JP2006318954A - 露光装置及び露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】走査露光のスループットを向上すること
【解決手段】ウエハW上のY軸方向に隣接する2つのショット領域に対するパターンの転写を続けて行う場合に、レチクルステージRSTに関しては、一方のショット領域の転写時と他方のショット領域の転写時とでその走査方向を逆向きとし、ウエハステージWSTに関しては、一方のショット領域の転写時と他方のショット領域の転写時とでその走査方向を同じとするように制御する。また、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの走査方向が同じ向きである場合には、照明領域IAR内のパターンの正立像を露光領域IA上に結像させるように投影光学系PLを制御し、転写時におけるレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの走査方向が逆向きである場合には、照明領域IAR内のパターンの倒立像を露光領域IA上に結像させるように投影光学系PLを制御する。
【選択図】図1
【解決手段】ウエハW上のY軸方向に隣接する2つのショット領域に対するパターンの転写を続けて行う場合に、レチクルステージRSTに関しては、一方のショット領域の転写時と他方のショット領域の転写時とでその走査方向を逆向きとし、ウエハステージWSTに関しては、一方のショット領域の転写時と他方のショット領域の転写時とでその走査方向を同じとするように制御する。また、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの走査方向が同じ向きである場合には、照明領域IAR内のパターンの正立像を露光領域IA上に結像させるように投影光学系PLを制御し、転写時におけるレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの走査方向が逆向きである場合には、照明領域IAR内のパターンの倒立像を露光領域IA上に結像させるように投影光学系PLを制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、露光装置及び露光方法に係り、さらに詳しくは、照明光により照明される照明領域に対して少なくとも1つのマスクを走査し、これと同期して前記照明領域と共役な露光領域に対して感光物体を走査する1次元方向の同期走査により、前記マスクに形成されたパターンを、前記物体上の複数の区画領域に順次転写する露光装置及び露光方法に関する。
半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを、投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、「ウエハ」と総称する)上に転写する露光装置、例えばステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)等の逐次移動型の投影露光装置(以下、「露光装置」と略述する)が主として用いられている。
かかる走査型投影露光装置においては、1つのショット領域の走査露光は、照明光に対してレチクル及びウエハを同期走査しつつ、照明光により照明されるレチクル上の照明領域内のパターンを、ウエハ上のその照明領域と共役な露光領域に転写することにより行われる。ここで、投影光学系の投影像が倒立像である場合には、レチクルを保持するレチクルステージと、ウエハを保持するウエハステージとを、互いに逆方向に同期移動させ、投影光学系の投影像が正立像である場合には、レチクルを保持するレチクルステージと、ウエハを保持するウエハステージを同じ方向に同期移動させる必要がある。
また、ウエハ上の複数のショット領域それぞれに対し、上述のような走査露光を行なう場合には、1つのウエハ内における非露光時間をできるだけ少なくするために、両ステージを互いに往復させて、隣接するショット領域に対し、続けて走査露光を行っている。すなわち、従来より、交互スキャンによる走査露光が行われている。
この交互スキャンでは、1つのショット領域の走査露光を行うごとに両ステージが減速・加速を繰り返すようになる。このことは、今後のウエハの大口径化による、ウエハ1枚のショット領域の数の増加を考慮すると、スループットの観点から見て望ましいことではない。
このような不都合を回避するために、様々な方法が提案されている。例えば、レチクルを、走査方向と直交する方向に複数枚配置し、1回のスキャンで、複数のショット領域を一度に露光する方法が開示されている(例えば、特許文献1等)。この方法を用いれば、スループットに有利ではあるが、複数のレチクルを並べる必要があるために、装置が大型化してしまうという不都合がある。
また、ウエハステージを反転させることなく、一列のショット領域に対する走査露光を行う方法も提案されている(例えば、特許文献2等)。これによれば、レチクルステージを2つ設け、一方のレチクルステージに保持されたレチクルに対して実際に走査露光を行われている間に、他方のレチクルステージをその走査方向の逆方向に移動させておき、一方のレチクルステージに保持されたレチクルのパターンの転写の完了に合わせて、他方のレチクルステージを、一方のレチクルステージの走査方向と同じ方向に走査して、次のショット領域に対する露光を行う。このようにすれば、レチクルステージより重いウエハステージを加減速させることなく、一列のショット領域に対する露光を行うことができるので、スループットに有利となるが、レチクルステージを2つ備える必要があり、それらに必要な複数の光学系を設ける必要があるので、装置が大型化してしまううえ、複数のレチクルステージの同期制御を行う必要があり、制御系が複雑化してしまうという不都合があった。
本発明は、第1の観点からすると、照明光により照明される照明領域に対して少なくとも1つのマスクを走査し、これと同期して前記照明領域と共役な露光領域に対して感光物体を走査する1次元方向の同期走査により、前記マスクに形成されたパターンを、前記感光物体上の複数の区画領域に順次転写する露光装置であって、前記マスクを保持して移動可能な1つの第1の移動体と;前記照明領域内の前記マスクのパターンの像を前記露光領域上に結像させる投影光学系と;前記感光物体を保持して移動可能な第2の移動体と;前記感光物体上の前記1次元方向に隣接する2つの区画領域に対して前記パターンの像の転写を続けて行う場合に、前記第1の移動体に関しては、一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とでその走査方向を逆向きとし、前記第2の移動体に関しては、一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とでその走査方向を同じとするように制御する制御装置と;を備える露光装置である。
