JP2006316839A - 無段変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 出力軸6の直前に設ける後段側遊星歯車式変速機構5の小型化、耐久性向上、効率確保を図れる構造を実現する。
【解決手段】 上記後段側遊星歯車式変速機構5を、シングルピニオン型とする。又、この後段側遊星歯車式変速機5を構成する後段側キャリア18と上記出力軸6とを、動力の伝達自在に結合する。この構成により、上記後段側遊星歯車式変速機構5を構成する遊星歯車の回転速度、噛合部の面圧を抑え、上記後段側キャリア18の強度向上を可能として、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、自動車用自動変速装置として、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する無段変速装置の改良に関する。
自動車用自動変速機としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、例えば特許文献1、非特許文献1、2等の多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されて周知である。又、変速度比の変動幅を大きくすべく、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機構とを組み合わせた無段変速装置も、例えば特許文献2〜4に記載される等により従来から広く知られている。これら各特許文献2〜4に記載された無段変速装置は、クラッチ装置により低速モードと高速モードとを切り換え自在である。そして、低速モード時には、上記トロイダル型無段変速機の変速度比(変速比)を所定値にする事により、入力軸を一方向に回転させたまま、出力軸の回転状態を停止させる、所謂ギヤードニュートラルと呼ばれる状態を実現できる。又、上記低速モード時には、上記トロイダル型無段変速機の変速度比を調節する事により、この停止状態を挟んで、この出力軸の回転状態を、正転、逆転に切り換えられる。従って、トルクコンバータ等の発進クラッチを省略できる。又、高速モード時には、動力の一部をトロイダル型無段変速機をバイパスさせて出力軸に送る事により、入力軸に加えられるトルクに比べ、トロイダル型無段変速機を通過するトルクを低く抑える、所謂パワースプリット状態を実現する。そして、このトロイダル型無段変速機の耐久性向上と、無段変速装置全体としての伝達効率の向上とを図れる。これらの点に関しては、上記特許文献2〜4等にも記載されているので、詳しい説明は省略する。
上述の様な特許文献2〜4に記載された無段変速装置の場合、低速モード時にギヤードニュートラル状態を実現する事により、発進クラッチを省略して小型化を図れる面、或いは、高速モード時にパワースプリット状態を実現する事により、トロイダル型無段変速機を通過するトルクを抑える面からは、特に問題を生じない。但し、何れの無段変速装置の場合も、出力軸の直前に設ける遊星歯車式変速機構の小型化、耐久性向上、効率確保の面からは改良の余地がある。
先ず、上記特許文献2〜3に記載された無段変速装置の場合には、出力軸の直前に配置した、後段の遊星歯車式変速機構部分の耐久性及び伝達効率の確保が、必ずしも十分とは言えない。この理由の第一は、この後段の遊星歯車式変速機構を構成する太陽歯車とキャリアとが逆方向に回転する為、このキャリアに支持した遊星歯車の回転速度が速くなる事である。回転速度が速くなると、その分、摩擦損失が大きくなって伝達効率が低下し、耐久性も低下する。尚、上記太陽歯車と上記キャリアとの回転速度(速さ及び回転方向を含む)が、このキャリアに支持された遊星歯車の回転速度に及ぼす影響に関しては、機構学上広く知られているので、詳しい説明は省略する。
又、上記理由の第二は、遊星歯車として、互いに噛合した1対の遊星歯車素子のうちの一方の遊星歯車素子を太陽歯車に、他方の遊星歯車素子をリング歯車に、それぞれ噛合させた、所謂ダブルピニオン型の構造を採用している為である。ダブルピニオン型の遊星歯車式変速機構の場合、1対の遊星歯車同士を噛合させる分、摩擦損失を生じる噛合部が多くなり、伝達効率を低下させる。又、太陽歯車の外周面とリング歯車の内周面との間の限られた空間に、それぞれが互いに噛合した1対の遊星歯車素子から成る遊星歯車ユニットを、複数組設置する必要がある。そして、これら遊星歯車素子の直径をできるだけ大きくする為には、対となる遊星歯車素子を円周方向にずらせて配置する。
従って、キャリアの一部で、それぞれが円輪状である連結板或いは連結板同士を結合固定する為に、円周方向に隣り合う遊星歯車ユニット同士の間でこれら連結板或いは連結板同士の間に配置する支柱部分の断面積が狭くなり、上記キャリアの強度を確保する事が難しくなる。又、上述の様に、対となる遊星歯車素子を円周方向にずらせて配置した場合でも、同軸の遊星歯車をリング歯車に噛合させると共に太陽歯車にも噛合させる、所謂シングルピニオン型の遊星歯車式変速機構に比べて、上記各遊星歯車素子の直径が小さくなる事が避けられない。この為、これら各遊星歯車素子同士、及び、これら各遊星歯車素子と太陽歯車或いはリング歯車との噛合部の強度を確保する為には、これら各遊星歯車素子と太陽歯車とリング歯車との軸方向長さを確保して、上記各噛合部の強度を確保する必要がある。但し、この軸方向長さを確保する事は、小型・軽量化を図る上での障害となる。更に、上記各遊星歯車素子の直径が小さくなる分、これら各遊星歯車素子の回転速度が速くなり、上記各噛合部での摩擦損失に基づく伝達効率の低下、これら各遊星歯車素子を支持しているニードル軸受の耐久性低下が問題となり易い。
これに対して、前記特許文献4に記載された無段変速装置の場合には、後段側に設けた減速用の遊星歯車式変速機構を構成するキャリアを固定式とし、このキャリアにシングルピニオン型の遊星歯車を回転自在に支持している。この為、上述した特許文献2〜3に記載した様な問題は生じない。但し、上記特許文献4に記載された構造の場合には、後段側の遊星歯車式変速機構から出力軸への動力取り出しを、この遊星歯車式変速機構を構成するリング歯車から行なっている為、この動力取り出し部分の構造が複雑化、大型化する。又、高速モード時にパワースプリット状態を実現する際の、前段側の遊星歯車式変速機構から後段側の遊星歯車式変速機構への動力取り出しに関しても、筒状の伝達軸を介して行なう等、構造が複雑で、小型・軽量化を図りにくい構造を採用している。
特開2001−317601号公報 特開2000−220719号公報 特開2003−307266号公報 特開2002−139124号公報 青山元男著、「別冊ベストカー 赤バッジシリーズ245/クルマの最新メカがわかる本」、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日、p.92−93 田中裕久著、「トロイダルCVT」、株式会社コロナ社、2000年7月13日
