JP2006314127A - チップアンテナおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化を実現しつつ、製造が容易で、かつ、アンテナ特性の良い広帯域に対応するチップアンテナの製造方法を提供する。
【解決手段】チップアンテナ1は、テーパースロット形状の給電電極部5を、誘電体基板を構成する比誘電率が異なる基板材料3aおよび3bによって被覆するように、インサート成形することによって、給電導体と該誘電体基板とを一体成形して製造する。
【選択図】図3

Description

本発明は、チップアンテナおよびその製造方法に関し、より詳細には、広い周波数帯域に対応したチップアンテナの小型化およびその生産性の向上を実現するチップアンテナおよびその製造方法に関するものである。
近年、無線通信機能を備えた携帯型の情報処理装置の普及がめざましい。このような情報処理装置における無線通信には、該情報処理装置へのアンテナの搭載が必須である。このような携帯型の情報処理装置の小型軽量化に伴って、小型のアンテナの開発が重要である。
そこで、小型化の要求に対応して様々なアンテナが提案されている。例えば、特許文献1には、高さ寸法の短縮が容易で小型化を促進できるモノポールアンテナが提案されている。以下に、図17に基づいて、このモノポールアンテナを説明する。
図17は、このモノポールアンテナ200の構成図である。モノポールアンテナ200は、接地面100上で起立する誘電体基板20と、この誘電体基板20の表面に上下方向に沿って設けられた放射導体30とによって構成されており、同軸ケ−ブル等の給電線40が放射導体30の下端部に接続されている。また、誘電体基板20の下端部には接地電極部50が設けられており、この接地電極部50が、金属板等からなる接地面100に半田付けされている。
接地電極部50は、入力電源60に接続されており、この入力電源60から給電線40を経て放射導体30に高周波信号が給電されるようになっている。また、放射導体30は、接地面100から遠い上部1/3程度が図17に示すように幅広部30a、接地面100に近い下部1/3程度が幅狭部30bとなっており、これら幅広部30aと幅狭部30bの間は両者の中間の幅寸法となっている。このように、放射導体30の形状を放射導体30の上部側と下部側とで変化させることにより、以下の効果がある。
放射導体30の上部側は、電圧が大きく変化する容量領域である。モノポールアンテナ200は、この部分が幅広部30aとなっているため、放射導体30の上部側はキャパシタンスが大きく、それに伴いモノポールアンテナの共振周波数は小さくなっている。
放射導体30の下部側は、電流が大きく変化する誘導領域である。モノポールアンテナ200は、この部分が幅狭部30bとなっているため、インダクタンスが大きくなる。インダクタンスが大きくなるのに伴い、モノポールアンテナ200の共振周波数は小さくなる。
すなわち、誘電体基板の表面に一定幅の帯状の放射導体が形成されているモノポールアンテナと比べた場合に、モノポールアンテナ200は、放射導体30の高さ寸法が同等であれば共振する周波数が小さくなり、それゆえ所望の周波数に共振させる場合であれば、一定幅の帯状の放射導体が形成されているモノポールアンテナよりも高さ寸法を低減することができる。
また、図18には、一般的に、テーパースロット形状と呼ばれる形状のアンテナの平面図を示す。テーパースロット形状とは、図18の放射導体300に示す形状であり、放射導体300は図17に示した放射導体30に相当するものである。テーパースロット形状のアンテナは、このような放射導体300を有することによって、上記した放射導体30を備えたモノポールアンテナ200と同様の効果が得られる。
図18に示したテーパースロット形状のアンテナのVSWR(Voltage Standing Wave Ratio:電圧定在波比)の測定結果を図19のグラフに示す。VSWRとは、反射の度合いを示す値であり、1が反射がない状態を示し、アンテナ特性として最良な状態であるといえる。反対に、VSWRが高くなればなるほど反射が大きくなることを示す。すなわち、VSWRが低いほど良好なアンテナ特性を有しているといえる。
このように、VSWR値は、アンテナ特性を示す指標として用いることができる。なお、図19のグラフは、VSWRの最大値について示している。
図19のグラフから、このテーパースロット形状のアンテナは、周波数帯域3.1〜10.6GHzの広帯域の電波に対するVSWR値が比較的低いため、周波数帯域3.1〜10.6GHzの広帯域の電波の送受信に使用することができることがわかる。
以上のようなアンテナを製造するためには、一般的に、誘電体基板を所定の形状にダイシングする工程と、該誘電体基板表面にマスク加工する工程と、続いて、給電導体に相当する金属材料を誘電体基板表面にメッキする工程と、最後にエッチングによって上記マスク部分を除いて給電導体を誘電体基板上に形成する工程とを含んだ製造方法が用いられる。
特開2003−133842号公報(2003年5月9日公開)
しかしながら、上記の従来技術に示すようなアンテナには、量産性に関して以下のような問題がある。
すなわち、モノポールアンテナ200を含め、一般的に用いられるアンテナの製造方法は、上述したように、工程が複雑であり、アンテナの量産性および実装機器の量産性の向上を困難にしている。
また、上記モノポールアンテナ200では、誘電体基板20として、FR−4等の比誘電率がやや高い材料(例えばεrが4.8程度)が用いられている。FR−4は、安価であることから、モノポールアンテナ200のコスト低減に寄与することができる。
しかしながら、FR−4等の安価な材料を用いることにより、コストに関しては低減できるが、FR−4は比誘電率が4.8程度の材料であるため、モノポールアンテナ200を、これ以上の小型化を実現することは困難である。
さらに、テーパースロット形状の広帯域アンテナは、図19に示したように、VSWR値が周波数帯域3.1〜10.6GHzの間で比較的低いが、実際のところ、3.1GHz付近および、周波数帯域7〜8GHz付近(特に、周波数帯域7〜8GHz)においてVSWRが上昇している、すなわち、アンテナ特性が悪くなっている傾向がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化を実現しつつ、製造が容易で、かつ、アンテナ特性の良い広帯域に対応するチップアンテナの製造方法を提供することにある。
本発明のチップアンテナは、上記課題を解決するために、誘電率が互いに異なる少なくとも2つの誘電材料からなる誘電体基板と、給電端子を有する端子部、及び該端子部に導通した導体部を有する給電導体と、上記導体部との間に上記誘電体基板を介在して配置される接地電極とを備えたチップアンテナであって、上記導体部は、テーパースロット形状であり、上記導体部及び接地電極は、上記の各誘電材料によって挟持され、上記誘電体基板は、上記導体部における上記給電端子を含む対称軸に近い側から遠い側に向けて、誘電率が段階的に大きくなるように構成されていることを特徴としている。また、本発明のチップアンテナの製造方法は、誘電率が互いに異なる少なくとも2つの誘電材料からなる誘電体基板と、給電端子を有する端子部、及び該端子部に導通したテーパースロット形状の導体部を有する給電導体と、接地電極とを備えたチップアンテナの製造方法であって、上記導体部及び接地電極が上記の各誘電材料によって挟持されるように、かつ、接地電極が上記導体部との間に上記誘電体基板を介在して配置されるように、上記給電導体と上記誘電体基板と上記接地電極とをインサート成形によって一体成形するとともに、上記誘電体基板が、上記導体部における上記給電端子を含む対称軸に近い側から遠い側に向けて、誘電率が段階的に大きくなるように成形することを特徴としている。具体的には、上記誘電体基板の少なくとも1つは、樹脂であることが好ましい。
