JP2006314476A - カテーテル、およびその成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カテーテルの基部側に操作力を与えながら、このカテーテルを体内で進行させる際、このカテーテルにキンクが発生しないようにすると共に、体内でのカテーテルの進行が円滑にできるようにする。
【解決手段】 カテーテルXは、樹脂製のチューブYと、このチューブYに取り付けられ補強糸6により編み組みされた編組層5とを備えている。カテーテルXの長手方向の各部におけるチューブYの剛性と、編組層5の補強糸6の密度とをそれぞれ変化させる。チューブYの剛性と、編組層5の補強糸6の密度とを、カテーテルXの先端部側Xbよりも基部側Xaで大きくしている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、人や動物における各部位の体腔および管腔(例えば、血管、消化管、気管など)内に挿入させ、目的部位まで進行させ、薬剤の注入、異物の吸引、および医療器具の配置等を可能にさせた医療用カテーテル、およびその成形装置に関するものである。
上記カテーテルには、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、カテーテルは、長尺のチューブと、このチューブに取り付けられ金属製の補強糸により編み組みされた編組層とを備えている。
上記カテーテルを使用するに際しては、このカテーテルがその先端部側から体内に挿入される。この際、このカテーテルの先端部が体内の所望部位に向かって進行するようこのカテーテルの基部側に操作力が与えられる。この操作力とは、上記挿入を可能にするために、カテーテルの基部側から先端部側に向かって与えられる軸方向の圧縮力と、このカテーテルをその軸心回りに回転させる回転力とである。
上記操作力により、カテーテルが体内を進行するとき、このカテーテルは、体内の各部位から反力を与えられ、この反力は上記操作力に対抗する。この際、上記カテーテルは、上記反力を和らげるよう屈曲させられながら、体内の構造に従って所望部位に向かい進行させられる。
ここで、体内に対しカテーテルの進行が円滑になされるためには、第1に、上記屈曲が得られるように可撓性が必要とされる。また、その一方で、上記操作力である軸方向圧縮力および回転力と、これに対抗する反力とに基づくキンク(kink:もつれ、ねじれなどに基づく破損)の発生を防止することが要求され、つまり、耐キンク性能が要求される。そこで、上記カテーテルには、上記チューブの剛性と上記編組層の補強とによって耐キンク性能が与えられており、これにより、キンクの発生が防止されている。
一方、多層チューブの成形装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報における成形装置は、第1、第2樹脂をそれぞれ熱溶融させて押し出し可能とする第1、第2押出機と、これら第1、第2押出機からそれぞれ押し出された第1、第2樹脂を通過させて内、外層チューブを押し出し成形可能とする内、外層チューブ成形通路が成形された第1、第2ダイとを備えている。また、これら第1、第2ダイには第1、第2流入通路が成形されている。これら第1、第2流入通路は、上記第1、第2押出機により押し出された第1、第2樹脂を上記内、外層チューブ成形通路に流入させる。
上記第1、第2ダイの間に編組層取付機が配置されている。この編組層取付機は、上記第1ダイにより押し出し成形された直後の内層チューブの外面に補強糸の編み組みによる編組層を取り付ける。これにより、編組チューブが成形される。次に、上記第2ダイにより、上記編組チューブに上記外層チューブが外嵌される。これにより、上記多層チューブが成形される。
特開平7−194707号公報 特開平10−249954号公報
ところで、上記特許文献1の従来の技術では、カテーテルの長手方向における各部の断面形状は同形同大であって互いに均一である。このため、上記したように、カテーテルの基部側に操作力を与えてこのカテーテルを体内で進行させる場合、この体内の各部位からの反力により、上記カテーテルの基部側に生じる圧縮やねじり応力は、先端部側のそれに比べて大きくなる。このため、カテーテルにおいては、その基部側の耐キンク性能を先端部側のそれよりも向上させることが好ましい。一方、体内でのカテーテルの進行を円滑にさせるためには、このカテーテルの先端部側の剛性を低くさせて、その可撓性を向上させることにより、より容易に屈曲可能にさせることが好ましい。
しかし、上記したように、特許文献1のカテーテルは、その長手方向の各部の断面形状は互いに均一とされ、つまり、耐キンク性能や可撓性は上記各部において互いに均一とされている。このため、上記カテーテルでは、キンクの発生を防止することと、体内でのカテーテルの進行を円滑にさせる、という上記諸要求を共に満足させることは困難と考えられる。
一方、上記特許文献2の従来の技術の多層チューブ成形装置では、次のような問題点がある。
即ち、上記内層チューブが押し出し成形された直後では、この内層チューブは加熱されていて、軟らかいままである。
このため、上記内層チューブの外面に対し上記したように補強糸の編み組みによる編組層を取り付けると、上記補強糸が上記内層チューブの外面に喰い込んでこの外面が変形する可能性がある。よって、上記編組チューブの外径寸法の誤差が大きくなる可能性がある。
ここで、上記カテーテルの外径寸法は、一般に、1.0−1.5mmとされ、極めて小さい値である。また、上記したように、カテーテルは体内に挿入されるものであるため、上記外径寸法の誤差も、上記した小さい値の外径寸法からみて、十分に小さい値であることが要求される。つまり、カテーテルの寸法には、特に、高精度が要求される。
このため、上記した成形装置により編組チューブを用いてカテーテルを成形しようとするとき、上記したように編組チューブの外径寸法の誤差が大きいことが原因して、上記カテーテルの寸法精度を向上させることは容易でないと考えられる。
