JP2006315752A - 蓋材及び該蓋材を用いた液体収容容器及び該蓋材を用いた液体を収容した製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 非力な人であっても、常時開封を容易に行うことが可能な液体を収容する容器に用いられる蓋材及び該蓋材を用いた液体収容容器及び該蓋材を用いた液体を収容した製品の提供。
【解決手段】 一端有底円筒状に形成され、液体を収容する容器の上端開口部に螺合して取り付けられる樹脂製のキャップ基材と、前記液体を収容する容器の上端面を塞ぐ円板部と、該円板部から下方に突出するとともに前記容器の上端開口部内部に嵌合される環状のリング部を備える閉止材と、前記キャップ基材外周面に形成された凹部と略同形状に形成されるとともに、該凹部と嵌合する凸状の部分を備え、該嵌合によりキャップ基材に固定されるエラストマ部からなることを特徴とする蓋材である。
【選択図】 図1
【解決手段】 一端有底円筒状に形成され、液体を収容する容器の上端開口部に螺合して取り付けられる樹脂製のキャップ基材と、前記液体を収容する容器の上端面を塞ぐ円板部と、該円板部から下方に突出するとともに前記容器の上端開口部内部に嵌合される環状のリング部を備える閉止材と、前記キャップ基材外周面に形成された凹部と略同形状に形成されるとともに、該凹部と嵌合する凸状の部分を備え、該嵌合によりキャップ基材に固定されるエラストマ部からなることを特徴とする蓋材である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、飲料用容器に用いられる蓋材及び該蓋材を用いた液体収容容器及び該蓋材を用いた液体を収容した製品に関し、より詳しくは、非力な人でも容易に開封可能な蓋材及び該蓋材を用いた液体収容容器及び該蓋材を用いた液体を収容した製品に関する。
近年、飲料を収容する容器としてペットボトルが用いられることが主流となっている。ペットボトルの上端開口部を閉止するために、一端有底円筒形状の蓋材が用いられ、該蓋材はペットボトルの上端開口部に形成されたおねじ部と螺合することで、ペットボトルを閉止する。
ペットボトルを飲料工場から小売店等の市場へ運搬する間に、ペットボトルの内容物が上端開口部から漏出することを防止するために、蓋材とペットボトル上端開口部との螺合は固くされる。特に、ペットボトルの内容物が炭酸飲料である場合には、炭酸ガスが漏洩することを防止するために、この螺合は非常に固いものとなる。
このため、老人や子供など非力な人が、ペットボトルの蓋を開けられないということがしばしば生ずる。
ペットボトルを飲料工場から小売店等の市場へ運搬する間に、ペットボトルの内容物が上端開口部から漏出することを防止するために、蓋材とペットボトル上端開口部との螺合は固くされる。特に、ペットボトルの内容物が炭酸飲料である場合には、炭酸ガスが漏洩することを防止するために、この螺合は非常に固いものとなる。
このため、老人や子供など非力な人が、ペットボトルの蓋を開けられないということがしばしば生ずる。
このような問題を解決するために、ペットボトルの蓋の開封を容易にするための道具の考案が多数なされている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されるようなペットボトルの蓋の開封除去を容易にするための道具を用いることで、開封作業を容易に行うことが可能となる。
しかしながら、ペットボトル飲料を摂取する場面は、屋内のみならず屋外でも多くある。例えば、家庭内においては、開封用の道具を備えておけば、特許文献1に開示されるような開封用補助具を用いて、容易に開封作業を行うことができるが、屋外において、開封困難なペットボトルを開封する必要が生じた場合には、開封用補助具を携帯している必要がある。外出時に開封用補助具を携帯していることは、滅多にあることではない。
したがって、上記のような開封補助具は、開封困難なペットボトル飲料に遭遇したときに常に携帯されている必要があるものであった。
しかしながら、ペットボトル飲料を摂取する場面は、屋内のみならず屋外でも多くある。例えば、家庭内においては、開封用の道具を備えておけば、特許文献1に開示されるような開封用補助具を用いて、容易に開封作業を行うことができるが、屋外において、開封困難なペットボトルを開封する必要が生じた場合には、開封用補助具を携帯している必要がある。外出時に開封用補助具を携帯していることは、滅多にあることではない。
したがって、上記のような開封補助具は、開封困難なペットボトル飲料に遭遇したときに常に携帯されている必要があるものであった。
このような問題を解決する手段として、ペットボトルの蓋の形状や材質を変更して、ペットボトルの開封者の手と蓋との摩擦を高めるようにペットボトルの蓋を設計することが考えられる。しかしながら、このような蓋の設計変更は、飲料製品等の製造工程におけるペットボトル閉止工程の大幅な工程変更を必要とするものである。
一般に、ペットボトルの閉止工程は、液体が充填されたペットボトルの上端開口部に中栓としての閉止材を載置する工程と、ペットボトルの蓋をペットボトルの上端に載置する工程と載置された蓋をプッシャで下方に押し、ペットボトルの蓋をペットボトルに取付ける工程からなる。ペットボトルの蓋の形状変更や材質変更は、ペットボトルの蓋をペットボトル上端に載置するまでのハンドリング工程やペットボトルへの蓋の取付工程に大きな影響を与え、工程の最適化のための多大な労力が要求される。
一般に、ペットボトルの閉止工程は、液体が充填されたペットボトルの上端開口部に中栓としての閉止材を載置する工程と、ペットボトルの蓋をペットボトルの上端に載置する工程と載置された蓋をプッシャで下方に押し、ペットボトルの蓋をペットボトルに取付ける工程からなる。ペットボトルの蓋の形状変更や材質変更は、ペットボトルの蓋をペットボトル上端に載置するまでのハンドリング工程やペットボトルへの蓋の取付工程に大きな影響を与え、工程の最適化のための多大な労力が要求される。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、非力な人であっても、常時開封を容易に行うことが可能な液体を収容する容器に用いられる蓋材及び該蓋材を用いた液体収容容器及び該蓋材を用いた液体を収容した製品を提供することを目的とする。更には、既存の液体収容製品の製造工程の大幅な変更を要求しない蓋材及び該蓋材を用いた液体収容容器及び該蓋材を用いた液体を収容した製品を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、一端有底円筒状に形成され、液体を収容する容器の上端開口部に螺合して取り付けられる樹脂製のキャップ基材と、前記液体を収容する容器の上端面を塞ぐ円板部と、該円板部から下方に突出するとともに前記容器の上端開口部内部に嵌合される環状のリング部を備える閉止材と、前記キャップ基材外周面に形成された凹部と略同形状に形成されるとともに、該凹部と嵌合する凸状の部分を備え、該嵌合によりキャップ基材に固定されるエラストマ部からなることを特徴とする蓋材である。
