JP2006312731A - ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水溶液にした場合に適度な流動性を有し、レゾルシン単量体含有量およびレゾルシン5核体以上のレゾルシンホルマリン樹脂含有量の双方が低減された、ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法を提供すること。
【解決手段】レゾルシンと液状ケトンとの反応によるケトン変性体合成後、ホルマリン縮合による一連の工程が同一反応器内で行われる製造方法によって製造された、レゾルシンホルマリン樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析で得られる全体のピーク面積に対して、レゾルシン単量体に相当するピーク面積が3%〜9%であり、レゾルシン5核体以上に相当するピーク面積が30%〜55%である、ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、レゾルシンと液状ケトンとの反応によるケトン変性体合成後、ホルマリン縮合したレゾルシンホルマリン樹脂により、レゾルシン単量体含有量およびレゾルシン5核体以上のレゾルシンホルマリン樹脂含有量の双方を低減し、接着剤使用時に未反応レゾルシンが昇華して作業環境を悪化させることの少なく、優れた接着性を有する、ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法に関する。
従来、レゾルシンホルマリン樹脂は硬化速度が速いので、接着剤、合板、集成材、表面被覆剤等に使用され、特にゴムや繊維に対する接着力が優れているので、タイヤ用接着剤、ゴムホース用接着剤として使用されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
レゾルシンホルマリン樹脂を接着剤として使用する場合、レゾルシンホルマリン樹脂が十分な流動性を有していること、および溶媒が共存している場合には均一に溶解していることが要求される。流動性に着目した場合、重縮合物の構成成分の中からレゾルシン5核体以上の構成比を低減させることによって、十分な流動性が得られることが経験的に知られている。レゾルシン5核体以上になると、3次元構造のものの比率が急に高くなるために、流動性が失われると考えられている。また、流動性を付与するために有機溶媒で希釈することも考えられるが、有機溶媒の使用は作業環境の悪化、接着力低下の可能性を有しているので好ましくない。有機溶媒を使用しないで、アニオン界面活性剤によって水中に分散させて接着剤とする方法もあるが(例えば、特許文献5参照)、水分散系の長期安定性という点で不安を残している。
樹脂中の未反応ホルムアルデヒド含量を抑制する目的で、2段階の反応で樹脂を製造している報告がある(例えば、特許文献6参照)。段ボール等の撥水性紙製品用接着材となるアルデヒド樹脂の製造方法特許で、実施例ではホルムアルデヒドとメチルエチルケトンで第1段階の反応を行い、その生成物とレゾルシンで第2段階の反応を行って、生成物中のホルムアルデヒド含量を0.1%としている。ただし、このアルデヒド樹脂はレゾルシンホルマリン樹脂の応用ではない。
特公昭48−12185号公報 特開平4−148920号公報 特開平6−100850号公報 特開2000−178849号公報 特開昭57−167342号公報 EP0498301A2公報
上述のように、重縮合物の構成成分の中からレゾルシン5核体以上の構成比を低減させることによって、溶媒が水の場合十分な流動性が得られることが知られているが、レゾルシン5核体以上の構成比を低減させるように反応条件をゆるやかに設定した場合、生成物の分子量分布が単に低分子側にずれるだけの結果となり、通常は逆に未反応レゾルシン濃度が高くなってしまう。レゾルシン濃度が高くなると、接着剤使用時にレゾルシンが昇華して、作業環境を悪化させ、接着力をも低下させる可能性があるので好ましくない。レゾルシン1モルに対して0.6モルのホルムアルデヒドを反応させた場合、反応終了後約33重量%程度の未反応レゾルシンが含有され、0.8モルのホルムアルデヒドを反応させた場合は、約20重量%の未反応レゾルシンが含有されていることから、未反応レゾルシンの量は15重量%に抑えるべきということで、未反応レゾルシン含有量を減少させるために減圧度0.05mmHg、130℃でレゾルシンを昇華除去したことが報告されている(例えば、特許文献7参照)。また、メチルイソブチルケトンを溶媒とし、水を抽出剤として連続抽出器を使用し、未反応レゾルシン含有量を5.5%に減じたことが報告されている(例えば、特許文献8参照)。しかし、これらの方法は反応終了後に真空蒸留を必要としたり、連続抽出器を使用して長時間の操作を要する等、工業的に不利である。
逆に未反応レゾルシン濃度を低下させるために反応条件を激しくすると、5核体以上のレゾルシン多核体が大量に生成してしまい好ましくない。ここで、反応が水系で行われることから、反応終了後に高濃度の塩を添加して高分子量成分の溶解度を低下させ、析出後除去する方法が考えられる。しかしこの方法は、塩析工程をさらに付加させる必要があって不利であり、またレゾルシンホルマリン樹脂中に残存する無機塩による接着力低下、無機塩に起因する被着体の腐食が懸念され、実施されていない。この塩析工程を付加させないで、1段反応であっても7核体以上の構成比を増加させない工夫が開示されている(例えば、特許文献9参照)。レゾルシン多核体の溶解度を低下させるために、反応系に大量の塩を共存させる方法であるが、この方法では水相から析出したレゾルシン多核体がガム状になってしまうので、レゾルシンまでもがガム状物質に採り込まれる結果、反応速度の低下を招いて反応時間が長くなってしまう。工業的製造においては、長時間反応におけるガム状物質の生成は、撹拌停止、送液系のつまり等を起こすので採用することはむずかしい。