また、上記成形装置により成形される多層チューブからカテーテルを成形する場合には、一般に、このカテーテルの仕様に適合するよう、上記外層チューブの肉厚や外径寸法をその長手方向の各部で変化させる。この変化は、上記第2押出機から押し出される樹脂の単位時間当りの流量を変化させることにより得られる。
ここで、上記したように、第2押出機から押し出される樹脂の流量を変化させると、上記第2流入通路内の樹脂には圧力変化が生じる。そして、この圧力変化により上記第2流通路内の樹脂はわずかながらでも膨張し、もしくは収縮しがちとなる。
このため、上記第2押出機から押し出される樹脂の流量を変化させたとき、上記した樹脂の膨張、もしくは収縮により、上記外層チューブ成形通路を通過する樹脂の流量は、上記第2押出機における流量の変化には直ちには応答しない。つまり、応答遅れが生じる。この結果、上記外層チューブの肉厚や外径寸法の精度を向上させることは容易ではない。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、カテーテルの基部側に操作力を与えながら、このカテーテルを体内で進行させる際、このカテーテルにキンクが発生しないようにすると共に、体内でのカテーテルの進行が円滑にできるようにすることである。
また、本発明の他の目的は、カテーテル成形装置により成形されるカテーテルの寸法精度を、より向上させるようにすることである。
請求項1の発明は、樹脂製のチューブYと、このチューブYに取り付けられ補強糸6により編み組みされた編組層5とを備えたカテーテルXであって、
上記カテーテルXの長手方向の各部における上記チューブYの剛性と、編組層5の補強糸6の密度とをそれぞれ変化させたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記チューブYの剛性と、上記編組層5の補強糸6の密度とを上記カテーテルXの先端部側Xbよりも基部側Xaで大きくしたものである。
請求項3の発明は、請求項1に記載の上記カテーテルXを成形可能とするカテーテル成形装置1であって、
金属製の芯線材3を内嵌するよう樹脂製の内層チューブ4を押し出し成形する前段押出成形装置12と、この前段押出成形装置12により成形されて、一旦、冷却された内層チューブ4の外面に上記編組層5を取り付けることにより編組チューブ7を成形する編組層取付機14と、上記編組チューブ7に樹脂製の外層チューブ8を外嵌させることにより上記カテーテルXの素材チューブ2を押し出し成形する後段押出成形装置19と、上記素材チューブ2を引き取る引取機21とを備え、これら前段押出成形装置12、編組層取付機14、後段押出成形装置19、および引取機21を上記各チューブ4,7,8,2の長手方向に沿って連続的に配置したものである。
請求項4の発明は、請求項3の発明に加えて、上記後段押出成形装置19が、互いに異種の第1、第2樹脂26,27を熱溶融させてそれぞれ押し出す第1、第2押出機29,30と、上記第1押出機29から押し出された上記第1樹脂26を前方に向かい通過させて上記外層チューブ8の内層部分8aを成形可能とする内層部分成形通路32、および上記第2押出機30から押し出された上記第2樹脂27を前方に向かい通過させて上記外層チューブ8の外層部分8bを成形可能とする外層部分成形通路33が成形されたダイ34と、上記第1、第2押出機29,30から押し出されて、上記内、外層部分成形通路32,33に向かわされる第1、第2樹脂26,27の単位時間当りの各流量Q1,Q2をそれぞれ調整可能とする第1、第2流量調整弁43,44とを備えたものである。
請求項5の発明は、請求項4の発明に加えて、上記第1、第2流量調整弁43,44の各弁体45を上記ダイ34の内部に設けたものである。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、樹脂製のチューブと、このチューブに取り付けられ補強糸により編み組みされた編組層とを備えたカテーテルであって、
上記カテーテルの長手方向の各部における上記チューブの剛性と、編組層の補強糸の密度とをそれぞれ変化させている。
このため、上記チューブの剛性と編組層の補強糸の密度とをそれぞれ変化させることにより、第1に、上記カテーテルの基部側の耐キンク性能を先端部側のそれよりも、より向上させることができる。ここで、カテーテルの基部側に操作力を与えることにより、このカテーテルを体内で進行させる場合、この体内の各部位からの反力により、上記カテーテルの基部側には先端部側に比べて、より大きい軸方向の圧縮応力やねじりに基づく剪断応力が生じがちとなる。しかし、上記したように、基部側の耐キンク性能の向上によって、上記した大きい応力に対抗でき、キンクの発生を、より確実に防止できる。
また、第2に、上記カテーテルの先端部側の剛性を上記基部側のそれよりも低くさせて可撓性を、より向上させることができる。よって、上記したようにカテーテルの基部側に操作力を与えることにより、このカテーテルを体内で進行させる場合、上記先端部側は、上記体内の各部位から与えられる反力を和らげるよう円滑に屈曲させられながら、体内の構造に従って、所望部位に向かい進行させられる。つまり、体内でのカテーテルの進行が円滑になされることとなる。
請求項2の発明は、上記チューブの剛性と、上記編組層の補強糸の密度とを上記カテーテルの先端部側よりも基部側で大きくしている。
このため、カテーテルの基部側の耐キンク性能を先端部側のそれよりも簡単な構成でより確実に向上させることができると共に、上記先端部側の可撓性を基部側のそれよりも簡単な構成でより確実に向上させることができる。よって、体内でのカテーテルの円滑な進行が、簡単な構成で達成される。
請求項3の発明は、請求項1に記載の上記カテーテルを成形可能とするカテーテル成形装置であって、
金属製の芯線材を内嵌するよう樹脂製の内層チューブを押し出し成形する前段押出成形装置と、この前段押出成形装置により成形されて、一旦、冷却された内層チューブの外面に上記編組層を取り付けることにより編組チューブを成形する編組層取付機と、上記編組チューブに樹脂製の外層チューブを外嵌させることにより上記カテーテルの素材チューブを押し出し成形する後段押出成形装置と、上記素材チューブを引き取る引取機とを備え、これら前段押出成形装置、編組層取付機、後段押出成形装置、および引取機を上記各チューブの長手方向に沿って連続的に配置している。
