基板面積の1/10以上の範囲)に含まれる有機膜パターンに対する露光が可能に構成されている。簡易露光処理ユニット17による露光は、基板の所望範囲に対する一括した露光であっても良いし、或いは、基板の所望範囲内で露光スポットを走査させることにより該範囲内を隈無く露光させるのであっても良い。簡易露光処理ユニット17において露光に使用する光は、紫外線光(UV光)、蛍光、自然光或いはその他の光である。
加熱処理ユニット18は、基板に対して加熱処理(ベーキング)を施すためのものであり、その加熱温度は、例えば、80℃乃至180℃、或いは、50℃乃至150℃の範囲内における所望の温度に調節することが可能となっている。加熱処理ユニット18は、例えば、基板を略水平状態に保持するステージ(図1乃至図3参照)と、このステージが内部に配されたチャンバーと、を備える。加熱処理ユニット18により基板を加熱する時間は任意の時間を設定することができる。
温度調整処理ユニット19は、基板の温度制御を行うためのものであり、その調温範囲は、例えば、10℃乃至50℃、或いは、10℃乃至80℃となっている。この温度調整処理ユニット19は、例えば、基板を略水平状態に保持するステージと、このステージが内部に配されたチャンバーと、を備える。
薬液処理ユニット21は、基板に対し薬液処理を行うためのものである。
この薬液処理ユニット21は、例えば、図29に示すように、薬液を蓄える薬液タンク301と、内部に基板500が配されるチャンバー302と、を備えている。チャンバー302は、薬液タンク301より圧送される薬液を基板500上に供給するための可動ノズル303と、基板500を略水平状態で保持するステージ304と、該チャンバー302内より廃液及び排気を排出するための排出口305と、を備えている。
このような薬液処理ユニット21においては、薬液タンク301内に窒素ガスを圧送することにより、該薬液タンク301内の薬液を可動ノズル303を介して基板500上に供給することができる。なお、可動ノズル303は、例えば、水平方向に可動となっている。また、ステージ304は、例えば、その板状の本体部より起立する複数のピンにより基板500を下面側から点支持するように構成されている。
或いは、薬液処理ユニット21は、薬液を蒸気化して基板上に供給可能なドライ式のものであっても良い。
なお、薬液処理ユニット21で用いる薬液(薬液タンク301内に蓄えられる薬液)は、例えば、酸、有機溶剤、アルカリのうちの少なくとも何れか1つを含むものである。
現像処理ユニット20は、基板に対し現像処理(再現像処理)を行うためのものであり、例えば、薬液処理ユニット21の薬液タンク301内に蓄える薬液を現像液とし、それ以外は薬液処理ユニット21と同様に構成することもできる。
ガス雰囲気処理ユニット22は、基板に各種ガスを暴露させるガス雰囲気処理を行うことにより基板上の有機膜パターンを溶解させ変形させる溶解変形処理を行うためのユニットである。
ガス雰囲気処理ユニット22は、例えば、図30及び図31に示すように、バブリングによりガス(処理ガス)を生成するためのバブリング容器401と、内部に基板500が配されるチャンバー402と、を備えている。チャンバー402は、バブリング容器401からの処理ガスを該チャンバー402内に導入するためのガス導入口403と、該チャンバー402内よりガスを排気するための排気孔404と、基板500を略水平状態で保持するステージ405と、チャンバー402内並びにバブリング容器401を所望の温度に制御するための温度制御機構(図示略)と、を備えている。なお、より具体的には、例えば、互いに平面位置が異なる複数のガス導入口403と、ガス導入口403からのガスを拡散させてステージ405上の基板500側に供給するため多数の孔部が全面に分散配置されたガス吹出板406と、を備えるタイプ(図30)であっても良いし、或いは、1つのガス導入口403と、ガス導入口403からのガスを回転により攪拌する攪拌部材407と、を備えるタイプ(図31)であっても良い。
このようなガス雰囲気処理ユニット22においては、液体原料(例えば、有機溶剤)を蓄えたバブリング容器401内に窒素ガスを導入してバブリングを行い、バブリングにより生成したガス(処理ガス)をガス導入口403よりチャンバー内402に導入して、基板500上に供給する(基板にガスを暴露させる)ことができる。
アッシング処理ユニット23は、プラズマ放電処理(酸素、又は、酸素及びフッ素の雰囲気中で行う)、紫外線光などの波長の短い光エネルギーを用いた処理、及び、その光エネルギー或いは熱を用いたオゾン処理のうちの何れか、或いはその他の処理により、基板上の有機膜パターンのエッチングを行うユニットである。
また、図26に示すように、基板処理装置100は、基板(例えば、LCD基板或いは半導体ウェハ)を収納するためのカセットL1が載置されるカセットステーション1と、カセットL1と同様のカセットL2が載置されるカセットステーション2と、各種処理ユニットU1、U2、U3、U4、U5、U6、U7、U8及びU9が配置される処理ユニット配置区域3、4、5、6、7、8、9、10及び11と、各カセットステーション1,2及び各処理ユニットU1乃至U9の相互間での基板搬送を行う基板搬送ロボット(基板搬送機構)12と、この基板搬送ロボット12による基板搬送と各処理ユニットU1乃至U9で実行される処理とを各種の基板処理方法に応じて適宜に制御する制御機構24と、を備えている。
カセットL1、L2のうち、例えば、カセットL1は、基板処理装置100による処理前の基板の収納に用いられ、カセットL2は、基板処理装置100による処理完了後の基板の収納に用いられる。
また、各種処理ユニット配置区域3乃至11に設置される各種処理ユニットU1乃至U9としては、図28に示す7種類の処理ユニットのうちの何れか1つずつを、用途プロセスに応じて選択可能となっている。
なお、用途プロセスにて必要とされる処理の種類或いは処理能力に応じては、選択される処理ユニットの数量も適宜に調節可能である。従って、処理ユニット配置区域3乃至11には、処理ユニット17乃至23の何れも選択・設置されない区域が含まれていても良い。
また、制御機構24は、各種用途プロセスに応じたプログラムを選択的に実行することにより、基板搬送ロボット12及び各処理ユニットU1乃至U9の動作制御を行う。
すなわち、制御機構24は、各種用途プロセスに応じた処理順序のデータに基づいて基板搬送ロボット12による基板搬送順序を制御し、各カセットステーション1、2及び各処理ユニットU1乃至U9からの基板取り出しや、それらへの基板収納、載置等を所定の順序通りに行わせる。
また、制御機構24は、各種用途プロセスに応じた処理条件データに基づいて各処理ユニットU1乃至U9による処理の実行制御を行う。
なお、図26に示す基板処理装置100は、該基板処理装置100が備える各処理ユニットによる処理順序を、用途に応じて変更可能に構成されている。
他方、図27に示す基板処理装置200は、該基板処理装置200が備える各処理ユニットによる処理順序が固定的となっている。
図27に示すように、基板処理装置200は、カセットL1が載置されるカセットステーション13と、カセットL2が載置されるカセットステーション16と、各種処理ユニットU1、U2、U3、U4、U5、U6及びU7が配置される各種処理ユニット配置区域3、4、5、6、7、8及び9と、カセットステーション13のカセットL1から処理ユニット配置区域3の処理ユニットU1へ基板を搬送する基板搬送ロボット14と、処理ユニット配置区域9の処理ユニットU7からカセットステーション16のカセットL2へ基板を搬送するための基板搬送ロボット15と、これら基板搬送ロボット14、15による基板搬送と各処理ユニットU1乃至U9間での基板搬送と各処理ユニットU1乃至U9で実行される処理とを各種の基板処理方法に応じて適宜に制御する制御機構24と、を備えている。
基板処理装置200では、各処理ユニットによる処理順序が固定的であり、上流側の処理ユニットから順に(図27の矢印A方向に)連続処理するように構成されている。
基板処理装置200も、各種処理ユニット配置区域3乃至9に設置される各種処理ユニットU1乃至U7として、図28に示す7種類の処理ユニットのうちの何れか1つずつを、用途プロセスに応じて選択可能となっている。また、用途プロセスにて必要とされる処理の種類或いは処理能力に応じては、選択される処理ユニットの数量も適宜に調節可能であり、処理ユニット配置区域3乃至9には、処理ユニット17乃至23の何れも選択・設置されない区域が含まれていても良い。
このように、本発明の実施形態に係る各種の基板処理方法に用いて好適な基板処理装置100、200は、基板上に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を施すために、基板搬送機構(基板搬送ロボット)とカセット設置部(カセットステーション)の他に、上記7種類の処理ユニットのうちの適宜に選択された処理ユニットを一体的に備えて構成されている。
なお、基板処理装置100、200に設置する処理ユニットの数量をそれぞれ9個、7個とした例を図26、図27に示しているが、それらの数量は、用途プロセスの種類や処理能力、コストの観点により適宜に増減させた構成としても良い。
また、例えば、カセットL1及びL2の2つのカセットを用いる例を説明したが、必要な処理能力、コストの観点により、カセットの数量は適宜に増減させた構成としても良い。
また、基板処理装置100,200に備えられる処理ユニットとしては、上記の7種類の処理ユニットの他にも、例えば、微細パターン露光を伴う露光処理ユニット、エッチング(ドライ、又はウェット)処理ユニット、レジスト塗布ユニット、および密着強化処理(密着強化剤処理等)、表面洗浄(ドライ洗浄:UV光、プラズマ使用等、ウェット洗浄:洗浄液使用等)処理ユニット等を追加することも可能であり、更に全体的な処理を効率的に行うことも可能である。
エッチング処理ユニットを備える場合、例えば、有機膜パターンをマスクとして下地膜(例えば基板上層部)のパターン加工(下地膜加工処理)を行うことができる。
ここで、エッチング処理ユニットは、薬液処理ユニット21で用いる薬液として、下地膜のパターン加工が可能な薬液(すなわち酸を含むエッチング液、またはアルカリを含むエッチング液)を用いることにより、薬液処理ユニット21で代用できる。
また、処理の均一化の目的のために、基板処理装置100、200は同一の処理ユニットを複数個備えるものとし、複数個備えられた同一の処理ユニットにより、それぞれ基板に同一の処理を施すこと、すなわち、同一の処理を流れ作業により複数回繰り返し行うことも好ましい。
更に、複数個備えられた同一の処理ユニットによる処理を、それぞれ基板の向きをその板面内において互いに異ならせて(例えば、反対向きにして)行うことも好ましい。この場合、基板処理装置100、200は、複数個備えられた同一の処理ユニットによる処理を、それぞれ基板の向きをその板面内において互いに異ならせて行う機能を有することが好ましく、このように構成することにより、基板の向きの変更を作業者の手に頼らずに自動的に行うことができる。
或いは、同一の処理ユニットは1つだけ備える場合に、その一の処理ユニットによる処理を、基板の向きをその板面内において互いに異ならせて複数回に分けて行うことも好ましい。この場合、少なくとも、相互に反対向きの複数方向にて、それぞれ基板に処理を行うことが、より好ましい。これらの場合、基板処理装置100、200は、少なくとも何れか1つの処理ユニットによる処理を、基板の向きをその板面内において互いに異ならせて複数回に分けて行う機能を有することが好ましい。
或いは、一の処理ユニットによる処理には、基板の板面において一方向への処理と、それとは異なる方向(例えば、反対方向)への処理と、が含まれることも好ましい。この場合、基板処理装置は、少なくとも何れか1つの処理ユニットによる処理として、基板の板面において一方向への処理と、それとは異なる方向への処理と、を行う機能を有することが好ましい。
次に、好適な実施形態の例(具体的な基板処理方法の例)について説明する。
なお、本実施形態に係る各基板処理方法は、基板上の有機膜パターンが主として感光性有機膜である場合に適用される方法であり、最初に、加熱処理により基板を加熱し、次いで、前処理によって有機膜パターン表面のダメージ層(変質層又は堆積層)を除去した後で、本処理によって有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか又は有機膜パターンの一部を除去する。なお、前処理は省略される場合もある(第5の実施形態等参照)。
〔第1の実施形態〕
図12は第1の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
第1の実施形態に係る基板処理方法では、先ず、基板上に当初の有機膜パターンを形成する(ステップS01〜S03)。
なお、基板上に当初の有機膜パターンを形成する処理は、例えば、従来技術と同様に、例えば、フォトリソグラフィ法により行うことができる。
すなわち、基板上に有機膜を塗布した後、図12に示すように、露光処理(ステップS01)と現像処理(ステップS02)とプリベークとしての加熱処理(ステップS03)とをこの順に行うことにより、基板上に当初の有機膜パターンを形成する。この場合、現像処理(ステップS12)は、例えば2回目の現像処理となる。
ただし、基板上に当初の有機膜パターンを形成する処理は、フォトリソグラフィ法に限らず、例えば、印刷法により行うこととしても良い。この場合、現像処理(ステップS12)は、例えば1回目の現像処理となる。
このように基板上に当初の有機膜パターンを形成した後は、例えば、従来技術と同様に、該当初の有機膜パターンをマスクとして該有機膜パターンの下地膜すなわち基板の上層部をエッチング処理(ステップS04:下地膜加工)する。
第1の実施形態に係る基板処理方法では、エッチング処理(ステップS04)に続いて、以下の処理を行う。
すなわち、基板を加熱する加熱処理(ステップS00)を実施し、次いで、前処理としての薬液処理(ステップS11)を行った後で、本処理として、現像処理(ステップS12)及び加熱(温度調整)処理(ステップS13)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
このうち加熱処理(ステップS00)の目的は、有機膜パターンに対しエッチングによるダメージが生じていたり、有機膜パターンが(露光量が制御されていない)露光を受けていたりするような場合に、そのダメージを回復させたり、その感光作用を解消させたりすることである。
また、この加熱処理(ステップS00)の他の目的は、この加熱処理の以前の工程において有機膜パターンに加えられた各種処理(例えば、露光、現像処理、ウェットまたはドライエッチングなど)により、有機膜パターンの内部又は下部に染み込んだ液体(例えば、水分、酸またはアルカリ溶液)を除去し、或いは、有機膜パターンと下地膜または基板との間の密着力が低下している場合に該密着力を回復させることである。
