JP2006319087A - 箱型樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リードフレームや樹脂モールド部の損傷を伴うことなく、リードフレームに発生するフラッシュバリを防止できる半導体装置用箱型樹脂成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 半導体素子を装着するための中空部を有し、リードフレームが設けられた箱型樹脂成形体の製造方法において、リードフレームにおける箱型樹脂成形体の金型との接触予定部分に、融点が200℃以上であり、かつ170℃での貯蔵弾性率が1×109Pa以上である樹脂から形成された基材フィルムとその片表面に粘着剤が塗布されて形成された粘着フィルムを貼付する工程、このリードフレームを金型内に設置した状態で金型内に樹脂をインサート成形して、リードフレームと一体となった箱型樹脂成形体を得る工程、前工程で得られたリードフレーム付箱型樹脂成形体のリードフレーム上の粘着フィルムを除去する工程を含む箱型樹脂成形体の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体製造装置用の箱型樹脂成形体の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、リードフレームが箱型樹脂成形体の中空部に露出する部分(以後、インナーリードと呼称)に発生する樹脂のフラッシュバリが樹脂モールド部を損傷させることなく防止して、高品質の箱型樹脂成形体を製造する方法である。
IC,LSIなどの半導体素子は、周囲の温度や湿度の変化、あるいは微細なゴミやほこりに影響され、その特性が微妙に変化してしまうことや機械的衝撃によって破損しやすいなどの理由で、パッケージ内に封止された状態で使用に供されている。
パッケージ方式としては、大別して気密封止方式と樹脂封止方式とがあり、気密封止方式では、一般的には材質にセラミックスあるいは樹脂が用いられている。樹脂の場合には、箱型樹脂成形体が用いられ、そのチップボンディング部に接着剤によって固着された半導体素子は、インサート成形によって半導体装置用箱型樹脂成形体内に封入され、両端がパッケージの内側と外側に露出するリードのうちインナーリードとボンディングワイアーによって連結されている。
ところで、リードフレームと半導体装置用箱型樹脂成形体との一体成形は、金型内に熱硬化性樹脂を射出成形あるいはトランスファー成形する、いわゆるインサート成形をおこなうことが一般的である。
しかしながら、この成形方法においては、インナーリードに樹脂のフラッシュバリが発生し、リードフレームと半導体素子との電気的接続を妨げるという問題があった。さらに、フラッシュバリが電気的接続を妨げない小さなものであっても、微細なゴミの混入さえ嫌う半導体装置にとっては、このようなフラッシュバリは完全に除去しなければならない。
従来、このようなフラッシュバリを除去する方法としては、例えば、砥粒を用いるブラスト法、液体を高圧噴射してフラッシュバリを除去する方法(特許文献1(特開昭60−1502033号公報))、あるいはインサート成形前のリードフレーム露出部分すなわち、半導体装置用箱型樹脂成形体と接触しない部分に、融点または軟化点が、該封止体の成形温度以上であって、かつ、該封止体を溶解する事の無い溶媒に可溶な有機高分子物質を塗布し、このリードフレームを樹脂と一体成形した後、得られた箱型樹脂成形体を前記溶媒に浸してリードフレームの有機高分子物質を溶解除去することによって、その上面に発生したフラッシュバリを同時に除去する方法(特許文献2(特開平2−209740号公報))などが知られている。
しかしながら、上記ブラスト法では、樹脂モールド部の表面が砥粒との摩擦によって損傷するという問題や、ブラストに用いる砥粒あるいは、樹脂との摩擦で生じた破砕紛がダスト源となる問題があった。
また、液体を高圧噴射する方法では、リードフレームに付着しているフラッシュバリを除去するために、半導体装置用箱型樹脂成形体のフラッシュバリが形成された部位に、0.1MPa以上もの高圧液体を噴射する必要があり、そのため、樹脂モールド部にクラックが生じやすいという問題があった。
また、上記のインサート成形前にリードフレーム上へ有機高分子物質を塗布し、成形後に溶媒に浸して該有機高分子物質を溶解させて除去する方法も開示されているが、該高分子物質を除去するために用いられる溶媒を樹脂成形体から完全に除去しなければならず、そのためには溶剤洗浄および純水洗浄さらには必要に応じて超音波洗浄を行う必要があるため、製造工程が複雑になるという問題があった。
