JP2006316660A - 可変容量型圧縮機の容量制御機構 - Google Patents

可変容量型圧縮機の容量制御機構 Download PDF

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太田  雅樹
Akinobu Kanai
明信 金井
Akihito Yamanochi
亮人 山ノ内
Masaya Sakamoto
昌哉 坂本
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Abstract

【課題】外部駆動源の始動直後においても液冷媒を排出することができる可変容量型圧縮機の容量制御機構を提供すること。
【解決手段】可変容量型圧縮機10の容量制御機構は、供給通路の開度を調整する電磁弁式の第1制御弁40と、排出通路58の開度を調整する第2制御弁60とを備えている。また、容量制御機構は、吐出室圧Pdと制御圧室圧Pcの差圧に基づいて供給通路を開閉する第3制御弁70と、外部冷媒回路33に向かう冷媒ガスのガス通路上に設けられて該ガス通路の開度を調整する第4制御弁80とを備えている。そして、容量制御機構は、車両エンジンEの始動直後から第1制御弁40に通電が行われるまでの第1制御弁40が開状態にあるとき、第4制御弁80が閉状態から開状態へ移行した後に、第3制御弁70が閉状態から開状態へ移行する構成となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、供給通路を介して吐出圧領域の冷媒ガスを制御圧室に供給するとともに、排出通路を介して前記制御圧室の冷媒ガスを吸入圧領域に排出して前記制御圧室内の調圧を行い、前記制御圧室内の調圧によって吐出容量を制御する可変容量型圧縮機における容量制御機構に関する。
車両空調装置の冷媒循環回路において用いられる可変容量型圧縮機としては、傾角可変に斜板を収容する制御圧室を備えたものが存在する。そして、この可変容量型圧縮機においては、制御圧室の圧力が高くなると斜板の傾角が小さくなり、制御圧室の圧力が低くなると斜板の傾角が大きくなる。斜板の傾角が小さくなると、ピストンのストロークが小さくなって吐出容量が小さくなり、斜板の傾角が大きくなると、ピストンのストロークが大きくなって吐出容量が大きくなる。
制御圧室へ供給される冷媒は、圧縮された高圧の冷媒であるので、制御圧室から吸入圧領域へ排出される冷媒の排出流量が多くなるほど、可変容量型圧縮機における運転効率が悪くなる。そのため、可変容量型圧縮機における運転効率の観点からすると、制御圧室から吸入圧領域へ冷媒を排出するための排出通路の通路断面積はできるだけ小さい方がよい。
また、可変容量型圧縮機を長時間にわたって停止しておくと、冷媒ガスが液状化した液冷媒が制御圧室に溜まる。制御圧室に液冷媒が溜まった状態で可変容量型圧縮機を始動したとすると、例えば、排出通路上に固定絞りを設けて該排出通路の通路断面積を固定した状態で小さくしてある場合には、制御圧室内の液冷媒が吸入圧領域へ速やかに排出されず、制御圧室内の液冷媒の気化によって制御圧室の圧力が過大になってしまう。その結果、斜板の傾角が小さくなり、吐出容量が小さくなってしまうため、可変容量型圧縮機の始動後において吐出容量が大きくなるまでに時間が掛かり過ぎることになる。
このような問題を解消するための可変容量型圧縮機の容量制御機構が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の容量制御機構は、吐出圧領域から制御圧室へ冷媒ガスを供給する供給通路の通路断面積を変更するための第1制御弁と、制御圧室から吸入圧領域へ冷媒を排出するための排出通路の通路断面積を変更するための第2制御弁とを備えている。前記第1制御弁は、電磁力を変更して弁開度を連続的に変更可能な弁開度可変型の制御弁である。第1制御弁に対する通電を行わない状態では、第1制御弁における弁開度が最大となり、可変容量型圧縮機は、斜板の傾角が最小となる。一方、第1制御弁に対して通電が行われる状態では、第1制御弁における弁開度が最大よりも小さくなり、可変容量型圧縮機は、斜板の傾角が最小以上となる。
また、前記第2制御弁のスプール(排出通路の通路断面積を変更するための弁体)は、背圧室を区画しており、背圧室は、第1制御弁より下流の圧力領域に連通されている。スプールには連通溝が形成されている。連通溝は、排出通路における微小な最小通路断面積を確保するためのものである。
そして、可変容量型圧縮機が始動され、第1制御弁に対して通電が行われると、第1制御弁が閉じられ、スプールが排出通路の通路断面積を大きくする方向へ移動される。これにより制御圧室内の液冷媒が速やかに吸入圧領域へ排出され、可変容量型圧縮機の始動後において吐出容量が大きくなるまでに掛かる時間が短縮される。
特開2002−21721号公報
ところで、特許文献1に記載の容量制御機構において、可変容量型圧縮機の始動時、制御圧室内の液冷媒を吸入圧領域へ速やかに排出するためには、上述したように第1制御弁を閉じた状態に維持することが好ましい。しかし、車両においては、エンジン始動直後の該エンジンに対する動力負荷の軽減のために、可変容量型圧縮機への通電が行われない構成とされている。このため、車両のエンジン始動直後においては、第1制御弁への通電が行われず、第1制御弁における弁開度が最大となっている。