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、出力軸の直前に設ける遊星歯車式変速機構構の小型化、耐久性向上、効率確保を図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の無段変速装置は、入力軸と、トロイダル型無段変速機と、中間伝達軸と、複数段の遊星歯車式変速機構と、出力軸とを、動力の伝達方向に関して互いに直列に配置して成る。そして、少なくとも上記入力軸から上記出力軸に伝達するトルクよりも上記トロイダル型無段変速機を通過するトルクが小さくなる(パワースプリット状態を実現する)運転モードを備える。
このうちのトロイダル型無段変速機は、上記入力軸と共に回転する入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を可能に設けられた出力側ディスクと、これら両ディスクに設けられて互いに対向する、それぞれがトロイド曲面である軸方向側面同士の間に挟持された複数のパワーローラとを備える。
又、上記各遊星歯車式変速機構のうち、上記トロイダル型無段変速機の側に配置した前段側遊星歯車式変速機構は、前段側キャリアと、この前段側キャリアに回転自在に支持した複数個の前段側遊星歯車と、これら各前段側遊星歯車と噛合した、前段側太陽歯車と前段側リング歯車とのうちの少なくとも一方の歯車とを備える。そして、上記トロイダル型無段変速機の変速度比(変速比)に応じて変化する、上記前段側キャリアの回転速度と上記前段側太陽歯車又は上記前段側リング歯車の回転速度との差に相当する速度の回転力を、上記中間伝達軸に出力する。
又、上記出力軸の側に配置した後段側遊星歯車式変速機構は、後段側太陽歯車と、後段側キャリアと、後段側リング歯車と、複数の後段側遊星歯車とを備える。又、これら各後段側遊星歯車は、上記後段側キャリアに回転自在に支持されて、同体若しくは同軸の遊星歯車が、上記後段側リング歯車に噛合すると共に上記後段側太陽歯車にも噛合する、シングルピニオン型である。そして、上記後段側太陽歯車と上記後段側キャリアと上記後段側リング歯車との3個の部材のうちの後段側キャリアが、上記出力軸と共に回転する。又、残り2個の部材のうちの1個の部材が、上記中間伝達軸と共に回転する。更に、残り1個の部材が、少なくとも上記パワースプリット状態となる運転モードを実現する際に、固定の部分に結合されて回転しない。
上述の様に構成する本発明の無段変速装置によれば、出力軸の直前に設ける遊星歯車式変速機構の小型化、耐久性向上、効率確保を図れる構造を実現できる。
先ず、上記遊星歯車式変速機構をシングルピニオン型としている為、限られた空間内で可能な限り、各後段側遊星歯車の直径を大きくできる。この為、これら各後段側遊星歯車等の軸方向寸法を大きくしなくても、これら各後段側遊星歯車と、後段側太陽歯車及び後段側リング歯車との噛合部の面圧を低く抑えられ、小型・軽量化を図る上で有利になる。又、上記各後段側遊星歯車の直径を大きくできる分、これら各後段側遊星歯車の回転速度を低く抑えられ、これら各後段側遊星歯車を支持している、ニードル軸受等の回転支持部での摩擦損失を低く抑えて、伝達効率の向上を図る上から有利になる。又、円周方向に隣り合う各後段側遊星歯車同士の間の空間を広くできて、キャリアを構成する柱部の断面積を大きくでき、このキャリアの強度を確保する面から有利になる。更に、ダブルピニオン型の構造を採用する場合に比べ、上記遊星歯車式変速機構部分での動力の伝達経路の数(遊星歯車の数)を多くできて、各伝達経路部分で伝達する動力を低く抑えられる為、この面からも、耐久性向上を図れる。
又、後段側キャリアが出力軸と共に回転する、言い換えれば、後段側遊星歯車式変速機構から出力軸に動力を、上記後段側キャリアから取り出している。この為、この後段側キャリアの回転方向と、上記後段側遊星歯車式変速機構の入力部材である、後段側太陽歯車又は後段側リング歯車の回転方向とが同じになる。従って、上記各後段側遊星歯車の回転速度を、前述した特許文献2〜3に記載された構造の様に、太陽歯車とキャリアとが逆方向に回転する構造に比べた場合は勿論、前述した特許文献4に記載された構造の様に、キャリアが回転しない構造に比べても低く抑えられる。この為、上記特許文献2〜4に記載された構造に比べて、上記各後段側遊星歯車の回転速度をより低く抑えられ、伝達効率のより一層の向上を図れる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、トロイダル型無段変速機をダブルキャビティ型とする。即ち、このトロイダル型無段変速機を、1対の入力側ディスクと、出力側ディスクと、複数個のパワーローラとから構成する。このうちの両入力側ディスクは、軸方向に互いに離隔した位置に互いに同心に、それぞれのトロイド側面を互いに対向させた状態で配置する。又、上記出力側ディスクは、上記両入力側ディスク同士の間に、そのトロイド側面をこれら両入力側ディスクのトロイド側面に対向させた状態で設ける。更に、上記各パワーローラは、これら両入力側ディスクと出力側ディスクとのトロイド側面同士の間に、それぞれ複数個ずつ挟持する。
又、前段側遊星歯車式変速機構を構成する前段側キャリアを、入力軸と一方の入力側ディスクとを結合固定する状態で設けて、この入力軸と共に回転自在とする。又、上記前段側キャリアに回転自在に支持した前段側遊星歯車を、上記出力側ディスクと共に回転する前段側太陽歯車に噛合させる。そして、上記トロイダル型無段変速機の変速度比(変速比)に応じて変化する、上記前段側キャリアの回転速度と上記前段側太陽歯車の回転速度との差に相当する速度の回転力を、中間伝達軸に出力自在とする。
この様な構成を採用すれば、トロイダル型無段変速機としてダブルキャビティ型の構造を採用する事により、大きな動力を伝達可能な無段変速装置で、全体の構造をコンパクトにまとめ、小型・軽量に構成できる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した様に、後段側太陽歯車を中間伝達軸と共に回転させる。又、後段側リング歯車を、入力軸から出力軸に伝達するトルクよりもトロイダル型無段変速機を通過するトルクが小さくなる(パワースプリット状態となる)運転モードを実現する際に、固定の部分に結合して回転させない。
