JP2008238076A - 圧力スイング吸着型酸素濃縮器 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素濃縮器に搭載したパイロット式電磁弁の開閉を確実に行う装置を提供する。
【解決手段】少なくとも、窒素を酸素より優先的に吸着する吸着剤を収容した吸着筒と、該吸着筒に圧縮された原料空気を供給するコンプレッサーと、該吸着筒への空気の供給、排気を切り替えるためのガス流路切替手段とを有し、少なくとも、該コンプレッサーから該吸着筒に供給空気を該切替手段を通じて供給し、該吸着筒内部を加圧して該供給空気中の窒素を吸着して吸着されなかった酸素を製品ガスとして取り出す吸着工程と、該吸着筒内部を該切替手段を通じて排気し、該吸着剤に吸着した窒素を脱着させて排出する脱着工程のを2工程を繰り返し行うことにより、空気中の酸素を濃縮して取り出す圧力スイング吸着型酸素濃縮器に於いて、該切替手段がパイロット式電磁弁であり、パイロットガスの圧力が主弁内を流通するガスの圧力よりも常に等しいか高くなるようパイロットガス接続流路を備えることを特徴とする圧力スイング吸着型酸素濃縮器。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気中の窒素を吸着除去し、高濃度の濃縮酸素を取り出すための酸素濃縮器に関するものである。
従来用いられてきた圧力スイング吸着型酸素濃縮器の構成例を図2に示す。吸着剤にはA型あるいはX型のゼオライトが用いられ、それが2本の吸着筒に納められている。吸着筒を加圧して窒素を吸着させるために、空気圧縮供給手段としてコンプレッサーが接続されており、吸着筒とコンプレッサーの間および吸着筒と排気口の間には工程を制御するための切替手段である電磁弁が挿入されている。この例では吸着筒は2本であるが、吸着筒の数は一般的には制限はない。
基本的なプロセスは、吸着筒を加圧して窒素を吸着させ、吸着しなかった酸素を製品ガスとして取り出す吸着工程と、吸着筒を減圧して吸着した窒素を脱着させる脱着工程よりなる。吸着工程に於いては吸着筒の一端(以下原料端と呼ぶ)がコンプレッサーに接続され、加圧された空気(原料空気)が送り込まれる。吸着筒の内部では吸着剤が原料空気中の窒素分子を優先的に吸着し、吸着されなかった酸素が吸着筒の他端(製品端)より、逆止弁を通じて取り出され、製品タンクの中に一旦蓄えられたあと、圧力調整弁、流量調節バルブを通じて製品ガスとして取り出される。
脱着工程に於いては、吸着筒の原料側が大気に解放され、吸着筒内部の圧力を低下させるとともに、製品ガスの一部を均圧弁を通じて還流(パージ)することによって、吸着剤が吸着した窒素を脱着させる。
本例のように吸着筒を2本用いた系においては一方の吸着筒が吸着工程を行っている間に他方の吸着筒が脱着工程を行うようにして、製品ガスが連続して取り出せるようになっている。システムの構成によっては、脱着工程の脱着効率を向上するために、脱着工程時に真空ポンプなどの減圧手段を用いて大気圧より低い圧力まで圧力を低下させるものもある。また、コンプレッサーの動力を節約するために、吸着工程と脱着工程の間に吸着工程が終わった吸着筒と脱着工程が終わった吸着筒を接続し、両者の圧力を均一化する均圧工程を持つものもある。
特開平9-20503号公報 特開2002-79030号公報 特開平9-141038号公報 特開2005-329251号公報 特開2006-62932号公報
