JP2005307881A - 可変容量型圧縮機における容量制御機構 - Google Patents

可変容量型圧縮機における容量制御機構 Download PDF

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Hirotaka Kurakake
浩隆 倉掛
Satoshi Umemura
聡 梅村
Tatsuya Hirose
達也 廣瀬
Tomoji Hashimoto
友次 橋本
Akira Matsubara
亮 松原
Takehiro Isomichi
剛弘 礒道
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Abstract

【課題】可変容量型圧縮機の起動後において吐出容量が大きくなるまでに掛かる時間を短縮でき、かつ潤滑や容量制御に適した冷媒排出流量を確保できる容量制御機構を提供する。
【解決手段】リヤハウジング13には第1制御弁32、第2制御弁46、第3制御弁73及び第4制御弁47が組み付けられている。第2制御弁46の弁体49は、バルブハウジング48内に背圧室52を区画している。第1制御弁32が開状態にあるときには、吐出室132の圧力が背圧室52に波及し、第2制御弁46が閉状態となる。第1制御弁32が閉状態にあるときには第2制御弁46が開状態となる。第3制御弁73は、閉状態から制御圧室121の圧力と吸入室131の圧力との差が増大してゆく過程で開状態へ移行する。第4制御弁47は、前記差圧がさらに大きくなってゆく過程で閉状態から開状態へ移行する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、吐出圧領域の冷媒を制御圧室に供給すると共に、前記制御圧室の冷媒を吸入圧領域に排出して前記制御圧室内の調圧を行い、前記制御圧室内の調圧によって吐出容量を制御する可変容量型圧縮機における容量制御機構に関するものである。
傾角可変に斜板を収容する制御圧室を備えた可変容量型圧縮機においては、制御圧室の圧力が高くなると斜板の傾角が小さくなり、制御圧室の圧力が低くなると斜板の傾角が大きくなる。斜板の傾角が小さくなると、ピストンのストロークが小さくなって吐出容量が小さくなり、斜板の傾角が大きくなると、ピストンのストロークが大きくなって吐出容量が大きくなる。
制御圧室へ供給される冷媒は、圧縮された高圧の冷媒であるので、制御圧室から吸入圧領域へ排出される冷媒の排出流量が多くなるほど、可変容量型圧縮機における運転効率が悪くなる。そのため、可変容量型圧縮機における運転効率の観点からすると、制御圧室から吸入圧領域へ冷媒を排出するための排出通路の通路断面積は、できるだけ小さい方がよい。
可変容量型圧縮機を長時間にわたって停止しておくと、冷媒が液状化して制御圧室に溜まる。制御圧室に液状の冷媒が溜まった状態で可変容量型圧縮機を起動したとすると、排出通路の通路断面積を固定した状態で小さくしてある場合には、制御圧室内の液冷媒が吸入圧領域へ速やかに排出されず、制御圧室内の液冷媒の気化によって制御圧室の圧力が過大になってしまう。そのため、可変容量型圧縮機の起動後において吐出容量が大きくなるまでに時間が掛かり過ぎることになる。
このような問題を解消するための可変容量型圧縮機の容量制御機構が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示の容量制御機構は、吐出圧領域からクランク室(制御圧室)へ冷媒を供給する供給通路の通路断面積を変更するための第1制御弁と、クランク室から吸入圧領域へ冷媒を排出するための排出通路の通路断面積を変更するための第2制御弁とを備えている。第1制御弁は、電磁力を変更して弁開度を連続的に変更可能な弁開度可変型の制御弁である。第1制御弁に対する通電を行わない状態では、第1制御弁における弁開度が最大となり、可変容量型圧縮機は、斜板の傾角が最小となる。この状態は、吐出容量が最小容量に固定された最小容量運転状態である。第1制御弁に対して通電が行われる状態では、第1制御弁における弁開度が最大よりも小さくなり、可変容量型圧縮機は、斜板の傾角が最小以上となる。この状態は、吐出容量が最小容量に固定されない中間容量運転状態である。
第2制御弁のスプール(排出通路の通路断面積を変更するための弁体)は、背圧室を区画しており、背圧室は、第1制御弁より下流の圧力領域に連通されている。スプールには連通溝が形成されている。連通溝は、排出通路における微小な最小通路断面積を確保するためのものである。可変容量型圧縮機が起動されると、第1制御弁が閉じられ、スプールが排出通路の通路断面積を大きくする方向へ移動される。これにより制御圧室内の液冷媒が速やかに吸入圧領域へ排出され、可変容量型圧縮機の起動後において吐出容量が大きくなるまでに掛かる時間が短縮される。
特開2002−21721号公報
第1制御弁が通電によって開状態にあるときには第2制御弁が閉状態(スプールが弁座に着座している状態)となり、クランク室から吸入圧領域への冷媒の排出は、連通溝のみを経由して行われる。このときには最小容量以上の容量の制御(中間容量制御)が行われている。連通溝の通路断面積を小さくし過ぎると、中間容量制御が行われ、かつ可変容量型圧縮機が高回転で運転されているときには、冷媒と共に流動する潤滑油の流量が不足し、可変容量型圧縮機内における潤滑必要部位の潤滑が十分に行われないおそれがある。逆に、連通溝の通路断面積を大きくし過ぎると、クランク室から吸入圧領域への冷媒排出流量が多くなり過ぎ、中間容量制御が行われ、かつ可変容量型圧縮機が低回転で運転されているときの運転効率が悪くなる。
本発明は、可変容量型圧縮機の起動直後において吐出容量が大きくなるまでに掛かる時間を短縮でき、かつ潤滑や運転効率向上に適した冷媒排出流量に調整できる容量制御機構を提供することを目的とする。
そのために本発明は、供給通路を介して吐出圧領域の冷媒を制御圧室に供給すると共に、排出通路を介して前記制御圧室の冷媒を吸入圧領域に排出して前記制御圧室内の調圧を行い、前記制御圧室内の調圧によって吐出容量を制御する可変容量型圧縮機における容量制御機構を対象とし、請求項1の発明では、前記供給通路の通路断面積を調整する第1制御弁と、前記排出通路の通路断面積を調整する第2制御弁と、前記第2の制御弁と互いに並列の関係にあり、前記制御圧室の圧力と前記吸入圧領域の圧力との差圧に基づいて、前記排出通路の通路断面積を調整する第3及び第4制御弁と、前記排出通路における最小通路断面積となっており、かつ前記制御圧室と前記吸入圧領域とを常に連通している常開通路とを備え、前記第1制御弁が閉状態のときには前記第2制御弁が開状態となり、前記第1制御弁が開状態のときには、前記制御圧室と前記吸入圧領域との差圧が大きくなってゆく過程で前記第3制御弁が開状態から閉状態へ移行可能になっており、前記差圧がさらに大きくなってゆく過程で前記第4制御弁が閉状態から開状態へ移行可能になっている容量制御機構を構成した。
供給通路の通路断面積とは、第1制御弁の弁開度によって規定される第1制御弁における通路断面積のことである。排出通路の通路断面積とは、常開通路の通路断面積と、第2制御弁の弁開度によって規定される第2制御弁における通路断面積と、第3制御弁の弁開度によって規定される第3制御弁における通路断面積と、第4制御弁の弁開度によって規定される第4制御弁における通路断面積との和のことである。
第2制御弁が開状態にあるときの第2制御弁の弁開度を大きくしておくことにより、第1制御弁を閉状態にして第2制御弁を開状態にすれば、制御圧室内にある液冷媒は、吸入圧領域へ速やかに排出される。可変容量型圧縮機の起動直後において吐出容量が大きくなるまでに掛かる時間が短縮されるように、制御圧室から吸入圧領域への冷媒排出流量を調整することができる。