したがって、第1制御弁における弁開度が最大となった状態では、第2制御弁においてはスプールが排出通路の通路断面積を小さくする方向へ移動されてしまうこととなる。その結果として、エンジン始動直後においては、制御圧室内の液冷媒が吸入圧領域へ排出されなくなってしまう。
本発明は、外部駆動源の始動直後においても液冷媒を排出することができる可変容量型圧縮機の容量制御機構を提供することを目的とする。
本発明の可変容量型圧縮機の容量制御機構は、外部冷媒回路とで冷媒循環回路を構成し、外部駆動源によって回転軸が回転駆動されることで冷媒ガスの圧縮を行い、供給通路を介して吐出圧領域の冷媒ガスを制御圧室に供給するとともに、排出通路を介して前記制御圧室の冷媒ガスを吸入圧領域に排出して前記制御圧室内の調圧を行い、前記制御圧室内の調圧によって吐出容量を制御する可変容量型圧縮機における容量制御機構において、前記供給通路の開度を調整する電磁弁式の第1制御弁と、前記吐出圧領域の圧力に基づいて排出通路の開度を調整する第2制御弁と、前記供給通路にて前記第1制御弁よりも上流側に設けられ、前記吐出圧領域の圧力と前記制御圧室内の圧力の差圧に基づいて前記供給通路を開閉する第3制御弁と、前記吐出圧領域から外部冷媒回路に向かう冷媒ガスの通路上に設けられて吐出圧領域の圧力に基づいて前記通路を開閉する第4制御弁とを備え、前記外部駆動源の始動直後から前記第1制御弁に通電が行われるまでの第1制御弁が開状態にあるとき、第4制御弁が閉状態から開状態へ移行した後に、前記第3制御弁が閉状態から開状態へ移行する構成としたことを要旨とする。
これによれば、外部駆動源の始動直後にて可変容量型圧縮機への通電が行われず、電磁弁式の第1制御弁が開状態であっても、吐出圧領域の圧力が上昇して第4制御弁が閉状態から開状態へ移行し、さらに、吐出圧領域の圧力と前記制御圧室内の圧力の差圧が大きくなるまでは、第3制御弁によって供給通路を閉状態とすることができる。このため、供給通路を介した吐出圧領域の圧力が第2制御弁に作用することが防止され、該吐出圧領域の圧力によって排出通路が閉状態となることが防止される。したがって、外部駆動源の始動直後であっても、排出通路を開状態として液冷媒を速やかに排出することができると同時に、第4制御弁が第3制御弁より先に開状態となることで、可変容量型圧縮機内の液冷媒を外部冷媒回路へ速やかに排出することができる。
また、前記第3制御弁を閉状態から開状態へ移行させる開弁圧力は、前記第4制御弁を閉状態から開状態へ移行させる開弁圧力より大きく設定されていてもよい。これによれば、吐出圧領域の圧力が大きくなっていく過程で第3制御弁を閉状態から開状態へ移行させるタイミングと、第4制御弁を閉状態から開状態へ移行させるタイミングとをずらすことができる。
また、前記第3制御弁は、前記供給通路の一部を構成する第3弁孔と、該第3弁孔を開閉する第3弁体と、前記第3弁孔を閉じる方向へ前記第3弁体を付勢する第3ばねとを備え、前記第3弁体は第3弁孔を閉じているときには該第3弁孔を介して前記吐出圧領域の圧力を受ける構成であり、前記第4制御弁は、前記通路の一部を構成する第4弁孔と、該第4弁孔を開閉する第4弁体と、前記第4弁孔を閉じる方向へ前記第4弁体を付勢する第4ばねとを備え、前記第4弁体は第4弁孔を閉じているときには該第4弁孔を介して前記吐出圧領域の圧力を受ける構成であり、前記第3弁孔の通路断面積及び第3ばねのばね力のうち少なくとも一方から第3制御弁の開弁圧力が設定され、前記第4弁孔の通路断面積及び第4ばねのばね力のうち少なくとも一方から第4制御弁の開弁圧力が設定されていてもよい。
これによれば、通路断面積及びばね力のうち少なくとも一方を用いることで第3制御弁の開弁圧力と第4制御弁の開弁圧力を容易に設定することができる。また、各開弁圧力の設定要因は、通路断面積及びばね力の2種類が存在することから両設定要因を用いることにより開弁圧力をより正確に設定することができる。したがって、第3制御弁が閉状態から開状態へ移行するタイミングと、第4制御弁が閉状態から開状態へ移行するタイミングを正確にずらすことができる。
また、前記第3弁孔の通路断面積は、第4弁孔の通路断面積より小さく設定されていてもよい。これによれば、第3制御弁及び第4制御弁における開弁圧力の設定を容易に行うことができる。
本発明によれば、外部駆動源の始動直後においても液冷媒を排出することができる。
以下、本発明をクラッチレスの可変容量型圧縮機(以下、単に圧縮機という)の容量制御機構に具体化した一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の圧縮機10の縦断面図を示す。図1において左方を圧縮機10の前方とし、右方を圧縮機10の後方とする。図1に示すように、圧縮機10は、シリンダブロック11と、その前端に接合固定されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の後端に弁・ポート形成体14を介して接合固定されたリヤハウジング13とを備えている。そして、圧縮機10にて、シリンダブロック11と、フロントハウジング12と、リヤハウジング13とにより圧縮機10のハウジングが構成されている。