特公昭54−932号公報 特公昭49−14550号公報 特開2003−277308号公報
本発明は、全工程が同一反応容器内で行われる製造方法であり、水溶液にした場合に適度な流動性を有し、抽出工程を入れることなく、レゾルシン単量体含有量およびレゾルシン5核体以上のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂とレゾルシン5核体以上のレゾルシンホルマリン樹脂の含有量の双方を低減した、ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、レゾルシン(A)100重量部に対して水10〜40重量部を添加して溶解し、触媒の有機酸または無機酸(B)はレゾルシン(A)100重量部に対して0.01〜2重量部添加して溶解し、レゾルシン(A)100重量部に対して一般式[1]で表される液状ケトン(C)3〜45重量部を撹拌下に1〜480分間かけて滴下し、50〜100℃まで昇温しこの温度を維持しながら4〜24時間反応を続け、反応終了後、1〜40%ホルマリン(D)を、レゾルシン(A)に対して、ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.3〜0.8mol比として、撹拌下に1〜300分間かけて滴下し、滴下終了後さらに20〜90分間撹拌して反応させ、冷却後に、1〜30%アンモニア水(E)を有機酸または無機酸(B)に対して1.0〜2.0倍モル添加し中和して得られる樹脂(F)であり、または中和後にさらにホルマリン中に含まれるメタノールを留去して得られる樹脂(F)である、樹脂(F)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析で得られる全体のピーク面積に対して、レゾルシン単量体に相当するピーク面積が3〜9%であり、レゾルシン5核体以上に相当するピーク面積が30〜55%である、ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法である。
Figure 2006312731
[式中、R1、R2は同一でも異なっていてもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、セカンダリーブチル基、イソブチル基またはターシャリーブチル基を表す。]
本発明では、1〜40%ホルマリン(D)をレゾルシン(A)に対して滴下する際に、攪拌下に20〜300分間かけて断続的に滴下を行うこともできる。
本発明においては、レゾルシン(A)100重量部に対し、水10〜40重量部添加して溶解し、触媒の有機酸または無機酸(B)を0.01〜2重量部添加して溶解し、レゾルシン(A)100重量部に対して一般式[1]で表される液状ケトン(C)3〜45重量部を撹拌下に1〜480分間かけて滴下し、水と液状ケトン(C)の共沸温度以下で4〜24時間反応し、反応終了後、1〜40%ホルマリン(D)を、レゾルシン(A)に対して、ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.3〜0.8mol比として、撹拌下に1〜300分間かけて滴下し、滴下終了後さらに20〜90分間撹拌して反応させ、冷却後に、1〜30%アンモニア水(E)を有機酸または無機酸(B)に対して1.0〜2.0倍モル添加し中和して得られる樹脂(F)であり、または中和後にさらにホルマリン中に含まれるメタノールを留去して得られる樹脂(F)であり、最終的に反応生成物濃度が30〜80重量%で、接着剤に使用する際に適度な流動性を有することを特徴とする、ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法である。
液状ケトン(C)は、液状ケトン(C)100g当たりケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂を1g以上溶解する有機溶媒である。また、これらの液状ケトン(C)中から選択される1種または2種以上の混合物として使用してもよい。
一般式[1]で表される液状ケトン(C)の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。中でもR1がメチル基、R2がエチル基のメチルエチルケトンが好ましい。本発明においては、一般式[1]で表される液状ケトン(C)はレゾルシンホルマリン樹脂の変性に寄与している。本発明の製造方法によって製造されたケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂は、ケトン変性されたことにより、接着性能において改善がなされると考えられる。
本発明のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法は、レゾルシンとケトンとの付加反応、およびホルムアルデヒドとの縮合反応による2段階の反応によって製造することを特徴としている。ケトンによる変性では、例えば、メチルエチルケトンの場合、分子量の増加はメチルエチルケトンの分子量の72か、または脱水反応を伴って分子量の増加は54である。一方レゾルシンとホルムアルデヒドとの縮合反応では、その生成物の分子量は通常122ずつ増加してゆく。このことから、生成物の分子量を適正な範囲に収めるための反応設計はケトン変性のほうがやり易くなるという利点がある。本発明においてレゾルシンn核体とは、レゾルシンホルマリン樹脂そのもの自体のn核体と、ケトン変性されたことによってレゾルシンホルマリン樹脂そのものよりも分子量が少し大きくなっているケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の双方を意味している。またそれぞれのn核体の分子量は、レゾルシンホルマリン樹脂そのもののゲルパーミエーションクロマトグラフのピークを基準にして判別している。