上記のような酸素濃縮器に於いて、装置の消費電力を抑えることが大きな課題であるが、酸素濃縮器の部品のうち空気圧縮供給手段であるコンプレッサーが最も多く電力を消費し、次に切替手段である電磁弁が多く消費する。したがって、コンプレッサーの消費電力を低減することがまず第一に重要な課題となる。コンプレッサーの消費電力は、コンプレッサーの効率と、吸着プロセスに必要な圧縮空気を供給するための圧縮動力によって決定される。この内、圧縮動力は吸着プロセスが酸素を濃縮するのに必要な空気の圧力及び流量により決定されるので、吸着プロセスの効率向上によりこれらの値を低減する事が必要である。前述の通り、圧力スイング吸着プロセスは、吸着剤が酸素より窒素を優先的に吸着する性質および圧力により吸着量が変化する性質を利用して、コンプレッサーのような空気圧縮供給手段を用いて圧力を上昇させることにより窒素を吸着させて酸素を取り出し、真空ポンプまたは大気開放により圧力を下降させることにより吸着した窒素を脱着して吸着剤が再度窒素を吸着できるように再生することを繰り返すことにより酸素を連続的に取り出すプロセスである。そのため、圧力の上昇量及び下降量はプロセスの性能を大きく左右し、一般的に吸着工程における圧力が高いほど、また脱着工程における圧力が低いほどプロセスの効率が向上する。しかし一方でコンプレッサーの消費電力はコンプレッサーの吐出圧力が高いほど大きくなるため、なるべく低い圧力に於いて効率よく酸素を濃縮できる工夫が必要である。
例えば特開平9-20503号公報では、吸着剤の劣化による吸着効率低下、それに伴うプロセス消費電力の向上に対し、吸着床内を二層構造とする方法が記載されている。具体的には、低性能吸着剤を圧縮空気の入口に配置することで、吸着剤を劣化させる主要因である水分を吸着させ、窒素/酸素の吸脱着に主に使用される高性能吸着剤を低性能吸着剤の下流に配置するように吸着床内を構成する。このことで、吸着剤の劣化によるコンプレッサーの仕事量の増大をおさえ、経時的な消費電力の上昇を防止することができる。
また、特開2002-79030号公報では、特に医療用酸素濃縮器において、使用される流量設定ポイントが複数点あるにもかかわらず,そのいずれの点においても同様の消費電力となる点を課題とし、流量設定値によって均圧弁の動作/非動作を制御することで、コンプレッサーの仕事量をその流量設定値に必要な最低限の値に抑え、消費電力を低減する方法が記載されてある。
特開平9-141038号公報では、圧縮機の下流であって吸着床の上流となる位置に吸着床の3倍以上の容積となる空気タンクを取り付け吸着剤の吸着効率を上昇させることによって、コンプレッサーに要求される仕事量を減らす方法が記載されてある。
また一方で、配管および電磁弁の圧力損失を低減することにより、吸着工程に於いてはコンプレッサーから供給される圧縮空気の圧力をなるべく低下させずに吸着筒へ供給し、脱着工程に於いては吸着筒内の圧力をなるべく下げることが必要である。しかしながら電磁弁における圧力損失を下げるために口径の大きい電磁弁を用いると、弁の切り替えに大きな力を必要とし、結果として電磁弁の消費電力を上昇させてしまうという問題がある。
この対策として、電磁弁にパイロット弁を用いることで消費電力の低減を図る方法も複数開示されている。例えば、特開2005-329251号公報では、従来主流の直動式電磁弁を用いる場合よりも、パイロット式電磁弁を用いることで、消費電力の低減が図られるとの記載がある。さらに特開2006-62932号公報では、パイロット式電磁弁の数ある種類の中でも、使用する弁種を摺動の少ないダイアフラム弁にすることにより、流量損失を低下させ、消費電力の上昇を防止できるとしている。
ダイアフラム型パイロット弁の構造は図3のようになっており、主弁2の開閉はダイアフラム14の上下動によって行われる。ダイアフラムの上部空間にはパイロットガス出入り口19を介してパイロットガスを導入・排気することができる。パイロット弁3は小型の直動式3方電磁弁で、パイロットガス出入り口19の接続方向をパイロットガス供給口20側と、パイロットガス排気口21側に切り替えている。