上記の構成によれば、本発明に係るチップアンテナは、インサート成形によって上記誘電体基板と給電導体とを一体成形している。
一般的なチップアンテナの製造方法は、上述したように多くの工程が必要となる。そのため、チップアンテナの生産効率を向上させることが困難である。そこで、本発明に係るチップアンテナは、上記のように、インサート成形によって、上記誘電体基板を、該給電導体とを一体成形することから、上述したマスク加工する工程や、上記マスク部分エッチングによって除く工程を必要とせず、簡易な方法によって製造することができる。上記誘電体基板の誘電材料としては、樹脂を用いることができる。
すなわち、本発明に係るチップアンテナによれば、チップアンテナの量産性を向上することができる。
さらに、量産性の向上に伴って、チップアンテナに係るコストを低減させることができることから低価格のチップアンテナを提供することができる。
また、上記給電導体の導体部を、上記の各誘電材料が挟持するようにインサート成形されるため、該導体部における誘電材料によって被覆された部分は外部に露出せず、該導体部を酸化等の外部環境から保護することができる。
したがって、上記導体部の外部環境に対する耐久性および、チップアンテナ全体の外部環境に対する耐久性を向上させることができる。
なお、本明細書中における「インサート成形」とは、金型を用いて、該金型内に、給電導体等の金属材料を設置し、さらに、該金型内に誘電材料を導入することによって、給電導体等の金属材料と、誘電材料とを一体成形することをいう。
また、本発明のチップアンテナは、チップ形状であることから、従来のモノポールアンテナと比較して高さ方向の高さがなく、薄型のアンテナを提供することができる。
これにより、近年、開発が盛んに行われている各種モバイル機器等の薄型機器に好適に用いることができる。
また、本発明のチップアンテナは、上記誘電体基板は、誘電率が異なる少なくとも2つの誘電材料からなり、各該誘電材料は、上記導体部と接触しており、上記誘電体基板は、上記対称軸に近い側から遠い側に向けて、誘電率が段階的に大きくなるように成形されている。
上記の構成とすることにより、上記の効果に加えて、VSWRの最大値を小さく抑えつつ、より広い周波数帯域に対応できるチップアンテナを提供することができる。
従来のテーパースロット形状の広帯域アンテナは、上述したように、特定の周波数帯域においてVSWR値の上昇がみられた。これは、放射導体に伝搬する電磁波の反射に原因がある。具体的には、誘電体基板の外面などのように、誘電率が変化する境界面においては、電磁波の反射が生じる。ここで、上記境界面とは、例えば、誘電体基板の外面と電磁波が放射される外部空間との境界のことである。従来のテーパースロット形状の広帯域アンテナや、特許文献1に記載のモノポールアンテナは、それぞれ図示したように、誘電体基板が単層である。誘電体基板が単層である場合、電磁波の反射の発生箇所は、誘電体基板の外面と電磁波が放射される外部空間との境界面のみになり、所定の周波数に集中して強度の強い反射波が発生してしまう。これにより、VSWR値が上昇してしまう。そこで、本発明のチップアンテナによれば、各該基板材料が少なくとも上記導体部に接触するように構成されており、かつ、各該基板材料は、誘電率が異なっている。
これにより、誘電体基板の内部において上記給電線から上記給電導体に伝搬する電磁波は、上記誘電率の違いに応じて各基板材料の境界面および誘電体基板の外面において反射されることになる。
すなわち、上記の構成では、誘電体基板を構成する少なくとも2つの基板材料が、互いに異なる誘電率を有する基板基材であるため、電磁波の反射の発生箇所が分散することになり、これに伴って、それぞれの周波数の反射波も分散する。したがって、所定の周波数に集中して強度の強い反射波が発生し、その周波数におけるVSWR値が上昇する、という不具合を回避することができる。
また、このように、本発明のチップアンテナは、上記誘電体基板を多層化することができるとともに、多層化する場合であっても、インサート成形によって、容易に各誘電材料と上記給電導体とを一体成形することができる。
したがって、製造が容易であるとともに、広帯域の周波数(電波)にも対応することができるチップアンテナを提供することができる。
また、本発明のチップアンテナは、上記給電導体を、チップ形状の金型に設けられた位置決め領域を基準にして該金型内に配置し、上記誘電体基板とインサート成形によって一体成形されることが好ましい。
上記の構成によれば、製造精度の高いチップアンテナを製造することができる。具体的には、インサート成形に用いる金型の所定の位置に予め位置決め領域を設けておく。これにより、上記給電導体を、この位置決め領域を基準にして金型内に配置することができる。上記給電導体と誘電体基板とを正確に一体成形することができる。
これにより、本発明のチップアンテナは、従来の方法と比較して容易なだけでなく、より正確に上記給電導体と上記誘電体基板とを一体成形することができることから、従来の方法と比較して製造精度も高い。
また、本発明のチップアンテナは、上記給電導体が、カット型に合わせてリードフレームをプレス加工して形成されることが好ましい。
上記の構成とすることにより、本発明のチップアンテナの製造方法をより簡易化することができるとともに、容易に所望の形状の導体部を形成することができる。
すなわち、従来の製造方法では、上述したように、給電導体(給電導体の導体部)を形成するためには、上記誘電体基板をマスクする工程や、給電導体に相当する金属材料をメッキし、最後にはエッチングによって上記マスク部分を除く、といった多数の工程を必要としていた。
そこで、本発明のチップアンテナは、カット型に合わせてリードフレームをプレス加工することによって上記給電導体を形成することができることから、従来の方法と比較して非常に簡易に該導体部を形成すること可能となる。
さらに、上記カット型の形を変えることにより、所望の形状の給電導体を形成すること可能となる。そのため、本発明のチップアンテナを搭載する装置や機器に好適な形状のチップアンテナを提供することができる。
また、本発明のチップアンテナは、上記導体部が、テーパースロット形状である。
上記の構成とすることにより、本発明のチップアンテナは、周波数帯域3.1〜10.6GHzの広帯域の電波の送受信に使用することができる。
本発明のチップアンテナは、上記端子部が屈曲していることが好ましい。
上記の構成とすることにより、本発明のチップアンテナを表面実装形状にすることが可能となる。
従来技術におけるモノポールアンテナは、接地面に対して起立させた構造であるため、上述したように、接地面への設置を自動的に実装することは困難である。これに対して、本発明のチップアンテナは、上記端子部が屈曲していることから、表面実装型である。
なお、表面実装型とは、本発明に係るチップアンテナを搭載する装置や機器の設置面に対して、該チップアンテナの給電導体の表面が水平に構成されている状態のことである。
表面実装型のチップアンテナであるため、チップアンテナを搭載しようとする機器に対して起立した構造ではなく、表面実装に対応することができる。すなわち、本発明のチップアンテナを自動実装することができる。これにより、チップアンテナを搭載しようとする機器の生産性の向上を実現することができる。
また、本発明のチップアンテナは、上記樹脂が、ポリエーテルサルフォンまたは液晶ポリマーであることが好ましい。
ポリエーテルサルフォンまたは液晶ポリマーは、樹脂の中でも高い誘電率を有する特性を有している。これにより、本発明のチップアンテナの製造方法によって製造されるチップアンテナをより小型化することが可能となる。
ここで、高い誘電率を有する材料を誘電体基板に構成すると、波長短縮効果により、給電導体を小型化することができ、結果として、チップアンテナ自体の小型化を可能にする。
