JP2006316223A - ハードコート剤及びハードコートフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】シリカ粒子を含むハードコート剤において、シリカ粒子の疎水化処理を行わうことなく、シリカ粒子の分散性が向上されたハードコート剤、及び、このハードコート剤をハードコート層とするハードコートフィルムを得る。
【解決手段】樹脂バインダーと、シリカ粒子と、重合性不飽和基を有するイソシアネート化合物と、を含むハードコート剤であって、ハードコート剤中の含有水分量がシリカ粒子重量当たり0.5重量%以下であることを特徴とする。また、このハードコート剤をフィルムのハードコート層としたことを特徴とするハードコートフィルムである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハードコート剤、及び、このハードコート剤をハードコート層とするハードコートフィルムに関する。
プラスチックフィルムは表面が柔らくて傷がつきやすいため、フィルムの表層にハードコート剤を被覆してハードコート層を形成し、使用されることが多い。このハードコート剤をフィルムに塗布した後、乾燥して溶剤成分を揮発させると、樹脂バインダーが硬化し、ハードコート層が形成される。
このうち、特にシリカ粒子を含むハードコート剤を用いることにより、ハードコート層の硬さが向上することが知られている。このハードコート剤の例として、特許文献1には、分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基がある放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トと、一次粒径が1〜200nmのシリカ粒子とを含む放射線硬化型ハードコート剤が開示されている。
特開2000−7944号公報
シリカ粒子は親水性であるため、ハードコート剤においては、シリカ粒子同士が凝集しやすい。そのため、ハードコート層の塗布ムラが生じたり、部分的に硬さ特性が損なわれたりするという問題が発生する。そこで、シリカ粒子に有機化合物を結合させてシリカ粒子を疎水化することにより、シリカ粒子同士の凝集を抑制し、ハードコート剤中でのシリカ粒子の分散性を高めるという方法がある。
しかし、疎水性の有機化合物が結合されたシリカ粒子は、表面エネルギーが小さいため、このシリカ粒子を含むハードコート剤をフィルムに塗布すると、シリカ粒子が塗布表面に露出し、ハードコート層の表面に疎水性が現れる。そのため、このハードコート層に対してさらに別のコート剤を塗布する際、ハードコート層と、このコート剤との密着性が劣るという問題があり、使いにくい。
そのため、シリカ粒子を含むハードコート剤において、上記のようなシリカ粒子の疎水化処理を行わうことなく、シリカ粒子の分散性を向上させる手段が求められている。
本願発明者らは、シリカ粒子の表面の吸着水がシリカ粒子同士の凝集に関与しているため、この吸着水をシリカ粒子から除去し、さらに、ハードコート剤中の含有水分量を少なくすることにより、シリカ粒子同士の凝集が抑制され、シリカ粒子の分散性が向上するのではないかと考え、本発明にいたった。
すなわち、上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、樹脂バインダーと、シリカ粒子と、重合性不飽和基を有するイソシアネート化合物と、を含むハードコート剤であって、ハードコート剤中の含有水分量が含有シリカ粒子重量当たり0.5重量%以下であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載のハードコート剤をフィルムのハードコート層としたことを特徴とするハードコートフィルムである。
請求項1に記載の発明によれば、シリカ粒子の吸着水とイソシアネート化合物とを反応させることにより、シリカ粒子から吸着水が除去されるため、このハードコート剤は、シリカ粒子同士の凝集が抑制され、さらに、シリカ粒子含有の分散液中の含有水分量を含有シリカ粒子重量当たり0.5重量%以下とすることにより、シリカ粒子は高い分散性を示す。
また、イソシアネート化合物が重合性不飽和基を有するので、このハードコート剤によりハードコート層を形成する際に、重合性不飽和基によりイソシアネート化合物が結合する。よって、このハードコート剤により形成されたハードコート層は、シリカ粒子及びイソシアネート化合物により、極めて高い硬さを示すものである。
請求項2に記載の発明によれば、フィルムのハードコート層として請求項1に記載のハードコート剤を用いることにより、シリカ粒子が凝集することなく、高いシリカ含有量を保ち、かつ、塗布ムラがなく透明性の高いハードコート層を有するハードコートフィルムが得られる。また、上述の通り、ハードコート剤に含まれるシリカ粒子及びイソシアネート化合物により、非常に硬いハードコート層を有するハードコートフィルムが得られる。