また、ダイアフラムは上方からばね16によって押さえつけられている。このような構成の弁に於いては、パイロット弁3がoffとなっている場合、パイロットガス供給口20とパイロットガス出入り口19が接続され、ダイアフラム14上方の空間はパイロットガス圧力Phまで加圧される(図4)。この状態で、ガス入り口圧Pinとガス出口圧Poutがダイアフラム14を押す力が、パイロットガスPhがダイアフラム14を押す力とばね力の合計よりも小さければダイアフラムは下方に移動し、ガス入り口17とガス出口18の間を遮断する。通常、PinはPoutと等しいかより大きいので、パイロットガス供給口20とガス入り口17を接続しておけば、PinとPhは等しくなり、ばね力によりダイアフラムは下方に移動するので、このような接続方法を使用する場合が多い。
一方、パイロット弁3がonとなった場合、パイロットガス排出口21とパイロットガス出入り口19が接続され、ダイアフラム上方の空間の圧力はPlまで低下する。通常はパイロットガス排出口21はガス出口18に接続、または大気解放されており、PinがPoutより十分大きい、あるいはPin,Poutが大気圧より十分大きければダイアフラムは上方に移動してガス入り口17とガス出口18が連通する。
以上のような原理でバルブの開閉を行うため、パイロットガスを切り替えるためのパイロット弁は主弁のダイアフラム上部の空間を迅速に加圧・排気するために必要な程度に流路抵抗が低ければよく、パイロット弁を非常に小型にでき、消費電力も大きく削減できる。また、主弁はパイロットガスによって駆動されるものであるから、それ自体は電力を消費しない。そのため、圧力損失を低く抑えながら電磁弁の消費電力を大幅に削減することができる。
しかしながら、上記のような構成では、吸着筒内部の圧力のほうがコンプレッサー吐出圧力よりも高くなった場合、正常に弁を閉止することができない。吸着プロセスの工程の組み合わせによっては、このような状況は十分に考えられるため、そのような吸着プロセスに於いては電磁弁が正常に動作せず、酸素濃縮能力が低下する可能性がある。
この対策として、加圧弁の上流側に逆止弁を取り付けて、加圧弁が逆流しないようにする方法があるが、逆止弁は通過する流体中のわずかな塵埃などにより動作不良を起こすため、コンプレッサーの吐出側と加圧弁の間に逆止弁を設けると逆止弁の寿命が非常に短くなるという欠点がある。その欠点を克服するために逆止弁の上流側あるいはコンプレッサーの下流側にフィルターを設ける方法もあるが、一般的にコンプレッサー吐出空気の流量は大きいので、フィルターが大型化する欠点がある。したがってより簡便な方法で加圧弁の開閉を確実に行う方法が求められていた。
上記のような課題を解決するために発明者は鋭意検討した結果、コンプレッサーの吐出空気の一部を逆止弁を通じてパイロットガス貯蔵タンクに貯蔵し、その空気をパイロットガスとして用いることによって、パイロットガスの圧力が主弁内を流通するガスの圧力よりも実質的に同等ないし高くなるようにすることができ、大流量が流れる主弁の上流側に逆止弁を設けなくても加圧弁の開閉を確実に行うことができることを見出した。また、上記に代えて、パイロットガスとして製品酸素ガスを用いたり、吸着筒内のガスとコンプレッサーの吐出空気のいずれか高いほうを選択的に用いたりすることによって、同様の効果が得られることを見出した。
すなわち本発明は、少なくとも、窒素を酸素より優先的に吸着する吸着剤を収容した吸着筒と、該吸着筒に圧縮された原料空気を供給するコンプレッサーと、該吸着筒への空気の供給、排気を切り替えるためのガス流路切替手段とを有し、少なくとも、該コンプレッサーから該吸着筒に供給空気を該切替手段を通じて供給し、該吸着筒内部を加圧して該供給空気中の窒素を吸着して吸着されなかった酸素を製品ガスとして取り出す吸着工程と、該吸着筒内部を該切替手段を通じて排気し、該吸着剤に吸着した窒素を脱着させて排出する脱着工程のを2工程を繰り返し行うことにより、空気中の酸素を濃縮して取り出す圧力スイング吸着型酸素濃縮器に於いて、該切替手段がパイロット式電磁弁であり、パイロットガスの圧力が主弁内を流通するガスの圧力に対し実質的に同等ないし高くなるようパイロットガス接続流路を備えることを特徴とする圧力スイング吸着型酸素濃縮器を提供するものである。
