JP2004132864A - タイヤ温度検出装置 - Google Patents

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JP2004132864A JP2002298377A JP2002298377A JP2004132864A JP 2004132864 A JP2004132864 A JP 2004132864A JP 2002298377 A JP2002298377 A JP 2002298377A JP 2002298377 A JP2002298377 A JP 2002298377A JP 2004132864 A JP2004132864 A JP 2004132864A
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Takashi Yokoi
横井  隆
Masami Kikuchi
菊池 正美
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Abstract

【課題】タイヤの所要部分の温度を直接検出して、タイヤの故障に繋がる温度異常の早期発見を可能にするタイヤ温度検出装置を提供する。
【解決手段】タイヤ内周面に貼付けられ温度が上昇すると磁力を低下させる可撓性磁石と、一定のタイヤ周方向位置にある磁気センサと、磁気センサをホイールに取り付けるセンサ取付治具とを具えるタイヤ温度検出装置を用いて、磁気センサで可撓性磁石からの磁界を検出し、可撓性磁石が貼付けられたタイヤ部分の温度を直接測定する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤの所要部分における温度を監視して、タイヤの温度の異常を運転者に通知するのに用いられるタイヤ温度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤの温度を検出するタイヤ温度検出装置として、リムに取り付けられるタイヤ内圧警報装置に内蔵され温度を検知する温度センサが従来から知られていて、この温度センサは、半導体の電気特性が温度に依存して変化することを利用して、この電気特性の変化から温度を検知するものである。そして、温度センサで検出された温度データは、車体側に設けられた受信機に送信され、送信された温度データが設定した所定温度を超えると異常と判断され、その結果が運転者に通知される。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、このタイヤ内圧警報装置に内蔵された温度センサは、タイヤの内空部の温度を測定しているに過ぎず、例えば、タイヤのある部分が異常に発熱してセパレーションを起こしたりバーストしたりする可能性を予知するためには、発熱した部分の温度を直接測定する必要があり、従来のタイヤ内圧警報装置に内蔵された温度センサを、この用途に用いようとしても、実用上、有効なものではなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−355203号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、タイヤの所要部分における温度を直接測定することにより、タイヤの故障に繋がる可能性のある異常を早期に発見することのできるタイヤ温度検出装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明はなされたものであり、その要旨構成ならびに作用を以下に示す。
【0007】
請求項1に記載のタイヤ温度検出装置は、ホイールに取り付けられたタイヤの所要部分の温度を検知するタイヤ温度検出装置であって、
タイヤのこの部分に対応するタイヤ内周面に取り付けられた可撓性磁石、この可撓性磁石に近接可能に配設され可撓性磁石が発生する磁界を検出する磁気センサ、および、磁気センサをホイールに取り付けるセンサ取付治具を具えてなり、