加熱処理(ステップS00)を行うことにより、有機膜パターンに対しエッチングによるダメージが生じていたり、有機膜パターンが(露光量が制御されていない)露光を受けていたりするような場合であっても、本処理としての現像処理(ステップS12)による有機膜パターンの縮小量や除去量を好適に制御することができ、本処理後の有機膜パターンを所望の寸法・形状にすることが可能となる。
更に、加熱処理(ステップS00)を行うことにより、有機膜パターンの感光性その他の特性を初期状態に近いものとすることができるので、再加工、すなわち、再度の現像処理(ステップS12)その他の処理により、感光性や有機膜の当初の性質等を回復することができる。このため、有機膜パターンの加工または再加工を行うことが容易になる。
加熱処理(ステップS00)は50乃至150℃の温度で行われる。但し、その後の再度の現像処理(ステップS12)を考慮した場合、感光機能を維持できる温度条件、すなわち、有機膜パターンを架橋させる温度よりも低温の温度条件で行うことが好ましい。
具体的には、加熱処理は、140℃以下で行うことが好ましく、130℃以下で行うことがより好ましい。加熱処理は、特に、100乃至130℃の温度で行うことが好ましい。
加熱処理(ステップS00)を行う時間は60乃至300秒間の範囲内において任意に設定される。
ステップS00の加熱処理は、所定の加熱温度(例えば、100℃乃至130℃)に保たれた加熱処理ユニット18のステージ上に基板を載置して所定時間(例えば、60秒乃至120秒)保持することにより行われる。
前処理として行う薬液処理(ステップS11)は、有機膜パターンの表面(表層部)の変質層或いは有機膜パターン表面上の堆積層の除去を目的とした薬液(酸性溶液、アルカリ性溶液、有機溶剤溶液等)処理であり、薬液処理ユニット21を用いて行われる。
ステップS11の薬液処理では、有機膜パターン表面上或いは表層部のダメージ層(変質層或いは堆積層)のみを選択的に除去できるように、処理時間を設定し、あるいは、使用薬液を選択することが好ましい。
つまり、ステップS11の薬液処理では、有機膜パターンの表層部に変質層が存在する場合で有機膜パターン表面上に堆積層が存在しない場合には変質層を、有機膜パターンの表層部に変質層が存在し且つ有機膜パターン表面上に堆積層が存在する場合には変質層及び堆積層を、有機膜パターン表面上に堆積層が存在する場合で有機膜パターンの表層部に変質層が存在しない場合には堆積層を、それぞれ選択的に除去する。
そして、このように変質層及び/又は堆積層を除去する結果として、変質していない有機膜パターンを露出及び残存させたり、堆積層に覆われていた有機膜パターンを露出及び残存させたりすることができる。
ここで、前処理により除去すべき変質層は、有機膜パターンの表層部が、時間放置劣化、熱酸化、熱硬化、デポジション層(堆積層)の付着、酸系エッチング液の使用(ウェットエッチング液処理)、アッシング処理(O2アッシングなど)、その他ドライエッチングガスの使用(ドライエッチング処理)を要因として変質し、生成されるものが想定される。すなわち、これらの要因により、有機膜パターンは物理的、化学的ダメージを受けて変質化するのであるが、その変質化の程度や特性は、ウェットエッチング処理における使用薬液の種類、ドライエッチング処理の一種であるプラズマ処理における等方性・異方性の差、有機膜パターン上における堆積物の有無、ドライエッチング処理における使用ガスの種類など、各種の生成要因に応じて大きく異なるため、変質層の除去のし易さにも違いが生じる。
また、前処理により除去すべき堆積層としては、ドライエッチング処理に伴い堆積した堆積層が想定される。この堆積層の特性も、ドライエッチング処理の一種であるプラズマ処理における等方性・異方性の差、ドライエッチング処理における使用ガスの種類などの生成要因に応じて大きく異なるため、堆積層の除去のし易さにも違いが生じる。
よって、薬液処理の時間の長さや、薬液処理で用いる薬液の種類は、変質層又は堆積層の除去し易さに応じて適宜に設定或いは選択する必要がある。
薬液処理で用いられる薬液としては、例えば、アルカリ性の薬品を含有した薬液、酸性の薬品を含有した薬液、有機溶剤を含有した薬品、有機溶剤とアミン系の材料とを含有した薬液、アルカリ性の薬品とアミン系の材料とを含有した薬液の何れかが用いられる。
ここで、アルカリ性の薬品は、例えば、アミン系の材料と水とを含有してなるものであることが挙げられ、有機溶剤は、例えば、アミン系の材料を含有してなるものであることが挙げられる。
更に、薬液処理で用いられる薬液は、防食剤を含有したものであることが好ましい。
アミン系の材料の具体例としては、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヒドロキシルアミン、ジエチルエヒドロキシルアミン、無水ジエチルエヒドロキシルアミン、ピリジン、ピコリンなどが挙げられる。つまり、薬液は、アミン系の材料を含有する場合、これらの材料のうちの何れか1種を含有していても良いし、何れか複数種を含有していても良い。
なお、薬液は、アミン系の材料を含有する場合、アミン系の材料を0.01wt%から10wt%(0.01重量%以上10重量%以下)の範囲で含有する水溶液であることが挙げられる。薬液におけるアミン系の材料の濃度は、0.05重量%以上3重量%以下であることも好ましい。或いは、薬液におけるアミン系の材料の濃度は、0.05重量%以上1.5重量%以下であることも好ましい。
前処理としての薬液処理(ステップS11)は、後の現像処理(ステップS12)において有機膜パターンに現像機能液を浸透し易くさせ、該現像処理の質及び効率を向上させる効果を奏する。
次に、ステップS12の現像処理は、基板上の有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか又は有機膜パターンの一部を除去することを目的とした処理であり、現像処理ユニット20を用いて行われる。
この現像処理ユニット20では、有機膜パターンの現像機能をもつ薬液(現像機能液)を用いて基板上の有機膜パターンに対して現像処理を行う。
現像機能液としては、例えば、主成分としてのTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を0.1wt%から10.0wt%の範囲で含有するアルカリ水溶液、又は、NaOH(水酸化ナトリウム)やCaOH(水酸化カルシウム)などの無機アルカリ水溶液がある。
なお、本実施形態及び後述する各実施形態において、現像処理(ステップS12)及び薬液処理(ステップS11)は、それぞれ処理液を洗い流すための水洗処理を最後に実施してから終了する。
次に、ステップS13の加熱処理では、所定の加熱温度(例えば、80℃乃至180℃)に保たれた加熱処理ユニット18のステージ上に基板を載置して所定時間(例えば、3分乃至5分)保持する。この加熱処理(ステップS13)を行うことにより、先の現像処理(ステップS12)にて基板上に供給した現像機能液を有機パターン内により深く浸透させることができ、現像による有機膜パターンの縮小又は除去をより進行させることができる。
また、この加熱処理(ステップS13)を行うことにより、有機膜パターンの先の現像処理(ステップS12)の最後に行う水洗処理において有機膜パターンの内部または下部に染み込んだ水分、アルカリ溶液等の除去と、有機膜パターンと下地膜や基板との間の密着力の回復とを実現することができる。すなわち、加熱処理(ステップS13)は有機膜パターンのポストベークとしての意義を有している。
ステップS13の加熱処理の後は、常温付近への温度調整処理を行うことが好ましい。
以上の処理において、現像処理(ステップS12)及び加熱処理(ステップS13)により、基板上の有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか又は有機膜パターンの一部を除去する本処理が構成されている。
ここで、有機膜パターンの少なくとも一部の縮小とは、有機膜パターンの面積は変化させずに体積のみを縮小させる(つまり有機膜パターンの少なくとも一部を薄くさせる)ことや、或いは有機膜パターンの面積を縮小させることである。また、有機膜パターンの一部を除去することは、有機膜パターンの面積の縮小を伴う。
本実施形態の場合の本処理は、より具体的には、例えば、以下に列挙する何れかの目的で行う。
(1)有機膜パターンの面積を縮小させることにより、有機膜パターンを新たなパターン形状に加工する目的。
(2)有機膜パターンの少なくとも何れか1つの一部を除去して有機膜パターンの少なくとも何れか1つを複数部分に分離させることにより、有機膜パターンを新たなパターン形状に加工する目的。
(3)上記(1)及び(2)の処理の前及び後で、それぞれ有機膜パターンをマスクとして下地膜をエッチングすることにより、ステップS12の現像処理の前に基板に対して行うエッチング処理(ステップS04のエッチング処理)にてエッチングされる範囲と、ステップS12の現像処理(及びステップS13の加熱処理)の後で基板に対して行うエッチング処理にてエッチングされる範囲とを相互に異ならせる目的。
(4)上記(3)の処理を行うことにより、有機膜パターンの下地膜(例えば基板の上層部)をテーパー状(上側ほど細くなるようなテーパー状)又は階段状に加工する目的。
なお、有機膜パターンの下地膜を階段状に加工する処理は、特許文献1と同様に、ステップS12の現像処理後の有機膜パターンをマスクとし、下地膜(例えば導電膜)を半分程度エッチングすることにより行うことができる。この処理を行うことにより、下地膜の断面形状を階段状にし、断面が垂直化したり、逆テーパーになったりすることを防ぐことができる。
(5)有機膜パターンの下地膜(基板の上層部)が複数層に成膜された膜である場合に、上記(3)の処理を行うことにより、その複数層の下地膜のうちの何れか2つ以上の層を相互に異なるパターン形状にエッチング加工する目的。
(6)上記(1)及び(2)の目的のより具体的な他の例としては、有機膜パターンが絶縁性の場合に、ステップS12の現像処理の前に基板に対して行うエッチング処理(ステップS04のエッチング処理)を行った後、該有機膜パターンを回路パターンの絶縁膜となるように変形させる(基板上に形成された回路パターンのみを覆う絶縁膜となるように有機膜パターンを縮小させる)目的が挙げられる。
(7)当初の有機膜パターンが少なくとも2段階以上の膜厚に形成されている場合に、該2段階以上の膜厚の部分における薄膜部のみを選択的に除去することにより、上記(1)或いは(2)の処理、ひいては、上記(3)乃至(6)の処理を行う目的。
(8)有機膜パターンの少なくとも一部を縮小(薄膜化)する目的。この処理を行うことにより、有機膜パターンの少なくとも一部を除去しやすくすることができる。
なお、(8)の処理は、下地膜に達するまで行うことにより、有機膜パターンの少なくとも一部を除去することができる。
(9)当初の有機膜パターンが少なくとも2段階以上の膜厚に形成されている場合に、該2段階以上の膜厚の部分における薄膜部のみを選択的に薄膜化することにより、該薄膜部を除去しやすくする目的。
なお、(9)の処理は、下地膜に達するまで行うことにより、実質的に上記(7)の処理と同様の処理となる。
次に、図20を参照して、上記(7)の具体的な例について説明する。
図14は、当初の有機膜パターンが少なくとも2段階以上の膜厚に形成されている場合に、該2段階以上の膜厚の部分における薄膜部のみを選択的に除去する処理を行う場合の一連の工程図を示す。
図20(a−2)、図20(b−2)、図20(c−2)及び図20(d−2)はそれぞれ平面図、図20(a−1)は図20(a−2)の断面図、図20(b−1)は図20(b−2)の断面図、図20(c−1)は図20(c−2)の断面図、図20(d−1)は図20(d−2)の断面図である。
図20(a−1)及び図20(a−2)に示すように、例えば、絶縁基板(基板)601上には所定形状のゲート電極602が形成され、このゲート電極602を覆うように絶縁基板601上にゲート絶縁膜603が形成され、更に、ゲート絶縁膜603上には、アモルファスシリコン層604、N+アモルファスシリコン層605及びソース・ドレイン層606がこの順に積層されている。
次に、図20(b−1)及び図20(b−2)に示すように、ソース・ドレイン層606上に当初の有機膜パターン607を所定のパターン形状となるよう形成した(ステップS01乃至S03)後、有機膜パターン607をマスクとしてソース・ドレイン層606、N+アモルファスシリコン層605及びアモルファスシリコン層604をエッチング(ステップS04)する。これにより、有機膜パターン607が形成されていない領域のみ、ゲート絶縁膜603を露出させる。
ここで、当初の有機膜パターン607は、該有機膜パターン607において、例えば、ゲート絶縁膜603上を覆う一部のみが薄膜部607aとなるように形成する。このような2段階の膜厚、すなわち、膜厚差を有する有機膜パターン607は、薄膜部607aとする部分とそれ以外の部分とで露光量を相互に異ならせることにより、形成することができる。
次に、本実施形態に係る基板処理方法における加熱処理(ステップS00)を実施し、基板601及びその上に積層された層構造物を加熱する。
次に、前処理(ステップS11の薬液処理)及び本処理(ステップS12の現像処理及びステップS13の加熱処理)を行う。ここで、当初の有機膜パターン607を形成する際の露光の履歴は、その後も残留する。このため、この本処理(現像処理及び加熱処理)により、有機膜パターン607における薄膜部のみが選択的に除去され、図20(c−1)及び図20(c−2)に示す状態となる。つまり、当初の有機膜パターン607が複数部分に分割(例えば2分割)される。
次に、本処理(現像処理及び加熱処理)後の有機膜パターン607をマスクとしてソース・ドレイン層606及びN+アモルファスシリコン層605をエッチングし、アモルファスシリコン層604を露出させた後、有機膜パターン607を除去する。
このように、当初の有機膜パターン607が2段階の膜厚に形成されている場合に、該2段階以上の膜厚の部分における薄膜部のみを選択的に除去することにより、有機膜パターン607を新たなパターン形状に加工することができる。より具体的には、有機膜パターン607を複数部分(例えば図20(c−2)に示すように2つの部分)に分離させることにより、有機膜パターン607を新たなパターン形状に加工することができる。
