JP2006312315A - 架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体の再生処理方法 - Google Patents

架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体の再生処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
それ自体熱溶融性の乏しい架橋ポリオレフィン系樹脂の破砕体もしくは減容体を再生使用するための可塑化手法を提供する。
【解決手段】
架橋ポリオレフィン系樹脂の破砕体もしくは減容体を、その溶融温度以上150℃未満の温度で剪断力をかけながら2回以上溶融混練することにより、メルトインデックス(190℃、2.16kg荷重)が0.5〜300g/10分で、ゲル分率が5重量%以下にすることを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂の破砕体もしくは減容体の再生処理方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、包装材料や自動車や建築物などの断熱材および電線被覆などに用いられる架橋ポリオレフィン系樹脂から得られた破砕体もしくは減容体を再生処理する方法に関し、特にそれらをゲル分率が低く成形性が良好なポリオレフィン系樹脂材料に再生処理する方法に関するものである。
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、パイプカバーや粘着テープ、ハードディスク緩衝材、コンパクトディスク緩衝材、防音床の緩衝材および断熱折板屋根等多方面に使用されている。一方、各種成形物は、大量のポリオレフィン系樹脂が含まれたままの状態で廃棄されており、廃棄物としての量は年々増大している。
近年、種々の材料のリサイクル化が推進されおり、架橋ポリオレフィン系樹脂の成形不良品やバリ、廃棄物等を再生して利用することが望まれているが、有効な再生処理方法がなく、大半は埋め立てるか焼却処理されているのが実状である。
また、架橋ポリエチレン樹脂に関し、架橋ポリエチレン樹脂を高温で長時間加熱処理することにより、架橋構造をある程度破壊してゲル分率を低下させ再生利用することが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような再生処理方法により熱と剪断力を適性化したとしても、再生処理品は、架橋部分や高分子量の成分が残留している点や低分子量反応に伴って生成した二重結合などが、バージンのポリエチレンと異なり、なお十分に実用的なものとなり得えていない。
また、近年、各部材に対する使用条件が厳しくなり、従来以上の高温下での熱成形加工性が求められるため、リサイクルしやすい樹脂構成で架橋型ポリプロピレン樹脂を提供している例(特許文献2参照)や、熱可逆型架橋性樹脂を用いて発泡ポリプロピレンを提供する例(特許文献3参照)が提案されているが、これらの提案は、様々な顧客要求に対応できるリサイクル可能な発泡体用成形材料を提供することが十分にできるものではなかった。
特許第3026270号公報 特開2000−26640号公報 特開2001−11228号公報
本発明の目的は、それ自体熱溶融性の乏しい架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体を再生使用するための可塑化する再生処理方法を提供することにあり、特徴とするところは、架橋部分や高分子量の成分、低分子量反応に伴って生成した二重結合のレベルを架橋前のポリオレフィン系樹脂に近いレベルに制御する点にある。
上記目的に鑑み本発明者らが鋭意研究の結果、前記課題を達成するために本発明において採用した手段は、架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体を、その溶融温度〜該溶融温度+150℃未満の範囲の温度で2回以上溶融混練することにより、メルトインデックス(190℃、2.16kg荷重)が0.5〜300g/10分で、ゲル分率が0.1〜5重量%にすることを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体の再生処理方法である。
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体の再生処理方法の好ましい態様によれば、前記の架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体は、(a)ポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂再生物から選ばれた少なくとも1種を配合した樹脂を架橋した架橋ポリオレフィン系樹脂、(b)ポリオレフィン系樹脂組成物を架橋した架橋ポリオレフィン系樹脂組成物、および(c)前記の架橋ポリオレフィン系樹脂組成物から得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる群から選ばれた少なくとも1種を破砕もしくは減容したものである。