シリンダブロック11とフロントハウジング12との間には、制御圧室15が区画形成されている。そして、シリンダブロック11とフロントハウジング12には、制御圧室15を貫通する回転軸18がラジアルベアリング19,20を介して回転可能に支持されている。制御圧室15から外部へ突出する回転軸18は、プーリ(図示せず)及びベルト(図示せず)を介して外部駆動源(本実施形態では車両エンジンE)から駆動力を得て、該駆動力によって回転される。すなわち、本実施形態の圧縮機10はクラッチレスタイプの圧縮機となっている。
制御圧室15内にて、回転軸18には回転支持体21が止着されているとともに、斜板22が回転軸18の軸方向へスライド可能かつ傾動可能に支持されている。また、斜板22の中央には、ガイド孔22aが穿設されており、該ガイド孔22aに回転軸18が挿通されている。回転支持体21と斜板22との間には、ヒンジ機構23が介在されている。斜板22は、ヒンジ機構23を介した回転支持体21との間でのヒンジ連結、及びガイド孔22aを介した回転軸18の支持により、回転軸18及び回転支持体21と同期回転可能であるとともに、回転軸の軸方向へのスライド移動を伴いながら回転軸18に対して傾動可能とされている。
そして、斜板22のガイド孔22a側(中心部側)が回転支持体21側へ移動すると、斜板22の傾角が増大する。斜板22の最大傾角は回転支持体21と斜板22との当接によって規制される。図1に実線で示す斜板22は、最小傾角状態にあり、2点鎖線で示す斜板22は、最大傾角状態にある。斜板22の最小傾角は、0°よりも僅かに大きくしてある。
シリンダブロック11にて回転軸18の周りには、複数のシリンダボア11a(図1では1つのシリンダボア11aのみ図示)が貫通形成されており、各シリンダボア11a内にはピストン24が収容されている。斜板22の回転運動は、シュー25を介してピストン24の前後往復運動に変換され、ピストン24がシリンダボア11a内を往復動する。シリンダボア11aの前後開口は、弁・ポート形成体14の前端面及びピストン24によって閉塞されており、このシリンダボア11a内にはピストン24の前後方向への移動に応じて容積変化する圧縮室16が区画されている。
リヤハウジング13内には吸入室13a及び吐出室13bが区画形成されている。また、弁・ポート形成体14には、前記圧縮室16と吸入室13aとの間に位置するように吸入ポート26と吸入弁27が形成されている。また、弁・ポート形成体14には、圧縮室16と吐出室13bとの間に位置するように吐出ポート28と吐出弁29が形成されている。そして、吸入圧領域である吸入室13a内の冷媒ガスは、ピストン24の復動動作により吸入ポート26から吸入弁27を押し退けてシリンダボア11a内へ流入する。シリンダボア11a内に流入した冷媒ガスは、ピストン24の往動動作により圧縮室16で圧縮された後、吐出ポート28から吐出弁29を押し退けて吐出圧領域である吐出室13bへ吐出される。
また、リヤハウジング13には、前記吸入室13aへ冷媒を導入する吸入口31と、吐出室13bから冷媒を排出する吐出口32が形成されている。そして、吸入口31と吐出口32とは、外部冷媒回路33で接続されており、該外部冷媒回路33と圧縮機10とで冷媒循環回路が構成されている。外部冷媒回路33上には、冷媒から熱を奪うための熱交換器33a、膨張弁33b、及び周囲の熱を冷媒に移すための熱交換器33cが介在されている。吐出口32より下流、かつ熱交換器33aよりも上流の外部冷媒回路33の途中には絞り34が設けられている。
リヤハウジング13には第1制御弁40、第2制御弁60、第3制御弁70、及び第4制御弁80が組み付けられており、これら第1制御弁40、第2制御弁60、第3制御弁70及び第4制御弁80によって圧縮機10の容量制御機構が構成されている。
まず、前記第1制御弁40について説明する。図2に示すように、リヤハウジング13の後側に設けられた第1制御弁40は、その第1制御弁40内の上側に感圧体43が収容され、該感圧体43の内側には感圧ばね44が配設されている。そして、第1制御弁40内の上側には、前記感圧体43によって感圧室41,42が区画されている。また、感圧体43は前記感圧ばね44によって感圧室41側から感圧室42側へ付勢されている。
感圧室41は、圧力導入通路46aを介して絞り34よりも上流の外部冷媒回路33に連通されており、感圧室41内は吐出室13b内の圧力になっている。また、感圧室42は、圧力導入通路46bを介して絞り34よりも下流、かつ熱交換器33aよりも上流の外部冷媒回路33に連通されており、感圧室42は絞り34よりも下流、かつ熱交換器33aよりも上流の外部冷媒回路33の圧力になっている。そして、感圧室41内の圧力と、感圧室42内の圧力とは、感圧体43を介して対抗している。感圧室41,42、感圧体43及び感圧ばね44は、吐出室13b内の圧力(吐出室圧Pd)と、絞り34より下流、かつ熱交換器33aよりも上流の外部冷媒回路33の圧力との差圧に感応する感圧手段45を構成する。