また本発明は、かかるパイロットガス接続流路が、該コンプレッサーの吐出空気の一部をパイロットガスとして貯蔵するためのパイロットガス貯蔵タンク、パイロットガス貯蔵タンクの上流側にパイロットガスがコンプレッサー吐出口側へ逆流するのを防ぐ逆止弁、パイロットガス貯蔵タンクとパイロット弁を接続する接続流路を備えることを特徴とする圧力スイング吸着型酸素濃縮器を提供するものである。
また本発明は、かかるパイロットガス接続流路が、パイロットガスの供給源として、該コンプレッサーから供給される圧縮空気または該吸着筒に充満しているガスのいずれか圧力が高いほうを選択して接続する接続流路を備えることを特徴とし、特に該パイロットガス接続流路が、パイロット式電磁弁の主弁と吸着筒間の流路から分岐し、吸着筒側へ逆流するのを防止する逆止弁を備えた接続流路、および該コンプレッサーの吐出空気の一部をパイロットガスとして供給するため、コンプレッサーと主弁間の流路から分岐し、コンプレッサー側へ逆流するのを防止する逆止弁を備えた逆止弁を備えた接続流路を備えたことを特徴とする圧力スイング吸着型酸素濃縮器を提供するものである。
また本発明は、かかるパイロットガス接続流路が、パイロットガスの供給源として、製品ガスの一部を用い、吸着筒の製品端側流路とパイロット弁を接続する接続流路を備えることを特徴とする、圧力スイング吸着型酸素濃縮器を提供するものである。
尚、実質的に同等の圧力とは、コンプレッサーの圧力よりも吸着筒と逆止弁の圧損分だけ低い場合を含む。
本発明の圧力スイング吸着型酸素濃縮器は、酸素濃縮プロセスの消費電力を低下させ、なおかつ信頼性を高く保つことが可能となる。
図1に本発明の好ましい実施態様例を示す。大気中からサイレンサー12を通って、コンプレッサー1によって加圧された空気は加圧弁主弁2aまたは2bをとおり、吸着筒8aまたは8bに導かれる。吸着筒の内部には窒素を酸素より優先的に吸着する能力をもつ吸着剤が内蔵されており(図示せず)、そこで導かれた空気中の窒素が吸着除去され、残った酸素が逆止弁9aまたは9bを通って製品タンク11で一時貯蔵され、製品ガスとして取り出される。吸着剤に吸着された窒素ガスは排気弁主弁4bまたは4aを通り、排気サイレンサー13を通って大気中に放出される。
この実施態様例で示された装置の動作は以下の通りである。まず、吸着筒8aの加圧弁主弁2aが開き減圧弁主弁4aが閉じるため、コンプレッサーにより圧縮された空気が吸着筒8aの原料端に導入される。すると吸着筒8aの圧力が上昇する。内部の吸着剤は接触するガスの窒素分圧が高いほどより多くの窒素を吸着するが、酸素の吸着量は窒素よりも少ないため、導入された空気中の窒素分子が優先的に吸着され、酸素分子は殆ど吸着されない。したがって、吸着筒の製品端からは窒素分子が吸着除去され、酸素濃度が上昇したガスが流出する。このとき均圧弁9は閉じているので、流出したガスは逆止弁10aを通って製品タンク11に一旦貯蔵された後製品ガスとして取り出される。以上の工程を加圧・吸着工程と呼ぶ。
このとき減圧弁主弁4bは開き加圧弁主弁2bは閉じているため、吸着筒8bは排気されて圧力が低下する。吸着剤は、ガスの圧力が低下すると、吸着した窒素を放出する性質があるため、吸着剤から窒素が放出され、減圧弁主弁4bを通って、窒素ガスが排気される。これを減圧・脱着工程と呼ぶ。
次に加圧弁主弁2a,2bおよび減圧弁主弁4a,4bの状態は保持したまま、均圧弁9が開く。すると、吸着筒aは、コンプレッサーからの圧縮空気の供給、吸着剤の窒素の吸着、酸素が濃縮されたガスの流出、および逆止弁10aを経由した製品タンク11への酸素濃縮ガスの供給を維持したままで、吸着筒8aの製品端から吸着筒8bの製品端へ酸素濃縮ガスの還流が行われる。この工程を吸着・パージガス供給工程と呼ぶ。