第1段階のケトン付加反応および第2段階の縮合反応において、5核体以上の成分が多くならないように反応を制御しているので、最終的に得られた反応生成物は水との混合物であるにもかかわらず接着剤に使用する際に適度な流動性を有している。また最終生成物までの以上の全工程が、同一反応容器内で行われる製造方法であることも有利である。
ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造工程に、触媒として使用される有機酸または無機酸(B)としては、塩酸、硫酸、リン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等が挙げられる。好ましいのはパラトルエンスルホン酸、塩酸である。
本発明のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法は、抽出工程を入れることなく全工程を同一反応容器内で行なうことができ、また製造されたケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂は、レゾルシン単量体含有量およびレゾルシン5核体以上のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂含有量の双方が低減されており、分子量が適正な範囲内に収められるので、水溶液にした場合に適度な流動性を有し、接着剤使用時に未反応レゾルシンが昇華して作業環境を悪化させることが少なく、ケトン変性されたことによって優れた接着力を有している。
製造に使用される反応槽としては、酸触媒反応を行うので、耐酸性のものであれば通常の装置を使用することができる。
製造に使用されるホルマリン(D)中のホルムアルデヒド濃度は、1〜40%、好ましくは30〜40%である。またホルマリンの使用量は、ホルマリン中のホルムアルデヒドモル数が、レゾルシン(A)に対して、ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.3〜0.8mol比、好ましくはホルムアルデヒド/レゾルシン=0.5〜0.8mol比となるような量である。
攪拌下に行うホルマリン(D)の滴下時間は1〜300分間であり、好ましくは20〜120分間であり、さらに好ましくは60〜120分間である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
2リットルガラス製コルベンに水50g、レゾルシン500.0gを入れ、70〜75℃で溶解させた後、パラトルエンスルホン酸2.0gを反応槽に入れた。この温度を維持しながら、メチルエチルケトン80gを1分間かけて加えて攪拌混合した後、80〜85℃に昇温しこの温度で8時間反応した。反応終了後、冷却し液温を50〜55℃に維持しながら、37%ホルムアルデヒド221.1g(ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.60mol比)を240分間かけて滴下し、滴下終了後さらに60分間撹拌して反応を進行させた。反応系の温度を室温まで冷却した後、pH8から9になるまで25%アンモニア水を加えた。次に水を加え固形分50重量%に調整することにより、レゾルシン及びレゾルシン5核体以上のレゾルシンホルマリン樹脂含量の低減したケトン変性レゾルシン樹脂1226gを得た(レゾルシン含有量は8.5%、固形分613g)。
得られたケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂をテトラヒドロフランに溶解させて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析を行い、未反応レゾルシン〜レゾルシン5核体以上の分布を測定した。得られたクロマトグラムを[図1]に示した。得られたクロマトグラムのピーク面積比は次のとおりであった。
レゾルシン … 8.5%
レゾルシン2核体…17.5%
レゾルシン3核体…11.3%
レゾルシン4核体…12.7%
レゾルシン5核体以上…50.0%
採用したゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析条件を次に示した。
測定機種:東ソー製HLC−8020
カラム:東ソー製(G−2500)+(G−2500)+(G−4000)
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1ml/min
また、得られたケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂について、液体クロマトグラフィー分析を行った。得られた結果を[図2]に示した。ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の場合はケトン変性したことによって、30分以降に新たなピーク(ケトン付加体)が出現しており、これらの成分によって、新たに接着性能等が向上する可能性がある。
([図4]と比較する。)
採用した液体クロマトグラフィー分析条件を次に示した。
測定機種:島津製HPLC LC−10A
カラム: Inertsil ODS−3
カラム温度:40℃
検出器:UV(283nm)
溶媒:メタノール/水=30/70→90/10(80分)
流量:1.0ml/min
