JP2006316699A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動無段変速機を備えた車両の定速走行制御時に、運転者に違和感を与えるエンジン回転速度の変動が発生することを回避する。
【解決手段】 自動走行制御中に、車速が安定し、かつ、そのときのエンジン回転速度が所定値以上であると、無段変速機の変速比変化を抑制する処理を行う。これにより、車速を目標車速に一致させるためのスロットル開度変化に反応して、変速比が通常に変化してしまうことを防止する。変速比変化を抑制する処理は、スロットル開度の変化,車速偏差,目標車速の変更に伴ってキャンセルされる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、エンジンの発生トルクが自動無段変速機を介して駆動輪に伝達される車両であって、エンジンの発生トルクを制御する定速走行制御装置を備えた車両の制御装置に関する。
特許文献1には、定速走行制御を行うと共に、無段変速機を備えた車両において、定速走行制御における減速要求に対して、車両の駆動源に加わる負荷を増加させる制御装置が開示されている。
特開2001−233081号公報
ところで、定速走行制御において実車速を目標車速に一致させるための制御は、一般的に、エンジンのスロットル開度(吸入空気量)を調整することで行われる。
ここで、エンジン発生トルクが自動有段変速機を介して駆動輪に伝達される車両を、平地で定速走行させる場合は、目標車速(設定車速)を維持させるのに変速段の切り換りが発生するほどにスロットル開度を変化させることがなく、エンジン回転速度は吸入空気量の調整のみによって比較的緩やかに変化する。
しかし、エンジン発生トルクが自動無段変速機を介して駆動輪に伝達される車両の場合には、僅かなスロットル開度の変化にも反応して変速比がリニアに変化し、例えば、車速を増大させる要求に対して吸入空気量の増量と変速比のシフトダウンとが同時に行われる。
このため、自動無段変速機を備えた車両において定速走行制御を行わせると、車速が比較的安定している状態であるにも関わらず、エンジン回転速度の大きな変動が発生し、運転者に違和感を与えてしまうという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、自動無段変速機を備えた車両の定速走行制御時に、運転者に違和感を与えるエンジン回転速度の変動が発生することを回避できる車両の制御装置を提供することを目的とする。
そのため請求項1記載の発明では、定速走行制御装置によりエンジンの発生トルクが制御される状態において、自動無段変速機における変速比変化を抑制する構成とした。
かかる構成によると、定速走行制御に伴うエンジン発生トルクの変化を受けて、自動無段変速機の変速比が変化するときに、この変速比変化を抑制する処理が行われる。
従って、エンジン発生トルクの変化に同期して変速比が大きく変化することが回避され、エンジン回転速度の変動を抑制することができる。
請求項2記載の発明では、定速走行制御装置によりエンジンの発生トルクが制御される状態であって、かつ、車速の安定状態であるときに、自動無段変速機における変速比変化を抑制する構成とした。
かかる構成によると、車速が安定していて、大きな駆動力の増減が必要なく、エンジン発生トルクの調整のみで必要充分に車速を制御できる場合には、自動無段変速機の変速比変化を抑制する。
従って、例えば平地を定速走行しているときに、エンジン発生トルクの制御に同期して変速比が大きく変動することで、エンジン回転速度が大きく変動し、運転者に違和感を与えることを防止できる。
請求項3記載の発明では、定速走行制御装置によりエンジンの発生トルクが制御される状態において、自動無段変速機における変速比を固定する構成とした。
かかる構成によると、定速走行制御に伴ってエンジン発生トルクが変化しても、これに対応する無段変速機の変速制御を禁止し、無段変速機の変速比を固定する。
従って、定速走行制御が、エンジン発生トルクの制御のみによって行われ、定速走行制御に伴うエンジン発生トルクの変化に同期して変速比が変化することがなく、エンジン回転速度の大きな変動を防止できる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施形態における車両の駆動系を示すシステム図である。
本実施形態の駆動系は、エンジン101で発生したトルクを、自動無段変速機1を介して駆動輪(図示省略)に伝達する構成である。
図1において、エンジン(内燃機関)101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ103bを開閉駆動する電子制御スロットル104が介装され、該電子制御スロットル104及び吸気バルブ105を介して、燃焼室106内に空気が吸入される。
エンジン101の燃焼排気は、燃焼室106から排気バルブ107を介して排出され、フロント触媒108及びリア触媒109で浄化された後、大気中に放出される。