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体の再生処理方法の好ましい態様によれば、前記の架橋ポリオレフィン系樹脂の破砕体もしくは減容体の大きさは50mm以下である。
本発明の方法によれば、それ自体熱溶融性の乏しい架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体を特定範囲の温度条件下で2回以上混練しているので、得られる可塑化された樹脂再生物は、架橋部分や高分子量の成分、低分子量反応に伴って生成した二重結合のレベルを架橋前のポリオレフィン系樹脂に近いレベルに制御することができる。
このような本発明の再生処理方法により、従来は廃棄処理されていた架橋ポリオレフィン系樹脂等を各種用途のポリオレフィン系樹脂として再生利用することが可能であり、リサイクル上でも工業的価値が大きいという優れた効果を奏する。
本発明において使用する架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体は、(a)ポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂再生物から選ばれた少なくとも1種を配合した樹脂を架橋した架橋ポリオレフィン系樹脂、(b)ポリオレフィン系樹脂組成物を架橋した架橋ポリオレフィン系樹脂組成物、および(c)前記の架橋ポリオレフィン系樹脂または前記の架橋ポリオレフィン系樹脂組成物から得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる群から選ばれた少なくとも1種を破砕もしくは減容したものである。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下の例えば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸エステル、芳香族アルキルエステル、芳香族ビニルなどのビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック共重合体またはグラフト共重合体などが使用され、これらのポリオレフィン系樹脂は、単独または2種以上混合して用いることができる。
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂には、それを再生してなるポリオレフィン系樹脂再生物も含まれる。
また、本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物は、上記ポリオレフィン系樹脂と少なくとも1種類以上の添加剤を含有していることを特徴としている。該添加剤は、例えば、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、滑剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、核剤、可塑剤、抗菌剤、発泡剤分解促進剤、光安定剤、気泡安定剤、金属害防止剤、有機過酸化物、充填剤、および補強繊維など、通常のポリオレフィン系樹脂に配合されている添加剤を意味しており、これらの添加剤は単独もしくは2種類以上併用して用いることができる。
また、本発明において、ポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂組成物に架橋構造を形成する方法は特に制限はなく、例えば、ポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂組成物に電離性放射線を所定線量照射する方法、紫外線架橋法、シラン架橋法および過酸化物架橋法からなる群から選択される少なくとも1種の架橋手段により架橋することができる。
電離性放射線としては、例えば、α線、β線、γ線および電子線等を挙げることができ、中でも特に電子加速器の使用による電子線照射が望ましい。架橋手段として電子線架橋法が選ばれる場合は、ポリオレフィン系樹脂またはその樹脂組成物には、予め光架橋剤、シラン架橋剤、または有機過酸化物のような架橋に必要とされる添加剤を添加する必要はない。
本発明に係る架橋ポリオレフィン系樹脂組成物から架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得る手法としては特に限定されず、例えば、押出発泡、型内発泡、常圧発泡および化学反応発泡などの手段が用いられる。