更に、インサート成形前にリードフレーム上にマスキングテープを貼着し、箱型樹脂成形体を成形後マスキングテープを除去することにより、フラッシュバリを低減される方法も知られている(特許文献3参照)。しかしながら、この方法にはマスキングテープの具体的な性質等について検討されておらず、該方法を効果的におこなうためのマスキングテープの開発が望まれていた。
特開昭60−1502033号公報 特開平2−209740号公報 特開平2−209739号公報
本発明の課題は、リードフレームや樹脂モールド部の損傷を伴うことなく、リードフレームに発生するフラッシュバリを防止できる半導体装置用箱型樹脂成形体の製造方法を提供することにある。
本出願人は、鋭意検討した結果、前記特許文献3の方法を更に改良し、マスキングテープとして特定の性質を有する粘着フィルムを使用して箱型樹脂成形体を製造することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下示す通りである。
(1)半導体素子を装着するための中空部を有し、リードフレームが設けられた箱型樹脂成形体の製造方法において、リードフレームにおける箱型樹脂成形体の金型との接触予定部分に、融点が200℃以上であり、かつ170℃での貯蔵弾性率が1×109Pa以上である樹脂から形成された基材フィルムとその片表面に粘着剤が塗布されて形成された粘着フィルムを貼付する工程、このリードフレームを金型内に設置した状態で金型内に樹脂をインサート成形して、リードフレームと一体となった箱型樹脂成形体を得る工程、前工程で得られたリードフレーム付箱型樹脂成形体のリードフレーム上の粘着フィルムを除去する工程を含むことを特徴とする箱型樹脂成形体の製造方法、好ましくは、
(2)基材フィルムの片表面に塗布された粘着剤は、170℃における貯蔵弾性率が1×105Pa以上のものである(1)記載の箱型樹脂成形体の製造方法、更に好ましくは、
(3)基材フィルムを製造する樹脂は、ポリエステル、ポリイミド、又はポリエーテルスルフォンから選ばれた少なくとも一種の樹脂である(1)又は(2)記載の箱型樹脂成形体の製造方法。
本発明によれば、箱型樹脂成形体の中空部に露出する予定のリードフレーム表面部分に成形樹脂が漏れ出さないようにすること、即ちフラッシュバリを低減することができ、さらにインナーリードの沈み込みやねじれを防止することもできる。また、粘着フィルムは、リードフレームに容易に貼付、剥離することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明方法により製造される箱型樹脂成形体の一例を示す。本発明の製造方法は、例えばリードフレーム2を金型内に設置する前、または設置した後に、リードフレーム2上(表面)であって、しかも、リードフレーム2と箱型樹脂成形体1との非接触予定部分2a、2bに、融点200℃以上であり、かつかつ170℃での貯蔵弾性率が1×109Pa以上である樹脂から形成された基材フィルムとその片表面に粘着剤が塗布された粘着フィルムを貼付する工程、その後、金型内に樹脂を注入し、成形することにより、リードフレームと一体となった箱型樹脂成形体1を形成する工程、更にリードフレーム上の粘着フィルムを除去する工程を含むことを特徴とするものである。
このように、本発明では、リードフレーム2と箱型樹脂成形体1との非接触部分に予め上記粘着フィルムが貼付されているリードフレーム2を用いるが、このような粘着フィルムをリードフレーム2の所定表面2aおよび2bに形成するには、例えば、予め任意の大きさに切断したフィルムを貼付するか、リードフレーム全体に貼付した後、所定部分以外を切除してもよい。
本発明方法において用いる粘着フィルムは、融点200℃以上であり、かつ170℃での貯蔵弾性率が1×109Pa以上である樹脂から形成された基材フィルムとその片表面に粘着剤が塗布された粘着フィルムであり、好ましくは、基材フィルムの170℃での貯蔵弾性率が、1×109Pa以上1×1011Pa以下であり、より好ましくは、1×109Pa以上1×1010Pa以下ある。1×1011Pa以上の場合、フィルムが硬すぎてカッティング不良、リードフレームへの貼付不良や成形後のリードフレームからの剥離不良が発生する可能性がある。上記範囲のものを用いることにより、箱型樹脂成形体の成形温度が通常170℃でおこなわれても、樹脂圧でフィルムが変形することなく、また、リードフレームへの貼付、剥離不良もなく好ましい。