この様な構成を採用すれば、上記運転モードを実現する為に油圧式のクラッチを設ける場合にも、このクラッチの断接の為の油圧配管等の設置の自由度が高くなる。又、このクラッチが回転しない為、このクラッチを構成する油圧室内に、遠心力に基づいて油圧が立ち上がる事がなく、この遠心力に基づく油圧を相殺する為の機構が不要になって、構造の簡略化を図れる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した様に、前段側キャリアに回転自在に支持された複数本の前段側遊星軸の両端部にそれぞれ、前段側遊星歯車と前段側伝達用遊星歯車とを、これら各前段側遊星軸と共に回転自在に設ける。そして、これら各前段側伝達用遊星歯車と、中間伝達軸の一部にこの中間伝達軸と共に回転自在に設けられた、伝達用太陽歯車とを噛合させる。
この様に構成すれば、前段側遊星歯車式変速機構の出力を上記中間伝達軸に伝達する構造を簡略に構成できて、無段変速装置の小型・軽量化を図れる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した様に、後段側太陽歯車を中間伝達軸と共に回転自在とする。又、後段側遊星歯車を、後段側キャリアに回転自在に支持された複数本の後段側遊星軸の両端部にこれら各後段側遊星軸と共に回転自在に設けられた、互いに歯数が異なる、第一、第二両後段側遊星歯車とする。そして、このうちの第一後段側遊星歯車を上記後段側太陽歯車と噛合させ、第二後段側遊星歯車を後段側リング歯車と噛合させる。
この様な構成を採用すれば、後段側遊星歯車式変速機構部分で必要とする変速比を確保しつつ、この後段側遊星歯車式変速機構の構造を簡略に構成できて、無段変速装置の小型・軽量化を図れる。
又、上述の様な発明を実施する場合に、例えば請求項6に記載した様に、動力源と入力軸との間に、トルクコンバータ等の発進クラッチを設置した状態で使用する。
本発明の要旨は、入力軸からこの出力軸に伝達するトルクよりもトロイダル型無段変速機を通過するトルクが小さくなる、パワースプリット状態となる運転モードを実現できる構造を前提として、後段側遊星歯車式変速機構部分の伝達効率及び耐久性を向上させる点にある。上記パワースプリット状態となる運転モードでは、入力軸を回転させたまま出力軸を停止させる、所謂ギヤードニュートラルの状態を実現できない。従って、上記パワースプリット状態となる運転モードを実現できるが、上記ギヤードニュートラルの状態を実現できない構造で本発明を実施する場合には、上記発進クラッチを設ける事が好ましい。
上述の様な事情を考慮して、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した様に、前段側遊星歯車式変速機構と後段側遊星歯車式変速機構との間に中段遊星歯車式変速機構を、動力の伝達方向に関して中間伝達軸と並列に設ける。又、この中段遊星歯車式変速機構を通じて動力の伝達を行なうか否かを切り換える為のクラッチ装置を設ける。
この様に構成し、上記中段遊星歯車式変速機構の変速度比及び各歯車の接続状態を適切に規制すれば、上記クラッチ装置の切り換えに伴い、パワースプリット状態となる運転モードだけでなく、入力軸を回転させたまま出力軸を停止させる、ギヤードニュートラルの状態を実現できる。この為、発進クラッチを省略して、無段変速装置全体としての小型・軽量化を図れる。
上述の請求項7に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項8〜9に記載した様に、前段側キャリアに回転自在に支持した複数本の前段側遊星軸の両端部にそれぞれ、前段側遊星歯車と前段側伝達用遊星歯車とを、これら各前段側遊星軸と共に回転自在に設ける。そして、このうちの各前段側伝達用遊星歯車と、中間伝達軸の一部にこの中間伝達軸と共に回転自在に設けた、伝達用太陽歯車とを噛合させる。又、上記前段側キャリアの周囲に前段側太陽歯車と同心に且つ回転自在に支持された前段側リング歯車と、上記各前段側遊星歯車又は上記各前段側伝達用遊星歯車とを、各前段外径側遊星歯車を介して噛合させる。
そして、請求項8に記載した発明の場合には、中段遊星歯車式変速機構を構成する中段太陽歯車を上記前段側リング歯車に、この前段側リング歯車と共に回転自在に結合する。又、上記中段遊星歯車式変速機構を構成する中段キャリアを後段側キャリアに対し、同期した回転を自在に結合する。又、上記中段太陽歯車の周囲にこの中段太陽歯車と同心に且つ回転自在に支持された中段リング歯車と、上記中段キャリアに回転自在に支持されて上記中段太陽歯車と噛合した中段遊星歯車とを噛合させる。そして、クラッチ装置は、上記中段リング歯車と固定の部分との間に設けられて、接続時にこの中段リング歯車の回転を阻止する低速用クラッチと、後段側リング歯車と固定の部分との間に設けられて、接続時にこの後段側リング歯車の回転を阻止する高速用クラッチとから構成する。
この様な構成によれば、パワースプリット状態となる運転モードだけでなく、入力軸を回転させたまま出力軸を停止させるギヤードニュートラルの状態を実現できる、実用的な構造を得られる。
又、請求項9に記載した発明の場合には、中段遊星歯車式変速機構を構成する中段キャリアを固定の部分に支持固定する。又、この中段キャリアに回転自在に支持した複数本の中段遊星軸の両端部に設けた第一、第二両中段遊星歯車を、これら各中段遊星軸と共に回転自在とする。そして、これら第一、第二両中段遊星歯車を介して、上記前段側リング歯車の回転を後段側キャリアに伝達自在とする。又、クラッチ装置は、低速用クラッチと高速用クラッチとから構成する。このうちの低速用クラッチは、上記前段側リング歯車と後段側キャリアとの間に設けて、接続時にこれら前段側リング歯車と後段側キャリアとの間でのトルク伝達を可能にする。一方、上記高速用クラッチは、後段側リング歯車と固定の部分との間に設けて、接続時にこの後段側リング歯車の回転を阻止する。
この様な構成によっても、パワースプリット状態となる運転モードだけでなく、入力軸を回転させたまま出力軸を停止させるギヤードニュートラルの状態を実現できる、実用的な構造を得られる。又、請求項9に記載した発明の場合には、上記中段キャリアが回転しない為、上記中段遊星歯車式変速機構を構成する、上記各第一、第二中段遊星歯車の回転速度を低く抑えられる。そして、この中段遊星歯車式変速機構部分の耐久性及び伝達効率に就いても、良好にできる。
又、上述の様な請求項9に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項10に記載した様に、各第一中段遊星歯車を、前段側リング歯車と同心に配置されてこの前段側リング歯車と共に回転する、中段リング歯車に噛合させる。又、各第二中段遊星歯車を、中間伝達軸の周囲にこの中間伝達軸と同心に、回転自在に配置された、中段太陽歯車に噛合させる。そして、この中段太陽歯車と後段側キャリアとを、低速用クラッチを介して、この低速用クラッチの接続時にトルク伝達自在に結合する。