次に本発明の実施の形態を説明する。本発明のハードコート剤に適用される樹脂バインダーとしては、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、ブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂及び酢酸ビニル系樹脂からなる群から選ばれた樹脂、及びこれらを2種以上選択した樹脂があげられる。
シリカ粒子としては、平均粒子径が2〜60nm、好ましくは、10〜30nmの市販のコロイダルシリカを用いることができる。粒子径がこれより大きくなるとハードコート層の透明性が失われ、この範囲より小さい場合は、シリカの入手が難しくなるとともに、シリカ粒子の単位重量当たりの表面積が増大し、シリカ粒子が凝集しやすくなるなどの問題が発生する。このハードコート剤を塗工硬化後は、フィルムの表面硬度の向上が可能である。
重合性不飽和基を有するイソシアネート化合物は、分子内に1つ以上のイソシアネート基と、重合性不飽和基を有する化合物である。この化合物として、(メタ)アクリロイル基およびイソシアネート基を含む化合物や、分子中に2つ以上のイソシアネート基を有し、少なくとも1つのイソシアネート基に重合性不飽和基を導入した化合物を用いることができる。
分子中に2つ以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタントリイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、トリエチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリエチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートのオリゴマー、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体等を用いることができる。
重合性不飽和基を導入するための化合物としては、水酸基含有アクリレートモノマー等、例えば、単官能アクリレートや多官能アクリレートを用いることができる。このうち、好ましくは多官能アクリレートを用いるとよい。単官能アクリレートとして、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレートなどを用いることができる。多官能アクリレートとしては、トリメチロールプロパンジアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパンジアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有アクリレートモノマー等を用いることができる。
以下、本発明について実施例、比較例を挙げてより詳細に説明する。以下の説明は、具体例を示すものであって特にこれらに限定するものではない。
(ハードコート剤及びハードコートフィルムの実施例)
(実施例1)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(分子量298/新中村化学工業株式会社製、以下PETAと略す)59重量部にコロネートHX(商品名、分子量504/日本ポリウレタン株式会社製)50重量部、触媒としてジブチル錫ジラウレート(DBTDLと略す)を0.01重量部加え、室温にて2時間攪拌し、PETA−コロネートHXモノマーを得た。このモノマーを酢酸ブチル溶媒分散コロイダルシリカ(SiO成分30%、平均粒子径12nm/日産化学株式会社製)156重量部に添加し、60℃まで昇温させて4時間撹拌後、実施例1のハードコート剤を得た。
次いで、上記実施例1のハードコート剤100部に対し、開始剤としてIrgacure184(チバガイギー社製、商品名、以下同じ)を2.5重量部加えた混合溶液を、厚みが100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート:東レ株式会社製ルミラー(商品名))フィルムに硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、さらに、160W/cmの高圧水銀灯で、400mJ/cmの紫外線を塗布面に照射してハードコート層を形成し、実施例1のハードコートフィルムを得た。
(実施例2)
PETA59重量部にコロネートHX(商品名、分子量504/日本ポリウレタン株式会社製)50重量部、触媒としてジブチル錫ジラウレート(DBTDLと略す)を0.01重量部加え、室温にて2時間攪拌し、PETA−コロネートHXモノマーを得た。このモノマーを酢酸ブチル溶媒分散コロイダルシリカ(SiO成分30%、平均粒子径12nm/日産化学株式会社製)156重量部に添加し、60℃まで昇温させ8時間撹拌後、実施例2のハードコート剤を得た。
