JP2006316859A - 空気圧回路におけるエアドライヤの水分パージ方法及びそのシステム - Google Patents

空気圧回路におけるエアドライヤの水分パージ方法及びそのシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 エアドライヤで除湿された2次側圧縮空気の少量をパージ空気として利用するだけで、圧縮空気を効果的に除湿できるようにしたエアドライヤの水分パージ方法及びそのシステムを提供する。
【解決手段】 圧縮空気源3と、該圧縮空気源から供給される圧縮空気により駆動される空気圧シリンダ5と、上記圧縮空気を空気圧シリンダの圧力室5a,5bに給排する切換弁7と、上記圧縮空気源と切換弁の入口ポートPとの間に設けたエアドライヤ9とを備えた空気圧回路において、圧縮空気源3からの圧縮空気を上記エアドライヤ9で除湿し、除湿された2次側圧縮空気の一部と、上記空気圧シリンダ5から排出された空気とを合流させ、合流させた空気をパージ空気として、上記エアドライヤのパージ流路に供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧縮空気源から供給される圧縮空気によって空気圧アクチュエータを駆動する空気圧回路において、エアドライヤにおいて圧縮空気から分離した水分を排出するための水分パージ方法と、それを利用した空気圧回路におけるエアドライヤの水分パージシステムに関するものである。
圧縮空気源から供給される圧縮空気によって空気圧アクチュエータを駆動する空気圧回路は、例えば特許文献1に記載されているようなものが知られている。
この種の空気圧回路は、空気源と切換弁の入口ポートとの間に、膜モジュールによって空気を除湿する膜式エアドライヤを設け、切換弁の排気ポートを該膜式エアドライヤのパージ流路に接続しており、それにより、除湿した空気の全部を空気圧アクチュエータの駆動に使用することができるので、除湿した空気の無駄な消費がなく、空気圧回路のランニングコストを大幅に低下させることができる点で有効なものである。
ところで、近年アクチュエータの小型化が進み、アクチュエータ内での結露が問題となっている。概して、アクチュエータ内の結露は、アクチュエータの容積が配管容積に比べてある程度以上小さくなると発生する。即ち、圧縮された空気が排気時に膨張することによって温度が下がり、これが露点温度を下回るとミストを生じる。このミストの殆どは、蒸発して排気されるが、アクチュエータ容積が小さい、または配管が長いなどのミストの排気を妨げる要素があると、次第にミストが凝集して水滴へと成長し、アクチュエータ内で結露が発生することになる。
このようなアクチュエータ内の結露の対策として、圧縮空気の露点を下げることが考えられるが、一般的に、膜式エアドライヤは低露点になるほどパージ空気の流量を多くする必要があるため、アクチュエータから排気された空気だけでは安定したパージ空気の流量を確保することができない場合が考えられる。
実用新案登録第2502135号公報
如上に鑑みて、本発明の技術的課題は、エアドライヤで除湿された2次側圧縮空気の少量をパージ空気として利用し、それによって圧縮空気源から供給される圧縮空気を効果的に除湿できるようにした空気圧回路におけるエアドライヤの水分パージ方法及びそのシステムを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の空気圧回路におけるエアドライヤの水分パージ方法は、圧縮空気源と、該圧縮空気源から供給される圧縮空気により駆動される空気圧アクチュエータと、上記圧縮空気源の圧縮空気を空気圧アクチュエータの少なくとも1つの圧力室に給排する切換弁と、上記圧縮空気源と切換弁の入口ポートとの間に設けたエアドライヤとを備えた空気圧回路において、圧縮空気源から供給される1次側圧縮空気を上記エアドライヤで除湿し、該エアドライヤで除湿された2次側圧縮空気の一部と上記空気圧アクチュエータから排出された空気とを合流させ、合流させた空気をパージ空気として、上記エアドライヤにおいて圧縮空気から分離した水分を排出することを特徴とする。
また、上記方法を利用した空気圧回路におけるエアドライヤの水分パージシステムは、圧縮空気源と、該圧縮空気源から供給される圧縮空気により駆動される空気圧アクチュエータと、上記圧縮空気源の圧縮空気を空気圧アクチュエータの少なくとも1つの圧力室に給排する切換弁とを備えた空気圧回路において、上記圧縮空気源と切換弁の入口ポートとの間にエアドライヤを設け、該エアドライヤの2次側圧縮空気の一部と上記空気圧アクチュエータから排出された空気とを合流させ、それらを上記エアドライヤにおいて分離した水分を排出するためのパージ空気とする配管を備えたことを特徴とするものである。
