JP2006312844A - 建物外壁の換気構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 下階外壁と上階外壁との間にバルコニーが配設された建物にあっても、下階外壁の換気用通路の空気をスムーズに屋外に排出できて下階外壁の換気用通路の換気効率を向上できる建物外壁の換気構造を提供する。
【解決手段】 バルコニー腰壁1の内部に上下に亙る通気路2を形成する。通気路2の下部に形成した取入口3と下階外壁5に上下に亙って設けた換気用通路7aとを連通する。下階外壁5の換気用通路7aの空気を屋外へ排出するための排気口4をバルコニー腰壁1の通気路2の上部に設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 バルコニー腰壁1の内部に上下に亙る通気路2を形成する。通気路2の下部に形成した取入口3と下階外壁5に上下に亙って設けた換気用通路7aとを連通する。下階外壁5の換気用通路7aの空気を屋外へ排出するための排気口4をバルコニー腰壁1の通気路2の上部に設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、建物外壁の換気構造に関するものである。
従来から、建物外壁には、防風シートを外面に被着した壁用断熱材を内装材と外装材との間に配設すると共に、防風シートと外装材との間に外壁の上下に亙る換気用通路を形成し、この換気用通路で換気をすることで壁内での結露発生を防止して壁用断熱材の断熱性能の低下の防止を図ったものがある。そして通常は、下階外壁の換気用通路と上階外壁の換気用通路とを連通させ、下階外壁の換気用通路の空気を上階外壁の換気用通路に至らしめて上階外壁の換気用通路の上端に設けた出口から屋外へ排出するといったように、建物の外壁全体に上下に亙る換気用通路を形成することが行われている(たとえば特許文献1参照)。
このような建物外壁に上下に亙る換気用通路を形成した建物にあって、下階外壁の真上に上階外壁が位置し、下階外壁の換気用通路と上階外壁の換気用通路とが直線的に連通された場合には、下階外壁の換気用通路の空気を最短距離で比較的スムーズに上階外壁の換気用通路に至らしめることができるから、下階外壁の換気用通路の空気を上階外壁の換気用通路を介して屋外へ換気効率良く排出することができる。
しかしながら、建物の下階の屋根の一部にバルコニーが配設されたりして下階外壁の真上に上階外壁が位置しない建物の場合には、下階外壁の換気用通路の空気は屋根裏空間やバルコニーの下方空間を経て上階外壁の換気用通路に至るのであり、このとき下階外壁の換気用通路の空気は屋根裏空間やバルコニーの下方空間で滞留してしまう恐れがあって、下階外壁の換気用通路に良好な換気効率が得られないといった問題があった。
また、下階外壁の真上に上階外壁が位置しているも下階外壁と上階外壁との間から屋外側へバルコニーが突出するように配設された場合には、下階外壁の換気用通路の空気は一旦バルコニーの下方空間に入った後に上階外壁の換気用通路に至るのであり、ここで、バルコニーの下方空間には空気の流通を妨げるバルコニー骨組の梁材等が存在しているので、下階外壁の換気用通路の空気はバルコニーの下方空間にて滞留してしまう恐れがあり、下階外壁の換気用通路の良好な換気効率は得られないのであった。
しかも、建物の下階の部屋の上方にバルコニーが配設された建物の場合(つまりバルコニーの下方空間として部屋の天井裏空間がこれを構成した場合)には、通常、天井裏空間には部屋の断熱性を高めるために部屋用断熱材が防風シートが被着されない状態で置かれるように敷設施工されているから、天井裏空間に滞留した湿気を含んだ下階外壁の換気用通路の空気によって部屋用断熱材に湿気が含まれるようになり、部屋用断熱材の断熱性能を低下させてしまうといった恐れもあった。
