JP2006317545A - 光導波路構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 長尺化を防止しながら高次モードを放射することができる、分岐合波部を有する光導波路構造を提供する。また、単一ポートに対する光の入射位置のずれの方向が異なっていても、高次モードの再入力に起因する複数ポートからの出力光強度の変動を抑制することができる光導波路構造を提供する。
【解決手段】 本発明は、分岐合波部を有する光導波路構造に関する。本発明による光スプリッタ(1)は、一方の出入射側に設けられた単一のポート(2)と、他方の出入射側に設けられた複数のポート(4)と、単一のポート(2)から複数のポート(4)に分岐するように延びるコア構造(6)を有している。コア構造(6)は、単一ポート(2)から延びる単一の第1のコア(10)と、第1のコア(10)に接続され且つそれを分岐する第1の分岐合波部(12)を有し低る。第1のコア(10)は、一方の方向に湾曲する曲線だけからなる中心線に沿って構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明は、分岐合波部を有する光導波路構造に関する。本発明による光スプリッタ(1)は、一方の出入射側に設けられた単一のポート(2)と、他方の出入射側に設けられた複数のポート(4)と、単一のポート(2)から複数のポート(4)に分岐するように延びるコア構造(6)を有している。コア構造(6)は、単一ポート(2)から延びる単一の第1のコア(10)と、第1のコア(10)に接続され且つそれを分岐する第1の分岐合波部(12)を有し低る。第1のコア(10)は、一方の方向に湾曲する曲線だけからなる中心線に沿って構成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光導波路構造に関し、更に詳細には、分岐合波部を有する光導波路構造に関する。
近年のパソコンやインターネットの普及に伴い、情報伝送需要が急激に増大しており、伝送速度が速く光伝送損失の小さい光導波路構造が要望されている。光導波路構造は、光伝送における光インターコネクションとして使用されており、例えば、入力された光を複数の光に分岐する光スプリッタ(分岐結合器)は、光導波路構造の基本的なものとして重要なものである。光スプリッタ(分岐結合器)は、その光の伝送方向を逆にすると、合波器として作用する。
光スプリッタは、入射光が所定の分岐比で分岐されるように設計された分岐合波部を有し、他の光導波路や光ファイバーに接続されて使用される。光スプリッタの入力ポートと予め軸合わせされた所定の位置に光ファイバー等を配置することが一般的であるが、光スプリッタに製造上のばらつきがあると、光ファイバーからの入射光と入力ポートとの間の軸ずれが生じることがある。この軸ずれは、光スプリッタの光導波路内に基本モード以外の高次モードを励振させ、基本モード及び高次モードがモード干渉を引き起こし、それにより、光スプリッタの光導波路内の光強度ピーク位置を変動させる。その結果、分岐合波部における実際の光の分岐比が、設計上の分岐比に対してばらつくことがある。逆にいえば、高次モードを励振させなければ、軸ずれが生じても光強度ピーク位置の変動を抑えることができる。
光スプリッタは、入射光が所定の分岐比で分岐されるように設計された分岐合波部を有し、他の光導波路や光ファイバーに接続されて使用される。光スプリッタの入力ポートと予め軸合わせされた所定の位置に光ファイバー等を配置することが一般的であるが、光スプリッタに製造上のばらつきがあると、光ファイバーからの入射光と入力ポートとの間の軸ずれが生じることがある。この軸ずれは、光スプリッタの光導波路内に基本モード以外の高次モードを励振させ、基本モード及び高次モードがモード干渉を引き起こし、それにより、光スプリッタの光導波路内の光強度ピーク位置を変動させる。その結果、分岐合波部における実際の光の分岐比が、設計上の分岐比に対してばらつくことがある。逆にいえば、高次モードを励振させなければ、軸ずれが生じても光強度ピーク位置の変動を抑えることができる。
従来技術では、高次モードが光導波路内に閉じ込められにくく放射されやすいという特性を利用して、光強度ピーク位置の変動を抑える光導波路構造が知られている。
第1の従来技術の光導波路構造は、光を分岐する手前に、長い直線入力光導波路を有しており、それにより、光強度ピーク位置の変動を減衰させる。(例えば、特許文献1の図13参照)。
