JP2006316193A - 隠蔽性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 隠蔽性顔料粒子のインキ組成物内での沈降を防止して、筆記不良や筆記具の振倒などの煩わしい操作を必要としない隠蔽性インキ組成物を提供すること。
【解決手段】 少なくとも0.008〜0.05μmの範囲にある無機微粒子を分散させた溶液に、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有してなる平均粒径が0.8〜10μmの範囲にある隠蔽性複合粒子を添加してなる隠蔽性インキ組成物であって、前記微粒子分散溶液の比重をd1とし、複合粒子の比重をd2とし、該比重d1とd2の関係が0.8<d1/d2<1.2であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、隠蔽性インキ組成物に関するものであり、より詳細には、隠蔽性のある酸化チタン又は酸化亜鉛等の粒子顔料を含んだ修正ペン又は重ね塗り可能なサインペンなどに使用される隠蔽性インキ組成物に関するものである。
従来から、隠蔽性顔料である酸化チタン又は酸化亜鉛粒子を含んだインキ組成物は多々提案されている。このような粒子顔料を含んだインキ組成物にあっては隠蔽性顔料粒子の比重が大きいために沈澱を起こしやすいという課題がある。このため、酸化チタン等を核にして樹脂を被覆したマイクロカプセル化して複合粒子とすること(例えば、特許文献1、特許文献2)、樹脂の回りに酸化チタン等を付着させて複合粒子とすること、また単に樹脂と酸化チタン等とを混ぜ合わせることなどにより、顔料を樹脂との複合粒子としてインキ組成物中に存在させることが提案されている。そして、これらの複合粒子の比重を軽くすることにより沈澱等を防止している。
特開平10−36732号公報 特開2000−265105号公報
しかしながら、複合粒子を含有させた従来の隠蔽性インキ組成物にあっては、その複合粒子が大きいことからブラウン運動が弱くなること、また溶剤との比重差が未だ大きいことなどから沈降防止が十分でなく改善すべき課題が見られる。
従って、本発明は、かかる課題を解決するために、隠蔽性顔料粒子のインキ組成物内での沈降を防止して、筆記不良や筆記具の振倒などの煩わしい操作を必要としない隠蔽性インキ組成物を提供することにある。
本発明者は、溶剤に沈降し難い超微粒子を添加して溶剤溶液自身の見掛け比重を高め、或いは無機塩を溶解させて溶液比重を高め、また隠蔽性顔料である複合粒子の径を一定範囲に保つことにより、溶液中の複合粒子のブラウン運動を弱めることなく、微粒子含有溶液の見掛け比重等と隠蔽性複合粒子顔料の比重との差を少なくすることで、複合粒子の沈降がし難くなることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明に係る隠蔽性インキ組成物は、以下の構成或いは手段からなることを特徴とし、上記課題を解決するものである。
(1)少なくとも0.008〜0.05μmの範囲にある無機微粒子を分散させた溶液に、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有してなる平均粒径が0.8〜10μmの範囲にある隠蔽性複合粒子を添加してなる隠蔽性インキ組成物であって、前記微粒子分散溶液の比重をd1とし、複合粒子の比重をd2とし、該比重d1とd2の関係が0.8<d1/d2<1.2である隠蔽性インキ組成物。
(2)少なくとも0.008〜0.05μmの範囲にある無機微粒子を分散させた溶液に、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有してなる平均粒径が0.8〜10μmの範囲にあり、且つ比重の異なる2種類の隠蔽性複合粒子を添加してなる隠蔽性インキ組成物であって、前記微粒子分散溶液の比重をd1とし、2種類の隠蔽粒子の比重をd3及びd4とし、該比重d1とd3及びd4の関係がd3≦d1≦d4である隠蔽性インキ組成物。
(3)前記複合粒子が酸化チタン及び又は酸化亜鉛と、真密度が1.0g/cm以下のポリオレフィンから形成される上記(1)又は(2)に記載の隠蔽性インキ組成物。
(4)前記複合粒子はインキ組成物全体に対して1〜40質量%の範囲にある上記(1)又は(2)に記載の隠蔽性インキ組成物。
(5)前記無機微粒子がシリカ又は酸化チタン粒子である上記(1)又は(2)記載の隠蔽性インキ組成物。
