JP2006313160A - ジッタ測定装置、及びジッタ測定方法 - Google Patents

ジッタ測定装置、及びジッタ測定方法 Download PDF

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    • G01R31/31709Jitter measurements; Jitter generators

Abstract

【課題】被測定信号のジッタを測定するジッタ測定装置において、被測定信号を観測するべき最適な参照帯域を算出することにより、測定誤差を最小化し、且つ測定時間を最小化する。
【解決手段】被測定信号のジッタを測定するジッタ測定装置であって、被測定信号のスペクトルを算出する信号変換部と、予め設定される被測定帯域において、被測定信号のスペクトルの積分値の飽和率が、予め定められた飽和率と略等しくなる周波数を、ジッタを算出するために参照するべき参照帯域の高域遮断周波数として算出する帯域算出部と、被測定信号の参照帯域におけるスペクトルに基づいて、被測定信号のジッタを測定するジッタ算出部とを備えるジッタ測定装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被測定信号のジッタを測定するジッタ測定装置、及びジッタ測定方法に関する。
従来、例えば被測定信号の周期ジッタを測定する場合、被測定信号のゼロ交叉間の時間間隔(zero-crossing time interval)の変動として、周波数カウンタ、タイムインターバルアナライザ等を用いて測定されている。タイムインターバルアナライザにおいても、内蔵した周波数カウンタを用いてジッタを測定しているので、これらの測定方法は同質であり、ともに時間間隔を計数する方法である。
また、リアルタイムオシロスコープに内蔵されている時間補間器(time interpolator)を用いると、周期ジッタを容易に測定できることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、出願人は、被測定信号を解析信号に変換し、解析信号から被測定信号の瞬時位相を算出し、瞬時位相における雑音から被測定信号のジッタを測定する方法を提案している。当該方法は、タイムインターバルアナライザと互換性のあるジッタ値を測定できる。このように、被測定信号のジッタを測定する方法として、様々な方法が知られている。
M.Lauterbach、T.wey、"Analyze Jitter to Improve High-Speed Design"(第62頁−第67頁)、2000年7月、IEEE Spectrum
また、被測定信号の瞬時位相雑音及びタイミングジッタは、低域通過特性を有しており、また周期ジッタ及びタイミングジッタ間の差は帯域通過特性を有する。上述したような様々な方法により測定されるジッタ値は、被測定信号の観測帯域幅によって敏感に変動する。
従って、被測定信号のジッタ値の測定、又は測定したジッタ値に基づく被測定信号のビット誤り率の算出においては、測定するべきジッタに対応して観測帯域幅を適切に定めることが好ましい。
つまり、観測帯域幅が狭すぎると、ジッタを過小に評価することになり、また観測帯域幅が広すぎると、ジッタを過大に評価するか又は測定に過剰な時間がかかってしまう。しかし、被測定信号のジッタを測定するための最適な観測帯域幅については、従来検討されていない。このため、従来のジッタ測定方法は、最適な観測帯域幅で測定しておらず、測定したジッタ値の精度、又は測定効率に課題を有するものであった。
このため本発明は上記の課題を解決するジッタ測定装置、及びジッタ測定方法を提供することを目的とする。この目的は、請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
上記課題を解決するために、本発明の第1形態においては、被測定信号のジッタを測定するジッタ測定装置であって、被測定信号のスペクトルを算出する信号変換部と、予め設定される被測定帯域において、被測定信号のスペクトルの積分値の飽和率が、予め定められた飽和率と略等しくなる周波数を、ジッタを算出するために参照するべき参照帯域の高域遮断周波数として算出する帯域算出部と、被測定信号の参照帯域におけるスペクトルに基づいて、被測定信号のジッタを測定するジッタ算出部とを備えるジッタ測定装置を提供する。
帯域算出部は、被測定信号のスペクトルの傾きに基づいて、高域遮断周波数を算出してよい。帯域算出部は、被測定帯域において、スペクトルの包絡を近似した直線の傾きを検出する傾き検出部と、スペクトルの傾きに基づいて、高域遮断周波数を算出する遮断周波数算出部とを有してよい。
遮断周波数算出部は、被測定信号の発振周波数又はキャリア周波数に、スペクトルの傾きに応じた演算係数を乗算して、高域遮断周波数を算出してよい。帯域算出部は、スペクトルのそれぞれの傾きと、スペクトルの傾きの絶対値が大きくなるに従い値が減少する演算係数とを対応づけた係数テーブルを格納するテーブル格納部を更に備え、遮断周波数算出部は、スペクトルの傾きに対応する演算係数を用いて前記高域遮断周波数を算出してよい。
帯域算出部は、スペクトルにおける基本波スペクトルのピークレベルと、第2次高調波スペクトルのピークレベルとのレベル差に基づいて、高域遮断周波数を算出してよい。遮断周波数算出部は、高域遮断周波数と、スペクトルの包絡を近似した直線の傾きとに基づいて、参照帯域の低域遮断周波数を更に算出してよい。信号変換部は、被測定信号のスペクトルとして、被測定信号のべき乗スペクトルを算出してよい。