第2の従来技術の光導波路構造は、直線入力光導波路の途中に曲線光導波路を設けていおり、それにより、光強度ピーク位置の変動を減衰させる(例えば、特許文献1の図12参照)。
第3の従来技術の光導波路構造は、直線入力光導波路にくびれ部分を設けており、それにより、光強度ピーク位置の変動を減衰させる(例えば、特許文献1の図14参照)。
第1の従来技術の光導波路構造は、光を分岐する手前に、長い直線入力光導波路を有しており、それにより、光強度ピーク位置の変動を減衰させる。(例えば、特許文献1の図13参照)。
第2の従来技術の光導波路構造は、直線入力光導波路の途中に曲線光導波路を設けていおり、それにより、光強度ピーク位置の変動を減衰させる(例えば、特許文献1の図12参照)。
第3の従来技術の光導波路構造は、直線入力光導波路にくびれ部分を設けており、それにより、光強度ピーク位置の変動を減衰させる(例えば、特許文献1の図14参照)。
上述した従来技術の第1、第2、第3の光導波路構造は、光強度ピーク位置の変動を減衰させるために、高次モードの放射を利用しているので、光の放射損失が大きくなってしまう。
一方、第1の光導波路構造は、高次モードを放射させるために長い直線入力光導波路を用いているので、光導波路構造が長尺化する。また、第2、第3の光導波路構造は、高次モードを放射させるために、光導波路の形状を変化させているので、基本モードを放射するおそれがある。基本モードを放射しないようにするには、光導波路形状変化の程度を光の伝搬方向に対して鈍くする必要があるので、光導波路構造が長尺化する。
結局、従来技術の第1、第2、第3のいずれの光導波路構造においても、放射損失が大きくなると共に長尺化してしまう。
一方、第1の光導波路構造は、高次モードを放射させるために長い直線入力光導波路を用いているので、光導波路構造が長尺化する。また、第2、第3の光導波路構造は、高次モードを放射させるために、光導波路の形状を変化させているので、基本モードを放射するおそれがある。基本モードを放射しないようにするには、光導波路形状変化の程度を光の伝搬方向に対して鈍くする必要があるので、光導波路構造が長尺化する。
結局、従来技術の第1、第2、第3のいずれの光導波路構造においても、放射損失が大きくなると共に長尺化してしまう。
また、光スプリッタのように光の伝搬方向に向かって光導波路領域が広がる場合、すなわち、単一の入射ポートの反対側に複数の出射ポートを有する場合、入射光と入力ポートとの間の軸ずれに起因して前段の光導波路のコアから放射された高次モードの一部が、後段の光導波路のコアに再入力する。この再入力する光成分のために、複数の入出射ポート間の出力光強度が設計値からずれるおそれがある。例えば、従来技術の第2の光導波路構造では、曲線光導波路が直線入力光導波路の途中に設けられているので、直線入力光導波路から遠ざかる曲線光導波路の部分から放射された高次モードの一部は、直線入力光導波路に戻る曲線光導波路の部分に再入光する。それにより、入出射ポート間の出力光強度が設計値からずれ、後段に接続された分岐コア構造における分岐比を安定化することが困難になる。また、従来技術の第1、第3の光導波路構造では、単一ポートに対する入力光導波路が位置ずれの方向に応じて、高次モードの放射方向が異なるため、高次モードの放射方向を予測することが全くできない。その結果、高次モードの再入力によって、入出射ポート間の出力光強度が設計値からずれるだけでなく、ずれの傾向が製品ごとにばらばらになることがある。
そこで、本発明の第1の目的は、長尺化を防止しながら高次モードを放射することができる、分岐合波部を有する光導波路構造を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、長尺化を防止しながら高次モードを放射することができ、しかも、放射損失を抑制することができる、分岐合波部を有する光導波路構造を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、単一ポートに対する光の入射位置のずれの方向が異なっていても、高次モードの再入力に起因する複数ポートからの出力光強度の変動を抑制することができる、分岐合波部を有する光導波路構造を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、長尺化を防止しながら高次モードを放射することができ、しかも、放射損失を抑制することができる、分岐合波部を有する光導波路構造を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、単一ポートに対する光の入射位置のずれの方向が異なっていても、高次モードの再入力に起因する複数ポートからの出力光強度の変動を抑制することができる、分岐合波部を有する光導波路構造を提供することにある。