(6)比重がd5になるように無機塩を溶解した溶液に、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有してなる平均粒径が0.8〜10μmの範囲にある隠蔽性複合粒子を添加してなる隠蔽性インキ組成物であって、該複合粒子の比重をd2とし、該比重d5とd2の関係が0.8<d5/d2<1.2である隠蔽性インキ組成物。
(7)比重がd5になるように無機塩を溶解した溶液に、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有してなる平均粒径が0.8〜10μmの範囲にあり、且つ比重の異なる2種類の隠蔽性複合粒子を添加してなる隠蔽性インキ組成物であって、前記2種類の隠蔽粒子の比重をd3及びd4とし、該比重d1とd3及びd4の関係がd3≦d5≦d4である隠蔽性インキ組成物。
(8)前記無機塩が塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、塩化マグネシウム、燐酸水素二ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ホスフィン酸ナトリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、亜硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、二燐酸カリウム、ポリ燐酸ナトリウム、硫酸カリウムの少なくとも1種以上の無機塩からなる上記(6)又は(7)記載の隠蔽性インキ組成物。
(9)界面活性剤及び樹脂を添加してなる上記(1)、(2)、(6)及び(7)の何れかに記載の隠蔽性インキ組成物。
本発明に係る隠蔽性インキ組成物によれば、インキ組成物における微粒子含有分散溶液の所謂見掛け比重或いは無機塩を溶解した溶液の調整比重と隠蔽顔料である複合粒子との比重に殆ど差が無く、また複合粒子も所定の平均粒径の範囲内とされるので、インキ組成物中での複合粒子の沈降が極力抑えられ、筆記不良を起こさない。また、組成物をペンに充填した場合にはペンの振倒などの煩雑な操作を必要としない。
以下、本発明に係る隠蔽性インキ組成物の好ましい実施の形態を詳述する。尚、本発明に係る隠蔽性インキ組成物は以下の実施形態及び実施例に限るものではない。
本発明に係る隠蔽性インキ組成物は、第1実施形態として、少なくとも0.008〜0.05μmの範囲にある無機超微粒子を分散させた溶液に、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有してなる平均粒径が0.8〜10μmの範囲にある隠蔽性複合粒子を添加してなる隠蔽性インキ組成物であって、前記微粒子分散溶液の比重をd1とし、複合粒子の比重をd2とし、該比重d1とd2の関係が0.8<d1/d2<1.2である。
第2の実施形態として、上記無機超微粒子を分散させた溶液に、隠蔽性複合粒子が異なる比重を有する2種類の粒子からなる場合には、その隠蔽性インキ組成物は、前記微粒子分散溶液の比重をd1とし、2種類の隠蔽粒子の比重をd3及びd4とし、該比重d1とd3及びd4の関係がd3≦d1≦d4である。
第3の実施形態として、比重がd5になるように無機塩を溶解した溶液に、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有してなる平均粒径が0.8〜10μmの範囲にある隠蔽性複合粒子を添加してなる隠蔽性インキ組成物であって、該複合粒子の比重をd2とし、該比重d5とd2の関係が0.8<d5/d2<1.2である。
第4の実施形態として、上記無機塩の溶液に、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有してなる平均粒径が0.8〜10μmの範囲にあり、且つ比重の異なる2種類の隠蔽性複合粒子を添加してなる隠蔽性インキ組成物であって、前記2種類の隠蔽粒子の比重をd3及びd4とし、該比重d1とd3及びd4の関係がd3≦d5≦d4である。
第1及び第2の実施形態の隠蔽性インキ組成物は、少なくとも0.008〜0.05μmの範囲にある無機微粒子を分散させた超微粒子含有溶液からなる。そして、かかる微粒子含有溶液はその見掛け比重がd1である。また、第3及び第4の実施形態の隠蔽性インキ組成物は、後述する無機塩を溶解させて、その溶液は比重がd5である。