本発明の第2の形態においては、被測定信号のジッタを測定するジッタ測定方法であって、被測定信号のスペクトルを算出する信号変換段階と、スペクトルの積分値の飽和率が、予め定められた飽和率と略等しくなる周波数を、ジッタを算出するために参照するべき被測定信号のスペクトルの参照帯域の高域遮断周波数として算出する帯域算出段階と、被測定信号の参照帯域におけるスペクトルに基づいて、被測定信号のジッタを測定するジッタ算出段階とを備えるジッタ測定方法を提供する。
本発明の第3の形態においては、被測定信号のジッタを測定するジッタ測定装置であって、被測定信号を解析信号に変換する信号変換部と、解析信号に基づいて、被測定信号の瞬時位相を算出する瞬時位相算出部と、瞬時位相の直線成分を除去し、被測定信号の瞬時位相雑音を算出するリニア成分除去部と、瞬時位相雑音のスペクトルを算出する雑音スペクトル算出部と、ジッタを測定するべき被測定帯域における、瞬時位相雑音のスペクトルの積分値の飽和率が、予め定められた飽和率と略等しくなる周波数を、ジッタを算出するために参照するべき参照帯域の高域遮断周波数として算出する帯域算出部と、参照帯域におけるスペクトルに基づいて、被測定信号のジッタを測定するジッタ算出部とを備えるジッタ測定装置を提供する。
本発明の第4の形態においては、被測定信号のジッタを測定するジッタ測定方法であって、被測定信号を解析信号に変換する信号変換段階と、解析信号に基づいて、被測定信号の瞬時位相を算出する瞬時位相算出段階と、瞬時位相の直線成分を除去し、被測定信号の瞬時位相雑音を算出するリニア成分除去段階と、瞬時位相雑音のスペクトルを算出する雑音スペクトル算出段階と、ジッタを測定するべき被測定帯域における、瞬時位相雑音のスペクトルの積分値の飽和率が、予め定められた飽和率と略等しくなる周波数を、ジッタを算出するために参照するべき参照帯域の高域遮断周波数として算出する帯域算出段階と、参照帯域におけるスペクトルに基づいて、被測定信号のジッタを測定するジッタ算出段階とを備えるジッタ測定方法を提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係るジッタ測定装置100の構成の一例を示す図である。ジッタ測定装置100は、被測定信号のタイミングジッタ、周期ジッタ、サイクルツウサイクルジッタ等のジッタを測定する装置であって、信号変換部10、帯域算出部30、及びジッタ算出部50を備える。
信号変換部10は、被測定信号のスペクトルを算出する。本例において信号変換部10は、広帯域の被測定信号の周波数帯域を複数に分割し、それぞれの周波数帯域に対して被測定信号のスペクトルを順次算出する。そして、それぞれのスペクトルを連結することにより、広帯域の被測定信号のスペクトルを算出する。信号変換部10は、周波数シフト部12、帯域通過フィルタ14、解析信号変換部16、フーリエ変換部18、及びスペクトル連結部20を有する。
周波数シフト部12は、分割されたそれぞれの周波数帯域が、帯域通過フィルタ14に入力するべき周波数帯域に順次一致するように、被測定信号の周波数を順次シフトして帯域通過フィルタ14に入力する。ここで、順次とは、それぞれの分割帯域が、周波数順に順次処理されることに限定されない。例えば、それぞれの分割帯域が、ランダムな順番で順次処理されることも含むものである。
帯域通過フィルタ14は、予め定められたフィルタ特性を有し、順次入力される信号の所望の帯域を順次通過させる。解析信号変換部16は、帯域通過フィルタ14が順次出力する信号を、解析信号に順次変換し、フーリエ変換部18に出力する。例えば解析信号変換部16は、入力された信号のヒルベルト変換対を出力する回路である。
フーリエ変換部18は、解析信号変換部16が順次出力する信号のスペクトルを順次算出する。スペクトル連結部20は、フーリエ変換部18が順次算出したスペクトルを連結し、被測定信号の全帯域におけるスペクトルを算出する。例えば、スペクトル連結部20は、それぞれのスペクトルの周波数を、周波数シフト部12における周波数シフト量に応じてシフトさせて連結させる。
帯域算出部30は、ジッタを測定するべき被測定帯域(参照帯域)を算出する。帯域算出部30は、参照帯域における被測定信号の側波帯スペクトルの積分値が、全帯域にわたって求めた場合の側波帯スペクトルの積分値と略等しくなるように、参照帯域を算出する。ここで、略等しいとは、参照帯域における被測定信号の側波帯スペクトルの積分値と、全帯域における被測定信号の側波帯スペクトルの積分値との比によって算出される飽和率が1に略等しいことをいう。
当該側波帯スペクトルは、例えば被測定信号のパワースペクトルにおけるキャリア成分の側波帯であってよく、被測定信号の位相雑音のスペクトルであってもよい。当該スペクトルが位相雑音のスペクトルである場合、ジッタ測定装置100は、図13において後述する構成を有してよい。
また、スペクトルの積分値が飽和する周波数は、スペクトルの包絡を直線で近似した場合の傾きにより定まる。帯域算出部30は、当該直線の傾きに基づいて、参照帯域を算出してよい。
また、ジッタを測定するべき被測定帯域は、使用者が設定する帯域であってよい。また、帯域算出部30は、信号変換部10が出力する対数振幅スペクトルを直線で近似し、その傾きを算出してよい。