本発明のチップアンテナは、以上のように、誘電率が互いに異なる少なくとも2つの誘電材料からなる誘電体基板と、給電端子を有する端子部、及び該端子部に導通した導体部を有する給電導体と、上記導体部との間に上記誘電体基板を介在して配置される接地電極とを備えたチップアンテナであって、上記導体部は、テーパースロット形状であり、上記導体部及び接地電極は、上記の各誘電材料によって挟持され、上記誘電体基板は、上記導体部における上記給電端子を含む対称軸に近い側から遠い側に向けて、誘電率が段階的に大きくなるように構成されていることを特徴としている。また、本発明のチップアンテナの製造方法は、以上のように、誘電率が互いに異なる少なくとも2つの誘電材料からなる誘電体基板と、給電端子を有する端子部、及び該端子部に導通したテーパースロット形状の導体部を有する給電導体と、接地電極とを備えたチップアンテナの製造方法であって、上記導体部及び接地電極が上記の各誘電材料によって挟持されるように、かつ、接地電極が上記導体部との間に上記誘電体基板を介在して配置されるように、上記給電導体と上記誘電体基板と上記接地電極とをインサート成形によって一体成形するとともに、上記誘電体基板が、上記導体部における上記給電端子を含む対称軸に近い側から遠い側に向けて、誘電率が段階的に大きくなるように成形することを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係るチップアンテナは、従来までのアンテナと比較して、マスク加工する工程や、上記マスク部分をエッチングによって除く工程を必要としないことから、製造が容易になる。
さらに、量産性の向上に伴って、チップアンテナに係るコストを低減させることができることから低価格のチップアンテナを提供することができる。
チップアンテナの量産性の向上に伴って、該チップアンテナを実装する実装機器の量産性の向上も実現することができる。
また、上記給電導体の導体部の少なくとも一部が、上記誘電材料によって被覆されるようにインサート成形するため、該導体部における誘電材料によって被覆された部分は外部に露出しない。そのため、該導体部を酸化等の外部環境から保護することができる。
したがって、上記導体部の外部環境に対する耐久性および、チップアンテナ全体の外部環境に対する耐久性を向上させることができる。
また、本発明のチップアンテナの製造方法によって製造されるチップアンテナは、チップ形状であることから、従来のモノポールアンテナと比較して高さ方向の高さがなく、薄型のアンテナを提供することができる。
〔実施の形態1〕
本発明に係る実施の形態について、図1〜図14に基づいて説明すれば以下のとおりである。
図1は、本実施の形態におけるチップアンテナ1の形状を示した斜視図である。図1に示すように、チップアンテナ1は、チップ形状のアンテナであり、その外形は、誘電体基板3によって形成されている。
なお本実施の形態では、図1に示すように、誘電体基板3は、基板材料3aおよび3bの2種類の基板材料から構成されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、誘電体基板3が1種類の基板材料のみから構成される場合であってもよく、2種類以上の基板材料から構成されるものであってもよい。
なお、本明細書においては、チップアンテナ1から電磁波が放射される空間(外部空間、通常は空気層)を誘電率ε0に対する、誘電体基板3の基板材料3aおよび3bの誘電率ε1の比ε1/ε0を、誘電体基板3(基板材料3aおよび3b)の比誘電率と定義する。
図2は、図1において図示したチップアンテナ1の透視図である。なお、図2では、説明の便宜上、誘電体基板3の基板材料3aおよび3bについては、省略している。
図2に示すように、チップアンテナ1は、給電導体2と、誘電体基板3と、接地電極4aおよび4bを備えている。
上記給電導体2は、給電電極部5(導体部)および給電端子部6(端子部)を備えている。図2に示すように、給電導体2は、誘電体基板3によって狭持された構成となっており、特に、給電電極部5は誘電体基板3によって完全に被覆されている。給電端子部6は、その一部が誘電体基板3外部に露出しており、露出した給電端子部6の端部に給電端子7を有している。
図3は、図1における線分A−A’でチップアンテナ1を切断した状態を示した断面図である。上記給電導体2は、図3に示すように、対称軸Sに対して線対称の形状である。
上記給電電極部5は、導体からなる電極であり、この形状は、一般に、テーパースロット形状と呼ばれている。給電電極部5は、領域Vにおいて、上記給電端子部6と連結している。
上記給電端子部6は、導体からなる端子であり、その形状は平板である。上記給電端子部6は、接地電極4aおよび4bの間に、それぞれから離間するように配置されており、離間することによって接地電極4aおよび4bとは電気的に絶縁されている。給電端子部6における対向する両端のうち、一端は、上記給電電極部5の領域Vに連結しており、給電電極部5と電気的に接続されている。他端には、給電端子7が備えられており、図示しない給電線に接続されている。
上記給電端子部6の給電端子7が備えられている部分は、上述したように、誘電体基板3外部に露出しており、さらに、露出部分は、図1および図2に示すように屈曲している。上記給電端子部6の給電端子7部分が屈曲していることにより、本実施の形態のチップアンテナ1は、表面実装に適している。給電端子部6は、例えば、金属材料によって構成することができる。
従来技術におけるモノポールアンテナ200は、図17に示したように、接地面100上に起立した構成となっているが、その製造において、該モノポールアンテナ200を接地面100上に自立させる、すなわち、自動的に接地面100上に該モノポールアンテナ200を実装することは困難である。そのため、接地面100上に起立させるためには、手動によって半田付けする必要があったため、上記モノポールアンテナ200は、一定幅の帯状の放射導体が形成されているモノポールアンテナと比較して小型化できる反面、実装機器等への実装が煩雑であった。また、上述したように、上記モノポールアンテナ200は、接地面100上で起立した構成であるため、高さ方向に所定の高さを有していることから、モバイル機器等の薄型の機器に搭載させることが困難である。
そこで、上記のように、チップアンテナ1は、上記給電端子部6の給電端子7部分を屈曲させることによって、表面実装に適した構造としていることから、チップアンテナの量産性の向上に伴って、該チップアンテナを実装する実装機器の量産性の向上も実現することができる。
接地電極4aおよび4bは、導体からなる電極であり、その形状は平板である。接地電極4aおよび4bは、給電電極部5がなす対称軸Sに対して垂直となり、かつ、接地電極4aおよび4bの間に給電端子部6が離間して配置されるように、接地電極4aおよび4bとの間は所定の距離をなして配置されている。接地電極4aおよび4bは、例えば、金属の板材によって構成することができる。
誘電体基板3は、誘電体からなり、給電電極部5と接地電極4aおよび4bとの間に介在して、給電電極部5と接地電極4aおよび4bとの間を埋める部材である。この誘電体基板3の外形は、チップアンテナ1の外形に相当し、図1に示すように、直方体の形状をなしている。誘電体基板3は、基板材料3aおよび3bから構成されている。基板材料3aおよび3bについて、図4に基づいて以下に詳細に説明する。
図4は、図1における線分C−C’で、上記チップアンテナ1を切断した状態を示した断面図である。図4に示すように、誘電体基板3は、基板材料3aおよび3bから構成されており、ともに、上記給電電極部5に接触するように構成されている。具体的には、基板材料3aは上記給電導体2の対称軸Sを含んだ領域に配置しており、基板材料3bは対称軸Sを含まず、対称軸Sから遠い領域に配置されている。
上記基板材料3aおよび3bは、それぞれ誘電率ε3aおよびε3bを有した誘電体であり、それぞれの比誘電率がこの順に大きくなるように誘電率が調整されている。具体的には、対称軸Sから遠くなるにつれて比誘電率が高くなるように、基板材料3bは、基板材料3aよりも高い誘電率を有している。