使用溶剤(溶液)は、インキ組成物として使用される分散媒であれば特にその使用に制限はなく、水、及びその有機溶媒を用いることができる。本発明において、使用溶剤の比重は0.6〜1.2の範囲、特に、0.7〜1.1の範囲が好ましい。溶剤自身の比重が0.6未満では、超微粒子を含有させて溶液の見掛け比重d1、又は比重d5を高めても、隠蔽性顔料である複合粒子の比重d2等に十分に近づけるのが困難となる。また、溶剤自身の比重が1.3を超えると溶液の粘性等が大きくなりインク組成物として好ましくない。
使用無機微粒子は、インキ組成物に使用可能であれば特に限る必要はないが、好ましくは顔料としても作用する超微粒子無機顔料がよい。具体的には、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、金、銀、酸化鉄、酸化亜鉛、硫酸カルシウムなどを挙げることができる。好ましくは、溶剤へ分散したときの安定性の良さからシリカ、酸化チタン、酸化亜鉛などが望ましい。
また使用無機微粒子の平均粒径は0.008〜0.05μmの範囲にあり、より好ましい平均粒径は0.01〜0.04μmの範囲である。無機微粒子の平均粒径が0.008μm未満では溶液での分散安定性が悪く、また平均粒径が0.05μmを超える場合には無機微粒子自身の沈降が生じ易くなる。このような粒径の具体的な無機微粒子としては、シリカであるアエロジル200(平均粒径0.012μm)、アエロジルR972(平均粒径0.016μm)等の日本エアロジル社製のもの、スノーテックス50(平均粒径0.025μm)、シリカゾルIPA−SP(平均粒径0.015μm)、シリカゾルPGM−ST(平均粒径0.015μm)等の日産化学工業社製のもの、また酸化チタンであるTTO−51A(平均粒径0.02μm)、TTO−51C(平均粒径0.02μm)の石原産業社製のもの及びMT−100s(平均粒径0.015μm)のテイカ社製のもの、更に酸化亜鉛であるFTO−50(平均粒径0.02μm)の石原産業社製のもの及びMZ−707S(平均粒径0.015μm)のテイカ社製のもの等を挙げることができる。
また、上記の溶液に使用する無機塩は、具体的に塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、塩化マグネシウム、燐酸水素二ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ホスフィン酸ナトリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、亜硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、二燐酸カリウム、ポリ燐酸ナトリウム、硫酸カリウム等、その他の無機塩が挙げられる。これらの塩は溶液に単独又は2以上で使用することができる。
本発明において、無機微粒子含有溶液の見掛け比重d1及び無機塩溶液の比重d5は0.9〜1.2の範囲であることが好ましい。このような範囲にあれば、後述する複合粒子の比重d2、d3、及びd4との所定の関係を容易に見たすことができる。このような好ましい見掛け比重d1を得るには、無機微粒子自身の比重にもよるが、例えば、シリカ微粒子であれば、溶剤100容量に対して5〜50固形容量の範囲で混合することが好ましく、酸化チタン微粒子であれば、溶剤100容量に対して5〜50固形容量の範囲で混合することが好ましい。また、無機塩溶液の比重5を得るには、無機塩が3〜20質量%の範囲で溶解させるのが好ましい。
本発明において、隠蔽性複合粒子は、隠蔽顔料物質と樹脂とを複合させてなる平均粒径が0.6〜10μmの範囲にある。特に、複合粒子の平均粒径は0.6〜5の範囲であることが好ましい。複合粒子の平均粒径が10μmを超えると、インキ組成物での複合粒子の沈降を十分に阻止できなくなってくる。また、複合粒子の平均粒径が0.6μm未満ではインキ組成物中での隠蔽顔料としての効果が低下してくる。
隠蔽顔料物質としては酸化チタン及び/又は酸化亜鉛からなる。また、使用樹脂としては、それ自他公知の樹脂を使用することができ、例えば、ポリスチレン、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリイソブテン、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール等の熱可塑性樹脂及びパラフィン、セルロース系、ゼラチン、アラビアゴム等の天然樹脂等を挙げることができる。