請求項2記載の発明は、一端有底円筒状に形成され、液体を収容する容器の上端開口部に螺合して取り付けられる樹脂製のキャップ基材と、前記液体を収容する容器の上端面を塞ぐ円板部と、該円板部から下方に突出するとともに前記容器の上端開口部内部に嵌合される環状のリング部を備える閉止材と、前記キャップ基材外周面に形成された突出部と略同形状に形成されるとともに、該突出部と嵌合する凹状の部分を備え、該嵌合によりキャップ基材に固定されるエラストマ部からなることを特徴とする蓋材である。
請求項2記載の発明は、一端有底円筒状に形成され、液体を収容する容器の上端開口部に螺合して取り付けられる樹脂製のキャップ基材と、前記液体を収容する容器の上端面を塞ぐ円板部と、該円板部から下方に突出するとともに前記容器の上端開口部内部に嵌合される環状のリング部を備える閉止材と、前記キャップ基材外周面に形成された突出部と略同形状に形成されるとともに、該突出部と嵌合する凹状の部分を備え、該嵌合によりキャップ基材に固定されるエラストマ部からなることを特徴とする蓋材である。
請求項3記載の発明は、前記凹部が前記キャップ基材の軸に平行な溝部であり、該溝部は上方から下方に向けて溝幅が減少するテーパ溝形状であり、前記エラストマ部は筒状に形成されるとともに、その内周面に前記溝部に対応する形状の突条部を備え、該突条部が前記凹部と嵌合し、前記エラストマ部が前記キャップ基材に固定されることを特徴とする請求項1記載の蓋材である。
請求項4記載の発明は、前記凹部が前記キャップ基材の軸に平行な溝部であり、該溝部はキャップ基材上端部分に形成される溝幅より広い溝幅を備える部分を備え、前記エラストマ部は筒状に形成されるとともに、その内周面に前記溝部に対応する形状の突条部を備え、該突条部が前記凹部と嵌合し、前記エラストマ部が前記キャップ基材に固定されることを特徴とする請求項1記載の蓋材である。
請求項4記載の発明は、前記凹部が前記キャップ基材の軸に平行な溝部であり、該溝部はキャップ基材上端部分に形成される溝幅より広い溝幅を備える部分を備え、前記エラストマ部は筒状に形成されるとともに、その内周面に前記溝部に対応する形状の突条部を備え、該突条部が前記凹部と嵌合し、前記エラストマ部が前記キャップ基材に固定されることを特徴とする請求項1記載の蓋材である。
請求項5記載の発明は、前記エラストマ部が、1若しくは複数のエラストマ片から構成されることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の蓋材である。
請求項6記載の発明は、前記蓋材の上面のうち少なくとも一部が、前記エラストマ部で覆われることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の蓋材である。
請求項7記載の発明は、前記エラストマ部が開口部を備え、該開口部が、前記蓋材外面に施されるデザインの少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の蓋材である。
請求項8記載の発明は、前記エラストマ片が、前記蓋材外面に施されるデザインの少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項5記載の蓋材である。
請求項6記載の発明は、前記蓋材の上面のうち少なくとも一部が、前記エラストマ部で覆われることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の蓋材である。
請求項7記載の発明は、前記エラストマ部が開口部を備え、該開口部が、前記蓋材外面に施されるデザインの少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の蓋材である。
請求項8記載の発明は、前記エラストマ片が、前記蓋材外面に施されるデザインの少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項5記載の蓋材である。
請求項9記載の発明は、前記エラストマ部のうち、蓋材外面に現れる部分が、凸部を備えることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の蓋材である。
請求項10記載の発明は、前記エラストマ部のうち、蓋材外面に現れる部分が、凹部を備えることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の蓋材である。
請求項11記載の発明は、前記嵌合部分に対応するキャップ基材内壁面において、該キャップ基材の軸に平行な切欠溝が形成されることを特徴とする請求項5記載の蓋材である。
請求項12記載の発明は、前記エラストマ部の下端縁と接続する剛性を有する環状部材が前記エラストマ部と一体成型されてなることを特徴とする請求項3又は4記載の蓋材である。
請求項13記載の発明は、前記環状部材上縁から前記エラストマ部の軸に対して平行に延設する略棒状の縦剛性部材を備えることを特徴とする請求項12記載の蓋材である。
請求項10記載の発明は、前記エラストマ部のうち、蓋材外面に現れる部分が、凹部を備えることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の蓋材である。
請求項11記載の発明は、前記嵌合部分に対応するキャップ基材内壁面において、該キャップ基材の軸に平行な切欠溝が形成されることを特徴とする請求項5記載の蓋材である。
請求項12記載の発明は、前記エラストマ部の下端縁と接続する剛性を有する環状部材が前記エラストマ部と一体成型されてなることを特徴とする請求項3又は4記載の蓋材である。
請求項13記載の発明は、前記環状部材上縁から前記エラストマ部の軸に対して平行に延設する略棒状の縦剛性部材を備えることを特徴とする請求項12記載の蓋材である。