これによれば、感光物体上の1次元方向に隣接する2つの区画領域に対するパターンの転写を続けて行う場合に、制御装置は、マスクを保持する第1の移動体に関しては、一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とでその走査方向を逆向きとし、感光物体を保持する第2の移動体に関しては、一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とでその走査方向を同じとするように制御する。このようにすれば、例えば、第2の移動体については、一方の区画領域の転写と他方の区画領域の転写との間で減速及び加速を行う必要がなくなるため、露光時間を短縮して、スループットを向上させることが可能となる。
また、本発明は、第2の観点からすると、照明光により照明される照明領域に対して少なくとも1つのマスクを走査し、これと同期して前記照明領域と共役な露光領域に対して感光物体を走査する1次元方向の同期走査により、前記照明領域内の前記マスクのパターンの像を前記露光領域上に結像させる投影光学系を介して、前記物体上の複数の区画領域に順次転写する露光方法において、前記感光物体上の前記1次元方向に隣接する2つの区画領域に対する前記パターンの転写を続けて行う場合に、前記マスクを保持して移動可能な第1の移動体に関しては、一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とでその走査方向を逆向きとし、前記感光物体を保持して移動可能な第2の移動体に関しては、一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とでその走査方向を同じとすることを特徴とする露光方法である。
これによれば、感光物体上の1次元方向に隣接する2つの区画領域に対するパターンの転写を続けて行う場合に、マスクを保持する第1の移動体に関しては、一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とでその走査方向を逆向きとし、感光物体を保持する第2の移動体に関しては、一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とでその走査方向を同じとするように制御する。このようにすれば、第2の移動体については、一方の区画領域の転写と他方の区画領域の転写との間で減速及び加速を行う必要がなくなる。この結果、露光時間を短縮して、スループットを向上させることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。この露光装置100は、照明系10、マスクとしてのレチクルR1、R2が載置されるレチクルステージRST、投影光学系PL、感光物体としてのウエハWが載置されるウエハステージWST及び装置全体を統括制御する主制御装置20等の制御系を備えている。
照明系10は、偏光変換部材11と、不図示の固定レチクルブラインドと、可動レチクルブラインド12とを備えている。
偏光変換部材11は、不図示の光源から発せられ、均一な光強度分布を有する照明光(露光光)ILの偏光方向を変換する部材である。この偏光変換部材11により、照明系10から出射される照明光ILは、XY平面内の所定の方向の直線偏光となる。
不図示の固定レチクルブラインドは、偏光変換部材11で偏光方向が変換された照明光ILの一部を通過させる開口部を有している。走査方向(Y軸方向)と、その走査方向に直交する非走査方向(X軸方向)とに光学的に対応する開口部の位置及び幅により、その開口部で規定される領域と共役関係にあるレチクルR1、R2上のスリット状の照明領域(X軸方向に細長い長方形状の領域)IARの位置及び幅が規定される。より具体的には、図3に示されるように、ステージ制御装置19は、走査露光中においては、主制御装置20の指示の下、位置センサ13により検出される可動レチクルブラインド12の位置に基づいて、ブラインド駆動部15を介して、可動レチクルブラインド12を駆動する。
可動レチクルブラインド12は、上記固定レチクルブラインドの開口部を、少なくとも走査方向にさらに制限することが可能なブラインドである。ステージ制御装置19の制御の下、この可動レチクルブラインド12により、照明領域IARが、更に制限されることによって、不要な部分(後述するレチクルR1、R2上の回路パターン等の転写すべき部分以外の部分)の露光が防止される。
上記構成を備える照明系10は、レチクルR1、R2上における、照明領域IARを照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)などの遠紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
レチクルステージRST上には、レチクルR1、R2が、Y軸方向に沿って、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とするレチクルステージ駆動部52によって、照明系10の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定方向(ここでは図1における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に、設定された走査速度で駆動可能となっている。この駆動によるレチクルステージRSTのストロークは、レチクルR1、R2上に形成されたパターン領域全体が、照明光ILの照明によりレチクルR1、R2上に形成される矩形状の照明領域IARを横切ることができる程度である。
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置情報(XY位置及びθz方向(Z軸回りの回転方向)の回転量(ヨーイング量))は、その反射面にレーザ光を照射するレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時計測されている。レチクル干渉計16により計測されたレチクルステージRSTの位置情報は、ステージ制御装置19及びこれを介して主制御装置20に供給される。ステージ制御装置19は、主制御装置20からの指示に応じて、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部52を介してレチクルステージRSTを駆動制御し、レチクルステージRST上に保持されたレチクルR1、R2の位置を制御する。