更に、有機膜パターン607の下地膜が複数層からなる場合に、有機膜パターン607の加工処理(ステップS11、S12、S13)の前及び後で、それぞれ有機膜パターン607をマスクとして下地膜をエッチングするので、有機膜パターン607の加工処理の前に基板に対して行うエッチング処理(ステップS04のエッチング処理)にてエッチングされる範囲と、有機膜パターン607の加工処理の後で基板に対して行うエッチング処理にてエッチングされる範囲とを相互に異ならせることができ、複数層の下地膜のうちの第1の層(例えばアモルファスシリコン層604)と第2の層(例えばソース・ドレイン層606及びN+アモルファスシリコン層605)とを相互に異なるパターン形状にエッチング加工することができる。
次に、このような第1の実施形態の場合に用いられる基板処理装置の具体例について説明する。
第1の実施形態の場合に用いられる基板処理装置は、例えば、各種処理ユニットU1乃至U9又はU1乃至U7として、少なくとも加熱処理ユニット18、薬液処理ユニット21及び現像処理ユニット20を備える基板処理装置100又は200である。
基板処理装置100の場合には、薬液処理ユニット21、現像処理ユニット20及び加熱処理ユニット18の配置は任意である。なお、加熱処理ユニット18は加熱処理(ステップS00)及び加熱(温度調整)処理(ステップS13)の双方においてそれぞれ用いられることになる。
他方、基板処理装置200の場合には、第1の加熱処理ユニット18、薬液処理ユニット21、現像処理ユニット20及び第2の加熱処理ユニット18が、この順に、図21の矢印A方向において配置されている必要がある。なお、基板処理装置200の場合に各処理ユニットを処理順に配置する必要があるのは、以下に説明する各基板処理方法においても同様である。
また、ステップS13の加熱処理は省略することも可能であり、該加熱処理を省略する場合、第2の加熱処理ユニット18は不要となる。以下、図7乃至図13の各図において、ステップS13と同様に括弧書きとなっているステップは、同様に省略可能であることを意味する。従って、括弧書きとなっているステップに対応する処理ユニットを省略可能であることは、以下に説明する各基板処理方法においても同様である。
なお、基板処理装置100の場合には、同一の処理を複数回行うような基板処理方法(例えば、加熱(温度調整)処理(ステップS13)を2回行うような基板処理方法)の場合にも、その処理用の処理ユニットは1つでも良いが、基板処理装置200の場合には、同一の処理を複数回行うには、その回数分の同一処理ユニットが必要である。すなわち、基板処理装置200の場合、例えば、加熱(温度調整)処理(ステップS13)を2回行うには、加熱処理ユニット18が2つ必要である。このことは、以下に説明する各基板処理方法においても同様である。
以上のような第1の実施形態によれば、有機膜パターンに対しエッチングによるダメージが生じていた場合に、そのダメージを加熱処理(ステップS00)により回復させた後で、本処理を行うことができる。また、有機膜パターンに対し(露光量が制御されていない)露光がなされていた場合に、その感光作用を加熱処理(ステップS00)により解消させた後で、本処理を行うことができる。よって、有機膜パターンに対しエッチングによるダメージが生じていたり、有機膜パターンが(露光量が制御されていない)露光を受けていたりするような場合であっても、本処理による有機膜パターンの縮小量や除去量を好適に制御することができ、本処理後の有機膜パターンを所望の寸法・形状にすることが可能となる。すなわち、加熱処理(ステップS00)を行うことにより、有機膜パターンの感光性その他の特性を初期状態に近いものとすることができるので、再加工、すなわち、再度の現像処理その他の処理により、感光性や有機膜の当初の性質等を回復することができる。このため、有機膜パターンの加工または再加工を行うことが容易になる。
さらに、加熱処理(ステップS00)により、有機膜パターンの内部又は下部に染み込んだ液体(例えば、水分、酸またはアルカリ溶液)が除去され、或いは、有機膜パターンと下地膜または基板との間の密着力が低下している場合に該密着力が回復する。このため、有機膜パターンの感光性その他の特性を初期状態に近いものとすることができるので、再加工、すなわち、再度の現像処理(ステップS12)その他の処理により、感光性や有機膜の当初の性質等を回復することができる。このため、有機膜パターンの加工または再加工を行うことが容易になる。
さらに、第1の実施形態によれば、有機膜パターンの表面に形成された変質層・堆積層を除去する前処理を行った後で、有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか又は有機膜パターンの一部を除去する本処理を行うでの、該本処理をスムーズに行うことができる。すなわち、本処理を構成する現像処理における現像機能液の有機膜パターンへの浸透を容易にさせ、該現像処理の効果を均一化させることができる。
〔第2の実施形態〕
図13は第2の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
すなわち、第2の実施形態に係る基板処理方法は、前処理をアッシング処理(ステップS21)により行う点でのみ上記の第1の実施形態に係る基板処理方法と異なり、その他の点では第1の実施形態に係る基板処理方法と同様である。
本実施形態の場合、基板上の有機膜パターンに対してステップS21のアッシング処理を施すことにより、有機膜パターンの表面(表層部)の変質層の除去、又は、有機膜パターン表面上の堆積層の除去を行う。
このアッシング処理は、アッシング処理ユニット23を用いて行われる処理であり、プラズマ放電処理(酸素、又は、酸素及びフッ素の雰囲気中で行う)、紫外線光などの波長の短い光エネルギーを用いた処理、及び、その光エネルギー或いは熱を用いたオゾン処理のうちの何れか、或いはその他の処理により、基板上の有機膜パターンをエッチングする処理である。
ステップS21のアッシング処理では、有機膜パターンの表層部の変質層のみ、又は、有機膜パターン表面上の堆積層のみを、選択的に除去できるように、その処理時間を設定し、あるいは、処理の種類を選択することが好ましい。
そして、このように変質層又は堆積層を除去する結果として、上記の第1の実施形態の場合と同様に、変質していない有機膜パターンを露出及び残存させたり、堆積層に覆われていた有機膜パターンを露出及び残存させたりすることができる。
このように、前処理としてのアッシング処理(ステップS21)を行うことにより、後の現像処理(ステップS12)において有機膜パターンに現像機能液を浸透し易くさせ、該現像処理の質及び効率を向上させる効果を奏する。
以後の処理については、上記の第1の実施形態におけるのと同様であるため、説明を省略する。
以上のような第2の実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、前処理をアッシング処理により行うので、変質層・堆積層が強固であり、薬液処理では除去困難な場合にも、好適にこれら変質層・堆積層を除去することができる。
〔第3の実施形態〕
図14は第3の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
図14に示すように、第3の実施形態に係る基板処理方法では、基板を加熱する加熱処理(ステップS00)を実施し、次いで、前処理として、アッシング処理(ステップS21)及び薬液処理(ステップS11)をこの順に行った後で、本処理として、現像処理(ステップS12)及び加熱(温度調整)処理(ステップS13)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
すなわち、第3の実施形態に係る基板処理方法は、前処理をアッシング処理(ステップS21)及び薬液処理(ステップS11)の組み合わせにより行う点でのみ上記の第1の実施形態に係る基板処理方法と異なり、その他の点では第1の実施形態に係る基板処理方法と同様である。
本実施形態の場合、第1の実施形態のように前処理の全てをウェット処理である薬液処理(ステップS11)により行うのではなく、例えば、薬液処理(ステップS11)の前にアッシング処理(ステップS21)を行うことによって変質層・堆積層の中でも特に表層部を除去した後、薬液処理(ステップS11)により残りの変質層・堆積層を除去するようにしている。
以上のような第3の実施形態によれば、上記の第1の実施形態の場合と同様の効果が得られる。
また、薬液処理(ステップS11)のみでは除去できないような強固な変質層又は堆積層が存在する場合にも、薬液処理(ステップS11)の前のアッシング処理(ステップS21)により、その変質層又は堆積層を容易に除去することができる。
また、前処理でアッシング処理(ステップS21)を行うが、このアッシング処理(ステップS21)は、有機膜パターン表面の変質層又は堆積層の中でも特に表層部のみの除去に利用するのに留めているため、第2の実施形態の場合と比べて、その処理時間を短縮でき、該アッシング処理による下地膜へのダメージを低減することができる。
また、第3の実施形態の薬液処理(ステップS11)で用いる薬液としては、第1の実施形態の薬液処理(ステップS11)で用いる薬液と比べて、有機膜パターンの浸食度の少ないものを適用したり、第3の実施形態の薬液処理(ステップS11)の処理時間を第1の実施形態の薬液処理(ステップS11)よりも短縮したりすることができる。
なお、第3の実施形態においては、加熱処理(ステップS00)をアッシング処理(ステップS21)の直前に行っているが、加熱処理(ステップS00)を実施する順序はこれには限定されない。
例えば、図15に示すように、加熱処理(ステップS00)をアッシング処理(ステップS21)と薬液処理(ステップS11)との間で実施することも可能である。この順序によっても、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔第4の実施形態〕
図16乃至図18は第4の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
なお、図16乃至図18においては、基板上に当初の有機膜パターンを形成する処理(ステップS01乃至S03)と、当初の有機膜パターンとして下地膜をエッチングする処理(ステップS04)とを図示略としている。
図16乃至図18に示すように、第4の実施形態に係る基板処理方法は、上記の第1乃至第3の実施形態に係る基板処理方法における現像処理(ステップS12)の前に、有機膜パターンを感光させる露光処理(ステップS41)を追加した基板処理方法である。
ステップS41の露光処理は、図16(a)、図16(b)及び図16(c)に示すように、加熱処理(ステップS00)と前処理との間に行われるか、図16(d)に示すように前処理の途中で行うか、あるいは、図17(a)、図17(b)及び図17(c)に示すように、加熱処理(ステップS00)の前に行われる。あるいは、ステップS41の露光処理は、図18(a)、図18(b)及び図18(c)に示すように、前処理の後で行われる。
ここで、ステップS41の露光処理は、当初の有機膜パターンをフォトリソグラフィ法により形成した場合には、例えば2回目の露光処理に該当し、当初の有機膜パターンを印刷法により形成した場合には、例えば1回目の露光処理に該当する。
また、ステップS41の露光処理は、基板の所望範囲(全面の場合もある)に含まれる有機膜パターンに対し露光処理を施す処理(つまり、例えば、微細パターンを形成するための露光などとは異なる露光処理)であり、簡易露光処理ユニット17を用いて行う。露光する光は、紫外線光(UV光)、蛍光、自然光或いはその他の光である。この露光処理では、基板の所望範囲(基板全面又は一部、例えば、基板面積の1/10以上の範囲)に含まれる有機膜パターンに対する露光を行う。なお、露光は、基板の所望範囲に対する一括した露光であっても良いし、或いは、基板の所望範囲内で露光スポットを走査させることにより該範囲内を隈無く露光させるのであっても良い。
なお、第4の実施形態においては、最初に有機膜パターンを形成する際の初期露光の後、ステップS41の露光処理を行うまでの間は、基板を無露光(無感光)状態に保っておくことが好ましく、このように無露光状態に保つことにより、ステップS12の現像処理の効果を一定化させたり、トータルの露光量の均一化を図ったりすることができる。基板を無露光状態に保つためには、各工程が無露光状態になるように管理したり、或いは、基板処理装置の構成を、基板を無露光状態に保てるような構成にすると良い。
ここで、ステップS41の露光処理は、例えば、以下の何れかの目的で行うことが挙げられる。
1つ目は、所定パターンのマスクを用いて露光処理を行うことにより、有機膜パターンに対して新たなパターン露光を行う場合である。つまり、ステップS41の露光処理による露光範囲によって有機膜パターンの新たなパターン形状を決定する。この場合、その後の現像処理(ステップS12)により、有機膜パターンが新たなパターン形状となるように、有機膜パターンの一部が選択的に除去されるので、該有機膜パターンを新たなパターンに形成することができる。ただし、この場合は、最初に有機膜パターンを形成する際の初期露光の後、ステップS41の露光処理を行うまでの間は、基板を無露光(無感光)状態に保っておく必要がある。
2つ目は、基板全面を充分露光することにより、ステップS12の現像処理をより一層効果的に行う場合である。この場合には、最初に有機膜パターンを形成する際の初期露光の後、ステップS41の現像処理を行うまでの間の基板を無露光(無感光)状態に保っておく必要はない。この場合、露光処理以前にある程度露光された場合(紫外線光、UV光、蛍光、自然光により露光され、又は、その光の中で長時間放置された場合)や、露光量が不明な場合(露光が不均一な場合や無管理状態の場合)であっても、ステップS41の露光処理を行うことにより、露光量を基板全面で実質的に均一化することができる。
次に、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例について説明する。
<第4の実施形態の具体例1>
図16(a)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例1を示すフローチャートである。
図16(a)に示すように、具体例1の基板処理方法では、第1の実施形態に係る基板処理方法(図12)において、加熱処理(ステップS00)とステップS11の薬液処理との間に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例1の場合に用いられる基板処理装置は、各種処理ユニットU1乃至U9又はU1乃至U7として、少なくとも加熱処理ユニット18、簡易露光処理ユニット17、薬液処理ユニット21及び現像処理ユニット20を備える基板処理装置100又は200である。加熱(温度調節)処理(ステップS13)を省略しない場合には、加熱処理ユニット18において加熱処理(ステップS00)及び加熱(温度調節)処理(ステップS13)の双方が実施される。