前記可撓性磁石は、所定の温度近傍において温度が上昇すると磁力が低下する特性を有し、
前記センサ取付治具は、タイヤ軸心周りに回転可能に設けられ磁気センサを支持する回転支持台と、ホイールのホイールベースの周上に取り付けられ回転支持台の回転をガイドする固定ベースとを有してなるものである。
【0008】
このような特性を有する可撓性磁石が設けられているタイヤの部分の温度が上昇して所定の温度に近づくと可撓性磁石の磁力は低下する。このとき、可撓性磁石に対して所定の位置に磁気センサを設けておけば、この磁気センサの検知する磁束密度は低下する。このようにして、タイヤの温度と磁気センサの磁束密度とは一義的に関係付けることができ、予めこれらの関係を表わす式を準備して置くことにより、この関係式を用いて、測定された磁束密度から、感温磁性体が設けられているタイヤ部分の温度を逆算して求めたり、温度の異常を判定したりすることができる。
【0009】
本発明に係るこのタイヤ温度検出装置は、上述のように、可撓性磁石が設けられているタイヤ部分の温度を直接測定するのでタイヤの所要部分の温度を正確に知ることができる。
【0010】
また、一般的に、異常を検知するセンサが故障したときの出力は、このセンサが異常を検知したときの出力と同じものとするのがフェールセーフの点で好ましく、もしセンサが故障したときも正常時と同じ出力を出すものとしたならば、センサが故障中に異常が発生していてもこれを検出できないからである。このタイヤ温度検出装置によれば、温度が異常に上昇した場合には磁気センサで検知する磁束密度は小さいので磁気センサからの出力は、磁気センサが故障した場合と同様ゼロであるので、フェールセーフの点で好ましい。
【0011】
さらに、このタイヤ温度検出装置によれば、磁気センサを取り付けるセンサ取付治具を、タイヤ軸心周りに回転可能に設けられ磁気センサを支持する回転支持台と、ホイールのホイールベースの周上に取り付けられこの回転支持台の回転をガイドする固定ベースとで構成したので、タイヤ回転軸心に対する磁気センサの半径方向位置を可撓性磁石に近接させて固定にするとともに、磁気センサの周方向位置もタイヤの回転角度に拘らずほぼ一定に、例えば、軸直下から60度時計回りの周方向位置に保持することができる。
【0012】
請求項2に記載のタイヤ温度検出装置は、請求項1に記載するところにおいて、前記可撓性磁石は、少なくとも一の永久磁石と、この永久磁石の磁極に連結された少なくとも一の感温磁性体とを具え、この感温磁性体は、所定の温度近傍において温度が上昇すると透磁率が低下する特性を有してなるものである。
【0013】
このような感温磁性体と永久磁石とで可撓性磁石を構成した場合、この可撓性磁石の温度が上昇して所定の温度に近づくと感温磁性体の透磁率は低下するので可撓性磁石の磁力は低下し、よって、可撓性磁石の磁力を温度に依存して変化するものとすることができ、また、これを永久磁石だけで構成するのに対比して、温度の変化に対して磁力を高感度で変化させることができる。
【0014】
請求項3に記載のタイヤ温度検出装置は、請求項1もしくは2に記載するところにおいて、いずれの磁気センサも、静置されたホイールへの取り付け姿勢下で、磁気センサを通りタイヤ軸線と直交する面において、タイヤ軸心を中心としタイヤ接地部を弦とする扇形の外に配設されてなるものである。
【0015】
このタイヤ温度検出装置によれば、磁気センサを、静置されたホイールへの取り付け姿勢下で、磁気センサを通りタイヤ軸線と直交する面において、タイヤ軸心を中心としタイヤ接地部を弦とする扇形の外に配設したので、センサ取付治具を介してホイールに回転自在に取り付けられた磁気センサの周方向位置を、タイヤが回転中においても、タイヤ非接地面に対応する位置に保持することができ、よって、タイヤ接地面部分での可撓性磁石の半径方向内側への変位の影響を排除して、磁気センサと可撓性磁石との間隔を輪荷重に拘らず一定にすることができ、磁気センサで検出される磁束密度の変化を温度の変化と一義的に関連付けることができる。