粘着フィルムを形成する基材フィルムを製造するための樹脂としては、例えば、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル(例:帝人デュポンフィルム(株)製 テオネックス(登録商標))や、ポリイミド(例:(株)カネカ製 アピカル(登録商標))、ポリエーテルスルフォン(例:住友ベークライト(株)、スミライト(登録商標))等およびこれらを用いた混合樹脂から形成された樹脂フィルム等が挙げられる。基材フィルムの厚みは好ましくは50〜350μmであり、より好ましくは25〜50μmである。この範囲において、樹脂バリを防止でき、インナーリードのねじれ等が発生せず、また貼付や剥離も容易であり、好ましい。
本発明方法において用いる粘着フィルムを形成する基材フィルムの片表面に塗布される粘着剤としては、成形時の熱で粘着力が上昇して剥離不良を起こさないことおよび糊残りを発生させないことから、粘着剤層は、170℃における貯蔵弾性率が1×105Pa以上であることが好ましい。さらに好ましくは、1×105〜1×10Paである。1×10Paを超えると、リードフレームへの粘着性が不足し、インサート成形時に剥離し樹脂バリを防止することができない場合がある。粘着剤樹脂としては、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤等が例示され、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、アクリルアミドからなる粘着剤主剤の架橋密度をエポキシ系架橋剤(例:ナガセケムテックス(株)製、商品名:EX-614)またはアジリジン系架橋剤(例:日本触媒化学工業(株)製、商品名:ケミタイトPz−33)等で向上させたアクリル粘着剤が好ましい。
本発明方法において用いる粘着フィルムは、例えば、ダイコーターや3本リバースコーター等のコーターにより、上記アクリル系粘着剤をポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等のセパレーターにコートし、100℃〜150℃で乾燥した後、表面がコロナ処理された基材フィルムにラミネートされて得ることができる。ラミネートされた粘着フィルムは粘着剤が基材フィルム側に完全に転着するよう40〜60℃で24〜48時間放置されることが好ましい。粘着剤の厚みは、特に限定されないが、通常3〜100μmであり、より好ましくは5〜40μmであり、更に好ましくは10〜20μmである。厚みが3μmより薄い場合、リードフレームへの密着が不十分で樹脂バリが発生する可能性があり、100μmより厚い場合、リードフレームから剥離する際、粘着剤が凝集破壊しリードフレームを汚染する場合があるため注意が必要である。
本発明方法は、次いで粘着フィルムが貼付されているリードフレームを、前述したように金型内に設置した後、例えば金型内に樹脂を注入し、射出成形するなど、金型内で樹脂を成形することにより、リードフレームと一体となった前記箱型樹脂成形体を形成することができる。
箱型樹脂成形体を成形する樹脂としては熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれでもかまわないが、好ましくはリードフレーム2と密着性のよい熱硬化性樹脂が用いられ、例えば、ビスフェノールA、ノボラック型、グリシジルアミン型などのエポキシ系樹脂、ポリアミドビスマレイミド、ポリピロメリックイミドなどのイミド系樹脂が用いられる。これらの樹脂には硬化剤、硬化促進剤、充填剤、難燃剤、顔料、離型剤などが配合されていてもよい。
成形方法は、トランスファー成形法、射出成形法が一般的に採用され、本発明においても特に限定されない。このインサート成形の条件は、使用する樹脂によっても異なるが、通常、圧力1〜50MPa、温度100〜250℃の条件で加圧加熱を行う。例えば、ノボラック型エポキシ樹脂を使用した場合は、圧力10〜20MPa、温度160〜180℃でおこなうのが好ましい。
樹脂成形後、リードフレームから、粘着フィルムを剥離する方法としては、粘着フィルムが剥離さえできればどのような方法を用いても良いが、簡単な方法としては水中に浸漬して剥離する方法が挙げられる。この際、水温は、40℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは、60〜85℃である。85℃以上の場合、リードフレームと樹脂の界面に剥離が生じやすくなる。さらに超音波をかけることにより容易に剥離することも出来、粘着剤成分のリードフレームへの転写も除去できる。また、アセトン、エタノール、イソプロピルアルコールなどの水に可溶な溶剤を用いる事も出来る。これらの溶剤は、その後の水洗で簡単に除去する事が出来る。