制御圧室と吸入圧領域との差圧が大きくなってゆく過程で第3制御弁が開状態から閉状態へ移行すると、制御圧室から吸入圧領域へ排出される冷媒排出流量が減る。つまり、第3制御弁は開状態から閉状態へ移行するが、第4制御弁の閉状態は変わらない。第3制御弁が閉状態かつ第4制御弁が閉状態にあるときの排出通路の通路断面積は、常開通路の通路断面積に一致する。このときの制御圧室から吸入圧領域への冷媒流出流量は、常開通路の通路断面積を小さくすることによって少なくすることができる。つまり、可変容量型圧縮機が低回転運転状態かつ最小容量以上の容量運転(中間容量運転)にあるときの運転効率が向上するように、制御圧室から吸入圧領域への冷媒排出流量を調整することができる。本明細書では、中間容量運転とは、吐出容量が最小容量に固定されない可変容量型圧縮機の運転のことを言う。
可変容量型圧縮機が低回転運転状態から高回転運転状態へ移行するに伴って制御圧室と吸入圧領域との差圧が増大する過程で、第4制御弁が閉状態から開状態へ移行すると、制御圧室から吸入圧領域へ排出される冷媒排出流量が増える。可変容量型圧縮機が高回転運転状態のときに第3制御弁が閉状態かつ第4制御弁が開状態にあるようにすれば、可変容量型圧縮機が高回転運転状態にあるときの潤滑に適した冷媒排出流量を確保することができる。つまり、可変容量型圧縮機が高回転運転状態かつ中間容量状態にあるときの潤滑が良好に行われるように、制御圧室から吸入圧領域への冷媒排出流量を調整することができる。
請求項2の発明では、請求項1において、前記第1制御弁は、前記供給通路の通路断面積を連続的に調整可能な弁開度可変型の制御弁であり、前記容量制御機構は、前記第1制御弁が最大の弁開度の開状態、前記第2制御弁が閉状態、前記第3制御弁が開状態、前記第4制御弁が閉状態にある第1制御状態と、前記第1制御弁が中間の弁開度の開状態、前記第2制御弁が閉状態、前記第3制御弁が閉状態、前記第4制御弁が閉状態にある第2制御状態と、前記第1制御弁が中間の弁開度の開状態、前記第2制御弁が閉状態、前記第3制御弁が閉状態、前記第4制御弁が開状態にある第3制御状態と、前記第1制御弁が閉状態、前記第2制御弁が開状態、前記第3制御弁が開状態、前記第4制御弁が閉状態にある第4制御状態とを取り得るようになっており、第1制御状態から前記制御圧室と前記吸入圧領域との差圧が大きくなってゆくと第2制御状態へ移行可能になっており、第2制御状態から前記制御圧室と前記吸入圧領域との差圧が大きくなってゆくと第3制御状態へ移行可能になっている構成とした。
可変容量型圧縮機を起動させるときに容量制御機構を第4制御状態にしておくと、制御圧室内の液冷媒が第2制御弁を経由して吸入圧領域へ排出される。第2制御弁が開状態のときには排出通路の通路断面積が大きくなるようにしておくことにより、制御圧室内の液冷媒が吸入圧領域へ速やかに排出される。つまり、可変容量型圧縮機の起動直後において吐出容量が大きくなるまでに掛かる時間が短縮されるように、制御圧室から吸入圧領域への冷媒排出流量を調整することができる。
第1制御状態では、吐出圧領域の冷媒が制御圧室へ供給され、制御圧室の冷媒が第3制御弁及び常開通路を経由して吸入圧領域へ排出される。第3制御弁が開状態にあるときの排出通路の通路断面積は、常開通路の通路断面積よりも大きくなる。つまり、可変容量型圧縮機が最小容量運転にあるときの潤滑が良好に行われるように、制御圧室から吸入圧領域への冷媒排出流量を調整することができる。本明細書では、最小容量運転とは、吐出容量が最小容量に固定された可変容量型圧縮機の運転のことを言う。
第1制御状態から制御圧室と吸入圧領域との差圧が増大する過程で第3制御弁が開状態から閉状態へ移行(つまり、第1制御状態から第2制御状態へ移行)すると、制御圧室の冷媒が常開通路のみを経由して吸入圧領域へ排出される。このときの制御圧室から吸入圧領域への冷媒流出流量は、常開通路の通路断面積を小さくすることによって少なくすることができる。従って、中間容量運転時において、可変容量型圧縮機が低回転運転状態のときに容量可変機構が第2制御状態にあるようにすれば、可変容量型圧縮機が低回転運転状態、かつ中間容量運転時における運転効率が向上する。つまり、可変容量型圧縮機が低回転運転状態かつ中間容量運転にあるときの運転効率が向上するように、制御圧室から吸入圧領域への冷媒排出流量を調整することができる。
第2制御状態から制御圧室と吸入圧領域との差圧が増大する過程で第4制御弁が閉状態から開状態へ移行(つまり、第2制御状態から第3制御状態へ移行)すると、制御圧室から吸入圧領域へ排出される冷媒排出流量が増える。従って、中間容量運転時において、可変容量型圧縮機が高回転運転状態のときに容量可変機構が第3制御状態にあるようにすれば、可変容量型圧縮機が高回転運転状態かつ中間容量運転時における潤滑に適した冷媒排出流量を確保することができる。つまり、変容量型圧縮機が高回転運転状態かつ中間容量状態にあるときの潤滑が良好に行われるように、制御圧室から吸入圧領域への冷媒排出流量を調整することができる。
第1制御弁としては、例えば、電磁力を増大すると弁開度を増少する弁開度可変型の制御弁が好適である。さらには、吐出圧領域内の2地点間又は吸入圧領域内の2地点間の圧力差を拾う感圧手段を有し、吐出圧領域における冷媒流量が増大すると弁開度を増大し、吐出圧領域における冷媒流量が減少すると弁開度を減少する弁開度可変型の制御弁を第1制御弁として用いるのが好ましい。第1制御弁としては、例えば吸入圧領域の圧力に感応する感圧手段を有し、吸入圧領域の圧力が増大すると弁開度を低減し、吸入圧領域の圧力が低減すると弁開度を増大する制御弁を用いることもできる。
請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記第2制御弁は、前記排出通路の一部となる弁孔と、前記弁孔を開閉する弁体と、前記弁孔を開く方向へ前記弁体を付勢するバネとを備え、かつ前記弁体が前記弁孔とは反対側に背圧室を区画し、前記第1制御弁よりも下流、かつ前記制御圧室よりも上流の圧力領域に前記背圧室を連通させる構成とした。
第1制御弁が開状態にあるときには第1制御弁を経由した冷媒の圧力が背圧室に波及し、第2制御弁の弁体が閉状態となる。第1制御弁が閉状態にあるときには吐出圧領域の冷媒が第1制御弁を経由することはないので、第2制御弁の弁体が開状態となる。第1制御弁の開閉状態によってもたらされる背圧室内の圧力状態に応じて開閉される第2制御弁は、制御圧室内の液冷媒を速やかに排出する制御弁として好適である。
請求項4の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記第3制御弁は、前記排出通路の一部となる弁孔と、前記弁孔を開閉する弁体と、前記弁孔を開く開位置に向けて前記弁体を付勢するバネとを備え、前記第3制御弁の弁体が前記第3制御弁の弁孔を閉じているときには前記第3制御弁の弁体が前記第3制御弁の弁孔を介して前記吸入圧領域の圧力を受ける構成とした。
第1制御状態から前記差圧が大きくなってゆくと、第3制御弁の弁体がバネの作用に抗して弁孔を閉じる位置に移動される。制御圧室の圧力と吸入圧領域の圧力との弁体を介した圧力対抗によって開閉する第3制御弁は、排出通路の通路断面積を調整する制御弁として好適である。
請求項5の発明では、請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記第4制御弁は、前記排出通路の一部となる弁孔と、前記弁孔を開閉する弁体と、前記弁孔を閉じる閉位置に向けて前記弁体を付勢するバネとを備え、前記第4制御弁の弁体が前記第4制御弁の弁孔を閉じているときには前記第4制御弁の弁体が前記第4制御弁の弁孔を介して前記制御圧室の圧力を受ける構成とした。
第2制御状態から前記差圧が大きくなってゆくと、第4制御弁の弁体がバネの作用に抗して弁孔を開く位置に移動される。制御圧室の圧力と吸入圧領域の圧力との弁体を介した圧力対抗によって開閉する第4制御弁は、排出通路の通路断面積を調整する制御弁として好適である。