特開昭62−273345号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて為したものであって、下階外壁と上階外壁との間にバルコニーが配設された建物にあっても、下階外壁の換気用通路の空気をスムーズに屋外に排出できて下階外壁の換気用通路の換気効率を向上できる建物外壁の換気構造を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係る建物外壁の換気構造は、バルコニー腰壁1の内部に上下に亙る通気路2を形成し、通気路2の下部に形成した取入口3と下階外壁5に上下に亙って設けた換気用通路7aとを連通し、下階外壁5の換気用通路7aの空気を屋外へ排出するための排気口4をバルコニー腰壁1の通気路2の上部に設けたことを特徴とする。これによると、下階外壁5の換気用通路7aの空気をバルコニー腰壁1の通気路2を介して屋外へスムーズに排出することができる。つまり、下階外壁5と上階外壁6との間にバルコニーAが配設されて下階外壁5の換気用通路7aの空気が一旦バルコニーAの下方空間8に入り込むような建物であってもバルコニー腰壁1の通気路2を介して屋外へ排出することができるのであり、バルコニーAの下方空間8での滞留を抑制して屋外へスムーズに排出することができるのであり、つまり、下階外壁5の換気用通路7aの換気効率を向上できる。このように、一般に建物に設けられるバルコニーAのバルコニー腰壁1の通気路2によって下階外壁5の換気用通路7aの換気効率を向上できたので、下階外壁5の換気用通路7aの換気効率の向上のために下階外壁5の真上に上階外壁6を配置するといった制約を無くすることができ、つまり外壁内の換気が建物の下階と上階との平面プランに何ら影響を与えることなくできるのである。
また、請求項2に係る建物外壁の換気構造は、請求項1において、下階外壁5の上方にバルコニー腰壁1を配置し、下階外壁5の換気用通路7aとバルコニー腰壁1の通気路2とを略直線状に連通させたことを特徴とする。これによると、下階外壁5の換気用通路7aの出口20とバルコニー腰壁1の通気路2の取入口3とを上下に対向配置でき、下階外壁5の換気用通路7aの空気をそのまま上昇させてスムーズにバルコニー腰壁1の通気路2に至らしめて通気路2の排気口4から屋外へ排出することができるのであり、下階外壁5の換気用通路7aの換気効率の更なる向上を図ることができる。
また、請求項3に係る建物外壁の換気構造は、請求項2において、下階の部屋Rの上方にバルコニーAを配設し、部屋用断熱材9を配設した天井裏空間8bをバルコニーAの下方空間8に有した建物であって、上記バルコニーAの下方空間8に、下階外壁5の換気用通路7aとバルコニー腰壁1の通気路2とを直線状に連通する通気空間8aを設けると共に、この通気空間8aと天井裏空間8bとを仕切る仕切り材10を設けたことを特徴とする。これによると、仕切り材10によって、下階外壁5の換気用通路7aの空気を、部屋用断熱材9が配設された下階の部屋Rの天井裏空間8bに入れることなく、通気空間8aを経てバルコニー腰壁1の通気路2にスムーズに至らしめて通気路2の排気口4から屋外に排出することができるのであり、すなわち、湿気を多量に含んだ下階外壁5の換気用通路7aの空気が、部屋Rの断熱性を高めるために天井裏空間8bに置かれるように敷設された部屋用断熱材9に湿気を含ませてしまうことを回避できるのであり、部屋用断熱材9の断熱性能の低下を回避することができる。
本発明は、一般に建物に配設されるバルコニーのバルコニー腰壁の通気路を介して下階外壁の換気用通路の空気を屋外へ排出可能にしたことで、下階外壁の換気用通路の換気効率を高めることができ、ひいては、下階外壁の換気用通路の換気効率の向上を図りつつも建物の平面プランの制約の幅を狭めることができるという利点を有し、また、下階外壁の上方にバルコニー腰壁を位置させて下階外壁の換気用通路とバルコニー腰壁の通気路とを略直線状に連通させると、下階外壁の換気用通路の空気をバルコニー腰壁の通気路にスムーズに至らせることが可能になって下階外壁の換気用通路の換気効率を更に向上できるという利点を有し、また、下階外壁の換気用通路の空気を、仕切り材によって通気空間にのみ流すようにして天井裏空間に流入させないようにすると、部屋の断熱性向上のため天井裏空間に敷設された部屋用断熱材が湿るのを防止できて断熱性能を維持できるという利点を有する。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
図1乃至図3に本発明の実施の形態の例を示す。本例の建物は、図1のように、下階外壁5の真上に上階外壁6が配設され、下階外壁5と上階外壁6との間から屋外側へバルコニーAが突出するように配設された住宅である。