また、第1制御弁40の内側にて、前記感圧手段45の下側には第1弁孔49が形成されている。前記感圧体43には第1弁体47が連結されており、前記第1弁孔49の第1弁座48には第1弁体47が接離可能となっている。感圧室41内の圧力及び感圧ばね44のばね力は、第1弁体47が第1弁座48に接する着座位置(第1制御弁40が閉状態)から離間する方向へ第1弁体47を付勢する。第1弁体47が着座位置から離間しているとき(第1制御弁40が開状態のとき)には、第1弁孔49は、第2連通路57を介して制御圧室15に連通している。
そして、外部冷媒回路33における冷媒流量が増大し、絞り34前後の圧力の差が増大すると、感圧手段45は、第1弁体47を第1弁座48から離間する方向へ移動させる。すなわち、第1制御弁40を閉状態から開状態へ移行させる。一方、外部冷媒回路33における冷媒流量が減少し、絞り34の前後の圧力の差が減少すると、感圧手段45は、第1弁体47を第1弁座48に近づける。つまり、感圧手段45は、吐出圧領域における冷媒流量の増大に応じて第1弁体47の第1弁孔49に対する弁開度を増大し、吐出圧領域における冷媒流量の減少に応じて前記弁開度を減少する。
第1制御弁40内の下側には、ソレノイド51を構成する固定鉄芯52が配設されている。固定鉄芯52内には前記第1弁体47が挿通されており、該第1弁体47には可動鉄芯54が止着されている。また、固定鉄芯52の周囲にはコイル53が配設されている。加えて、固定鉄芯52と可動鉄芯54の間には開放付勢バネ55が介在されている。
そして、ソレノイド51は、コイル53への電流供給(通電)による励磁に基づいて可動鉄芯54が固定鉄芯52に引き付けられる構成となっている。すなわち、ソレノイド51の電磁力は、開放付勢バネ55のばね力に抗して、第1弁座48に接する着座位置に向けて第1弁体47を付勢する。ソレノイド51は、制御コンピュータCの電流供給制御(本実施形態ではデューティ比制御)を受ける。
そして、第1制御弁40において、第1弁孔49に対する第1弁体47の弁開度は、ソレノイド51で生じる電磁力、開放付勢バネ55のばね力、感圧手段45の付勢力のバランスによって決定される。第1制御弁40は、電磁力を変える(デューティ比を変える)ことによって第1弁体47と第1弁座48の間隔(弁開度)を連続的に調整できる。
また、制御コンピュータCは、車両エンジンEの始動直後には所定時間(例えば数秒程度)にわたって、ソレノイド51に対する電流供給制御としてデューティ比を零とする制御を行なう。すなわち、制御コンピュータCは、第1制御弁40に対して通電を行わない制御を行う。この制御は、圧縮機10の運転による負荷トルクを最小にするためである。また、制御コンピュータCは、車両エンジンE始動直後から所定時間経過した後、ソレノイド51に対する電流供給制御としてデューティ比を100%とする制御を行なう。
次に、第2制御弁60について説明する。リヤハウジング13には吸入口31に連通する収容室56(吸入圧領域)が区画形成されている。この収容室56は、リヤハウジング13に形成された吸入連通路59を介して前記吸入室13aに連通されている。また、リヤハウジング13には、収容室56と前記第1制御弁40とを連通させる第3連通路65が形成されている。この第3連通路65は、前記第2連通路57から分岐形成されている。加えて、リヤハウジング13には、制御圧室15(制御圧領域)と収容室56(吸入圧領域)とを連通する排出通路58が形成されており、この排出通路58は、制御圧室15の冷媒ガスを吸入室13a及び収容室56に排出するために設けられている。また、排出通路58には吸入室13aに連通する第4連通路78が分岐形成され、この第4連通路78は制御圧室15と吸入室13aとを連通している。
収容室56には下側の小径をなす第1収容室56aと、該第1収容室56aより大径をなす第2収容室56bが形成されている。第1収容室56aの底側(図2では下側)には第2弁孔61が形成されている。また、第1収容室56a内には、前記第2弁孔61を開閉する第2弁体63が移動自在に収容されている。
収容室56にて、前記第2収容室56b内には吸入逆止弁66が収容されている。この吸入逆止弁66には連通口66aが形成されている。この連通口66aは前記収容室56と吸入口31とを連通している。収容室56内にて、吸入逆止弁66と第2弁体63の間には連結ばね67が介在されている。そして、前記第2弁体63は、前記連結ばね67によって第2弁座69に着座する方向へ付勢されている。すなわち、前記連結ばね67は、第2弁体63を第2弁孔61を閉じる方向へ付勢している。また、第2制御弁60において、前記第2弁体63にて前記第2弁孔61に臨む面には第3連通路65を介した吐出室13bの吐出室圧Pdが作用するようになっている。また、吸入逆止弁66には、吸入口31に臨む面に吸入圧領域たる吸入室13a内の圧力(吸入室圧Ps)が作用する。
そして、第2制御弁60において、第2弁孔61の開閉は吐出室圧Pdと連結ばね67のばね力のバランスに基づいて行われる。すなわち、圧縮機10停止時のように、制御圧室圧Pcと吸入室圧Psの差圧が零のときには、第2弁体63は第2弁座69に着座しており、圧縮機10始動後に吐出室圧Pdが大きくなると第2弁体63は第2弁座69から離間する。このように構成された第2制御弁60は、第2弁体63が着座している(第2制御弁60が閉状態にある)ときには、制御圧室15と収容室56とは排出通路58を介して連通し、排出通路58の開度は最大となっている。