ジッタ算出部50は、被測定信号の参照帯域におけるスペクトルに基づいて、被測定信号のジッタを測定する。次に、帯域算出部30及びジッタ算出部50の動作の詳細を説明する。
図2は、被測定信号のスペクトルS(f)を直線で近似した例を示す図である。図2において、縦軸はスペクトルの強度を示し、横軸はキャリア周波数からのオフセット周波数を対数で示す。本例において、被測定信号のスペクトルS(f)は、被測定信号の位相雑音スペクトルである。但し、被測定信号のパワースペクトルの側波帯は、被測定信号の位相雑音のスペクトルに依存するため、パワースペクトルの側波帯の傾きと、位相雑音のスペクトルの側波帯の傾きとは、略等しい。このため、帯域算出部30は、被測定信号のパワースペクトルにおけるキャリア成分の側波帯、又は被測定信号の位相雑音スペクトルのいずれからも、当該傾きを算出してよい。
また、図2に示すように、帯域算出部30は、被測定信号のスペクトルを、複数の直線で近似してよい。当該近似は、最小二乗法等により行ってよい。また、帯域算出部30には、複数の傾き(例えば、f^α、但しαは−4から0の整数、若しくはαは任意の実数であってもよい)が予め与えられており、これらの傾きを有する複数の直線を用いて、誤差が最小となるように近似してよい。
瞬時位相雑音の二乗平均値は、位相雑音スペクトル曲線より下の領域の面積に等しく、位相雑音を積分した値を用いてあらわされる。位相雑音スペクトルの傾きαが−4〜−2のときは、瞬時位相雑音の二乗平均値は、参照帯域が広くなるにつれて飽和し、αが−1、0のときは、瞬時位相雑音の二乗平均値は発散する。
帯域算出部30は、それぞれの直線に対する積分値を飽和させるために必要な周波数帯域に基づいて、参照帯域を算出する。ジッタ算出部50が、このような参照帯域においてジッタ測定を可能とすることにより、誤差を最小化し、且つ測定時間を最小化することができる。
図3は、位相雑音スペクトルの傾きを示すαが−4から−2のときの、当該スペクトルの積分値と参照帯域との関係の一例を示す図である。図3において、縦軸は積分値を示し、横軸は、基本周波数fからのオフセット周波数として表した参照帯域の高域遮断周波数fを、参照帯域の低域遮断周波数fで割った値を対数で示す。縦軸においては、低域遮断周波数から高域遮断周波数までにおける積分値と、全帯域における積分値との比を示す。例えば基本周波数fは、被測定信号の発振周波数、又はキャリア周波数である。
図3に示すように、スペクトルの傾きの絶対値が大きくなるに従い、積分値はより低域の周波数で飽和する。例えば、傾きを示すαが−4である場合、積分値はf/fが8程度のときに飽和し、αが−3、−2である場合、積分値はf/fが60程度のときに飽和する。帯域算出部30は、これらのオフセット周波数を、それぞれの傾きの直線に対する参照帯域の高域遮断周波数として算出する。例えば、帯域算出部30は、それぞれの傾きと、高域遮断周波数とを対応付けた係数テーブルを予め格納し、算出した傾きに対応する高域遮断周波数を検出してよい。
それぞれの積分値が飽和したか否かは、予め定められる誤差許容範囲に基づいて設定されてよい。例えば、誤差許容範囲が2%程度である場合には、全帯域における積分値に対する割合が98%程度になる積分値に対応するオフセット周波数を、高域遮断周波数としてよい。また、本例においては位相雑音スペクトルを用いて説明したが、タイミングジッタスペクトルを用いた場合も同様である。
また、参照帯域の低域遮断周波数は、信号変換部10におけるスペクトル測定周波数分解能に等しい周波数であってよい。また、低域遮断周波数は、使用者により予め設定される周波数であってよい。使用者は、例えば許容される測定時間、信号変換部10における位相雑音、被測定デバイスの仕様等に基づいて、低域遮断周波数を与えてよい。
また、低域遮断周波数は、与えられた高域遮断周波数と、スペクトルの傾きとに基づいて、帯域算出部30が算出してもよい。例えば、帯域算出部30は、与えられた高域遮断周波数に対して、いずれの周波数を低域遮断周波数とした場合に、スペクトルの積分値が飽和するかに基づいて、低域遮断周波数を算出してよい。
このように、スペクトルの積分値が飽和する参照帯域においてジッタを測定することにより、測定時間を最小化し、且つ測定誤差を最小化することができる。
図4は、αが−1、0のときの、位相雑音スペクトルの積分値と参照帯域との関係の一例を示す図である。図4における縦軸は、図3における縦軸と同一である。図4における横軸は、オフセット周波数として表した参照帯域の高域遮断周波数である。前述したように、αが−1、0のとき、その積分値は図4に示すように発散し、飽和しない。このため、ジッタを正確に算出するには、このような傾きを有するスペクトルに対して、当該傾きを有する周波数帯域の全帯域において積分を行う必要がある。帯域算出部30は、被測定信号の基本周波数(発振周波数又はキャリア周波数)fを、高域遮断オフセット周波数として算出してよい。
図5は、測定するべきジッタの種類と、それぞれのジッタのスペクトルの積分値の関係の一例を示す図である。図5における縦軸及び横軸は、図3における縦軸及び横軸と同一である。