上記第1の目的及び第3の目的を達成するために、本発明による光導波路構造は、分岐合波部を有する光導波路構造であって、一方の出入射側に設けられた単一のポートと、他方の出入射側に設けられた複数のポートと、単一のポートから複数のポートに分岐するように延びるコア構造と、を有し、コア構造は、単一ポートから延びる単一の第1のコアと、第1のコアに接続され且つそれを分岐する第1の分岐合波部を有し、第1のコアは、一方の方向に湾曲する曲線だけからなる中心線に沿って構成されることを特徴としている。
このように構成された光導波路構造では、単一のポートに入射された光は、第1のコア内を伝搬し、第1の分岐合波部によって分岐され、最終的には、複数のポートから出射される。単一のポートにおける軸ずれが生じて、第1のコア内に高次モードが生じたとき、第1のコアが一方の方向に湾曲しているので、高次モードが放射され、それにより、光強度ピーク位置の変動を減衰させる。その結果、軸ずれが生じた場合であっても、実際の光の分岐比の設計上の分岐比からの変動を減衰させることができる。また、従来技術の光導波路構造と異なり、直線光導波路が省略されているので、長尺化を防止することができる。特に、3つの湾曲部分を有する第2の従来技術の光導波路構造と比較すると、本発明の光導波路構造の第1コアは、一方の方向にのみ湾曲し且つ1つの湾曲部分しか有していないので、長尺化を防止することができる。なお、本発明の第1のコアの両端部における中心線の接線が、互いに同一直線上に位置せず、交差することに注意すべきである。
また、第1コアが一方の方向にのみ湾曲しているので、単一ポートに対する光の入射位置のずれの方向が異なっていても、高次モードの放射方向が第1コアの外周側に限定される。それにより、高次モードが再入光する位置の予測が可能になり、それに応じた光導波路の設計が可能になる。例えば、高次モードが再入光する後段のコアの位置を比較的後方に設計することにより、高次モードの放射光強度を十分に減衰させる。その結果、高次モードの再入力に起因する複数ポートからの出力光強度の変動を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、コア構造が、第1のコアの中心線の単一ポートにおける接線に対して非対称に構成される。
また、本発明において、好ましくは、第1のコアの中心線の単一ポートにおける接線と第1の分岐合波部との接続箇所における接線とが交差する。
また、本発明において、好ましくは、第1のコアの中心線の単一ポートにおける接線と第1の分岐合波部との接続箇所における接線とが交差する。
また、本発明の実施形態において、複数のポートは、1本の直線上に等間隔に配置され、単一のポートは、複数のポートの中心を通り且つ上記1本の直線と垂直な垂直線と間隔をおいて配置されてもよいし、上記垂直線の上に配置されてもよい。
即ち、従来技術の光導波路構造と異なり、本発明によるコア構造は、上記垂直線に対して非対称になっている。
即ち、従来技術の光導波路構造と異なり、本発明によるコア構造は、上記垂直線に対して非対称になっている。
また、上記第2の目的を達成するために、本発明の実施形態において、好ましくは、第1のコアの中心線の曲率は、第1のコアの両端における曲率がゼロになるように漸近する。
このように構成された光導波路構造では、第1のコアの両端における曲率の変化を最小にすることができ、放射損失を抑制することができる。
このように構成された光導波路構造では、第1のコアの両端における曲率の変化を最小にすることができ、放射損失を抑制することができる。
また、本発明の実施形態において、好ましくは、更に、光ファイバーが単一のポートと整列するように光ファイバーを位置決めするための溝を有する。
このように構成された光導波路構造では、光導波路構造の製造上のばらつきにより、溝に位置決めされた光ファイバーと単一のポートとの間に軸ずれが生じても、光強度ピーク位置の変動を減衰させることができる。