一方、第2弁体63が着座位置から離間している(第2制御弁60が開状態にある)ときには、制御圧室15と収容室56とは排出通路58を介して連通し、排出通路58の開度は最大より小さくなっている。そして、吐出室圧Pdが大きくなればなるほど、第2弁体63によって排出通路58の開度は小さくなる。上記構成の第2制御弁60は、第2弁体63による第2弁孔61の弁開度に応じて排出通路58の開度を調整する構成とされている。
次に、第3制御弁70について説明する。リヤハウジング13には、前記吐出室13bに連通する連通室71が区画されており、該連通室71は開状態とされた第1制御弁40の第1弁孔49に連通されている。前記連通室71内には、弁座形成体72が収容配置されている。弁座形成体72には第3弁孔74が形成されており、弁座形成体72にて第3弁孔74の周囲には突部79が形成されている。そして、突部79の端面によって第3弁座75が形成されている。
また、連通室71内には、前記第3弁孔74を開閉する第3弁体76が移動自在に収容されている。さらに、連通室71内には第3ばね77が収容されており、この第3ばね77は第3弁体76を第3弁座75に接する着座位置(第3制御弁70が閉状態)に向けて第3弁体76を付勢する。すなわち、第3ばね77は、第3弁体76を第3弁孔74を閉じる方向へ付勢する。前記第3弁体76はその第3弁孔74に臨む面が、該第3弁体76が第3弁孔74を閉じているときには吐出室13bの吐出室圧Pdを受ける構成とされている。また、第3弁体76はその第1連通路50に臨む面が、該第3弁体76が第3弁孔74を閉じているときには制御圧室15内の圧力(制御圧室圧Pc)を受ける構成とされている。
そして、第3制御弁70において、第3弁体76による第3弁孔74の開閉は、吐出室圧Pdと制御圧室圧Pcの差圧及び第3ばね77のばね力に基づいて行われる。すなわち、圧縮機10停止時のように、吐出室圧Pdと制御圧室圧Pcの差圧が零のときには、第3弁体76は第3弁座75に着座しており、圧縮機10始動後に差圧が生じて吐出室圧Pdが制御圧室圧Pcより大きくなると第3弁体76は第3弁座75から離間する。このように構成された第3制御弁70では、第3弁体76が着座位置から離間しているとき(第3制御弁70が開状態にあるとき)には、吐出室13bと第1制御弁40は、連通室71及び第1連通路50を介して連通している。
第3制御弁70が開状態にあり、第1制御弁40が開状態にあるときには、吐出室13bと制御圧室15とが第3弁孔74、連通室71、第1連通路50、第1弁孔49、及び第2連通路57を介して連通している。第3弁孔74、連通室71、第1連通路50、第1弁孔49、及び第2連通路57は、吐出室13bから制御圧室15へ冷媒を供給するための供給通路を構成している。そして、第1制御弁40は、第1弁体47によって第1弁孔49を開閉することで供給通路の開度を調整する。また、第3制御弁70は、第3弁体76によって第3弁孔74を開閉することで供給通路における第1制御弁40の上流側を開閉する。
次に、第4制御弁80について説明する。リヤハウジング13には前記吐出室13bに連通する連通室81が区画されており、該連通室81は前記吐出口32に連通している。また、連通室81の底側(吐出室13b側)たる底面81aには、連通室81を前記吐出室13bと連通する第4弁孔82が形成されている。前記底面81aにて第4弁孔82の周囲には突部88が突設されており、該突部88の端面に第4弁座86が形成されている。また、連通室81内には、前記第4弁孔82を開閉する第4弁体83が移動自在に収容されている。
前記第4弁体83はその第4弁孔82に臨む面が、該第4弁体83が第4弁孔82を閉じているときには吐出室13bの吐出室圧Pdを受ける構成となっている。また、連通室81内には第4ばね84が収容されており、この第4ばね84は第4弁体83が第4弁座86に接する着座位置(第4制御弁80が閉状態)に向けて第4弁体83を付勢している。すなわち、第4ばね84は、第4弁体83を第4弁孔82を閉じる方向へ付勢する。
そして、第4制御弁80において、第4弁体83による第4弁孔82の開閉は、吐出室圧Pdと第4ばね84のばね力に基づいて行われる。すなわち、圧縮機10の停止時には、第4弁体83は第4弁座86に着座しており、圧縮機10始動後に吐出室圧Pdが大きくなると第4弁体83は第4弁座86から離間する。このように構成された第4制御弁80は、第4弁体83が着座位置から離間しているとき(第4制御弁80が開状態にあるとき)には、連通室81及び吐出口32を介して外部冷媒回路33に連通する。第4弁孔82、連通室81、及び吐出口32は、吐出室13bから外部冷媒回路33へ冷媒ガスを吐出するためのガス通路を構成しており、圧縮機10はガス通路上に設けられている。そして、第4制御弁80は、第4弁体83によって第4弁孔82を開閉することでガス通路の開度を調整する。
ここで、前記第3制御弁70及び第4制御弁80について詳細に説明する。第3制御弁70は、吐出室13bに連通された連通室71内に設けられており、第4制御弁80は、吐出室13bに連通された連通室81内に設けられている。このため、第3制御弁70の第3弁孔74及び第4制御弁80の第4弁孔82には同圧の吐出室圧Pdが導入される構成となっている。