前述したように、タイミングジッタは低域通過特性を示すため、スペクトルの積分値は、より低い周波数で飽和する。これに対し、周期ジッタ及びサイクルツウサイクルジッタは、帯域通過特性を示すため、スペクトルの積分値は、より高い周波数で飽和する。本例においては、タイミングジッタはf/fが8のときに飽和する。また、周期ジッタ及びサイクルツウサイクルジッタは、f/fが70のときに飽和する。帯域算出部30は、測定するべきジッタの種類に応じて、このように異なる参照帯域を算出してよい。
図6は、周期ジッタのスペクトルの傾きと、スペクトルの積分値との関係の一例を示す図である。図6における縦軸及び横軸は、図3における縦軸及び横軸と同一である。図3において説明したよう位相雑音スペクトルと同様に、スペクトルの傾きの絶対値が大きくなるに従い、積分値はより低域の周波数で飽和する。但し、図5において説明したように、周期ジッタスペクトルのそれぞれの傾きにおける積分値が飽和する高域遮断周波数は、位相雑音スペクトルのそれぞれの傾きにおける積分値が飽和する高域遮断周波数より大きくなる。本例においては、αが−4である場合、積分値はf/fが30程度のときに飽和する。また、αが−3である場合、積分値はf/fが70程度のときに飽和する。また、αが−2である場合、積分値はf/fが80程度のときに飽和する。
図3から図6において説明したように、スペクトルの積分値を飽和させるために必要な参照帯域の高域遮断周波数は、スペクトルの傾き及び測定するべきジッタの種類に応じて異なる。帯域算出部30は、測定するべきジッタの種類毎に、スペクトルの傾きと高域遮断周波数とを対応付けた係数テーブルを格納することが好ましい。そして、帯域算出部30は、スペクトルの傾き及び測定するべきジッタの種類に基づいて、高域遮断周波数を算出することが好ましい。
図7(a)は、帯域算出部30が格納する係数テーブルの一例を示す図である。本例において帯域算出部30は、タイミングジッタと周期ジッタとに対して、それぞれスペクトルの傾きと高域遮断周波数とを対応付けた係数テーブルを格納する。
また、スペクトルの傾きは、ジッタの属性によって定まる。例えばα=−4であるスペクトルはランダムウォーク周波数雑音に対応する。また、α=−3であるスペクトルはフリッカ周波数雑音に対応する。また、α=−2であるスペクトルは白色周波数雑音に対応する。また、α=−1であるスペクトルはフリッカ位相雑音に対応する。また、α=0であるスペクトルは白色位相雑音に対応する。つまり、係数テーブルは、タイミングジッタ、周期ジッタ等のジッタの種類毎に、それぞれ測定するべきジッタの属性と、高域遮断周波数とを対応付ける。
ここで、係数テーブルは、それぞれの高域遮断周波数を、低域遮断周波数fに、それぞれ演算係数を乗じた値として格納してよい。図7(b)においては、高域遮断周波数を、キャリア周波数fからのオフセット周波数として、低域遮断周波数の倍数で示す。
また、係数テーブルは、それぞれの高域遮断周波数として、当該演算係数を格納してもよい。例えば、帯域算出部30には、低域遮断周波数が与えられる。帯域算出部30は、当該低域遮断周波数と、当該係数テーブルの検索値とに基づいて、高域遮断周波数を算出する。
図3から図6において説明したように、係数テーブルが格納する高域遮断周波数は、タイミングジッタに対する値より周期ジッタに対する値の方が大きい。また、当該高域遮断周波数は、傾きを示すαの絶対値が大きくなるに従い小さくなる。また、α=−1、0即ち、フリッカ位相雑音及び白色位相雑音に対する高域遮断周波数は、被測定信号のキャリア周波数である。
このような係数テーブルを参照し、測定するべきジッタ種類、測定するべきジッタの属性(即ちスペクトルの傾き)に基づいて、参照帯域を算出することにより、高精度且つ高効率でジッタの測定を行うことができる。
図7(b)は、帯域算出部30が格納する係数テーブルの他の例を示す図である。本例においては、低域遮断周波数が、キャリア周波数fの1/100である場合について説明する。当該低域遮断周波数は、使用者が設定する周波数であってよい。
この場合、図7(a)に示した係数テーブルの各高域遮断周波数の式に、f=f/100を代入すると、図7(b)に示す係数テーブルが得られる。帯域算出部30は、当該係数テーブルを格納してもよい。この場合、帯域算出部30には、キャリア周波数が与えられる。そして、帯域算出部30は、当該キャリア周波数と、当該係数テーブルとに基づいて、高域遮断周波数を算出する。
図8は、帯域算出部30の構成の一例を示す図である。帯域算出部30は、傾き検出部32、遮断周波数算出部34、及びテーブル格納部36を有する。傾き検出部32は、ジッタを測定するべき被測定信号の被測定帯域において、被測定信号のスペクトルの傾きを算出する。本例において傾き検出部32は、ジッタの属性毎に傾きが予め与えられた一又は複数の直線でスペクトルを近似し、それぞれの直線の傾きを算出してよい。
テーブル格納部36は、図7(a)及び図7(b)に関連して説明した係数テーブルを格納する。前述したように、テーブル格納部36は、スペクトルのそれぞれの傾きと、予め与えられる演算係数とを対応づけた係数テーブルを格納する。また、テーブル格納部36は、測定するべきジッタの種類毎に係数テーブルを格納してもよい。