このように構成された光導波路構造では、光導波路構造の製造上のばらつきにより、溝に位置決めされた光ファイバーと単一のポートとの間に軸ずれが生じても、光強度ピーク位置の変動を減衰させることができる。
本発明により、長尺化を防止しながら高次モードを放射することができる、分岐合波部を有する光導波路構造を提供することができる。
また、本発明により、長尺化を防止しながら高次モードを放射することができ、しかも、放射損失を抑制することができる、分岐合波部を有する光導波路構造を提供することができる。
また、本発明により、単一ポートに対する光の入射位置のずれの方向が異なっていても、高次モードの再入力に起因する複数ポートからの出力光強度の変動を抑制することができる、分岐合波部を有する光導波路構造を提供することができる。
また、本発明により、長尺化を防止しながら高次モードを放射することができ、しかも、放射損失を抑制することができる、分岐合波部を有する光導波路構造を提供することができる。
また、本発明により、単一ポートに対する光の入射位置のずれの方向が異なっていても、高次モードの再入力に起因する複数ポートからの出力光強度の変動を抑制することができる、分岐合波部を有する光導波路構造を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明による光導波路構造の実施形態を説明する。
図1は、本発明による光導波路構造の第1の実施形態である光スプリッタを概略的に示す平面図である。図1に示すように、光スプリッタ1は、一方の出入射側に設けられた単一のポート2と、他方の出入射側に設けられた複数のポート4と、単一のポート2から複数のポート4に分岐するように延びるコア構造6と、コア構造6の両側に配置された延長部8を有している。
図1は、本発明による光導波路構造の第1の実施形態である光スプリッタを概略的に示す平面図である。図1に示すように、光スプリッタ1は、一方の出入射側に設けられた単一のポート2と、他方の出入射側に設けられた複数のポート4と、単一のポート2から複数のポート4に分岐するように延びるコア構造6と、コア構造6の両側に配置された延長部8を有している。
複数のポート4は、1本の直線L1上に等間隔に配置されている。本実施形態では、複数のポート4の数は8である。また、単一のポート2は、複数のポート4の中心を通り且つ1本の直線L1と垂直な垂直線L2と間隔をおいて配置されている。
コア構造6は、単一ポートから延びる単一の第1のコア10と、第1のコア10に接続され且つそれを分岐する第1の分岐合波部12を有している。コア構造6は、更に、第1の分岐合波部12から延びる2本の第2のコア14と、第2のコア14の各々に接続された第2の分岐合波部16と、各第2の分岐合波部16から2本ずつ延びる第3のコア18と、第3のコア18の各々に接続された第3の分岐合波部20と、各第3の分岐合波部20から2本ずつ複数のポート4の各々に延びる第4のコア22を有している。コア構造6の周りには、クラッド部24が配置され、コア構造6及びクラッド部24は光導波路部を構成する。第1〜第4のコア10、14、18、22及び第1〜第3の分岐合波部12、16、20の接続は、光学的に接続されていれば良い。従って、必要に応じて、大きな損失が生じない程度の間隙が設けられてもよいし、その代わりに、接着層が設けられてもよい。各分岐合波部12、18、20、22の所定の分岐比は、1:1である。コア構造6及びクラッド部24は、フッ素を含むポリイミド系樹脂で形成されることが好ましい。
第1のコア10は、一方の方向に湾曲する曲線だけからなる中心線に沿って構成されている。また、第1〜第4のコア10、14、18、22のうち、図1において実線で示した部分の曲率は、その両端における中心線の曲率がゼロになるように漸近している。具体的には、かかる部分のコアの中心線は、以下の(式1)、(式2)、(式3)の何れかで表されるのがよい。
y=sinπz・・・・・・・・・・・・・・(式1)
y=z−〔(1/π)sinπz〕・・・・・・(式2)
y=z−〔(a/π)sinπz〕・・・・・・(式3)
なお、上記(式1)〜(式3)において、y及びzはコアが存在する平面上の直交する座標軸であり、(式3)において、aはゼロでない実数である。a=1の時の(式3)は、(式2)と一致する。(式1)〜(式3)は、座標系の始点がz=0、y=0、その終点がz=1、y=0となる形で規格化されている。従って、実際のコアの中心線は、(式1)〜(式3)において、y方向及び/又はz方向に拡大縮小してもよいし、向きを変えてもよいし、反転させてもよい。