このため、上記内層チューブが成形されたときには、その外面は、一旦、冷却されることにより、ある程度、硬化させられる。よって、その後、この内層チューブの外面に編組層が取り付けられるとき、この編組層の補強糸が、上記内層チューブの外面に喰い込むということは防止される。しかも、上記内層チューブには芯線材が内嵌されており、このため、上記内層チューブの外面に編組層が取り付けられるとき、この編組層からの外圧で上記内層チューブが変形するということも防止される。
上記の結果、編組チューブの外径寸法の精度が向上する。このため、この編組チューブに外層チューブを外嵌させて素材チューブを成形したとき、この素材チューブの外径寸法の精度が向上する。よって、この素材チューブから成形されるカテーテルの寸法精度が向上する。
また、上記したように、カテーテル成形装置の前段押出成形装置、編組層取付機、後段押出成形装置、および引取機は、連続的に配置されている。このため、これらを個別に配置して、素材チューブの各中間成形品を断続的に成形することに比べ、カテーテル成形装置の構成が簡単となる。つまり、上記したように、寸法精度の向上を企図したカテーテルの成形が、簡単な構成で達成される。
請求項4の発明は、上記後段押出成形装置が、互いに異種の第1、第2樹脂を熱溶融させてそれぞれ押し出す第1、第2押出機と、上記第1押出機から押し出された上記第1樹脂を前方に向かい通過させて上記外層チューブの内層部分を成形可能とする内層部分成形通路、および上記第2押出機から押し出された上記第2樹脂を前方に向かい通過させて上記外層チューブの外層部分を成形可能とする外層部分成形通路が成形されたダイと、上記第1、第2押出機から押し出されて、上記内、外層部分成形通路に向かわされる第1、第2樹脂の単位時間当りの各流量をそれぞれ調整可能とする第1、第2流量調整弁とを備えている。
このため、上記素材チューブにおける外層チューブの成形は、上記第1、第2押出機により押し出された第1、第2樹脂を、上記内、外層部分成形通路を通過させることにより達成される。また、この際、上記第1、第2流量調整弁の作動により、上記第1、第2樹脂の各流量を調整する。すると、上記外層チューブの内、外層部分の各肉厚や外径寸法を所望の値に調整できて、所望の素材チューブが成形される。
ここで、上記第1、第2流量調整弁を作動させると、この作動に基づき、上記第1、第2流量調整弁から上記内、外層部分成形通路に至るまでの“通路”における第1、第2樹脂に外力が与えられて、体積が変動しようとする。
しかし、上記“通路”における第1、第2樹脂の体積は、上記第1、第2押出機から上記内、外層部分成形通路に至るまでの上記体積よりも小さい。このため、第1、第2流量調整弁が存在しない従来の技術に比べ、上記“通路”における第1、第2樹脂の上記外力に対する体積変動は小さく抑制される。
よって、上記第1、第2流量調整弁の作動に対し、上記内、外層部分成形通路を流動する第1、第2樹脂の流量の変化が応答よく追従する。このため、上記素材チューブの外層チューブの寸法精度が向上する。つまり、カテーテルの寸法精度が向上する。
請求項5の発明は、上記第1、第2流量調整弁の各弁体を上記ダイの内部に設けている。
このため、上記ダイの内部に設けられた各弁体から、上記ダイに形成された内、外層部分成形通路に至るまでの上記“通路”における第1、第2樹脂の体積は更に小さくなる。よって、上記“通路”における上記第1、第2樹脂の上記外力に対する体積変動は更に小さく抑制される。
この結果、上記第1、第2流量調整弁の作動に対し、上記内、外層部分成形通路を流動する第1、第2樹脂の流量の変化が更に応答よく追従する。このため、上記素材チューブの外層チューブの寸法精度が更に向上する。つまり、カテーテルの寸法精度が更に向上する。
本発明のカテーテルに関し、カテーテルの基部側に操作力を与えながら、このカテーテルを体内で進行させる際、このカテーテルにキンクが発生しないようにすると共に、体内でのカテーテルの進行が円滑にできるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、カテーテルは、樹脂製のチューブと、このチューブに取り付けられ補強糸により編み組みされた編組層とを備えている。このカテーテルの長手方向の各部における上記チューブの剛性と、編組層の補強糸の密度とをそれぞれ変化させている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図1において、符号Xは医療用のカテーテルである。
上記カテーテルXは、樹脂製で長尺の円形チューブYと、このチューブYに取り付けられ補強糸6により編み組みされた編組層5とを備えている。上記カテーテルXの長手方向の一端部側が基部側Xa、他端部側が先端部側Xb、これら基部側Xaと先端部側Xbとの間が中途部Xcである。上記カテーテルXの外径は約0.4−10mmであり、内径は約0.3−8mmである。
また、上記カテーテルXの長手方向の各部Xa,Xb,XcにおけるチューブYの剛性と、上記編組層5の補強糸6の密度とはそれぞれ変化させられていて、不均一とされている。
具体的には、上記チューブYは、内層チューブ4と、この内層チューブ4に外嵌されている外層チューブ8とを備え、これら両チューブ4,8の間に上記編組層5が挟み付けられ、互いに一体化されている。上記内層チューブ4の内、外径は、それぞれカテーテルXの長手方向の各部で互いに一定であり、同材質とされている。また、上記密度とは広義のものであって、例えば、上記内層チューブ4の外周面における単位面積当りや、内層チューブ4の軸方向での単位長さ当りの上記補強糸6の存在量(重量)であり、上記密度は、編組密度ともいわれる。