【0016】
請求項4に記載のタイヤ温度検出装置は、請求項3に記載するところにおいて、前記センサ取付治具にウエートを設けてなり、このウエートは前記回転支持台に取り付けられ、静置されたホイールへの取り付け姿勢下でタイヤ軸心の直下付近に位置してなるものである。
【0017】
このタイヤ温度検出装置によれば、磁気センサを支持する回転支持台を、静置されたホイールへの取り付け姿勢下でウエートがタイヤ軸心の直下付近に位置するよう構成したので、磁気センサの、ウエートからのタイヤ軸心周りの離隔角度を適宜選択することにより、いつも、磁気センサがタイヤ非接地面に対応する周方向位置にある状態を容易に達成することができる。
【0018】
請求項5に記載のタイヤ温度検出装置は、請求項1〜4のいずれかに記載するところにおいて、永久磁石を形成する磁性材料として、希土類磁性材料を用いてなるものである。
【0019】
このタイヤ温度検出装置によれば、前述の作用の他、永久磁石として希土類磁性材料を用いるので、低温時における感温磁性体の透磁率を高く保持して磁気センサで検知する磁束密度を高いものとすることができ、よって、感度のよいタイヤ温度検出装置を提供することができる。
【0020】
請求項6に記載のタイヤ温度検出装置は、請求項1〜5のいずれかに記載するところにおいて、感温磁性体を形成する材料として、NiCu、NiAl、NiCr、NiV、NiSi,NiTi、NiMo,NiSb,NiZnを含むNi系合金、Mn−Cu系合金、Ni−Zn−Fe2O4系合金、Mn−Zn−Fe2O3系合金、Fe−Ni系合金、Ni−Cu系合金、もしくは、Fe−Ni−Cr−Si系合金を用いてなるものである。
【0021】
タイヤの各部分の正常温度の上限は一般に80℃〜250℃の範囲にあり、上述の材料よりなる感温磁性体は、いずれもこれら材料の配合比を適宜調整することにより、この温度範囲にキュリー点をもつ磁性体とすることができ、よって、このタイヤ温度検出装置によれば、前述の作用の他、温度を検知したいタイヤの各部分に対しその正常温度上限付近の温度変化を的確にとらえることができ、タイヤの温度の異常上昇を早期に検知するという所期の目的の達成することができる。
【0022】
請求項7に記載のタイヤ温度検出装置は、請求項1〜6のいずれかに記載するところにおいて、可撓性磁石を構成する永久磁石および感温磁性体を、それぞれ、磁性粉をゴムに混合分散してなるボンド磁性体より形成してなるものである。
【0023】
このタイヤ温度検出装置によれば、永久磁石および感温磁性体をそれぞれボンド磁性体により形成したので、可撓性磁石はタイヤの大きな変形に対して追従して変形することができ、よって、この可撓性磁石がタイヤからはがれたり、タイヤの正常な変形を阻害したり、あるいは、この可撓性磁石が破壊したりするのを防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1ないし図10に基づいて説明する。図1は、この実施形態のタイヤ温度検出装置1を示す、タイヤ軸心を通る平面における断面図であり、図2は、図1のII−II矢視に対応する断面図である。なおここで、図1は、図2のI−I矢視に対応する断面に相当している。タイヤ2の内周面上には、タイヤ周方向に二列に並んだ複数の可撓性磁石3が貼付けられている。そして、可撓性磁石3からの磁界を検知する二対の磁気センサ4が、ホイール5に回転可能に取り付けられていて、各対の磁気センサ4の周方向位置はタイヤ非接地面に対応するものとし、磁気センサ4の幅方向位置は可撓性磁石3が並んだそれぞれの列に対応するものとし、そして、磁気センサ4の半径方向位置は可撓性磁石3に近接可能なものとなるよう配置されている。
【0025】