第2〜第4のコア14、18、22のうち、図1において破線で示した部分の中心線は、適当に定められている。
y=sinπz・・・・・・・・・・・・・・(式1)
y=z−〔(1/π)sinπz〕・・・・・・(式2)
y=z−〔(a/π)sinπz〕・・・・・・(式3)
なお、上記(式1)〜(式3)において、y及びzはコアが存在する平面上の直交する座標軸であり、(式3)において、aはゼロでない実数である。a=1の時の(式3)は、(式2)と一致する。(式1)〜(式3)は、座標系の始点がz=0、y=0、その終点がz=1、y=0となる形で規格化されている。従って、実際のコアの中心線は、(式1)〜(式3)において、y方向及び/又はz方向に拡大縮小してもよいし、向きを変えてもよいし、反転させてもよい。
第2〜第4のコア14、18、22のうち、図1において破線で示した部分の中心線は、適当に定められている。
延長部8は、光ファイバーFが単一のポート2と整列するように光ファイバーを位置決めするための溝26と、光ファイバーが複数のポート4の各々と整列するように光ファイバーを位置決めするための溝28とを有している。溝26、28の断面形状は、V字形であることが好ましい。
次に、本発明の第1の実施形態による光スプリッタの動作を説明する。溝26に位置決めされた光ファイバーFを伝搬してきた光は、単一のポート2に入射される。光スプリッタ1の製造上のばらつきにより、光ファイバーFの光軸と単一のポート2の光軸がずれることがある。その場合、単一のポートから第1のコア10に入射された光は、高次モードを励振させる。基本モードと高次モードは、モード干渉を引き起こし、それにより、光スプリッタの光導波路内の光強度ピーク位置を変動させる。しかしながら、第1のコア10が一方の方向に湾曲しているので、高次モードが主に外周側のクラッド部24に放射され、光強度ピーク位置の変動を減衰させることができる。その結果、第1の分岐合波部12において、第1のコア10内を伝搬してきた光は、所定の分岐比である1:1に分岐され、第2のコア14に伝搬される。次いで、光は、第2の分岐合波部16で1:1に分岐されて第3のコア18に伝搬され、更に、第3の分岐合波部20で1:1に分岐された第4のコア22に伝搬され、複数のポート4から出射される。一番上流側である第1の分岐合波部12において、所定の分岐比で光が分岐されるので、下流側の分岐合波部16、20においても、実際の分岐比が設計上の分岐比に近づくことになる。
上記光スプリッタ1は、例えば、以下のように作製される。
まず、Si基板に、光ファイバーを実装するためのV字形断面の溝26、28を、マスク等を用いて異方性エッチングによって加工した後、基板上面にSiO2の膜を形成する。次に、カプラを塗布して硬化させた後、クラッド材料としてフッ素化ポリイミドをスピンコーティングして硬化させることによって、下部クラッド層を形成する。引き続いて、下部クラッド層の上にコア材料として、クラッド材料に使用したフッ素の重合具合が異なるフッ素化ポリイミドをスピンコーティングして硬化させることによって、コア層を形成する。次いで、別のマスクを、光ファイバーFを実装するためのV字形断面の溝と位置あわせをして、フォトリソグラフィ、反応性イオンエッチング等によりコア構造6をパターンニングする。次いで、クラッド用のフッ素化ポリイミドをスピンコーティングして硬化させることによって、コア層を覆うように上部クラッド層を形成する。下部クラッド層及び上部クラッド層によりクラッド部24が形成される。以上の加工を、1つのSi基板上で複数個の光スプリッタ1について同時に行う。次いで、光ファイバーFを実装するためのV字形断面の溝26、28と単一ポート2及び複数ポート4との間をダイシング加工により分離した後、V字形断面の溝26、28上の不要なフッ素化ポリイミド層を除去する。引き続いて、光スプリッタ1を個片形状に切り出す。光ファイバーFを搭載する場合には、光ファイバーFをV字形断面の溝26、28にパッシブ実装し、それをガラスリッドで上方から抑えるようにして、それらを接着剤で固定する。