上記外層チューブ8は、互いに嵌合する内層部分8aと外層部分8bとを備えて、多層チューブ構造とされている。上記内層部分8aと外層部分8bとは互いに異種の樹脂であり、内層部分8aの樹脂の常温での硬度は、上記外層部分8bのそれよりも大きくされている。上記内層部分8aの長手方向の各部断面の内径は一定している。また、上記内層部分8aの外径は、カテーテルXの基部側Xaから先端部側Xbに向かうに従い漸次、もしくは段階的に小さくされている。一方、上記外層部分8bの長手方向の各部断面の外径は一定している。また、この外層部分8b内径は、上記内層部分8aの外径に一致するようカテーテルXの基部側Xaから先端部側Xbに向かうに従い漸次、もしくは段階的に小さくされている。これにより、カテーテルXの長手方向におけるチューブYの各部の剛性は、先端部側Xbから基部側Xaに向かうに従い漸次、もしくは段階的に大きくされている。
上記カテーテルXの長手方向での上記編組層5の各部断面は一定の円環形状である。この編組層5はクロス式のスパイラル編組であるが、ブレード(braid)編組であってもよい。この編組層5を構成する補強糸6は、ステンレス(sus)やタングステン(w)などの金属細線製であり、その長手方向の各部は円形で均一の径寸法である。なお、この補強糸6の材質は、ナイロンなどの樹脂製であってもよい。上記チューブYに対する編組層5の補強糸6の密度は、上記カテーテルXの先端部側Xbから基部側Xaに向かうに従い漸次、もしくは段階的に大きくされている。これにより、チューブYに対する編組層5による補強の程度は、先端部側Xbから基部側Xaに向かうに従い漸次、もしくは段階的に大きくされている。
上記したチューブYと編組層5との互いの作用により、カテーテルXの耐キンク性能は、その先端部側Xbから基部側Xaに向かうに従い漸次、もしくは段階的に向上させられている。また、カテーテルXの可撓性は、その基部側Xaから先端部側Xbに向かうに従い漸次、もしくは段階的に向上させられている。
なお、以上は図1の例によるが、上記カテーテルX(外層部分8b)の外径を基部側Xaから先端部側Xbに向かうに従い漸次、もしくは段階的に小さくしてもよい。また、内層部分8aの常温での硬度を外層部分8bのそれよりも小さくし、これら内層部分8aと外層部分8bの内、外径の寸法変化を上記のものと逆にしてもよい。
上記構成によれば、第1に、上記カテーテルXの基部側Xaの耐キンク性能を先端部側Xbのそれよりも漸次、もしくは段階的により向上させることができる。ここで、カテーテルXの基部側Xaに操作力を与えることにより、このカテーテルXを体内で進行させる場合、この体内の各部位からの反力により、上記カテーテルXの基部側Xaには先端部側Xbに比べて、より大きい圧縮やねじり応力が生じがちとなる。しかし、上記したように、基部側Xaの耐キンク性能の向上によって、上記した大きい応力に対抗でき、キンクの発生を、より確実に防止できる。
また、第2に、上記カテーテルXの先端部側Xbの剛性を上記基部側Xaのそれよりも低くさせて、先端部側Xbの可撓性を漸次、もしくは段階的に、より向上させることができる。よって、上記したようにカテーテルXの基部側Xaに操作力を与えることにより、このカテーテルXを体内で進行させる場合、上記先端部側Xbは、上記体内の各部位から与えられる反力を和らげるよう円滑に屈曲させられながら、体内の構造に従って、所望部位に向かい進行させられる。つまり、体内でのカテーテルXの進行が円滑になされることとなる。
また、前記したように、チューブYの剛性と、上記編組層5の補強糸6の密度とを上記カテーテルXの先端部側Xbよりも基部側Xaで大きくしている。
このため、カテーテルXの基部側Xaの耐キンク性能を先端部側Xbのそれよりも漸次、もしくは段階的に、簡単な構成でより確実に向上させることができると共に、上記先端部側Xbの可撓性を基部側Xaのそれよりも簡単な構成でより確実に向上させることができる。よって、体内でのカテーテルXの円滑な進行が、簡単な構成で達成される。
図2において、符号1は、カテーテル成形装置である。このカテーテル成形装置1は、上記カテーテルXの素材チューブ2を成形可能とするものである。また、矢印Frは、上記素材チューブ2の成形時の進行方向の前方を示している。
上記素材チューブ2は、断面円形の多層チューブである。上記素材チューブ2は、金属製の芯線材3と、この芯線材3を内嵌した樹脂製の内層チューブ4と,上記内層チューブ4の外面に取り付けられる補強用の上記編組層5とを備えている。上記内層チューブ4と編組層5とにより編組チューブ7が成形される。また、上記素材チューブ2は、上記編組チューブ7に外嵌される樹脂製の外層チューブ8を備えている。上記素材チューブ2の長手方向の所望部分を所望寸法に切断して、この切断された素材チューブ2の内層チューブ4から芯線材3を抜き出せば、上記カテーテルXが得られる。
上記カテーテル成形装置1は、上記芯線材3を巻き取った巻取機11と、この巻取機11から繰り出される芯線材3を内嵌するよう上記内層チューブ4を所定速度で押し出し成形する前段押出成形装置12と、この前段押出成形装置12により成形された直後の上記内層チューブ4を水冷して硬化させる冷却装置13と、この冷却装置13により冷却された上記内層チューブ4の外面に上記編組層5を取り付けることにより上記編組チューブ7を成形する編組層取付機14とを備えている。
上記前段押出成形装置12は、電動機により回転駆動するスクリューを有する押出機16と、この押出機16から押し出された樹脂を前方に向かい通過させて上記内層チューブ4を成形可能とする内層チューブ成形通路を有するダイ17とを備えている。
上記カテーテル成形装置1は、上記編組チューブ7に樹脂製の上記外層チューブ8を外嵌させることにより、上記素材チューブ2を所定速度(m/min)で押し出し成形可能とする後段押出成形装置19と、この後段押出成形装置19により成形された直後の上記素材チューブ2を水冷して硬化させる冷却装置20と、この冷却装置20により冷却された上記素材チューブ2を連続的に引き取る引取機21と、この引取機21後の素材チューブ2を巻き取る巻取機22とを備えている。
上記巻取機11、前段押出成形装置12、冷却装置13、編組層取付機14、後段押出成形装置19、冷却装置20、引取機21、および巻取機22は、上記各チューブ4,7,8,2の長手方向に沿って連続的に配置されている。