ここで、第3制御弁70において前記第3弁孔74の通路断面積をS1とし、第4制御弁80において第4弁孔82の通路断面積をS2とした場合、第3弁孔74の通路断面積S1は第4弁孔82の通路断面積S2よりも小さくなっている。すなわち、第3制御弁70の第3弁体76が吐出室13bから吐出室圧Pdを受ける受圧面積は、第4制御弁80の第4弁体83が吐出室13bから吐出室圧Pdを受ける受圧面積より小さくなっている。このため、吐出室13bへ吐出された冷媒ガスの吐出室圧Pdは、第3弁体76よりも第4弁体83に大きく作用するようになっている。また、第3制御弁70における第3ばね77のばね力をF1とし、第4制御弁80における第4ばね84のばね力をF2とする。
このとき、第3制御弁70を閉状態から開状態へ移行させる開弁圧力P1は、第3弁孔74の通路断面積S1と第3ばね77のばね力F1に基づいて設定される。また、第4制御弁80を閉状態から開状態へ移行させる開弁圧力P2は、第4弁孔82の通路断面積S2と第4ばね84のばね力F2に基づいて設定される。そして、本実施形態においては、第3制御弁70の開弁圧力P1が、第4制御弁80の開弁圧力P2よりも大きくなるように、前記通路断面積S1,S2及びばね力F1,F2が設定されている。
上記のように開弁圧力P1,P2が設定されていることから、吐出室13bに冷媒ガスが吐出された状態において、第4制御弁80は第3制御弁70よりも先に閉状態から開状態へ移行することとなる。すなわち、第3制御弁70が閉状態から開状態へ移行する前に、第4制御弁80が閉状態から開状態へ移行するようになっている。なお、第4制御弁80の開弁圧力P2は、車両エンジンEが始動して圧縮機10が運転状態となり、制御圧室15の圧力が上昇し、吐出室13bから外部冷媒回路33へ冷媒ガスが導入されるときの吐出室圧Pdと同じとなっている。
また、開状態の第3制御弁70を閉状態へ移行させる圧力を第3制御弁70の閉弁圧力とし、開状態の第4制御弁80を閉状態へ移行させる圧力を第4制御弁80の閉弁圧力とする。第3制御弁70の閉弁圧力は、圧縮機10停止時における吐出室圧Pdと制御圧室圧Pcの差圧よりも小さい圧力となるように設定されている。
以下、本実施形態に係る圧縮機10の動作について説明する。
さて、車両エンジンEの始動まで該車両エンジンEが長時間にわたって停止している場合には、圧縮機10内の冷媒圧力が均一になり、制御圧室圧Pcと吸入室圧Psの差圧が零になる。この差圧が零のときには、第2制御弁60における第2弁体63が第2ばね62のばね力によって第2弁孔61を閉じる位置に保持されている。
また、可変容量型圧縮機10内の冷媒圧力が均一であるため、制御圧室15内の圧力と吐出室13b内の圧力との差圧が零になる。この差圧が零のときには、第3制御弁70における第3弁体76が第3ばね77のばね力によって第3弁孔74を閉じる位置に保持されている。
図2は、車両エンジンEが始動して圧縮機10が運転状態にあり、かつソレノイド51に対する電流供給制御としてデューティ比を零とした状態を表している。エンジン始動後の所定時間の間、第1制御弁40の第1弁孔49の弁開度は最大であるが、第3制御弁70は閉状態のままである。すなわち、供給通路は全閉とされる。このため、圧縮機10が運転状態にあっても、吐出室13bの冷媒ガスが供給通路を介して制御圧室15へ供給されることがない。したがって、第2制御弁60にて第2弁体63には吐出室圧Pdが作用せず第2弁孔61は閉じられた状態が保持される。
このため、排出通路58が第2弁体63によって閉じられることなく開度は最大となる。したがって、車両エンジンE停止が長期にわたった場合には、制御圧室15内に液冷媒が溜まるが、車両エンジンE始動直後、制御圧室15内の液冷媒は、排出通路58及び第4連通路78を経由して吸入圧領域である吸入室13a及び収容室56へ速やかに流出(排出)される。そして、吐出室13bから制御圧室15への冷媒流入がなく、制御圧室圧Pcと吸入室圧Psとの差圧が最も小さくなる。このため、制御圧室圧Pcは速やかに低下し、斜板22の傾角が最大となり、吐出容量が最大となる。
冷媒ガスの流量が徐々に多くなっていくと、吐出室13bへ吐出される冷媒ガスの流量が多くなり、吐出室圧Pdが上昇する。そして、吐出室圧Pdが、冷媒ガスが外部冷媒回路33へ導入される圧力まで上昇すると、吐出室圧Pdは第4制御弁80の開弁圧力P2まで上昇したこととなり、図3に示すように、第4弁体83は第4ばね84のばね力に抗して開弁方向へ移行し、第4制御弁80が閉状態から開状態へ移行する。その結果として、吐出室13bから外部冷媒回路33へ冷媒ガスが導入される。また、第4制御弁80が開状態となることで、液冷媒が外部冷媒回路33へ速やかに排出される。
第4制御弁80が閉状態から開状態へ移行した後に吐出室圧Pdが第3制御弁70の開弁圧力P1まで上昇すると、図4に示すように、第3制御弁70は閉状態から開状態へ移行する。第3制御弁70が開状態となると、制御コンピュータCは第1制御弁40に対してデューティ比100%の通電を行う。すると、第1制御弁40にて第1弁体47が第1弁孔49を閉じる位置に配置され、第1制御弁40は開状態から閉状態へ移行される。すなわち、第1制御弁40によって供給通路が全閉される。