或いは、上述の様な請求項9に記載した発明を実施する場合に、請求項11に記載した様に、各第一中段遊星歯車を、前段側リング歯車と同心に配置されてこの前段側リング歯車と共に回転する中段リング歯車に、中段外径側遊星歯車を介して噛合させる。又、各第二中段遊星歯車を、中間伝達軸の周囲にこの中間伝達軸と同心に、回転自在に配置された第二中段リング歯車に噛合させる。そして、この第二中段リング歯車と後段側キャリアとを、低速用クラッチを介して、この低速用クラッチの接続時にトルク伝達自在に結合する。
図1は、請求項1〜6に対応する、本発明の実施例1を示している。本実施例の無段変速装置は、入力軸1と、トロイダル型無段変速機2と、中間伝達軸3と、前段側、後段側両遊星歯車式変速機構4、5と、出力軸6とを、動力の伝達方向に関して互いに直列に配置して成る。そして、運転時には、上記入力軸1から上記出力軸6に伝達するトルクよりも上記トロイダル型無段変速機2を通過するトルクが小さくなる、所謂パワースプリット状態で運転される。このうちの入力軸1は、運転時に、図示しないエンジンのクランクシャフト等の駆動軸により、やはり図示しない、トルクコンバータ等の発進クラッチを介して、回転駆動される。
上記トロイダル型無段変速機2は、動力の伝達を、互いに並列な2系統で行なう、所謂ダブルキャビティ型で、1対の入力側ディスク7a、7bと、一体型の出力側ディスク8と、複数個のパワーローラ9、9とから成る。このうちの両入力側ディスク7a、7bは、軸方向に互いに離隔した位置に互いに同心に、それぞれのトロイド側面を互いに対向させた状態で配置している。即ち、上記両入力側ディスク7a、7bのうち、上記駆動軸側(図1の左側)に位置する一方の入力側ディスク7aは、上記入力軸1の前端部(この駆動軸側で、図1の左端部)外周面に、この入力軸1と同期した回転を自在に支持している。これに対して他方の入力側ディスク7bは、この入力軸1の後端寄り部分(図1の右端寄り部分)に、上記前段側遊星歯車式変速機構4を構成する前段側キャリア10を介して結合固定し、やはり、上記入力軸1と同期した回転を自在としている。又、上記出力側ディスク8は、1対の出力側ディスクの背面同士を突き合わせた状態で一体とした如き形状で、軸方向両側面を、それぞれトロイド曲面としている。この様な出力側ディスク8は、上記両入力側ディスク7a、7b同士の間で上記入力軸1の周囲に、そのトロイド側面をこれら両入力側ディスク7a、7bのトロイド側面に対向させた状態で、上記入力軸1に対する相対回転を自在に設けている。更に、上記各パワーローラ9、9は、上記両入力側ディスク7a、7bと上記出力側ディスク8とのトロイド側面同士の間に、それぞれ複数個ずつ挟持している。そして、上記各パワーローラ9、9を同期して揺動変位させる事により、上記両入力側ディスク7a、7bと上記出力側ディスク8との間の変速度比を調節自在としている。この様なトロイダル型無段変速機2の構造及び作用は、従来から広く知られているトロイダル型無段変速機と同様である為、詳しい説明は省略する。
又、前記前段側、後段側両遊星歯車式変速機構4、5のうち、上記トロイダル型無段変速機2の側に配置した前段側遊星歯車式変速機構4は、上記前段側キャリア10を有する。そして、この前段側キャリア10の円周方向等間隔位置に、複数本(一般的には3〜4本)の前段側遊星軸11を、図示しないラジアルニードル軸受及びスラストニードル軸受等により、回転自在に支持している。又、上記各前段側遊星軸11の両端部にそれぞれ、前段側遊星歯車12と前段側伝達用遊星歯車13とを固定し、これら両歯車12、13と上記各前段側遊星軸11とが、同期して回転する様にしている。又、これら両歯車12、13のうち、上記トロイダル型無段変速機2側に設けた前段側遊星歯車12と、上記出力側ディスク8と共に回転する、前段側太陽歯車14とを噛合させている。この為に、中空回転軸15の基端部を上記出力側ディスク8の内径部に結合固定すると共に、この中空回転軸15の先端部に、上記前段側太陽歯車14を固設している。
一方、上記両歯車12、13のうち、前記後段側遊星歯車式変速機構5の側に設けた前段側伝達用遊星歯車13と、伝達用太陽歯車16とを噛合させている。この伝達用太陽歯車16は、前記中間伝達軸3の前端部に、この中間伝達軸3と共に回転自在に設けている。この構成により、上記トロイダル型無段変速機2の変速度比に応じて変化する、上記前段側キャリア10の回転速度と上記前段側太陽歯車14の回転速度との差に相当する速度の回転力を、上記中間伝達軸3に出力自在としている。
又、この中間伝達軸3の後端部に、前記出力軸6の側に配置した前記後段側遊星歯車式変速機構5を構成する、後段側太陽歯車17を、この中間伝達軸3と共に回転自在に設けている。上記後段側遊星歯車式変速機構5は、この中間伝達軸3と前記出力軸6との間に、動力の伝達方向に関して直列に設けられたもので、上記後段側太陽歯車17と、後段側キャリア18と、後段側リング歯車19と、それぞれが複数個ずつの、第一、第二両後段側遊星歯車20、21とを備える。これら第一、第二両後段側遊星歯車20、21は、上記後段側キャリア18に回転自在に支持された複数本の後段側遊星軸22の両端部に、これら各後段側遊星軸22と共に回転自在に設けられたもので、歯数が互いに異なる。そして、このうちの第一後段側遊星歯車20が上記後段側太陽歯車17と噛合し、上記第二後段側遊星歯車21が上記後段側リング歯車19と噛合している。これら第一、第二両後段側遊星歯車20、21は、所謂シングルピニオン型であって、上記後段側太陽歯車17又は上記後段側リング歯車19と、他の歯車を介する事なく、直接噛合している。更に、この後段側リング歯車19と、固定の部分であるハウジング23との間にクラッチ24を設けている。このクラッチ24は、前記入力軸1と上記出力軸6との間で動力の伝達を行なう際に繋がれる。このクラッチ24の接続が断たれた状態は、上記入力軸1と上記出力軸6との間で動力の伝達を行なわない、所謂ニュートラル状態となる。
上述の様に構成する本実施例の無段変速装置の運転時には、上記クラッチ24を閉じた状態で上記入力軸1を、NINなる回転速度で回転駆動する。この結果、この入力軸1と共に前記前段側キャリア10が回転すると同時に、前記前段側太陽歯車14が、この前段側キャリア10と逆方向に回転する。この結果、前記各前段側遊星軸11が、これら前段側太陽歯車14と前段側キャリア10との回転速度に応じた速度で回転し、上記各前段側遊星軸11の回転が、前記中間伝達軸3に取り出され、更に前記後段側遊星歯車式変速機構5により減速されて、上記出力軸6に取り出され、この出力軸6が、NOUT なる回転速度で回転する。