前記吸気バルブ105及び排気バルブ107は、それぞれ吸気側カムシャフト110A,排気側カムシャフト110Bに設けられたカムによって開閉駆動される。
また、各気筒の吸気バルブ105上流側の吸気ポート111には、電磁式の燃料噴射弁112が設けられる。
前記燃料噴射弁112は、エンジンコントロールユニット(ECU)113から気筒毎に出力される噴射パルス信号によって開弁駆動されると、所定圧力に調整された燃料を吸気バルブ105に向けて噴射する。
シリンダ内に形成された混合気は、点火プラグ114による火花点火によって着火燃焼する。
前記点火プラグ114には、それぞれにパワートランジスタを内蔵したイグニッションコイル115が設けられており、前記エンジンコントロールユニット113は、前記パワートランジスタをスイッチング制御することによって、各気筒の点火時期(点火進角値)を独立に制御する。
前記エンジンコントロールユニット113には、エンジン101の吸入空気量Qを検出するエアフローメータ115、アクセル開度を検出するアクセルペダルセンサ(APS)116、クランクシャフト121から単位クランク角度毎のポジション信号POSを取り出すクランク角センサ117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118、車速を検出する車速センサ119からの検出信号が入力される。
そして、前記エンジンコントロールユニット113は、前記検出信号に基づく演算処理によって、前記スロットルモータ103a,燃料噴射弁112,パワートランジスタに制御信号を出力する。
更に、前記エンジンコントロールユニット113は、定速走行制御装置(Auto Speed Control Device)における制御機能を担うようになっている。
前記エンジンコントロールユニット113には、定速走行制御装置の操作スイッチ信号が入力されると共に、ブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキスイッチ131の信号,エンジン101と組み合わされる無段変速機1がニュートラルであるか否かを示すニュートラルスイッチ132の信号が入力される。
前記定速走行制御装置の操作スイッチとしては、メインスイッチに相当するクルーズON・OFFスイッチ(CRUISE ON OFF SW)134、アクセラレート・リジューム・スイッチ(ACCEL RES SW)137、コースト・セット・スイッチ(COAST SET SW)136、キャンセルスイッチ(CANCEL SW)135が設けられる。
上記構成の定速走行制御装置においては、実際の車速が目標車速(運転者による設定車速)になるように、前記スロットルモータ103a(スロットルバルブ103bの開度TVO)をフィードバック制御する。
前記定速走行制御装置の操作方法は、概略以下の通りである。
まず、クルーズON・OFFスイッチを押してON状態にし、希望車速のときにコースト・セット・スイッチを押すと、そのときの車速が目標車速にセットされ、該目標車速に実際の車速を維持するように、スロットルバルブ103bの開度TVOをフィードバック制御してエンジン101の発生トルクを制御する。
目標車速を増速させたいときには、アクセラレート・リジューム・スイッチを押し続けると目標車速が上がり、目標車速を減速させたいときには、コースト・セット・スイッチを押し続けると目標車速が下がる。
また、一時的に加速したいときには、アクセルペダルを踏み込むことで加速し、アクセルペダルを戻すと、目標車速での定速走行に戻る。
更に、定速走行制御中に、以下の条件で定速走行制御(目標車速を維持する制御)が解除される。
a)ブレーキペダルが踏まれた場合
b)A/Tセレクトレバーがニュートラル位置に操作された場合
c)目標車速よりも所定速度(例えば13km/h)以上低下した場合
d)車速が所定速度(例えば30km/h)以下になった場合
e)キャンセルスイッチを押した場合
f)クルーズON・OFFスイッチをOFFした場合
尚、定速走行制御が解除された後でも、車速が一度も所定速度(例えば30km/h)以下になってなく、かつ、クルーズON・OFFスイッチがOFFされていない場合には、アクセラレート・リジューム・スイッチを押すと定速走行制御が再開される。
前記自動無段変速機1は、エンジン側のプライマリプーリ2と、駆動軸(デフ)側のセカンダリプーリ3と、これらの間に巻掛けられたベルト4とを備え、プライマリプーリ側アクチュエータ2aの変速圧、及び、セカンダリプーリ側アクチュエータ3aへのライン圧調整により、プーリ比を変化させて、変速比を無段階に変化させることができるものである。
但し、無段変速機としてはトロイダル式等の他の機構のものであっても良い。
前記変速圧及びライン圧は、オイルポンプ5につながる油圧回路6の油圧をリリーフする機能を有する電磁弁7,8により制御して調圧しており、電磁弁7,8はATコントロールユニット9により制御される。
従って、ATコントロールユニット9により電磁弁7,8を制御して、変速圧及びライン圧を調整することにより、変速比を無段階に変化させることができる。