遮断周波数算出部34は、傾き検出部32が検出したスペクトルの傾きに基づいて、参照帯域の高域遮断周波数を算出する。遮断周波数算出部34は、タイミングジッタ、周期ジッタ等の、測定するべきジッタの種類が予め与えられ、当該ジッタの種類と、傾き検出部32から与えられる直線の傾きとに対応する高域遮断周波数を、係数テーブルから検出する。例えば、遮断周波数算出部34は、ジッタ算出部50が、被測定信号のタイミングジッタ、又は周期ジッタのいずれを測定するかに基づいて、テーブル格納部36が格納したいずれの係数テーブルを参照するかを決定する。また、参照帯域の低域遮断周波数は、上述したように、例えば使用者から与えられる周波数である。そして、遮断周波数算出部34は、算出した参照帯域を、ジッタ算出部50に通知する。
図9は、信号変換部10が出力するスペクトルの一例を示す図である。図9においては、当該スペクトルを対数振幅スペクトルとして示す。スペクトルの減衰特性は、当該スペクトルが被測定信号のパワースペクトルである場合と、位相雑音スペクトルである場合とで、略同一の特性を示す。
傾き検出部32は、まず当該対数振幅スペクトルを直線で近似する。遮断周波数算出部34は、当該直線の傾きに対応する高域遮断周波数を係数テーブルから検出する。遮断周波数算出部34は、当該傾きに完全に一致するデータが係数テーブルに無い場合、当該傾きに最も近いデータを係数テーブルから検出してよい。
係数テーブルが高域遮断周波数として前述した乗算係数を格納している場合、遮断周波数算出部34は、図7(a)において説明したように、与えられる低域遮断周波数に、スペクトルの傾きに応じた演算係数を乗算して、高域遮断周波数を算出してよい。また、図7(b)において説明したように、キャリア周波数に、スペクトルの傾きに応じた演算係数を乗算して、高域遮断周波数を算出してもよい。
図10は、信号変換部10が出力するスペクトルの他の例を示す図である。図10に示すように、当該スペクトルが複数の直線で近似される場合、当該スペクトルは、変曲点(A、B、C)を有する。
このような場合においても、帯域算出部30が、参照帯域における被測定信号のスペクトルの積分値の飽和率が、予め定められた飽和率と略等しくなるように参照帯域を算出することにより、ジッタを効率よく且つ精度よく測定することができる。
図11は、図10に示したスペクトルの、参照帯域と積分値との関係を示す図である。図10及び図11において、横軸は対数の周波数である。図10に示すように、被測定信号のスペクトルが複数の直線で近似される場合であっても、図11に示すように、スペクトルの積分値が飽和する周波数が存在する。帯域算出部30は、当該飽和する周波数を、参照帯域の高域遮断周波数として算出する。
図12は、被測定信号のスペクトルが複数の直線で近似される場合の、高域遮断周波数を算出する方法の一例を示すフローチャートである。まず、信号変換部10が、被測定信号の側波帯スペクトルを算出する(S300)。前述したように、当該側波帯スペクトルは、被測定信号のパワースペクトルにおけるキャリア成分の側波帯であってもよい。
次に、傾き検出部32が、被測定信号の側波帯スペクトルの傾きを算出する(S302)。そして、傾き検出部32は、算出した傾きに基づいて、被測定信号の側波帯スペクトルの変曲点を算出する(S304)。図10に示した側波帯スペクトルでは、変曲点(A、B、C)を検出する。
そして、遮断周波数算出部34は、当該側波帯スペクトルを近似した直線のうち、低域の直線における飽和点を算出する(S306)。図10に示した例の場合、遮断周波数算出部34は、周波数が最も小さい直線(キャリア周波数から変曲点Aまでの直線)の積分値が飽和する点を算出する。
このとき、遮断周波数算出部34は、当該直線が、変曲点Aより高い周波数帯まで連続しているとして取り扱う。そして、所定の被測定帯域におけるスペクトルの積分値と、飽和点までの当該直線の積分値との比が、予め定められた飽和率(X/100とする)となる飽和点を検出する。
次に、検出した飽和点の周波数と、変曲点Aの周波数とを比較する(S308)。飽和点の周波数が、変曲点Aの周波数より小さい場合、当該飽和点の周波数を、参照帯域の高域遮断周波数として算出する(S310)。
飽和点の周波数が、変曲点Aの周波数より大きい場合、当該直線は、当該飽和点の周波数においては存在しない。このため、当該飽和点の周波数を、参照帯域の高域遮断周波数として用いるべきではない。このような場合、遮断周波数算出部34は、キャリア周波数から変曲点Aまでの飽和率(X'/100)を算出する(S312)。そして、変曲点Aの周波数を低域遮断周波数とし、変曲点Aより高域の直線における飽和点を算出する(S314)。S314においては、飽和点を検出するための閾値飽和率を、(X−X')/(100−X')として算出する。つまり、低域の直線と当該直線とを合わせた全体の飽和率が、X/100となる飽和点を検出する。
次に、遮断周波数算出部34は、変曲点Aより高い周波数の変曲点があるか否かを検出する(S316)。本例では、変曲点Aより周波数の高い変曲点B、Cが存在する。当該変曲点が存在する場合、次に周波数が高い変曲点(本例では変曲点B)について、S308〜S316の処理を繰り返す。また、S316において、他の変曲点が検出されなくなったとき、遮断周波数算出部34は、S314において最後に算出した飽和点を、高域遮断周波数として算出する(S318)。
このような制御により、複数の直線で近似されるスペクトルに対する、参照帯域の高域遮断周波数を算出することができる。