例えば、上記入力軸1の回転速度が一定であっても、上記前段側太陽歯車14の回転速度は、前記トロイダル型無段変速機2の変速度比を変える事により変化し、上記各前段側遊星軸11の回転速度が変化する。従って、このトロイダル型無段変速機2の変速度比を変える事により、無段変速装置全体としての変速度比も変化する。これら、トロイダル型無段変速機2の変速度比の絶対値(変速比)eV と、無段変速装置全体としての変速度比eCVT との関係は、各歯車の歯数により設計的に定まる。
図1に示した構造の場合、前段側太陽歯車14の歯数をZ14とし、前段側遊星歯車12の歯数をZ12とし、前段側伝達用遊星歯車13の歯数をZ13とし、伝達用太陽歯車16の歯数をZ16とし、後段側太陽歯車17の歯数をZ17とし、第一後段側遊星歯車20の歯数をZ20とし、第二後段側遊星歯車21の歯数をZ21とし、後段側リング歯車19の歯数をZ19とした場合には、i12、i3 を次の(1)(2)の様に定義した場合に、上記変速度比eCVT は、次の(3)式により求められる。
12=(Z12・Z16)/(Z14・Z13) −−− (1)
3 =(Z19・Z12)/(Z17・Z13) −−− (2)
CVT =NOUT /NIN=−[{ev −(i12−1)}/{i12(i3 +1)}] −−− (3)
尚、無段変速装置全体としての速度比eCVT が負(−)である理由は、上記入力軸1の回転方向と上記出力軸6の回転方向とが逆になる為である。
又、駆動源から上記入力軸1に入力されるトルクTINと上記トロイダル型無段変速機2を通過するトルクTVIN との関係は、次の(4)式により表される。
VIN /TIN=ev /(ev +1−i12) −−− (4)
例えば、i12=0.8とし、i3 =1.1とした場合に、トロイダル型無段変速機2の速度比eV と無段変速装置全体としての速度比eCVT との関係は図2に示す様になり、駆動源から上記入力軸1に入力されるトルク(エンジントルク)TINと上記トロイダル型無段変速機2を通過するトルク(通過トルク)TVIN との関係は図3に示す様になる。この図3から、本実施例の場合には、実現可能な変速度比の全領域に亙り、駆動源から上記入力軸1に入力されるトルクTINに比べて、上記トロイダル型無段変速機2を通過するトルクTVIN を低く抑えられる事が分かる。
又、本実施例の無段変速装置の場合には、前記後段側遊星歯車式変速機構5をシングルピニオン型としている為、限られた空間内で可能な限り、各第一、第二両後段側遊星歯車20、21の直径を大きくできる。この為、これら各第一、第二後段側遊星歯車20、21等の軸方向寸法を大きくしなくても、これら各第一、第二後段側遊星歯車20、21と、後段側太陽歯車17及び後段側リング歯車19との噛合部の面圧を低く抑えられて、小型・軽量化を図る上で有利になる。又、上記各第一、第二後段側遊星歯車20、21の直径を大きくできる分、これら各第一、第二後段側遊星歯車20、21の回転速度を低く抑えられ、これら各第一、第二後段側遊星歯車20、21を支持している、ニードル軸受等の回転支持部での摩擦損失を低く抑えて、伝達効率の向上を図る上から有利になる。又、円周方向に隣り合う各第一、第二後段側遊星歯車20、21同士の間の空間を広くできて、後段側キャリア18を構成する柱部の断面積を大きくでき、この後段側キャリア18の強度を確保する面から有利になる。
又、上記後段側キャリア18を出力軸6と共に回転させて、上記後段側遊星歯車式変速機構5から出力軸6に動力を、上記後段側キャリア18から取り出している。従って、この後段側キャリア18の回転方向と、上記後段側遊星歯車式変速機構5の入力部材である、上記後段側太陽歯車17の回転方向とが同じになる。この為、上記各第一、第二後段側遊星歯車20、21の回転速度を、前述した特許文献2〜3に記載された構造の様に、太陽歯車とキャリアとが逆方向に回転する構造に比べた場合は勿論、前述した特許文献4に記載された構造の様に、キャリアが回転しない構造に比べても低く抑えられる。この為、上記特許文献2〜4に記載された構造に比べて、上記各第一、第二後段側遊星歯車20、21の回転速度をより低く抑えられ、伝達効率のより一層の向上を図れる。
図4は、請求項1〜5、7〜8に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の特徴は、前段側遊星歯車式変速機構4aと後段側遊星歯車式変速機構5aとの間に、中段遊星歯車式変速機構25を、動力の伝達方向に関して中間伝達軸3と並列に設けると共に、クラッチ装置である、高速用クラッチ26と低速用クラッチ27とを設けた点にある。本実施例の場合には、これら中段遊星歯車式変速機構25と、高速用クラッチ26と、低速用クラッチ27とを設ける事により、入力軸1を回転させたまま出力軸6を停止させる、ギヤードニュートラル状態を実現可能にしている。そして、トルクコンバータ等の発進クラッチを省略して、無段変速装置全体としての小型・軽量化を図れる様にしている。先ず、上記低速用クラッチ27を繋いで上記高速用クラッチ26の接続を断った低速モード時に、上記ギヤードニュートラル状態を挟んで、前進、後退の切り換えが可能になる。これに対して、上記低速用クラッチ27の接続を断って上記高速用クラッチ26を接続した高速モード時に、トロイダル型無段変速機2を通過するトルクを低減する、パワースプリット状態となる。即ち、上記高速用クラッチ26は、上述した実施例1に於けるクラッチ24に相当する。上記後段側遊星歯車式変速機構5aをシングルピニオン型とする事により、上記パワースプリット状態で、この後段側遊星歯車式変速機構5a部分の伝達効率及び耐久性の向上を図る点は、上述した実施例1と同様であるから、重複する説明は省略し、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
上記中段遊星歯車式変速機構25に動力を伝達すべく、本実施例の場合には、上記前段側遊星歯車式変速機構4aを構成する前段側キャリア10の周囲に前段側リング歯車28を、この前段側遊星歯車式変速機構4aを構成する前段側太陽歯車14と同心に且つ回転自在に支持している。そして、上記前段側リング歯車28と、上記前段側遊星歯車式変速機構4aを構成する各前段側遊星歯車12とを、各前段外径側遊星歯車29を介して噛合させている。これら各前段外径側遊星歯車29は、上記前段側キャリア10の一部で上記各前段側遊星歯車12よりも外径寄り部分に、回転自在に支持している。尚、上記前段側リング歯車28と、前段側伝達用遊星歯車13とを、各前段外径側遊星歯車を介して噛合させる事もできる。