次いで、上記の実施例2のハードコート剤100部に対し、開始剤としてIrgacure184を2.5重量部加えた混合溶液を、厚みが100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート:東レ株式会社製ルミラー(商品名))フィルムに硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、さらに、160W/cmの高圧水銀灯で、400mJ/cmの紫外線を塗布面に照射してハードコート層を形成し、実施例2のハードコートフィルムを得た。
(実施例3)
PETA14重量部にトリレンジイソシアネート(分子量174/三井武田ケミカル株式会社製)50重量部、触媒としてジブチル錫ジラウレート(DBTDLと略す)を0.01重量部加え、室温にて2時間攪拌し、PETA−コロネートHXモノマーを得た。このモノマーをトルエン溶媒分散コロイダルシリカ(SiO成分40%、平均粒子径12nm/日産化学株式会社製)213重量部に添加し、60℃まで昇温させて4時間撹拌後、実施例3のハードコート剤を得た。
次いで、上記の実施例3のハードコート剤100部に対し、開始剤としてIrgacure184を2重量部加えた混合溶液を、厚みが100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート:東レ株式会社製ルミラー(商品名))フィルムに硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、さらに、160W/cmの高圧水銀灯で、400mJ/cmの紫外線を塗布面に照射してハードコート層を形成し、実施例3のハードコートフィルムを得た。
(実施例4)
メチルエチルケトン(MEK)溶媒分散コロイダルシリカ(SiO成分30%、平均粒子径12nm/日産化学株式会社製)100重量部に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)(分子量155/昭和電工株式会社製)13重量部添加して、60℃まで昇温し、4時間撹拌して実施例4のハードコート剤を得た。
次いで、上記の実施例4のハードコート剤100部に対し、開始剤としてIrgacure184を1.5重量部加えた混合溶液を、厚みが100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート:東レ株式会社製ルミラー(商品名))フィルムに硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、さらに、160W/cmの高圧水銀灯で、400mJ/cmの紫外線を塗布面に照射してハードコート層を形成し、実施例4のハードコートフィルムを得た。
(ハードコート剤及びハードコートフィルムの比較例)
(比較例1)
メチルエチルケトン溶媒分散コロイダルシリカ(SiO成分30%、平均粒子径12nm/日産化学株式会社製)10重量部に、PETAを27重量部添加し、60℃まで昇温して2時間攪拌後、比較例1のハードコート剤を得た。
次いで、上記の比較例1のハードコート剤100部に対し、開始剤としてIrgacure184を2.5重量部加えた混合溶液を、厚みが100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート:東レ株式会社製ルミラー(商品名))フィルムに硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、さらに、160W/cmの高圧水銀灯で、400mJ/cmの紫外線を塗布面に照射してハードコート層を形成し、比較例1のハードコートフィルムを得た。
(比較例2)
PETA59重量部にコロネートHX(分子量504/日本ポリウレタン株式会社製)50重量部、酢酸ブチル 46重量部、触媒としてジブチル錫ジラウレート(DBTDLと略す)を0.01重量部加え、室温にて2時間攪拌し、PETA−コロネートHXモノマーを得た。このモノマーを酢酸ブチル溶媒分散コロイダルシリカ(SiO成分30%、平均粒子径12nm/日産化学株式会社製)157重量部に添加し、60℃まで昇温させ30分撹拌後、比較例2のハードコート剤を得た。