そして、磁気センサ4の上記配置を実現するため、磁気センサ4をホイール5に回転可能に取り付けるセンサ取付治具6は、磁気センサを支持する回転支持台7と、ホイール5のホイールベース5Aの周上に取り付けられ回転支持台7と係合して回転支持台7のタイヤ軸心周りの回転をガイドする固定ベース8とを具えている。そして、これら、可撓性磁石3と磁気センサ4とセンサ取付治具6とでタイヤ温度検出装置1を構成する。
【0026】
図3と図4とは、図2のそれぞれIII−III矢視およびIV−IV矢視に対応する断面図であり、回転支持台7と固定ベース8との係合部分の詳細を示すものである。センサ取付治具6の固定ベース8は、タイヤ軸線を通る断面においてH型の形状をなし、H型の一部をそれぞれ構成するツバ状ガイドバー11および筒状ガイドバー12を具えている。一方、回転支持台7は、磁気センサ4のそれぞれを先端で固定支持する四本の支持アーム17、これらの支持アーム17を共通に固定するコモンベース16、および、コモンベース16に軸支されたガイドローラ13〜15を具えている。
【0027】
対をなすガイドローラ13とガイドローラ14との少なくとも一方が筒状ガイドバー12に当接しながら転動することによってコモンベース16のタイヤ半径方向の位置を拘束し、また、左右のガイドローラ15のうち少なくとも一つがツバ状ガイドバー11に当接しながら転動することによってコモンベース16のタイヤ幅方向の位置を拘束する。このように、ガイドローラ13〜15の作用によって、コモンベース16はその周方向の変位は許容されつつ半径方向および幅方向の変位は拘束されるので、回転支持台7を、タイヤ軸心周りの回転が可能な状態でホイール5に取り付けることができる。
【0028】
この実施形態において、四本の支持アーム17は、コモンベース16の周方向中央に関して対称に配置されているので、コモンベース16の重心は軸直下に位置することとなり、また、支持アーム17の周方向の互いの離隔間隔は、ホイール5を静置した状態での磁気センサ4が、図2に示す断面において、タイヤ軸心を中心としタイヤ接地部を弦とする扇形の外に配設されるよう設定されているので、磁気センサ4が可撓性磁石3の磁界を検出するときの可撓性磁石3の周方向位置は、可撓性磁石3の、タイヤ接地による半径方向内側への変位が現れないタイヤ非接地面上とすることができる。そして、このことは、磁気センサ4がタイヤ軸心周りに回転自在に設けられているので、タイヤが回転走行中であっても変わることはない。
【0029】
次に、可撓性磁石3について詳細を説明する。図5(a)は可撓性磁石3の平面図であり、図5(b)は、その側面図である。可撓性磁石3は平板状をなし一方の面をタイヤ内周面に貼り付けられていて、可撓性磁石3は、二の永久磁石21A、21Bと、これらの異なる極性の磁極同士を連結させる感温磁性体22とで構成されている。図2では、感温磁性体22は、左側の永久磁石21AのS極と右側の永久磁石21BのN極との間に配置されこれらの磁極を連結している。
【0030】
そして、永久磁石21A、21Bおよび感温磁性体22は、それぞれ磁石材料および軟質磁性材料よりなる磁性粉を配合ゴムに分散混合してできたボンド磁性体をシート状にして形成され、可撓性磁石3はこれらのゴムシートを貼り合わせてできていて、そのため、高い柔軟性を担持し、タイヤ2の大きな変形にも追従して変形することができる。
【0031】
永久磁石21A、21Bを構成するボンド磁性体の磁性粉は、安価なフェライトを用いることもできるが、ネオジウム鉄ボロン、サマリウムコバルトあるいはサマリウム鉄窒素などの希土類磁石や、アルニコ磁石などを用いることにより、強い磁界を放射することができ有利である。
【0032】
また、感温磁性体22は、タイヤ2の所定部分の許容温度範囲の上限付近にキュリー点を有する軟質磁性材料で形成されていて、この感温磁性体22は、キュリー点よりずっと低い温度では高い透磁率を有するが、キュリー点を超える温度においては透磁率が極めて小さくなる特性を有している。可撓性磁石3が貼り付けられているタイヤ部分の温度をTxとしたとき、Txがキュリー点よりずっと低い正常範囲の温度であるときは、感温磁性体22の透磁率は高いので可撓性磁石3の磁力は大きいが、Txがキュリー点を超えると感温磁性体22は非磁性体となり可撓性磁石3の磁力はなくなる。そしてこの磁力の変化はこの可撓性磁石3から出る磁力線の数を変化させる。