何れにしても、上記中段遊星歯車式変速機構25を構成する中段太陽歯車30を上記前段側リング歯車28に、結合筒31を介して、この前段側リング歯車28と共に回転自在に結合させる。又、上記中段遊星歯車式変速機構25を構成する中段キャリア32を、上記後段側遊星歯車式変速機構5aを構成する後段側キャリア18に対し、同期した回転を自在に結合している。本実施例の場合には、これら両キャリア32、18を構成する支持板の一部を共用する事により、これら両キャリア32、18を一体としている。又、上記中段太陽歯車30の周囲に中段リング歯車33を、この中段太陽歯車30と同心に且つ回転自在に支持している。そして、この中段リング歯車33と、上記中段キャリア32に回転自在に支持された中段遊星歯車34とを噛合させている。本実施例の場合、この中段遊星歯車34は、互いに噛合した1対の遊星歯車素子35a、35bのうちの内径側の遊星歯車素子35aを上記中段太陽歯車30に、外径側の遊星歯車素子35bを上記中段リング歯車33に、それぞれ噛合させた、ダブルピニオン型である。
又、本実施例の場合には、上記中段遊星歯車式変速機構25を設けた事に伴って、上記後段側遊星歯車式変速機構5aの軸方向寸法を短縮し、無段変速装置全体としての大型化を防止している。具体的には、上記後段側遊星歯車式変速機構5aを構成する後段側遊星歯車36の軸方向寸法を短縮し、この後段側遊星歯車36を、後段側太陽歯車17と後段側リング歯車19とに噛合させている。そして、前記クラッチ装置を構成する高速用クラッチ26と低速用クラッチ27とのうちの、高速用クラッチ26を、上記後段側リング歯車19とハウジング23との間に、上記低速用クラッチ27を上記中段リング歯車33とこのハウジング23との間に、それぞれ設けている。
上述の様な本実施例の構造によれば、パワースプリット状態となる運転モードだけでなく、入力軸1を回転させたまま出力軸6を停止させるギヤードニュートラルの状態を実現できる。即ち、前述した様に、上記高速用クラッチ26を繋ぎ、上記低速用クラッチ27の接続を断った高速モード時には、前述した実施例1の場合と同様に、トロイダル型無段変速機2を通過するトルクを低減する、パワースプリット状態となる。これに対して、やはり前述した通り、上記低速用クラッチ27を繋いで上記高速用クラッチ26の接続を断った低速モード時に、上記ギヤードニュートラル状態を挟んで、前進、後退の切り換えが可能になる。従って、前記発進クラッチが不要になり、無段変速装置全体としての小型・軽量化を図れる。
図4に示した構造の場合、上記高速モード時のトロイダル型無段変速機2の変速度比(変速比)eV と無段変速装置全体としての速度比eCVT との関係、及び、駆動源から上記入力軸1に入力されるトルクTINと上記トロイダル型無段変速機2を通過するトルクTVIN との関係は、前述した実施例1の場合と、実質的に同様である。これに対して、低速モード時の上記両速度比eV 、eCVT 同士の関係、及び、上記両トルクTIN、TVIN 同士の関係は、次の様にして求められる。
先ず、前記前段側遊星歯車式変速機構4aを構成する前段側リング歯車28の歯数Z28と、前段側太陽歯車14の歯数Z14との比Z28/Z14を、i1 とする。又、中段遊星歯車式変速機構25を構成する中段太陽歯車30の歯数Z30と、中段リングギヤ33の歯数Z33との比Z33/Z30を、i3L(i3L=Z33/Z30)とする。この場合、前記後段側遊星歯車式変速機構5aを構成する後段側太陽歯車17がNs回転した場合の、後段側キャリア18の回転数Ncは、次の(5)式で表される。
Nc=1/(i3L−1)・Ns −−− (5)
そして、上記低速モード時に於ける前記出力軸6の回転速度NOUT は、トロイダル型無段変速機2の速度比との関係で、上記入力軸1の回転速度NINから、次の(6)式で表せる。
OUT =−[(i1 −1−eV )/{i1 ・(i3L−1)}]・NIN −−− (6) 又、駆動源から上記入力軸1に入力されるトルクTINと上記トロイダル型無段変速機2を通過するトルクTVIN との関係は、次の(7)式により表される。
VIN =−{ev /(i1 −1−ev )}・TIN −−− (7)
例えば、i1 =2とし、i12=0.8とし、i3L=2とし、i3H(後段側遊星歯車式変速機構5aを構成する後段側リング歯車19の歯数Z19と後段用太陽歯車17の歯数Z17との比=Z19/Z17)=2.1とした場合に、トロイダル型無段変速機2の速度比eV と無段変速装置全体としての速度比eCVT との関係は図5に示す様になり、駆動源から上記入力軸1に入力されるトルク(エンジントルク)TINと上記トロイダル型無段変速機2を通過するトルク(通過トルク)TVIN との関係は図6に示す様になる。このうちの図5の鎖線から、上記トロイダル型無段変速機2の変速度比の絶対値eV を1(等速伝達状態)程度に規制すれば、ギヤードニュートラル状態を実現できる事が分かる。尚、上記変速度比の絶対値eV を1よりも増速側に変化させれば、前記出力軸6を、後退方向に回転させられる。又、この変速度比の絶対値eV を1よりも減速側に変化させれば、上記出力軸6を、前進方向に回転させられる。又、この変速度比の絶対値eV が0.4程度の状態では低速モードでの変速度比と高速モードでの変速度比とが一致する為、この状態で前記高速用、低速用両クラッチ26、27の断接を行なえば、変速ショックを生じる事なくモード変換を行なえる事も分かる。更に、図6の実線から、高速モード状態では、本実施例の場合も、駆動源から上記入力軸1に入力されるトルクTINに比べて、上記トロイダル型無段変速機2を通過するトルクTVIN を低く抑えられる事が分かる。
図7は、請求項1〜5、7、9〜10に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例の特徴は、中段遊星歯車式変速機構25aを構成する中段キャリア32aを固定とする事により、この中段遊星歯車式変速機構25aを構成する中段遊星歯車34の回転速度を低く抑える点にある。その他の部分の基本的構成及び作用は、上述した実施例2の場合と同様であるから、同等部分に関する説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
本実施例の場合には、上記中段キャリア32aを、固定の部分であるハウジング23に対し支持固定している。又、この中段キャリア32aに複数本の中段遊星軸37を回転自在に支持して、これら各中段遊星軸37の両端部に設けた第一、第二両中段遊星歯車38、39を、これら各中段遊星軸37と共に回転自在としている。そして、これら第一、第二両中段遊星歯車38、39を介して、前段側遊星歯車式変速機構4aを構成する前段側リング歯車28の回転を、後段側遊星歯車式変速機5aを構成する後段側キャリア18に伝達自在としている。この為に本実施例の場合には、各第一中段遊星歯車38を、上記中段遊星歯車式変速機構25aを構成する中段リング歯車33に噛合させている。この中段リング歯車33は、上記前段側リング歯車28と同心に配置された状態でこの前段側リング歯車28と、結合筒40を介して結合されており、この前段側リング歯車28と共に回転する。又、上記各第二中段遊星歯車39を、中間伝達軸3の周囲にこの中間伝達軸3と同心に、回転自在に配置された中段太陽歯車30に噛合させている。そして、この中段太陽歯車30と上記後段側キャリア18とを、低速用クラッチ27を介して、この低速用クラッチ27の接続時にトルク伝達自在に結合している。