本発明にあって、複合粒子は、隠蔽顔料物質を酸化チタン及び/又は酸化亜鉛とする場合に、樹脂として真密度が1.0g/cm以下、より好ましいくは0.80〜0.95g/cmのポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンであることが好ましい。複合粒子は、隠蔽性を十分に有し、後述するような最適な比重d2、d3、及びd4が簡単に得られる。
また、複合粒子にあっては、隠蔽顔料物質(酸化チタン及び/又は酸化亜鉛)100質量部に対して樹脂が40〜95質量部の範囲で混合していることが好ましい。ポリオレフィンの混合量が95質量部を超えると隠蔽性顔料としての効果が低下する。またポリオレフィンの混合量が40質量部未満では、後述する最適な比重d2、d3、及びd4の関係が得られない。
複合粒子の隠蔽顔料物質と樹脂とは単純な混練混合したものでも良く、樹脂の回りに酸化チタン等を付着させても良く、また樹脂が隠蔽顔料物資を内包したマイクロカプセル化した複合粒子であっても良い。本発明にあっては特に、筆記性、及び隠蔽性の観点からマイクロカプセル化した複合粒子であることが好ましい。マイクロカプセル化法としては、コアセルベーション法、インサイチュー重合法、界面重合法、液中硬化被膜法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中けん濁被覆法、スプレードライイング法等の公知の方法が挙げられる。
本発明において、複合粒子はインキ組成物に1〜40質量%の範囲で配合することが好ましい。複合粒子が1質量%未満では十分に隠蔽性顔料としての効果が現れない。また複合量子が40質量%を超えると筆記性の低下、及び顔料の沈降防止が困難になってくる。
本発明の隠蔽性インキ組成物の第1及び第3の実施形態にあっては、上記の微粒子分散溶液の比重d1、又は無機塩溶液の比重d5と、複合粒子の比重d2との関係は、0.8<d1(又はd5)/d2<1.2である。特に0.9<d1(又はd5)/d2<1.1であることが好ましい。溶液の比重d1、又はd5と、複合粒子の比重d2との関係が上記範囲内に維持されることによって、インキ組成物における複合粒子の沈降が生じず、インキ組成物は筆記具のインキタンク内で詰まったり、使用中に何度も筆記体を振倒する煩わしさが解消される。
また第2及び第4の実施形態として、隠蔽性複合粒子は、それぞれ比重を異ならせた2種類の粒子とすることができる。溶液の比重d1、又はd5は比重の小さい複合粒子と比重の大きい粒子との間にある。即ち、比重の小さい複合粒子の比重をd3とし、比重の大きい複合粒子の比重をd4とすると、d3≦d1(又はd5)≦d4の関係にある。また第2実施形態にあっては、両者の複合粒子は、第1実施形態のd2としても存在しうることから0.8<d3≦d1(又はd5)、及びd1(又はd5)≦d4<1.2を満たすものである。
本発明において、隠蔽性インキ組成物には、複合粒子の分散性を高めるために樹脂等で表面が処理されることが好ましい。このような複合粒子の分散性を高める樹脂としては、従来から公知のものの使用ができる。樹脂としては水溶性又は油溶性の樹脂でも良く、例えば、フェノール樹脂、ケトン樹脂、ロジン及び/又は変性ロジン、ロジンエステル等のロジン樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。樹脂はインキ組成物全量に対して、0.1〜50質量%を用いることができ、1〜40質量%が特に好ましい。
また、本発明において、隠蔽性インキ組成物には、複合粒子の分散性を高めるために界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等である。このような界面活性剤のなかでもPOE(6)トリデシルエーテル酢酸塩(商標名ECTD−6NEX、日光ケミカル社製)等が好適に用いられる。このような界面活性剤は、0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
本発明において、隠蔽性インキ組成物には、必要により染料を添加することができる。染料としてはそれ自体公知の、C.I.ソルベントブラック7、同123、C.I.ソルベントレッド8、同49、C.I.ソルベントブルー2、25、55、70、C.I.ソルベントグリーン3、C.I.ソルベントイエロー21、同61、C.I.ソルベントオレンジ37、C.I.ソルベントバイオレット8、同21、バリファストレッド3311等が挙げられる。染料の使用量はインキ組成物全量に対して2〜20重量%添加することが好ましい。