図13は、参照帯域を算出する他の例を示す図である。本例において、帯域算出部30は、信号変換部10が出力するスペクトルにおける基本波スペクトルのピークレベルと、第2次高調波スペクトルのピークレベルとのレベル差、及び基本波の側波帯スペクトルの傾きに基づいて、参照帯域を算出する。
図14は、基本波スペクトルと、第2次高調波スペクトルとを示す模式図である。本例における帯域算出部30は、基本波スペクトルの上側波帯と、第2次高調波スペクトルの下側波帯との交点を、高域遮断周波数として算出する。
一般に、基本波スペクトルの上側波帯を近似した直線の傾きを−Kとすると、第2次高調波スペクトルの下側波帯を近似した直線の傾きは2Kで与えられる。また、第2次高調波スペクトルのピークの振幅は、基本波スペクトルのピークの振幅に対し、L[dBR]減衰する。このため、当該交点は、当該レベル差が大きくなるに従い、第2次高調波へ近づくことになり、当該交点の周波数は、基本波スペクトルの当該傾きと、当該レベル差とから算出できる。
例えば、基本波スペクトルのピーク周波数fに対する、当該交点のオフセット周波数fは、下式により算出できる。
Figure 2006313160
但し、fは基本スペクトルのピーク周波数、fは低域遮断周波数のオフセット周波数を示す。低域遮断周波数のオフセット周波数は、例えばf/100である。このようなオフセット周波数を高域遮断周波数のオフセット周波数とすることにより、第2次高調波の寄与が、基本波の寄与より大きくなることを防ぐことができる。このため、ジッタを精度よく算出することができる。
また、位相雑音スペクトルは、両側スペクトルであるから、ジッタを正確に観測するためには、f−fからf+fの参照帯域で測定することが好ましい。
図15は、ジッタ測定装置100の構成の他の例を示す図である。本例におけるジッタ測定装置100は、位相雑音スペクトルの傾きに基づいて、参照帯域を決定する。ジッタ測定装置100は、信号変換部60、瞬時位相算出部62、リニア成分除去部64、ジッタ測定部66、雑音スペクトル算出部68、及び帯域算出部30を備える。
信号変換部60は、被測定信号を解析信号に変換する。例えば信号変換部60は、被測定信号をヒルベルト変換するヒルベルト変換フィルタを有してよい。瞬時位相算出部62は、解析信号に基づいて、被測定信号の瞬時位相を算出する。例えば瞬時位相算出部62は、解析信号の実信号と虚信号との比から、瞬時位相を算出する。また、瞬時位相算出部62は、瞬時位相をアンラップする。例えば、瞬時位相算出部62は、鋸波類似の波形を有する瞬時位相を、略直線の波形の信号に変換する。
リニア成分除去部64は、アンラップされた被測定信号の瞬時位相の直線成分を除去し、被測定信号の瞬時位相雑音を算出する。例えば、リニア成分除去部64は、被測定信号に雑音が無い場合の瞬時位相を、瞬時位相算出部62が出力する瞬時位相から除去することにより、瞬時位相雑音を算出する。雑音スペクトル算出部68は、瞬時位相雑音のスペクトルを算出する。雑音スペクトル算出部68は、例えばフーリエ変換により瞬時位相雑音のスペクトルを算出する。
帯域算出部30は、ジッタを測定するべき被測定帯域における、瞬時位相雑音のスペクトルの傾きに基づいて、ジッタを算出するために参照するべきスペクトルの参照帯域を算出する。帯域算出部30は、図1に関連して説明した帯域算出部30と同一の機能及び構成を有する。そして、帯域算出部30は、算出した参照帯域に応じて、信号変換部60が有するフィルタの通過帯域を制御する。帯域算出部30は、算出した参照帯域に応じて、ジッタ測定部66の参照帯域を制御してもよい。
瞬時位相算出部62及びリニア成分除去部64は、参照帯域に対して信号変換部60が出力する解析信号に基づいて、瞬時位相雑音を算出する。そして、ジッタ測定部66は、当該瞬時位相雑音に基づいて、被測定信号のジッタを測定する。
このような構成により、図1に関連して説明したジッタ測定装置100と同様に、被測定信号のジッタを精度よく且つ効率よく測定することができる。また、図1及び図15に示したように、スペクトルの傾きから、ジッタを測定するべき最適な参照帯域を算出して測定する方法は、様々なジッタ測定方法に対して用いることができる。例えば、タイムインターバルアナライザによるジッタ測定、リアルタイムオシロスコープによるジッタ測定、アナログ方式のスペクトラムアナライザによる位相雑音測定、及びその他の方法によるジッタ測定において、最適な参照帯域を算出して測定することにより、ジッタ測定を高精度且つ高効率にすることができる。
以下、スペクトルの傾きから、参照帯域を決定する理論の詳細を説明する。本例においては、位相雑音のべき乗スペクトルSΔφΔφ(f)の傾きから、誤差を最小化し、且つ測定時間を最小化する参照帯域を決定する場合について説明する。図1から図15において説明したジッタ測定装置100は、位相雑音のべき乗スペクトルの傾きに基づいて、参照帯域を決定してよい。
位相雑音のべき乗スペクトルの関数は下式であたえられる。
Figure 2006313160
・・・式(1)
但し、f^αは、横軸に周波数の対数をとり、縦軸にスペクトルの強度をとったときの、当該関数の傾きに対応する。またhαは、例えばスペクトルのピークの強度を示し、定数である。またf及びfは、参照帯域の低域遮断周波数(オフセット周波数)及び高域遮断周波数(オフセット周波数)を示す。
参照帯域において、瞬時位相雑音の二乗平均値を計算すると、式(1)から下式が得られる。
Figure 2006313160
・・・式(2)
