JP2006315659A - タイヤおよびタイヤの温度管理方法 - Google Patents

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【課題】 温度管理を容易かつ正確に行うことのできるタイヤを提供する。また、加硫時間をより適切に決定することができ、時間的にもエネルギー的にも従来対比効率化を図ることができるタイヤの温度管理方法を提供する。さらに、未加硫タイヤの成型工程や製品タイヤの走行時等における温度管理の可能なタイヤの温度管理方法を提供する。
【解決手段】 トレッド部1と、その両側に連なるサイドウォール部2およびビード部3とを有し、これら各部をビード部3内に埋設したビードコア4相互間にわたり補強するカーカス5を備えるタイヤである。カーカス5のタイヤ半径方向外側に、データ送信可能な無線通信機能を備える温度センサ20が埋設されている。
【選択図】 図1

Description

本発明はタイヤおよびタイヤの温度管理方法(以下、単に「温度管理方法」とも称する)に関し、詳しくは、加硫時間等の制御や、製造時における品質管理、製造後の性能確認試験等の際に有効に活用可能なタイヤおよびタイヤの温度管理方法に関する。
一般に、タイヤを生産するに際しては、その最終工程として、ゴムを架橋反応させる加硫工程が行われる。この加硫工程においては、架橋反応を完全に完了させるために必要な一定量以上の熱量をタイヤに付与する必要がある。
タイヤは大量生産品であるため、同じサイズのものであれば、サンプリングされたタイヤについての実験に基づいて予め決められた一定の加硫時間(金型を閉塞してから開放するまでの時間)で加硫されるが、この加硫時間は通常、タイヤ個々のバラツキや予熱温度等の環境条件の差があっても加硫不足が生じないよう、最適加硫時間に安全率を付加した長めの時間に設定される。しかし、この場合、安全率を付加した分だけ時間およびエネルギーが無駄に消費されることになる。また、タイヤに付与される熱量は加硫用モールド内への収容時間に比例するため、生産性を考えると、最低限の熱入れとすることが望ましい。
これに対し、加硫中のタイヤに温度計を挿入してタイヤの温度を測定し、測定結果に基づいて加硫中のタイヤの加硫を終了する時間(加硫時間)を決定する方法が提案されており、そのためのタイヤの内部の温度を測定する方法としては、大別して2つの方法が知られている。
このうち第1の方法は、温度計を、その先端が測定しようとするタイヤの部分に位置するよう、キャビティ内に突出させて金型内に固定し、これによりタイヤの加硫の最初から最後までの温度変化を測定する方法である(例えば、特許文献1参照)。この方法では、簡易に温度測定を行うことはできるものの、突出する温度計部分が破損しないようその径を太くする必要があった。その結果、温度計を抜き取った後の太い穴がタイヤに形成されることとなり、加硫後にこの穴にゴム等を注入して外観上穴を埋め戻すことはできるものの、タイヤの耐久性を損なうおそれがあった。
タイヤ内部の温度を測定するための第2の方法は、加硫開始後、生タイヤのゴムをキャビティ内に充満させたあと、タイヤの表面から細径の温度計を突き刺してタイヤ内部の温度データの収集を開始し、その後は第1の方法と同様に、加硫の最後まで温度の測定を継続したあと金型を開放する直前に温度計を引き抜くものであるが(例えば、特許文献2参照)、この方法では、温度プローブが細いために加硫後にできた穴によるタイヤ耐久性への影響を小さくすることはできるものの、ゴム中に温度計を挿入する必要があるため、その際に温度計を破損する可能性が高いという問題があった。
その他、温度センサをタイヤに突き刺して温度測定を行い、加硫途中でセンサーを引き抜いて、実測値に基づき加硫時間を推定する方法もあるが(例えば、特許文献3参照)、この場合、予測精度の問題も加わることになるため、実測値のみで温度管理を行う技術が確立されることが望ましい。
一方、例えば、特許文献4には、タイヤの種々の物理的状態を監視することを目的として、カーカスのタイヤ半径方向内側に監視用デバイスを埋設する、車両用タイヤの状態の監視方法が記載されている。
特開昭56−137944号公報 特開昭54−123080号公報 特開平5−162137号公報 特開平8−67117号公報
上記のように、タイヤの適正な加硫時間を決定するためにタイヤの内部温度を測定する技術に関しては、これまで種々検討がなされてきているが、未だ十分なものではなかった。また、従来、タイヤ工場での製品温度管理は加硫工程中心であり、その温度管理技術についても、主として加硫工程に関して検討がなされていたが、タイヤ製造時における熱劣化を考えた場合、加硫の影響が一番大きいものの、タイヤを構成するゴム部材の押出・成型時における熱劣化も無視できない。即ち、各ゴム部材を貼り合わせて未加硫タイヤを成型する成型工程では、成型時における各ゴム部材の温度は管理可能であるが、成型前の台ゴム温度や成型時のゴム温度による畜熱、成型後の放熱による温度低下はモニターできないため、従来は、タイヤに対するこれら熱履歴の影響を十分に把握することができなかった。