本発明は、可変容量型圧縮機の起動直後において吐出容量が大きくなるまでに掛かる時間を短縮でき、かつ潤滑や運転効率向上に適した冷媒排出流量に調整できるという優れた効果を奏する。
以下、クラッチレスの可変容量型圧縮機に本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示すように、シリンダブロック11の前端にはフロントハウジング12が接合されている。シリンダブロック11の後端にはリヤハウジング13がバルブプレート14、弁形成プレート15,16及びリテーナ形成プレート17を介して接合固定されている。シリンダブロック11、フロントハウジング12及びリヤハウジング13は、クラッチレスの可変容量型圧縮機10の全体ハウジングを構成する。
制御圧室121を形成するフロントハウジング12とシリンダブロック11とには回転軸18がラジアルベアリング19,20を介して回転可能に支持されている。制御圧室121から外部へ突出する回転軸18は、プーリ(図示略)及びベルト(図示略)を介して外部駆動源である車両エンジンEから駆動力を得る。
回転軸18には回転支持体21が止着されていると共に、斜板22が回転軸18の軸方向へスライド可能かつ傾動可能に支持されている。回転支持体21に形成されたガイド孔211には斜板22に設けられたガイドピン23がスライド可能に嵌入されている。斜板22は、ガイド孔211とガイドピン23との連係により回転軸18の軸方向へ傾動可能かつ回転軸18と一体的に回転可能である。斜板22の傾動は、ガイド孔211とガイドピン23とのスライドガイド関係、及び回転軸18のスライド支持作用により案内される。
斜板22の半径中心部が回転支持体21側へ移動すると、斜板22の傾角が増大する。斜板22の最大傾角は回転支持体21と斜板22との当接によって規制される。図1に実線で示す斜板22は、最小傾角状態にあり、鎖線で示す斜板22は、最大傾角状態にある。斜板22の最小傾角は、0°よりも僅かに大きくしてある。
シリンダブロック11に貫設された複数のシリンダボア111内にはピストン24が収容されている。斜板22の回転運動は、シュー25を介してピストン24の前後往復運動に変換され、ピストン24がシリンダボア111内を往復動する。
リヤハウジング13内には吸入室131及び吐出室132が区画形成されている。バルブプレート14及び弁形成プレート15,16には吸入ポート141及び吐出ポート142が形成されている。弁形成プレート15には吸入弁151が形成されており、弁形成プレート16には吐出弁161が形成されている。吸入圧領域である吸入室131内の冷媒は、ピストン24の復動動作により吸入ポート141から吸入弁151を押し退けてシリンダボア111内へ流入する。シリンダボア111内へ流入したガス状の冷媒は、ピストン24の往動動作により吐出ポート142から吐出弁161を押し退けて吐出圧領域である吐出室132へ吐出される。吐出弁161は、リテーナ形成プレート17上のリテーナ171に当接して開度規制される。
吸入室131へ冷媒を導入する吸入通路26と、吐出室132から冷媒を排出する吐出通路27とは、外部冷媒回路28で接続されている。外部冷媒回路28上には、冷媒から熱を奪うための熱交換器29、膨張弁30、及び周囲の熱を冷媒に移すための熱交換器31が介在されている。膨張弁30は、熱交換器31の出口側のガス温度の変動に応じて冷媒流量を制御する温度式自動膨張弁である。吐出通路27より下流、かつ熱交換器31よりも上流の外部冷媒回路(以下、外部冷媒回路28Aと記す)の途中には絞り281が設けられている。
図2に示すように、リヤハウジング13には第1制御弁32、第2制御弁46及び第3制御弁73が組み付けられている。第3制御弁73内には第4制御弁47が設けられている。
第1制御弁32内に感圧室34,35を区画する感圧体36は、感圧バネ37によって感圧室34側から感圧室35側へ付勢されている。感圧室34は、吐出室132に連通されており、感圧室35は、絞り281よりも下流の外部冷媒回路28Aに連通されている。つまり、感圧室34内は、吐出室132内の圧力になっており、感圧室35内は、絞り281よりも下流、かつ熱交換器29よりも上流の外部冷媒回路28Aの圧力になっている。感圧室34内の圧力と、感圧室35内の圧力とは、感圧体36を介して対抗している。
感圧室34,35、感圧体36及び感圧バネ37は、吐出室132内の圧力と、絞り281より下流、かつ熱交換器31よりも上流の外部冷媒回路28の圧力との差圧に感応する感圧手段33を構成する。外部冷媒回路28A(吐出圧領域)における冷媒流量が増大すると、絞り281の前後の圧力の差が増大し、外部冷媒回路28(吐出圧領域)における冷媒流量が減少すると、絞り281の前後の圧力の差が減少する。感圧手段33は、絞り281の前後の圧力差の増大によって、弁座39から離間する方向へ弁体38を遠ざけ、絞り281の前後の圧力差の減少によって、弁体38を弁座39に近づける。つまり、感圧手段33は、吐出圧領域(外部冷媒回路28A)における冷媒流量の増大に応じて弁開度を増大し、吐出圧領域(外部冷媒回路28A)における冷媒流量の減少に応じて弁開度を減少する。
感圧体36には弁体38が連結されており、弁体38は、弁孔40を開閉する。感圧室34内の圧力及び感圧バネ37のバネ力は、弁体38が弁座39に接する着座位置から離間する方向へ弁体38を付勢する。弁体38が着座位置から離間しているときには、弁孔40は、通路57を介して吐出室132に連通している。
第1制御弁32のソレノイド41を構成する固定鉄芯42は、コイル43への電流供給による励磁に基づいて可動鉄芯44を引き付ける。即ち、ソレノイド41の電磁力は、開放付勢バネ45のバネ力に抗して、弁座39に接する着座位置に向けて弁体38を付勢する。ソレノイド41は、制御コンピュータCの電流供給制御(本実施形態ではデューティ比制御)を受ける。
第2制御弁46は、バルブハウジング48と、バルブハウジング48内に収容された弁体49と、弁体49を付勢するバネ50とを備えている。弁体49は、バルブハウジング48内を交流室51と背圧室52とに区画している。交流室51と背圧室52とは、弁体49の周囲のクリアランスを介して連通している。バルブハウジング48には弁孔53が交流室51に面し、かつ吸入室131に連通するように形成されており、バネ50は、交流室51に収容されている。弁体49は、弁孔53を開閉し、バネ50は、弁体49が弁座54に着座する位置から離間する方向に向けて弁体49を付勢する。
バルブハウジング48には交流ポート55及び導入ポート56が形成されている。交流ポート55は、交流室51に面しており、導入ポート56は、背圧室52に面している。交流室51は、交流ポート55及び通路58を介して制御圧室121に連通しており、背圧室52は、導入ポート56及び通路59を介して第1制御弁32の弁孔40に連通している。通路58、交流ポート55、交流室51、背圧室52、導入ポート56、通路59、弁孔40及び通路57は、吐出室132から制御圧室121へ冷媒を供給するための供給通路を構成する。
吐出室132から制御圧室121に至る供給通路の通路断面積とは、第1制御弁32の弁開度によって規定される第1制御弁32における通路断面積のことである。第1制御弁32が閉状態にあるときには、吐出室132から制御圧室121に至る供給通路の通路断面積は、零である。
弁体49が着座位置から離間しているとき(第2制御弁46が開状態にあるとき)には、制御圧室121と吸入室131とは、通路58、交流ポート55、交流室51及び弁孔53を介して連通する。通路58、交流ポート55、交流室51及び弁孔53は、制御圧室121から吸入室131へ冷媒を排出するための第1の排出通路を構成し、弁孔53は、第1の排出通路の一部となる。