なお、ステップS41の露光処理は、図17(a)に示すように、加熱処理(ステップS00)の前で行っても良い。
<第4の実施形態の具体例2>
図16(b)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例2を示すフローチャートである。
図16(b)に示すように、具体例2の基板処理方法では、第2の実施形態に係る基板処理方法(図13)において、加熱処理(ステップS00)とステップS21のアッシング処理との間に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例2の場合に用いられる基板処理装置は、各種処理ユニットU1乃至U9又はU1乃至U7として、少なくとも加熱処理ユニット18、簡易露光処理ユニット17、アッシング処理ユニット23及び現像処理ユニット20を備える基板処理装置100又は200である。加熱(温度調節)処理(ステップS13)を省略しない場合には、加熱処理ユニット18において加熱処理(ステップS00)及び加熱(温度調節)処理(ステップS13)の双方が実施される。
なお、ステップS41の露光処理は、図17(b)に示すように、加熱処理(ステップS00)の前で行っても良い。
<第4の実施形態の具体例3>
図16(c)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例3を示すフローチャートである。
図16(c)に示すように、具体例3の基板処理方法では、第3の実施形態に係る基板処理方法(図14)において、加熱処理(ステップS00)とステップS21のアッシング処理との間に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例3の場合に用いられる基板処理装置は、各種処理ユニットU1乃至U9又はU1乃至U7として、少なくとも加熱処理ユニット18、簡易露光処理ユニット17、アッシング処理ユニット23、薬液処理ユニット21及び現像処理ユニット20を備える基板処理装置100又は200である。加熱(温度調節)処理(ステップS13)を省略しない場合には、加熱処理ユニット18において加熱処理(ステップS00)及び加熱(温度調節)処理(ステップS13)の双方が実施される。
なお、ステップS41の露光処理は、図17(c)に示すように、加熱処理(ステップS00)の前で行っても良い。
<第4の実施形態の具体例4>
図16(d)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例4を示すフローチャートである。
図16(d)に示すように、具体例4の基板処理方法では、第3の実施形態に係る基板処理方法(図14)において、ステップS21のアッシング処理とステップS11の薬液処理の間に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例4の場合に用いられる基板処理装置は、具体例3の場合と同様である。
<第4の実施形態の具体例5>
図18(a)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例5を示すフローチャートである。
図18(a)に示すように、具体例5の基板処理方法では、第1の実施形態に係る基板処理方法(図12)において、ステップS11の薬液処理とステップS12の現像処理の間に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例5の場合に用いられる基板処理装置は、具体例1の場合と同様である。
<第4の実施形態の具体例6>
図18(b)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例6を示すフローチャートである。
図18(b)に示すように、具体例6の基板処理方法では、第2の実施形態に係る基板処理方法(図13)において、ステップS21のアッシング処理とステップS12の現像処理の間に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例6の場合に用いられる基板処理装置は、具体例2の場合と同様である。
<第4の実施形態の具体例7>
図18(c)は、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体例7を示すフローチャートである。
図18(c)に示すように、具体例7の基板処理方法では、第3の実施形態に係る基板処理方法(図14)において、ステップS11の薬液処理とステップS12の現像処理の間に、ステップS41の露光処理を追加で行うようにした基板処理方法である。
なお、具体例7の場合に用いられる基板処理装置は、具体例3の場合と同様である。
次に、図21を参照して、第4の実施形態に係る基板処理方法のより具体的な適用例の第1の例について説明する。
図21(a−2)、図21(b−2)、図21(c−2)及び図21(d−2)はそれぞれ平面図、図21(a−1)は図21(a−2)の断面図、図21(b−1)は図21(b−2)の断面図、図21(c−1)は図21(c−2)の断面図、図21(d−1)は図21(d−2)の断面図である。
図21(a−1)及び図21(a−2)に示すように、例えば、絶縁基板(基板)601上には所定形状のゲート電極602が形成され、このゲート電極602を覆うように絶縁基板601上にゲート絶縁膜603が形成され、更に、ゲート絶縁膜603上には、アモルファスシリコン層604、N+アモルファスシリコン層605及びソース・ドレイン層606がこの順に積層されている。
次に、図21(b−1)及び図21(b−2)に示すように、ソース・ドレイン層606上に当初の有機膜パターン607を所定のパターン形状となるよう形成した後、有機膜パターン607をマスクとしてソース・ドレイン層606、N+アモルファスシリコン層605及びアモルファスシリコン層604をエッチングする。これにより、有機膜パターン607が形成されていない領域のみ、ゲート絶縁膜603を露出させる。
ここで、当初の有機膜パターン607は、図20の場合とは異なり、全体が均一な膜厚に形成されている。
次に、本実施形態に係る基板処理方法の加熱処理、前処理、本処理及び露光処理を上記具体例1乃至7(図16乃至図18)の何れかの順序で行う。
ここで、ステップS41の露光処理は、所定パターンのマスクを用いて行う。これにより、その後の現像処理(ステップS12)では、有機膜パターンが新たなパターン形状に加工され、図21(c−1)及び図21(c−2)に示す状態となる。つまり、当初の有機膜パターン607が複数部分に分割(例えば、2分割)される。
次に、本処理(現像処理及び加熱処理)後の有機膜パターン607をマスクとしてソース・ドレイン層606及びN+アモルファスシリコン層605をエッチングし、アモルファスシリコン層604を露出させた後、有機膜パターン607を除去する。
このように、有機膜パターン607の下地膜が複数層604、605、606からなる場合に、有機膜パターン607の加工処理(加熱処理、前処理、本処理及び露光処理)の前及び後で、それぞれ有機膜パターン607をマスクとして下地膜をエッチングするので、有機膜パターン607の加工処理の前に基板に対して行うエッチング処理(ステップS04のエッチング処理)にてエッチングされる範囲と、有機膜パターン607の加工処理の後で基板に対して行うエッチング処理にてエッチングされる範囲とを相互に異ならせることができ、複数層の下地膜のうちの第1の層(例えばアモルファスシリコン層604)と第2の層(例えばソース・ドレイン層606及びN+アモルファスシリコン層605)とを相互に異なるパターン形状にエッチング加工することができる。
つまり、図21に示す処理を行うことにより、当初の有機膜パターン607の膜厚が全面で均一な場合にも、図20に示す処理を行う場合(当初の有機膜パターン607が2段階の膜厚に形成されている場合)と同様の効果が得られる。
次に、図22を参照して、第4の実施形態に係る基板処理方法の具体的な適用例の第2の例について説明する。
図22(a−2)、図22(b−2)、図22(c−2)及び図22(d−2)はそれぞれ平面図、図22(a−1)は図22(a−2)の断面図、図22(b−1)は図22(b−2)の断面図、図22(c−1)は図22(c−2)の断面図、図22(d−1)は図22(d−2)の断面図である。なお、図22(b−2)及び図22(c−2)においては有機膜パターンの図示を省略している。
図22(a−1)及び図22(a−2)に示すように、例えば、絶縁基板(基板)601上には所定形状のゲート電極602が形成され、このゲート電極602を覆うように絶縁基板601上にゲート絶縁膜603が形成され、このゲート絶縁膜603上には、所定形状のソース・ドレイン電極801が形成され、このソース・ドレイン電極801を覆うようにゲート絶縁膜603上にカバー絶縁膜802が形成されている。
次に、図22(b−1)及び図22(b−2)に示すように、カバー絶縁膜802上に当初の有機膜パターン607を所定のパターン形状となるよう形成した後、該有機膜パターン607をマスクとしてカバー絶縁膜802及びゲート絶縁膜603をエッチングする。これにより、有機膜パターン607が形成されていない領域のみ、ゲート電極602を露出させる。
ここで、当初の有機膜パターン607は、図20の場合とは異なり、全体が均一な膜厚に形成されている。
次に、本実施形態に係る基板処理方法の加熱処理、前処理、本処理及び露光処理を上記具体例1乃至7の何れかの順序で行う。
ここで、ステップS41の露光処理は、所定パターンのマスクを用いて行う。これにより、その後の現像処理(ステップS12)では、有機膜パターンが新たなパターン形状に加工され、図22(c−1)に示す状態となる。
次に、図22(c−1)及び図22(c−2)に示すように、本処理(現像処理及び加熱処理)後の有機膜パターン607をマスクとしてカバー絶縁膜802をエッチングすることによりソース・ドレイン電極801の一部を露出させた後、有機膜パターン607を除去する。
このように、有機膜パターン607の下地膜が複数層603、802からなる場合に、有機膜パターン607の加工処理(加熱処理、前処理、本処理及び露光処理)の前及び後で、それぞれ有機膜パターン607をマスクとして下地膜をエッチングするので、有機膜パターン607の加工処理の前に基板に対して行うエッチング処理(ステップS04のエッチング処理)にてエッチングされる範囲と、有機膜パターン607の加工処理の後で基板に対して行うエッチング処理にてエッチングされる範囲とを相互に異ならせることができ、複数層の下地膜のうちの第1の層(例えばゲート絶縁膜603)と第2の層(例えばカバー絶縁膜802)とを相互に異なるパターン形状にエッチング加工することができる。
なお、予めゲート電極602上のゲート絶縁膜603及びカバー絶縁膜802をエッチングした後で、ソース・ドレイン電極801上のカバー絶縁膜802のみを別途エッチングすることにより、ソース・ドレイン電極801へのダメージを抑制することができる。
以上のような第4の実施形態によれば、第1乃至第3の実施形態に係る各基板処理方法にステップS41の露光処理を追加しているので、当初の有機膜パターンの膜厚が均一な場合(膜厚が2段階以上でない場合)であっても、有機膜パターンの新たなパターン形状への加工を容易に行うことができる。
あるいは、有機膜パターンの新たなパターン形状への加工は行わない場合であっても、第1乃至第3の実施形態に係る各基板処理方法にステップS41の露光処理を追加しているので、ステップS12の現像処理をより効果的に行うことができる。
〔第5の実施形態〕
図19は第5の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
図19に示すように、第5の実施形態に係る基板処理方法では、基板を加熱する加熱処理(ステップS00)を実施し、次いで、本処理として、現像処理(ステップS12)及び加熱(温度調整)処理(ステップS13)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
すなわち、第5の実施形態に係る基板処理方法は、前処理としての薬液処理(ステップS11)を行わない点において、図12に示した第1の実施形態に係る基板処理方法と異なり、その他の点では第1の実施形態に係る基板処理方法と同様である。
本実施形態においては、前処理を行わないため、変質層及び堆積層は除去されないが、現像処理(ステップS12)の前に加熱処理(ステップS00)を行うことにより、有機膜パターンに対しエッチングによるダメージが生じていたり、有機膜パターンが(露光量が制御されていない)露光を受けていたりするような場合であっても、本処理による有機膜パターンの縮小量や除去量を好適に制御することができ、本処理後の有機膜パターンを所望の寸法・形状にすることが可能となる。
また、加熱処理の以前の工程において有機膜パターンに加えられた各種処理により、有機膜パターン内部又は下部に染み込んだ水分、酸またはアルカリ溶液を除去し、或いは、有機膜パターンと下地膜または基板との間の密着力が低下している場合に該密着力を回復することができる。この結果、有機膜パターンの感光性その他の特性を初期状態に近いものとすることができるので、感光性や有機膜の当初の性質等を回復することができる。このため、有機膜パターンの加工、再加工が容易になり、現像処理(ステップS12)による有機膜パターンの縮小又は除去が容易になる。
なお、本実施形態において用いられる基板処理装置は、各種処理ユニットU1乃至U9又はU1乃至U7として、少なくとも加熱処理ユニット18及び現像処理ユニット20を備える基板処理装置100又は200である。加熱(温度調節)処理(ステップS13)を省略しない場合には、加熱処理ユニット18において加熱処理(ステップS00)及び加熱(温度調節)処理(ステップS13)の双方が実施される。
〔第6の実施形態〕
図23(a)は、第6の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
なお、図23の各図、並びに、後述する図24及び図25の各図においては、基板上に当初の有機膜パターンを形成する処理(ステップS01乃至S03)と、当初の有機膜パターンとして下地膜をエッチングする処理(ステップS04)とを図示略としている。
第6の実施形態に係る基板処理方法は、溶解変形処理(ガス雰囲気処理(ステップS3))を備える点で、上記の第1の実施形態に係る基板処理方法と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る基板処理方法とほぼ同様である。