下階外壁5及び上階外壁6は外壁パネル11にて構成される。この外壁パネル11は、上枠材12及び下枠材13及び縦枠材を矩形状に組み上げてなるパネル枠に板状の内装材14と板状の外装材15とが固定されると共に、内装材14と外装材15と間に屋外側に防風シート16を被着した壁用断熱材17が配設され、外装材15は防風シート16との間に外壁パネル11の上下に亙る隙間状の換気用通路7を形成するようにパネル枠の屋外側に固定した複数本の縦桟材18に屋外側から固定されている。なお、この換気用通路7は外壁パネル11の下端にその入口19が設けられ、外壁パネル11の上端にその出口20が設けられている。
そして、下階外壁5は、外壁パネル11の下部を基礎21の上に土台金物22を介して載置し、外壁パネル11の上部をバルコニーAの屋内側に沿って配設された建物骨組の一部を構成する床梁53に連結金物(図示せず)を介して取付けることで建込まれている。なお、図中23は下階外壁5の下端に亙って装着された基礎見切材である。また、上階外壁6は、外壁パネル11の下部を上記床梁53に土台金物22を介して載置し、図示はしないが建物骨組の一部を構成する上階の天井梁に連結金物(図示せず)を介して取付けることで建込まれている。バルコニーAは、建物骨組から屋外側にバルコニー骨組24を一体に突設し、バルコニー骨組24の上面にバルコニー床材25を載置し、バルコニー骨組24の下面に軒天井材26を取付け、バルコニーAの外縁に亙ってバルコニー腰壁1を立設させたことで形成されている。すなわち、バルコニーAの下方空間8はバルコニー床材25と軒天井材26とで囲まれた中空の軒裏空間8cとされており、下階外壁5の換気用通路7aの出口20及び上階外壁6の換気用通路7bの入口19は軒裏空間8cに臨んでおり、つまり、下階外壁5の換気用通路7aと上階外壁6の換気用通路7bとは軒裏空間8cを介して連通されている。
バルコニー腰壁1は、図3のように、バルコニー骨組24の一部を構成するバルコニーAの外縁に沿って配設されたバルコニー梁27から間隔をあけて複数の支柱28を立設すると共に各支柱28の上端に渡すように横架材29を架設してなる腰壁骨組30に、腰壁パネル31を取付けることで形成されている。腰壁パネル31は、上枠材32、下枠材33及び縦枠材34を矩形状に組み上げた木質の枠体を有し、この枠体の屋外側に表面板材35を固定すると共に枠体の建物側に背面板材36を固定することで形成されており、腰壁パネル31の内部は枠体と表面板材35と背面板材36とで囲まれた中空部37に形成されている。そして、バルコニー腰壁1は、バルコニーAの外縁に配設されたバルコニー梁27に敷設した木質の横桟材38の上に腰壁パネル31の下部を載置し、腰壁パネル31の上部を横架材29に取付けることで、バルコニーAの外縁に亙って立設されている。また、図中39は笠木、40は手摺りである。上枠材32の上面には防水用シート41が被着されると共にこの防水用シート41を介して取付用金具42が載置固定され、この取付用金具42にバルコニーAの外縁に沿う笠木39や手摺り40が取付けられている。ここで、笠木39は腰壁パネル31の上部との間に屋外に開放された隙間Sを介して配設されている。
また、このバルコニー腰壁1には上下に亙る通気路2が形成されている。この通気路2は、バルコニー腰壁1の下部に設けた取入口3から、バルコニー腰壁1の内部の中空部37を経て、バルコニー腰壁1の上部に設けた排気口4により屋外へ至る空気経路である。詳しくは、取入口3は腰壁パネル31の下枠材33に穿孔した貫通孔43がこれを構成しており、取入口3にて腰壁パネル31の中空部37と軒裏空間8cとが連通されている。排気口4は笠木39と腰壁パネル31の上部との隙間Sにおける屋外への開放部分がこれを構成している。腰壁パネル31の中空部37と上記隙間Sとは、図2(b)のように、横架材29のウェブ部に穿設した貫通孔44、横架材29の上方位置の上枠材32に埋設した貫通管45を介して連通されている。ここで、貫通管45の上部は上枠材32の上面よりも突出しており、これにより、雨水が屋外から隙間Sに侵入して上枠材32の上面の防水用シート41上に至ったとしても、貫通管45を介しての腰壁パネル31内への侵入は防止されている。