自動変速制御のためにATコントロールユニット9には、前記車速センサ119からの車速信号VSP、スロットルセンサ118からのスロットル開度信号TVO、クランク角センサ117からの回転信号等が入力される。
前記ATコントロールユニット9は、前記入力信号に基づいて、定常状態に対応する基本変速比を設定すると共に、該基本変速比に対して所定の速度で追従変化する目標変速比を設定し、前記目標変速比に実際の変速比を一致させるべく電磁弁7,8をフィードバック制御する。
具体的には、前記車速VSP及びスロットル開度TVOに基づいて運転条件から要求される基本変速比を設定し、この基本変速比と目標変速比との間に偏差がある場合には、前記目標変速比を徐々に前記基本変速比に近づけるように一定時間毎に所定量ずつステップ変化させる。
そして、エンジン回転速度Neと車速VSP(変速機の出力軸回転数)から求められる変速機の実際の変速比が、前記目標変速比に近づくように前記電磁弁7,8をフィードバック制御する。
前記ATコントロールユニット9と前記エンジンコントロールユニット113とは、相互に通信可能に構成され、前記エンジンコントロールユニット113は、図2のフローチャートに示すように、定速走行制御中に所定条件が成立すると、前記ATコントロールユニット9に対して変速比変化を強制的に抑制することを要求する信号を出力する。
図2のフローチャートにおいて、定速走行制御が開始されると(ステップS1)、ステップS2で目標車速に実車速を一致させるためのスロットル開度TVOのフィードバック制御を開始する。
ステップS3では、車速が安定している状態であるか否かを判別する。
例えば、単位時間当たりの車速の変化幅が所定値以下である状態が所定時間以上継続しているときに、車速が安定していると判断する。
車速の安定状態であれば、ステップS4へ進み、エンジン回転速度が所定値以上であるか否かを判別する。
そして、車速の安定状態であって、かつ、エンジン回転速度が所定値以上であるときには、ステップS5へ進み、前記ATコントロールユニット9に対して、無段変速機1における変速比変化を強制的に抑制することを要求する信号を出力する。
車速が安定している状態では、スロットル開度TVOのフィードバック制御のみで、車速を目標車速付近に維持させることができ、このとき、実車速の変動を吸収するためのスロットル開度TVOの変化に連動して無段変速機1の変速比が通常に変化すると、スロットル開度TVOの変化によるエンジン発生トルクの変化に、変速比の変化が重なることで、大きなエンジン回転変動を発生させてしまい(図3参照)、運転者に違和感を与える。
有段変速機の場合には、僅かなスロットル開度TVOの変化では変速段の切り換えが発生せず、変速比が一定に保たれるから、スロットル開度TVOのみで車速が制御され、大きなエンジン回転変動が発生することがない(図3参照)。
そこで、ステップS5では、ATコントロールユニット9に対して変速比変化を強制的に抑制することを要求する信号を出力することで、目標車速に維持するためのスロットル開度TVOの変化に対する、変速比変化を小さく抑制し、運転者に違和感を与えるような大きなエンジン回転速度変動が発生しないようにする。
前記要求信号を受けたATコントロールユニット9では、基本変速比のステップ変化にディレーを設定したり、前記目標変速比を徐々に前記基本変速比に近づけるときのステップ変化量を通常よりも小さくしたり、基本変速比又は目標変速比の変化幅を所定値内に制限したりすることで、変速比変化を鈍らせ、又は、無段変速機1の変速比を強制的に固定したりする。
即ち、変速比変化の強制的な抑制は、変速比変化の応答性を遅くすることの他、変速比の変化代を小さく制限する(変速比の固定を含む)ことが含まれ、係る結果を得られる処理であれば上記処理に限定されるものではない。
尚、無段変速機1の変速比を固定する場合には、図3に示した有段変速機の場合のエンジン回転変化と同様なエンジン回転変化を示すことになる。
一方、車速の変動が大きい場合や、エンジン回転速度が所定値未満であるときには、ステップS10へ進んで、無段変速機1の変速制御を通常に行わせる。
車速の変動が大きい場合には、スロットル開度TVO制御を行い、これに伴って変速比を通常に変化させれば、駆動力を応答良く変化させることができ、車速を速やかに目標車速に収束させることができる。
また、エンジン回転速度が所定値未満である低回転状態では、無段変速機1の変速比が、定速走行制御に伴うスロットル開度TVOの変化に反応して変化しても、運転者に違和感を与えるようなエンジン回転変動を招くことがないので、ステップS10へ進んで、無段変速機1の変速制御を通常に行わせる。
ステップS5で、ATコントロールユニット9に対して変速比変化を強制的に抑制することを要求する信号を出力すると、次のステップS6では、目標車速に維持するためにスロットル開度TVOをフィードバック制御する。
ステップS7では、変速比変化を強制的に抑制した状態で、目標車速を維持するためにスロットル開度TVOをフィードバック制御した結果、スロットル開度TVOを所定以上変化させたか否かを判別する。
具体的には、車速の安定状態であると判断したときの平均的なスロットル開度TVOに対する偏差が所定以上になっているか否かを判別する。