2リットルガラス製コルベンに水50g、レゾルシン500.0gを入れ、70〜75℃で溶解させた後、パラトルエンスルホン酸2.0gを反応槽に入れた。この温度を維持しながら、メチルエチルケトン40gを4時間かけて滴下し、滴下終了後さらに4時間攪拌して反応を進行させた。反応終了後、冷却し液温を50〜55℃に維持しながら、37%ホルムアルデヒド239.6g(ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.65mol比)を240分間かけて滴下し、滴下終了後さらに60分間撹拌して反応を進行させた。反応系の温度を室温まで冷却した後、pH8から9になるまで25%アンモニア水を加えた。次に水を加え固形分50重量%に調整することにより、レゾルシン及びレゾルシン5核体以上のレゾルシンホルマリン樹脂含量の低減したケトン変性レゾルシン樹脂1152gを得た(レゾルシン含有量は8.6%、固形分576g)。
実施例1と同様に、得られたケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂をテトラヒドロフランに溶解させて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析を行い、未反応レゾルシン〜レゾルシン5核体以上の分布を測定した。得られたクロマトグラムのピーク面積比は次のとおりであった。
レゾルシン … 8.6%
レゾルシン2核体…16.7%
レゾルシン3核体…10.7%
レゾルシン4核体…12.0%
レゾルシン5核体以上…52.0%
2リットルガラス製コルベンに水50g、レゾルシン500.0gを入れ、70〜75℃で溶解させた後、パラトルエンスルホン酸2.0gを反応槽に入れた。この温度を維持しながら、メチルエチルケトン160gを加えて攪拌混合した後、80〜85℃に昇温しこの温度で8時間反応した。反応終了後、冷却し液温を50〜55℃に維持しながら、37%ホルムアルデヒド184.3g(ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.50mol比)を240分間かけて滴下し、滴下終了後さらに60分間撹拌して反応を進行させた。反応系の温度を室温まで冷却した後、pH7になるまで25%アンモニア水を加え、メタノールを留去した。そして、室温まで冷却した後、pH8から9になるまで25%アンモニア水を加えた。次に水を加え固形分50重量%に調整することにより、レゾルシン及びレゾルシン5核体以上のレゾルシンホルマリン樹脂含量の低減したケトン変性レゾルシン樹脂1374gを得た(レゾルシン含有量は8.3%、固形分687g)。
実施例1と同様に、得られたケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂をテトラヒドロフランに溶解させて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析を行い、未反応レゾルシン〜レゾルシン5核体以上の分布を測定した。得られたクロマトグラムのピーク面積比は次のとおりであった。
レゾルシン … 8.3%
レゾルシン2核体…18.8%
レゾルシン3核体…12.4%
レゾルシン4核体…14.2%
レゾルシン5核体以上…46.3%
[比較例1]
2リットルガラス製コルベンに水50g、レゾルシン500.0gを入れ、70〜75℃で溶解させた後、パラトルエンスルホン酸2.0gを反応槽に入れた。反応系を50〜55℃に下げこの温度を維持しながら、37%ホルムアルデヒド221.1g(ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.60mol比)を240分間かけて滴下し、滴下終了後さらに60分間撹拌して反応を進行させた。反応系の温度を室温まで冷却した後、pH8から9になるまで25%アンモニア水を加えた。次に水を加え固形分50重量%に調整することにより、レゾルシン樹脂1065gを得た(レゾルシン含有量は15.3%、固形分533g)。
得られたレゾルシンホルマリン樹脂をテトラヒドロフランに溶解させて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析を行い、未反応レゾルシン〜レゾルシン5核体以上の分布を測定した。分析条件は実施例1と同条件であり、得られたクロマトグラムを[図3]に示した。得られたクロマトグラムのピーク面積比は次のとおりであった。
レゾルシン …15.3%
レゾルシン2核体…18.3%
レゾルシン3核体…15.0%
レゾルシン4核体…12.0%
レゾルシン5核体以上…39.4%
得られたレゾルシンホルマリン樹脂について、液体クロマトグラフィー分析を行った。得られた結果を[図4]に示した。
本発明のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法は、抽出工程を入れることなくレゾルシン含有量を8%台にすることが可能となる。また製造されたケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂は、水溶液にした場合に適度な流動性を有し、レゾルシン単量体含有量およびレゾルシン5核体以上のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂とレゾルシン5核体以上のレゾルシンホルマリン樹脂の含有量の双方が低減されているので、接着剤使用時に未反応レゾルシンが昇華して作業環境を悪化させることが少ない。優れた接着力を有しているので、コスト的に有利であり、タイヤ用接着剤、ゴムホース用接着剤として有用である。