図2には、レチクルR1、R2を保持するレチクルステージRSTを上面から見たときの様子が示されている。レチクルR1、R2には、同一の回路パターンが形成されている。レチクルR1、R2は、Y軸方向に互いに逆向きに保持されている。以下では、説明を簡単なものとするため、レチクルR1、R2のパターン領域のパターンが文字「F」のパターンであるものとする。図2に示されるように、パターン「F」の頭部が、Y軸方向に向かい合うように、レチクルR1、R2が配置されている。
投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置されている。この投影光学系PLは、投影レンズ31と、1/2波長板33と、偏光ビームスプリッタ35と、正立像形成レンズ37と、折り曲げミラー39、41と、正立像形成レンズ43と、偏光ビームスプリッタ45と、1/2波長板47と、投影レンズ49とを含んで構成されている。照明領域IAR内の1点を通過した照明光ILは、投影レンズ31に入射する。1/2波長板33は、波長板駆動部51(図1では不図示、図3参照)の駆動により、光軸AXを中心に回転可能に構成されている。この1/2波長板33の回転位置は、ステージ制御装置19により制御される。この制御により、1/2波長板33を通過する照明光ILの偏光方向は、X軸方向かY軸方向のいずれかとなる。
偏光ビームスプリッタ35は、偏光方向がY軸方向である光だけを透過させ、偏光方向がX軸方向である光を反射する。すなわち、1/2波長板33を通過する照明光ILの偏光方向が、Y軸方向であった場合には、照明光ILは、偏光ビームスプリッタ35を透過し、X軸方向であった場合には、照明光ILは、偏光ビームスプリッタ35で反射する。
偏光ビームスプリッタ35を透過した照明光ILは、偏光ビームスプリッタ45に至る。偏光ビームスプリッタ35と偏光ビームスプリッタ45とは、透過させる光の偏光方向が同じとなるように配置されているので、この照明光ILは、偏光ビームスプリッタ45を透過する。偏光ビームスプリッタ45を透過した照明光ILは、1/2波長板47を通過する際にその偏光方向が、1/2波長板33に入射する前の方向に戻されて、投影レンズ49に入射する。投影レンズ49は、照明領域IAR上の1点から発し、投影光学系PLの上記各光学素子を通過した照明光ILを屈折させ、ウエハW上の露光領域IAの1点に集光させる。
一方、偏光ビームスプリッタ35を反射した照明光ILは、正立像形成レンズ37に入射して屈折し、折り曲げミラー39で折り曲げられた後、中間結像点に達する。この中間結像点には、照明領域IAR内のパターンの倒立像が結像される。この中間結像点を通過した照明光ILは、折り曲げ用ミラー41に折り曲げられ、偏光ビームスプリッタ45に入射する。前述のように、偏光ビームスプリッタ45により反射される照明光ILの偏光方向は、偏光ビームスプリッタ35と同じであるので、偏光ビームスプリッタ45は、この照明光ILを反射する。偏光ビームスプリッタ45で反射した照明光ILは、1/2波長板47に達する。1/2波長板47は、ステージ制御装置19の制御の下、波長板駆動部51(図1では図示せず、図3参照)により、上記1/2波長板33の回転に併せて回転する。照明光ILは、1/2波長板47において、その偏光方向が1/2波長板33に入射する前の方向に戻された状態で、投影レンズ49に入射する。投影レンズ49は、照明領域IAR内の1点から発し投影光学系PLの上記各光学素子を通過した照明光ILを屈折させ、ウエハW上の露光領域IAの1点に集光させる。
ところで、図1には、照明領域IAR内の+Y側の点Sを通過した照明光ILの主光線が点線で示されている。この主光線は、偏光ビームスプリッタ35を通過した場合には、点線で示される経路を通り、露光領域IA内の点Tに到達する。すなわち、この場合には、照明領域IAR内の点Sの像が、露光領域IA内の点Tに結像するようになる。一方、点Sからの主光線は、偏光ビームスプリッタ35で反射した場合には、一点鎖線で示される経路を通り、露光領域IA内の点Uに到達する。すなわち、この場合には、照明領域IAR内の点Sの像は、露光領域IA内の点Uに結像するようになる。以上のことから、照明領域IAR内全体で見ると、照明光ILが、偏光ビームスプリッタ35を通過した場合には、露光領域IAには、照明領域IAR内のパターンの倒立像が結像し、偏光ビームスプリッタ35で反射した場合には、露光領域IAには、照明領域IAR内のパターンの正立像が結像するようになる。すなわち、偏光ビームスプリッタ35を透過するか反射するか否かで、照明領域IA内のパターン像が、倒立像になるか正立像になるかが決定される。前述したように、投影光学系PL内の照明光ILの偏光方向は、1/2波長板33の回転位置によって決定されるので、この回転位置は、波長板駆動部51(図1では図示せず、図3参照)を介して、1/2波長板33の回転位置を調整することにより、制御することができるようになる。
なお、投影光学系PL全体としては、両側テレセントリックで構成されており、縮小倍率β(βは、例えば1/5又は1/4)を有している。すなわち、照明領域IARに対する露光領域IAの比率はβとなる。照明系10からの照明光ILによってレチクルR1又はR2上の照明領域IARが照明されると、レチクルR1又はR2の回路パターンの照明領域IARの縮小像が投影光学系PLを介してウエハW上の照明領域IARと共役な投影光学系PLの視野内の露光領域IAに投影され、ウエハWの表面のレジスト層に転写される。
前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図1における下方で、不図示のベース上に配置されている。このウエハステージWST上にウエハホルダ25が載置されている。このウエハホルダ25上にウエハWが例えば真空吸着等によって固定されている。ウエハステージWSTは、ウエハステージ駆動部24により、X、Y、Z、θz(Z軸回りの回転方向)、θx(X軸回りの回転方向)及びθy(Y軸回りの回転方向)の6自由度方向に駆動可能な単一のステージである。ウエハステージWSTの位置は、外部に配置されたウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)18により、例えば、0.5〜1nm程度の分解能で常時計測されている。ウエハ干渉計18は、測長軸を複数有する多軸干渉計で構成され、ウエハステージWSTのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。ステージ制御装置19は、主制御装置20からの指示に応じて、ウエハ干渉計18により計測されるウエハステージWSTの位置情報に基づいてウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTを駆動制御し、ウエハステージWST上に保持されたウエハWの位置を制御する。