このように本例の建物では、下階外壁5の換気用通路7aが、軒裏空間8cを介して、上階外壁6の換気用通路7bとバルコニー腰壁1の通気路2とに連通されている。しかして、軒裏空間8cに一旦入った下階外壁5の換気用通路7aの空気は、矢印Cのように、上階外壁6の換気用通路7bのみならず、バルコニー腰壁1の通気路2にも至るようにされ、上階外壁6の換気用通路7bの出口20や通気路2の排気口4から屋外へ排出されるようになっている。すなわち、本例では、バルコニーAの下方空間8において、従来上階外壁6の換気用通路7bのみであった空気の排出経路を、バルコニー腰壁1の通気路2を設けた分増やすことができたものである。しかして、バルコニーAの下方空間8の換気効率が高められ、その結果、下階外壁5の換気用通路7aの換気効率の向上が図られているのである。
以下、本発明の実施の形態の他例を列挙する。これらの例の説明では、先例と同構造の部位には同符合を付して説明を省き、異なる部位を中心に説明していく。
図4の例は、下階の屋根にバルコニーAを設けた住宅であり、詳しくは、下階の部屋Rの上方にバルコニーAが配設されている。このバルコニーAにあってバルコニー骨組24の上面に敷設したバルコニー床材25は下階の屋根を兼ねており、またバルコニー骨組24の下面には部屋Rの天井材46が取付けられており、しかして、バルコニーAの下方空間8は屋根裏空間を兼ねた下階の部屋Rの天井裏空間8bとされている。基礎21上に立設した下階外壁5はバルコニーAの外縁に配設したバルコニー梁27の下部に取付けられており、このバルコニー梁27の上部にはバルコニー腰壁1が立設されている。つまり、下階外壁5の略真上にバルコニー腰壁1が配置されており、バルコニー腰壁1の通気路2の取入口3と下階外壁5の換気用通路7aの出口20とは天井裏空間8bを挟んで上下で対向する位置関係を有している。また、上階外壁6はバルコニーAの屋内側に沿う床梁53に載置されて建て込まれており、しかして上階外壁6は下階外壁5より建物側に引き込んだ位置に位置されている。
上記構成を有する図4の建物では、下階外壁5の換気用通路7aの空気の大部分は、矢印Dのように、下階外壁5の換気用通路7aの出口20からそのまま上昇することでバルコニー腰壁1の通気路2にスムーズに至り、通気路2の排気口4から屋外へ排出されるようになっており、また、下階外壁5の換気用通路7aの空気の一部は、矢印Eのように、換気用通路7aの出口20から天井裏空間8bを介して上階外壁6の換気用通路7bに至り、上階外壁6の換気用通路7bの出口20から屋外へ排出されるようになっている。なお、バルコニー梁27には軽量化や配線を図るためにウェブ部に開口27aが形成されたりラチス形状の梁材にて構成されたりするのであり、下階外壁5の換気用通路7aの空気の一部はバルコニー梁27の上記開口27a等を通過して上階外壁6の換気用通路7bに至るようになっている。このように、下階外壁5の真上に上階外壁6が位置しないような建物にあっても、下階外壁5の換気用通路7の空気は天井裏空間8bを介してバルコニー腰壁1の通気路2や上階外壁6の換気用通路7bから屋外へ排出されるのであり、つまり従来上階外壁6の換気用通路7bのみであった空気の排出経路をバルコニー腰壁1の通気路2を設けた分増やすことができたものであり、下階外壁5の換気用通路7aの換気効率の向上が図られているのである。なお、下階外壁5の換気用通路7aと上階外壁6の換気用通路7bとを連通させるバルコニーAの下方空間8(天井裏空間8b)にあっても、本例ではバルコニー腰壁1の通気路2が連通されていて、空気の排出経路が従来のように上階外壁6の換気用通路7bのみではないため、天井裏空間8bの換気効率が向上しており、下階外壁5の換気用通路7aの空気が天井裏空間8bに滞留することも抑制されているから、下階外壁5の換気用通路7aの換気に支障となるものではない。更に言うと、本例では、下階外壁5の換気用通路7aの空気は、その大部分が下階外壁5の真上に位置したバルコニー腰壁1の通気路2から屋外へスムーズに排出されるのであり、この点でも下階外壁5の換気用通路7aの換気効率の向上が図られているのである。