上記エアドライヤの水分パージシステムにおいては、空気圧回路におけるエアドライヤを、膜モジュールによって空気を除湿する膜式エアドライヤにより構成することができ、また、上記切換弁の排気ポートからエアドライヤのパージ流路に至る配管に、排気の一部を外部に排出する排出路を設けるのが、シリンダの背圧が高くなるのを抑制するために有効である。さらに、上記エアドライヤを空気圧アクチュエータからの排気部におけるサイレンサとして機能させることができる。
上記本発明の方法及びシステムにおいては、エアドライヤの2次側圧縮空気の一部(入口空気流量の5〜10%)を常にパージ空気として流すと同時に、アクチュエータからの排気の全部または一部をもそれに合流させてパージ空気とするので、エアドライヤの2次側圧縮空気のみ(入口空気流量の10〜40%)をパージ空気とする従来の一般的なエアドライヤに比して、除湿した空気の無駄が少なく、その大部分を有効に利用することが可能になる。
また、上記特許文献1のエアドライヤでは、空気圧アクチュエータの排気時だけにしかパージ空気が得られないので、空気圧アクチュエータの駆動状態によっては、パージ空気の必要な時点に必要な量が得られない可能性があるが、本発明によれば、少量ながら常にパージ空気が流れるので、そのような問題が回避される。
以上に詳述した本発明によれば、エアドライヤで除湿された2次側圧縮空気の少量と上記空気圧アクチュエータから排出された空気とを合流させ、合流させた空気をパージ空気として、上記エアドライヤにおいて圧縮空気から分離した水分を排出するようにしているので、エアドライヤで除湿された2次側圧縮空気の少量をパージ空気として利用するだけで、圧縮空気源から供給される圧縮空気を効果的に除湿し、低露点化することができる。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいてさらに詳しく説明する。
図1は、本発明に係る空気圧回路におけるエアドライヤの水分パージシステムの実施例を概念的に示すもので、この空気圧回路1は、エアコンプレッサ等からなる圧縮空気源3と、該圧縮空気源3から供給される圧縮空気により駆動される空気圧アクチュエータの一例である空気圧シリンダ5と、上記圧縮空気源3から供給される圧縮空気を空気圧シリンダ5のピストン5cの両側の圧力室5a,5bに給排する切換弁7とを備えている。そして、上記圧縮空気源3と切換弁7の入口ポートPとの間に、膜モジュール9aによって上記圧縮空気源から供給される圧縮空気を除湿する膜式エアドライヤ9が設けられている。
上記切換弁7は、入口ポートP,出口ポートA,B、及び排気ポートEA,EBを有する5ポート切換弁からなり、出口ポートA,Bを、入口ポートPと排気ポートEA,EBとに切換えて連通させることにより、上記空気圧シリンダ5の圧力室5a,5bに圧縮空気源3からの圧縮空気を給排するようにしている。
上記圧縮空気源3は、膜式エアドライヤ9における膜モジュール9aを通して切換弁7の入口ポートPに接続されている。図中、11a,11bはそれらを接続する管路を示している。また、上記切換弁7の出口ポートA,Bは、空気圧シリンダ5の圧力室5a,5bに連通する管路13a,13bに接続され、該切換弁7は、ソレノイド等の適宜の切換手段により切換接続するように構成したものである。更に、切換弁7の排気ポートEA,EBに接続した管路15a,15bは、それらを合流させた管路15で膜式エアドライヤ9のパージ流路9bに接続している。
また、上記膜式エアドライヤ9の2次側の管路11bから分岐させた管路17を、切換弁7の排気ポートEA,EBと膜式エアドライヤ9のパージ流路9bを連通する管路15に接続することにより、エアドライヤ9で除湿された2次側圧縮空気の一部と空気圧シリンダから排出された空気とを合流させ、それらを上記膜式エアドライヤ9において分離した水分を排出するためのパージ空気としている。パージ空気に混入すべきエアドライヤ9の2次側圧縮空気の量は、上記管路17に設けた絞り17aによって調整できるが、通常は入口空気流量の5〜10%程度に設定される。
上記空気圧シリンダ5の背圧が高くなるのを防ぐために、上記切換弁5の排気ポートからエアドライヤ9のパージ流路9bに至る管路15に、空気圧シリンダ5から排出された空気の一部を絞り19aを通して外部に排気する排出路19を設けることができる。
次に、上記システムを利用した空気圧回路1の作用を、該回路におけるエアドライヤ9の水分パージ方法と共に説明する。