請求項14記載の発明は、一端有底筒状に形成されるとともに上端に開口部を備える収容容器と、該収容容器の前記上端開口部に形成されるおねじ部に螺合して取付けられる蓋材からなる液体収容容器であって、前記蓋材が、請求項1乃至13いずれかに記載の蓋材であることを特徴とする液体収容容器である。
請求項15記載の発明は、一端有底筒状に形成され、上端に開口部を備えるとともに内部に液体が収容された収容容器と、該収容容器の前記上端開口部に形成されるおねじ部に螺合して取付けられる蓋材からなる液体を収容した製品であって、前記蓋材が、請求項1乃至13いずれかに記載の蓋材であることを特徴とする液体を収容した製品である。
請求項15記載の発明は、一端有底筒状に形成され、上端に開口部を備えるとともに内部に液体が収容された収容容器と、該収容容器の前記上端開口部に形成されるおねじ部に螺合して取付けられる蓋材からなる液体を収容した製品であって、前記蓋材が、請求項1乃至13いずれかに記載の蓋材であることを特徴とする液体を収容した製品である。
請求項1、2及び5記載の発明によれば、キャップ基材とエラストマの嵌合により、キャップ基材とエラストマ部との間での滑りが完全に防止される。更に、蓋材外周面にエラストマが現れるので、開封作業をする人の手と蓋材表面との間で高い摩擦力を生じせしめることができ、非力な人でも容易に開封作業を行うことができる。また、キャップ基材の形状・材質をほとんど変えることなく蓋材の摩擦力を増加できるので、既存の液体収容容器の閉止工程に用いられる設備をそのまま利用可能である。
請求項3記載の発明によれば、エラストマ部を上方からキャップ基材に嵌合させるときの位置合わせが容易となる。
請求項4記載の発明によれば、広い溝幅の部分での嵌合により、エラストマ部のキャップ基材からの脱落を確実に防止することができる。
請求項6及び10記載の発明によれば、エラストマ部の蓋材外面に現れる部分の面積が増加し、開封作業を行う者の手との間の滑り止め効果が増大する。
請求項7及び8記載の発明によれば、2つの異なる材質からデザインが構成されることとなり、従来にない斬新なデザインを蓋材に施すことができる。
請求項9記載の発明によれば、開封作業を行う者の手との間の滑り止め効果が増大する。更に、軟質のエラストマから構成される凸部であるので、開封作業のときに開封者の手に痛みを生ずることがない。
請求項11記載の発明によれば、エラストマ部とキャップ基材との分別回収を容易に行うことが可能となる。
請求項12記載の発明によれば、エラストマ部の半径方向の変形を防止でき、エラストマ部とキャップ基材との嵌合工程を確実に行うことが可能となる。
請求項13記載の発明によれば、エラストマ部の軸方向の変形を防止でき、エラストマ部とキャップ基材との嵌合工程を確実に行うことが可能となる。
請求項14記載の発明によれば、上記蓋材の特徴を備える液体収容容器となる。
請求項15記載の発明によれば、上記蓋材の特徴を備える液体収容製品となる。
請求項3記載の発明によれば、エラストマ部を上方からキャップ基材に嵌合させるときの位置合わせが容易となる。
請求項4記載の発明によれば、広い溝幅の部分での嵌合により、エラストマ部のキャップ基材からの脱落を確実に防止することができる。
請求項6及び10記載の発明によれば、エラストマ部の蓋材外面に現れる部分の面積が増加し、開封作業を行う者の手との間の滑り止め効果が増大する。
請求項7及び8記載の発明によれば、2つの異なる材質からデザインが構成されることとなり、従来にない斬新なデザインを蓋材に施すことができる。
請求項9記載の発明によれば、開封作業を行う者の手との間の滑り止め効果が増大する。更に、軟質のエラストマから構成される凸部であるので、開封作業のときに開封者の手に痛みを生ずることがない。
請求項11記載の発明によれば、エラストマ部とキャップ基材との分別回収を容易に行うことが可能となる。
請求項12記載の発明によれば、エラストマ部の半径方向の変形を防止でき、エラストマ部とキャップ基材との嵌合工程を確実に行うことが可能となる。
請求項13記載の発明によれば、エラストマ部の軸方向の変形を防止でき、エラストマ部とキャップ基材との嵌合工程を確実に行うことが可能となる。
請求項14記載の発明によれば、上記蓋材の特徴を備える液体収容容器となる。
請求項15記載の発明によれば、上記蓋材の特徴を備える液体収容製品となる。
以下、本発明に係る蓋材について、図を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る蓋材を構成するキャップ基材を示す。図1(a)はキャップ基材を上方から見た図であり、図1(b)はキャップ基材を側方から見た図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る蓋材を構成するエラストマ部を示す。図2(a)はエラストマ部を下方から見た図であり、図2(b)はエラストマ部を側方から見た図である。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る蓋材をペットボトルに取付けた状態を示す。図3(a)は、上方から見た図であり、図3(b)は縦断面図である。尚、以下の説明において、ペットボトルを液体収容容器として示すが、本発明は、液体を収容する容器全般に対して適用可能である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る蓋材を構成するキャップ基材を示す。図1(a)はキャップ基材を上方から見た図であり、図1(b)はキャップ基材を側方から見た図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る蓋材を構成するエラストマ部を示す。図2(a)はエラストマ部を下方から見た図であり、図2(b)はエラストマ部を側方から見た図である。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る蓋材をペットボトルに取付けた状態を示す。図3(a)は、上方から見た図であり、図3(b)は縦断面図である。尚、以下の説明において、ペットボトルを液体収容容器として示すが、本発明は、液体を収容する容器全般に対して適用可能である。
本発明に係る蓋材(1)は、キャップ基材(2)、エラストマ部(3)及び閉止材(4)から構成される(図3参照)。