まず、Si基板に、光ファイバーを実装するためのV字形断面の溝26、28を、マスク等を用いて異方性エッチングによって加工した後、基板上面にSiO2の膜を形成する。次に、カプラを塗布して硬化させた後、クラッド材料としてフッ素化ポリイミドをスピンコーティングして硬化させることによって、下部クラッド層を形成する。引き続いて、下部クラッド層の上にコア材料として、クラッド材料に使用したフッ素の重合具合が異なるフッ素化ポリイミドをスピンコーティングして硬化させることによって、コア層を形成する。次いで、別のマスクを、光ファイバーFを実装するためのV字形断面の溝と位置あわせをして、フォトリソグラフィ、反応性イオンエッチング等によりコア構造6をパターンニングする。次いで、クラッド用のフッ素化ポリイミドをスピンコーティングして硬化させることによって、コア層を覆うように上部クラッド層を形成する。下部クラッド層及び上部クラッド層によりクラッド部24が形成される。以上の加工を、1つのSi基板上で複数個の光スプリッタ1について同時に行う。次いで、光ファイバーFを実装するためのV字形断面の溝26、28と単一ポート2及び複数ポート4との間をダイシング加工により分離した後、V字形断面の溝26、28上の不要なフッ素化ポリイミド層を除去する。引き続いて、光スプリッタ1を個片形状に切り出す。光ファイバーFを搭載する場合には、光ファイバーFをV字形断面の溝26、28にパッシブ実装し、それをガラスリッドで上方から抑えるようにして、それらを接着剤で固定する。
次に、図2を参照して、本発明による光導波路構造の第2の実施形態を説明する。図2に示すように、本発明の第2の実施形態である光スプリッタ30は、単一のポート2が垂直線L2上に位置し、第1〜第4のコア10、14、18、22の経路が異なること以外、第1の実施形態である光スプリッタ1と同様の構造を有し、同様に動作する。従って、それらの詳細な説明は省略する。
以下、本発明による光導波路構造の実施例1、実施例2及び比較例1、比較例2について説明する。実施例1、2及び比較例1、2は、いずれも、複数ポートが8個の場合、すなわち、1x2の分岐合波部を3段ツリー状に接続することによって1x8タイプの光スプリッタを構成した例である。実施例1、2及び比較例1、2のいずれの場合にも、コア構造6とクラッド部24からなる光導波路部の単一ポート2側の端面から複数ポート4側の端面までの長さは、9.35mmであり、複数ポート4側のポート間距離は、0.25mmとした。
実施例1及び実施例2の第1のコア10の中心線には、式(1)で表される1方向のみに湾曲する曲線を用い、比較例1及び比較例2の第1のコアの中心線には、直線光導波路を配置した。それ以外の構造については、実施例1及び比較例1を同様の構造とし、実施例2及び比較例2を同様の構造とした。
具体的には、実施例1及び比較例1では、第2〜第4のコア14、18、22の中心線として円弧を用いた。また、実施例2及び比較例2では、第2〜第4のコア14、18、22の中心線として、(式4)を用いた。
y=1−cos[(π/2)z]・・・・・・(式4)
なお、上記(式4)において、y及びzはコアが存在する平面上の直交する座標軸であり、(式4)は、座標系の始点がz=0、y=0、その終点がz=1、y=1となる形で規格化されている。実際にコアの中心線を決定するにあたっては、(式4)を数値的にそのまま適用するわけではなく、接続すべき分岐合波部間の位置関係を考慮して、(式4)において、適宜y方向及び/又はz方向に拡大縮小し、方向を変え、また、反転させて使用した。この際、分岐合波部の2ポート側がz=0に相当する端部、分岐合波部の単一ポート側がz=1に相当する端部で接続するように用いた。
実施例1及び実施例2の第1のコア10の中心線には、式(1)で表される1方向のみに湾曲する曲線を用い、比較例1及び比較例2の第1のコアの中心線には、直線光導波路を配置した。それ以外の構造については、実施例1及び比較例1を同様の構造とし、実施例2及び比較例2を同様の構造とした。
具体的には、実施例1及び比較例1では、第2〜第4のコア14、18、22の中心線として円弧を用いた。また、実施例2及び比較例2では、第2〜第4のコア14、18、22の中心線として、(式4)を用いた。
y=1−cos[(π/2)z]・・・・・・(式4)
なお、上記(式4)において、y及びzはコアが存在する平面上の直交する座標軸であり、(式4)は、座標系の始点がz=0、y=0、その終点がz=1、y=1となる形で規格化されている。実際にコアの中心線を決定するにあたっては、(式4)を数値的にそのまま適用するわけではなく、接続すべき分岐合波部間の位置関係を考慮して、(式4)において、適宜y方向及び/又はz方向に拡大縮小し、方向を変え、また、反転させて使用した。この際、分岐合波部の2ポート側がz=0に相当する端部、分岐合波部の単一ポート側がz=1に相当する端部で接続するように用いた。