第1制御弁40によって供給通路が閉じられるため、吐出室13bの冷媒ガスが制御圧室15へ流入することはなく、第2制御弁60にて第2弁体63には吐出室圧Pdが作用せず第2弁孔61は閉じられた状態が保持される。したがって、排出通路58はその開度が最大のままとなり、液冷媒は、排出通路58及び第4連通路78を経由して吸入室13a及び収容室56へ速やかに流出(排出)される。
その後、制御コンピュータCは通電制御(デューティ比制御)を行い、感圧手段45は、第1弁座48から離間する方向へ第1弁体47を遠ざける。その結果、第1制御弁40の弁開度が調整され、供給通路の開度が調整される。また、制御圧室圧Pcは、第2制御弁60の第2弁体63に作用し、第2弁体63によって排出通路58の開度が調整される。その結果、供給通路を介した制御圧室15への冷媒ガス供給量と排出通路58を介した制御圧室15からの冷媒ガス排出量とのバランスが制御されて制御圧室15の圧力が決定される(制御圧室15が調圧される)。制御圧室15の圧力が変更されると、ピストン24を介した制御圧室15内とシリンダボア11a内との差圧が変更され、斜板22の傾斜角度が変化する。この結果、ピストン24のストローク(圧縮機10の吐出容量)が調整される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)供給通路にて第1制御弁40よりも上流側に第3制御弁70を設け、外部冷媒回路33に向かう冷媒ガスのガス通路上に第4制御弁80を設けた。そして、車両エンジンE始動直後の第1制御弁40への通電が行われない第1制御弁40の開状態では、第4制御弁80が閉状態から開状態へ移行し、吐出室13bから外部冷媒回路33へ冷媒ガスが導入された後に第3制御弁70が閉状態から開状態へ移行する構成とした。このため、車両エンジンE始動直後にて圧縮機10への通電が行われず、第1制御弁40が開状態であっても、吐出室圧Pdが上昇するまでは、第3制御弁70によって供給通路を閉状態とすることができ、第2制御弁60に吐出室圧Pdが作用することを防止することができる。したがって、車両エンジンE始動直後であっても、排出通路58を開状態として外部冷媒回路33へ液冷媒を速やかに排出することができる。また、第4制御弁80が第3制御弁70より先に開状態となることで、圧縮機10内の液冷媒を外部冷媒回路33へ速やかに排出することができる。
(2)第3制御弁70が閉状態から開状態へ移行した後は、制御コンピュータCによって第1制御弁40には通電が行われるため、第1制御弁40を閉状態として供給通路を閉状態とすることができる。したがって、車両エンジンE始動直後から制御圧室15の液冷媒が排出されるまでは供給通路を閉状態として排出通路58を開状態とすることができ、液冷媒を速やかに排出することができる。
(3)第3制御弁70の開弁圧力P1を、第4制御弁80の開弁圧力P2より大きく設定して、第4制御弁80が閉状態から開状態へ移行した後に第3制御弁70が閉状態から開状態へ移行する構成とした。したがって、吐出室圧Pdが大きくなっていく過程で第3制御弁70を開状態へ移行させるタイミングと、第4制御弁80を開状態へ移行させるタイミングとをずらすことができる。その結果として、吐出室圧Pdが大きくなり、外部冷媒回路33へ冷媒ガスが導入されるタイミングで第4制御弁80を開状態へと移行させた後に、第3制御弁70を開状態へ移行させることが確実に行われる。
(4)第3制御弁70において、閉状態の第3弁体76に対する吐出室圧Pdの受圧面積を第3弁孔74の通路断面積S1とし、第4制御弁80において、閉状態の第4弁体83に対する吐出室圧Pdの受圧面積を第4弁孔82の通路断面積S2とした。そして、第3弁孔74の通路断面積S1を第4弁孔82の通路断面積S2より小さくした。このため、第3弁体76が開状態へ移行するタイミングと、第4弁体83が開状態へ移行するタイミングとにずれを生じさせる設定を容易に行うことができる。
(5)第3制御弁70において、閉状態の第3弁体76に対する吐出室圧Pdの受圧面積を第3弁孔74の通路断面積S1とした。そして、第3弁体76が閉状態から開状態へ移行した後には、第3弁体76に対する吐出室圧Pdの受圧面を第3弁体76の第3弁孔74側全面とすることができる。したがって、第3弁体76が開状態へ移行した後は、閉状態に比して吐出室圧Pdの受圧面積を広くして第3弁体76を閉状態へ移行させにくくして、第3弁体76によって第3弁孔74を閉じにくくすることができる。その結果として、第3制御弁70が開状態へ移行した後は、供給通路を用いた容量制御を行い続けることが可能となる。
(6)第3制御弁70において、弁座形成体72に突部79を形成し、該突部79の端面に第3弁座75を形成した。このため、突部79を形成せず、第3弁座75を弁座形成体72の連通室71内に臨む面とした場合に比して、第3弁座75の受圧面積を小さくすることができる。したがって、第3制御弁70を閉状態から開状態へ移行させる際の制御圧室圧Pcの影響を小さくして、吐出室圧Pdによって第3制御弁70を確実に閉状態から開状態へ移行させることができる。