次に実施例、比較例により本発明を更に詳細に説明する。尚、実施例中の評価、測定値については、以下の方法で求めた。
<基材フィルムの貯蔵弾性率の測定方法>
基材フィルム層部分を切断し、長方形(MD方向:30mm、TD方向:10mm)の試料を作製した。動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製:形式:RSA−II)を用いて、0〜300℃までの貯蔵弾性率(機械方向)を測定した。測定周波数は、1Hzとし、歪みは0.01〜0.1%とした。
<粘着剤の貯蔵弾性率の測定方法>
厚さ1mmまで積層することにより粘弾性測定用サンプルを作製した。サンプルサイズ直径8mmの円形に切断し、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製:形式:RMS−800)を用いて、150℃及び200℃において貯蔵弾性率を測定した。測定周波数は1Hzとし、歪みは0.1〜3%とする。
合成例(粘着フィルムの製造例)
1−1.粘着剤主剤の調製例
重合反応機に脱イオン水150重量部、重合開始剤として4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッドを0.625重量部、アクリル酸モノマーとして、アクリル酸−2−エチルヘキシル60.25重量部、アクリル酸−n−ブチル20重量部、メタクリル酸メチル12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル3重量部、メタクリル酸2重量部、アクリルアミド1重量部、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート1重量部、水溶性コモノマーとしてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイドの付加モル数の平均値:約20)の硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンHS−10〕0.75重量部を装入し、攪拌下で70〜72℃において8時間乳化重合を実施し、アクリル系樹脂エマルションを得た。これを9重量%アンモニア水で中和(pH=7.0)し、固形分42.5重量%のアクリル系粘着剤(粘着剤主剤)とした。
1−2.粘着剤塗布液の調製例
粘着剤主剤の調製例1で得られた粘着剤主剤1の100重量部を採取し、さらに9重量%アンモニア水を加えてpH9.5に調整した。次いで、アジリジン系架橋剤〔日本触媒化学工業(株)製、商品名:ケミタイトPz−33〕0.8重量部を添加して粘着剤塗布液1を得た。
1−3.粘着フィルムの調製例
粘着剤塗布液の調製で得られた粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(セパレータ、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに基材フィルムとしてコロナ放電処理したポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:テオネックス(登録商標)、融点269℃、170℃での貯蔵弾性率1.3×10Pa、厚み30μm)を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより粘着フィルム1を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、170℃において1.5×10Paであった。
実施例1 (箱型樹脂成形体の製造例)
全面メッキ処理(メッキ厚み2μm)をした42アロイ製のリードフレーム(厚さ250μm)を用意し、インナーリード部およびアイランド部に前記合成例で合成した粘着フィルムの調製例で作成したポリエチレンナフタレート(以下、PENと略記する場合がある)の基材(融点269℃、170℃での貯蔵弾性率1.3×10Pa、厚み30μm)にアクリル酸エステルからなる粘着剤(170℃での貯蔵弾性率 1×10Pa、厚み10μm)がコートされた粘着性フィルムを貼付したのち、これをトランスファー成形機の金型内の所定位置にセットした。次いでオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびフェノールノボラック硬化剤を含む成形材料を注入し、温度180℃、圧力12MPa、時間3時間で後硬化を行って図1に示すような成形体(底厚1mm)を得た。その後、80℃の温水に5分浸漬し、粘着フィルムを剥離したのち、乾燥して半導体装置用箱型樹脂成形体を得た。インナーリード部の樹脂バリ及びねじれの有無を顕微鏡にて観察しその結果を表1にまとめた。