上述のように決定した光導波路パターンをフォトリソグラフィ用のマスク上に複数個並べて作成すると共に、この光導波路パターンのマスクに合うV字形断面の溝を形成するためのフォトリソグラフィ用のマスクを作製し、それを用いて、光導波路構造を作成した。光導波路は、フッ素化ポリイミド(日立化成工業(株)製OPIシリーズ)を用いた。コア用とクラッド用のフッ素化ポリイミドの比屈折率差Δは、約0.4%とした。
また、光導波路構造に接続された光ファイバーと光コネクタが接続された別の光ファイバーとを融着接続し、単一ポートから入射し、複数ポートの各ポートへ出射した場合の挿入損失を、挿入損失測定装置によってポート毎に測定した。
また、光導波路構造に接続された光ファイバーと光コネクタが接続された別の光ファイバーとを融着接続し、単一ポートから入射し、複数ポートの各ポートへ出射した場合の挿入損失を、挿入損失測定装置によってポート毎に測定した。
実施例1、実施例2及び比較例1、比較例2の挿入損失の測定結果を表1に示す。挿入損失の値は、dB単位の負の値で示し、その絶対値が小さいほど挿入損失が小さくなる。 また、挿入損失の測定値に基づいて求めた平均値、最小値、最大値、標準偏差及び均一性を表2に示す。標準偏差以外の値の単位は、dBである。均一性は、最大値と最小値との差である。これらの値は、小数点第2位を四捨五入して示した。
表2から分かるように、実施例1、2はそれぞれ、比較例1、2と比べて、各ポートの挿入損失の値の標準偏差が小さく、均一性に優れていた。
実施例1及び実施例2において、光導波路部の全長が9.35mmという短尺でかつ、均一性の高い光導波路構造を得ることができた。
実施例1及び実施例2において、光導波路部の全長が9.35mmという短尺でかつ、均一性の高い光導波路構造を得ることができた。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
上記実施形態では、光スプリッタ1は、延長部8を有していたけれども、それを省略し、光ファイバーアレイ等をコア構造6に接続してもよい。
上記実施形態では、第1〜第4のコア10、14、18、22の経路に、上記(式1)、(式2)、(式3)の何れかで表される曲線を採用したが、円弧、楕円弧、正弦関数、指数関数など各種曲線を採用しても良いし、それらと直線を組合せてもよい。
また、上記実施形態では、複数ポート6の数を8として説明したけれども、それに限定することなく、任意の数を採用してもよい。
また、上記実施形態では、分岐のトポロジーとして分岐比が1:1のツリー状を採用したけれども、その代わりに、他の形態を採用してもよく、例えば、1段の分岐合波部で1xnの分岐を構成してもよい。
また、放射された高次モードの再入光及び光ファイバ位置決め用溝と入出射光導波路との軸ずれの製造上のばらつきを予め考慮して、分岐比を1:1からわずかにずらした所定の比率に設定してもよい。この場合、試作した光導波路構造における再入光量の平均値に基づいて、複数ポートへの出力光強度が均一となるように分岐比を設定するのがよい。
上記実施形態では、光スプリッタ1は、延長部8を有していたけれども、それを省略し、光ファイバーアレイ等をコア構造6に接続してもよい。
上記実施形態では、第1〜第4のコア10、14、18、22の経路に、上記(式1)、(式2)、(式3)の何れかで表される曲線を採用したが、円弧、楕円弧、正弦関数、指数関数など各種曲線を採用しても良いし、それらと直線を組合せてもよい。
また、上記実施形態では、複数ポート6の数を8として説明したけれども、それに限定することなく、任意の数を採用してもよい。
また、上記実施形態では、分岐のトポロジーとして分岐比が1:1のツリー状を採用したけれども、その代わりに、他の形態を採用してもよく、例えば、1段の分岐合波部で1xnの分岐を構成してもよい。
また、放射された高次モードの再入光及び光ファイバ位置決め用溝と入出射光導波路との軸ずれの製造上のばらつきを予め考慮して、分岐比を1:1からわずかにずらした所定の比率に設定してもよい。この場合、試作した光導波路構造における再入光量の平均値に基づいて、複数ポートへの出力光強度が均一となるように分岐比を設定するのがよい。
1 光スプリッタ
2 単一のポート
4 複数のポート