各基板材料の誘電率は、このような条件を満たすものであれば、特に限定されるものではない。例えば、誘電率ε=4である基板材料3aと、誘電率ε=16である基板材料3bとを用いることができる。以下の説明は、誘電率ε=4である基板材料3aと、誘電率ε=16である基板材料3bを用いた場合について説明する。
このような誘電率を有する基板材料としては、樹脂が好ましい。その理由は、後述するように、本発明に係るチップアンテナは、インサート成形によって、上記給電導体2と誘電体基板3とを一体成形して製造するためである。そのため、熱可塑性を有する樹脂、すなわち、熱可塑性硬化樹脂であることが好ましい。
上記樹脂としては、例えば、ポリエーテルサルフォン(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エポキシ樹脂(EP)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、フェノール樹脂(PF)などを用いることができる。
上記樹脂の中でも、PPSまたはLCPは、樹脂の中でも高い誘電率を有することができるため、特に好ましい。
具体的な上記基板材料3aの成形幅W、すなわち、図3に図示した対称軸Sに対して垂直となる方向の基板材料3aの成形幅Wとしては、チップアンテナの大きさにより適宜設定することができる。例えば、図3に示した断面図にあたる断面の面積が14mm×15mmであり、厚みが1mmであるチップアンテナの場合、上記基板材料3aの成形幅Wは、7mm〜11mmの範囲で設定されすることができ、9mm程度であることが好ましい。以下の説明では、成形幅Wが9mmである場合について説明する。
上記した範囲の成形幅とすることによって、アンテナの特性を示す指標として、3.1〜10.6GHzの周波数帯域におけるVSWRの最大値を縦軸にとった場合に、図19に示した一般的なテーパースロット形状の広帯域アンテナにおいて生じたVSWR最大値の上昇を低減することができ、かつ、VSWR最大値が、3.1〜10.6GHzの周波数帯域で安定化させることができる。
このチップアンテナ1を用いて電磁波の送受信を行う場合には、このチップアンテナ1の中心に、接地電極4a側から同軸ケーブル(図示せず)などのケーブルが接続される。このとき、同軸ケーブルの内部導体(芯線)を給電端子7と接続し、同軸ケーブルの外部導体(シールド)を接地電極4aおよび4bの間付近に接続する。そのために、接地電極4aおよび4bには、同軸ケーブルと接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。なお、コネクタを設けることなく、同軸ケーブルを接地電極4aおよび4bに直接取り付けてもよい。
なお、図1ないし図3に図示した本実施の形態におけるチップアンテナ1は、接地電極4aおよび4bが備えられた構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、接地電極が、チップアンテナ1を実装する基板側に設けられた構成であってもよい。なお、以下に説明する本実施の形態のチップアンテナ1の製造方法では、説明の便宜上、上記接地電極4aおよび4bを備えていない構成に基づいて説明する。
なお、接地電極が、チップアンテナ1を実装する基板側に設けられた構成の場合、実装される基板側に接地電極を予め作製しておき、同軸ケーブルを接続するときは、内部導体(芯線)は上記同様に接続し、同軸ケーブルの外部導体(シールド)は基板側に作製した接地電極に接続する。
次に、図5〜図8に基づいて、以上のような構成を備えたチップアンテナ1の製造方法について説明する。
まず、本発明のチップアンテナの製造方法の概略を説明するために、誘電体基板が1種類の基板材料のみからなる場合について説明し、続いて、誘電体基板に基板材料3aおよび3bを有する本実施の形態におけるチップアンテナ1の製造方法を説明する。なお、誘電体基板が1種類の基板材料のみからなる場合について説明する場合も、説明の便宜上、図1〜図4における部材番号をそのまま用いる。
まず、給電導体2の製造方法について、図5(a)および(b)に基づいて説明する。
給電電極部5は、テーパースロット形状のカット型にリードフレームを設置し、プレス加工することによって、図5(a)に示すようなテーパースロット形状の給電電極部5を形成することができる。給電電極部5を構成する材料としては、例えば、金、銀、銅などを用いることができる。給電端子部6は、半田メッキによって形成される。給電電極部5と給電端子部6とは導通しているため、給電端子7は、給電電極部5と電気的に接続できる。図5(b)は、図5(a)の状態の構造から給電端子部6の接続部分を切断した給電導体2の斜視図である。
次に、上記で製造した給電導体2を用いて、インサート成形により、誘電体基板3と一体成形させ、チップアンテナを形成する。
インサート成形によるチップアンテナの製造方法について、図6(a)〜(f)に基づいて説明すれば以下の通りである。
インサート成形によるチップアンテナの製造は、チップの形状をなした第1の金型8を用いてインサート成形する。図6(a)は、第1の金型8の形状を示した斜視図である。なお、説明の便宜上、図6(a)には、第1の金型8のうち片側のみを図示している。したがって、基板材料を導入する際は、もう一方側の第1の金型8も用いて、両側から給電導体2を挟持するように設置される。
図6(a)に示すように、第1の金型8には所定の位置に第1の位置決め領域8aが設けられている。第1の位置決め領域8aとしては、第1の位置決め領域8aのように、給電導体2の給電端子部6の形状に窪みを形成するものが挙げられる。窪みを形成することによって、その窪みに該給電端子部6をはめ込み、給電導体2を位置合わせすることができる。そのほかにも、所定の位置に棒状の突起部が形成され、その突起部に該給電端子部6を接触させることによって位置合わせするものであってもよく、給電導体2を位置合わせすることができるものであれば特に限定されない。
このように、第1の金型8には第1の位置決め領域8aが設けられているため、図5(b)に示した給電導体2は、この第1の位置決め領域8aによって第1の金型8内に正確に設置することができ、給電導体2と誘電体基板3とを精度よく一体成形することができる。
図6(b)は、第1の金型8に給電導体2が配置された状態を示す斜視図である。図6(c)は、両側の第1の金型8によって給電導体2が挟持された状態を示した模式図である。この第1の金型8内に、熱可塑性を有する誘電体基板3の基板材料を図示しない導入口より導入し、インサート成形することによって、誘電体基板3と給電導体2とを一体化する。
図6(d)には、インサート成形後のチップアンテナ1を示している。図6(d)に示したように、誘電体基板3の基板材料は、上記給電導体2のうち給電電極部5の表面を完全に被覆するように、給電導体2と一体成形する。
一体成形したチップアンテナ1は、図6(e)のように、給電端子部6の長さを短くカットされる。次に、図6(f)に示すように、誘電体基板3の外部に露出した給電端子部6を屈曲させる。
以上のような方法によって、誘電体基板3の基板材料が1種類の場合のチップアンテナを製造することができる。
本実施の形態におけるチップアンテナ1のように2種類以上の基板材料を用いて製造する場合は、各基板材料が、互いに異なる熱可塑性を有するものであればよい。この場合、上記とは異なり、基板材料の種類に対応する数の金型を用いて、順次、金型を変えて形成することができる。
そこで、次に、図1および図3に示した基板材料3aおよび3bによって構成される誘電体基板3を備えたチップアンテナ1の製造方法を図7に基づいて説明する。
図7は、チップアンテナ1の製造方法を説明した概略図である。上記給電導体2の製造方法は、上記と同一であるため、説明は省略する。