第3制御弁73は、バルブハウジング74と、バルブハウジング74内に収容された弁体75と、弁体75を付勢するバネ76とを備えている。バルブハウジング74には弁孔77が形成されており、弁体75は、弁孔77を開閉する。バネ76は、弁体75が弁座78に接する着座位置から離間する方向に向けて弁体75を付勢する。弁孔77は、吸入室131に連通している。
バルブハウジング74には通口742が通路65を介して制御圧室121に連通するように形成されている。弁体75が着座位置から離間しているときには、通口742は、バネ収容室741を介して弁孔77に連通する。制御圧室121の圧力は、通路65及び通口742を介して弁体75に波及し、吸入室131の圧力は、弁孔77及びバネ収容室741を介して弁体75に波及する。つまり、制御圧室121の圧力と吸入室131の圧力とは、弁体75を介して対抗している。
弁体75が着座位置から離間しているとき(第3制御弁73が開状態にあるとき)には、制御圧室121と吸入室131とが通路65、通口742、バネ収容室741及び弁孔77を介して連通している。通路65、通口742、バネ収容室741及び弁孔77は、制御圧室121から吸入室131へ冷媒を排出するための第2の排出通路を構成し、弁孔77は、第2の排出通路の一部となる。第3制御弁73は、制御圧室121の圧力と吸入室131の圧力との差圧に基づいて、第2の排出通路の通路断面積を調整する。
弁体75には常開通路66が形成されている。常開通路66は、弁孔63とバネ収容室741とを連通している。弁体75が着座位置にあるとき(第3制御弁73が閉状態にあるとき)には、制御圧室121と吸入室131とが通路65、通口742、常開通路66、バネ収容室601及び弁孔77を介して連通する。
第4制御弁47は、第3制御弁73のバネ収容室741に収容されている。第4制御弁47は、第3制御弁73の弁体75と、弁体75に形成された弁孔63と、弁孔63を開閉する弁体61と、弁体61を付勢するバネ62とから構成されている。バネ62は、弁体61が弁座64に接する着座位置に向けて弁体61を付勢する。弁孔63は、通口742及び通路65を介して制御圧室121に連通している。
制御圧室121の圧力は、通路65、通口742及び弁孔63を介して弁体61に波及し、吸入室131の圧力は、弁孔77及びバネ収容室741を介して弁体61に波及する。つまり、制御圧室121の圧力と吸入室131の圧力とは、弁体61を介して対抗している。
弁体61が着座位置から離間しているとき(第4制御弁47が開状態にあるとき)には、弁孔63は、バネ収容室741を介して弁孔77に連通する。第3制御弁73が閉状態にあり、かつ弁体61が着座位置から離間しているときには、制御圧室121と吸入室131とが通路65、通口742、弁孔63、バネ収容室741及び弁孔77を介して連通する。通路65、通口742、弁孔63、バネ収容室741及び弁孔77は、制御圧室121から吸入室131へ冷媒を排出するための第3の排出通路を構成し、弁孔63,77は、第3の排出通路の一部となる。第4制御弁47は、制御圧室121の圧力と吸入室131の圧力との差圧に基づいて、第3の排出通路の通路断面積を調整する。
第3制御弁73が閉状態にあり、かつ弁体61が着座位置にあるとき(第4制御弁47が閉状態にあるとき)には、制御圧室121と吸入室131とが通路65、通口742、常開通路66、バネ収容室741及び弁孔77を介して連通する。通路65、通口742、常開通路66、バネ収容室741及び弁孔77は、制御圧室121から吸入室131へ冷媒を排出するための第4の排出通路を構成し、常開通路66は、制御圧室121と吸入室131とを常に連通する第4の排出通路の一部となる。
制御圧室121から吸入室131へ冷媒を排出するための排出通路は、第1〜第4の排出通路によって構成される。第1制御弁32、第2制御弁46、第3制御弁73、第4制御弁47及び常開通路66は、前記した供給通路、第1,2,3の排出通路と共に容量制御機構を構成する。第1の排出通路と第2の排出通路と第3の排出通路とは、互いに並列の関係にあり、第2制御弁46と第3制御弁73と第4制御弁47とは、互いに並列の関係にある。
第2制御弁46が開状態にあるときの第2制御弁46の通路断面積をφ1、常開通路66の通路断面積をφ4とする。第4制御弁47が開状態にあるときの第4制御弁47の通路断面積をφ3とすると、常開通路66の通路断面積φ4と第4制御弁47の通路断面積φ3との和(φ3+φ4)は、弁孔77の通路断面積φ2よりも小さくしてある。第2制御弁46と第3制御弁73とが閉状態にあって第4制御弁47が開状態にあるときには、制御圧室121から吸入室131に至る排出通路の通過断面積は、(φ3+φ4)となる。通路断面積φ1,φ2,φ3,φ4の間にはφ4<(φ3+φ4)<φ2<φ1の関係が設定されている。通路断面積φ1は、可及的に大きくしてあり、通路断面積φ4は、可及的に小さくしてある。
第1の排出通路の通路断面積は、第2制御弁46の弁開度によって規定される第2制御弁46における通路断面積のことである。第2の排出通路の通路断面積は、第3制御弁73の弁開度によって規定される第3制御弁73における通路断面積のことである。第3の排出通路の通路断面積は、第4制御弁47の弁開度によって規定される第4制御弁47における通路断面積のことである。第4の排出通路の通路断面積は、常開通路66の通路断面積φ4のことである。制御圧室121から吸入室131に至る排出通路の通路断面積とは、第1〜第4の排出通路の通路断面積の総和である。例えば、第2制御弁46と第3制御弁73と第4制御弁47とがいずれも閉状態であるときには、制御圧室121から吸入室131に至る排出通路の通路断面積は、φ4である。第2制御弁46と第4制御弁47とが閉状態にあり、かつ第3制御弁73が大きい弁開度の開状態であるときには、制御圧室121から吸入室131に至る排出通路の通路断面積は、φ2である。第2制御弁46と第3制御弁73とが閉状態であり、かつ第4制御弁47が開状態であるときには、制御圧室121から吸入室131に至る排出通路の通路断面積は、(φ3+φ4)である。第2制御弁46と第3制御弁73とが開状態であり、かつ第4制御弁47が閉状態であるときには、制御圧室121から吸入室131に至る排出通路の通路断面積は、(φ1+φ2)である。
図1及び図2に示すように、第1制御弁32のソレノイド41に対して電流供給制御(デューティ比制御)を行なう制御コンピュータCは、空調装置作動スイッチ67のONによってソレノイド41に電流を供給し、空調装置作動スイッチ67のOFFによって電流供給を停止する。制御コンピュータCには室温設定器68及び室温検出器69が信号接続されている。空調装置作動スイッチ67がON状態にある場合、制御コンピュータCは、室温設定器68によって設定された目標室温と、室温検出器69によって検出された検出室温との温度差に基づいて、ソレノイド41に対する電流供給を制御する。
弁孔40における開閉具合、即ち第1制御弁32における弁開度は、ソレノイド41で生じる電磁力、開放付勢バネ45のばね力、感圧手段33の付勢力のバランスによって決まる。第1制御弁32は、電磁力を変える(デューティ比を変える)ことによって弁体38と弁座39との間隔(弁開度)を連続的に調整できる。つまり、第1制御弁32は、デューティ比を変えることによって第1制御弁32の通路断面積を連続的に調整可能、かつ外部冷媒回路28Aにおける冷媒流量が増大すると弁開度を増大し、外部冷媒回路28Aにおける冷媒流量が減少すると弁開度を減少する弁開度可変型の制御弁である。つまり、第1制御弁32は、電磁力を変えることによって第1制御弁32の通路断面積を連続的に調整可能、かつ吐出圧領域における冷媒流量が増大すると弁開度を増大し、吐出圧領域における冷媒流量が減少すると弁開度を減少する弁開度可変型の制御弁である。空調装置作動スイッチ67、室温設定器68、室温検出器69及び制御コンピュータCは、第1制御弁32における電磁力を変更する電磁力変更手段を構成する。