主制御装置20は、CPU(中央演算処理装置)、メインメモリ、ディスプレイ等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含んで構成され、装置全体を統括して制御する。主制御装置20には、例えばハードディスクから成る記憶装置、キーボード,マウス等のポインティングデバイス等を含んで構成される入力装置、及びCRTディスプレイ(又は液晶ディスプレイ)等の表示装置(いずれも図示省略)、並びにCD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc),MO(Magneto-Optical Disc)あるいはFD(Flexible Disc)等の情報記録媒体のドライブ装置(不図示)が、外付けで接続されている。
さらに、本実施形態の露光装置100は、投影光学系PLの最良結像面に向けて複数のスリット像を形成するための結像光束を光軸AX方向に対して斜め方向より供給する不図示の照射系と、その結像光束のウエハWの表面での各反射光束を、それぞれスリットを介して受光する不図示の受光系とから成る斜入射方式の多点フォーカス検出系を備えている。この多点フォーカス検出系としては、例えば特開平6−283403号公報などに開示されるものと同様の構成のものが用いられ、この多点フォーカス検出系の出力が主制御装置20に供給されている。ステージ制御装置19は、主制御装置20からの指示により、この多点フォーカス検出系からのウエハの位置情報に基づいて、ステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTをZ方向及び傾斜方向に駆動する。
次に、本発明の一実施形態に係る露光装置100の露光動作について図3〜図9に基づいて説明する。図3には、主制御装置20及びステージ制御装置19を中心とする制御系のブロック図が示されている。ステージ制御装置19は、露光の際には、主制御装置20からの指示に従って、ウエハステージWSTとレチクルステージRSTとが同期移動するように、それらの位置を制御するが、レチクルステージRSTの位置制御は、レチクル干渉計16の計測値に基づいてレチクルステージ駆動部52を介して行われ、ウエハステージWSTの位置制御は、ウエハ干渉計18の計測値に基づいて、ウエハステージ駆動部24を介して行われる。また、ウエハステージWST、レチクルステージRSTの進行方向に応じて、波長板駆動部51を介して、投影光学系PLの1/2波長板33、47の制御を行う。例えば、ウエハステージWSTと、レチクルステージRSTの進行方向が同じである場合には、照明光ILが、偏光ビームスプリッタ35、45を反射するような回転位置に、1/2波長板33、47をセットし、ウエハステージWSTと、レチクルステージRSTの進行方向が逆向きである場合には、照明光ILが、偏光ビームスプリッタ35、45を通過するような回転位置に、1/2波長板33、47をセットする。また、ステージ制御装置19は、ウエハW上の表面の不必要な部分の露光を防止するために、レチクルステージRST、ウエハステージWSTとを同期移動させて、ブラインド駆動部15を介して、可動レチクルブラインド12を駆動し、照明領域IARを制限している。
なお、以下では、説明を簡単にするため、特に言及しないが、ステージ制御装置19による、可動レチクルブラインド12、両ステージRST、WST、投影光学系PLの1/2波長板33、47の駆動制御は、すべて、図3に示される、計測器、各種駆動部を介して行われるものである。
図4(A)に示されるように、初期状態では、レチクルR1、R2の間に照明領域IARが位置するように、レチクルステージRSTが位置しているものとする。ここでは、可動レチクルブラインド12により、照明領域IAR、露光領域IAに相当する領域に照明光ILが照射されていないものとする。図4(A)では、照明光ILが照射されていない照明領域IAR、露光領域IAが、点線で示されている。なお、この時点で、投影光学系PLにおいては、ステージ制御装置19により、照明光ILが偏光ビームスプリッタ35を通過するように、1/2波長板33の回転位置が調整されており、照明領域IAR内の倒立像が、露光領域IAに結像するようになっている。本実施形態では、この状態から、レチクルステージRSTを−Y側に、ウエハステージWSTを+Y側に互いに逆方向に同期走査する。
図4(B)に示されるように、照明領域IARが、レチクルR1のパターンに差し掛かると、そのパターンの部分だけ照明光ILが照射されるように、可動レチクルブラインド12が、レチクルステージRSTに同期して開き始める。そして、図5(A)に示されるように、レチクルR1上のパターンである文字「F」の頭部に照明光ILが照射され始めると、照明領域IAR内の「F」の頭部の倒立像が、ウエハW上に形成され、そのパターンの像が転写され始める。ウエハステージWST、レチクルステージRSTは、その後も同期移動を続け、レチクルR1上のパターン「F」全体のウエハW上への転写が行われる。
次に、図5(B)に示されるように、照明領域IARが、レチクルR1のパターン領域からはずれはじめると、そのはずれた領域に、照明光ILが照射されないように、ステージ制御装置19の制御の下、可動レチクルブラインド12が、照明領域IARの一部が遮光されるようになり、図6(A)に示されるように、照明領域IARがレチクルR1のパターン領域から完全にはずれると、可動レチクルブラインド12は、照明領域IARを完全に遮光する。この時点で、ステージ制御装置19は、レチクルステージRSTを減速させ、図6(B)に示されるように、その移動方向を+Y方向とするとともに、投影光学系PLの1/2波長板33、47を回転させて、投影光学系PLが投影する像を、倒立像から正立像に切り替える。
図7(A)には、ウエハステージWST、レチクルステージRSTが+Y方向に同期移動している様子が示されている。図7(A)に示されるように、照明領域IARは、レチクルR1上にあるが、可動レチクルブラインド12で完全に遮光されている。これにより、レチクルR1上のパターンのウエハW上への転写が防止される。
レチクルステージRSTの+Y方向への移動により、照明領域IARが、レチクルR2のパターン領域に差し掛かると、図7(B)に示されるように、可動レチクルブラインド12が開き始め、そのパターン領域に、照明光ILが照射されるようになる。これにより、図8(A)に示されるように、レチクルR2のパターン「F」が、その頭部からウエハW上に転写され始める。このようにして、レチクルR2上のパターン「F」のウエハW上への転写が行われる。