第6の実施形態に係る基板処理方法は、例えば、(1)有機膜(主にレジスト膜)パターンをマスクとして下地膜(すなわち例えば基板自体)のエッチングを行う場合に、下地膜のエッチング形状をテーパー化(例えば、特開2002−334830号公報参照)したり、或いは、エッチング寸法を微細化したり(有機膜パターンの面積拡大或いはコンタクト孔の微細化の結果としてのエッチング寸法微細化)する目的、(2)有機膜(主にレジスト膜)パターンをマスクとして下地膜のエッチングを行う場合に、溶解変形処理の前後で下地膜のエッチングを行う(溶解変形処理前、溶解変形処理後の有機膜パターンをマスクとして該有機膜パターンの下地膜をパターン加工する)ことで、下地膜のエッチング形状を2段階形状化したり、形状が相互に大きく異なる2種類のパターンに形成したり、分離パターンと結合パターン(例えば、特開2002−334830号公報の図2及び図3参照;隣設された有機膜パターンを相互に一体化させる処理を含む)を形成したりする目的、(3)有機膜パターンが絶縁性の場合に、該有機膜パターンを回路パターンの絶縁膜となるように変形させる(基板上に形成された回路パターンを覆う絶縁膜となるように有機膜パターンを変形させる)目的などに用いられる。すなわち、第6の実施形態に係る基板処理方法は、これら(1)乃至(3)の目的の各々において、有機膜パターンを加工する工程に関する。
図23(a)に示すように、第6の実施形態に係る基板処理方法では、加熱処理(ステップS00)、現像処理(ステップS12)、温度調整処理(ステップS2)、ガス雰囲気処理(ステップS3)及び加熱(温度調整)処理(ステップS4)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
このうちガス雰囲気処理(ステップS3)により溶解変形処理が構成されている。
ステップS2の温度調整処理は、ガス雰囲気処理(ステップ3)の前に予め基板の温度を安定化させる(事前温度安定化)ために行う。この温度調整処理による安定化温度は、例えば、10℃乃至50℃である。この温度調整処理は、ガス雰囲気処理の処理温度に保たれた温度調整処理ユニット19のステージ上に基板を載置し、基板温度が該処理温度に達するまで(例えば、3分乃至5分)行う。
なお、現像処理では、後のガス雰囲気処理(ステップS3)に供される有機膜パターンを所望の寸法形状に設定する。
また、現像処理及び温度調整処理は、後のガス雰囲気処理(ステップS3)において有機膜パターンにガスを浸透し易くさせ、該ガス雰囲気処理(ステップS3)の効率及び質を向上させる効果を奏する。
ステップS3のガス雰囲気処理では、ガス雰囲気処理ユニット22を用いて基板に対し各種ガス(例えば、有機溶剤を原料として生成する)を暴露することにより、基板上の有機膜パターンを溶解させ変形させる(溶解変形処理)。つまり、ガス雰囲気処理は、例えば、有機溶剤のガス雰囲気中で行う。
ここで、ガス雰囲気処理に用いて好適な有機溶剤を、上位概念としての有機溶剤と、それを具体化した下位概念の有機溶剤とに分けて、以下に示す。なお、Rはアルキル基又は置換アルキル基、Arはフェニル基又はフェニル基以外の芳香環を示すものとする。
上位概念としての有機溶剤:
・アルコール類(R−OH)
・アルコキシアルコール類
・エーテル類(R−O−R、Ar−O−R、Ar−O−Ar)
・エステル類
・ケトン類
・グリコール類
・アルキレングリコール類
・グリコールエーテル類

下位概念の有機溶剤:
・CH3OH、C25OH、CH3(CH2)XOH
・イソプロピルアルコール(IPA)
・エトキシエタノール
・メトキシアルコール
・長鎖アルキルエステル
・モノエタノールアミン(MEA)
・モノエチルアミン
・ジエチルアミン
・トリエチルアミン
・モノイソピルアミン
・ジイソピルアミン
・トリイソピルアミン
・モノブチルアミン
・ジブチルアミン
・トリブチルアミン
・ヒドロキシルアミン
・ジエチルエヒドロキシルアミン
・無水ジエチルエヒドロキシルアミン
・ピリジン
・ピコリン
・アセトン
・アセチルアセトン
・ジオキサン
・酢酸エチル
・酢酸ブチル
・トルエン
・メチルエチルケトン(MEK)
・ジエチルケトン
・ジメチルスルホキシド(DMSO)
・メチルイソブチルケトン(MIBK)
・ブチルカルビトール
・n−ブチルアセテート(nBA)
・ガンマーブチロラクトン
・エチルセロソルブアセテート(ECA)
・乳酸エチル
・ピルビン酸エチル
・2−ヘプタノン(MAK)
・3−メトキシブチルアセテート
・エチレングリコール
・プロピレングリコール
・ブチレングリコール
・エチレングリコールモノエチルエーテル
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル
・エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
・エチレングリコールモノメチルエーテル
・エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル
・ポリエチレングリコール
・ポリプロレングリコール
・ポリブチレングリコール
・ポリエチレングリコールモノエチルエーテル
・ポリジエチレングリコールモノエチルエーテル
・ポリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
・ポリエチレングリコールモノメチルエーテル
・ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・ポリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル
・メチル−3−メトキシプロピオネート(MMP)
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
・プロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGP)
・プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)
・エチル−3−エトキシプロピオネート(FEP)
・ジプロピレングリコールモノエチルエーテル
・トリプロピレングリコールモノエチルエーテル
・ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル
・プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート
・3−メトキシプロピオン酸メチル
・3−エトキシプロピオン酸エチル
・N−メチル−2−ピロリドン(NMP)

なお、有機溶剤を原料として生成したガスを用いてガス雰囲気処理(ステップS3)を行うのは、有機膜パターンが有機溶剤の浸透により溶解する場合である。例えば、有機膜パターンが水溶性、酸溶解性、アルカリ溶解性の場合は、水溶液、酸溶液或いはアルカリ溶液を原料として生成したガスを用いてガス雰囲気処理を行う場合も有り得る。
ステップS4の加熱(温度調整)処理では、所定の加熱温度(例えば80℃乃至180℃)に保たれた加熱処理ユニット18のステージ上に基板を載置して所定時間(例えば3分乃至5分)保持する。この加熱処理を行うことにより、ガス雰囲気処理にて暴露したガスにより、有機膜パターン内に浸透した暴露ガスを除去し、有機膜パターンと下地膜または基板との密着力を回復させ、あるいは、有機膜パターンをポストベークすることができる。更にまた、加熱温度をより高温にすれば、加熱処理による熱リフローの効果を複合的に利用することも可能である。
なお、現像処理においては、最終工程として、水洗処理が行われ、処理液が洗い流される。
なお、このような第6の実施形態の場合に用いられる基板処理装置は、例えば、各種処理ユニットU1乃至U9又はU1乃至U7として、少なくとも薬液処理ユニット21、温度調整処理ユニット19、ガス雰囲気処理ユニット22及び加熱処理ユニット18を備える基板処理装置100又は200である。
以上のような第6の実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様(ただし、薬液処理(ステップS11)は省略)に現像処理(ステップS12)までの処理を行った後で、すなわち、加熱処理(ステップS00)により、ダメージを回復させたり感光作用を解消させたり、有機膜パターン内部または下部の水分その他の溶液を除去したり、有機膜パターンと下地膜または基板との間の密着力を回復させりし、さらに、現像処理(ステップS12)により有機膜パターンを所望の寸法形状に加工した後で、溶解変形処理(ステップS3)を行うので、該溶解変形処理を制御性良く均一且つ効率的に行うことができ、上記した(1)乃至(3)の目的を好適に達成することができる。
なお、ステップS4の加熱(温度調整)処理は省略することも可能である。
また、ステップS00またはステップS4での加熱温度が、温度調整処理ユニット19により調温可能な温度範囲であれば、ステップS00またはステップS4の処理は温度調整処理ユニット19を用いて行うこともできる。
また、ステップS4の後は、常温付近への温度調整処理(冷却)を行うことが好ましい。
なお、第6の実施形態においては、最初に有機膜パターンを形成する際の初期露光の後、現像処理を行うまでの間は、基板を無露光(無感光)状態に保っておくことが好ましく、このように無露光状態に保つことにより、現像処理の効果を一定化させることができる。
なお、第6の実施形態の場合に用いられる基板処理装置は、各種処理ユニットU1乃至U9又はU1乃至U7として、少なくとも加熱処理ユニット18、現像処理ユニット20、温度調整処理ユニット19及びガス雰囲気処理ユニット22を備える基板処理装置100又は200である。温度調節処理(ステップS2)及び加熱(温度調節)処理(ステップS4)を省略しない場合には、加熱処理ユニット18において加熱処理(ステップS00)、温度調節処理(ステップS2)及び加熱(温度調節)処理(ステップS4)が実施される。
また、上記の第6の実施形態においては、現像処理の前にアッシング処理を追加で行うようにしても良い。
〔第7の実施形態〕
第7の実施形態に係る基板処理方法では、第6の実施形態に係る基板処理方法において、加熱処理と現像処理との間に、有機膜パターンを感光させる露光処理(ステップS41)を追加して行う。
なお、第7の実施形態においても、最初に有機膜パターンを形成する際の初期露光の後、現像処理を行うまでの間は、基板を無露光(無感光)状態に保っておくことが好ましく、このように無露光状態に保つことにより、現像処理の効果を一定化させたり、簡易露光処理での露光量の均一化を図ったりすることができる。
<第7の実施形態の具体例1>
図23(b)は、第7の実施形態に係る基板処理方法の具体例1を示すフローチャートである。
図23(b)に示すように、第7の実施形態に係る基板処理方法の具体例1では、加熱処理(ステップS00)、露光処理(ステップS41)、現像処理(ステップS12)、温度調整処理(ステップS2)、ガス雰囲気処理(ステップS3)及び加熱(温度調整)処理(ステップS4)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
図23(b)の基板処理方法は、図23(a)の基板処理方法における加熱処理(ステップS00)と現像処理(ステップS12)との間に露光処理(ステップS6)を追加で行うようにした基板処理方法であり、有機膜パターンが感光性の場合に、ステップS12の現像処理を一層効果的に行うための基板処理方法である。
なお、第7の実施形態に係る基板処理方法の具体例1の場合に用いられる基板処理装置は、各種処理ユニットU1乃至U9又はU1乃至U7として、少なくとも加熱処理ユニット18、簡易露光処理ユニット17、現像処理ユニット20、温度調整処理ユニット19及びガス雰囲気処理ユニット22を備える基板処理装置100又は200である。温度調節処理(ステップS2)及び加熱(温度調節)処理(ステップS4)を省略しない場合には、加熱処理ユニット18において加熱処理(ステップS00)、温度調節処理(ステップS2)及び加熱(温度調節)処理(ステップS4)が実施される。
<第7の実施形態の具体例2>
図23(c)は、第7の実施形態に係る基板処理方法の具体例2を示すフローチャートである。
図23(c)に示すように、第7の実施形態に係る基板処理方法の具体例2では、加熱処理(ステップS00)、アッシング処理(ステップS21)、露光処理(ステップS41)、現像処理(ステップS12)、温度調整処理(ステップS2)、ガス雰囲気処理(ステップS3)及び加熱(温度調節)処理(ステップS4)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
図23(c)の基板処理方法は、図23(b)の基板処理方法における加熱処理(ステップS00)と露光処理(ステップS41)との間に、アッシング処理ユニット23によるアッシング処理(ステップS21)を追加で行うようにした基板処理方法である。
ステップS21のアッシング処理の後で行われるステップS12では、アッシング処理後も残留する変質層を、ウェット処理である現像処理により除去する。
第7の実施形態の具体例2は、その他の点では具体例1と同様である。
具体例2によれば、現像処理(ステップS12)の前にステップS21のアッシング処理を行うので、感光性有機膜パターンの表面が図23(c)の基板処理方法以前のエッチング処理で硬化、変質している場合に、その変質層の除去を一層効果的に行うことができる。つまり、このようなアッシング処理は、エッチングによる有機膜パターンの硬化、変質が強固な場合に適用することが好ましい。
具体例2の場合に用いられる基板処理装置は、各種処理ユニットU1乃至U9又はU1乃至U7として、少なくとも加熱処理ユニット18、アッシング処理ユニット23、簡易露光処理ユニット17、現像処理ユニット20、温度調整処理ユニット19及びガス雰囲気処理ユニット22を備える基板処理装置100又は200である。温度調節処理(ステップS2)及び加熱(温度調節)処理(ステップS4)を省略しない場合には、加熱処理ユニット18において加熱処理(ステップS00)、温度調節処理(ステップS2)及び加熱(温度調節)処理(ステップS4)が実施される。
<第7の実施形態の具体例3>
図23(d)は、第7の実施形態に係る基板処理方法の具体例3を示すフローチャートである。
図23(d)に示すように、第7の実施形態に係る基板処理方法の具体例3では、加熱処理(ステップS00)、露光処理(ステップS41)、アッシング処理(ステップS21)、現像処理(ステップS12)、温度調整処理(ステップS2)、ガス雰囲気処理(ステップS3)及び加熱(温度調節)処理(ステップS4)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