図1は、ソレノイド41に対する電流供給制御としてデューティ比を零とした状態を表している。この状態では、第1制御弁32における弁開度が最大となる。車両エンジンEが長時間にわたって停止している場合には、可変容量型圧縮機10内の冷媒圧力が均一になり、制御圧室121内の圧力(制御圧)と吸入室131内の圧力(吸入圧)との差圧が零になる。この差圧が零のときには、第2制御弁46における弁体49がバネ50のバネ力によって弁孔53から最大に離間した位置に保持されると共に、第4制御弁47における弁体61がバネ62のバネ力によって弁孔63を閉じる位置に保持される。
制御コンピュータCは、エンジン始動時には所定時間t1(例えば数秒程度)にわたって、ソレノイド41に対する電流供給制御としてデューティ比を零とする制御を行なう。この制御は、可変容量型圧縮機10の運転による負荷トルクを最小にしてエンジンストールを回避するためである。
図2は、エンジンが始動して可変容量型圧縮機10が運転状態にあり、かつソレノイド41に対する電流供給制御としてデューティ比を零とした状態を表している。第1制御弁32は、非通電によって弁開度最大の開状態にある。可変容量型圧縮機10が運転開始すると、シリンダボア111内の冷媒が吐出室132へ吐出され、吐出室132内の冷媒圧力が第2制御弁46の背圧室52へ波及する。これにより第2制御弁46における弁体49は、図2に示すようにバネ50のバネ力に抗して弁孔53を閉じる位置に配置される。
図2の状態では、制御圧室121内の圧力(制御圧)が吸入室131内の圧力(吸入圧)より少し高い程度であり、制御圧室121内の圧力(制御圧)と吸入室131内の圧力(吸入圧)との差圧は小さい。そのため、第4制御弁47における弁体61は、バネ62のばね力によって弁孔63を閉じている。従って、図2の状態では、制御圧室121内の冷媒は、通路65及び常開通路66を経由して吸入室131へ流出する。この状態、つまり、第1制御弁32が最大の弁開度の開状態、第2制御弁46が閉状態、第4制御弁47が閉状態にある第1制御状態では、斜板22の傾角は、最小となっており、可変容量型圧縮機10は、最小容量運転を行なう。
斜板22の最小傾角は0°よりも僅かに大きく、最小容量運転においてもシリンダボア111から吐出室132への吐出は行われている。本実施形態では、可変容量型圧縮機10が最小容量運転を行なう状態(つまり、斜板22の傾角が最小である状態)では、外部冷媒回路28における冷媒循環が停止する構成となっている。シリンダボア111から吐出室132へ吐出された冷媒は、供給通路を通って制御圧室121へ流入し、制御圧室121内の冷媒は、放出通路を通って吸入室131へ流出する。そして、吸入室131内の冷媒は、シリンダボア111内へ吸入されて吐出室132へ吐出される。即ち、最小容量運転では、冷媒が吐出室132、制御圧室121、吸入室131及びシリンダボア111を循環し、冷媒と共に流動する潤滑油が圧縮機内を潤滑する。
制御コンピュータCは、エンジン始動後に所定時間t1経過すると、空調装置作動スイッチ67のON−OFFに関わりなく、第1制御弁32に対してデューティ比100%の通電を所定時間t2にわたって行なう。この通電により第1制御弁32の弁体38が弁孔40を閉じる閉位置に配置され、弁孔40が閉じられる。弁孔40が閉じられるので、吐出室132内の冷媒が制御圧室121へ流入することはなく、かつ吐出室132内の吐出圧が第2制御弁46の背圧室52に波及することはない。従って、図3に示すように、第2制御弁46の弁体49が弁孔53を開く位置に配置される。
エンジン停止が長期にわたった場合には、制御圧室121内に液冷媒が溜まるが、エンジン始動後の所定時間t1後には第2制御弁46の弁孔53が開かれる。制御圧室121から通路58及び弁孔53を経由して吸入室131に至る第1の排出通路の通路断面積φ1が大きくしてあるので、制御圧室121内の液冷媒は、通路58及び第2制御弁46の弁孔53を経由して吸入室131へ速やかに流出する。つまり、吐出室132から制御圧室121への冷媒流入がなく、かつ液冷媒の気化による制御圧室121内の圧力上昇が抑制されるので、制御圧室121内の圧力(制御圧)と吸入室131内の圧力(吸入圧)との差圧が最も小さくなり、斜板22の傾角が最大となる。制御圧室121内の圧力(制御圧)と吸入室131内の圧力(吸入圧)との差圧が最も小さいので、第4制御弁47における弁体61は、バネ62のばね力によって弁孔63を閉じている。従って、制御圧室121内の冷媒は、通路58及び第2制御弁46の弁孔53を経由して吸入室131へ流出すると共に、通路65及び常開通路66を経由して吸入室131へ流出する。この状態、つまり、図3に示すように、第1制御弁32が閉状態、第2制御弁46が開状態、第4制御弁47が閉状態にある第4制御状態では、斜板22の傾角は、最大となっており、可変容量型圧縮機10は、最大容量運転を行なう。本明細書では、最大容量運転とは、吐出容量が最大容量に固定された可変容量型圧縮機の運転のことを言う。
図4及び図5は、空調装置作動スイッチ67がON状態にあって、室温設定器68の操作によって設定された目標室温と、室温設定器68によって検出された検出室温との温度差に応じた通電制御(デューティ比制御)が行われている状態を示す。
図4の状態では、第1制御弁32は、通電して弁開度が中間(零ではなく、かつ最大ではない中間の弁開度)の開状態となっており、吐出室132内の冷媒が制御圧室121へ供給されると共に、第2制御弁46が閉状態となる。又、可変容量型圧縮機10の回転速度は、低回転速度である。図4の状態では、制御圧室121内の圧力と吸入室131内の圧力との差圧は、大きくなっており、この差圧により第3制御弁73の弁体75が弁孔77を通口742から遮断した閉位置(つまり、弁体75が弁座78に着座した位置)に配置される。制御圧室121内の冷媒は、通路65、通口742、常開通路66、バネ収容室741及び弁孔77を経由する第4の排出通路を通って吸入室131へ流出する。この状態、つまり、第1制御弁32が開状態、第2制御弁46が閉状態、第3制御弁73が閉状態、第4制御弁47が閉状態にある第2制御状態では、斜板22の傾角は、最小傾角以上となっており、可変容量型圧縮機10は、第1の中間容量運転を行なう。
図5の状態では、第1制御弁32は、通電して弁開度が中間(零ではなく、かつ最大ではない中間の弁開度)の開状態となっており、吐出室132内の冷媒が制御圧室121へ供給されると共に、第2制御弁46が閉状態となる。又、可変容量型圧縮機10の回転速度は、高回転速度である。図5の状態では、制御圧室121内の圧力と吸入室131内の圧力との差圧は、最も大きくなっており、この差圧により第3制御弁73が閉状態になり、かつ第4制御弁47の弁体61が弁孔63を開いた開位置(つまり、弁体61が弁座64から離間した位置)に配置される。制御圧室121内の冷媒は、通路65、通口742、弁孔63、バネ収容室741及び弁孔77を経由する第3の排出通路と、通路65、通口742、常開通路66、バネ収容室741及び弁孔77を経由する第4の排出通路とを通って吸入室131へ流出する。この状態、つまり、第1制御弁32が開状態、第2制御弁46が閉状態、第3制御弁73が閉状態、第4制御弁47が開状態にある第3制御状態では、斜板22の傾角は、最小傾角以上となっており、可変容量型圧縮機10は、第2の中間容量運転を行なう。
図4の第2制御状態及び図5の第3制御状態において、デューティ比が高められると第1制御弁32における弁開度が減少し、吐出室132から制御圧室121への冷媒供給量が減る。制御圧室121内の冷媒は、第2の排出通路及び第3の排出通路を介して吸入室131へ流出しているため、制御圧室121内の圧力が下がる。従って、斜板22の傾角が増大して吐出容量が増える。逆に、デューティ比が下げられると第1制御弁32における弁開度が増大し、吐出室132から制御圧室121への冷媒供給量が増える。従って、制御圧室121内の圧力が上がり、斜板22の傾角が減少して吐出容量が減る。