上述の様な構成を有する本実施例の場合には、パワースプリット状態となる高速モード時だけでなく、入力軸1を回転させたまま出力軸6を停止させるギヤードニュートラルの状態を実現できる低速モード時の伝達効率及び耐久性の向上を図れる。即ち、本実施例の場合には、上記中段キャリア32aが回転しない為、上記中段遊星歯車式変速機構25aを構成する、上記各第一、第二中段遊星歯車38、39の回転速度を低く抑えられる。この為、上記中段遊星歯車式変速機構25a部分、特に、中段遊星軸37の回転支持部及び上記各第一、第二中段遊星歯車38、39と相手歯車33、30との噛合部の耐久性及び伝達効率を良好にできる。
図8は、請求項1〜5、7、9、11に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例の特徴も、上述した実施例3の場合と同様に、中段遊星歯車式変速機構25bを構成する中段キャリア32aを固定とする事により、この中段遊星歯車式変速機構25bを構成する中段遊星歯車34の回転速度を低く抑える点にある。その他の部分の基本的構成及び作用は、前述した実施例2の場合と同様であり、中段キャリア32aを固定した事による効果は、上述した実施例3と同様であるから、同等部分に関する説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
本実施例の場合には、各第一中段遊星歯車38を、前段側リング歯車28と同心に配置されてこの前段側リング歯車28と共に回転する中段リング歯車33に、中段外径側遊星歯車41を介して噛合させている。又、各第二中段遊星歯車39を、上記中段キャリア32aに対して、上記中段リング歯車33と反対側に設けた、第二中段リング歯車42に噛合させている。そして、この第二中段リング歯車42と後段側キャリア18とを、低速用クラッチ27を介して、この低速用クラッチ27の接続時にトルク伝達自在に結合している。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施例3と同様である。
本発明は、図示の様なハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機を利用して実施できる事は勿論、フルトロイダル型のトロイダル型無段変速機を利用して実施する事もできる。
本発明の実施例1を示す、半部略断面図。 実施例1で、トロイダル型無段変速機の変速度比の絶対値と、無段変速装置全体の変速度比との関係を示す線図。 同じく無段変速装置全体の変速度比と、トロイダル型無段変速機を通過するトルクの大きさとの関係を示す線図。 本発明の実施例2を示す、半部略断面図。 実施例2で、トロイダル型無段変速機の変速度比の絶対値と、無段変速装置全体の変速度比との関係を示す線図。 同じく無段変速装置全体の変速度比と、トロイダル型無段変速機を通過するトルクの大きさとの関係を示す線図。 本発明の実施例3を示す、半部略断面図。 同実施例4を示す、半部略断面図。
符号の説明
1 入力軸
2 トロイダル型無段変速機
3 中間伝達軸
4、4a 前段側遊星歯車式変速機構
5、5a 後段側遊星歯車式変速機構
6 出力軸
7a、7b 入力側ディスク
8 出力側ディスク
9 パワーローラ
10 前段側キャリア
11 前段側遊星軸
12 前段側遊星歯車
13 前段側伝達用遊星歯車
14 前段側太陽歯車
15 中空回転軸
16 伝達用太陽歯車
17 後段側太陽歯車
18 後段側キャリア
19 後段側リング歯車
20 第一後段側遊星歯車
21 第二後段側遊星歯車
22 後段側遊星軸
23 ハウジング
24 クラッチ
25、25a、25b 中段遊星歯車式変速機構
26 高速用クラッチ
27 低速用クラッチ
28 前段側リング歯車
29 前段外径側遊星歯車
30 中段太陽歯車
31 結合筒
32、32a 中段キャリア
33 中段リング歯車
34 中段遊星歯車
35a、35b 遊星歯車素子
36 後端側遊星歯車
37 中段遊星軸
38 第一中段遊星歯車
39 第二中段遊星歯車
40 結合筒
41 中段外径側遊星歯車
42 第二中段リング歯車

Claims (11)

  1. 入力軸と、トロイダル型無段変速機と、中間伝達軸と、複数段の遊星歯車式変速機構と、出力軸とを、動力の伝達方向に関して互いに直列に配置して成り、少なくとも上記入力軸から上記出力軸に伝達するトルクよりも上記トロイダル型無段変速機を通過するトルクが小さくなる運転モードを備えた無段変速装置であって、
    このうちのトロイダル型無段変速機は、上記入力軸と共に回転する入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を可能に設けられた出力側ディスクと、これら両ディスクに設けられて互いに対向する、それぞれがトロイド曲面である軸方向側面同士の間に挟持された複数のパワーローラとを備えたものであり、
    上記各遊星歯車式変速機構のうち、上記トロイダル型無段変速機の側に配置した前段側遊星歯車式変速機構は、前段側キャリアと、この前段側キャリアに回転自在に支持した複数個の前段側遊星歯車と、これら各前段側遊星歯車と噛合した、前段側太陽歯車と前段側リング歯車とのうちの少なくとも一方の歯車とを備え、上記トロイダル型無段変速機の変速度比に応じて変化する、上記前段側キャリアの回転速度と上記前段側太陽歯車又は上記前段側リング歯車の回転速度との差に相当する速度の回転力を上記中間伝達軸に出力するものであり、
    上記出力軸の側に配置した後段側遊星歯車式変速機構は、後段側太陽歯車と、後段側キャリアと、後段側リング歯車と、複数の後段側遊星歯車とを備えたものであって、これら各後段側遊星歯車は、上記後段側キャリアに回転自在に支持されて、同体若しくは同軸の遊星歯車が上記後段側リング歯車に噛合すると共に上記後段側太陽歯車にも噛合する、シングルピニオン型であり、上記後段側太陽歯車と上記後段側キャリアと上記後段側リング歯車との3個の部材のうちの後段側キャリアが上記出力軸と共に回転し、残り2個の部材のうちの1個の部材が上記中間伝達軸と共に回転し、残り1個の部材が、少なくとも上記運転モードを実現する際に固定の部分に結合されて回転しない
    無段変速装置。