第1の実施形態に係るキャップ基材(2)は、一端有底筒状に形成された樹脂製部材である。キャップ基材(2)は、液体を収容する容器(V)の上端周面に形成されたおねじ部に螺合可能なように、めねじ部或いはそれに類する部分が形成されている。キャップ基材(2)は、これにより液体収容容器(V)上端に螺合し、固定される。
キャップ基材(2)外周面には凹部(21)が形成される。第1の実施形態においては、凹部(21)はキャップ基材(2)の軸に平行であって、上方から下方に向けて溝幅が減少するテーパ溝(211)である。図1においては、一対のテーパ溝(211)が示されているが、その数は特に限定されず、3以上のテーパ溝(211)が設けられていてもよく、或いは単数のテーパ溝(211)が設けられていてもよい。尚、複数のテーパ溝(211)が形成されることにより、後述されるエラストマ部(3)との間の滑り止め効果が確実に発揮されることとなる。更に好ましくは、複数のテーパ溝(211)が周方向に等間隔に形成されていることが好ましい。
第1の実施形態に係るキャップ基材(2)は、一端有底筒状に形成された樹脂製部材である。キャップ基材(2)は、液体を収容する容器(V)の上端周面に形成されたおねじ部に螺合可能なように、めねじ部或いはそれに類する部分が形成されている。キャップ基材(2)は、これにより液体収容容器(V)上端に螺合し、固定される。
キャップ基材(2)外周面には凹部(21)が形成される。第1の実施形態においては、凹部(21)はキャップ基材(2)の軸に平行であって、上方から下方に向けて溝幅が減少するテーパ溝(211)である。図1においては、一対のテーパ溝(211)が示されているが、その数は特に限定されず、3以上のテーパ溝(211)が設けられていてもよく、或いは単数のテーパ溝(211)が設けられていてもよい。尚、複数のテーパ溝(211)が形成されることにより、後述されるエラストマ部(3)との間の滑り止め効果が確実に発揮されることとなる。更に好ましくは、複数のテーパ溝(211)が周方向に等間隔に形成されていることが好ましい。
エラストマ部(3)は、エラストマ樹脂からなり、筒状に形成され、キャップ基材(2)を外嵌する。
エラストマ部(3)の内壁面から、突出部(31)が形成される。突出部(31)は、凹部(21)と略同形状とされる。また、突出部(31)の数は、凹部(21)と同数である。加えて、突出部(31)の配置は、凹部(21)の配置と同配置とされる。例えば、凹部(21)が、60°の等間隔でキャップ基材(2)外壁面に設けられているときは、突出部(31)は、60°の等間隔でエラストマ部(3)内壁面に設けられる。
上述の如く、第1の実施形態において、凹部(21)はテーパ溝(211)であるから、突出部(31)は、上方から下方に向かって幅が徐々に狭くなるテーパ突条(311)となる。このように突条部(311)を形成することで、エラストマ部(3)をキャップ基材(2)に外嵌させることが容易になる。
尚、テーパ突条(311)のテーパ角度を僅かにテーパ溝(211)のテーパ角より広く形成すると、テーパ突条(311)とテーパ溝(211)との噛合いが強くなり、キャップ基材(2)に取付けられたエラストマ部(3)が脱落しにくくなる。
エラストマ部(3)の内壁面から、突出部(31)が形成される。突出部(31)は、凹部(21)と略同形状とされる。また、突出部(31)の数は、凹部(21)と同数である。加えて、突出部(31)の配置は、凹部(21)の配置と同配置とされる。例えば、凹部(21)が、60°の等間隔でキャップ基材(2)外壁面に設けられているときは、突出部(31)は、60°の等間隔でエラストマ部(3)内壁面に設けられる。
上述の如く、第1の実施形態において、凹部(21)はテーパ溝(211)であるから、突出部(31)は、上方から下方に向かって幅が徐々に狭くなるテーパ突条(311)となる。このように突条部(311)を形成することで、エラストマ部(3)をキャップ基材(2)に外嵌させることが容易になる。
尚、テーパ突条(311)のテーパ角度を僅かにテーパ溝(211)のテーパ角より広く形成すると、テーパ突条(311)とテーパ溝(211)との噛合いが強くなり、キャップ基材(2)に取付けられたエラストマ部(3)が脱落しにくくなる。
閉止材(4)は円板部(41)と円板部(41)下面から突出する環状のリング部(42)からなる。リング部(42)は、液体収容容器(V)の上端開口部内部と嵌合し、円板部(41)は、液体収容容器(V)の上端縁と当接し、上端開口部を塞ぐ。
図4乃至図6は、蓋材(1)を液体収容容器(V)に組み込む工程の一例を示す。
図4に示す如く、まず、閉止材(4)が液体収容容器(V)の上端開口部に載置される。リング部(42)は、液体収容容器(V)内部に入り、円板部(41)は液体収容容器(V)の上端面を覆う。
図5に示す如く、この後、キャップ基材(2)が取付けられる。図5(a)に示す如く、キャップ基材(2)は、液体収容容器(V)の上端にかぶせられる。そして、図5(b)に示される如く、キャップ基材(2)はプッシャで押し下げられ、液体収容容器(V)上端を外嵌する。或いは、キャップ基材(2)を回転させ、液体収容容器(V)上端のおねじ部と螺合させ、液体収容容器(V)に取付ける。
閉止材(4)並びにキャップ基材(2)の形状は、従来の液体収容容器(V)と大きく変わるものではないので、図4及び図5に示す工程において、既存の液体収容容器(V)に対する閉止工程に用いられる設備をそのまま利用可能である。即ち、キャップ基材(2)の外形は、従来の樹脂製蓋と同様に一端有底筒状であり、外方に突出する部分を有さないので、キャップ基材(2)のハンドリングは、何ら影響を受けることがない。
図4に示す如く、まず、閉止材(4)が液体収容容器(V)の上端開口部に載置される。リング部(42)は、液体収容容器(V)内部に入り、円板部(41)は液体収容容器(V)の上端面を覆う。
図5に示す如く、この後、キャップ基材(2)が取付けられる。図5(a)に示す如く、キャップ基材(2)は、液体収容容器(V)の上端にかぶせられる。そして、図5(b)に示される如く、キャップ基材(2)はプッシャで押し下げられ、液体収容容器(V)上端を外嵌する。或いは、キャップ基材(2)を回転させ、液体収容容器(V)上端のおねじ部と螺合させ、液体収容容器(V)に取付ける。
閉止材(4)並びにキャップ基材(2)の形状は、従来の液体収容容器(V)と大きく変わるものではないので、図4及び図5に示す工程において、既存の液体収容容器(V)に対する閉止工程に用いられる設備をそのまま利用可能である。即ち、キャップ基材(2)の外形は、従来の樹脂製蓋と同様に一端有底筒状であり、外方に突出する部分を有さないので、キャップ基材(2)のハンドリングは、何ら影響を受けることがない。