図4の第2制御状態及び図5の第3制御状態において、可変容量型圧縮機10の回転数が高くなると、外部冷媒回路28Aにおける冷媒流量が増大し、吐出室132内の冷媒圧力と、絞り281より下流の外部冷媒回路28A内の冷媒圧力との差圧が大きくなる。感圧手段33は、この差圧の増大に応じて第1制御弁32の弁体38を弁座39から遠ざけ、第1制御弁32における弁開度が増える。第1制御弁32における弁開度の増大は、吐出室132から制御圧室121への冷媒供給量を増やす。従って、制御圧室121内の圧力が上がり、斜板22の傾角が減少して吐出容量が減る。逆に、可変容量型圧縮機10の回転数が低くなると、外部冷媒回路28Aにおける冷媒流量が減少し、吐出室132内の冷媒圧力と、絞り281より下流の外部冷媒回路28A内の冷媒圧力との差圧が小さくなる。感圧手段33は、この差圧の減少に応じて第1制御弁32の弁体38を弁座39に近づけ、第1制御弁32における弁開度が減少する。第1制御弁32における弁開度の減少は、吐出室132から制御圧室121への冷媒供給量を減らす。従って、制御圧室121内の圧力が下がり、斜板22の傾角が増大して吐出容量が増える。
本実施形態では、容量制御機構は、図2に示す最小容量運転をもたらす第1制御状態と、図4に示す第1の中間容量運転をもたらす第2制御状態と、図5に示す第2の中間容量運転をもたらす第3制御状態と、図3に示す最大容量運転をもたらす第4制御状態とを取り得るようになっている。即ち、容量制御機構は、第1制御弁32と第2制御弁46と第3制御弁73と第4制御弁47とを組み合わせることによって、第1制御状態と第2制御状態と第3制御状態と第4制御状態とを取り得るように構成されている。そして、容量制御機構は、第1制御弁32が閉状態のときには第2制御弁46が開状態となり、第1制御弁32が開状態のときには、制御圧室121と吸入室131(吸入圧領域)との差圧が大きくなってゆく過程で第3制御弁73が開状態から閉状態へ移行可能になっている。そして、容量制御機構は、第3制御弁73が開状態から閉状態へ移行した後に、前記差圧がさらに大きくなってゆく過程で第4制御弁47が閉状態から開状態へ移行可能になっている。即ち、容量制御機構は、第1制御弁32が開状態のときには、制御圧室121と吸入室131(吸入圧領域)との差圧が大きくなってゆく過程で第3制御弁73が開状態から閉状態へ移行可能になっており、前記差圧がさらに大きくなってゆく過程で第4制御弁47が閉状態から開状態へ移行可能になっている。即ち、容量制御機構は、第1制御弁32が開状態のときには、制御圧室121と吸入室131との差圧が大きくなってゆく過程で第3制御弁73が開状態から閉状態へ移行できる構成になっており、前記差圧がさらに大きくなってゆく過程で第4制御弁47が閉状態から開状態へ移行できる構成になっている。
なお、図4の第2制御状態では、斜板22の傾角は、第1制御弁32に対する通電制御(デューティ比制御)と可変容量型圧縮機10の回転数とに依存するが、外部冷媒回路28Aにおける冷媒流量は、主として通電制御(デューティ比制御)に依存する。
以上のような容量可変動作を行うクラッチレスの可変容量型圧縮機10に本発明を適用した第1の実施形態では以下の効果が得られる。
(1−1)可変容量型圧縮機10を起動させるときに容量制御機構を第4制御状態にしておくと、制御圧室121内の液冷媒が第2制御弁46の弁孔53を経由して吸入室131へ排出される。開状態にある第2制御弁46の通路断面積φ1が大きくしてあるので、制御圧室121内の液冷媒が吸入室131へ速やかに排出される。しかも、容量制御機構が第4制御状態にあるときには、吐出室132の冷媒が制御圧室121へ供給されないので、制御圧室121の増圧が抑制される。つまり、制御圧室121内の液冷媒の気化に起因して可変容量型圧縮機10の起動後において吐出容量が大きくなるまでに時間が掛かるという不都合は回避される。
容量制御機構が図2に示す第1制御状態にあるときには、吐出室132内の冷媒が制御圧室121へ供給され、制御圧室121の冷媒が第2の排出通路を経由して吸入室131へ排出される。つまり、容量制御機構が第1制御状態にあるときには、斜板22の傾角は最小傾角となり、可変容量型圧縮機10は、最小容量運転される。最小容量運転状態では、第3制御弁73が開状態にあって制御圧室121から吸入室131に至る排出通路の通路断面積が常開通路66の通路断面積φ4よりも大きいφ2となる。そのため、通路断面積φ4が可及的に小さくしてあっても、制御圧室121から吸入室131への冷媒流出流量が極端に少なくなってしまうことはない。その結果、吐出室132、制御圧室121、吸入室131を経由する冷媒と共に流動する潤滑油の流量が適度に確保され、最小容量運転時における制御圧室121内の潤滑必要部位の潤滑が良好に行われる。
図4に示すように、容量制御機構が第2制御状態にあり、かつ可変容量型圧縮機10の回転速度が低回転速度であるときには、吐出室132の冷媒が制御圧室121へ供給され、制御圧室121の冷媒が第4の排出通路(常開通路66及び第3制御弁73の弁孔77)のみを経由して吸入室131へ排出される。常開通路66の通路断面積φ4が小さくしてあるので、制御圧室121から吸入室131への冷媒流出流量を少なくすることができ、可変容量型圧縮機10が低回転速度であって中間容量運転であるときの運転効率が向上する。
可変容量型圧縮機10が高回転速度であって中間容量運転であるときには、可変容量型圧縮機10内の潤滑必要部位の良好な潤滑が望まれる。図5に示すように、容量制御機構が第3制御状態にあり、かつ可変容量型圧縮機10の回転速度が高回転速度であるときには、吐出室132の冷媒が制御圧室121へ供給され、制御圧室121の冷媒が第4制御弁47の弁孔63と常開通路66とを経由して吸入室131へ排出される。つまり、制御圧室121の冷媒は、第3の排出通路(第4制御弁47の弁孔63)と第4の排出通路(常開通路66)とを経由して吸入室131へ排出される。図5に示す第2の中間容量運転状態では、第4制御弁47が開状態にあって制御圧室121から吸入室131に至る排出通路の通路断面積が常開通路66の通路断面積φ4よりも大きい(φ3+φ4)となる。そのため、通路断面積φ4が可及的に小さくしてあっても、制御圧室121から吸入室131への冷媒流出流量が極端に少なくなってしまうことはない。その結果、吐出室132、制御圧室121、吸入室131を経由する冷媒と共に流動する潤滑油の流量が適度に確保され、可変容量型圧縮機10が高回転速度であって中間容量運転であるときの制御圧室121内の潤滑必要部位の潤滑が良好に行われる。
(1−2)第1制御弁32が開状態にあるときには第1制御弁32の弁孔40を経由した冷媒の圧力が第2制御弁46の背圧室52に波及し、第2制御弁46が閉状態となる。第1制御弁32が閉状態にあるときには吐出室132の冷媒が第1制御弁32を流通することはないので、第2制御弁46が開状態となる。第2制御弁46は、第1制御弁32の開閉状態によってもたらされる背圧室52内の圧力状態に応じて迅速に開閉される。第1制御弁32の開閉状態によってもたらされる背圧室52内の圧力状態に応じて開閉される第2制御弁46は、制御圧室121内の液冷媒を速やかに排出するための制御弁として好適である。
(1−3)容量制御機構が第1制御状態にあるときから制御圧室121の圧力と吸入室131の圧力との差圧が大きくなってゆくと、第3制御弁73の弁体75がバネ76のバネ力に抗して弁孔77を閉じる閉位置に移動される。制御圧室121の圧力と吸入室131の圧力との弁体75を介した圧力対抗によって開閉する第3制御弁73は、簡素な機構である。このような第3制御弁73は、制御圧室121から吸入室131へ冷媒を排出するための排出通路の通路断面積を調整するための制御弁として好適である。