先ず、圧縮空気源3から供給される1次側圧縮空気は、上記膜式エアドライヤ9で除湿され、ここで除湿された圧縮空気は、該エアドライヤ9の2次側の管路11bを経て切換弁7に至り、該切換弁7の切換えにより上記空気圧シリンダ5における圧力室5aまたは5bに供給される。一方、空気圧シリンダ5の他方の圧力室から排出された圧縮空気は、管路15を通してエアドライヤ9のパージ流路9bに供給されるが、エアドライヤ9の2次側の管路11bを通る2次側圧縮空気の一部を、該管路11bから分岐した管路17を通じて管路15に送るようにしているので、上記空気圧シリンダ5から排出された空気とエアドライヤ9の2次側圧縮空気の一部とが合流して、パージ流路9bに送られ、上記エアドライヤ9の膜モジュール9aにおいて圧縮空気から分離した水分がパージされる。
なお、上記切換弁7の排気ポートEA,EBからエアドライヤ9のパージ流路9bに至る配管15に、排気の一部を外部に排出する排出路19を設けるのが、シリンダ5の背圧が高くなるのを抑制するために有効である。さらに、上記エアドライヤ9を空気圧シリンダ5からの排気部におけるサイレンサとして機能させることもできる。
また、空気圧シリンダ5の排気だけをパージ空気とする場合には、空気圧シリンダ5の駆動状態によっては、パージ空気の必要な時点に必要なパージ空気量が得られない可能性もあるが、上記構成によれば、少量ながら常にエアドライヤ9の2次側からのパージ空気が流れるので、そのような問題が回避される。
上記構成を有するエアドライヤの水分パージシステム及びそれを利用したエアドライヤの水分パージ方法によれば、エアドライヤ9で除湿された2次側圧縮空気の少量と上記空気圧シリンダ5から排出された空気とを合流させ、それをパージ空気として上記エアドライヤ9において圧縮空気から分離した水分をパージするようにしているので、エアドライヤの2次側圧縮空気の少量をパージ空気として利用するだけでよく、それにより圧縮空気源3から供給される圧縮空気を低露点化することができる。
上述した実施例では、空気圧アクチュエータとして空気圧シリンダ5を用いた場合について説明したが、本発明の方法及びシステムは、圧縮空気の供給により駆動され、駆動に供した圧縮空気を排出するようにした各種空気圧アクチュエータを有する空気圧回路に適用することができる。
また、上記エアドライヤとしては、膜式エアドライヤに限らず、吸着式エアドライヤを用いることもできる。
本発明に係るエアドライヤの水分パージシステムの実施例を概念的に示す回路図である。
符号の説明
1 空気圧回路
3 圧縮空気源
5 空気圧シリンダ
5a,5b 圧力室
7 切換弁
9 膜式エアドライヤ
9a 膜モジュール
9b パージ流路
11a,11b 管路
13a,13b 管路
15 管路
17 管路
19 排出路
P 入口ポート
A,B 出口ポート
EA,EB 排気ポート

Claims (5)

  1. 圧縮空気源と、該圧縮空気源から供給される圧縮空気により駆動される空気圧アクチュエータと、上記圧縮空気源の圧縮空気を空気圧アクチュエータの少なくとも1つの圧力室に給排する切換弁と、上記圧縮空気源と切換弁の入口ポートとの間に設けたエアドライヤとを備えた空気圧回路において、
    圧縮空気源から供給される1次側圧縮空気を上記エアドライヤで除湿し、
    該エアドライヤで除湿された2次側圧縮空気の一部と上記空気圧アクチュエータから排出された空気とを合流させ、合流させた空気をパージ空気として、上記エアドライヤにおいて圧縮空気から分離した水分を排出する、
    ことを特徴とする空気圧回路におけるエアドライヤの水分パージ方法。
  2. 圧縮空気源と、該圧縮空気源から供給される圧縮空気により駆動される空気圧アクチュエータと、上記圧縮空気源の圧縮空気を空気圧アクチュエータの少なくとも1つの圧力室に給排する切換弁とを備えた空気圧回路において、
    上記圧縮空気源と切換弁の入口ポートとの間にエアドライヤを設け、該エアドライヤの2次側圧縮空気の一部と上記空気圧アクチュエータから排出された空気とを合流させ、それらを上記エアドライヤにおいて分離した水分を排出するためのパージ空気とする配管を備えた、
    ことを特徴とする空気圧回路におけるエアドライヤの水分パージシステム。
  3. 上記空気圧回路におけるエアドライヤを、膜モジュールによって空気を除湿する膜式エアドライヤにより構成した、
    ことを特徴とする請求項2に記載の空気圧回路におけるエアドライヤの水分パージシステム。
  4. 上記切換弁の排気ポートからエアドライヤのパージ流路に至る配管に、排気の一部を外部に排出する排出路を設けた、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の空気圧回路におけるエアドライヤの水分パージシステム。
  5. 上記エアドライヤを空気圧アクチュエータからの排気部におけるサイレンサとして機能させた、
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の空気圧回路におけるエアドライヤの水分パージシステム。
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