図6に示す如く、キャップ基材(2)が取付けられた後、エラストマ部(3)が取付けられる。
まず、キャップ基材(2)の凹部(21)とエラストマ部(3)の突出部(31)の周方向位置を合致させて、キャップ基材(2)上にエラストマ部(3)を載置する。この状態から、エラストマ部(3)を下方に押し下げ、キャップ基材(2)を外嵌させる。
上記の実施形態において、凹部(21)及び突出部(3)が上方に向かって溝幅並びに突条幅が広がるテーパ形状となっているので、この工程における位置決め作業には、高い精度は要求されない。したがって、簡便なエラストマ部ハンドリング装置並びにエラストマ部押し下げ装置のみで、この工程を遂行することが可能である。
また、エラストマ部(3)の突出部(31)は、リブの役割を果たすので、この嵌合動作の間、エラストマ部(3)がキャップ基材(2)との間に巻き込まれ、入り込むことが防止される。
更には、エラストマ部(3)の内径を、キャップ基材(2)の外径より僅かに小さく形成してもよい。このように形成すると、嵌合されたエラストマ部(3)がキャップ基材(2)を内方に締め付けることとなる。これにより、液体収容容器(V)内に封入された液体中のガス成分(例えば、炭酸ガスなど)の漏出が効果的に防止されることとなる。
まず、キャップ基材(2)の凹部(21)とエラストマ部(3)の突出部(31)の周方向位置を合致させて、キャップ基材(2)上にエラストマ部(3)を載置する。この状態から、エラストマ部(3)を下方に押し下げ、キャップ基材(2)を外嵌させる。
上記の実施形態において、凹部(21)及び突出部(3)が上方に向かって溝幅並びに突条幅が広がるテーパ形状となっているので、この工程における位置決め作業には、高い精度は要求されない。したがって、簡便なエラストマ部ハンドリング装置並びにエラストマ部押し下げ装置のみで、この工程を遂行することが可能である。
また、エラストマ部(3)の突出部(31)は、リブの役割を果たすので、この嵌合動作の間、エラストマ部(3)がキャップ基材(2)との間に巻き込まれ、入り込むことが防止される。
更には、エラストマ部(3)の内径を、キャップ基材(2)の外径より僅かに小さく形成してもよい。このように形成すると、嵌合されたエラストマ部(3)がキャップ基材(2)を内方に締め付けることとなる。これにより、液体収容容器(V)内に封入された液体中のガス成分(例えば、炭酸ガスなど)の漏出が効果的に防止されることとなる。
本発明は、図1乃至図6で示す形態に限定されず、上記例とは逆に、エラストマ部(3)内周面に凹部を設け、キャップ基材(2)外周面に突出部を設けてもよい。このように形成しても、上記と同様の効果を得ることができる。
尚、この場合には、キャップ基材(2)外周面から突出する部分が、既存の樹脂製蓋のハンドリング工程に影響を与えないようにすることが好ましい。
尚、この場合には、キャップ基材(2)外周面から突出する部分が、既存の樹脂製蓋のハンドリング工程に影響を与えないようにすることが好ましい。
また、凹部(21)及び突出部(31)の形状も、上記例に限定されず、他の様々な形状を採用可能である。
図7は、キャップ基材(2)の側面図であり、他の凹部(21)の形状として、キャップ基材(2)上下端に狭い溝幅、中央部分に広い溝幅を備える溝部(212)を示す。また、図示しないが、エラストマ部(3)には、この溝部(212)に対応する同形状の突出部(31)が形成される。このような溝部(212)及び突出部(31)をかみ合わせることで、中央部分の幅広の溝部の噛合い構造が、エラストマ部(3)のキャップ基材(2)からの脱落を防止する。
これ以外にも、凹部(21)を半球形状のディンプル構造とし、突出部(31)を凹部(21)と対応する半球形状とすることもできる。
図7は、キャップ基材(2)の側面図であり、他の凹部(21)の形状として、キャップ基材(2)上下端に狭い溝幅、中央部分に広い溝幅を備える溝部(212)を示す。また、図示しないが、エラストマ部(3)には、この溝部(212)に対応する同形状の突出部(31)が形成される。このような溝部(212)及び突出部(31)をかみ合わせることで、中央部分の幅広の溝部の噛合い構造が、エラストマ部(3)のキャップ基材(2)からの脱落を防止する。
これ以外にも、凹部(21)を半球形状のディンプル構造とし、突出部(31)を凹部(21)と対応する半球形状とすることもできる。
上記例において、上下端が開口した筒状のエラストマ部(3)を示してきたが、エラストマ部(3)を一端有底筒状に形成して、キャップ基材(2)上面を覆う形状としてもよい。このようにエラストマ部(3)を一端有底筒状とすることで、高い摩擦力を発揮する面が増大し、開封者の手との間の滑り止め効果が増大することとなる。
図8は蓋材(1)の平面図であり、他のエラストマ部(3)の実施例を示す。図8に示す実施例において、キャップ基材(2)上面を覆うエラストマ部(3)に開口部が設けられ、該開口部はハート型をなしている。
このように、エラストマ部(3)に開口部を形成し、該開口部を所望の形状とすることで、蓋材(1)のデザインの少なくとも一部を構成することができる。特に、キャップ基材(2)とエラストマ部(3)とで、材質が異なるので、従来の樹脂製の蓋材にはない斬新なデザインを構築可能となる。更には、エラストマ部(3)の開口部に位置するキャップ基材(2)の部分を所望形状に隆起させることで、3次元的なデザインを備える蓋材(1)を構成可能となる。また、この隆起と開口部の組み合わせは、エラストマ部(3)とキャップ基材(2)との間に新たな噛合い構造を創出するので、エラストマ部(3)とキャップ基材(2)間の滑り防止効果を更に高めるものとなる。
尚、図8には、蓋材(1)上面側に開口部を設けたが、周面上に開口部を備えるエラストマ部(3)を用いて、蓋材(1)に斬新なデザインを施すことも可能である。
また、デザイン効果を高めるために、キャップ基材(2)の色とエラストマ部(3)の色を異なるようにすることが好ましい。