本発明に係る架橋ポリオレフィン系樹脂組成物から得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、上記手段により得られる発泡体で特に限定されないが、具体的に例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドおよびt−ブチルクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物により化学架橋し発泡させたものや、電子線照射により架橋処理を施した後に加熱し発泡させたもの等が含まれる。これら架橋ポリオレフィン系樹脂組成物から得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、加熱によって部分的に溶融することはあっても、全体としてきわめて溶融し難いため、流動性に乏しく、発泡体単独では発泡成形はもちろんのこと、射出成形や押出成形が不可能なポリオレフィン系樹脂組成物である。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂またはその樹脂組成物を架橋したもののゲル分率はその架橋方法により異なり特に制限はないが、1〜90重量%、好ましくは10〜70重量%にあるものである。ゲル分率が1重量%を下回るものは微少な架橋部分が存在した状態であるが通常の成形加工等の用途では影響がないため再生処理する必要がなく、逆にゲル分率が90重量%を上回るものは溶融粘度が高く、再生処理するにあたり、押出機にて高剪断をかけなければならず効率的でない。また、高剪断力により架橋部の構造破壊が進行しやすく、得られる樹脂再生物内に低分子量物が多く含まれ、元の樹脂と同等品として扱うのは困難である。
本発明に係る架橋オレフィン系樹脂組成物から得られる架橋オレフィン系樹脂発泡体のゲル分率はその架橋方法や発泡倍率により異なり特に制限はないが、1〜80重量%が好ましく、より好ましくは10〜60重量%である。ゲル分率が1重量%を下回るものは微少な架橋部分が存在した状態であるが通常の成形加工等の用途では影響がないため再生処理する必要がなく、逆にゲル分率が80重量%を上回るものは溶融粘度が高く、再生処理が困難である。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂やその樹脂組成物を架橋したもの、および架橋オレフィン系樹脂発泡体は、本発明の再生処理にあたりそれが破砕または減容され、破砕体または減容体にされる。破砕の方法としては特に限定されず、例えば、通常の破砕機もしくは粉砕機を用いる破砕や冷凍粉砕などの他に押出機などを用いる剪断粉砕のような方法を採用することができる。中でも、架橋オレフィン系樹脂発泡体は、通常の粉砕機により簡便に破砕することができる。
また、減容の方法としては特に限定されず、例えば、ミキシングロール等により圧縮して減容する方法、押出機から押出し減容する方法および溶剤に溶かして減容する方法などが挙げられる。押出機から押出し減容する際、少量のブタンジオールやエチレングリコールなどのアルコール類、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、塩酸、硫酸等の酸性、アルカリ性水溶液および水等を添加すると、可塑剤の役目を果たすため、生産性が向上する。
得られる破砕体もしくは減容体の形状や寸法は、押出機のホッパーよりシリンダー内への投入を容易にすることから規制される。架橋ポリオレフィン系樹脂の破砕体もしくは減容体の長さは好ましくは0.01〜50mmであり、形状は特に規定されない。破砕体もしくは減容体の長さが50mmを上回るものは押出機ホッパー下部で原料詰まりを起こし供給が不安定になり、逆に長さが0.01mmを下回るものは微粉化されすぎてホッパー下部でブリッジなどの偏析を発生させるため好ましくない。
次に、本発明のこのような架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体の再生処理方法について説明する。
架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体を加熱し混練を行うには、通常押出機を使用することができる。押出機としては、例えば、単軸混練押出機、2軸混練押出機および石臼型混練押出機などが挙げられる。これらの押出機の中でも2軸混練押出機は特に生産性が高く、剪断と混練性が優れており、混練条件による性能変動も小さいので、本発明で処理される破砕体もしくは減容体の材料の処理に適した押出機として挙げることができる。
押出機には可塑化処理中に発生する揮発成分を除去するため、必要に応じて真空ベント等の脱気設備を設置しても構わない。押出機の長さ/直径(L/D)比は特に制限はない。また、溶融混練時には、必要に応じて公知の酸化防止剤などの添加剤を適量添加しても構わない。
再生ポリオレフィン系樹脂のメルトインデックス等は、混練温度、比エネルギーおよび混練時間等を変えることにより、その使用用途に適する値となるように幅広い範囲で適宜調節することができる。