図5の例は、図4の変形例である。部屋Rの断熱を図るため、天井裏空間8bには天井材46上に単に置くようにして部屋用断熱材9が敷設されるのであるが、この部屋用断熱材9の断熱性能の低下を防止するようにした例である。つまり、バルコニーAの下方空間8には部屋用断熱材9が敷設された天井裏空間8bと仕切られた通気空間8aが形成されており、下階外壁5の換気用通路7aの空気は全て、矢印Fのように、通気空間8aを介してバルコニー腰壁1の通気路2に至り、通気路2の排気口4から屋外へ排出されるようにしている。通気空間8aは、下階外壁5の換気用通路7aの出口20に一端が連通すると共にバルコニー腰壁1の通気路2の取入口3に他端が連通するような空間である。本例では上記開口27aを設けないバルコニー梁27にて仕切り材10が構成され、幕板47と仕切り材10との間の空間を天井裏空間8bと仕切られた通気空間8aにしている。なお、仕切り材10としてはこれに限らず、天井裏空間8bと通気空間8aとを仕切るようなシート状のものや、下階外壁5の換気用通路7aの出口20とバルコニー腰壁1の通気路2の取入口3とを直接接続する管状のものを用いてもよい。本例ではこのように下階外壁5の換気用通路7aの空気が、バルコニー腰壁1の通気路2に至るまでに天井裏空間8bに入ってしまうことが完全に防止されており、天井裏空間8bに配設した部屋用断熱材9の断熱性能の低下が回避されているのである。
また、図6及び図7の例は、先例の建物と同様、下階の屋根の一部にバルコニーAを設けた住宅であるが、図6のように、下階に建物側には入り玄関48が引き込むように設けられ、上階に少なくとも入り玄関48の上方を覆うようにバルコニーAが配設されている。詳しくは、本例の入り玄関48は、下階外壁における建物の外面壁49から側面壁50を建物側に引き込むように形成し、この側面壁50の建物側端部から正面壁51を延設してこの正面壁51に玄関扉52を配設したことで形成されている。図7で断面となった下階外壁5は入り玄関48の正面壁51であり、この下階外壁5の上部はバルコニーAの建物側に沿って配設した建物骨組の床梁53の下部に取付けられている。また、上階外壁6は上記床梁53の上部に立設されている。また図7で奥方に外装面が現れた下階外壁5は入り玄関48の側面壁50であり、この下階外壁5の上部はバルコニーAの屋外側に沿って配設されたバルコニー梁27と建物骨組の床梁53との間に架設されたバルコニー骨組24の梁材(図示せず)に取付けられている。しかして、バルコニーAの下方空間8にあっては、入り玄関48の上方部位では軒裏空間8cとなっており、それ以外の部位では天井裏空間8bとなっている。
ここで、入り玄関48の側面壁50を構成する下階外壁5の換気用通路7aの空気は、バルコニーAの下方空間8を介して、この下階外壁5の換気用通路7aの出口20との距離が近い方のバルコニー腰壁1の通気路2または上階外壁6の換気用通路7bのいずれかに至るのであり、バルコニー腰壁1の通気路2の排気口4または上階外壁6の換気用通路7bの出口20から屋外へ排出されるようになっている。詳しくは、入り玄関48の側面壁50を構成する下階外壁5の換気用通路7aにあってバルコニーAの屋外側部位に近い位置の空気(図中Iの部分)は、矢印Gのように、バルコニーAの下方空間8を介してバルコニー腰壁1の通気路2に比較的スムーズに至ることができて、バルコニー腰壁1の通気路2の排気口4から屋外へ排出されるようになっており、また、入り玄関48の側面壁50を構成する下階外壁5の換気用通路7aにあってバルコニーAの建物側部位に近い位置の空気(図中Jの部分)は、矢印Hのように、バルコニーAの下方空間8を介して上階外壁6の換気用通路7bに比較的スムーズに至ることができて、上階外壁6の換気用通路7bの出口20から屋外へ排出されるようになっている。なお、入り玄関48の正面壁51としての下階外壁5の換気用通路7aの空気は、図1の例同様矢印Cのように、略真上の上階外壁6の換気用通路7bまたはバルコニー腰壁1の通気路2にバルコニーAの下方空間8を介してスムーズに至り、屋外へ排出されるようになっている。このように、下階に配設した入り玄関48の上方にバルコニーAが配設された建物において、バルコニーAの屋内外方向に亙って立設された下階外壁5にあっても、この下階外壁5の換気用通路7aは、バルコニー腰壁1の通気路2及び上階外壁6の換気用通路7bから、スムーズに屋外へ排出されるようになっており、下階外壁5の換気用通路7aの換気効率の向上が図られているのである。