すなわち、具体例3の基板処理方法は、具体例2(図23(c))の基板処理方法におけるアッシング処理(ステップS21)と露光処理(ステップS41)との順序を入れ替えた基板処理方法である。この場合にも、具体例2の場合と同様の効果が得られる。
図23(d)の基板処理方法は、特に、ステップS41の露光処理時に感光性有機膜パターンの変質、硬化が進む場合には、具体例2の場合よりも好適に用いられる。
なお、具体例3の場合に用いられる基板処理装置は、具体例2の場合と同様である。
また、上記の第6及び7の各実施形態の処理、すなわち図23に示される各具体例の処理は、上記の(1)、(2)、(3)の目的に限らず、(4)有機膜パターンの平坦化(例えば、特開2003−21827号公報参照)にも同様に適用することができる。なお、この場合、基板の所望範囲に形成される有機膜を「有機膜パターン」と捉えることができる。
また、図23に示される各具体例の処理を、上記(1)、(2)の目的に適用する場合には、各処理の後、或いは前後の両方にて、下地膜加工(エッチング)を施すと良い。すなわち、溶解変形処理による変形前の有機膜パターンをマスクとして該有機膜パターンの下地膜(つまり、例えば基板)をパターン加工する下地膜加工処理や、溶解変形処理による変形後の有機膜パターンをマスクとして該有機膜パターンの下地膜(つまり、例えば基板)をパターン加工する下地膜加工処理を行うと良い。
上述の第7の実施形態の具体例1乃至3においては、有機膜パターン加工処理における第一番目の処理として加熱処理(ステップS00)を実施したが、加熱処理(ステップS00)の実施の順序はこれには限定されない。
例えば、第7の実施形態の具体例1においては、図24(a)に示すように、加熱処理(ステップS00)を露光処理(ステップS41)と現像処理(ステップS12)との間で実施することも可能である。
同様に、第7の実施形態の具体例2においては、図24(b)に示すように、加熱処理(ステップS00)をアッシング処理(ステップS21)と露光処理(ステップS41)との間で実施することも可能である。
第7の実施形態の具体例3においても、図24(c)に示すように、加熱処理(ステップS00)を露光処理(ステップS41)とアッシング処理(ステップS21)との間で実施することも可能である。
さらには、第7の実施形態の具体例3においては、加熱処理(ステップS00)をアッシング処理(ステップS21)と現像処理(ステップS12)との間で実施することも可能である。
〔第8の実施形態〕
第5の実施形態に係る基板処理方法では、第3、第4の実施形態に係る基板処理方法において、加熱処理の後であって、かつ、現像処理の前に、更に薬液処理を追加して行う。
ここで、現像処理の前の薬液処理では、現像処理で用いる現像機能液以外の薬液を用いる。
<第8の実施形態の具体例1>
図25(a)は、第8の実施形態に係る基板処理方法の具体例1を示すフローチャートである。
図25(a)に示すように、第8の実施形態に係る基板処理方法の具体例1では、加熱処理(ステップS00)、薬液処理(ステップS11)、現像処理(ステップS12)、温度調整処理(ステップS2)、ガス雰囲気処理(ステップS3)及び加熱(温度調節)処理(ステップS4)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
なお、薬液処理(ステップS11)は、現像機能液以外の薬液を用いて行う処理(現像処理以外の薬液処理)である。
このように、図25(a)の基板処理方法は、図23(a)の基板処理方法における現像処理(ステップS12)前に薬液処理(ステップS11)を追加で行うようにした基板処理方法である。
つまり、図25(a)の基板処理方法は、図23(a)の基板処理方法を改善する方法であり、ステップS11の薬液処理は、有機膜パターンの表面の変質層又は堆積層において、現像処理では除去できないような強固な一部分(表層部)を除去するために行う。なお、この薬液処理は、第1の実施形態における薬液処理(酸性溶液、アルカリ性溶液、有機溶剤溶液等を用いた処理)と同様であり、薬液処理ユニット21を用いて行われる。
以降のステップは、第6の実施形態(図23(a))と同様である。
<第8の実施形態の具体例2>
図25(b)は、第8の実施形態に係る基板処理方法の具体例2を示すフローチャートである。
図25(b)に示すように、第8の実施形態に係る基板処理方法の具体例2では、加熱処理(ステップS00)、薬液処理(ステップS11)、露光処理(ステップS41)、現像処理(ステップS12)、温度調整処理(ステップS2)、ガス雰囲気処理(ステップS3)及び加熱(温度調節)処理(ステップS4)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
このように、図25(b)の基板処理方法は、図23(b)の基板処理方法における露光処理(ステップS41)の前に薬液処理(ステップS11)を追加で行うようにした基板処理方法である。
以降のステップは、第7の実施形態の具体例1(図23(b))と同様である。
<第8の実施形態の具体例3>
図25(c)は、第8の実施形態に係る基板処理方法の具体例3を示すフローチャートである。
図25(c)に示すように、第8の実施形態に係る基板処理方法の具体例3では、加熱処理(ステップS00)、薬液処理(ステップS11)、アッシング処理(ステップS21)、露光処理(ステップS41)、現像処理(ステップS12)、温度調整処理(ステップS2)、ガス雰囲気処理(ステップS3)及び加熱(温度調節)処理(ステップS4)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としている。
このように、図25(c)の基板処理方法は、図23(c)の基板処理方法におけるアッシング処理(ステップS21)の前に薬液処理(ステップS11)を追加で行うようにした基板処理方法である。
以降のステップは、第7の実施形態の具体例2(図23(c))と同様である。
なお、以上の第8の実施形態における薬液処理(ステップS11)の順序は、図25に示した順序に限らず、現像処理(ステップS12)の前であれば何れの順番であっても良い。また、図25(c)では、露光処理(ステップS41)の前にアッシング処理(ステップS21)を行う例を示しているが、露光処理(ステップS41)とアッシング処理(ステップS21)との順序を入れ替えて、露光処理(ステップS41)の後にアッシング処理(ステップS21)を行うようにしても良い。
すなわち、例えば、加熱処理(ステップS00)、露光処理(ステップS41)、薬液処理(ステップS11)、現像処理(ステップS12)、温度調整処理(ステップS2)、ガス雰囲気処理(ステップS3)及び加熱処理(ステップS4)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としても良い。
或いは、加熱処理(ステップS00)、アッシング処理(ステップS21)、露光処理(ステップS41)、薬液処理(ステップS11)、現像処理(ステップS12)、温度調整処理(ステップS2)、ガス雰囲気処理(ステップS3)及び加熱処理(ステップS4)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としても良い。
或いは、加熱処理(ステップS00)、露光処理(ステップS41)、アッシング処理(ステップS21)、薬液処理(ステップS11)、現像処理(ステップS12)、温度調整処理(ステップS2)、ガス雰囲気処理(ステップS3)及び加熱処理(ステップS4)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としても良い。
或いは、加熱処理(ステップS00)、アッシング処理(ステップS21)、薬液処理(ステップS11)、露光処理(ステップS41)、現像処理(ステップS12)、温度調整処理(ステップS2)、ガス雰囲気処理(ステップS3)及び加熱処理(ステップS4)をこの順に行い、これら一連の処理を有機膜パターン加工処理としても良い。
以上のような第8の実施形態によれば、現像処理(ステップS12)の前に薬液処理(ステップS11)を行うので、有機膜パターンがエッチング処理により硬化、変質している場合に、該有機膜パターンの表層部の除去を第6の実施形態の場合よりも一層効果的に行うことができる。つまり、第8の実施形態は、有機膜パターンの硬化、変質がより一層強固な場合に適用することが好ましい。
なお、上記の第7及び第8の実施形態において、露光処理(ステップS41)を省略することも可能である。
このような露光処理(ステップS41)の省略は、例えば、以下に説明するような2つの場合に行うことが挙げられる。
1つ目は、基板上に当初の有機膜パターンを形成して以後、有機膜パターン加工処理までの間に、工程内での別の露光、または室内、装置内の状態により、適当な量の感光がなされる場合である。その場合には、簡易露光処理(ステップS6)を省略しても、第7及び第8の実施形態とほぼ同じ効果が得られる。
2つ目は、基板上に当初の有機膜パターンを形成して以後、有機膜パターン加工処理までの間は、有機膜パターンを感光させない状態に保った後で、現像処理、又は、現像機能を持つ薬液による薬液処理を行うことにより、変質層又は堆積層を除去すると共に、当初の有機膜パターンを形成した時の有機膜パターンの外周部の回りこみ感光部である残存表面部分のみを除去し、有機膜パターンの中心部分の無感光で変質も起こしていない部分は残存させたい場合である。その場合には、基板上に当初の有機膜パターンを形成して以後、有機膜パターン加工処理までの間は、有機膜パターンを感光させない状態に保つことにより、その後の現像処理又は薬液処理によって変質層又は堆積層とともに、当初の有機膜パターンを形成した時の有機膜パターンの外周部の回りこみ感光部である残存表面部分のみが再度現像されることにより同時に除去されることになる。結果、有機膜パターンの中心部分の無感光で変質も起こしていない部分は好適に残存させることができる。
なお、以上の各実施形態においては、一の有機膜パターンにおいては、その全体の膜厚が均一である場合を前提とした説明を行ったが、有機膜パターン、すなわち、基板上に形成された当初の有機膜パターンは、少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンであっても良い。
このように、有機膜パターンが2段階以上の膜厚を有する場合には、上記の現像処理(ステップS12)を行うことにより、有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に更に薄くしたり、或いは、有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に除去したりすることができる。
ここで、2段階以上の膜厚を有する有機膜パターンを形成するためには、該有機膜パターンを形成するための初期露光における露光量を、有機膜パターンの面内で2段階以上に制御すると良い。具体的には、例えば、初期露光において、2種類以上の透過光量のレチクルマスクを用いると良い。
このように、露光量を2段階以上に制御した後で現像処理(当初の有機膜パターンを形成するための現像処理であり、ステップS12の現像処理とは別)を行うことにより、露光量が多い又は少ない部分のみの有機膜が優先的に薄くなるので、2段階以上の膜厚を有する有機膜パターンを形成することができる。
ここで、初期露光による感光作用は、その後も残存するため、上記の現像処理(ステップS12)を行うことにより、有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に更に薄くしたり、或いは、有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に除去したりすることができる。
なお、ステップS12の現像処理で用いる現像機能液としては、当初の有機膜パターンを形成するための現像処理で用いた現像機能液がポジ用であれば、同じくポジ用の現像機能液を用い、当初の有機膜パターンを形成するための現像処理で用いた現像機能液がネガ用であれば、同じくネガ用の現像機能液を用いると良い。
このように、基板上に形成された当初の有機膜パターンが、少なくとも2段階以上の膜厚に形成された有機膜パターンである場合に、上記の現像処理(ステップS12)を行うことにより、有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に更に薄くしたり、或いは、有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に除去する場合には、特に、当初の有機膜パターンを形成する際の初期露光の後、現像処理を行うまでの間、基板を無露光(無感光)状態に保っておく方が(すなわち、基板上に当初の有機膜パターンを形成して以後、有機膜パターン加工処理までの間は、有機膜パターンを感光させない状態に保っておく方が)、2段階以上の膜厚を有する有機膜パターンにおいて、膜厚が薄い薄膜部を選択的に更に薄くしたり、或いは、有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に除去する場合に、よりその選択性を高く保つことができる。
これは、従来のこの種の2段階以上の膜厚を有する感光性有機膜パターンにおいて、膜厚が薄い薄膜部を選択的に更に薄くしたり、或いは、有機膜パターンにおいて膜厚が薄い薄膜部を選択的に除去する場合に、主にO2ガスを用いたドライエッチング、又はアッシング(異方性が主)により行っていた手法に比較し、(1)主に薬液(又は現像)処理によるウェット処理で行うことによる有機膜パターン、下地膜へのダメージ低減という効果に加えて、(2)有機膜パターンの感光性の有無による現像速度の差を利用した効果的で、選択性の高い処理(膜厚が薄い薄膜部の更に薄く、或いは、除去)が実現できる効果をもたらすためである。
上述の第8の実施形態の具体例1乃至3においては、有機膜パターン加工処理における第一番目の処理として加熱処理(ステップS00)を実施したが、加熱処理(ステップS00)の実施の順序はこれには限定されない。図24(a)、(b)及び(c)に示した順序と同様の順序とすることができる。
次に、上記の各実施形態における前処理の種類の選択に関する指針を説明する。
図32は、前処理により除去すべき変質層の成因に応じた変質化の程度を示す図である。なお、図32においては、変質化の程度を、ウェット剥離の難易を基準としてレベル分けしている。
図32に示すように、有機膜表面の変質層の変質化の程度は、有機膜のウェットエッチング処理、ドライエッチング処理、更にドライエッチング処理のうちのプラズマ処理における等方性、異方性の差、有機膜上の堆積物の有無、ドライエッチング処理における使用ガスの種類などに応じて大きく異なる。つまり、これらの各種パラメータに応じて、有機膜表面の変質層の除去のし易さに違いがある。