このように、エラストマ部(3)に開口部を形成し、該開口部を所望の形状とすることで、蓋材(1)のデザインの少なくとも一部を構成することができる。特に、キャップ基材(2)とエラストマ部(3)とで、材質が異なるので、従来の樹脂製の蓋材にはない斬新なデザインを構築可能となる。更には、エラストマ部(3)の開口部に位置するキャップ基材(2)の部分を所望形状に隆起させることで、3次元的なデザインを備える蓋材(1)を構成可能となる。また、この隆起と開口部の組み合わせは、エラストマ部(3)とキャップ基材(2)との間に新たな噛合い構造を創出するので、エラストマ部(3)とキャップ基材(2)間の滑り防止効果を更に高めるものとなる。
尚、図8には、蓋材(1)上面側に開口部を設けたが、周面上に開口部を備えるエラストマ部(3)を用いて、蓋材(1)に斬新なデザインを施すことも可能である。
また、デザイン効果を高めるために、キャップ基材(2)の色とエラストマ部(3)の色を異なるようにすることが好ましい。
図9は、蓋材(1)の側面図であり、他のエラストマ部(3)の実施例を示す。図9に示す例において、エラストマ部(3)周面には、半球形状の凸部(33)が複数形成されている。
このように凸部(33)をエラストマ部(3)外周面にわたって設けることで、開封者の手との間の摩擦効果を増大させることができる。また、エラストマ部(3)で覆われた蓋材(1)は、従来の樹脂製の蓋材よりも軟らかいので、このような凸部(33)を設けたとしても、開封者の手に痛みを生じさせない。
更には、複数の半球形状の凹部(34)をエラストマ部(3)外周面に設けてもよい。このように凹部(34)を設けることで、開封者の手との接触面を増大させ、摩擦効果が増大する。
このように凸部(33)をエラストマ部(3)外周面にわたって設けることで、開封者の手との間の摩擦効果を増大させることができる。また、エラストマ部(3)で覆われた蓋材(1)は、従来の樹脂製の蓋材よりも軟らかいので、このような凸部(33)を設けたとしても、開封者の手に痛みを生じさせない。
更には、複数の半球形状の凹部(34)をエラストマ部(3)外周面に設けてもよい。このように凹部(34)を設けることで、開封者の手との接触面を増大させ、摩擦効果が増大する。
第1の実施形態につき様々な例を挙げて説明してきたが、本発明はこれに限られるものではなく、凹部(21)と突出部(31)を備えず、他の方法によりエラストマ部(3)とキャップ基材(2)との間の滑りを防止する手段を採用可能である。例えば、エラストマ部(3)のキャップ基材(2)への締付効果を高めることで、このような目的を達成可能である。
図10は、第2の実施形態に係る蓋材(1)を示す。図10(a)は蓋材(1)の平面図であり、図10(b)は蓋材(1)の縦断面図である。
第2の実施形態は、エラストマ部(3)を分割構造とした形態である。図10に示す例においては、円筒形状のエラストマ部(3)が縦割りされた構造であり、一対のエラストマ片(35)から構成されている。
キャップ基材(2)外周面に沿って一対の溝部(213)が上下に配され、該溝部(213)は外周面に近づくほど溝幅が低減するような台形断面を備える。
エラストマ片(35)内周面には、溝部(213)に対応する形状・配置の突出部(313)が形成されている。この溝部(213)と突出部(313)が噛合うことでエラストマ片(35)は、キャップ基材(2)に固定されるとともに、その脱落が確実に防止される。
第2の実施形態は、エラストマ部(3)を分割構造とした形態である。図10に示す例においては、円筒形状のエラストマ部(3)が縦割りされた構造であり、一対のエラストマ片(35)から構成されている。
キャップ基材(2)外周面に沿って一対の溝部(213)が上下に配され、該溝部(213)は外周面に近づくほど溝幅が低減するような台形断面を備える。
エラストマ片(35)内周面には、溝部(213)に対応する形状・配置の突出部(313)が形成されている。この溝部(213)と突出部(313)が噛合うことでエラストマ片(35)は、キャップ基材(2)に固定されるとともに、その脱落が確実に防止される。
第2の実施形態に係る蓋材(1)を液体収容容器(V)に取付ける工程においても、既存の蓋材閉止工程に用いられた設備をそのまま利用できる。即ち、図4及び図5で説明した工程と同様の工程で、閉止材(4)及びキャップ基材(2)を液体収容容器(V)上端に取付ける。その後、側方からエラストマ片(35)をキャップ基材(2)外周面に近接させ、キャップ基材(2)の溝部(213)とエラストマ片(35)の突出部(313)を嵌合させ、第2の実施形態に係る蓋材(1)は、液体収容容器(V)に取付けられる。
第2の実施形態の蓋材(1)においても、第1の実施形態に関連して説明した蓋材(1)の様々な変更例を適用可能である。例えば、キャップ基材(2)上面をエラストマ部(3)で覆うような構成を採用することも可能である。また、エラストマ部(3)を用いて、蓋材(1)のデザインを構成することも可能である。凹部(21)及び突出部(31)の形状や配置も適宜変更することができる。またエラストマ部(3)外面形状の変更も可能である。
これらの変更例は、第1の実施形態にて説明したものと同様の効果を奏することとなる。
これらの変更例は、第1の実施形態にて説明したものと同様の効果を奏することとなる。
第2の実施形態の分割構造のエラストマ部(3)の技術を利用して、他の応用形態を構築可能である。
図11は、第2の実施形態の応用例を示す。図11(a)は、蓋材(1)の側面図であり、図11(b)はエラストマ片(35)が埋設された部分の蓋材(1)の縦断面図であり、図11(c)は、図11(b)のA−A線断面図である。
第2の実施形態において、分割されたエラストマ片(35)を組み合わせた形態が筒状となる必要はない。例えば、図11に示すように、1つのエラストマ片(35)を所望の形状(図示例では、ハート型)に形成し、これをキャップ基材(2)外周面に形成された凹部(21)に埋設するようにしてもよい。エラストマ片(35)の最大寸法部分がキャップ基材(2)の周壁内部に入り込むように、凹部(21)を形成することで、埋設されたエラストマ片(35)のキャップ基材(2)からの脱落が防止される。複数のエラストマ片(35)をキャップ基材(2)周面に配し、エラストマ片(35)が蓋材(1)周面積の多くの部分を構成することで、開封者の手との摩擦作用を十分に得ることができる。
また、エラストマ片(35)の一部が蓋材(1)周面から隆起するように構成することで、3次元的なデザインを構築できる。
図11は、第2の実施形態の応用例を示す。図11(a)は、蓋材(1)の側面図であり、図11(b)はエラストマ片(35)が埋設された部分の蓋材(1)の縦断面図であり、図11(c)は、図11(b)のA−A線断面図である。