具体的には、図1ないし図3に示したチップアンテナ1の場合の製造方法では、まず、基板材料3aの大きさに形成された第2の金型9を用いる。図7(a)は、第2の金型9の形状を示した斜視図である。なお、説明の便宜上、図7(a)には、第2の金型9のうち片側のみを図示している。したがって、基板材料を導入する際は、もう一方側の第2の金型9も用いて、両側から給電導体2を挟持するように設置される。
上記第2の金型9にも、上記第1の金型8と同様に、所定の位置に第2の位置決め領域9aが設けられている。上記の方法によって製造した給電導体2は、第2の位置決め領域9aに基づいて位置合わせすることができ、第2の金型9内に正確に設置することができる。図7(b)は、第2の金型9に給電導体2が配置された状態を示す斜視図である。図7(c)は、両側の第2の金型9によって給電導体2が挟持された状態を示した模式図である。この第2の金型9内に、熱可塑性を有する誘電体基板3の基板材料3aを図示しない導入口より導入し、インサート成形することによって、基板材料3aと給電導体2とを一体成形する。
次に、一体成形された基板材料3aと給電導体2とを第2の金型9から取り出し、これを、基板材料3bに対応する金型、すなわち誘電体基板3の大きさの第1の金型8の第1の位置決め領域8aに基づいて、第1の金型8内に設置する。図7(d)は、第1の金型8内に一体成形された基板材料3aおよび給電導体2が配置された状態を示す斜視図である。図7(e)は、両側の第1の金型8によって給電導体2が挟持された状態を示した模式図である。この第1の金型8内に、熱可塑性を有する基板材料3bを図示しない導入口より導入し、インサート成形する。図7(f)は、基板材料3aおよび給電導体2と、基板材料3bとが一体成形された状態を示す斜視図である。
なお、上述したように、図1ないし図3に図示したチップアンテナ1には、接地電極4aおよび4bが備えられた構成となっている。接地電極4aおよび4bが備えられた構成の場合の製造方法は、図7(b)において、第2の金型9に接地電極4aおよび4bを配置するための位置決め領域を設けておき、給電導体2とともに、熱可塑性を有する誘電体基板3の基板材料3aと、インサート成形する。また、図7(d)においても同様に、第1の金型8に接地電極4aおよび4bを配置するための位置決め領域を設けておき、熱可塑性を有する基板材料3bと、基板材料3aと給電導体2と接地電極4aおよび4bとをインサート成形する。
以上の方法によって、図1および図3に示した2種類の基板材料を有する誘電体基板3を備えたチップアンテナ1を製造することができる。
このように、それぞれの基板材料に対応する金型を用いれば、2種類以上の基板材料を用いてチップアンテナ1を製造することができる。
なお、上記した製造方法では、給電導体2に図5(b)に図示した構造のものを用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、図8は、図5(a)に示した構造の給電導体2を用いて、該給電導体2と誘電体基板3とインサート成形により一体成形した状態を示す斜視図である。このように、図5(a)に示した構造の給電導体を用いて製造することもできる。
以上のように、本実施の形態におけるチップアンテナの製造方法は、インサート成形によって上記誘電体基板3と給電導体2とを一体成形することから、従来までのアンテナの製造方法と比較して、製造が容易になる。
また、図17に示したように、従来技術のモノポールアンテナ200は、同軸ケ−ブル等の給電線40が接続された放射導体30が、誘電体基板20の表面に設けられている。すなわち、放射導体30が外部に露出している。そのため、放射導体30が酸化等の外部環境に対する耐性に乏しく、そのため、結果として、モノポールアンテナ200の外部環境に対する耐久性に問題が生じていた。そこで、本実施の形態におけるチップアンテナの製造方法では、給電電極部5が基板材料3aおよび3bによって被覆されていることから、上述した外部環境に対する耐性の問題を解消することができ、高い耐久性を備えたチップアンテナ1を提供することができる。
次に、図7に基づいて説明した製造方法によって製造したチップアンテナ1の特性等について説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、チップアンテナ1を用いて電磁波を送信する場合を想定して、チップアンテナの特性等について説明するが、この特性等は、チップアンテナ1を用いて電磁波を受信する場合についてもほぼ同様に成り立つ。すなわち、チップアンテナ1は、電磁波の送信用にも受信用にも使用することができる。
また、以下においては、チップアンテナ1を用いて、UWB通信の周波数帯域にほぼ相当する、3.1〜10.6GHz帯域の高周波を送信する場合を想定する。
本実施の形態のチップアンテナ1では、上述したように、誘電体基板を設けることによってアンテナの小型化を実現することができる。その理由としては、誘電体基板3を設けることによって、波長短縮効果を得るためである。したがって、例えば、誘電体基板を設けない同一サイズのチップアンテナと比較して、より長波長の電磁波、すなわち、より周波数の低い電磁波を送信することができる。逆に、低周波数側の限界を同一とすると、チップアンテナ1は、誘電体基板を設けないチップアンテナよりもサイズを小さくすることができる。
また、本実施の形態では、図2に示したように、テーパースロット形状の給電電極部5を設けることによって、周波数帯域の広帯域化を実現することができる。
そこで、上述した製造方法によって製造されたチップアンテナ1について、図9および図11に基づいて、誘電体基板3に比誘電率の異なる基板材料を用い、かつ、その配置を上記のように設定することによるアンテナ特性への影響について具体的に説明する。
図9は、本実施の形態におけるチップアンテナ1のアンテナ特性として、3.1〜10.6GHz帯域の周波数領域におけるVSWRを測定し、その最大値をグラフにしたものである。上述したように、本実施の形態のチップアンテナ1は、誘電体基板3に、誘電率ε=4の基板材料3aと、誘電率ε=16の基板材料3bとを用いており、基板材料3aの成形幅は9mmである。また、図9には、比較として、テーパースロット形状の給電電極を有し、1種類の基板材料のみで構成された誘電体基板を有するチップアンテナの測定結果を破線によって示している。なお、このチップアンテナの基板材料は、誘電率ε=16のものを用いている。
図9に示すように、誘電体基板に誘電率ε=16の基板材料のみを用いて形成したチップアンテナ(一般的なテーパースロット形状アンテナ)のVSWRは、周波数3.1GHz付近と、周波数帯域7〜8GHzの領域とにおけるVSWR最大値が悪くなっている、すなわち、VSWR最大値が上昇していることがわかる。
これに対し、図9において実線で示した本実施の形態のチップアンテナ1では、周波数3.1GHz付近と、周波数7〜8GHzの領域とにおけるVSWR最大値の上昇が低減していることがわかる。
本実施の形態のチップアンテナ1が、周波数3.1GHz付近と、周波数7〜8GHzの領域におけるVSWR最大値の上昇を低減することができた理由としては、以下のようなことが考えられる。
一般に、アンテナの長さと、誘電率と、周波数との関係は、下記の式があてはまる傾向にある。
λ=C/f√εeff
なお、λはアンテナの長さを示し、Cは光速を示し、fは周波数を示し、εeffは実効比誘電率を示す。
図10(a)は、1種類の基板材料からなる誘電体基板を備えたテーパースロット形状のアンテナの平面図である。このアンテナは、本実施の形態と同じくチップ形状である。以下では、このアンテナについて、基板材料の比誘電率を、高いもの、中間のもの、低いものにそれぞれ変えて、3種類のテーパースロット形状のチップアンテナそれぞれの周波数帯域3.1〜10.6GHzにおけるVSWRの最大値を測定する。
図10(b)は、それぞれの基板材料を備えたテーパースロット形状のアンテナの周波数帯域3.1〜10.6GHzにおけるVSWRの最大値を測定したグラフである。図10(b)中、1点鎖線が誘電率の高い基板材料を用いて形成されたチップアンテナ、実線が誘電率の中間の基板材料を用いて形成されたチップアンテナ、2点鎖線が誘電率の低い基板材料を用いて形成されたチップアンテナを示している。