次いで、上記の比較例2のハードコート剤100部に対し、開始剤としてIrgacure184を2.5重量部加えた混合溶液を、厚みが100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート:東レ株式会社製ルミラー(商品名))フィルムに硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、さらに、160W/cmの高圧水銀灯で、400mJ/cmの紫外線を塗布面に照射してハードコート層を形成し、比較例2のハードコートフィルムを得た。
(比較例3)
メチルエチルケトン(MEK)溶媒分散コロイダルシリカ(SiO成分30%、平均粒子径12nm/日産化学株式会社製)100重量部に、グリシジルメタクリレート(以下GMAと省略。三菱ガス化学株式会社製、商品名GE−510)270重量部添加して、60℃まで昇温し、4時間撹拌し、比較例3のハードコート剤を得た。
次いで、上記の比較例3のハードコート剤100部に対し、開始剤としてIrgacure184を5重量部加えた混合溶液を、厚みが100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート:東レ株式会社製ルミラー(商品名))フィルムに硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、さらに、160W/cmの高圧水銀灯で、400mJ/cmの紫外線を塗布面に照射してハードコート層を形成し、比較例3のハードコートフィルムを得た。
(比較例4)
メチルエチルケトン(MEK)溶媒分散コロイダルシリカ(SiO成分30%、平均粒子径12nm/日産化学株式会社製)100重量部に、シリカゲル(豊田化工株式会社製、Aタイプ)を添加し30重量部添加して、室温のまま4時間撹拌し、シリカゲルは濾過することで除去し、比較例4のハードコート剤を得た。
次いで、上記の比較例4のハードコート剤100部に対し、開始剤としてIrgacure184を5重量部加えた混合溶液を、厚みが100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート:東レ株式会社製ルミラー(商品名))フィルムに硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、さらに、160W/cmの高圧水銀灯で、400mJ/cmの紫外線を塗布面に照射してハードコート層を形成し、比較例4のハードコートフィルムを得た。
(比較例5)
イソプロピルアルコール(IPA)12重量部に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)(分子量155/昭和電工株式会社製)30重量部を添加して60℃まで昇温し、4時間撹拌して、IPA−MOIモノマーを得た。このモノマーをMEK溶媒分散コロイダルシリカ(SiO成分30%、平均粒子径12nm/日産化学株式会社製)327重量部に添加し、60℃まで昇温させ、4時間撹拌後、比較例5のハードコート剤を得た。
次いで、上記の比較例5のハードコート剤100部に対し、開始剤としてIrgacure184を2.5重量部加えた混合溶液を、厚みが100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート:東レ株式会社製ルミラー(商品名))フィルムに硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、さらに、160W/cmの高圧水銀灯で、400mJ/cmの紫外線を塗布面に照射してハードコート層を形成し、比較例5のハードコートフィルムを得た。
上記の実施例及び比較例のハードコート剤の構成を表1にあらためて示す。
Figure 2006316223
(*):すべて各メーカーの商品名
なお、表1における略号は、下記の組成物、または、意味を示すものである。また、各組成物の下段には、各組成物のメーカー名及び商品名を示す(MEK及びIPAを除く)。
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
日本ポリウレタン株式会社、商品名コロネートHX(分子量504)
TDI:トリレンジイソシアネート
三井武田ケミカル株式会社、商品名コスモネートT−80(分子量174)
GMA:グリシジルメタクリレート
三菱ガス化学株式会社、商品名GMA(GE−510)(分子量142)
MOI:2−メタクリロイル−オキシエチルイソシアネート
昭和電工株式会社、商品名カレンズMOI (分子量152)
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
新中村化学工業株式会社、商品名A−TMM−3LM−N(分子量298)
MEK:メチルエチルケトン
IPA:イソプロピルアルコール
また、各比較例のハードコート剤は、以下の観点により調製したものである。
比較例1:シリカ粒子分散液含有水分子と反応しうる化合物が添加されていない例