そして、照明領域IARが、レチクルR2のパターン領域からはずれはじめると、そのはずれた領域に、照明光ILが照射されないように、ステージ制御装置19は、可動レチクルブラインド12により、照明領域IARの一部(パターン領域外の部分)を遮光するようになり、図8(B)に示されるように、照明領域IARがレチクルR2のパターン領域から完全にはずれると、可動レチクルブラインド12は、照明領域IARを遮光するようになる。この時点で、レチクルステージRSTは減速し、−Y方向へ反転するようになる。そして、投影光学系PLの投影像が、正立像から倒立像に切り替えられる。ウエハステージWSTは、そのまま+Y方向へ移動したままとなる。
この後、図9(A)に示されるように、レチクルステージRSTは、−Y方向に進み、照明領域IARは、レチクルR2上を通過するようになるが。この間、可動レチクルブラインド12により、照明光ILは、完全に遮光されている。そして、図9(B)に示されるように、露光装置100は、図4(A)に示される状態に戻る。以降、図4(A)〜図8(B)に示される動作が繰り返し行われ、ウエハW上の複数のショット領域にレチクルR1。R2のパターンの像が交互に転写形成されるようになる。
図10には、本実施形態の露光方法を行った場合の、ウエハW上での露光経路の一例が模式的に示されている。本来、露光領域IAは静止しており、ウエハWが移動するのであるが、図10では、説明を簡単にするために、露光領域IAが移動するかのように示されている。図10では、Y軸方向を行方向とし、X軸方向を列方向として説明を行う。
図10に示されるように、露光中においては、ウエハステージWSTは、Y軸方向に隣接するショット領域に対する露光を続けて行うため、それらのショット領域での走査露光の間に移動方向を変える必要がないので、すべてのショット領域の露光に要する時間を、、X軸方向に並ぶショット領域に対し続けて露光を行う場合(すなわち、ウエハステージWSTが交互スキャンを行う場合)に比べて、短縮することができる。
以上詳細に述べたように、本実施形態によれば、ウエハW上のY軸方向に隣接する2つのショット領域に対するパターンの転写を続けて行う場合に、レチクルR1、R2を保持するレチクルステージRSTに関しては、一方のショット領域の転写時と他方のショット領域の転写時とでその走査方向を逆向きとし、ウエハWを保持するウエハステージWSTに関しては、一方のショット領域の転写時と他方のショット領域の転写時とでその走査方向を同じとするように制御する。このようにすれば、例えば、ウエハステージWSTについては、一方のショット領域の転写と他方のショット領域の転写との間で減速及び加速を行う必要がなくなるため、露光時間を短縮して、スループットを向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、レチクルステージRSTは、複数のパターンを順次転写可能となるように、レチクルR1、R2を保持しており、ステージ制御装置19は、一方のショット領域へ転写されるパターンと、他方のショット領域へ転写されるパターンとを切り替えるように制御する。より具体的には、一方のショット領域に転写されるパターン「F」が形成されたレチクルR1と、そのパターン「F」を180°回転させたレチクルR2とが保持されており、ステージ制御装置19は、一方のショット領域には、レチクルR1のパターン「F」を転写し、他方のショット領域には、レチクルR2のパターン「F」を転写するように転写パターンを切り替えている。このようにすれば、図11に示されるように、ウエハW上のすべてのショット領域において、同じ向きのパターン「F」を転写することができるようになる。なお、図10、図11では、隣接するショット領域が、接するように示されているが、実際には、ショット領域間にスクライブライン又はストリートラインと呼ばれる領域が設けられている。このスクライブライン上には、ショット領域の位置情報を得るためのウエハアライメント用のマークなどを設けるために必要な領域である。
言い換えると、本実施形態によれば、ステージ制御装置19は、転写時におけるレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの走査方向が同じ向きである場合には、照明領域IAR内のパターンの正立像を露光領域IA上に結像させるように投影光学系PLを制御し、転写時におけるレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの走査方向が逆向きである場合には、照明領域IAR内のパターンの倒立像を露光領域IA上に結像させるように投影光学系PLを制御する。
なお、本実施形態では、同一のパターン「F」が形成された2つのレチクルR1、R2を用意して、Y軸方向に隣接するショット領域のうち、一方のショット領域では、レチクルR1上のパターン「F」の像を転写し、その一方のショット領域に続けて露光される他方のショット領域では、レチクルR2上のパターン「F」の像を転写するものとしたが、レチクルステージRST上に保持するレチクルは1つであってもよい。この場合、そのレチクル上に、パターン「F」と、このパターン「F」をXY平面内で、180°回転させたパターンと同一のパターン「F」とを形成されたものを用い、ステージ制御装置19は、本実施形態と同様に、一方のショット領域にはレチクル上の一方のパターン「F」の像を転写し、他方のショット領域には他方のパターン「F」の像を転写するように転写パターンを切り替え、転写時におけるレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの走査方向が同じ向きである場合には、正立像を露光領域IA上に結像させるように投影光学系PLを制御するようにしてもよい。この場合にも、転写時におけるレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの走査方向が逆向きである場合には、倒立像を露光領域IA上に結像させるように投影光学系PLを制御すればよい。
また、本実施形態によれば、レチクルR1のパターン「F」と、レチクルR2のパターン「F」とが、Y軸方向に沿って配置されており、ステージ制御装置19は、レチクルステージRSTの走査方向に応じて、図7(A)又は図9(A)に示されるように、いずれか一方のパターン「F」が照明光ILにより照明されるのを可動レチクルブラインド12を用いて、阻止する。このようにすれば、ウエハW上の露光対象でない領域の露光を防ぐことができる。なお、可動レチクルブラインド12を用いずとも、図7(A)又は、図9(A)のような、露光対象でないパターンを照明領域IARが通過するときには、照明系10における照明光ILの照射自体を停止するようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、投影像を倒立像と、正立像とで切り替え可能な投影光学系PLを用いたが、本発明は、投影光学系PLの構成には限られない。例えば、投影光学系PL内に、その光軸を中心に投影像を回転可能な像回転材としてのイメージローテータを備えるようにしても良い。このイメージローテータとしては、例えば、像回転プリズム(ドーブプリズム)などから構成されるものが用いられる。この場合でも、ステージ制御装置19は、一方のショット領域の転写時と他方のショット領域の転写時とで、又は、レチクルステージとウエハステージとの移動方向が同じ向きから逆向きかで、イメージローテータの回転位置を制御して、投影光学系PLの投影像を反転させればよい。