スロットル開度TVOを所定以上に変化させている場合には、走行条件の変化(例えば路面勾配の変化)によって駆動力を大きく変化させる必要が生じているものと判断し、ステップS10へ進んで無段変速機1の変速制御を通常に行わせる。
これにより、スロットル開度TVOの制御に伴って無段変速機1の変速比が通常のように応答変化し、スロットル開度TVOによるエンジン発生トルクの制御と、変速比の変化による駆動力の制御とが同時に行われ、車速を応答良く目標車速に収束させることができる。
また、ステップS7で、スロットル開度TVOの大きな変化がないと判断された場合には、ステップS8へ進み、目標車速と実車速とのずれが所定値以上になっているか否かを判別する。
そして、目標車速と実車速とのずれが所定値以上になっている場合には、路面の勾配の変化等によって、スロットル開度制御のみでは充分な応答で吸収できないほどの車速変動が発生していると判断し、ステップS10へ進んで無段変速機1の変速制御を通常に行わせる。
この場合も、スロットル開度TVOの制御に伴って無段変速機1の変速比が通常のように応答変化させることで、スロットル開度TVOによるエンジン発生トルクの制御と、変速比の変化による駆動力の制御とを同時に行わせ、車速を応答良く目標車速に収束させることができる。
また、ステップS8で、目標車速と実車速とのずれが所定値未満であると判別されると、ステップS9へ進み、目標車速が変更されたか否かを判別する。
そして、目標車速が変更されたと判別されると、ステップS10へ進んで無段変速機1の変速制御を通常に行わせる。
この場合も、スロットル開度TVOの制御に伴って無段変速機1の変速比が通常のように応答変化させることで、スロットル開度TVOによるエンジン発生トルクの制御と、変速比の変化による駆動力の制御とを同時に行わせ、目標車速の変化に対して実車速を応答良く変化させることができる。
図4のタイムチャートは、上記制御を実行した場合の走行例を示すものである。
定速走行制御における目標車速が設定されると(t1)、前記目標車速に実車速を一致させるべくスロットル開度TVOをフィードバック制御する定速走行制御が開始される。
このとき、スロットル開度TVOの変化に連動して無段変速機1の変速比はリニアに変化する。
定速走行制御の結果、実車速が目標車速に収束して安定すると、無段変速機1における変速比変化を抑制する処理が開始されるようになり(t2)、僅かな車速変化を吸収するためのスロットル開度TVOの変化に連動する変速比の変化を抑制し、エンジン回転の大きな変動が発生することを回避する。
上記安定した定速走行状態から、例えば目標車速を変更する操作がなされると、この目標車速の変化に実車速を追従変化させるために、車速の安定状態からスロットル開度TVOが大きく変更されることになり、これによって無段変速機1の変速比変化を抑制する制御がキャンセルされる(t3)。
そして、目標車速の変化が停止されると(t4)、この変化後の目標車速に収束させる制御を行い、車速が変更後の目標車速に安定すると、再度無段変速機1における変速比変化を抑制する処理が開始される(t5)
また、前記車速の安定状態から例えば路面が登り勾配になり(t6)、実車速と目標車速との偏差が大きくなると、無段変速機1の変速比変化を抑制する制御がキャンセルされ(t7)、登り勾配により低下した車速を応答良く復活させるようにする。
そして、目標車速付近に安定すると、再度無段変速機1における変速比変化を抑制する処理が開始される(t8)。
尚、自動走行制御がキャンセルされた場合には、当然に、無段変速機1の変速比変化を通常に戻す。
また、無段変速機1の変速比変化を抑制する度合いを、車速の安定度合いに応じて可変に設定することができ、また、変速比変化を抑制する状態を通常に戻す場合にも、スロットル開度の変化代、車速偏差、目標車速の変化代に応じて段階的に戻すようにすることができる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)請求項2記載の車両の制御装置において、
前記定速走行制御装置により前記エンジンの発生トルクが制御される状態であって、かつ、車速の安定状態であり、かつ、前記エンジンの回転速度が所定値以上であるときに、前記自動無段変速機における変速比変化を抑制することを特徴とする車両の制御装置。
かかる構成によると、車速が安定していて、大きな駆動力の増減が必要なく、エンジン発生トルクの調整のみで必要充分に車速を制御でき、然も、エンジン回転速度が所定値以上であって変速比変化が回転変動に大きく影響するときに、自動無段変速機の変速比変化を抑制する。
従って、エンジン発生トルクの制御に同期して変速比が変動した場合、エンジン回転速度が大きく変動して運転者に違和感を与える状況を的確に判断し、変速比変化を抑制する処理を効果的に実行させることができる。
(ロ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
前記自動無段変速機における変速比変化を抑制した状態で、定速走行制御に伴うエンジン発生トルクの操作量が所定以上変化したときに、前記変速比変化の抑制をキャンセルすることを特徴とする車両の制御装置。