即ち
Figure 2006313160
・・・式(3)
まず、最適な参照帯域について検討する。α=−4、−3、−2のとき、式(3)は、下式のようにあらわせる。
Figure 2006313160
・・・式(4)
参照帯域[f、f]を十分大きくとると、αは負の値であるから、(f/f)^α+1は十分小さくなり、式(4)は一定値に飽和する。但し、式(4)を一定値に飽和させる参照帯域は、低域遮断周波数と、高域遮断周波数との比、及びαに依存し、低域遮断周波数のみでは決まらない。スペクトルの関数は、低域遮断周波数に対して一定の傾きで単調に連続で減少するので、任意の周波数を低域遮断周波数としても、最適な参照帯域を与える高域遮断周波数が存在する。このとき、当該高域遮断周波数より大きい周波数までべき乗スペクトルの面積を求めても、当該参照帯域における面積より大きくならず、一定の値に飽和する。
次に、低域遮断周波数について検討する。位相雑音スペクトルはロールオフ特性を示すから、低域遮断周波数が高域遮断周波数より十分小さいとき、式(3)は、下式とみなせる。
Figure 2006313160
・・・式(5)
式(5)は、鋭いロールオフ特性を有する発振器であるほど、十分小さい低域遮断周波数から観測しなければならないことを示している。参照帯域の低域遮断周波数は、図3において説明したように、使用者が発振器のロールオフ特性に応じて与える周波数であってよい。すなわち、任意の低域遮断周波数が設定される。このような任意の低域遮断周波数に対しても、上述したように、最適な参照帯域を与える高域遮断周波数が存在する。
次に、高域遮断周波数について検討する。ここでは、低域遮断周波数を、f/100として説明する。例えば、f=f/10、α=−4とすると、(f/f)^α+1=10^3は、(f/f)^α+1=10^6と比べ十分小さく、当該高域遮断周波数より高い周波数帯域を測定しないことによる誤差は無視できる。即ち、理想的な高域遮断周波数は、少なくともf=f/10より小さいことがわかる。例えば、α=−4、−3のときは、f=8f=f×8/100なる周波数まで観測すれば、測定誤差は十分小さくなる。しかし、α=−2のとき、f=f/10とすると、(f/f)^α+1=10は、(f/f)^α+1=10^2となり、10%程度の誤差が生じることとなり、無視できない。α=−2のときは、高域遮断周波数f=60f程度まで観測すれば、十分誤差を小さくできる。
即ち、べき乗スペクトルの傾きの絶対値が小さいほど、高域遮断周波数を高い周波数に設定しなければ、位相雑音スペクトルの二乗平均値を精度よく測定できないことがわかる。
また、α=−1、0に対し、式(3)は発散する。即ち高域遮断周波数を無限大にした場合、式(3)の位相雑音スペクトルの二乗平均値は無限大となる。係る場合、位相雑音スペクトルの二乗平均値を測定するべき直線の低域側の変曲点に対応する周波数を低域遮断周波数とし、高域側の変曲点に対応する周波数を高域遮断周波数とすることにより、位相雑音スペクトルを測定することができる。
次に、周期ジッタを測定する場合について説明する。周期ジッタの二乗平均値は、下式で与えられる。
Figure 2006313160
・・・式(6)
位相雑音スペクトルにおける式(3)〜(5)と同様に、式(6)を展開し、低域遮断周波数をf/100とした場合、それぞれのαに対して、誤差が十分小さくなる高域遮断周波数は、図7に示す値となる。
また、サイクルツウサイクルジッタを測定する場合、サイクルツウサイクルジッタの二乗平均値は、下式で与えられる。
Figure 2006313160
・・・式(7)
位相雑音スペクトルにおける式(3)〜(5)と同様に、式(7)を展開し、低域遮断周波数をf/100とした場合、それぞれのαに対して、誤差が十分小さくなる高域遮断周波数は、周期ジッタを測定する場合と略同一となる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以上から明らかなように、本発明によれば、被測定信号のジッタを測定するジッタ測定装置において、被測定信号を観測するべき最適な参照帯域を算出することにより、測定誤差を最小化し、且つ測定時間を最小化することができる。
本発明の実施形態に係るジッタ測定装置100の構成の一例を示す図である。 被測定信号のスペクトルS(f)を直線で近似した例を示す図である。 位相雑音スペクトルの傾きを示すαが−4から−2のときの、当該スペクトルの積分値と参照帯域との関係の一例を示す図である。 αが−1、0のときの、位相雑音スペクトルの積分値と参照帯域との関係の一例を示す図である。 測定するべきジッタの種類と、それぞれのジッタのスペクトルの積分値の関係の一例を示す図である。 周期ジッタのスペクトルの傾きと、スペクトルの積分値との関係の一例を示す図である。 図7(a)及び図7(b)は、帯域算出部30が格納する係数テーブルの一例を示す図である。 帯域算出部30の構成の一例を示す図である。 信号変換部10が出力するスペクトルの一例を示す図である。 信号変換部10が出力するスペクトルの他の例を示す図である。 図10に示したスペクトルの、参照帯域と積分値との関係を示す図である。 被測定信号のスペクトルが複数の直線で近似される場合の、高域遮断周波数を算出する方法の一例を示すフローチャートである。 参照帯域を算出する他の例を示す図である。 基本波スペクトルと、第2次高調波スペクトルとを示す模式図である。 ジッタ測定装置100の構成の他の例を示す図である。