上記編組層取付機14は駆動速度が可変とされ、つまり、内層チューブ4の外面に編組層5を取り付けるという処理速度(m/min)が可変とされている。そして、この編組層取付機14の最大処理速度(例えば、5m/min)よりも、上記前段、後段押出成形装置12,19の各最大処理速度(例えば、6−10m/min)が、それぞれ速くなるよう設定されている。つまり、カテーテル成形装置1の最大処理速度は、上記編組層取付機14の最大処理速度に合致することとされている。
図2−6において、上記後段押出成形装置19は、熱可塑性の第1、第2樹脂26,27を熱溶融させて、それぞれ押し出す複数の第1、第2押出機29,30と、上記第1押出機29から押し出された上記第1樹脂26を前方に向かい通過させて上記外層チューブ8の内層部分8aを成形可能とする内層部分成形通路32、および上記第2押出機30から押し出された上記第2樹脂27を前方に向かい通過させて上記外層チューブ8の外層部分8bを成形可能とする外層部分成形通路33が成形されたダイ34とを備えている。上記第1、第2押出機29,30は、電動機により駆動されるスクリューを有している。
上記内、外層部分成形通路32,33は、いずれも前方に向かうに従い先細りとなる円錐台筒形状とされ、同一の軸心36上に配置されている。また、この軸心36の径方向で、上記内層部分成形通路32は外層部分成形通路33の内方に位置している。上記内、外層部分成形通路32,33の各前端が内、外押出口37,38とされている。これら内、外押出口37,38は上記軸心36の径方向で互いに近接配置されている。
上記軸心36上を通る断面円形の貫通孔39がダイ34に成形されている。上記貫通孔39は上記ダイ34を前後方向に貫通し、上記貫通孔39を上記編組チューブ7が前方に向かって通過可能とされている。
上記ダイ34には、第1、第2流入通路40,41が成形されている。これら第1、第2流入通路40,41は上記第1、第2押出機29,30から押し出された第1、第2樹脂26,27をそれぞれ個別に上記内、外層部分成形通路32,33に流入可能とさせる。
上記カテーテル成形装置1は、第1、第2流量調整弁43,44を備えている。これら第1、第2流量調整弁43,44は、上記ダイ34により成形された弁ケースと、この弁ケース(ダイ34)内に設けられ、上記第1、第2流入通路40,41の開度をそれぞれ調整可能とする弁体45と、これら各弁体45をそれぞれ個別に開閉弁動作させるアクチュエータ46とを備えている。
上記第1、第2押出機29,30から上記第1、第2流入通路40,41を通り上記内、外層部分成形通路32,33に第1、第2樹脂26,27が向かわされる。このとき、上記第1、第2流量調整弁43,44の各弁体45の開閉弁動作により、上記第1、第2樹脂26,27の単位時間当りの流量Q1,Q2(m3/min:以下、これを単に流量という)がそれぞれ個別に調整可能とされる。
上記ダイ34の前面に締結具47により補助ダイ48が着脱可能に支持されている。上記内、外押出口37,38から前方に離れた位置、かつ、上記軸心36上で、上記補助ダイ48に補助ダイ孔49が成形されている。上記内、外押出口37,38は上記補助ダイ孔49に連通している。上記素材チューブ2は上記補助ダイ孔49を前方に向かって通過可能とされ、これら素材チューブ2と補助ダイ孔49の各径寸法は互いに一致している。
上記外押出口38の外側開口縁50と、上記補助ダイ孔49の開口縁51とを結ぶ仮想円錐台筒体52の外方域に、その周方向の全体にわたり空間53が成形されている。この空間53は、図示しないが大気側に連通させられている。
図3,5,6において、上記補助ダイ孔49の内径寸法D1を可変とする内径可変装置56が設けられている。この内径可変装置56は、上記補助ダイ孔49よりも内径寸法D2が小さい他の補助ダイ孔57が成形されたスライド板58を備えている。このスライド板58は上記ダイ34の前面に接合され、上記他の補助ダイ孔57は上記軸心36上に成形されている。上記スライド板58は他の補助ダイ孔57の軸心36を通る線で上下に分割されて、上下一対の分割板59で構成されている。
上記両分割板59を案内するガイド60が上記ダイ34の前面に取り付けられている。上記各ガイド60は、上記両分割板59が上記ダイ34の前面を摺動して互いに接近、もしくは離反移動するよう案内する。また、上記内径可変装置56は、上記各分割板59を、上記のように移動させるアクチュエータ61を備えている。
図3,5,6において、上記軸心36の軸方向で、上記内、外押出口37,38から上記補助ダイ孔49に至までの離間寸法Lが可変とされている。つまり、上記ダイ34の前面と上記補助ダイ48との間には調整板64が着脱可能に介設されている。この調整板64の厚さや枚数を変更することにより、上記離間寸法Lが可変とされる。
上記前段押出成形装置12、編組層取付機14、後段押出成形装置19、引取機21、および巻取機22の各電動機はそれぞれ可変速とされている。つまり、これらの各処理速度が可変とされている。上記各電動機と、各アクチュエータ46,61とは、それぞれ電子的な制御装置に接続されている。この制御装置により、上記各機器12,14,19,21,22,46,61は、所定のプログラムによりフィードバック制御されて、上記素材チューブ2が自動的に成形される。
この場合、上記引取機21の処理速度に、上記前段押出成形装置12、編組層取付機14、後段押出成形装置19、および巻取機22の各処理速度が同期することとされている。
上記カテーテル成形装置1により素材チューブ2を成形する際の作用につき説明する。
まず、上記前段押出成形装置12、編組層取付機14、および巻取機22が駆動される。また、上記各アクチュエータ46,61が作動可能な状態にされる。そして、上記前段押出成形装置12により上記内層チューブ4が連続的に押し出し成形される。これと同時に、この内層チューブ4は上記引取機21により連続的に引き取られる。
上記前段押出成形装置12により成形された直後の内層チューブ4は、上記冷却装置13により、一旦、冷却される。上記編組層取付機14の駆動により、上記内層チューブ4の外面に編組層5が取り付けられ、上記編組チューブ7が成形される。この場合、引取機21による内層チューブ4の引き取り速度を一定にして、上記編組層取付機14の駆動速度を速くすると、図1において、カテーテルXの基部側Xaで示したように、編組層5の補強糸6の密度が大きくなり、一方、上記駆動速度を遅くすると、先端部側Xbで示したように、編組層5の補強糸6の密度が小さくなる。