また、製造後の製品タイヤの性能確認時においても、従来のドラム試験では経時的な温度モニターができず、走行停止、温度測定、走行開始の手順を繰り返す必要があった。さらに、試験時に温度のモニタリングを行いたい部位は走行によりゴム温度の上昇が起こるトレッドゴム、ベースゴムおよびクッションゴムであるが、これらはタイヤ内部であるため従来の方法では直接測定は困難であった。従って、加硫時間の制御以外の目的でも、製造時における品質管理、製造後の性能確認試験等に関して、タイヤの温度管理を容易かつ正確に行うことのできる技術が確立されることが望まれている。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、温度管理を容易かつ正確に行うことのできるタイヤを提供することにあり、また、従来のような問題を生ずることなく加硫工程におけるタイヤの内部温度を測定可能とすることで、加硫時間をより適切に決定することができ、これにより、時間的にもエネルギー的にも従来対比効率化を図ることができるタイヤの温度管理方法を提供することにあり、さらには、未加硫タイヤの成型工程や製品タイヤの走行時等における温度管理の可能なタイヤの温度管理方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、下記構成とすることにより上記目的を達成しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のタイヤは、トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部および一対のビード部とを有し、これら各部を一対のビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強するカーカスを備えるタイヤにおいて、
前記カーカスのタイヤ半径方向外側に、データ送信可能な無線通信機能を備える温度センサが埋設されていることを特徴とするものである。
また、本発明のタイヤの温度管理方法は、トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部および一対のビード部とを有し、これら各部を一対のビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強するカーカスを備えるタイヤの温度管理方法において、
前記カーカスのタイヤ半径方向外側に、データ送信可能な無線通信機能を備える温度センサを埋設して、該温度センサにより温度を計測し、得られた温度データを送信させ、該送信された温度データを外部に配置した受信機により受信して、温度管理を行うものである。
本発明の温度管理方法においては、未加硫タイヤを成型する成型工程における温度管理や、製品タイヤの走行時における温度管理を行うことができる。また、前記カーカスのタイヤ半径方向外側に、前記温度センサを埋設して未加硫タイヤを形成し、該未加硫タイヤの加硫工程において、該温度センサの埋設された未加硫タイヤを加硫用モールド内に収容して、前記温度センサで前記未加硫タイヤ内部の温度を計測し、得られた温度データを送信させ、該送信された温度データを前記加硫用モールド外に配置した受信機により受信して、加硫時における前記未加硫タイヤの温度管理を行うことも可能であり、この場合、前記温度データに基づき、所定の加硫度に到達した時点で加硫を終了して、前記加硫用モールドの開放を行うことができる。
また、本発明において、前記温度センサは、前記トレッド部、ビード部またはサイドウォール部に埋設することができ、前記温度センサの寸法としては、2cm×5cm×2cm以下程度が好適である。本発明は、特には、重荷重用タイヤ、中でも建設車両用タイヤに好適に適用可能である。
本発明によれば、タイヤ内部の所定箇所に温度センサを埋設したことで、タイヤの温度管理を容易かつ正確に行うことが可能となった。また、タイヤに埋設した温度センサを用いて温度計測を行うものとしたことで、例えば、加硫工程におけるタイヤの内部温度をリアルタイムでモニターすることが可能となり、予測値を用いる場合のような誤差を含むことなく加硫時間をより適切に決定して、時間的にもエネルギー的にも従来対比効率良くタイヤの加硫を行うことが可能となった。また、加硫時の温度履歴より、ゴム物性が推定できるため、結果として、製品タイヤ性能が予測可能であるというメリットもある。さらに、本発明において用いる温度センサはタイヤ内部に残留させたままとすることができるので、従来方法のようにタイヤの耐久性の低下等の問題を生ずることもない。かかる本発明の温度管理方法によれば、特に、加硫時間が長く、かつ、必要加硫度を得るための加硫時間がばらつきやすい重荷重用タイヤ、中でも、建設車両用タイヤを加硫する場合において、大きな加硫時間短縮効果を得ることができる。