  2. トロイダル型無段変速機が、軸方向に互いに離隔した位置に互いに同心に、それぞれのトロイド側面を互いに対向させた状態で配置した1対の入力側ディスクと、これら両入力側ディスク同士の間に、そのトロイド側面をこれら両入力側ディスクのトロイド側面に対向させた状態で設けられた出力側ディスクとを備え、これら両入力側ディスクと出力側ディスクとのトロイド側面同士の間にそれぞれ複数個のパワーローラを挟持した、ダブルキャビティ型であり、前段側遊星歯車式変速機構は、入力軸と一方の入力側ディスクとを結合固定する状態で設けられてこの入力軸と共に回転する前段側キャリアに回転自在に支持した前段側遊星歯車を、上記出力側ディスクと共に回転する前段側太陽歯車に噛合させたもので、上記トロイダル型無段変速機の変速度比に応じて変化する、上記前段側キャリアの回転速度と上記前段側太陽歯車の回転速度との差に相当する速度の回転力を中間伝達軸に出力するものである、請求項1に記載した無段変速装置。
  3. 後段側太陽歯車が中間伝達軸と共に回転し、後段側リング歯車が、入力軸から出力軸に伝達するトルクよりもトロイダル型無段変速機を通過するトルクが小さくなる運転モードを実現する際に固定の部分に結合されて回転しない、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した無段変速装置。
  4. 前段側キャリアに回転自在に支持された複数本の前段側遊星軸の両端部にそれぞれ、前段側遊星歯車と前段側伝達用遊星歯車とが、これら各前段側遊星軸と共に回転自在に設けられており、これら各前段側伝達用遊星歯車と、中間伝達軸の一部にこの中間伝達軸と共に回転自在に設けられた、伝達用太陽歯車とが噛合している、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した無段変速装置。
  5. 後段側太陽歯車が中間伝達軸と共に回転自在であり、後段側遊星歯車が、後段側キャリアに回転自在に支持された複数本の後段側遊星軸の両端部にこれら各後段側遊星軸と共に回転自在に設けられた、互いに歯数が異なる、第一、第二両後段側遊星歯車であり、このうちの第一後段側遊星歯車が上記後段側太陽歯車と噛合し、第二後段側遊星歯車が後段側リング歯車と噛合している、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した無段変速装置。
  6. 動力源と入力軸との間に発進クラッチを設置した状態で使用される、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した無段変速装置。
  7. 前段側遊星歯車式変速機構と後段側遊星歯車式変速機構との間に中段遊星歯車式変速機構を、動力の伝達方向に関して中間伝達軸と並列に設けると共に、この中段遊星歯車式変速機構を通じて動力の伝達を行なうか否かを切り換える為のクラッチ装置を設けた、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した無段変速装置。
  8. 前段側キャリアに回転自在に支持された複数本の前段側遊星軸の両端部にそれぞれ、前段側遊星歯車と前段側伝達用遊星歯車とが、これら各前段側遊星軸と共に回転自在に設けられており、このうちの各前段側伝達用遊星歯車と、中間伝達軸の一部にこの中間伝達軸と共に回転自在に設けられた、伝達用太陽歯車とが噛合しており、上記前段側キャリアの周囲に前段側太陽歯車と同心に且つ回転自在に支持された前段側リング歯車と上記各前段側遊星歯車又は上記各前段側伝達用遊星歯車とが、各前段外径側遊星歯車を介して噛合しており、中段遊星歯車式変速機構を構成する中段太陽歯車が上記前段側リング歯車に、この前段側リング歯車と共に回転自在に結合されており、上記中段遊星歯車式変速機構を構成する中段キャリアが後段側キャリアに対し、同期した回転を自在に結合されており、上記中段太陽歯車の周囲にこの中段太陽歯車と同心に且つ回転自在に支持された中段リング歯車と、上記中段キャリアに回転自在に支持されて上記中段太陽歯車と噛合した中段遊星歯車とが噛合しており、クラッチ装置は、上記中段リング歯車と固定の部分との間に設けられて、接続時にこの中段リング歯車の回転を阻止する低速用クラッチと、後段側リング歯車と固定の部分との間に設けられて、接続時にこの後段側リング歯車の回転を阻止する高速用クラッチとから成るものである、請求項7に記載した無段変速装置。
  9. 前段側キャリアに回転自在に支持された複数本の前段側遊星軸の両端部にそれぞれ、前段側遊星歯車と前段側伝達用遊星歯車とが、これら各前段側遊星軸と共に回転自在に設けられており、このうちの各前段側伝達用遊星歯車と、中間伝達軸の一部にこの中間伝達軸と共に回転自在に設けられた、伝達用太陽歯車とが噛合しており、上記前段側キャリアの周囲に前段側太陽歯車と同心に且つ回転自在に支持された前段側リング歯車と上記各前段側遊星歯車又は上記各前段側伝達用遊星歯車とが、各前段外径側遊星歯車を介して噛合しており、中段遊星歯車式変速機構を構成する中段キャリアが固定の部分に支持固定されており、この中段キャリアに回転自在に支持された複数本の中段遊星軸の両端部に設けられてこれら各中段遊星軸と共に回転する第一、第二両中段遊星歯車を介して、上記前段側リング歯車の回転を後段側キャリアに伝達自在としており、クラッチ装置は、これら前段側リング歯車と後段側キャリアとの間に設けられて、接続時にこれら前段側リング歯車と後段側キャリアとの間でのトルク伝達を可能にする低速用クラッチと、後段側リング歯車と固定の部分との間に設けられて、接続時にこの後段側リング歯車の回転を阻止する高速用クラッチとから成るものである、請求項7に記載した無段変速装置。
  10. 各第一中段遊星歯車を、前段側リング歯車と同心に配置されてこの前段側リング歯車と共に回転する中段リング歯車に噛合させており、各第二中段遊星歯車を、中間伝達軸の周囲にこの中間伝達軸と同心に、回転自在に配置された中段太陽歯車に噛合させており、この中段太陽歯車と後段側キャリアとを、低速用クラッチを介して、この低速用クラッチの接続時にトルク伝達自在に結合している、請求項9に記載した無段変速装置。
  11. 各第一中段遊星歯車を、前段側リング歯車と同心に配置されてこの前段側リング歯車と共に回転する中段リング歯車に、中段外径側遊星歯車を介して噛合させており、各第二中段遊星歯車を、中間伝達軸の周囲にこの中間伝達軸と同心に、回転自在に配置された第二中段リング歯車に噛合させており、この第二中段リング歯車と後段側キャリアとを、低速用クラッチを介して、この低速用クラッチの接続時にトルク伝達自在に結合している、請求項9に記載した無段変速装置。
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