なお、この感温磁性体22は、温度上昇に応じて透磁率を低下させる特性に加えて、飽和磁化をも低下させる特性を有することが好ましく、このことにより、可撓性磁石3の磁力の温度変化に対する感度を一層向上させることができる。
【0033】
このような特性を有する感温磁性体22を構成するボンド磁性体の磁性粉は、NiCu、NiAl、NiCr、NiV、NiSi,NiTi、NiMo,NiSb,NiZnを含むNi系合金、Mn−Cu系合金、Ni−Zn−Fe2O4系合金、Mn−Zn−Fe2O3系合金、Fe−Ni系合金、Ni−Cu系合金、もしくは、Fe−Ni−Cr−Si系合金などのうちから、検知したい温度の領域に応じて、適宜選択して用いることができる。
【0034】
図6は、タイヤ半径方向中心から見たタイヤ内周面を平面に展開した展開図であり、可撓性磁石3の配置を示すものである。矢印Dで示す方向がタイヤの幅方向、矢印Cで示す方向がタイヤの周方向であり、また、Eはタイヤ2の赤道面を表す。赤道面Eの両側のそれぞれの領域に、複数の可撓性磁石3が周方向に沿って所定ピッチで一列に配列されている。可撓性磁石3は、温度を検出したいタイヤ部分に対応する内表面に貼付ければよいが、例えば、図6に示す建設車両用タイヤの場合には、タイヤの駆動を担うラグがトレッド部に設けられているのが通例であるが、ラグでは内部発熱が非常に大きいため、それぞれのラグに対応するタイヤ内周面に可撓性磁石3を貼付けて温度異常を検知するのが好ましい。図6に示す例では、二列の可撓性磁石3を、ラグの周方向位置に合わせて半ピッチずつ、ずらして配設している。
【0035】
図7(a)、図7(b)は、タイヤ軸線と磁気センサ4とを通る断面において、可撓性磁石3からの磁力線とこれを検出する磁気センサ4とを示す配置図である。図7(a)は、温度Txが正常な範囲にある状態での磁力線を示すものであり、図7(b)は、温度Txが異常に上昇した状態での磁力線を示すものである。なお、磁気センサ14は、タイヤ軸線を通る面内に延在する磁力線成分を検知するようにその姿勢を設定されていている。
【0036】
また、図7において、可撓性磁石3から放射される磁力線はタイヤ半径方向内側にもまた外側にも放射されようとするが、外側への磁力線はタイヤの内部に配設されているスチールベルトにシールドされるので、そのほとんどは磁気センサの配置されたタイヤ半径方向内側へ放射されることになる。
【0037】
図8は、タイヤ2を回転させたとき、タイヤ幅方向に対をなす磁気センサ4の一方が検出する磁束密度の時間変化を、縦軸に磁束密度の大きさ、横軸に経過時間Tをとって示すグラフである。図8にはまた、タイヤ2の回転に伴って、車軸の回転部分の周上の一箇所が車軸の非回転部分の所定位置を通過するときに発信するパルスSを、時間軸を合わせて示していて、パルスSの発生タイミングはタイヤ各一回転の位相原点とみなすことができる。
【0038】
ほぼ一定の周方向位置に保持されている磁気センサ4は、タイヤ2が回転して可撓性磁石3がこれに最接近したときもっとも強い磁界を検知するので、タイヤの回転に伴って可撓性磁石3が磁気センサ4を通過するたびに、磁気センサ4は順次磁束密度のピークを検出する。図8は、これらのピークのうちピークP1〜P8だけを示している。そして、温度Txが正常な部位に対応する可撓性磁石3はその磁力が大きく、このとき磁気センサ4で検知するピークの磁束密度は閾値SHをはるか越えているが、温度Txが異常範囲に達した部位に対応する可撓性磁石3の磁力は小さく、これに対応して磁気センサ4で検知するピーク磁束密度は、ピークP5のように閾値SH以下となり、このとき温度異常信号を発することにより運転者等に異常を知らせることができる。