また、本発明によれば、未加硫タイヤの成型工程において、タイヤ成型時のゴム温度のみならず、成型前の台ゴム温度、成型時のゴム温度による畜熱、成型後の放熱による温度低下等についてもモニターすることが可能となるため、タイヤの熱履歴をより詳細に把握して、厳密な品質管理を行うことができる。さらに、走行時におけるタイヤの内部温度を直接測定できるため、従来のような煩雑な手順を要さずに、製品タイヤの性能確認をより容易にかつ正確に行うことが可能である。
なお、前述したように、特許文献4には、タイヤ内部に監視用デバイスを埋設する技術が記載されているが、これはあくまでもタイヤの温度、圧力、走行距離等の情報をタイヤの識別情報とともに監視することを目的としたものであり、本発明におけるような成型、加硫時または走行時のタイヤ温度の計測を想定したものではない。また、特許文献4の技術では、かかる目的の違いに起因して、監視用デバイスの埋設箇所についても本発明とは異なりカーカスのタイヤ半径方向内側に設定されており、この箇所における温度測定は加硫時の熱源の安定確認が目的であり、適切な加硫時間の決定は困難であると考えられる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1に、本発明のタイヤの一例の部分断面図を示す。図示するタイヤ10は、トレッド部1と、その両側に連なる一対のサイドウォール部2および一対のビード部3とを有し、これら各部を一対のビード部3内に埋設したビードコア4相互間にわたり補強するカーカス5を備えている。
本発明のタイヤにおいては、カーカス5のタイヤ半径方向外側に、データ送信可能な無線通信機能を備える温度センサ20が埋設されている点が重要である。カーカス5のタイヤ半径方向外側に温度センサ20を埋設したことで、製造時における成型、加硫等の各工程でタイヤの内部温度変化を的確にモニタリングすることができるため、加硫工程においては加硫時間を適切に決定することが可能となるとともに、タイヤの熱履歴をより正確に把握することが可能となり、さらには、例えば、タイヤ促進試験等の性能確認試験の際の、走行時におけるタイヤの内部温度上昇の解析などの用途にも有効に利用することが可能となった。
温度センサ20の具体的な埋設位置としては、所望に応じ適宜選択することができ、特に制限されるものではなく、トレッド部のセンター部およびショルダー部、ビード部並びにサイドウォール部のいずれに埋設してもよいが、例えば、センサの寸法が大きめの場合には、大型タイヤにおける最大ゲージ部であるショルダー部に埋設して用いることができる。特に、加硫工程におけるタイヤ内部温度のモニタリングを目的とする場合には、図示するように、加硫の進行が最も遅い最大ゲージ部であるショルダー部に温度センサ20を埋設することで、加硫が完全に終了するまでの時間をより正確に決定することが可能となる。また、埋設深さとしては、タイヤの種類にもよるため特に限定はされないが、少なくともタイヤ踏面部より深さ10mm以上、特には20mm以上の位置とすることが好ましく、深さ10mm未満の位置とすると、タイヤの走行性能に悪影響を及ぼすなどの問題が生じてしまう。例えば、カーカス5上に配設されるベルト6上に直接配置してもよい。特に、成型工程におけるゴム温度の管理を目的とする場合には、ベルト6の直上部や、図示しないベースゴム、クッションゴム、トレッドゴム等の各ゴム部材の内部に埋め込んでもよい。
本発明において使用する温度センサ20としては、データ送信可能な無線通信機能を備えるものであれば、特に制限されるものではないが、加硫工程における温度管理の目的を考慮した場合には、加硫用モールド外部に配置した受信機において受信可能な程度の信号を送信できる無線通信機能を備えるものを用いることが必要である。また、タイヤ内部に埋設して使用することから、故障の原因となるなどタイヤ性能に悪影響を及ぼさないことが重要であり、かかる観点から、寸法的には、2cm×5cm×2cm以下程度のものが好ましく、より好ましくは、2cm×2cm×0.5cm以下、または1cm×1cm×2cm以下程度の小型センサーを使用する。より小型のものを用いれば、タイヤのトレッド部センター部、ビード部またはサイドウォール部にも、埋設して使用可能となる。一般的な多くの温度センサは、小型化すると電波出力が弱くなり、鉄で囲まれた加硫用モールド内部から外部の受信機で受信可能な信号を送信するのが困難であったが、例えば、(株)ジェイパリーシステムのJPサーモ(商品名)等を使用することで、かかる加硫用モールドを介した温度データの送受信が可能である。