テーパースロット形状の給電導体を備えたチップアンテナは、通常、図10(b)に示すように、3.1GHz付近および、3.1〜10.6GHz帯域の中間部分でVSWRが悪くなる、すなわち、VSWRの最大値が上昇または不安定になる傾向がある。
そこで、図10(b)の1点鎖線で示したように、誘電率を高くすると、上記の式によれば、波長短縮効果により、同じ大きさのアンテナであれば、下限周波数が小さくなるため、3.1GHzのVSWR最大値は低くなる。
ところで、テーパースロットアンテナは広帯域に渡ってVSWR最大値を低くするアンテナ構造であり、同じ大きさのアンテナであれば、基材の誘電率が大きいほど波長短縮効果があり、VSWR最大値の周波数が下がる傾向がある。
そのため、図10(b)の1点鎖線で示したように誘電率を高くすると、3.1GHzである下限周波数側のVSWR最大値は低くなるが、その反面、このようなテーパースロット形状のアンテナの特性上、3.1〜10.6GHz帯域における上限周波数(10.6GHz)を越えるVSWRが高い部分も波長が下限周波数側に短縮されるため、上限周波数側のVSWRが悪くなる傾向がある。
反対に、図10(b)の2点鎖線で示したように、誘電率が低い程、上記の式によれば、波長短縮効果により、同じ大きさのアンテナであれば、下限周波数が大きくなるため、3.1GHzのVSWR最大値は高くなる。しかしながら、中間のVSWR最大値の悪かった周波数領域のVSWR最大値も、10.6GHzである上限周波数側にシフトし、条件によっては、図示したようにVSWR最大値が10.6GHzよりもより高周波数側にシフトし、上記の中間のVSWR最大値が悪かった点に関しての問題を解消することができる。
本実施の形態のチップアンテナ1は、図10(b)に基づいて説明したそれぞれの利点を併せもっている。
図11(a)には、本実施の形態のチップアンテナ1における周波数とアンテナの長さとの関係を示した模式図を示す。図11では、長さaに相当するアンテナの長さが、上限周波数を規定する。また、長さbに相当するアンテナの長さが、下限周波数を規定する。3.1〜10.6GHz帯域の周波数領域で言えば、上限周波数とは10.6GHzのことであり、下限周波数とは3.1GHzのことである。なお、この周波数とアンテナ長との関係は、チップアンテナ1に限らず、全てのテーパースロット形状のアンテナに対してあてはまることである。
なお、上述したように、本発明のチップアンテナは、接地電極4aおよび4bを備えず、チップアンテナを実装する基板側に接地電極を設けた構成であってもよい。この場合、上限周波数を規定するアンテナの長さaは、チップアンテナにおける実装基板との境界部分からの長さになり、下限周波数を規定するアンテナの長さbも同様に、チップアンテナにおける実装基板との境界部分からの長さになる。
本実施の形態のチップアンテナ1は、この図10(b)に基づけば、下限周波数を規定するアンテナ長の長さbに相当する誘電体基板3の基板材料3bの誘電率を、上限周波数を規定するアンテナ長の長さaに相当する誘電体基板3の基板材料3aおよび、上記の帯域の中間のVSWR最大値が悪い部分に相当するアンテナ長に相当する誘電体基板3の部分の誘電率に比べて高くすることにより、図10(b)で示した利点を併せもつことができたと考えられる。
具体的に説明すれば、図11(b)に示したグラフは、3.1〜10.6GHz帯域の周波数領域での、チップアンテナ1のVSWRの最大値を測定したグラフである。図11(b)では、チップアンテナ1のVSWRの最大値の測定結果を実線で示すとともに、比較のため、図10(b)において示した誘電率が中間のものを備えたチップアンテナのVSWRの最大値の測定結果を破線として示している。
本実施の形態のチップアンテナ1は、上述したように、誘電体基板3に、誘電率ε=4の基板材料3aと誘電率ε=16の基板材料3bとを用いている。
図11(b)の実線で示すように、本実施の形態のチップアンテナ1のVSWR最大値は、3.1〜10.6GHz帯域の周波数領域において、下限周波数を規定するアンテナの長さbに対応する誘電体基板が、すなわち基板材料3bが、比誘電率が高いため、波長が下限周波数側に短縮することにより、3.1GHzにあたる下限周波数側のVSWR最大値は、グラフ中、破線で示したVSWR最大値よりも低くなっている。
また、図11(b)の実線で示すように、本実施の形態のチップアンテナ1のVSWR最大値は、3.1〜10.6GHz帯域の周波数領域において、上限周波数を規定するアンテナ長の長さaに対応する誘電体基板の基板材料3aの比誘電率が高く、また、上記の帯域の中間においてVSWR最大値が上昇した部分に相当するアンテナ長に対応する誘電体基板の比誘電率が高い。そのため、上記の帯域の中間部分において生じていたVSWR最大値の上昇は、上限周波数側(10.6GHz側)よりも高周波数側にシフトし、3.1〜10.6GHz帯域内からなくなる。
すなわち、本実施の形態のチップアンテナ1は、下限周波数側では波長短縮を生かし、中間から上限周波数側では波長短縮を行わないようにして、全体的にVSWRを安定させることができているものと考えられる。
このように、チップアンテナ1は、比誘電率の異なる基板材料3aおよび3bを有した誘電体基板3を備えていることにより、上述したアンテナ特性を得ることができる。
後述する実施例には、チップアンテナ1と同じ構成のチップアンテナを用い、基板材料3aの成形幅Wを変化させて、それぞれについてVSWR値を測定することによって上述した特性の評価を行っている。
以上のように、本発明のチップアンテナの製造方法によれば、インサート成形によって上記給電導体2と誘電体基板3とを一体成形している。
これにより、従来までのチップアンテナの製造方法と比較して、製造を容易に行うことができる。
したがって、量産性を向上することができ、量産性の向上に伴って、チップアンテナに係るコストを低減させることができることから低価格のチップアンテナを提供することができる。
また、上記誘電体基板3が、互いに異なる熱可塑性を有する2つの基板材料3aおよび3bからなり、かつ、各該基板材料3aおよび3bが上記導体部の表面に接触するように構成されている。
このように、上記誘電体基板を複数の基板材料から構成するような場合であっても、これらの基板材料が互いに異なる熱可塑性を有することから、インサート成形によって、容易に上記給電導体と一体成形することができる。
また、本発明のチップアンテナの製造方法によれば、上記基板材料3aおよび3bが、比誘電率が異なるっているため、VSWRの最大値を小さく抑えつつ、より広い周波数帯域に対応できるチップアンテナを提供することができる。
すなわち、誘電体基板を構成する基板材料3aおよび3bが、互いに異なる比誘電率を有するため、電磁波の反射の発生箇所が分散することになり、これに伴って、それぞれの周波数の反射波も分散する。したがって、所定の周波数に集中して強度の強い反射波が発生し、その周波数におけるVSWR値が上昇する、という不具合を回避することができる。
また、本発明のチップアンテナの製造方法によれば、上記誘電体基板3が、上記対称軸Sに近い側から遠い側に向けて、比誘電率が段階的に大きくなるように成形されている。具体的には、下限周波数を規定するアンテナ長の長さbに相当する誘電体基板3の基板材料3bの誘電率を、上限周波数を規定するアンテナ長の長さaに相当する誘電体基板3の基板材料3aに比べて高くしている。
これにより、下限周波数側では波長短縮を生かし、中間から上限周波数側では波長短縮を行わないようにして、全体的にVSWRを安定させることができる。
すなわち、本発明のチップアンテナの製造方法によれば、製造が容易であるとともに、広帯域の周波数(電波)にも十分に対応することができるチップアンテナを製造することができる。