なお、例えば、上記編組層取付機14の駆動速度を一定にした状態で、上記引取機21による内層チューブ4の引き取り速度を遅くしたり、速くしたりすれば、上記編組層5の補強糸6の密度を大きくしたり、小さくしたりすることができる。
次に、上記後段押出成形装置19の第1、第2押出機29,30の駆動により、上記編組チューブ7に外層チューブ8が一体的に外嵌させられ、上記素材チューブ2が成形される。これと同時に、この素材チューブ2は上記引取機21により連続的に引き取られ、かつ、巻取機22により巻き取られる。
上記外層チューブ8の成形につき、より具体的に説明する。
上記第1押出機29から押し出された第1樹脂26は、上記第1流入通路40と第1流量調整弁43とを通り上記内層部分成形通路32の後部に流入させられる。次に、上記第1樹脂26は、上記内層部分成形通路32を通過させられて、上記ダイ34の前方に押し出される。これにより、上記内層部分8aが成形される。これと同時に、この内層部分8aは、上記編組チューブ7に一体的に外嵌させられる。
一方、上記第2押出機30から押し出された第2樹脂27は、上記第2流入通路41と第2流量調整弁44とを通り上記外層部分成形通路33の後部に流入させられる。次に、上記第2樹脂27は、上記外層部分成形通路33を通過させられて、上記ダイ34の前方に押し出される。これにより、上記外層部分8bが成形される。これと同時に、この外層部分8bは、上記内層部分8aに一体的に外嵌させられる。
図2−7において、上記カテーテル成形装置1による素材チューブ2の成形時に、例えば、図3,4で示すように、上記アクチュエータ46により第1流量調整弁43の弁体45を作動させて、第1流入通路40の開度を大きくする。一方、上記第2流量調整弁44の弁体45を作動させて、第2流入通路41の開度を小さくする。すると、上記第1押出機29から内層部分成形通路32に向かわされる第1樹脂26の流量Q1が多くなる。また、上記第2押出機30から外層部分成形通路33に向かわされる第2樹脂27の流量Q2は少なくなる。
ここで、上記両流量Q1,Q2の合計は一定となるよう、上記第1、第2流量調整弁43,44が制御されている。この場合、上記第1、第2押出機29,30による第1、第2樹脂26,27の押し出し量は、それぞれほぼ一定とされている。また、これら各押し出し量と、上記各流量Q1,Q2とのそれぞれの差分は、それぞれ上記第1、第2流量調整弁43,44により、上記第1、第2押出機29,30の樹脂受入側に戻される。
上記のように、カテーテル成形装置1を運転すると、このカテーテル成形装置1により成形される素材チューブ2は、図7で示すように、外径寸法がその長手方向の各部で一定とされる。また、図7中A,Eで示すように、上記外層チューブ8の内層部分8aが厚肉となり、外層部分8bが薄肉となる。
上記とは逆に、上記第1流入通路40の開度を小さくし、第2流入通路41の開度を大きくする。すると、上記とは逆の作用によって、素材チューブ2は、図7中Cで示すように、外層チューブ8の内層部分8aが薄肉となり、外層部分8bが厚肉となる。
また、上記第1、第2流量調整弁43,44の作動において、上記第1流入通路40と第2流入通路41の各開度のうち、一方を大きくし、他方を小さくするよう切り換えるとき、上記弁体45の回動には多少の時間を要する。このため、図7中B,Dで示すように、外層チューブ8の内層部分8aと外層部分8bの各肉厚が長手方向で変化するという遷移部が生じる。
一方、上記したように、外層チューブ8の外層部分8bが上記外層部分成形通路33の外押出口38からダイ34の前方に押し出された時、上記外層部分8bの外面は上記空間53内の空気と触れることにより、ある程度硬化させられる。そして、この硬化の直後に、上記素材チューブ2が上記補助ダイ孔49を通過させられる。この際、上記素材チューブ2の外層チューブ8の外面が、上記補助ダイ孔49の内面を圧接しながら摺動する。
一方、上記第1、第2流量調整弁43,44の作動により、第1、第2流入通路40,41の開度を共に大きくする。また、上記内径可変装置56により、上記補助ダイ孔49の内径寸法D2が大きくなるよう調整する。すると、図7中二点鎖線で示すように、上記素材チューブ2の外径寸法が大きくなる。
ここで、上記外層チューブ8の内層部分8aを構成する第1樹脂26と、外層部分8bを構成する第2樹脂27とは、互いに硬度が異なっている。このため、図7で示したように、外層チューブ8における内層部分8aと外層部分8bのそれぞれ肉厚や径寸法を調整すると、素材チューブ2の長手方向の各部における硬度を連続的に徐々に変化させることができる。また、上記した肉厚や径寸法の調整によって、図7で示したように、素材チューブ2の長手方向の各部における外径寸法も連続的に徐々に変化させることができる。
よって、上記カテーテルXを成形しようとする場合には、まず、上記のようにカテーテル成形装置1を運転して、素材チューブ2の各部を所望のカテーテルXの仕様に適合するよう成形する。次に、上記素材チューブ2の長手方向の各部分を所望仕様のカテーテルXに合致するよう所望長さに切断する。次に、上記内層チューブ4から芯線材3を抜き出せば、上記カテーテルXが成形される。
図8は、素材チューブ2についての他の実施例を示している。
この実施例によれば、上記第1流入通路40の開度を大きくし、第2流入通路41の開度を小さくして全閉にする。すると、図8中A,Eで示すように、外層チューブ8は内層部分8aのみで構成される。一方、上記第1流入通路40の開度を小さくして全閉にし、第2流入通路41の開度を大きくする。すると、図8中Cで示すように、外層チューブ8は外層部分8bのみで構成される。
他の構成や作用は、前記実施例と同様であるため、図面に共通の符号を付して、その説明を省略する。