実施例2
基材フィルムとして、ポリイミド(以下、PIと略記する場合がある)((株)カネカ製、商品名:アピカル(登録商標) 融点なし、170℃での貯蔵弾性率3.2×10Pa、厚み30μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして半導体装置用箱型樹脂成形体を作成し、インナーリード部の樹脂バリおよびねじれの有無を確認して、その結果を表1に併せて示した。
実施例3
基材フィルムとして、ポリエーテルスルフォン(以下、PESと略記する場合がある)(住友ベークライト(株)製、商品名:スミライト(登録商標) 融点なし、170℃での貯蔵弾性率2.3×10Pa、厚み30μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして半導体装置用箱型樹脂成形体を作成し、インナーリード部の樹脂バリおよびねじれの有無を確認して、その結果を表1に併せて示した。
比較例1
粘着フィルムを貼付しない以外は実施例と同様にして半導体装置用箱型樹脂成形体を作成し、インナーリード部の樹脂バリおよびねじれの有無を確認して、その結果を表1に併せて示した。
比較例2
基材フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する場合がある)(帝人(株)製、融点258℃、170℃での貯蔵弾性率3.0×10Pa、厚み30μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして半導体装置用箱型樹脂成形体を作成し、インナーリード部の樹脂バリおよびねじれの有無を確認して、その結果を表1に併せて示した。
比較例3
基材フィルムとして、ポリエーテルエーテルケトン(以下、PEEKと略記する場合がある)(ビクトレックス(株)製、商品名:PEEK(登録商標) 融点334℃、170℃での貯蔵弾性率3.5×10Pa、厚み30μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして半導体装置用箱型樹脂成形体を作成し、インナーリード部の樹脂バリおよびねじれの有無を確認して、その結果を表1に併せて示した。
Figure 2006319087
本発明に係る製造方法によれば、樹脂モールドを損傷させることなく、リードフレーム上に発生するフラッシュバリを防止する事が出来、リードフレームと半導体素子との電気的接続を良好にすることができる。また、本発明の方法を採用する事により、金型内の清掃作業を簡略化することが出来、さらに条件を設定する事により、金型をほとんど清掃することなく長期間に渡り成形操作を継続的に行う事も可能である。
本発明に係る製造方法により得られる箱型樹脂成形体の構成の一例を表す概略図である。 本発明に係る製造方法により得られる箱型樹脂成形体を用いて製造される半導体装置の構成の一例表す概略図である。
符号の説明
1 箱型樹脂成形体
2 リードフレーム
2a 非接触予定部分(リードフレームのアイランド部)
2b 非接触予定部分(リードフレームのインナーリード)
3 ボンディングワイアー
4 半導体素子

Claims (3)

  1. 半導体素子を装着するための中空部を有し、リードフレームが設けられた箱型樹脂成形体の製造方法において、リードフレームにおける箱型樹脂成形体の金型との接触予定部分に、融点が200℃以上であり、かつ170℃での貯蔵弾性率が1×109Pa以上である樹脂から形成された基材フィルムとその片表面に粘着剤が塗布されて形成された粘着フィルムを貼付する工程、このリードフレームを金型内に設置した状態で金型内に樹脂をインサート成形して、リードフレームと一体となった箱型樹脂成形体を得る工程、前工程で得られたリードフレーム付箱型樹脂成形体のリードフレーム上の粘着フィルムを除去する工程を含むことを特徴とする箱型樹脂成形体の製造方法。
  2. 基材フィルムの片表面に塗布された粘着剤は、170℃における貯蔵弾性率が1×105Pa以上のものである請求項1記載の箱型樹脂成形体の製造方法。
  3. 基材フィルムを製造する樹脂は、ポリエステル、ポリイミド、又はポリエーテルスルフォンから選ばれた少なくとも一種の樹脂である請求項1又は2記載の箱型樹脂成形体の製造方法。
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