また、レチクルを、パターンを変更自在なアクティブマスクとするようにしてもよい。図12(A)〜図13(C)には、このアクティブマスクを用いた露光装置の露光動作の一例が示されている。
まず、図12(A)に示されるように、初期状態では、アクティブマスクとしての液晶基板としてのレチクルR’の−Y側に照明領域IARが位置するように、レチクルステージRSTが位置しているものとする。ここでは、可動レチクルブラインド12により、照明領域IAR、露光領域IAに相当する領域に照明光ILが照射されていないものとする。この時点で、投影光学系PLにおいては、照明領域IAR内の倒立像が、露光領域IAに結像するように制御されている。本実施形態では、この状態から、レチクルステージRSTを−Y側に、ウエハステージWSTを+Y側に互いに逆方向に同期走査する。
図12(B)に示されるように、照明領域IARが、レチクルR’のパターン「F」に差し掛かると、そのパターンの部分だけ照明光ILが照射されるように、可動レチクルブラインド12が、レチクルステージRSTに同期して開き始める。そして、図12(B)に示されるように、レチクルR’上のパターンである文字「F」の頭部に照明光ILが照射され始めると、照明領域IAR内の「F」の頭部の倒立像が、ウエハW上に形成され、そのパターンの像が転写され始める。ウエハステージWST、レチクルステージRSTは、その後も同期移動を続け、レチクルR’上のパターン「F」全体のウエハW上への転写が行われる。
照明領域IARが、レチクルR’のパターン領域からはずれはじめると、そのはずれた領域に、照明光ILが照射されないように、ステージ制御装置19の制御の下、可動レチクルブラインド12が、照明領域IARの一部(パターン領域以外の部分)が遮光されるようになり、図12(C)に示されるように、照明領域IARがレチクルR’のパターン領域から完全にはずれると、可動レチクルブラインド12は、照明領域IARを完全に遮光する。この時点で、ステージ制御装置19は、レチクルステージRSTを減速させ、図13(A)に示されるように、その移動方向を+Y方向とするとともに、レチクルR’上の像を、逆向きに切り替え、投影光学系PLの投影像を、倒立像から正立像に切り替える。
レチクルステージRSTの+Y方向への移動により、照明領域IARが、レチクルR’のパターン領域に差し掛かると、図13(B)に示されるように、可動レチクルブラインド12が開き始め、そのパターン領域に、照明光ILが照射されるようになる。これにより、図13(B)に示されるように、レチクルR’のパターン「F」が、その頭部からウエハW上に転写され始める。このようにして、レチクルR’上のパターン「F」のウエハW上への転写が行われる。
そして、照明領域IARが、レチクルR’のパターン領域からはずれはじめると、そのはずれた領域に、照明光ILが照射されないように、ステージ制御装置19は、可動レチクルブラインド12により、照明領域IARの一部が遮光されるように制御するようになり、図13(C)に示されるように、照明領域IARがレチクルR’のパターン領域から完全にはずれると、可動レチクルブラインド12は、照明領域IARを完全に照明光ILから遮光する。この時点で、レチクルステージRSTは、減速し、−Y方向へ反転するようになる。そして、投影光学系PLの投影像が、正立像から倒立像に切り替えられる。
この場合、一方のショット領域の転写時とそれに続けて露光される他方のショット領域の転写時とで、アクティブマスク内に形成されるパターンを変更することにより、同一のマスクで、2つ以上のパターンを備える必要がなくなるので、コスト面で有利であるとともに、装置を小型化できる。また、あるパターンと、そのパターンを180°回転させたパターンとを時間に応じて同じパターン領域上に表示させることができるので、上記実施形態のように、Y軸方向に2つのパターンを配置する必要がなくなり、照明領域IARがいずれか一方のパターン(露光対象でないパターン)を通過する時間を、考慮する必要がなくなるので、スループットにも有利である。
なお、アクティブマスクとは、一般に、電子マスクである。電子マスクは、非発光型画像表示素子と自発光型画像表示素子との双方を含む概念である。ここで、非発光型画像表示素子は、空間光変調器(Spatial Light Modulator)とも呼ばれ、光の振幅、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器と反射型空間光変調器とに分けられる。透過型空間光変調器には、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystral Display)、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)等が含まれる。また、反射型空間光変調器には、DMD(Digital Mirror DeviceまたはDigital Micro-mirror Device)、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD:ElectroPhoretic Display)、電子ペーパ(又は電子インク)、光回折ライトバルブ(Grating Light Value)等が含まれる。
また、自発光型画像表示素子には、CRT(Cathod Ray Tube)、無機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)や、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、または複数の発光点を1枚の基板に作り込んだ固体光源アレイ(例えばLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ、LD(Laser Diode)ディスプレイ等)等が含まれる。なお、周知のプラズマディスプレイ(PDP)の各画素に設けられている蛍光物質を取り除くと、紫外域の光を発光する自発光型画像表示素子となる。