6 コア構造
10 第1のコア
12 第1の分岐合波部
24 クラッド部
26 溝
28 溝
L1 直線
L2 垂直線
2 単一のポート
4 複数のポート
6 コア構造
10 第1のコア
12 第1の分岐合波部
24 クラッド部
26 溝
28 溝
L1 直線
L2 垂直線
Claims (7)
- 分岐合波部を有する光導波路構造であって、
一方の出入射側に設けられた単一のポートと、
他方の出入射側に設けられた複数のポートと、
前記単一のポートから前記複数のポートに分岐するように延びるコア構造と、を有し、
前記コア構造は、前記単一ポートから延びる単一の第1のコアと、前記第1のコアに接続され且つそれを分岐する第1の分岐合波部を有し、
前記第1のコアは、一方の方向に湾曲する曲線だけからなる中心線に沿って構成されることを特徴とする光導波路構造。 - 前記コア構造が、前記第1のコアの中心線の前記単一ポートにおける接線に対して非対称に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光導波路構造。
- 前記第1のコアの中心線の前記単一ポートにおける接線と前記第1の分岐合波部との接続箇所における接線とが交差することを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路構造。
- 前記複数のポートは、1本の直線上に等間隔に配置され、
前記単一のポートは、前記複数のポートの中心を通り且つ前記1本の直線と垂直な垂直線と間隔をおいて配置されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光導波路構造。 - 前記複数のポートは、1本の直線上に等間隔に配置され、
前記単一のポートは、前記複数のポートの中心を通り且つ前記1本の直線と垂直な垂直線上に配置されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光導波路構造。 - 前記第1のコアの中心線の曲率は、前記第1のコアの両端における曲率がゼロになるように漸近することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光導波路構造。
- 更に、光ファイバーが前記単一のポートと整列するように光ファイバーを位置決めするための溝を有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の光導波路構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005137597A JP2006317545A (ja) | 2005-05-10 | 2005-05-10 | 光導波路構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005137597A JP2006317545A (ja) | 2005-05-10 | 2005-05-10 | 光導波路構造 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006317545A true JP2006317545A (ja) | 2006-11-24 |
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ID=37538301
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JP2005137597A Pending JP2006317545A (ja) | 2005-05-10 | 2005-05-10 | 光導波路構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006317545A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024046331A1 (zh) * | 2022-09-02 | 2024-03-07 | 华为技术有限公司 | 分光器、分光器芯片、通信设备和光分配网 |
-
2005
- 2005-05-10 JP JP2005137597A patent/JP2006317545A/ja active Pending
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