かかる構成によると、目標車速の変化や路面勾配の変化などによって、大きくエンジン発生トルクを変化させる必要が生じると(エンジンのスロットル開度が大きく変化すると)、無段変速機の変速比を通常に変化させる状態に戻す。
従って、運転者に違和感を与える回転変動の発生を抑止しつつ、目標車速の変化や路面勾配の変化に対して、実車速を応答良く変化させることができる。
(ハ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
前記自動無段変速機における変速比変化を抑制した状態で、目標車速と実車速との偏差が所定以上になったときに、前記変速比変化の抑制をキャンセルすることを特徴とする車両の制御装置。
かかる構成によると、目標車速の変化や路面勾配の変化などによって、目標車速と実車速との偏差が所定以上になると、無段変速機の変速比を通常に変化させる状態に戻す。
従って、運転者に違和感を与える回転変動の発生を抑止しつつ、目標車速の変化や路面勾配の変化によって生じた目標車速と実車速との偏差を、応答良く小さくすることができる。
(ニ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
前記自動無段変速機における変速比変化を抑制した状態で、目標車速が変更されたときに、前記変速比変化の抑制をキャンセルすることを特徴とする車両の制御装置。
かかる構成によると、目標車速が変更され、これに実車速を追従変化させる必要が生じると、無段変速機の変速比を通常に変化させる状態に戻す。
従って、運転者に違和感を与える回転変動の発生を抑止しつつ、目標車速の変化に対して実車速を応答良く変化させることができる。
(ホ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
前記自動無段変速機における目標変速比の変化速度を遅くすることで、前記自動無段変速機における変速比変化を抑制することを特徴とする車両の制御装置。
かかる構成によると、運転条件(例えば車速,スロットル開度など)から要求される変速比の変化に対して、目標変速比の変化速度を遅らせることで、運転条件の変化に対する変速比変化を鈍らせる。
従って、スロットル開度の変化に対する変速比の変化が遅れ、大きな回転変動が発生することを回避できる。
実施形態における車両の駆動系を示すシステム図。 実施形態における定速走行制御時における無段変速機の変速特性の切り換え制御を示すフローチャート。 定速走行制御時のエンジン回転速度の変動を、無段変速機の場合及び有段変速機の場合について示すタイムチャート。 実施形態の制御を適用した走行パターンの例を示すタイムチャート。
符号の説明
1…無段変速機、2…プライマリプーリ、3…セカンダリプーリ、9…ATコントロールユニット、101…エンジン、104…電子制御スロットル、114…エンジンコントロールユニット、117…クランク角センサ、118…スロットルセンサ、119…車速センサ、131…ブレーキスイッチ、132…ニュートラルスイッチ、133…クラッチスイッチ、134…クルーズON・OFFスイッチ(CRUISE ON OFF SW)、135…キャンセルスイッチ(CANCEL SW)、136…コースト・セット・スイッチ(COAST SET SW)、137…アクセラレート・リジューム・スイッチ(ACCEL RES SW)

Claims (3)

  1. エンジンの発生トルクが自動無段変速機を介して駆動輪に伝達される車両であって、前記エンジンの発生トルクを制御する定速走行制御装置を備えた車両において、
    前記定速走行制御装置により前記エンジンの発生トルクが制御される状態において、前記自動無段変速機における変速比変化を抑制することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記定速走行制御装置により前記エンジンの発生トルクが制御される状態であって、かつ、車速の安定状態であるときに、前記自動無段変速機における変速比変化を抑制することを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。
  3. 前記定速走行制御装置により前記エンジンの発生トルクが制御される状態において、前記自動無段変速機における変速比を固定することを特徴とする請求項1又は2記載の車両の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101339498B1 (ko) * 2011-11-24 2013-12-10 라쿠텐 인코포레이티드 정보 처리 장치, 정보 처리 방법 및 기록 매체
JP2016150662A (ja) * 2015-02-17 2016-08-22 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置

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