実施例1で得られたケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフ図である。 実施例1で得られたケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の液体クロマトグラフ図である。 比較例1で得られた樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフ図である。 比較例1で得られた樹脂の液体クロマトグラフ図である。

Claims (9)

  1. レゾルシン(A)100重量部に対して水10〜40重量部を添加して溶解し、触媒の有機酸または無機酸(B)はレゾルシン(A)100重量部に対して0.01〜2重量部添加して溶解し、レゾルシン(A)100重量部に対して一般式[1]で表される液状ケトン(C)3〜45重量部を撹拌下に1〜480分間かけて滴下し、50〜100℃まで昇温しこの温度を維持しながら4〜24時間反応を続け、反応終了後、1〜40%ホルマリン(D)を、レゾルシン(A)に対して、ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.3〜0.8mol比として、撹拌下に1〜300分間かけて滴下し、滴下終了後さらに20〜90分間撹拌して反応させ、冷却後に、1〜30%アンモニア水(E)を有機酸または無機酸(B)に対して1.0〜2.0倍モル添加し中和して得られる樹脂(F)であり、または中和後にさらにホルマリン中に含まれるメタノールを留去して得られる樹脂(F)である、樹脂(F)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析で得られる全体のピーク面積に対して、レゾルシン単量体に相当するピーク面積が3〜9%であり、レゾルシン5核体以上に相当するピーク面積が30%〜55%であることを特徴とする、ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法。
    Figure 2006312731

    [式中、R1、R2は同一でも異なっていてもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、セカンダリーブチル基、イソブチル基またはターシャリーブチル基を表す。]
  2. 前記した1〜40%ホルマリン(D)を、レゾルシン(A)に対して、ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.3〜0.8mol比として、撹拌下に20〜300分間かけて断続的に滴下して添加を行うことを特徴とする、請求項1記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法。
  3. 前記したレゾルシン(A)100重量部に対し、水10〜40重量部添加して溶解し、触媒の有機酸または無機酸(B)を0.01〜2重量部添加して溶解し、レゾルシン(A)100重量部に対して一般式[1]で表される液状ケトン(C)3〜45重量部を撹拌下に1〜480分間かけて滴下し、水と液状ケトン(C)の共沸温度以下で4〜24時間反応し、反応終了後、1〜40%ホルマリン(D)を、レゾルシン(A)に対して、ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.3〜0.8mol比として、撹拌下に1〜300分間かけて滴下し、滴下終了後さらに20〜90分間撹拌して反応させ、冷却後に、1〜30%アンモニア水(E)を有機酸または無機酸(B)に対して1.0〜2.0倍モル添加し中和して得られる樹脂(F)であり、または中和後にさらにホルマリン中に含まれるメタノールを留去し得られる樹脂(F)であり、最終的に反応生成物濃度が30〜80重量%で、接着剤に使用する際に適度な流動性を有することを特徴とする、請求項1または請求項2記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法。
  4. 一般式[1]で表される液状ケトン(C)の、一般式[1]における基R1がメチル基であり、R2がエチル基であることを特徴とする、請求項1〜請求項3いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法。
  5. 一般式[1]で表される液状ケトン(C)が、レゾルシンホルマリン樹脂を100g中に1g以上溶解する能力を有していることを特徴とする、請求項1〜請求項4いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法。
  6. 一般式[1]で表される液状ケトン(C)が一般式[1]で表される液状ケトンの2種以上の混合物として使用されることを特徴とする、請求項1〜請求項5いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法。
  7. 前記した有機酸または無機酸(B)がパラトルエンスルホン酸であることを特徴とする、請求項1〜請求項6いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法。
  8. 前記したホルマリン(D)中のホルムアルデヒドモル数が、レゾルシン(A)のモル数に対して、ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.5〜0.8mol比であることを特徴とする、請求項1〜請求項7いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法。
  9. 前記したホルマリン(D)の滴下時間が、20〜120分であることを特徴とする、請求項1〜請求項8いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法。




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