(7)開弁圧力P1,P2は、通路断面積S1,S2及びばね力F1,F2の2種類の設定要因から設定される。このため、両設定要因を用いることにより開弁圧力P1,P2を正確に設定することができる。したがって、第3制御弁70が閉状態から開状態へ移行するタイミングと、第4制御弁80が閉状態から開状態へ移行するタイミングを正確にずらすことができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 吸入逆止弁66は削除してもよい。
○ 第3制御弁70において、弁座形成体72の突部79を削除して第3弁孔74の周囲を第3弁座75とするとともに、第3弁体76の弁座形成体72側の面に第3弁座75に当接可能な突部を形成してもよい。また、第4制御弁80において、底面81aの突部88を削除して第4弁孔82の周囲を第4弁座86とするとともに、第4弁体83の底面81a側の面に第4弁座86に当接可能な突部を形成してもよい。
○ 第3制御弁70の第3弁孔74の通路断面積S1と第4制御弁80の第4弁孔82の通路断面積S2を同一とし、第3ばね77のばね力と第4ばね84のばね力を調整して、第4制御弁80が閉状態から開状態へ移行した後に第3制御弁70が閉状態から開状態へ移行する構成としてもよい。
○ 逆に、第3ばね77のばね力と第4ばね84のばね力を同一とし、第3制御弁70の第3弁孔74の通路断面積S1と第4制御弁80の第4弁孔82の通路断面積S2を調整して第4制御弁80が閉状態から開状態へ移行した後に第3制御弁70が閉状態から開状態へ移行する構成としてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の容量制御機構を備えた可変容量型圧縮機。
可変容量型圧縮機及び容量制御機構を示す縦断面図。 エンジン始動直後の容量制御機構を示す模式断面図。 第4制御弁が開状態へ移行した状態を示す模式断面図。 第1制御弁が閉状態へ移行し、第3制御弁が開状態へ移行した状態を示す模式断面図。
符号の説明
F1,F2…ばね力、P1,P2…開弁圧力、S1,S2…通路断面積、E…外部駆動源としての車両エンジン、10…可変容量型圧縮機、13a…吸入圧領域としての吸入室、13b…吐出圧領域としての吐出室、15…制御圧室、18…回転軸、32…通路を構成する吐出口、33…外部冷媒回路、40…容量制御機構を構成する第1制御弁、49…供給通路を構成する第1弁孔、50…供給通路を構成する第1連通路、56…吸入圧領域としての収容室、57…供給通路を構成する第2連通路、58…排出通路、60…容量制御機構を構成する第2制御弁、70…容量制御機構を構成する第3制御弁、71…供給通路を構成する連通室、74…供給通路を構成する第3弁孔、76…第3弁体、77…第3ばね、80…容量制御機構を構成する第4制御弁、81…通路を構成する連通室、82…通路を構成する第4弁孔、83…第4弁体、84…第4ばね。

Claims (4)

  1. 外部冷媒回路とで冷媒循環回路を構成し、外部駆動源によって回転軸が回転駆動されることで冷媒ガスの圧縮を行い、供給通路を介して吐出圧領域の冷媒ガスを制御圧室に供給するとともに、排出通路を介して前記制御圧室の冷媒ガスを吸入圧領域に排出して前記制御圧室内の調圧を行い、前記制御圧室内の調圧によって吐出容量を制御する可変容量型圧縮機における容量制御機構において、
    前記供給通路の開度を調整する電磁弁式の第1制御弁と、
    前記吐出圧領域の圧力に基づいて排出通路の開度を調整する第2制御弁と、
    前記供給通路にて前記第1制御弁よりも上流側に設けられ、前記吐出圧領域の圧力と前記制御圧室内の圧力の差圧に基づいて前記供給通路を開閉する第3制御弁と、
    前記吐出圧領域から外部冷媒回路に向かう冷媒ガスの通路上に設けられて吐出圧領域の圧力に基づいて前記通路を開閉する第4制御弁とを備え、
    前記外部駆動源の始動直後から前記第1制御弁に通電が行われるまでの第1制御弁が開状態にあるとき、第4制御弁が閉状態から開状態へ移行した後に、前記第3制御弁が閉状態から開状態へ移行する構成とした可変容量型圧縮機の容量制御機構。
  2. 前記第3制御弁を閉状態から開状態へ移行させる開弁圧力は、前記第4制御弁を閉状態から開状態へ移行させる開弁圧力より大きく設定されている請求項1に記載の可変容量型圧縮機の容量制御機構。
  3. 前記第3制御弁は、前記供給通路の一部を構成する第3弁孔と、該第3弁孔を開閉する第3弁体と、前記第3弁孔を閉じる方向へ前記第3弁体を付勢する第3ばねとを備え、前記第3弁体は第3弁孔を閉じているときには該第3弁孔を介して前記吐出圧領域の圧力を受ける構成であり、
    前記第4制御弁は、前記通路の一部を構成する第4弁孔と、該第4弁孔を開閉する第4弁体と、前記第4弁孔を閉じる方向へ前記第4弁体を付勢する第4ばねとを備え、前記第4弁体は第4弁孔を閉じているときには該第4弁孔を介して前記吐出圧領域の圧力を受ける構成であり、
    前記第3弁孔の通路断面積及び第3ばねのばね力のうち少なくとも一方から第3制御弁の開弁圧力が設定され、前記第4弁孔の通路断面積及び第4ばねのばね力のうち少なくとも一方から第4制御弁の開弁圧力が設定されている請求項2に記載の可変容量型圧縮機の容量制御機構。
  4. 前記第3弁孔の通路断面積は、第4弁孔の通路断面積より小さく設定されている請求項3に記載の可変容量型圧縮機の容量制御機構。
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