また、本発明のチップアンテナの製造方法によれば、上記給電導体2の給電電極部5を、上記基板材料3aおよび3bによって被覆するようにインサート成形するため、該導体給電電極部5を外部に露出させない。そのため、外部環境への該給電電極部5の接触を回避することができる。
したがって、上記給電電極部5の外部環境に対する耐久性および、チップアンテナ1全体の外部環境に対する耐久性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、上記給電電極部5が基板材料によって完全に被覆された構造となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば上記給電電極部5の一部は、外部に露出した構造であってもよい。
また、チップアンテナ1は、チップ形状であることから、従来のモノポールアンテナと比較して高さ方向の高さがなく、薄型のアンテナを提供することができため、近年、開発が盛んに行われている各種モバイル機器等の薄型機器に好適に用いることができる。
また、本発明のチップアンテナの製造方法によれば、カット型に合わせてリードフレームをプレス加工して上記給電電極部5を形成することができる。
これにより、チップアンテナ1の製造方法をより一層容易にすることができる。すなわち、従来の製造方法では、上述したように、給電導体の導体部を形成するためには、上記誘電体基板をマスクする工程や、給電導体に相当する金属材料をメッキし、最後にはエッチングによって上記マスク部分を除く、といった多数の工程を必要としていた。そこで、本発明のチップアンテナの製造方法によれば、リードフレームをプレス加工することによって上記給電電極部5を形成するため、従来と比較して容易に上記給電電極部5を製造することができる。
また、容易に、所望の形状の給電電極部5を形成することができる。したがって、上記カット型の形を変えることにより、所望の形状の給電電極部5を形成することが可能となる。そのため、本発明の製造方法によって製造したチップアンテナ1を搭載する装置や機器に好適な形状のチップアンテナ1を提供することができる。
また、本発明のチップアンテナの製造方法によれば、給電電極部5をテーパースロット形状に形成することから、チップアンテナ1は、周波数帯域3.1〜10.6GHzの広帯域の電波の送受信に使用することができる。
また、本発明のチップアンテナの製造方法によれば、インサート成形によって給電導体2と誘電体基板3とを一体形成した後に、上記給電端子部6を屈曲させる。
これにより、チップアンテナ1を表面実装形状にすることができる。すなわち、本発明のチップアンテナの製造方法によって製造されるチップアンテナ1は、チップアンテナを搭載しようとする機器に対して起立した構造ではなく、表面実装に対応することができる。したがって、従来問題となっていた起立させて製造することの困難性は、本発明のチップアンテナの製造方法では生じず、チップアンテナ1は自動実装することができる。
これにより、チップアンテナを搭載しようとする機器の生産性の向上も実現することができる。
また、本発明のチップアンテナの製造方法によれば、チップアンテナ1の誘電体基板3の基板材料にPPSまたはLCPを用いることが好ましい。PPSまたはLCPは、従来公知の樹脂と比べ、高い比誘電率を備えることができるという特殊な性質を有している。高い比誘電率を有する材料を誘電体基板に構成すると、波長短縮効果により、給電導体を小型化することができ、結果として、チップアンテナ1自体の小型化を可能にする。
なお、本実施の形態では、直方体の形状を有したチップアンテナ1について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、上述したように表面実装することが可能な形状であれば、直方体の形状に限定されるものではない。
具体的には、図12に示すような形状であってもよい。すなわち、図12に示すチップアンテナ1は、誘電体基板3が、上記給電導体2の給電電極部5から給電端子部6に向かって幅が広がっており、全体として、チップアンテナ1が台形の形状になっている。
なお、本実施の形態では、誘電率が段階的に変化する誘電体基板3について説明したが、誘電体基板3は、比誘電率が連続的に変化するものであってもよい。
また、本発明のチップアンテナの製造方法は、誘電体基板3の基板材料に、セラミックを用いた場合であっても適用することができる。セラミックを用いた場合について、以下に説明する。図13(a)は誘電体基板3の基板材料にセラミック33aが用いられたチップアンテナ1を示す斜視図であり、図13(b)は図13(a)に示したチップアンテナ1を線分C−C’で切断した状態を示した断面図である。セラミック33aが用いられた場合であっても、図13(b)に示すような配置とすれば、セラミック33aの周囲には上述したような熱可塑性を有する基板材料(例えば、樹脂)が構成されることから、上記と同じように、インサート成形によって給電導体2と一体成形することができる。
セラミックは、上記樹脂と比較して非常に高い誘電率ε=80程度を有する。したがって、このようなセラミックが構成されていることにより、上述したように、波長短縮効果をもたらし、給電導体5をさらに小型化することができる。したがって、チップアンテナ1自体のさらなる小型化を実現することができる。なお、セラミックを用いたチップアンテナ1としては、図14に示すような断面構造を有するチップアンテナであってもよい。
なお、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔実施例〕
以下の説明は、本発明のチップアンテナの製造方法によって製造したチップアンテナについて説明する。
本実施例では、上述した実施の形態中の図3と同じチップアンテナ1の構成を備える。本実施例のチップアンテナについて図15に基づいて説明すれば以下の通りである。
図15に示すように、チップアンテナ1の構成において、誘電体基板3の基板材料3aには誘電率16のPPSを用い、基板材料3bには誘電率16のPPSを用いた。
チップアンテナ1の形状は、図3に図示した断面図にあたる断面面積が14mm×15mmであり、厚みは1mmである。14mmの長さを有する側の1辺に、導電材料(例えば銅合金薄板材料)からなる接地電極4aおよび4bが形成されている。さらに、該接地電極4aおよび4bのそれぞれから1.1mmの距離を隔てて、導電材料(例えば銅合金薄板材料)からなる幅2mmの給電端子部6を有したテーパースロット形状の給電導体4が形成されている。給電導体2の給電電極部5は、テーパースロット形状であり、導電材料(例えば銅合金薄板材料)からなるリードフレームをプレス加工することによって形成した。給電電極部5と給電端子部6とは、銀ペーストによって連結した。また、接地電極4aおよび4bは、15mmの長さを有する辺に沿って1mmの長さを有している。
以上のような形状および材質から構成されたチップアンテナ1を用いて、誘電体基板3の基板材料3aの成形幅Wを適宜変化させ、それぞれの場合について、アンテナ特性をVSWR最大値を測定することによって評価した。基板材料3bの成形幅Wとしては、W=0,3,5,7,9,11,13mmの7種類について測定した。なお、W=0mmのチップアンテナとは、基板材料3aがなく、基板材料3bの誘電率16のPPSによってのみ構成された誘電体基板を備えたチップアンテナのことであり、一般的なテーパースロット形状のアンテナに相当するものである。
図16(a)および(b)は、3.1〜10.6GHzの周波数帯域における、種々の基板材料3bの成形幅W(W=0,3,5,7,9,11,13mm)を有したチップアンテナのVSWR最大値の測定結果を示すグラフである。なお、説明の便宜上、7種類のチップアンテナの測定結果を、図16(a)および(b)の2つに分けて示している。図16(a)および(b)には、W=0のチップアンテナ(一般的なテーパースロット形状アンテナ)の測定結果を指標として破線によってグラフ中に示している。図16(a)には、W=7,9,11mmおよび指標となるW=0のテーパースロット形状アンテナのVSWR最大値の測定結果を示し、図16(b)には、W=3,5,13mmおよび指標となるW=0のチップアンテナのVSWR最大値の測定結果を示した。