本発明にあっては隠蔽性インキ組成物には、上述の効果を喪失させない範囲で、上述の成分以外に、蒸発抑制剤、防腐剤、防黴剤、湿潤剤、粘度調節剤、凍結安定剤、消泡剤、顔料など種々の添加剤を適宜選択して使用することができる。
次に、本発明を実施例及び比較例により更に詳述する。実施例及び比較例は以下の方法により評価した。
以下に示す配合量の複合粒子1及び2、また微粒子含有溶液1、2及び3を調整し、これらの粒子及び溶液を使用して実施例及び比較例の隠蔽性インキ組成物を製造した。各実施例及び比較例のインキ組成物について、後述する筆記試験1及び筆記試験2の評価を行った。その結果を表1に示した。
<複合粒子1>
ポリプロピレン(真密度0.91g/cm)及び平均粒径0.3μmの酸化チタン(ITT−2CR−50、日光ケミカルズ社製の有機チタネート処理)[質量比8:2]からなる複合粒子であり、その平均粒径が1.5μmで比重が1.02である。
<複合粒子2>
ポリプロピレン(真密度0.91g/cm)及び平均粒径0.3μmの酸化チタン(ITT−2CR−50、日光ケミカルズ社製の有機チタネート処理)[質量比7:3]からなる複合粒子であり、その平均粒径が1.5μmで比重が1.21である。
<溶液1>
コロイダルシリカ溶液(SiO 固形分50容量%(水)、平均粒径0.025μm:日産化学工業社製の商標名スノーテックス50を使用);比重1.15
<溶液2>
酸化チタン分散溶液(酸化チタン 固形分10容量%(水)、平均粒径0.01μm:触媒化成社製の商標名クインタイタニックPW−1010を使用);比重1.07
<溶液3>
シリカゾル溶液(SiO 30%のプロピレングリコールモノメチルアセテート分散シリカゾル 平均粒径0.015μm:日産化学工業社製の商標名オルガノシリカゾルPMG−STを使用);比重1.12
<溶液4>
トリポリ燐酸ナトリウム10質量%水溶液;比重1.09
(実施例1)
溶液1を74質量部、複合粒子2を20質量部、界面活性剤(商標名:ECTD−6NEX、日光ケミカルズ社製)を5質量部、及び樹脂(商標名:エコーガムRD、キサンタンガム、大日本製薬社製)を1質量部からなる隠蔽性インキ組成物を実施例1とする。
(実施例2)
溶液1を64質量部、複合粒子1を15質量部、複合粒子2を15質量部、界面活性剤(商標名:ECTD−6NEX、日光ケミカルズ社製)を5質量部、及び樹脂(商標名:エコーガムRD、キサンタンガム、大日本製薬社製)を1質量部からなる隠蔽性インキ組成物を実施例2とする。
(実施例3)
溶液2を64質量部、複合粒子1を15質量部、複合粒子2を15質量部、界面活性剤(商標名:ECTD−6NEX、日光ケミカルズ社製)を5質量部、及び樹脂(商標名:エコーガムRD、キサンタンガム、大日本製薬社製)を1質量部からなる隠蔽性インキ組成物を実施例3とする。
(実施例4)
溶液3を70質量部、複合粒子1を20質量部、樹脂(商標名:BL−1、ポリビニルブチラール、積水化学社製)を5質量部、及び赤染料(商標名バリファストレッド3311、オリエント化学工業社製)を5質量部からなる隠蔽性インキ組成物を実施例4とする。
(実施例5)
溶液4を60質量部、複合粒子1を15質量部、複合粒子2を15質量部、樹脂(商標名:バンディスT−25K、ロジン酸カリウム、ハリマ化成社製)を5質量部、及び樹脂(商標名:ジョンクリル61J、スチレン−アクリル共重合体、ジョンソン社製)を5質量部、及び(商標名バリファストレッド3311、オリエント化学工業社製)を5質量部からなる隠蔽性インキ組成物を実施例4とする。
(比較例1)
実施例1の溶液1に代えて水を添加したものを比較例1とする。
(比較例2)
キシレン(比重0.85)を70質量部、酸化チタン(比重4.1、平均粒径0.25μmの商標名JR−600A、テイカ社製)を20質量部、及びテルペンフェノール樹脂(商標名YSポリスターT115のヤスハラケミカル社製)を10質量部からなるキシレン系の酸化チタンを含むペイントマーカーインキを比較例2とする。
(比較例3)
メチルシクロヘキサン(比重0.76)を60質量部、酸化チタン(比重4.1、平均粒径0.25μmの商標名JR−600A、テイカ社製)を20質量部、及び変性エポキシエステル樹脂(固形分45容量%の商標名フタルキッドE4330−1、日立化成工業社製)を20質量部からなるメチルシクロヘキサン系の酸化チタンを含む修正ペン用インキ組成物を比較例3とする。
以上の各インキ組成物を三菱鉛筆社製の直液サインペンPC−3M容器に5g充填して、バルブ機構を機能させペン先にインキを満たした後、以下の試験評価を行う。