(1−4)容量制御機構が第2制御状態にあるときから制御圧室121の圧力と吸入室131の圧力との差圧が大きくなってゆくと、第4制御弁47の弁体61がバネ62のバネ力に抗して弁孔63を閉じる閉位置に移動される。制御圧室121の圧力と吸入室131の圧力との弁体61を介した圧力対抗によって開閉する第4制御弁47は、簡素な機構である。このような第4制御弁47は、制御圧室121から吸入室131へ冷媒を排出するための排出通路の通路断面積を調整するための制御弁として好適である。
(1−5)リヤハウジング13に第1〜第4の制御弁を組み付けた構成は、第1〜第3の制御弁と、吸入室131や吐出室132との通路接続を簡素にする上で好適である。つまり、リヤハウジング13は、第1〜第4の制御弁を組み付ける場所として好適である。
本発明では以下のような実施形態も可能である。
(1)図6に示すように、第1制御弁32の弁孔40と制御圧室121とを供給通路70で連通し、供給通路70の途中に接続された分岐通路71を第2制御弁46の背圧室52Aに接続してもよい。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
背圧室52Aは、弁体49Aによってバネ50を収容する収容室72から遮断されている。第1制御弁32が開状態にあるときには、吐出室132の圧力が背圧室52に波及し、第2制御弁46Aが閉状態となる。第1制御弁32が閉状態にあるときには、第2制御弁46Aが開状態となり、制御圧室121内の冷媒が通路58、収容室72及び弁孔53を経由して吸入室131へ排出可能である。
(2)図7に示すように、弁孔53Bが通路58に直通し、弁体49Aが弁孔53Bを閉じているときには、制御圧室121の圧力が弁体49Aを弁孔53Bから遠ざける方向へ弁体49Aを付勢するようにした第2制御弁46Bを用いてもよい。弁体49Aが弁孔53Bを開いた状態では、制御圧室121の冷媒が通路58、弁孔53B,収容室72及び排出ポート481を経由して吸入室131へ排出される。図6の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
(3)図8に示すように、通路65に常に連通し、かつ吸入室131に常に連通するように、バルブハウジング74に常開通路66Cを設けた第3制御弁73Cを用いてもよい。図6の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
(4)図9に示すように、バルブハウジング74D内に弁体75Dを収容した第3制御弁73Dと、バルブハウジング79内に弁体80を収容した第4制御弁47Dとを並列状態でリヤハウジング13に組み付けた実施形態も可能である。
第3制御弁73Dのバルブハウジング74Dには弁孔743及び通口742が形成されており、第3制御弁73Dの弁体75Dは、バネ81の作用によって弁孔743を閉じる位置に向けて付勢される。弁体75Dには常開通路66Dが形成されている。常開通路66Dは、弁孔743と通口742とを連通している。弁体75Dが着座位置から離間しているとき(第3制御弁73Dが開状態にあるとき)には、制御圧室121と吸入室131とが通路65、弁孔743及び通口742を介して連通する。通路65、弁孔743及び通口742は、制御圧室121から吸入室131へ冷媒を排出するための第2の排出通路を構成し、弁孔743は、第2の排出通路の一部となる。
弁体75Dが着座位置にあるとき(第3制御弁73Dが閉状態にあるとき)には、制御圧室121と吸入室131とが通路65、通口742、常開通路66D及び弁孔743を介して連通する。通路65、通口742、常開通路66D及び弁孔743は、制御圧室121から吸入室131へ冷媒を排出するための第4の排出通路を構成し、常開通路66Dは、制御圧室121と吸入室131とを常に連通する第4の排出通路の一部となる。
第4制御弁47Dのバルブハウジング79には弁孔791及び排出ポート792が形成されており、第4制御弁47Dの弁体80は、バネ82の作用によって弁孔791を閉じる位置に向けて付勢される。弁体80が着座位置から離間しているとき(第4制御弁47Dが開状態にあるとき)には、弁孔791は、排出ポート792に連通する。弁体80が着座位置から離間しているときには、制御圧室121と吸入室131とが通路65、弁孔791及び排出ポート792を介して連通する。弁体80が着座位置にあるとき(第4制御弁47Dが閉状態にあるとき)には、制御圧室121と吸入室131との連通が遮断される。通路65、弁孔791及び排出ポート792は、制御圧室121から吸入室131へ冷媒を排出するための第3の排出通路を構成する。
(5)図6あるいは図7の実施形態において、第2制御弁として電磁開閉弁を用いてもよい。この場合、第1制御弁32に通電を行なって第1制御弁32を開状態にしているときには、通路58を経由する排出通路を閉じ、第1制御弁32に通電を行なって第1制御弁32を閉状態にしているときには、通路58を経由する排出通路を開くように、電磁開閉弁を開閉制御すればよい。
(6)第1制御弁32における感圧手段33の代わりに吸入圧に感応する感圧手段を備えた制御弁を第1制御弁として用いてもよい。吸入圧に感応する感圧手段は、弁体を弁孔から遠ざける方向へ付勢する。つまり、吸入圧に感応する感圧手段は、第1制御弁の弁開度を増大する方向へ付勢する。
可変容量型圧縮機の回転数が増大すると外部冷媒回路における冷媒流量が増え、冷房能力が増大するため、吸入圧が低減する。吸入圧が低減すると、第1制御弁の弁体を弁孔から遠ざける方向へ付勢する感圧手段の付勢力が強くなり、第1制御弁における弁開度が大きくなる。可変容量型圧縮機の回転数が低減すると外部冷媒回路における冷媒流量が減り、冷房能力が低減するため、吸入圧が増大する。吸入圧が増大すると、弁体を弁孔から遠ざける方向へ付勢する感圧手段の付勢力が弱くなり、第1制御弁における弁開度が小さくなる。
吸入圧に感応する感圧手段を備えた第1制御弁における弁開度は、ソレノイド41(図2参照)で生じる電磁力、開放付勢バネ45(図2参照)のばね力、感圧手段33の付勢力のバランスによって決まる。このような制御弁を第1制御弁として用いた場合には、吸入圧が通電制御(デューティ比制御)に応じた吸入設定圧に規定される。
(7)吸入圧領域における2地点間の差圧に応じて弁開度を増減する感圧手段を備えた電磁力可変型の制御弁を第1制御弁として用いてもよい。つまり、吸入圧領域における冷媒流量が増大すると弁開度を増大し、吸入圧領域における冷媒流量が減少すると弁開度を減少する制御弁を第1制御弁として用いてもよい。
(8)開状態における弁開度が一定となる一対の電磁開閉弁を並列に設けて第1制御弁を構成してもよい。一方の電磁開閉弁の開状態における通路断面積と、他方の電磁開閉弁の開状態における通路断面積とを異ならせると、一対の電磁開閉弁の開閉の組み合わせにより、供給通路の通路断面積を零、小、大の3通り、又は零、小、中、大の4通りに設定することができる。供給通路の通路断面積を零、小、大の3通りに設定した場合、供給通路の通路断面積が大のときには最小容量運転が行なわれるようにし、供給通路の通路断面積が零のときには最大容量運転が行なわれるようにすることができる。そして、供給通路の通路断面積が小のときには、最小容量より大きく、最大容量より小さい中間の容量の運転が行なわれるようにすることができる。供給通路の通路断面積を零、小、中、大の4通りに設定した場合、供給通路の通路断面積が大のときには最小容量運転が行なわれるようにし、供給通路の通路断面積が小又は中のときには、最小容量より大きく、最大容量より小さい2通りの中間容量の運転が行なわれるようにすることができる。
(9)第1制御弁、第2制御弁、第3制御弁及び第4制御弁を可変容量型圧縮機のハウジングから離し、これら制御弁と可変容量型圧縮機内の吸入室あるいは吐出室とを配管で接続するように構成してもよい。