図16(a)および(b)に示した測定結果より、本実施例のチップアンテナは、3.1〜10.6GHzの周波数帯域において、基板材料3bの成形幅W=7,9,11mmを有する場合(図16(a))に、W=0mmの場合にみられる周波数3.1GHz付近と周波数帯域7〜8GHz付近のVSWR最大値の上昇を低減させ、かつ、VSWR最大値が安定していることがわかる。特に、周波数帯域7〜8GHz付近のVSWR最大値の上昇が効果的に低減されている。さらに、基板材料3bの成形幅W=9mmの場合、W=0mmの場合にみられる周波数10.6GHz付近のVSWR最大値の上昇も低減させることができていることがわかる。なお、基板材料3bの成形幅W=3,5,13mmを有する場合(図16(b))は、W=0mmの場合にみられる周波数3.1GHz付近と周波数帯域7〜8GHz付近のVSWR最大値の上昇を低減させることができなかった。
したがって、本実施例の測定結果の中では、基板材料3bの成形幅W=7〜11mmを有するチップアンテナが好ましく、成形幅W=9mmを有するチップアンテナが、上記のようにアンテナ特性が最も良いため、より好ましいことがわかる。
このように、本発明に係るチップアンテナは、比誘電率の異なる基板材料から誘電体基板を構成していることにより、一般的なテーパースロット形状アンテナと比較して、3.1〜10.6GHzの広帯域に対応させる場合に問題となっていたアンテナ特性の悪化を低減させ、良好かつ安定なアンテナ特性を備えたチップアンテナを提供することができる。
本発明に係るチップアンテナの製造方法は、インサート成形によって誘電体基板と給電導体とを一体成形させることができるため、容易に製造することが可能である。また、製造されるチップアンテナは、比誘電率の異なる基板材料から誘電体基板を構成していることにより、3.1〜10.6GHzの広帯域に良好に対応できる表面実装型のチップアンテナを提供することができる。
したがって、例えば、携帯電話、PDA等の情報端末やPCカード型無線機、CF(コンパクトフラッシュ)型無線機、IEEE1394型無線機等の薄型機器に広く適用することができる。
本発明に係る実施の形態におけチップアンテナの形状を示した斜視図である。 本発明に係る実施の形態におけチップアンテナの構成を示す透視図である。 図1に示したチップアンテナを線分A−A’にて切断した断面図である。 図1に示したチップアンテナを線分C−C’にて切断した断面図である。 (a)は本発明に係る実施の形態におけチップアンテナに備えられた給電電極部と、給電端子部とから構成される給電導体の構造を示した平面図であり、(b)は(a)において示した給電導体の斜視図である。 (a)〜(f)は、本発明に係る実施の形態におけチップアンテナの製造方法を示し、特に、誘電体基板が1種類の基板材料からなる場合におけるチップアンテナの製造方法を示す概略図である。 (a)〜(f)は、本発明に係る実施の形態におけチップアンテナの製造方法を示し、特に、誘電体基板が2種類の基板材料からなる場合におけるチップアンテナの製造方法を示す概略図である。 本発明に係る実施の形態におけるチップアンテナの構造の変形例を示した斜視図である。 本発明に係る実施の形態におけるチップアンテナの特性評価として3.1〜10.6GHz帯域におけるVSWRを測定した測定結果を示すグラフ図である。 (a)は一般的なテーパースロット形状のアンテナの構成を示す断面図であり、(b)は誘電体基板の各誘電率について3.1〜10.6GHz帯域におけるVSWRを測定した測定結果を示すグラフ図である。 (a)は本発明に係る実施の形態におけるチップアンテナの構成を示す断面図であり、(b)は(a)に示したチップアンテナの3.1〜10.6GHz帯域におけるVSWRを測定した測定結果を示すグラフ図である。 本発明に係る実施の形態におけるチップアンテナの構造の変形例を示した斜視図である。 (a)は本発明に係る実施の形態におけるチップアンテナの構成の変形例を示した斜視図であり、(b)は(a)に示したチップアンテナを線分C−C’にて切断した断面図である。 図13に示したチップアンテナの構成における変形例を示した断面図である。 本実施例に用いたチップアンテナの構成を示す断面図である。 (a)および(b)は、本実施例に用いたチップアンテナの特性評価として、3.1〜10.6GHz帯域におけるVSWRを測定した測定結果を示すグラフ図である。 従来技術におけるモノポールアンテナの構成を示す構成図である。 一般的なテーパースロット形状のアンテナの構成を示す断面図である。 一般的なテーパースロット形状のアンテナの特性評価として、3.1〜10.6GHz帯域におけるVSWRを測定した測定結果を示すグラフ図である。
符号の説明
1 チップアンテナ
2 給電導体
3 誘電体基板
3a,3b 基板材料(誘電材料)
4 接地電極
5 給電電極部(導体部)
6 給電端子部(端子部)
7 給電端子
8 第1の金型(金型)
8a 第1の位置決め領域(位置決め領域)
9 第2の金型(金型)
9a 第2の位置決め領域(位置決め領域)

Claims (9)

  1. 誘電率が互いに異なる少なくとも2つの誘電材料からなる誘電体基板と、
    給電端子を有する端子部、及び該端子部に導通した導体部を有する給電導体と、
    上記導体部との間に上記誘電体基板を介在して配置される接地電極とを備えたチップアンテナであって、
    上記導体部は、テーパースロット形状であり、
    上記導体部及び接地電極は、上記の各誘電材料によって挟持され、
    上記誘電体基板は、上記導体部における上記給電端子を含む対称軸に近い側から遠い側に向けて、誘電率が段階的に大きくなるように構成されていることを特徴とするチップアンテナ。
  2. 上記誘電材料の少なくとも1つは、樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナ。
  3. 上記チップアンテナは、表面実装型であることを特徴とする請求項1または2に記載のチップアンテナ。
  4. 誘電率が互いに異なる少なくとも2つの誘電材料からなる誘電体基板と、
    給電端子を有する端子部、及び該端子部に導通したテーパースロット形状の導体部を有する給電導体と、
    接地電極とを備えたチップアンテナの製造方法であって、
    上記導体部及び接地電極が上記の各誘電材料によって挟持されるように、かつ、接地電極が上記導体部との間に上記誘電体基板を介在して配置されるように、上記給電導体と上記誘電体基板と上記接地電極とをインサート成形によって一体成形するとともに、
    上記誘電体基板が、上記導体部における上記給電端子を含む対称軸に近い側から遠い側に向けて、誘電率が段階的に大きくなるように成形することを特徴とするチップアンテナの製造方法。
  5. 上記給電導体及び接地電極を、チップ形状の金型に設けられたそれぞれの位置決め領域を基準にして該金型内に配置し、上記給電導体と上記誘電体基板と上記接地電極とをインサート成形によって一体成形することを特徴とする請求項4に記載のチップアンテナの製造方法。
  6. 上記給電導体は、カット型に合わせてリードフレームをプレス加工して形成されることを特徴とする請求項4に記載のチップアンテナの製造方法。
  7. 上記誘電体基板と給電導体とをインサート成形によって一体化した後に、上記端子部を屈曲させることを特徴とする請求項4に記載のチップアンテナの製造方法。
  8. 上記誘電体基板は、樹脂であることを特徴とする請求項4に記載のチップアンテナの製造方法。
  9. 上記誘電材料の少なくとも1つは、樹脂であることを特徴とする請求項4に記載のチップアンテナの製造方法。
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