なお、上記実施形態では、図14に示されるように、ウエハステージWSTを、露光領域IAに対して+Y方向に移動させると同時に、レチクルステージRSTを、照明領域IARに対してY軸方向中心から+Y側、−Y側に、移動させつつパターンの転写を行う場合について説明したが、図10に示されるように、ウエハステージWSTの一方向への移動中に露光されるショット領域(すなわち、同一行のショット領域とする)に対するスキャン露光が終了した後、ウエハステージWSTは、X軸方向にステップ移動し、今度は、次の行のショット領域に対する露光を行うために、−Y方向に移動するようになる。このときには、図15に示されるように、照明領域IARが、レチクルステージRSTの+Y側端、−Y側端から、Y軸方向中心に移動する際に、パターンの転写が行われるようになる。なお、図14に示されるように、照明領域IARが、レチクルステージRSTのY軸方向中心から+Y側、−Y側に移動する場合に、パターンの転写が行われるようにした方が、レチクルステージRSTの加速終了後の整定時間を十分にとることができるので、有利である。したがって、この有利な条件で、1つでも多くのショット領域が露光できるように、ウエハW上のショット領域の行数が奇数である場合には、最初の行のウエハステージWSTの移動方向を+Y方向にするのが望ましい。
また、上記実施形態では、6自由度方向に移動可能な単一のステージである場合について説明したが、これに限らず、ウエハステージWSTが、XY平面内で移動するXYステージと、Z、θx、θy方向に移動可能でウエハホルダ25を保持するウエハテーブルとを含んで構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、例えば国際公開WO99/49504号などに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体が満たされる液浸型露光装置などにも本発明を適用しても良い。また、上記実施形態では、ウエハステージを1つのみ有するシングルステージタイプの露光装置に限らず、ウエハステージを2つ有するツインステージタイプの露光装置、更にはウエハステージを多数有するマルチステージタイプの露光装置に本発明の計測方法及び露光方法を適用することとしても良い。
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系の倍率は縮小系のみならず、等倍及び拡大系のいずれでも良い。
なお、上記実施形態では、露光用照明光としてKrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、F2レーザ光(波長157nm)等を用いる場合について説明したが、これに限らず、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)、Ar2レーザ光(波長126nm)、銅蒸気レーザ、YAGレーザの高調波等を露光用照明光として用いることができる。また、例えば、真空紫外光として、DFB半導体レーザ又はファイバレーザから発振される赤外域又は可視域の単一波長のレーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
上記実施形態の露光装置100を製造する際には、複数のレンズから構成される照明系10、投影光学系PLを露光装置100に組み込み光学調整をするとともに、多数の部品からなるレチクルステージRST及びウエハステージWST等を露光装置100のボディに取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をする。なお、露光装置100の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイスは、デバイスの製造、性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハWを製作するステップ、上記実施形態の露光装置100によりレチクルのパターンをウエハWに転写するステップ、メモリリペアステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
また、上記実施形態では、本発明が半導体製造用の露光装置に適用された場合について説明したが、本発明はこれには限られない。例えば、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用することができる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では、一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
また、本発明は、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられるデバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシン、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。
以上説明したように、本発明の露光装置及び露光方法は、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程に適している。
10…照明系、11…偏光変換部材、12…可動レチクルブラインド、13…位置センサ、15…ブラインド駆動部、16…レチクル干渉計、18…ウエハ干渉計、19…ステージ制御装置、20…主制御装置、24…ウエハステージ駆動部、25…ウエハホルダ、31…投影レンズ、33、47…1/2波長板、35…偏光ビームスプリッタ、37…正立像形成レンズ、39,41…折り曲げミラー、43…正立像形成レンズ、49…投影レンズ、51…波長板駆動部、52…レチクルステージ駆動部、100…露光装置、AS…アライメント系、FM…基準マーク板、IA…露光領域、IAR…照明領域、IL…照明領域、R1、R2、R’…レチクル、RST…レチクルステージ、S,T,U…照明領域又は露光領域内の点、W…ウエハ、WST…ウエハステージ。
Claims (13)
- 照明光により照明される照明領域に対して少なくとも1つのマスクを走査し、これと同期して前記照明領域と共役な露光領域に対して感光物体を走査する1次元方向の同期走査により、前記マスクに形成されたパターンを、前記感光物体上の複数の区画領域に順次転写する露光装置であって、
前記マスクを保持して移動可能な1つの第1の移動体と;
前記照明領域内の前記マスクのパターンの像を前記露光領域上に結像させる投影光学系と;
前記感光物体を保持して移動可能な第2の移動体と;