また、吸着筒8bに酸素濃縮ガスの還流が行われることによって、吸着筒b内の窒素ガス分圧はさらに低下し、吸着剤からの窒素ガス放出が促進される。この工程を脱着・パージ工程と呼ぶ。
次に、減圧弁主弁4aの状態は保ったまま、加圧弁主弁2aが閉じ、加圧弁主弁2bが開き減圧弁主弁4bが閉じることによって、吸着筒8aへのコンプレッサーからの圧縮空気の供給は停止し、代わって吸着筒8bに圧縮空気が供給される。吸着筒8aにおいては製品端からは酸素濃縮ガスが抜き出されるため圧力が低下し、逆止弁が閉じて製品タンクへの酸素濃縮ガスの供給は停止する。これを降圧均圧工程と呼ぶ。
一方、吸着筒8bに於いては吸着筒原料端からは圧縮空気が、製品端からは酸素濃縮ガスが流入して圧力が上昇する。これを昇圧均圧工程と呼ぶ。その後は吸着筒8aと8bが交替して前述の工程を繰り返す。以上のようにして連続的に酸素濃縮ガスを製品ガスとして取り出すことができる。
加圧弁及び減圧弁の構成は以下の通りである。加圧弁にはパイロット式ダイアフラム弁を用いている。前述の通り、加圧弁に於いては、パイロットガス供給口はパイロットガス貯蔵タンク7に接続され、パイロットガス排気口は大気開放されている。パイロットガス貯蔵タンクは逆止弁6を通じてコンプレッサー吐出口に接続されており、コンプレッサー吐出口の圧力が下がってもタンク内の圧縮空気がコンプレッサー吐出口側に逆流しないようになっている。バルブ閉時はダイアフラム上方の空間の圧力はパイロットガス貯蔵タンク7の圧力と等しくなり、ばね力とダイアフラム上方空間の圧力による力の合計がバルブ入り口および出口の圧力による力の合計よりも大きくなりバルブは閉じる。
上述の降圧均圧工程に於いては、コンプレッサーからの圧縮空気はより圧力の低い他方の吸着筒へ供給されているため、主弁の出口側である吸着筒の圧力のほうが、入り口側であるコンプレッサー吐出口の圧力より高くなる、いわゆる逆圧がかかった状態となっている。
通常の構成ではパイロットガスはコンプレッサーの吐出空気をそのまま用いているために、主弁の出口側の圧力よりもパイロットガスの圧力の方が低くなり、バルブを閉じることができない。これに比較して、本実施態様ではパイロットガスとしてパイロットガス貯蔵タンク内の空気が使われており、パイロットガス貯蔵タンク内の圧力はコンプレッサーの圧力が低下しても逆止弁の作用により低下しないので、バルブを正常に閉じることができる。
通常、パイロットガスとして必要な空気の量は極微量でよいので、逆止弁とパイロット弁のパイロットガス供給口の間の配管容積が十分大きければパイロットガス貯蔵タンクを配管で代えることができる。また、逆止弁を流れる流量は極微量であるため、逆止弁への塵埃の混入は殆どないと考えられるが、必要であれば逆止弁の上流側へ小型のフィルターを取り付けることもできる。この場合でも、コンプレッサーの吐出口の下流側にフィルターを取り付ける場合に比べてはるかに小さなフィルターでも目詰まりを起こすことなく長時間使用することが可能である。バルブ開時は、ダイアフラム上方の空間は大気圧まで減圧されるのに対し、コンプレッサー吐出圧力および吸着筒の圧力は大気圧より十分高いので、バルブは開く。
減圧弁に関しても同様な構成をとっているが、パイロットガス供給源は吸着筒に充満している空気でもパイロットガス貯蔵タンクの空気でもどちらでも良い。
また、図6に本発明の別の実施態様を示す。本態様の図1との違いは、逆止弁6とパイロットガス貯蔵タンク7が省略され、代わりに製品タンク11と加圧弁のパイロットガス供給口20を接続していることである。製品タンクの圧力は、吸着工程時には、コンプレッサーの圧力よりも吸着筒8a・8bと逆止弁10a・10bの圧損分だけ低いのみであり、同等の圧力と考えられる。従って、加圧弁にコンプレッサーからの圧縮空気の圧力がかかっても、パイロットガスの圧力とばねの力により十分に加圧弁を閉じることが可能である。また、降圧均圧工程に於いてコンプレッサーの圧力が下がった場合でも、製品タンクの圧力はほぼ吸着筒の圧力と等しく保たれているため、加圧弁を閉じることができる。