上述した本発明の実施の形態の各例にあっては、一般に建物に配設されるバルコニーAのバルコニー腰壁1に形成した通気路2を下階外壁5の換気用通路7aに連通させ、下階外壁5の換気用通路7aの空気を上階外壁6の換気用通路7bのみならずバルコニー腰壁1からも屋外へ排出することができたもので、つまり従来上階外壁6の換気用通路7bのみであったバルコニーAの下方空間8における下階外壁5の換気用通路7aの空気の排気経路をバルコニー腰壁1の通気路2を設けたことで増やすことができたものであるから、バルコニーAの下方空間8の換気効率が高まり、結果、下階外壁5の換気用通路7aの換気効率の向上が図られているのである。しかも、上記バルコニー腰壁1に形成した通気路2を下階外壁5の換気用通路7aに連通させて下階外壁5の換気用通路7aの換気効率の向上を図ることは、空気の流通に阻害となるバルコニー骨組24があったりして元来空気が滞留し易いバルコニーAの下方空間8における換気効率を高めることで為されており、下階外壁5の換気用通路7aの空気がバルコニーAの下方空間8で滞留してしまう恐れを低減できたものである。したがって、バルコニーAの下方空間8が部屋用断熱材9が配置される天井裏空間8bである場合にも下階外壁5の換気用通路7aの空気によって部屋用断熱材9が湿る恐れを低減できたものである。このように住宅のような建物に一般的に設けられるバルコニーAのバルコニー腰壁1を用いて下階外壁5の換気用通路7aの換気効率を向上できたことから、下階外壁5の換気用通路7aの換気効率の向上を図るのに従来のように下階外壁5の真上に上階外壁6を配置するといった制約に縛られることなく建物の平面プランを作成することができるのであり、つまり制約条件を一つ減らした上で平面プランを作成することができて自由な発想の平面プランの作成に資することができるのである。
1 バルコニー腰壁
2 通気路
3 取入口
4 排気口
5 下階外壁
6 上階外壁
7 換気用通路
7a 下階外壁の換気用通路
7b 上階外壁の換気用通路
8 バルコニーの下方空間
8a 通気空間
8b 天井裏空間
9 部屋用断熱材
10 仕切り材
A バルコニー
2 通気路
3 取入口
4 排気口
5 下階外壁
6 上階外壁
7 換気用通路
7a 下階外壁の換気用通路
7b 上階外壁の換気用通路
8 バルコニーの下方空間
8a 通気空間
8b 天井裏空間
9 部屋用断熱材
10 仕切り材
A バルコニー
Claims (3)
- バルコニー腰壁の内部に上下に亙る通気路を形成し、通気路の下部に形成した取入口と下階外壁に上下に亙って設けた換気用通路とを連通し、下階外壁の換気用通路の空気を屋外へ排出するための排気口をバルコニー腰壁の通気路の上部に設けたことを特徴とする建物外壁の換気構造。
- 下階外壁の上方にバルコニー腰壁を配置し、下階外壁の換気用通路とバルコニー腰壁の通気路とを略直線状に連通させたことを特徴とする請求項1記載の建物外壁の換気構造。
- 下階の部屋の上方にバルコニーを配設し、部屋用断熱材を配設した天井裏空間をバルコニーの下方空間に有した建物であって、上記バルコニーの下方空間に、下階外壁の換気用通路とバルコニー腰壁の通気路とを直線状に連通する通気空間を設けると共に、この通気空間と天井裏空間とを仕切る仕切り材を設けたことを特徴とする請求項2記載の建物外壁の換気構造。
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JP2005136255A Withdrawn JP2006312844A (ja) | 2005-05-09 | 2005-05-09 | 建物外壁の換気構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006312844A (ja) |
-
2005
- 2005-05-09 JP JP2005136255A patent/JP2006312844A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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