<筆記試験1>
ペン先を上向きに温度25℃の条件で1ヶ月間静置した後、黒紙に筆記し、その初筆の隠蔽性を目視にて判断する。◎は隠蔽性が十分であり、経時試験前の隠蔽性と比較して変化しない。○は隠蔽性が十分である。△は隠蔽性が不十分である。×は透明の液が出て隠蔽性が見られない。
<筆記試験2>
ペン先を下向きに温度25℃の条件で1ヶ月間静置した後、黒紙に筆記し、その初筆の隠蔽性を目視にて判断する。◎は隠蔽性が十分であり、経時試験前の隠蔽性と比較して変化しない。○は隠蔽性が十分である。△はややかすれる描線で隠蔽性が不十分である。×は隠蔽剤のペン先への目詰まりで筆記不能である。
Figure 2006316193
表1に結果から、実施例1〜4は筆記試験1及び2において優れた結果を示したが、比較例1〜3は隠蔽性や筆記性において十分ではないことが判る。また、第2の実施形態である実施例3は経時的にも隠蔽性及び筆記性が優れていることが判る。
本発明は、隠蔽性と筆記性とより改善されてなる産業上の利用性の高い隠蔽性インキ組成物である。

Claims (9)

  1. 少なくとも平均粒径0.008〜0.05μmの範囲にある無機微粒子を分散させた溶液に、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有してなる平均粒径が0.6〜10μmの範囲にある隠蔽性複合粒子を添加してなる隠蔽性インキ組成物であって、前記微粒子分散溶液の比重をd1とし、複合粒子の比重をd2とし、該比重d1とd2の関係が0.8<d1/d2<1.2である隠蔽性インキ組成物。
  2. 少なくとも平均粒径0.008〜0.05μmの範囲にある無機微粒子を分散させた溶液に、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有してなる平均粒径が0.6〜10μmの範囲にあり、且つ比重の異なる2種類の隠蔽性複合粒子を添加してなる隠蔽性インキ組成物であって、前記微粒子分散溶液の比重をd1とし、2種類の隠蔽粒子の比重をd3及びd4とし、該比重d1とd3及びd4の関係がd3≦d1≦d4である隠蔽性インキ組成物。
  3. 前記複合粒子が酸化チタン及び/又は酸化亜鉛と、真密度が1.0g/cm以下のポリオレフィンから形成される請求項1又は2に記載の隠蔽性インキ組成物。
  4. 前記複合粒子はインキ組成物全体に対して1〜40質量%の範囲にある請求項1又は2に記載の隠蔽性インキ組成物。
  5. 前記無機微粒子がシリカ及び/又は酸化チタン粒子である請求項1又は2記載の隠蔽性インキ組成物。
  6. 比重がd5になるように無機塩を溶解した溶液に、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有してなる平均粒径が0.6〜10μmの範囲にある隠蔽性複合粒子を添加してなる隠蔽性インキ組成物であって、該複合粒子の比重をd2とし、該比重d5とd2の関係が0.8<d5/d2<1.2である隠蔽性インキ組成物。
  7. 比重がd5になるように無機塩を溶解した溶液に、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有してなる平均粒径が0.6〜10μmの範囲にあり、且つ比重の異なる2種類の隠蔽性複合粒子を添加してなる隠蔽性インキ組成物であって、前記2種類の隠蔽粒子の比重をd3及びd4とし、該比重d1とd3及びd4の関係がd3≦d5≦d4である隠蔽性インキ組成物。
  8. 前記無機塩が塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、塩化マグネシウム、燐酸水素二ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ホスフィン酸ナトリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、亜硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、二燐酸カリウム、ポリ燐酸ナトリウム、硫酸カリウムの少なくとも1種以上の無機塩からなる請求項6又は7記載の隠蔽性インキ組成物。
  9. 界面活性剤及び樹脂を添加してなる請求項1、2、6、及び7の何れかの項に記載の隠蔽性インキ組成物。
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