上記構成のカテーテル成形装置1によれば、金属製の芯線材3を内嵌するよう樹脂製の内層チューブ4を押し出し成形する前段押出成形装置12と、この前段押出成形装置12により成形されて、一旦、冷却された内層チューブ4の外面に上記編組層5を取り付けることにより編組チューブ7を成形する編組層取付機14と、上記編組チューブ7に樹脂製の外層チューブ8を外嵌させることにより上記カテーテルXの素材チューブ2を押し出し成形する後段押出成形装置19と、上記素材チューブ2を引き取る引取機21とを備え、これら前段押出成形装置12、編組層取付機14、後段押出成形装置19、および引取機21を上記各チューブ4,7,8,2の長手方向に沿って連続的に配置している。
このため、上記内層チューブ4が成形されたときには、その外面は、一旦、冷却されることにより、ある程度、硬化させられる。よって、その後、この内層チューブ4の外面に編組層5が取り付けられるとき、この編組層5の補強糸6が、上記内層チューブ4の外面に喰い込むということは防止される。しかも、上記内層チューブ4には芯線材3が内嵌されており、このため、上記内層チューブ4の外面に編組層5が取り付けられるとき、この編組層5からの外圧で上記内層チューブ4が変形するということも防止される。
上記の結果、編組チューブ7の外径寸法の精度が向上する。このため、この編組チューブ7に外層チューブ8を外嵌させて素材チューブ2を成形したとき、この素材チューブ2の外径寸法の精度が向上する。よって、この素材チューブ2から成形されるカテーテルの寸法精度が向上する。
また、上記したように、カテーテル成形装置1の前段押出成形装置12、編組層取付機14、後段押出成形装置19、および引取機21は、連続的に配置されている。このため、これらを個別に配置して、素材チューブ2の各中間成形品を断続的に成形することに比べ、カテーテル成形装置1の構成が簡単となる。つまり、上記したように、寸法精度の向上を企図したカテーテルの成形が、簡単な構成で達成される。
また、前記したように、編組層取付機14の最大処理速度よりも、上記前段押出成形装置12、後段押出成形装置19、および引取機21の各最大処理速度がそれぞれ速くなるよう設定している。
ここで、上記前段押出成形装置12、後段押出成形装置19、および引取機21の各処理速度の向上は、例えば、電動機の速度を単に速めるというような単純構成により、ある程度、達成できる。しかし、上記編組層取付機14の処理速度を、より速くさせようとすると、各部構成の遠心力が急増するなど、構成が比較的に複雑となる。
そこで、上記したように、編組層取付機14の最大処理速度よりも、上記前段押出成形装置12、後段押出成形装置19、および引取機21の各最大処理速度が、それぞれ速くなるようにしている。即ち、上記編組層取付機14の構成が、過度に複雑にならないよう、その最大処理速度を所望速さに定める一方で、カテーテル成形装置1の最大処理速度が、上記前段押出成形装置12、後段押出成形装置19、および引取機21の最大処理速度によって、制限されないようにしている。これによりカテーテル成形装置1は簡単な構成で、合理的に最大処理速度を発揮し得る。
また、前記したように、後段押出成形装置19が、互いに異種の第1、第2樹脂26,27を熱溶融させてそれぞれ押し出す第1、第2押出機29,30と、上記第1押出機29から押し出された上記第1樹脂26を前方に向かい通過させて上記外層チューブ8の内層部分8aを成形可能とする内層部分成形通路32、および上記第2押出機30から押し出された上記第2樹脂27を前方に向かい通過させて上記外層チューブ8の外層部分8bを成形可能とする外層部分成形通路33が成形されたダイ34と、上記第1、第2押出機29,30から押し出されて、上記内、外層部分成形通路32,33に向かわされる第1、第2樹脂26,27の単位時間当りの各流量Q1,Q2をそれぞれ調整可能とする第1、第2流量調整弁43,44とを備えている。
このため、上記素材チューブ2における外層チューブ8の成形は、上記第1、第2押出機29,30により押し出された第1、第2樹脂26,27を、上記内、外層部分成形通路32,33を通過させることにより達成される。また、この際、上記第1、第2流量調整弁43,44の作動により、上記第1、第2樹脂26,27の各流量を調整する。すると、上記外層チューブ8の内、外層部分8a,8bの各肉厚や外径寸法を所望の値に調整できて、所望の素材チューブ2が成形される。
ここで、上記第1、第2流量調整弁43,44を作動させると、この作動に基づき、上記第1、第2流量調整弁43,44から上記内、外層部分成形通路32,33に至るまでの“通路”における第1、第2樹脂26,27に外力が与えられて、体積が変動しようとする。
しかし、上記“通路”における第1、第2樹脂26,27の体積は、上記第1、第2押出機29,30から上記内、外層部分成形通路32,33に至るまでの上記体積よりも小さい。このため、第1、第2流量調整弁が存在しない従来の技術に比べ、上記“通路”における第1、第2樹脂26,27の上記外力に対する体積変動は小さく抑制される。
よって、上記第1、第2流量調整弁43,44の作動に対し、上記内、外層部分成形通路32,33を流動する第1、第2樹脂26,27の流量の変化が応答よく追従する。このため、上記素材チューブ2の外層チューブ8の寸法精度が向上する。つまり、カテーテルの寸法精度が向上する。
また、前記したように、第1、第2流量調整弁43,44の各弁体45を上記ダイ34の内部に設けている。
このため、上記ダイ34の内部に設けられた各弁体45から、上記ダイ34に形成された内、外層部分成形通路32,33に至るまでの上記“通路”における第1、第2樹脂26,27の体積は更に小さくなる。よって、上記“通路”における上記第1、第2樹脂26,27の上記外力に対する体積変動は更に小さく抑制される。
この結果、上記第1、第2流量調整弁43,44の作動に対し、上記内、外層部分成形通路32,33を流動する第1、第2樹脂26,27の流量の変化が更に応答よく追従する。このため、上記素材チューブ2の外層チューブ8の寸法精度が更に向上する。つまり、カテーテルの寸法精度が更に向上する。
また、前記したように、内、外層部分成形通路32,33の各前端を内、外押出口37,38とし、上記ダイ34の前方に補助ダイ48を設け、上記内、外押出口37,38から前方に離れた位置で上記素材チューブ2を前方に向かって通過可能とさせる補助ダイ孔49を上記補助ダイ48に成形し、上記外押出口38の外側開口縁50と、上記補助ダイ孔49の開口縁51とを結ぶ仮想円錐台筒体52の外方域に、その周方向の全体にわたり空間53を成形している。