【0039】
連続して現れる磁束密度のピークのそれぞれを、タイヤ2上のそれぞれの可撓性磁石3に対応させるには、対象とするピークの、位相原点となるパルスSの検出後の出現序数C、すなわちパルスSが検出された後何番目にこのピークが出現するかをカウントし、実際のタイヤ上の位相原点から出現序数Cだけ周方向に遅れたところにある可撓性磁石3をこれに対応させればよい。例えばピークP5の場合、出現序数Cは3である。
【0040】
このように、この実施形態に示すタイヤ温度検出装置1を用いて、タイヤ2が異常な温度に上昇したことを検知することができ、しかも、どの可撓性磁石3からの磁界が異常かをチェックすることができるので、温度が異常に上昇したタイヤの部分を特定することができる。さらに、温度の異常判定のみならず、予め、検知する磁束密度のピークの大きさと温度Txとの関係とを表わす関係式を準備しておくことにより、検出されたピーク磁束密度の大きさから温度をTxを逆算してリアルタイムに求めることができ、測定された温度の値そのものも運転者に伝達することができる。なお、磁気センサ4で検知される信号、もしくは、温度異常の状態を示す信号は、磁気センサ4から電波によって車体側、もしくは、車両外の固定ステーション等に送信することによって伝達することができる。
【0041】
また、これらの実施形態においては、可撓性磁石3を二つの永久磁石21A、21Bおよび感温磁性体22で構成したが、このかわりに、可撓性磁石を、一つの永久磁石の一方の端に一つの感温磁性体を連結してもよく、この場合、可撓性磁石の両極はそれぞれ永久磁石の他方の端と感温磁性体の永久磁石に連結されていない側の端とに形成され、また、一つの永久磁石の両端にそれぞれ感温磁性体を連結したものとしてもよく、この場合、可撓性磁石の両極はこれらの感温磁性体の永久磁石と連結されていない側の端にそれぞれ形成される。さらには、任意の数の永久磁石と任意の数の感温磁性体とを適宜直列につなぎ合わせた種々の形態ものであってもよい。なお、可撓性磁石3を、所定の温度近傍で磁力が低下する特性を有する永久磁石だけで構成することもできるが、この場合、温度に対する感度を十分確保できるよう留意する必要がある。
【0042】
以上の実施形態では、可撓性磁石3をラグに対応する位置に設けたが、これを、温度情報を検知したいタイヤの部分に応じて、トレッド部3、サイドウォール部、あるいはビード部等に設けることができる。
【0043】
なお、磁気センサ4には、弱い磁界であっても感度よく検出することのできるMIセンサ(磁気インピーダンスセンサ)を用いるのが好ましい。また、要求される感度によっては、MRセンサ(磁気抵抗センサ)でもよく、さらには、磁界の大きさによって接点が断接するリードスイッチを用いてリードスイッチの断接により磁界の大きさを検知してもよく、この場合、互いに異なるレベルの磁界により断接を行う複数個のリードスイッチを設けてそれぞれのリードスイッチの断接状態を知ることによって、磁界の強さがどのレベルにあるかを特定することができる。
【0044】
なお、本実施形態の固定ベース8は、その周方向の少なくとも一カ所につなぎ目を設け、これをホイールベース5Aに装着する際、このつなぎ目を開くことによりホイールベース5Aに挿入しやすく構成されている。図9は固定ベース8のつなぎ目部分を示す図であり、図9(a)は正面図、図9(b)は断面図である。固定ベース8は、周方向につなぎ目31を有し、つなぎ目31を境に相隣り合う固定ベース8の両端32A、32Bのそれぞれにステー33A、33Bを設け、ステー33A、33Bのそれぞれに設けられた貫通孔をともに貫通するタイボルト34にナット35を締め込むことによってこれらのステー33A、33Bを相接近させ、固定ベース8をホイールベース5Aに締付けて固定することができる。
【0045】