符号の説明
10・・・信号変換部、12・・・周波数シフト部、14・・・帯域通過フィルタ、16・・・解析信号変換部、18・・・フーリエ変換部、20・・・スペクトル連結部、30・・・帯域算出部、32・・・傾き検出部、34・・・遮断周波数算出部、36・・・テーブル格納部、50・・・ジッタ算出部、60・・・信号変換部、62・・・瞬時位相算出部、64・・・リニア成分除去部、66・・・ジッタ測定部、68・・・雑音スペクトル算出部、100・・・ジッタ測定装置

Claims (11)

  1. 被測定信号のジッタを測定するジッタ測定装置であって、
    前記被測定信号のスペクトルを算出する信号変換部と、
    予め設定される被測定帯域において、前記被測定信号のスペクトルの積分値の飽和率が、予め定められた飽和率と略等しくなる周波数を、前記ジッタを算出するために参照するべき参照帯域の高域遮断周波数として算出する帯域算出部と、
    前記被測定信号の前記参照帯域における前記スペクトルに基づいて、前記被測定信号のジッタを測定するジッタ算出部と
    を備えるジッタ測定装置。
  2. 前記帯域算出部は、前記被測定信号の前記スペクトルの傾きに基づいて、前記高域遮断周波数を算出する
    請求項1に記載のジッタ測定装置。
  3. 前記帯域算出部は、
    前記被測定帯域において、前記スペクトルの包絡を近似した直線の傾きを検出する傾き検出部と、
    前記スペクトルの傾きに基づいて、前記高域遮断周波数を算出する遮断周波数算出部と
    を有する請求項2に記載のジッタ測定装置。
  4. 前記遮断周波数算出部は、前記参照帯域の低域遮断周波数として与えられる周波数に、前記スペクトルの傾きに応じた演算係数を乗算して、前記高域遮断周波数を算出する
    請求項3に記載のジッタ測定装置。
  5. 前記帯域算出部は、前記スペクトルのそれぞれの傾きと、前記スペクトルの傾きの絶対値が大きくなるに従い値が減少する演算係数とを対応づけた係数テーブルを格納するテーブル格納部を更に備え、
    前記遮断周波数算出部は、前記スペクトルの傾きに対応する演算係数を用いて前記高域遮断周波数を算出する
    請求項4に記載のジッタ測定装置。
  6. 前記帯域算出部は、前記スペクトルにおける基本波スペクトルのピークレベルと、第2次高調波スペクトルのピークレベルとのレベル差に基づいて、前記高域遮断周波数を算出する
    請求項1に記載のジッタ測定装置。
  7. 前記遮断周波数算出部は、前記高域遮断周波数と、前記スペクトルの包絡を近似した直線の傾きとに基づいて、前記参照帯域の低域遮断周波数を算出する
    請求項1に記載のジッタ測定装置。
  8. 前記信号変換部は、前記被測定信号の前記スペクトルとして、前記被測定信号のべき乗スペクトルを算出する
    請求項1に記載のジッタ測定装置。
  9. 被測定信号のジッタを測定するジッタ測定方法であって、
    前記被測定信号のスペクトルを算出する信号変換段階と、
    前記スペクトルの積分値の飽和率が、予め定められた飽和率と略等しくなる周波数を、前記ジッタを算出するために参照するべき前記被測定信号の前記スペクトルの参照帯域の高域遮断周波数として算出する帯域算出段階と、
    前記被測定信号の前記参照帯域における前記スペクトルに基づいて、前記被測定信号のジッタを測定するジッタ算出段階と
    を備えるジッタ測定方法。
  10. 被測定信号のジッタを測定するジッタ測定装置であって、
    前記被測定信号を解析信号に変換する信号変換部と、
    前記解析信号に基づいて、前記被測定信号の瞬時位相を算出する瞬時位相算出部と、
    前記瞬時位相の直線成分を除去し、前記被測定信号の瞬時位相雑音を算出するリニア成分除去部と、
    前記瞬時位相雑音のスペクトルを算出する雑音スペクトル算出部と、
    前記ジッタを測定するべき被測定帯域における、前記瞬時位相雑音の前記スペクトルの積分値の飽和率が、予め定められた飽和率と略等しくなる周波数を、前記ジッタを算出するために参照するべき参照帯域の高域遮断周波数として算出する帯域算出部と、
    前記参照帯域における前記スペクトルに基づいて、前記被測定信号のジッタを測定するジッタ算出部と
    を備えるジッタ測定装置。
  11. 被測定信号のジッタを測定するジッタ測定方法であって、
    前記被測定信号を解析信号に変換する信号変換段階と、
    前記解析信号に基づいて、前記被測定信号の瞬時位相を算出する瞬時位相算出段階と、
    前記瞬時位相の直線成分を除去し、前記被測定信号の瞬時位相雑音を算出するリニア成分除去段階と、
    前記瞬時位相雑音のスペクトルを算出する雑音スペクトル算出段階と、
    前記ジッタを測定するべき被測定帯域における、前記瞬時位相雑音の前記スペクトルの積分値の飽和率が、予め定められた飽和率と略等しくなる周波数を、前記ジッタを算出するために参照するべき参照帯域の高域遮断周波数として算出する帯域算出段階と、
    前記参照帯域における前記スペクトルに基づいて、前記被測定信号のジッタを測定するジッタ算出段階と
    を備えるジッタ測定方法。
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