このため、上記素材チューブ2の成形において、その外層チューブ8がダイ34の前方に押し出されたとき、この外層チューブ8の外面が上記空間53内の空気と触れることにより、ある程度硬化させられる。そして、この硬化の直後に、上記素材チューブ2の外面が、上記補助ダイ孔49の内面を圧接しながら摺動する。すると、上記素材チューブ2の外面が滑らかな面に仕上げられる。また、この素材チューブ2の外径寸法が上記補助ダイ孔49の内径寸法に合致させられて、所望寸法とされる。この結果、カテーテルの寸法精度がより向上する。
また、前記したように、内、外押出口37,38から上記補助ダイ孔49に至までの離間寸法Lを可変としている。
このため、上記離間寸法Lの調整により、上記ダイ34の前方に押し出された直後の素材チューブ2の外層チューブ8の外面が、上記空間53内の空気と触れる時間を調整できる。これにより、上記外層チューブ8の外面の硬化の程度を、より所望状態に定めることができる。そして、この外層チューブ8の外面が上記補助ダイ孔49の内面を摺接することにより、素材チューブ2の外面が、より滑らかな面に仕上げられる。また、この素材チューブ2の外径寸法が、より所望寸法とされる。
なお、以上は図示の例によるが、上記前段押出成形装置12につき、押出機を複数設けて、上記内層チューブ4を多重管としてもよい。一方、上記後段押出成形装置19につき、第1、第2押出機29,30に加えて、他の押出機を設けて外層チューブ8を更に多重の管としてもよく、また、この後段押出成形装置19の押出機を単一として、上記外層チューブ8を一層のみの管としてもよい。また、流量調整弁43,44のそれぞれ独立した開閉弁動作により、上記内層チューブ4や外層チューブ8の多重管の重ね量を、その長手方向で順次変化させてもよい。また、上記前段押出成形装置12により成形された内層チューブ4の冷却は、水冷でなくて、空冷によるものであってもよい。
また、上記スライド板58に他のスライド板を重ねて設け、この他のスライド板に、上記各補助ダイ孔49,57とは異なる内径寸法の補助ダイ孔を形成してもよい。また、上記内径可変装置56は、カメラのシャッターのような構造であってもよい。
カテーテルの側面部分破断断面図である。 カテーテル成形装置の全体線図である。 後段押出成形装置の断面図である。 図3の4−4線矢視断面図である。 図3の部分拡大図である。 図5の6−6線矢視図である。 素材チューブの断面図である。 素材チューブについての他の実施例を示す断面図である。
符号の説明
X カテーテル
Xa 基部側
Xb 先端部側
Xc 中途部
Y チューブ
1 カテーテル成形装置
2 素材チューブ
3 芯線材
4 内層チューブ
5 編組層
6 補強糸
7 編組チューブ
8 外層チューブ
8a 内層部分
8b 外層部分
12 前段押出成形装置
13 冷却装置
14 編組層取付機
19 後段押出成形装置
21 引取機
26 第1樹脂
27 第2樹脂
29 第1押出機
30 第2押出機
32 内層部分成形通路
33 外層部分成形通路
34 ダイ
36 軸心
37 内押出口
38 外押出口
40 第1流入通路
41 第2流入通路
43 第1流量調整弁
44 第2流量調整弁
45 弁体
48 補助ダイ
49 補助ダイ孔
50 外側開口縁
51 開口縁
52 仮想円錐台筒体
53 空間
56 内径可変装置
D1 内径寸法
D2 内径寸法
L 離間寸法
Q1 流量
Q2 流量

Claims (5)

  1. 樹脂製のチューブと、このチューブに取り付けられ補強糸により編み組みされた編組層とを備えたカテーテルであって、
    上記カテーテルの長手方向の各部における上記チューブの剛性と、編組層の補強糸の密度とをそれぞれ変化させたことを特徴とするカテーテル。
  2. 上記チューブの剛性と、上記編組層の補強糸の密度とを上記カテーテルの先端部側よりも基部側で大きくしたことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  3. 請求項1に記載の上記カテーテルを成形可能とするカテーテル成形装置であって、
    金属製の芯線材を内嵌するよう樹脂製の内層チューブを押し出し成形する前段押出成形装置と、この前段押出成形装置により成形されて、一旦、冷却された内層チューブの外面に上記編組層を取り付けることにより編組チューブを成形する編組層取付機と、上記編組チューブに樹脂製の外層チューブを外嵌させることにより上記カテーテルの素材チューブを押し出し成形する後段押出成形装置と、上記素材チューブを引き取る引取機とを備え、これら前段押出成形装置、編組層取付機、後段押出成形装置、および引取機を上記各チューブの長手方向に沿って連続的に配置したことを特徴とするカテーテル成形装置。
  4. 上記後段押出成形装置が、互いに異種の第1、第2樹脂を熱溶融させてそれぞれ押し出す第1、第2押出機と、上記第1押出機から押し出された上記第1樹脂を前方に向かい通過させて上記外層チューブの内層部分を成形可能とする内層部分成形通路、および上記第2押出機から押し出された上記第2樹脂を前方に向かい通過させて上記外層チューブの外層部分を成形可能とする外層部分成形通路が成形されたダイと、上記第1、第2押出機から押し出されて、上記内、外層部分成形通路に向かわされる第1、第2樹脂の単位時間当りの各流量をそれぞれ調整可能とする第1、第2流量調整弁とを備えたことを特徴とする請求項3に記載のカテーテル成形装置。
  5. 上記第1、第2流量調整弁の各弁体を上記ダイの内部に設けたことを特徴とする請求項4に記載のカテーテル成形装置。
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JP2016083827A (ja) * 2014-10-24 2016-05-19 株式会社プラ技研 押出成形装置

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