図10は、本実施形態のタイヤ温度検出装置の第一の変形例を、図2に示されるタイヤ断面に対応する断面で示すものである。第一の変形例のタイヤ温度検出装置1Aは、本実施形態のタイヤ温度検出装置1を構成する可撓性磁石3、磁気センサ4およびセンサ取付治具6のうち、磁気センサ4の総個数を四個から二個に減じた点およびセンサ取付治具6の回転支持台の構成を変えた点が、本実施形態のタイヤ温度検出装置1と異なるだけであり、したがって第一の変形例のタイヤ温度検出装置1Aについては、回転支持台9以外の構成要素についての詳細な説明は省略する。回転支持台9は、タイヤ幅方向に並んで対をなす磁気センサ4のそれぞれを先端で固定支持する二本の支持アーム17A、回転支持台9の重心をこの取り付け状態においてタイヤ軸心の直下に位置させるウエート19、ウエート19を先端で固定支持するウエート支持アーム18、これらの支持アーム17Aおよびウエート支持アーム18を共通に固定するコモンベース16A、および、コモンベース16Aに軸支されたガイドローラ13〜15を具えて構成されている。
【0046】
ガイドローラ13〜15が固定ベース8の筒状ガイドバー12もしくはツバ状ガイドバー11に当接しながら転動することによって、コモンベース16Aのタイヤ幅方向およびタイヤ半径方向の位置は拘束されていて、回転支持台9がタイヤ軸心周りの回転が可能な状態でホイール5に取り付けられている点も、実施形態のタイヤ温度検出装置1について説明したとおりである。
【0047】
この第一の変形例のタイヤ温度検知センサ1Aはその取り付け状態において、ウエート19はタイヤ軸心直下付近に位置していて、また、支持アーム17Aとウエート支持アーム18との周方向の互いの離隔間隔は、ホイール5を静置した状態での磁気センサ4が、図10に示す断面において、タイヤ非接地部に対応する周方向位置に配設されるよう設定されていて、このため、磁気センサ4が可撓性磁石3の磁界を検出するときの可撓性磁石3の周方向位置は、可撓性磁石3の、タイヤ接地による半径方向内側への変位が現れないタイヤ非接地面上とすることができる。そして、このことは、磁気センサ4がタイヤ軸心周りに回転自在に設けられているので、タイヤが回転走行中であっても変わることはない。
【0048】
図11は、本実施形態のタイヤ温度検出装置の第二の変形例を、図2に示されるタイヤ断面に対応する断面で示すものである。第二の変形例のタイヤ温度検出装置1Bは、第二の変形例のタイヤ温度検出装置1Aにおける、弧状のコモンベース16Aに代えて円環状のコモンベース16Bを、リム5の下部付近に位置する支持アーム17Aに代えてリム5の真上に位置する支持アーム17Bを設けたものである。さらに、このタイヤ温度検出装置1Bは、第一の変形例のタイヤ温度検出装置1Aにおける固定ベース8を具える必要がなく、回転支持台9Aは、リム5の周りを転動するローラ25を介して、リム5に直接回転自在に取り付けられている。
【0049】
このように、第二の変形例においては、タイヤの走行中においていつも、磁気センサ4をタイヤ軸心のほぼ真上に位置させることができ、このことにより、磁気センサ4がタイヤ接地面に対向する可能性をほぼゼロとし、磁界を検出する際の可撓性磁石との距離を一定に保つことができる。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、本発明のタイヤ温度検出装置によれば、タイヤ内周面に貼付けられ温度が上昇すると磁力を低下させる可撓性磁石と、一定のタイヤ周方向位置にある磁気センサと、磁気センサをホイールに取り付けるセンサ取付治具とを具えているので、磁気センサで可撓性磁石からの磁界を検出することにより、可撓性磁石が貼付けられたタイヤ部分の温度を直接測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態のタイヤ温度検出装置を示す、タイヤ軸心を通る平面における断面図である。
【図2】図1のII−II矢視に対応する断面図である。
【図3】図2のIII−III矢視に対応する断面図である。