(10)クラッチを介して外部駆動源から駆動力を得る可変容量型圧縮機に本発明を適用してもよい。このような可変容量型圧縮機では、クラッチが接続状態にあるときには、斜板の傾角が最小のときにも外部冷媒回路を冷媒が循環する構成となっており、クラッチを遮断することによって冷媒が外部冷媒回路を循環しないようにすることができる。
前記した実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
〔1〕前記第1制御弁は、弁開度を連続的に調整可能な弁開度可変型の制御弁であり、前記容量制御機構は、前記第1制御弁が最大の弁開度の開状態、前記第2制御弁が閉状態、前記第3制御弁が開状態、前記第4制御弁が閉状態にあって最小容量運転をもたらす第1制御状態と、前記第1制御弁が中間の弁開度の開状態、前記第2制御弁が閉状態、前記第3制御弁が閉状態、前記第4制御弁が閉状態にあって第1の中間容量運転をもたらす第2制御状態と、前記第1制御弁が中間の弁開度の開状態、前記第2制御弁が閉状態、前記第3制御弁が閉状態、前記第4制御弁が開状態にあって第2の中間容量運転をもたらす第3制御状態と、前記第1制御弁が閉状態、前記第2制御弁が開状態、前記第3制御弁が開状態、前記第4制御弁が閉状態にあって最大容量運転をもたらす第4制御状態とを取り得るようになっており、第1制御状態から前記制御圧室と前記吸入圧領域との差圧が大きくなってゆくと第2制御状態へ移行可能になっており、第2制御状態から前記制御圧室と前記吸入圧領域との差圧が大きくなってゆくと第3制御状態へ移行可能になっている請求項1に記載の可変容量型圧縮機における容量制御機構。
〔2〕前記第1制御弁は、電磁力を変えることによって供給通路の通路断面積を連続的に調整可能な弁開度可変型の制御弁であり、前記第1制御弁の弁開度は、電磁力変更手段の電流供給制御によって制御される請求項2、前記〔1〕項のいずれか1項に記載の可変容量型圧縮機における容量制御機構。
〔3〕前記排出通路は、並列に設けられた第1の排出通路と第2の排出通路と第3の排出通路とを含み、前記第2制御弁の弁孔は、前記第1の排出通路の一部であり、前記第3制御弁の弁孔は、前記第2の排出通路の一部であり、前記第4制御弁の弁孔は、前記第3の排出通路の一部である請求項1乃至請求項5、前記〔1〕,〔2〕項のいずれか1項に記載の可変容量型圧縮機における容量制御機構。
〔4〕前記第1制御弁、前記第2制御弁、前記3制御弁及び前記4制御弁は、可変容量型圧縮機のハウジングに組み付けられている請求項1乃至請求項5、前記〔1〕〜〔3〕項のいずれか1項に記載の可変容量型圧縮機における容量制御機構。
第1の実施形態を示す圧縮機全体の側断面図。 第1制御状態を示す要部拡大側断面図。 第4制御状態を示す要部拡大側断面図。 第2制御状態を示す要部拡大側断面図。 第3制御状態を示す要部拡大側断面図。 別の実施形態を示す要部拡大側断面図。 別の実施形態を示す要部拡大側断面図。 別の実施形態を示す要部拡大側断面図。 別の実施形態を示す要部拡大側断面図。
符号の説明
10…可変容量型圧縮機。121…制御圧室。131…吸入圧領域としての吸入室。132…吐出圧領域としての吐出室。32…容量制御機構を構成する第1制御弁。40…供給通路の一部となる第1制御弁の弁孔。46,46A,46B…容量制御機構を構成する第2制御弁。47,47D…容量制御機構を構成する第4制御弁。49,49A…第2制御弁の弁体。50…第2制御弁のバネ。52,52A…背圧室。53,53B…第1の排出通路の一部となる第2制御弁の弁孔。61…第4制御弁の弁体。62…第4制御弁のバネ。63…第2の排出通路の一部となる第4制御弁の弁孔。66,66C,66D…常開通路。70…供給通路。73,73C,73D…容量制御機構を構成する第3制御弁。75,75D…第3制御弁の弁体。76,81…第3制御弁のバネ。77,741…第3制御弁の弁孔。φ1,φ2,φ3,φ4…通路断面積。

Claims (5)

  1. 供給通路を介して吐出圧領域の冷媒を制御圧室に供給すると共に、排出通路を介して前記制御圧室の冷媒を吸入圧領域に排出して前記制御圧室内の調圧を行い、前記制御圧室内の調圧によって吐出容量を制御する可変容量型圧縮機における容量制御機構において、
    前記供給通路の通路断面積を調整する第1制御弁と、
    前記排出通路の通路断面積を調整する第2制御弁と、
    前記第2の制御弁と互いに並列の関係にあり、前記制御圧室の圧力と前記吸入圧領域の圧力との差圧に基づいて、前記排出通路の通路断面積を調整する第3及び第4制御弁と、
    前記排出通路における最小通路断面積となっており、かつ前記制御圧室と前記吸入圧領域とを常に連通している常開通路とを備え、
    前記第1制御弁が閉状態のときには前記第2制御弁が開状態となり、前記第1制御弁が開状態のときには、前記制御圧室と前記吸入圧領域との差圧が大きくなってゆく過程で前記第3制御弁が開状態から閉状態へ移行可能になっており、前記差圧がさらに大きくなってゆく過程で前記第4制御弁が閉状態から開状態へ移行可能になっている可変容量型圧縮機における容量制御機構。
  2. 前記第1制御弁は、弁開度を連続的に調整可能な弁開度可変型の制御弁であり、前記容量制御機構は、前記第1制御弁が最大の弁開度の開状態、前記第2制御弁が閉状態、前記第3制御弁が開状態、前記第4制御弁が閉状態にある第1制御状態と、前記第1制御弁が中間の弁開度の開状態、前記第2制御弁が閉状態、前記第3制御弁が閉状態、前記第4制御弁が閉状態にある第2制御状態と、前記第1制御弁が中間の弁開度の開状態、前記第2制御弁が閉状態、前記第3制御弁が閉状態、前記第4制御弁が開状態にある第3制御状態と、前記第1制御弁が閉状態、前記第2制御弁が開状態、前記第3制御弁が開状態、前記第4制御弁が閉状態にある第4制御状態とを取り得るようになっており、第1制御状態から前記制御圧室と前記吸入圧領域との差圧が大きくなってゆくと第2制御状態へ移行可能になっており、第2制御状態から前記制御圧室と前記吸入圧領域との差圧が大きくなってゆくと第3制御状態へ移行可能になっている請求項1に記載の可変容量型圧縮機における容量制御機構。
  3. 前記第2制御弁は、前記排出通路の一部となる弁孔と、前記弁孔を開閉する弁体と、前記弁孔を開く方向へ前記弁体を付勢するバネとを備え、かつ前記弁体が前記弁孔とは反対側に背圧室を区画し、前記第1制御弁よりも下流、かつ前記制御圧室よりも上流の圧力領域に前記背圧室を連通させる構成とした請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の可変容量型圧縮機における容量制御機構。
  4. 前記第3制御弁は、前記排出通路の一部となる弁孔と、前記弁孔を開閉する弁体と、前記弁孔を開く開位置に向けて前記弁体を付勢するバネとを備え、前記第3制御弁の弁体が前記第3制御弁の弁孔を閉じているときには前記第3制御弁の弁体が前記第3制御弁の弁孔を介して前記吸入圧領域の圧力を受ける構成とした請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の可変容量型圧縮機における容量制御機構。
  5. 前記第4制御弁は、前記排出通路の一部となる弁孔と、前記弁孔を開閉する弁体と、前記弁孔を閉じる閉位置に向けて前記弁体を付勢するバネとを備え、前記第4制御弁の弁体が前記第4制御弁の弁孔を閉じているときには前記第4制御弁の弁体が前記第4制御弁の弁孔を介して前記制御圧室の圧力を受ける構成とした請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の可変容量型圧縮機における容量制御機構。
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