第2の実施形態において、分割されたエラストマ片(35)を組み合わせた形態が筒状となる必要はない。例えば、図11に示すように、1つのエラストマ片(35)を所望の形状(図示例では、ハート型)に形成し、これをキャップ基材(2)外周面に形成された凹部(21)に埋設するようにしてもよい。エラストマ片(35)の最大寸法部分がキャップ基材(2)の周壁内部に入り込むように、凹部(21)を形成することで、埋設されたエラストマ片(35)のキャップ基材(2)からの脱落が防止される。複数のエラストマ片(35)をキャップ基材(2)周面に配し、エラストマ片(35)が蓋材(1)周面積の多くの部分を構成することで、開封者の手との摩擦作用を十分に得ることができる。
また、エラストマ片(35)の一部が蓋材(1)周面から隆起するように構成することで、3次元的なデザインを構築できる。
このような形態において、埋設された部分に対応するキャップ基材(2)内周面に切欠溝(29)を設けることが好ましい。切欠溝(29)は、好ましくは、キャップ基材(2)の軸に平行に形成され、溝断面は三角形状とされる。
切欠溝(29)を設けることで、蓋材(1)の廃棄後、回収された蓋材(1)に圧力を加えることで、キャップ基材(2)は切欠溝(29)を破断線として、破壊される。これにより、キャップ基材(2)に埋設されたエラストマ片(35)は、キャップ基材(2)から分離し、キャップ基材(2)とエラストマ片(35)との分離回収が容易になる。
切欠溝(29)を設けることで、蓋材(1)の廃棄後、回収された蓋材(1)に圧力を加えることで、キャップ基材(2)は切欠溝(29)を破断線として、破壊される。これにより、キャップ基材(2)に埋設されたエラストマ片(35)は、キャップ基材(2)から分離し、キャップ基材(2)とエラストマ片(35)との分離回収が容易になる。
上述において、様々な形態の蓋材(1)について説明してきたが、図12に示す蓋材(1)の形態は、液体収容容器の蓋材取付工程に組み込まれるのに最適である。
上記において、エラストマ部(3)は手との間の摩擦力向上を主要目的とするので、製造コストの面から可能な限り薄肉に形成されることが好ましい。その一方で、薄肉の円筒状のエラストマ部(3)を用いることは、半径方向の低い剛性のため、キャップ基材(2)へエラストマ部(3)を取付ける際に、エラストマ部(3)が変形し、キャップ基材(2)を外嵌させる工程において、工程不良を生じさせる可能性がある。
上記において、エラストマ部(3)は手との間の摩擦力向上を主要目的とするので、製造コストの面から可能な限り薄肉に形成されることが好ましい。その一方で、薄肉の円筒状のエラストマ部(3)を用いることは、半径方向の低い剛性のため、キャップ基材(2)へエラストマ部(3)を取付ける際に、エラストマ部(3)が変形し、キャップ基材(2)を外嵌させる工程において、工程不良を生じさせる可能性がある。
図12は、上記の工程不良を防止するための蓋材(1)を示す図であり、図12(a)は、蓋材(1)の平面図であり、図12(b)は蓋材(1)の縦断面図である。
図12に示す蓋材(1)のエラストマ部(3)の下端には、環状剛性部材(9)が配設される。環状剛性部材(9)の材質は、エラストマ部(3)の半径方向の剛性を補完可能なものであれば特に限定されず、例えばポリプロピレン樹脂をエラストマ部(3)下端と、二色成型法にて、一体に形成したものなどが適宜採用可能である。
環状剛性部材(9)は、全体的に環状に形成され、略円筒状に形成されたエラストマ部(3)下縁と一体的に接触する環状の下部材(91)と、下部材(91)上端から上方に延設し、エラストマ部(3)下端内壁部分に形成された段部と嵌合する上部材(92)からなる。このように環状剛性部材(9)がエラストマ部(3)の下端縁のみならず、内壁面の一部と一体的に接続することで、環状剛性部材(9)とエラストマ部(3)との高い接合強度を得ることが可能となる。
このように形成された環状剛性部材(9)は、エラストマ部(3)が半径方向に変形することを防止する。したがって、エラストマ部(3)がキャップ基材(2)に上方から嵌め合わされる際に、エラストマ部(3)が半径方向に変形することがなく、確実にキャップ基材(2)に組み合わされることが可能となる。このため、エラストマ部(3)の周壁の肉厚を、例えば、1.3mm程度とすることができ、また上記段部に嵌合される環状剛性部材の肉厚を0.5mm程度とすることができる。
図12に示す蓋材(1)のエラストマ部(3)の下端には、環状剛性部材(9)が配設される。環状剛性部材(9)の材質は、エラストマ部(3)の半径方向の剛性を補完可能なものであれば特に限定されず、例えばポリプロピレン樹脂をエラストマ部(3)下端と、二色成型法にて、一体に形成したものなどが適宜採用可能である。
環状剛性部材(9)は、全体的に環状に形成され、略円筒状に形成されたエラストマ部(3)下縁と一体的に接触する環状の下部材(91)と、下部材(91)上端から上方に延設し、エラストマ部(3)下端内壁部分に形成された段部と嵌合する上部材(92)からなる。このように環状剛性部材(9)がエラストマ部(3)の下端縁のみならず、内壁面の一部と一体的に接続することで、環状剛性部材(9)とエラストマ部(3)との高い接合強度を得ることが可能となる。
このように形成された環状剛性部材(9)は、エラストマ部(3)が半径方向に変形することを防止する。したがって、エラストマ部(3)がキャップ基材(2)に上方から嵌め合わされる際に、エラストマ部(3)が半径方向に変形することがなく、確実にキャップ基材(2)に組み合わされることが可能となる。このため、エラストマ部(3)の周壁の肉厚を、例えば、1.3mm程度とすることができ、また上記段部に嵌合される環状剛性部材の肉厚を0.5mm程度とすることができる。
図13は、図12に示すエラストマ部(3)の更なる応用形態である。
図13に示される環状剛性部材(9)は、図12に示す構成に加えて、上部材(92)の上縁から複数の棒状の縦剛性部材(93)が一体的に延出し、その上端はエラストマ部(3)内壁上端付近まで至る。縦剛性部材(93)は、環状剛性部材(9)の他の部分と同一の材料にて成型される。縦剛性部材(93)は、エラストマ部(3)内壁に形成される溝部内に埋設され、エラストマ部(3)内壁面と面一とされることが好ましい。
このように縦剛性部材(93)を備えることで、キャップ基材(2)にエラストマ部(3)を嵌め合わせるときのエラストマ部(3)の軸方向の変形を防止できる。したがって、この嵌め合わせ工程を確実に遂行することが可能となる。