【図4】図2のIV−IV矢視に対応する断面図である。
【図5】可撓性磁石を示す平面図および側面図である。
【図6】可撓性磁石の配置を示す展開図である。
【図7】可撓性磁石による磁力線と磁気センサとの配置を示す配置図である。
【図8】磁気センサが検出する磁束密度の時間変化のグラフである。
【図9】固定ベースのつなぎ目部分を示す正面図および断面図である。
【図10】本実施形態のタイヤ温度検出装置の第一の変形例を示す断面図である。
【図11】本実施形態のタイヤ温度検出装置の第二の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、1A、1B タイヤ温度検出装置
2 タイヤ
3 可撓性磁石
4 磁気センサ
5 ホイール
5A ホイールベース
6 センサ取付治具
7 回転支持台
8 固定ベース
9、9A 回転支持台
10 車軸
11 ツバ状ガイドバー
12 筒状ガイドバー
13、14、15 ガイドローラ
16、16A、16B コモンベース
17、17A、17B 支持アーム
18 ウエート支持アーム
19 ウエート
21A、21B 永久磁石
22 感温磁性体
25 ローラ
31 固定ベースのつなぎ目
32A、32B 固定ベースの両端
33A、33B ステー
34 タイボルト
35 ナット

Claims (7)

  1. ホイールに取り付けられたタイヤの所要部分の温度を検知するタイヤ温度検出装置であって、
    タイヤのこの部分に対応するタイヤ内周面に取り付けられた可撓性磁石、この可撓性磁石に近接可能に配設され可撓性磁石が発生する磁界を検出する磁気センサ、および、磁気センサをホイールに取り付けるセンサ取付治具を具えてなり、
    前記可撓性磁石は、所定の温度近傍において温度が上昇すると磁力が低下する特性を有し、
    前記センサ取付治具は、タイヤ軸心周りに回転可能に設けられ磁気センサを支持する回転支持台と、ホイールのホイールベースの周上に取り付けられ回転支持台の回転をガイドする固定ベースとを有してなるタイヤ温度検出装置。
  2. 前記可撓性磁石は、少なくとも一の永久磁石と、この永久磁石の磁極に連結された少なくとも一の感温磁性体とを具え、この感温磁性体は、所定の温度近傍において温度が上昇すると透磁率が低下する特性を有してなる請求項1に記載のタイヤ温度センサ。
  3. いずれの磁気センサも、静置されたホイールへの取り付け姿勢下で、磁気センサを通りタイヤ軸線と直交する面において、タイヤ軸心を中心としタイヤ接地部を弦とする扇形の外に配設されてなる請求項1もしくは2に記載のタイヤ温度検出装置。
  4. 前記センサ取付治具にウエートを設けてなり、このウエートは前記回転支持台に取り付けられ、静置されたホイールへの取り付け姿勢下でタイヤ軸心の直下付近に位置してなる請求項3に記載のタイヤ温度検出装置。
  5. 永久磁石を形成する磁性材料として、希土類磁性材料を用いてなる請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ温度検出装置。
  6. 感温磁性体を形成する材料として、NiCu、NiAl、NiCr、NiV、NiSi,NiTi、NiMo,NiSb,NiZnを含むNi系合金、Mn−Cu系合金、Ni−Zn−Fe2O4系合金、Mn−Zn−Fe2O3系合金、Fe−Ni系合金、Ni−Cu系合金、もしくは、Fe−Ni−Cr−Si系合金を用いてなる請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ温度検出装置。
  7. 可撓性磁石を構成する永久磁石および感温磁性体を、それぞれ、磁性粉をゴムに混合分散してなるボンド磁性体より形成してなる請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ温度検出装置。
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