比較例2:シリカ粒子分散液含有水分子がシリカ粒子重量当たり0.5重量%以上である場合の例
比較例3:シリカ粒子分散液含有水分子と反応しうる化合物がグリシジル化合物であるた場合の例
比較例4:シリカ粒子分散液含有水分子をシリカゲルの吸着を利用し除去を試みた場合の例
比較例5:シリカ粒子分散液含有水分子と反応しうるイソシアネートが事前にアルコールによって活性を失っている場合の例
次に、実施例1〜4、及び、比較例1〜5の各ハードコート剤について、以下の項目を測定評価した。
(粒子沈降性)
各ハードコート剤を試験管(φ16mm)に20ml入れ、24時間放置した後、試験管の底部を目視確認し、金属酸化物粒子の沈降の有無を確認する。
評価基準
合格○:粒子の沈降が認められない。
不合格×:粒子の沈降が認められる。
(濁度)
各ハードコート剤を試験管(φ16mm)に20ml入れ、24時間放置した後、ハードコート剤の濁りの有無を確認した。
(含有水分量)
カールフィッシャー水分計AQV−200(平沼産業株式会社製)によりシリカ粒子分散液において含有水分量を測定し、含有するシリカ粒子の重量に対し算出した。
さらに、実施例1〜4、及び、比較例1、2、4及び5のハードコートフィルムについて、以下の項目を測定評価した。
(全光線透過率)
JIS K 7361−1(2000年版)3.2の規定に基づき、ヘイズメータ(スガ試験機製)により測定した。
(ヘイズ)
JIS K 7136(2000年版)の規定に基づきヘイズメータ(スガ試験機製)により測定した。
(鉛筆硬度)
JIS K 5600に準じ、斜め45度に固定した鉛筆の真上から荷重をかけ引っ掻き試験を行い、傷の付かない鉛筆硬度を表示した。
(耐擦傷性)
ハードコート層の表面上に、スチールウール#0000(日本スチールウール株式会社製)を荷重1kg重で5往復摩擦した後、傷付着を目視確認する。
評価基準
合格○:傷付着10本以下。
不合格×:傷付着11本以上。
(密着性)
JIS K 5600−5−6(1999年版)に基づく碁盤目試験による。塗工面に、カッターナイフで10×10のマス目を作り、このマス目の上にセロファンテープを貼る。次いで、このセロファンテープを斜め45°上方に引っ張り、剥がれなかったマス目を数えた。
上記の測定評価の結果は、表2の通りである。
Figure 2006316223
表2からわかる通り、実施例のハードコート剤及びハードコートフィルムは、いずれも所望の特性を有することが確認された。一方、比較例のハードコート剤及びハードコートフィルムは、いずれも、その特性は不十分であった。
比較例1では、吸着水分子と反応しうる化合物を添加しておらず、吸着水分量が高く、シリカ粒子の二次凝集が見られ、硬度、透明性ともに良好な物性は得られなかった。
比較例2ではその、反応条件によりシリカ粒子分散液中の水分子の取り除く量が不足しており、シリカ粒子重量に対し0.5重量%以上であった場合であり、比較例1に同様に、シリカの分散が不完全であり、硬度、透明性ともに良好な物性は得られなかった。
比較例3では吸着水分子と反応しうる化合物がグリシジル基を有するアクリレートで期待するが、イソシアネートの反応性と比してシリカ粒子分散液中の水分子の取り除く量が不足しており、含有するシリカ粒子重量に対し0.5重量%以上であった場合であり、比較例1に同様に、シリカの分散が不完全であり、硬度、透明性ともに良好な物性は得られなかった。
比較例4ではシリカ粒子分散液中の水分子を吸着が可能な物質で除去することを試みた。すなわち、シリカゲルは、微細孔を無数に有しており、この孔に吸着水が取り込まれることにより、脱水作用があるが、その除去効果は低く、比較例1に同様に、シリカの分散が不完全であり、硬度、透明性ともに良好な物性は得られなかった。
比較例5は、水分子と反応しうるイソシアネート化合物を事前にアルコール分子で変性し、シリカ粒子分散液中の水分子との反応性を著しく低下させた例であり、結果としてシリカ粒子分散液中の水分子の取り除く量が不足しており、シリカ粒子重量に対し0.5重量%以上であった場合であり、比較例1に同様に、シリカの分散が不完全であり、硬度、透明性ともに良好な物性は得られなかった。比較例1に同様に、シリカの分散が不完全であり、硬度、透明性ともに良好な物性は得られなかった。

Claims (2)

  1. 樹脂バインダーと、シリカ粒子と、重合性不飽和基を有するイソシアネート化合物と、を含むハードコート剤であって、上記ハードコート剤中の含有水分量が、上記シリカ粒子重量当たり0.5重量%以下であることを特徴とするハードコート剤。
  2. 請求項1記載のハードコート剤をフィルムのハードコート層としたことを特徴とするハードコートフィルム。
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