本発明のタイヤにおいては、上記温度センサ20を所定箇所に埋設した点のみが重要であり、それ以外のタイヤ構造の詳細や材質等については、所望に応じ公知技術を適用することができ、特に制限されるものではない。例えば、図示する例ではカーカス5は2枚のプライ5a,5bからなるが、カーカスプライは1枚ないし3枚以上であってもよく、特に制限されない。また、図示する例ではカーカス5のタイヤ半径方向外側に4枚のベルト6が配設されているが、このベルト6の枚数についても本発明においては特に制限されるものではない。また、タイヤの最内層にはインナーライナー(図示せず)が配置され、トレッド表面には、適宜トレッドパターンが形成される。
次に、本発明のタイヤの温度管理方法について説明する。本発明の温度管理方法は、 カーカスのタイヤ半径方向外側に、データ送信可能な無線通信機能を備える温度センサを埋設して、この温度センサにより温度を計測し、得られた温度データを送信させ、送信された温度データを外部に配置した受信機により受信して、温度管理を行うものであり、タイヤ製造工程のうち未加硫タイヤを成型する成型工程および加硫工程、製品タイヤの走行時等において好適に適用可能である。
中でも特に、タイヤの加硫工程に本発明の温度管理方法を適用した場合、未加硫タイヤを加硫用モールド内に収容して加硫を行う際に適切な加硫時間を決定することができる。この場合は、例えば、以下のように行うことができる。
本発明においては、かかる未加硫タイヤ内部に、あらかじめデータ送信可能な無線通信機能を備える温度センサを埋設しておくことが重要である。具体的には、図1に示すようなトレッド部1と、その両側に連なる一対のサイドウォール部2および一対のビード部3とを有し、これら各部を一対のビード部3内に埋設したビードコア4相互間にわたり補強するカーカス5を備えるタイヤを加硫するにあたり、カーカス5のタイヤ半径方向外側に、データ送信可能な無線通信機能を備える温度センサ20を埋設して未加硫タイヤを形成する。未加硫タイヤの加硫工程において、かかる温度センサ20の埋設された未加硫タイヤを加硫用モールド内に収容して加硫を行うことで、温度センサ20で未加硫タイヤ内部の温度を計測することができるとともに、これにより得られた温度データを無線通信により外部に送信させることができる。従って、加硫用モールド外に受信機を配置して、この受信機を用いて、温度センサ20で計測され送信された未加硫タイヤ内部の温度データを受信することで、未加硫タイヤ内部の加硫に伴う温度変化をリアルタイムでモニターすることができ、これにより、加硫の進行の度合いを確認しつつ加硫を行うことが可能となる。
図2に、タイヤの加硫時間と温度変化との関係を示すグラフを示す。図中の横軸はタイヤの加硫開始後の経過時間を示し、縦軸はタイヤ内部の温度、例えば、ショルダー部等の加硫の進行が最も遅い部分の温度を示す。この温度曲線は、一般的に、加硫開始直前においてはゼロであった勾配θが、徐々に増加したあと、ある時点で放熱の増加等により減少に転じ、そのまま徐々に減少する形状をなす。加硫度の増加度合は、かかる加硫開始後の温度曲線から求めることができる。
従って、本発明の温度管理方法においては、タイヤ内部の適宜箇所、例えば、加硫の進行が最も遅い部分に温度センサを埋設して、所定のサンプリングタイムで温度データをリアルタイムに取り込んでいくことで、変化する加硫度を時々刻々算出することができ、この加硫度が必要加硫度として予め定められた所定の値に到達した時点teを到達直後に知ることが可能である。これにより、この時点teで加硫を終了して加硫用モールドを開放し、タイヤを取り出すことで、必要加硫硬度を満たしたタイヤを最短時間で得ることが可能となる。
本発明において、未加硫タイヤ内部に温度センサ20を埋設する方法としては、例えば、タイヤ成型工程におけるベルト6の貼り付け後に、ベルト6上に温度センサ20を取り付けて、粘着性の高いカバーゴムで被覆することにより固定し、その後、通常通りベースゴムおよびトレッドを順次貼り付ける方法を用いることができ、これにより、内部に温度センサ20を備える未加硫タイヤを得ることができる。また、これを常法に従い加硫することで、本発明のタイヤが得られる。