前記感光物体上の前記1次元方向に隣接する2つの区画領域に対して前記パターンの像の転写を続けて行う場合に、前記第1の移動体に関しては、一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とでその走査方向を逆向きとし、前記第2の移動体に関しては、一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とでその走査方向を同じとするように制御する制御装置と;を備える露光装置。 - 前記第1の移動体は、複数のパターンを順次転写可能となるように、前記マスクを保持しており、
前記制御装置は、
前記一方の区画領域へ転写されるパターンの像と、前記他方の区画領域へ転写されるパターンの像とを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 前記一方の区画領域へ転写されるパターンは、前記他方の区画領域へ転写されるパターンを、前記照明領域を含む2次元平面内で180°回転させたパターンであり、
前記投影光学系は、その投影像を、倒立像と正立像とのいずれかに切り替え可能であり、
前記制御装置は、
前記一方の区画領域の転写に先立って、前記照明領域内の前記マスクのパターンの倒立像を前記露光領域上に結像させるように前記投影光学系を制御し、
前記他方の区画領域の転写に先立って、前記照明領域内の前記マスクのパターンの正立像を前記露光領域上に結像させるように前記投影光学系を制御することを特徴とする請求項2に記載の露光装置。 - 前記一方の区画領域へ転写されるパターンは、前記他方の区画領域へ転写されるパターンを、前記照明領域を含む2次元平面内で180°回転させたパターンであり、
前記投影光学系は、その投影像を、倒立像と正立像とのいずれかに切り替え可能であり、
前記制御装置は、
前記転写時における前記第1の移動体と前記第2の移動体との走査方向が同じ向きである場合には、前記正立像を前記露光領域上に結像させるように前記投影光学系を制御し、
前記転写時における前記第1の移動体と前記第2の移動体との走査方向が逆向きである場合には、前記倒立像を前記露光領域上に結像させるように前記投影光学系を制御することを特徴とする請求項2に記載の露光装置。 - 前記マスク上には、
前記第1のパターンと、前記第1のパターンを180°回転させたパターンと同一の第2のパターンとが形成されており、
前記制御装置は、
前記一方の区画領域には前記第1のパターンの像を転写し、前記他方の区画領域には前記第2のパターンの像を転写するように転写パターンを切り替えることを特徴とする請求項3に記載の露光装置。 - 前記第1の移動体には、
前記第1のパターンが形成されたマスクと、前記第1のパターンを180°回転させたパターンと同一の第2のパターンが形成されたマスクとが保持されており、
前記制御装置は、
前記一方の区画領域には、前記第1のパターンの像を転写し、前記他方の区画領域には、前記第2のパターンの像を転写するように転写パターンを切り替えることを特徴とする請求項3に記載の露光装置。 - 前記第1パターンと、前記第2パターンとが、前記1次元方向に沿って前記第1の移動体上に配置されており、
前記制御装置は、
前記第1の移動体の走査方向に応じて、いずれか一方のパターンが前記照明光により照明されるのを阻止することを特徴とする請求項5又は6に記載の露光装置。 - 前記投影光学系は、その光軸を中心に投影像を回転可能な像回転材を備え、
前記制御装置は、
一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とで、前記像回転材を制御して、前記投影光学系の投影像を反転させることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 前記マスクは、パターンを変更自在なアクティブマスクであり、
前記制御装置は、
前記一方の区画領域の転写時と前記他方の区画領域の転写時とで、前記アクティブマスク上に形成されるパターンを変更することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 照明光により照明される照明領域に対して少なくとも1つのマスクを走査し、これと同期して前記照明領域と共役な露光領域に対して感光物体を走査する1次元方向の同期走査により、前記照明領域内の前記マスクのパターンの像を前記露光領域上に結像させる投影光学系を介して、前記感光物体上の複数の区画領域に順次転写する露光方法において、
前記感光物体上の前記1次元方向に隣接する2つの区画領域に対して前記パターンの像の転写を続けて行う場合に、前記マスクを保持して移動可能な第1の移動体に関しては、一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とでその走査方向を逆向きとし、前記感光物体を保持して移動可能な第2の移動体に関しては、一方の区画領域の転写時と他方の区画領域の転写時とでその走査方向を同じとすることを特徴とする露光方法。 - 前記第2の移動体に対して複数のパターンを順次転写可能となるように、前記第1の移動体上に前記マスクを保持させておき、
前記一方の区画領域へ転写されるパターンの像と、前記他方の区画領域へ転写されるパターンの像とを切り替えることを特徴とする請求項10に記載の露光方法。 - 前記一方の区画領域へ転写されるパターンに対して、前記他方の区画領域へ転写されるパターンを、前記照明領域を含む2次元平面内で180°回転させたパターンとし、
前記投影光学系の投影像を、倒立像と正立像とのいずれかに切り替え可能とし、
前記一方の区画領域の転写に先立って、前記照明領域内の前記マスクのパターンの倒立像を前記露光領域上に結像させるように前記投影光学系を切り替え、
前記他方の区画領域の転写に先立って、前記照明領域内の前記マスクのパターンの正立像を前記露光領域上に結像させるように前記投影光学系を切り替えることを特徴とする請求項11に記載の露光方法。 - 前記一方の区画領域へ転写されるパターンに対して、前記他方の区画領域へ転写されるパターンを、前記照明領域を含む2次元平面内で180°回転させたパターンとし、
前記投影光学系の投影像を、倒立像と正立像とのいずれかに切り替え可能とし、
前記転写時における前記第1の移動体と前記第2の移動体との走査方向が同じ向きである場合には、前記正立像を前記露光領域上に結像させるように前記投影光学系を切り替え、
前記転写時における前記第1の移動体と前記第2の移動体との走査方向が逆向きである場合には、前記倒立像を前記露光領域上に結像させるように前記投影光学系を切り替えることを特徴とする請求項11に記載の露光方法。
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