また、図7に本発明の別の実施態様を示す。本態様の図1との違いは、パイロットガス貯蔵タンク7が省略され、逆止弁9a・9b・9cがコンプレッサー吐出口と加圧弁のパイロットガス供給口の間及び、吸着筒下部とパイロットガス供給口の間に入っていることである。これにより、主弁のガス入り口あるいは出口のどちらか圧力が高いほうの圧力がパイロットガス供給口にかかることになり、この圧力を主弁のパイロットガス出入り口に導入することにより、必ず電磁弁を閉じることが可能となる。
以上のような発明により、圧力スイング吸着型酸素濃縮器に於いて、酸素濃縮プロセスの消費電力を低下させ、なおかつ信頼性を高く保つことが可能となる。
本発明の圧力スイング吸着型酸素濃縮器の実施態様例。 従来の圧力スイング吸着型酸素濃縮器のフロー図。 ダイアフラム型パイロット弁の構成図。 パイロット弁がoffの状態のダイアフラム弁。 パイロット弁がonの状態のダイアフラム弁。 本発明の圧力スイング吸着型酸素濃縮器の別の実施態様例。 本発明の圧力スイング吸着型酸素濃縮器の別の実施態様例。

Claims (5)

  1. 少なくとも、窒素を酸素より優先的に吸着する吸着剤を収容した吸着筒と、該吸着筒に圧縮された原料空気を供給するコンプレッサーと、該吸着筒への空気の供給、排気を切り替えるためのガス流路切替手段とを有し、少なくとも、該コンプレッサーから該吸着筒に供給空気を該切替手段を通じて供給し、該吸着筒内部を加圧して該供給空気中の窒素を吸着して吸着されなかった酸素を製品ガスとして取り出す吸着工程と、該吸着筒内部を該切替手段を通じて排気し、該吸着剤に吸着した窒素を脱着させて排出する脱着工程の2工程を繰り返し行うことにより、空気中の酸素を濃縮して取り出す圧力スイング吸着型酸素濃縮器に於いて、該切替手段がパイロット式電磁弁であり、パイロットガスの圧力が主弁内を流通するガスの圧力に対し実質的に同等ないし高くなるようパイロットガス接続流路を備えることを特徴とする圧力スイング吸着型酸素濃縮器。
  2. 該パイロットガス接続流路が、該コンプレッサーの吐出空気の一部をパイロットガスとして貯蔵するためのパイロットガス貯蔵タンク、パイロットガス貯蔵タンクの上流側にパイロットガスがコンプレッサー吐出口側へ逆流するのを防ぐ逆止弁、パイロットガス貯蔵タンクとパイロット弁を接続する接続流路を備えることを特徴とする請求項1記載の圧力スイング吸着型酸素濃縮器。
  3. 該パイロットガス接続流路が、パイロットガスの供給源として、該コンプレッサーから供給される圧縮空気または該吸着筒に充満しているガスのいずれか圧力が高いほうを選択して接続する接続流路を備えることを特徴とする、請求項1記載の圧力スイング吸着型酸素濃縮器。
  4. 該パイロットガス接続流路が、パイロット式電磁弁の主弁と吸着筒間の流路から分岐し、吸着筒側へ逆流するのを防止する逆止弁を備えた接続流路、および該コンプレッサーの吐出空気の一部をパイロットガスとして供給するため、コンプレッサーと主弁間の流路から分岐し、コンプレッサー側へ逆流するのを防止する逆止弁を備えた逆止弁を備えた接続流路を備えたことを特徴とする請求項3に記載の圧力スイング吸着型酸素濃縮器。
  5. 該パイロットガス接続流路が、パイロットガスの供給源として、製品ガスの一部を用い、吸着筒の製品端側流路とパイロット弁を接続する接続流路を備えることを特徴とする、請求項1に記載の圧力スイング吸着型酸素濃縮器。
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