また、成型工程における温度管理を行う場合には、例えば、以下の手順に従うことができる。まず、インナーライナー、カーカスプライおよびベルト成型を行い、ベルト成型工程において、温度センサ(例えば、サイズ1cm×1cm×2cm以下程度)をベルト直上に貼り付けて、ベルト直上部の温度モニターを開始する。次いで、トレッドゴム、ベースゴム(および所望に応じクッションゴム)を成型し、その途中で小型センサーを貼り付けて、同様に、トレッドゴム、ベースゴム等の温度モニターを開始する。これにより、トレッドゴム、ベースゴム等の成型を終了し、未加硫タイヤが完成するまでの、各部位における温度管理を経時的に行うことが可能となる。さらにその後、加硫工程等を経ることにより製造された製品タイヤにおいては、性能確認のための促進試験(ドラム評価)等の際に、走行中のタイヤ温度の履歴を、温度センサを埋め込んだ各部位につき計測することが可能である。
本発明の温度管理方法に用いる受信機としては、特に制限されるものではなく、市販のものを適宜使用することが可能であるが、特に、加硫工程に適用する場合には、上記温度センサ20の信号を、加硫用モールドを介して受信できる程度の感度を有するものを用いることが必要である。
本発明の温度管理方法は、いかなるタイヤについても適用可能であるが、加硫工程における適用に関しては、前述したように、特に、加硫時間が長く、かつ、必要加硫度を得るための加硫時間がばらつきやすい重荷重用タイヤ、中でも建設車両用タイヤに好適に適用することができ、これらタイヤを加硫する場合において、大きな加硫時間の短縮効果を得ることができる。
本発明のタイヤの一例を示す部分断面図である。 タイヤの加硫時間と温度変化との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5(5a,5b) カーカス(プライ)
6 ベルト
10 タイヤ
20 温度センサ

Claims (14)

  1. トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部および一対のビード部とを有し、これら各部を一対のビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強するカーカスを備えるタイヤにおいて、
    前記カーカスのタイヤ半径方向外側に、データ送信可能な無線通信機能を備える温度センサが埋設されていることを特徴とするタイヤ。
  2. 前記温度センサが、前記トレッド部、ビード部またはサイドウォール部に埋設されている請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記温度センサの寸法が、2cm×5cm×2cm以下である請求項1または2記載のタイヤ。
  4. 重荷重用タイヤである請求項1〜3のうちいずれか一項記載のタイヤ。
  5. 建設車両用タイヤである請求項4記載のタイヤ。
  6. トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部および一対のビード部とを有し、これら各部を一対のビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強するカーカスを備えるタイヤの温度管理方法において、
    前記カーカスのタイヤ半径方向外側に、データ送信可能な無線通信機能を備える温度センサを埋設して、該温度センサにより温度を計測し、得られた温度データを送信させ、該送信された温度データを外部に配置した受信機により受信して、温度管理を行うことを特徴とするタイヤの温度管理方法。
  7. 未加硫タイヤを成型する成型工程における温度管理を行う請求項6記載のタイヤの温度管理方法。
  8. 製品タイヤの走行時における温度管理を行う請求項6記載のタイヤの温度管理方法。
  9. 前記カーカスのタイヤ半径方向外側に、前記温度センサを埋設して未加硫タイヤを形成し、該未加硫タイヤの加硫工程において、該温度センサの埋設された未加硫タイヤを加硫用モールド内に収容して、前記温度センサで前記未加硫タイヤ内部の温度を計測し、得られた温度データを送信させ、該送信された温度データを前記加硫用モールド外に配置した受信機により受信して、加硫時における前記未加硫タイヤの温度管理を行う請求項6記載のタイヤの温度管理方法。
  10. 前記温度データに基づき、所定の加硫度に到達した時点で加硫を終了して、前記加硫用モールドの開放を行う請求項9記載のタイヤの温度管理方法。
  11. 前記温度センサを前記トレッド部、ビード部またはサイドウォール部に埋設する請求項6〜10のうちいずれか一項記載のタイヤの温度管理方法。
  12. 前記温度センサとして、2cm×5cm×2cm以下の寸法のものを用いる請求項6〜11のうちいずれか一項記載のタイヤの温度管理方法。
  13. 重荷重用タイヤに適用される請求項6〜12のうちいずれか一項記載のタイヤの温度管理方法。
  14. 建設車両用タイヤに適用される請求項13記載のタイヤの温度管理方法。
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