ステップS11の薬液処理で用いる薬液としては、酸、アルカリ水溶液及び有機溶剤のうちの何れか1つ、又は、それらの混合液を用いる。
更に具体的な例として、アルカリ水溶液、又はアミン類の有機溶剤を混合した水溶液であって、少なくとも1種類のアミン類を0.05乃至10wt%(0.05重量%以上10重量%以下)の範囲で含有する薬液を用いる。
アミン類の典型例は、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヒドロキシルアミン、ジエチルエヒドロキシルアミン、無水ジエチルエヒドロキシルアミン、ピリジン、ピコリンなどである。
但し、変質層の変質化の程度が比較的軽い場合、すなわち時間放置劣化(放置酸化)、酸系エッチング液、等方性O2アッシングなどの要因により形成された変質層の場合には、アミン類の濃度は、例えば、0.05乃至3wt%(0.05重量%以上3重量%以下)で良い。
ここで、図36は、使用する薬液中のアミン類の含有濃度と、有機膜の変質の有無に応じた除去レートと、の関係を示す図である。
図36に示すように、変質層を選択的に除去し、変質していない有機膜は残存させるためには、前記アミン類の有機溶剤を0.05乃至1.5wt%(0.05重量%以上1.5重量%以下)含有するような水溶液を用いて薬液処理を行うと良い。なお、前記アミン類の中でも、特に、ヒドロキシルアミン、ジエチルエヒドロキシルアミン、無水ジエチルエヒドロキシルアミン、ピリジン、ピコリンなどが最適である。また、添加する防食剤の典型例として、D−グルコース(C6126)、キレート剤、酸化防止剤などがあり、それらを添加している場合もある。
更に、ステップS11の薬液処理では、上記のように薬液の種類を適宜に選択するほか、その処理時間の長さを適宜の値に設定することにより、変質層又は堆積層のみを選択的に除去し、変質していない有機膜パターンを露出及び残存させたり、堆積層に覆われていた有機膜パターンを露出及び残存させたりすることができる。
このような薬液処理を行うことにより、その後の現像処理において、現像機能液が有機膜パターン内に浸透しやすくなるという効果が得られる。
実際には、有機膜パターンの表面の変質層を上記薬液で処理することにより、変質層に亀裂が入るか、変質層の一部又は全部が除去される。これにより、現像処理において、有機パターン内への現像機能液の浸透が変質層によって妨げられてしまうことを、回避することが可能となる。
ここで重要な点は、有機膜パターンにおいて変質していない部分は除去或いは剥離せずに残存させることと、変質層のみを選択的に除去するか或いは該変質層に亀裂を入れることにより有機膜パターンにおいて変質していない部分への有機溶剤の浸透を容易にすることであり、そのような作用を変質層に対して及ぼすことが可能な薬液を使用する必要がある。
また、例えば図13、図14、図15、図16(b)、図16(c)、図16(d)、図17(b)、図17(c)、図18(b)、図18(c)、図23(c)、図23(d)、図24(b)、図24(c)、図25(c)に示すアッシング処理は、有機膜パターンの表面の変質層又は堆積層が強固な場合、厚い場合、フッ素と化合した変質層などのより除去し難い変質層である場合に、薬液処理と組み合わせるか又は単独で行うと良い。このようにアッシング処理と薬液処理とを組み合わせて行うか、又はアッシング処理のみを単独で行うことにより、薬液処理では変質層の除去が困難であるか又は除去に時間がかかるなどの問題点を解消することができる。
ここで、図33は変質層に対しO2アッシング(等方性プラズマ)処理のみを施した場合の変質層の変化を示し、図34は変質層に対し薬液処理(ヒドロキシルアミンを2%含有する水溶液を用いた薬液処理)のみを施した場合の変質層の変化を示し、図35は変質層に対しO2アッシング(等方性プラズマ)処理と薬液処理(ヒドロキシルアミンを2%含有する水溶液を用いた薬液処理)とを順に施した場合の変質層の変化を示している。なお、図33乃至図35においても、図32におけるのと同様に、変質化の程度を、ウェット剥離の難易を基準としてレベル分けしている。
図33乃至図35に示すように、何れの場合にも変質層の除去は可能であるが、図33に示すO2アッシング(等方性プラズマ)処理のみの場合と、図34に示す薬液処理(ヒドロキシルアミンを2%含有する水溶液を用いた薬液処理)のみの場合とでは、処理前の変質層の厚さや性質に応じて変質層の除去程度が異なる。
すなわち、O2アッシング(等方性プラズマ)処理は、図33に示すように、比較的、堆積物の有る変質層の除去に効果があるが、ダメージを残存させてしまう特徴があるため、堆積物の無い変質層に対して行った場合には、薬液処理のみの場合(図34)よりも変質層の残存の程度が大きい。
それに比較し、薬液処理(ヒドロキシルアミンを2%含有する水溶液を用いた薬液処理)は、図34に示すように、堆積物の有る変質層の除去に対しては効果が小さいが、ダメージを残存させない特徴があるため、堆積物の無い変質層に対して行った場合には、O2アッシング(等方性プラズマ)処理のみの場合(図33)よりも変質層の残存の程度が大きい。
そこで、O2アッシング(等方性プラズマ)処理と薬液処理(ヒドロキシルアミンを2%含有する水溶液を用いた薬液処理)とを順に施した場合を図35に示すが、図35の場合には、図33の場合と図34の場合との双方の長所を取り入れた方法であることが分かる。すなわち、図35の場合には、堆積物有りの場合にも、無しの場合にも、共に効果を発揮するとともに、ダメージの残存を抑制した理想的な態様で変質層を除去できることが分かる。
更に、溶解変形処理(例えばガス雰囲気処理)の均一性をより高めるには、有機パターンの下地膜の領域を表面処理し濡れ性を高めることも好ましい。下地膜の濡れ性を高める表面処理は、上記の各実施形態で説明したアッシング処理、すなわち、例えば、酸素ガスプラズマ(O2プラズマ)或いはUVオゾン処理により行うことが挙げられる。
酸素プラズマ処理は、例えば、O2流量300sccm、処理圧力100Pa、RFパワー1000Wのプラズマ中で、120秒間を行うことが挙げられる。
他方、UVオゾン処理は、100℃乃至200℃の基板温度範囲にてオゾンガス雰囲気中でUV光を照射することにより行うことが挙げられる。
下地膜の濡れ性を高めるその他の表面処理としては、各種プラズマ処理、各種プラズマの典型例としてのフッ素系ガスプラズマ(SF6ガスプラズマ、CF4ガスプラズマ、CHF3ガスプラズマ等)又はフッ素系ガスと酸素ガスとの混合プラズマ(SF6/O2プラズマ、CF4/O2プラズマ、CHF3/O2プラズマ等を含む)処理が挙げられる。
これら処理は有機パターンで覆われていない下地膜表面の濡れ性を改善する。従って、これらの処理を行うことによって、溶解変形処理(例えばガス雰囲気処理)により変形する有機パターンが下地膜表面をリフローし易くなる。
ところで、上記のように、各種プラズマ処理、酸素プラズマ処理、或いはUVオゾン処理等の前処理は、薬液処理と比べてダメージの残存を招き易い。そこで、各種プラズマ処理、酸素プラズマ処理、或いはUVオゾン処理等の前処理の後に更に薬液処理による有機膜の表面の変質層を処理又は除去することにより、下地膜の濡れ性を高めると共に有機膜パターンにダメージを残存させず有機パターン表面の変質層を除去できるので、均一な溶解変形処理を行うことができる。
なお、上記の各実施形態においては、本処理を現像処理(及び加熱処理)により行う例を説明したが、本処理は、有機膜パターンの現像機能を持たず、有機膜パターンを溶解除去する機能を持つ薬液を用いた薬液処理により行うようにしても良い。この場合の薬液処理に用いる薬液は、例えば、剥離液の濃度を薄めることにより得られる薬液であることを好ましい例とする。具体的には、例えば、剥離液を20%以下に薄めることにより、この薬液を得ることができる。なお、剥離液の濃度は2%以上が好ましい。また、この薬液は、剥離液を例えば水で薄めることにより得ることができる。
また、上記の各実施形態では、有機膜パターンが主として感光性有機膜である場合について説明したが、有機膜パターンを印刷法により形成する場合で、且つ、有機膜パターンの現像機能を持たず有機膜パターンを溶解除去する機能を持つ薬液を用いた薬液処理により本処理を行う場合には、有機膜パターンが感光性有機膜からなる必要はない。更に、この場合、ステップS41の露光処理は不要となる。
ただし、有機膜パターンを印刷法により形成する場合であっても、感光性有機膜からなる有機膜パターンを形成し、ステップS41の露光処理を適用するようにしても良い。
更に、上記の実施形態で説明したのと同様の有機膜パターン加工処理において、有機膜パターンを完全に除去することも可能であり、そのことは、有機膜パターン加工処理、或いは該有機膜パターン加工処理の一部を有機膜パターンの剥離処理の代替として適用可能であることを示している。
具体的には、まず第一の方法として、前記前処理の段階で、変質層或いは堆積層だけでなく有機膜パターンも除去可能な薬液を用いて、処理時間を上記の各実施形態で述べた処理時間(有機膜パターンが残存する処理時間)よりも長時間にすることにより、有機膜パターン全体を除去することが挙げられる。また、第二の方法として、前記前処理では、有機膜パターンの変質層或いは堆積層を主に除去し、その後の前記本処理の処理時間を上記の各実施形態で述べた処理時間(前記有機膜パターンが残存する処理時間)よりも長時間にすることにより、有機膜全体を除去することが挙げられる。
本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の第1の態様を説明するための図である。 本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の第2の態様を説明するための図である。 本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の第3の態様を説明するための図である。 本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の効果を説明するための図である。 本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の効果を説明するための図である。 本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の効果を説明するための図である。 本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の効果を説明するための図である。 本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の効果を説明するための図である。 本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の効果を説明するための図である。 本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の効果を説明するための図である。 本発明の各実施形態に係る基板処理方法に適用される加熱処理の効果を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る基板処理方法の変形例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る基板処理方法の変形例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る基板処理方法の具体的な適用例を示す一連の工程図である。 本発明の第4の実施形態に係る基板処理方法の第1の具体的な適用例を示す一連の工程図である。 本発明の第4の実施形態に係る基板処理方法の第2の具体的な適用例を示す一連の工程図である。 本発明の第6及び第7の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 本発明の第8の実施形態に係る基板処理方法の変形例を示すフローチャートである。 本発明の第9の実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 基板処理装置の一例を模式的に示す平面図である。 基板処理装置の他の一例を模式的に示す平面図である。 基板処理装置に備えられる処理ユニットの選択候補を示す図である。 薬液処理ユニット(或いは現像処理ユニット)の一例を示す断面図である。 ガス雰囲気処理ユニットの一例を示す断面図である。 ガス雰囲気処理ユニットの他の一例を示す断面図である。 前処理により除去すべき変質層の成因に応じた変質化の程度を示す図である。 変質層に対しアッシング処理のみを施した場合の変質層の変化を示す図である。 変質層に対し薬液処理のみを施した場合の変質層の変化を示す図である。 変質層に対しアッシング処理と薬液処理とをこの順に施した場合の変質層の変化を示す図である。 薬液処理に使用する薬液中のアミン類の含有濃度と、有機膜の変質の有無に応じた除去レートと、の関係を示すグラフである。 従来の基板処理方法を示すフローチャートである。 従来の基板処理方法の問題点を説明するための図である。
符号の説明
S00 加熱処理
S01 露光処理
S02 現像処理
S03 加熱処理
S04 エッチング処理(下地膜加工処理)
S11 薬液処理(前処理)
S12 現像処理(本処理)
S13 加熱(温度調整)処理(本処理)
S21 アッシング処理(前処理)
S41 露光処理
S2 温度調整処理
S3 ガス雰囲気処理(溶解変形処理)
S4 加熱(温度調節)処理
901 基板
901a 有機膜パターン
601 絶縁基板(基板)
607 有機膜パターン

Claims (42)

  1. 基板上に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、
    前記有機膜パターン加工処理では、
    前記有機膜パターンを上方から加熱する加熱処理と、
    前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は、前記有機膜パターンの一部を除去する本処理と、
    をこの順に行うことを特徴とする基板処理方法。
  2. 基板上に形成された有機膜パターンを加工する有機膜パターン加工処理を備える基板処理方法において、
    前記有機膜パターン加工処理では、
    前記有機膜パターンを上方及び下方から加熱する加熱処理と、
    前記有機膜パターンの少なくとも一部を縮小するか、又は、前記有機膜パターンの一部を除去する本処理と、
    をこの順に行うことを特徴とする基板処理方法。
  3. 前記加熱処理では、前記有機膜パターンに対する下方からの加熱温度よりも上方からの加熱温度の方を高温に設定することを特徴とする請求項2に記載の基板処理方法。