尚、縦剛性部材(93)の配置は、エラストマ部(3)の軸に対して対称的であることが好ましい。
図13に示される環状剛性部材(9)は、図12に示す構成に加えて、上部材(92)の上縁から複数の棒状の縦剛性部材(93)が一体的に延出し、その上端はエラストマ部(3)内壁上端付近まで至る。縦剛性部材(93)は、環状剛性部材(9)の他の部分と同一の材料にて成型される。縦剛性部材(93)は、エラストマ部(3)内壁に形成される溝部内に埋設され、エラストマ部(3)内壁面と面一とされることが好ましい。
このように縦剛性部材(93)を備えることで、キャップ基材(2)にエラストマ部(3)を嵌め合わせるときのエラストマ部(3)の軸方向の変形を防止できる。したがって、この嵌め合わせ工程を確実に遂行することが可能となる。
尚、縦剛性部材(93)の配置は、エラストマ部(3)の軸に対して対称的であることが好ましい。
以上のように、様々な形態の蓋材(1)を中心に説明してきたが、上記の蓋材を、液体を収容可能な容器に取付けることで、本発明の液体収容容器となる。また該液体収容容器が液体を収容すれば、本発明の液体を収容した製品となる。上記例においては、液体収容容器及び液体を収容した製品の例としてペットボトル並びにペットボトル飲料を例示したが、本発明はこれらに限られるものではなく、醤油、液体薬、液体栄養剤や灯油などあらゆる液体を収容する容器や製品に適用可能であり、特許請求の範囲記載の液体収容容器並びに製品はこれらを全て含むものである。
本発明は、液体を収容する容器の開封作業を容易にせしめる蓋材及び開封作業が容易な液体収容容器並びに液体を収容した製品に好適に適用される。
1・・・・蓋材
2・・・・キャップ基材
21・・・凹部
3・・・・エラストマ部
31・・・突出部
35・・・エラストマ片
4・・・・閉止材
9・・・・環状剛性部材
93・・・縦剛性部材
V・・・・液体収容容器
2・・・・キャップ基材
21・・・凹部
3・・・・エラストマ部
31・・・突出部
35・・・エラストマ片
4・・・・閉止材
9・・・・環状剛性部材
93・・・縦剛性部材
V・・・・液体収容容器
Claims (15)
- 一端有底円筒状に形成され、液体を収容する容器の上端開口部に螺合して取り付けられる樹脂製のキャップ基材と、
前記液体を収容する容器の上端面を塞ぐ円板部と、該円板部から下方に突出するとともに前記容器の上端開口部内部に嵌合される環状のリング部を備える閉止材と、
前記キャップ基材外周面に形成された凹部と略同形状に形成されるとともに、該凹部と嵌合する凸状の部分を備え、該嵌合によりキャップ基材に固定されるエラストマ部からなることを特徴とする蓋材。 - 一端有底円筒状に形成され、液体を収容する容器の上端開口部に螺合して取り付けられる樹脂製のキャップ基材と、
前記液体を収容する容器の上端面を塞ぐ円板部と、該円板部から下方に突出するとともに前記容器の上端開口部内部に嵌合される環状のリング部を備える閉止材と、
前記キャップ基材外周面に形成された突出部と略同形状に形成されるとともに、該突出部と嵌合する凹状の部分を備え、該嵌合によりキャップ基材に固定されるエラストマ部からなることを特徴とする蓋材。 - 前記凹部が前記キャップ基材の軸に平行な溝部であり、
該溝部は上方から下方に向けて溝幅が減少するテーパ溝形状であり、
前記エラストマ部は筒状に形成されるとともに、その内周面に前記溝部に対応する形状の突条部を備え、
該突条部が前記凹部と嵌合し、前記エラストマ部が前記キャップ基材に固定されることを特徴とする請求項1記載の蓋材。 - 前記凹部が前記キャップ基材の軸に平行な溝部であり、
該溝部はキャップ基材上端部分に形成される溝幅より広い溝幅を備える部分を備え、
前記エラストマ部は筒状に形成されるとともに、その内周面に前記溝部に対応する形状の突条部を備え、
該突条部が前記凹部と嵌合し、前記エラストマ部が前記キャップ基材に固定されることを特徴とする請求項1記載の蓋材。 - 前記エラストマ部が、1若しくは複数のエラストマ片から構成されることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の蓋材。
- 前記蓋材の上面のうち少なくとも一部が、前記エラストマ部で覆われることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の蓋材。
- 前記エラストマ部が開口部を備え、
該開口部が、前記蓋材外面に施されるデザインの少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の蓋材。 - 前記エラストマ片が、前記蓋材外面に施されるデザインの少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項5記載の蓋材。
- 前記エラストマ部のうち、蓋材外面に現れる部分が、凸部を備えることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の蓋材。
- 前記エラストマ部のうち、蓋材外面に現れる部分が、凹部を備えることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の蓋材。
- 前記嵌合部分に対応するキャップ基材内壁面において、該キャップ基材の軸に平行な切欠溝が形成されることを特徴とする請求項5記載の蓋材。
- 前記エラストマ部の下端縁と接続する剛性を有する環状部材が前記エラストマ部と一体成型されてなることを特徴とする請求項3又は4記載の蓋材。
- 前記環状部材上縁から前記エラストマ部の軸に対して平行に延設する略棒状の縦剛性部材を備えることを特徴とする請求項12記載の蓋材。
- 一端有底筒状に形成されるとともに上端に開口部を備える収容容器と、
該収容容器の前記上端開口部に形成されるおねじ部に螺合して取付けられる蓋材からなる液体収容容器であって、
前記蓋材が、請求項1乃至13いずれかに記載の蓋材であることを特徴とする液体収容容器。 - 一端有底筒状に形成され、上端に開口部を備えるとともに内部に液体が収容された収容容器と、
該収容容器の前記上端開口部に形成されるおねじ部に螺合して取付けられる蓋材からなる液体を収容した製品であって、
前記蓋材が、請求項1乃至13いずれかに記載の蓋材であることを特徴とする液体を収容した製品。
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