  4. 前記有機膜パターンには、前記有機膜パターン加工処理の以前に、露光処理、現像処理、ウェットエッチング処理及びドライエッチング処理のうちの少なくともいずれか1つの処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  5. 前記加熱処理により、前記有機膜パターン加工処理以前の処理工程において前記有機膜パターンの内部又は下部に染み込んだ水分、酸またはアルカリ溶液を除去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  6. 前記有機膜パターンと下地膜または基板との密着力が低下している場合に、前記密着力を前記加熱処理により回復させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  7. 前記加熱処理を50乃至150℃の温度で行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  8. 前記加熱処理を50乃至140℃の温度で行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  9. 前記加熱処理を50乃至130℃の温度で行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  10. 前記加熱処理を100乃至130℃の温度で行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  11. 前記有機膜パターンを架橋させる温度よりも低温で前記加熱処理を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  12. 前記加熱処理を60乃至300秒間行うことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  13. 前記有機膜パターンの表面に形成された変質層及び/又は堆積層を除去する前処理を、前記加熱処理と前記本処理の間に行うことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  14. 前記有機膜パターンの表面に形成された変質層及び/又は堆積層を除去する前処理を、前記加熱処理の前に行うことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  15. 前記前処理では、前記変質層及び/又は前記堆積層のみを選択的に除去することを特徴とする請求項13又は14に記載の基板処理方法。
  16. 前記前処理は、前記有機膜パターンの表面に形成された変質層を除去し、変質していない有機膜パターンを露出及び残存させる処理であることを特徴とする請求項13又は14に基板処理方法。
  17. 前記変質層は、前記有機膜パターンの表面が時間放置劣化、熱酸化及び熱硬化のうちの少なくとも何れか1つの要因により変質したものであることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  18. 前記変質層は、前記有機膜パターンの表面がウェットエッチング液処理により変質したものであることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  19. 前記変質層は、前記有機膜パターンの表面がドライエッチング又はアッシング処理により変質したものであることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  20. 前記変質層は、前記有機膜パターンの表面がドライエッチングによるデポジションに伴い変質したものであることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  21. 前記前処理は、前記有機膜パターンの表面に形成された堆積層を除去し、前記有機膜パターンを露出及び残存させる処理であることを特徴とする13又は14に基板処理方法。
  22. 前記堆積層は、前記有機膜パターンの表面上にドライエッチングにより形成されたものであることを特徴とする請求項13乃至21のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  23. 前記基板上に形成された当初の有機膜パターンは、フォトリソグラフィ法により形成された有機膜パターンであることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  24. 前記基板上に形成された当初の有機膜パターンは、印刷法により形成された有機膜パターンであることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  25. 前記本処理は、有機膜パターンの現像機能を持つ薬液を用いた現像処理により行うことを特徴とする請求項1乃至24のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  26. 前記有機膜パターンの現像機能をもつ薬液は、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を主成分とするアルカリ水溶液、又は、無機アルカリ水溶液であることを特徴とする請求項25に記載の基板処理方法。
  27. 前記無機アルカリ水溶液は、NaOH又はCaOHであることを特徴とする請求項26に記載の基板処理方法。
  28. 前記本処理は、前記有機膜パターンに対する少なくとも2回目以降の現像処理により行うことを特徴とする請求項1乃至23のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  29. 前記本処理は、有機膜パターンの現像機能を持たず、有機膜パターンを溶解除去する機能を持つ薬液を用いた薬液処理により行うことを特徴とする請求項1乃至24のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  30. 有機膜パターンの現像機能を持たず、有機膜を溶解除去する機能を持つ前記薬液は、剥離液の濃度を薄めることにより得られる薬液であることを特徴とする請求項29に記載の基板処理方法。
  31. 前記有機膜パターン加工処理前の有機膜パターンをマスクとして該有機膜パターンの下地膜をパターン加工する下地膜加工処理を備えることを特徴とする請求項1乃至30のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  32. 前記本処理は、前記有機膜パターンの少なくとも何れか1つを複数部分に分離させる処理であることを特徴とする請求項1乃至31のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  33. 前記本処理は、前記基板上に形成された回路パターンを覆う絶縁膜となるように前記有機膜パターンを変形させる処理であることを特徴とする請求項1乃至31のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  34. 前記有機膜パターン加工処理後の有機膜パターンをマスクとして前記有機膜パターンの下地膜をパターン加工する下地膜加工処理を備えることを特徴とする請求項1乃至32のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  35. 前記下地膜加工処理により、前記下地膜をテーパー状又は階段状に加工することを特徴とする請求項31又は34に記載の基板処理方法。
  36. 前記下地膜は、複数層に成膜された膜であり、前記下地膜加工処理により、該複数層の膜のうちの何れかを相互に異なるパターン形状に加工することを特徴とする請求項31又は34に記載の基板処理方法。
  37. 前記有機膜パターンに対するアッシング処理により、前記前処理の少なくとも一部を行うことを特徴とする請求項1乃至36のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  38. 前記有機膜パターンに対する薬液処理により、前記前処理の少なくとも一部を行うことを特徴とする請求項1乃至36のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  39. 前記有機膜パターンに対するアッシング処理と薬液処理とを組み合わせて実行することにより、前記前処理の少なくとも一部を行うことを特徴とする請求項1乃至36のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  40. 前記有機膜パターンに対するアッシング処理と薬液処理とをこの順に実行することにより、前記前処理の少なくとも一部を行うことを特徴とする請求項1乃至36のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  41. 前記有機膜パターンに対する薬液処理により、前記前処理の全てを行うことを特徴とする請求項1乃至36のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  42. 前記有機膜パターンに対するアッシング処理と薬液処理とをこの順に実行することにより、前記前処理の全てを行うことを特徴とする請求項1乃至36のいずれか一項に記載の基板処理方法。

JP2005210324A 2005-07-20 2005-07-20 基板処理方法 Withdrawn JP2007027574A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005210324A JP2007027574A (ja) 2005-07-20 2005-07-20 基板処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005210324A JP2007027574A (ja) 2005-07-20 2005-07-20 基板処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007027574A true JP2007027574A (ja) 2007-02-01

Family

ID=37787910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005210324A Withdrawn JP2007027574A (ja) 2005-07-20 2005-07-20 基板処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007027574A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013100955A1 (en) * 2011-12-28 2013-07-04 Intel Corporation Annealing a sacrificial layer
US9224602B2 (en) 2011-12-29 2015-12-29 Intel Corporation Sub-second annealing lithography techniques

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013100955A1 (en) * 2011-12-28 2013-07-04 Intel Corporation Annealing a sacrificial layer
US9224602B2 (en) 2011-12-29 2015-12-29 Intel Corporation Sub-second annealing lithography techniques

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5224228B2 (ja) 薬液を用いた基板処理方法
US20080280230A1 (en) Photolithography process including a chemical rinse
KR100793118B1 (ko) 기판을 처리하는 방법 및 이 방법에 이용되는 화학물
JP2007256666A (ja) 基板処理方法及びそれに用いる薬液
US6358676B1 (en) Method for reworking photoresist
JP2007317983A (ja) 基板処理装置、基板処理方法及び同方法に用いる薬液
CN111399338B (zh) 一种光刻方法
KR100740474B1 (ko) 기판을 처리하는 장치 및 방법
KR100778255B1 (ko) 기판을 처리하는 방법 및 이 방법에 이용되는 화합물
US6764946B1 (en) Method of controlling line edge roughness in resist films
KR100727325B1 (ko) 기판 처리방법 및 이 방법에 사용되는 약액
JP2005159293A (ja) 基板処理装置及び処理方法
KR20060044449A (ko) 기판 처리방법 및 이 방법에 사용되는 약액
JP2007027574A (ja) 基板処理方法
JP5062562B2 (ja) 薬液及びそれを用いた基板処理方法
JP2005159294A5 (ja)
US7413848B2 (en) Method of removing photoresist and photoresist rework method
US6371134B2 (en) Ozone cleaning of wafers
JP2005159342A (ja) 基板処理方法及びそれに用いる薬液
JP2005175446A (ja) 基板処理方法及びそれに用いる薬液
JP2009088559A (ja) 基板処理装置及び処理方法
KR20090055775A (ko) 반도체 소자의 제조방법
JP2005175446A5 (ja)
JP2006319346A (ja) 基板処理方法及びそれに用いる薬液
KR20000028029A (ko) 반도체 제조공정에서의 감광막 제거방법

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070416

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080611

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20080826

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20100824