溶融混練の設定温度は、少なくとも押出機の圧縮部において架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体の溶融温度(示差走査熱量計で測定した場合の融解曲線の頂点を融点と呼ぶことがある。)以上であって溶融温度をさらに150℃超えない範囲の温度であることが必要である。設定温度が架橋ポリオレフィン系樹脂の融点温度未満の場合、剪断による摩擦がシリンダー領域にて効果的に作用せず、架橋構造を破壊してゲル分率を十分に低いものにすることが困難である。また、その設定温度が溶融温度より150℃以上高くなると、高熱のため架橋構造の破壊が過度に進行し、悪臭を発生するとともに低分子量反応に伴って生成した二重結合およびこれに起因すると思われる着色度が大きくなる。その結果、架橋部分や高分子量の成分、低分子量反応に伴って生成した二重結合のレベルを架橋前のポリオレフィン系樹脂に近いレベルに制御することが困難となる。通常、樹脂温度は押出機の圧縮部分等においてはその剪断発熱により押出機の設定温度より高温になるのが普通である。従って押出機の設定温度はそれより低い方が良い。
また比エネルギーについては、好ましくは0.37Kw・h/kg以上、より好ましくは0.40〜1.0Kw・j/kgの比エネルギーで溶融混練する。比エネルギーが0.37Kw・h/kg未満では、上記の設定温度範囲で練成しても、ゲル分率を適度に低いものとすることができない。
比エネルギーとは、下記計算式Esp=(V×A×k)/1000Q(式中、Espは比エネルギー(単位:Kw・h/kg)、Vは押出機の消費電圧 (単位:ボルト) 、Aは押出機の消費電流(単位:アンペア)、Qは押出機の単位時間あたりの吐出量(単位:kg/h) 、kは押出機の機械効率係数を示す。)により計算される値であり、その値が大きいほど単位時間当り練成物に与えるエネルギー量が多くなる。
練成時間については比エネルギーと、温度と所望とするメルトインデックスにより適宜設定すればよいが、あまり長時間練成を行うと樹脂の劣化を招きやすい。したがって、通常は15〜300秒程度とすることが好ましい。練成時間が15秒未満では架橋ポリエチレン系樹脂に安定した樹脂温度と十分なエネルギーを付与することが難しく、このため、ゲル分率を十分に減少させるが困難となり、また300秒を超えると、メルトインデックスが大きくなり過ぎるばかりか、得られるポリエチレンの変色の度合いも大きくなるため好ましくない。より好ましい練成時間は、30〜180秒程度である。
本発明においては、比エネルギーと温度と練成時間とを種々の組合せとすることにより架橋ポリエチレン樹脂再生物のゲル分率を一定にしつつメルトインデックスを所望のものとすることができる。
例えば、架橋ポリエチレン樹脂組成物のゲル分率が30%で、混練温度が200℃の場合、比エネルギーが0.50〜0.60Kw・h/kgで、練成時間が40〜60秒で練成することが好ましく、またゲル分率が30%で練成温度が260℃の場合、比エネルギーが0.40〜0.45Kw・h/kgで、練成時間が30〜40秒で練成することが好ましい。
本発明においては、溶融混練は2回以上行なうことが必要である。2回以上の溶融混練は、押出機による押出回数を2回以上とすることにより達成される。この押出回数が1回では、溶融混練の設定温度を溶融温度以上でその溶融温度+150℃未満の範囲に設定したとしても、架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体を単に可塑化することは可能であるが、残存発泡剤や発泡剤の分解副生成物が押出機内で分解する反応が同時に起こるため、押出条件を制御することが難しくなる。仮に、分解反応を抑える目的で溶融混練の設定温度を融点温度以上でかつ比較的低い温度に設定したとしても、残存発泡剤や発泡剤の分解副生成物が押出機系内で完全分解されず、系外に出た後に急激に分解気化するため、可塑化された良好な樹脂再生物を得ることができない。一方、分解反応を促進する目的で溶融混練の設定温度を融点温度以上でかつ比較的高い温度に設定した場合、高熱のため樹脂の架橋構造の破壊が過度に進行し、悪臭を発生するとともに低分子量反応に伴って生成した二重結合、およびこれに起因すると思われる着色度が大きくなる。また、発泡剤の種類によっては分解生成物にアンモニア等の悪臭発生源を含むため、作業環境を著しく悪化させる程の臭気を発生させる原因とも成り得る。
また、反復時における溶融混練の設定温度は架橋ポリオレフィン系破砕体もしくは減容体の溶融により異なるが、2回目以降の設定温度は1回目の設定温度と同等もしくはそれよりも低い設定温度でかつ樹脂の融点以上であることが好ましい。1回目の設定温度が低すぎると、残存発泡剤や発泡剤の分解副生成物が押出機系内で完全分解されず、系外に出た後に急激に分解気化するため、良好な可塑化再生物を得ることができない。また、2回目以降の設定温度が1回目のそれと比べて高い場合、樹脂の架橋構造の破壊が過度に進行しやすくなり、低分子量反応に伴って生成した二重結合が多く生成する傾向がある。
上記方法を用いて架橋樹脂破砕体もしくは減容体を溶融混練した後、押出機から取り出される熱可塑化した樹脂再生物は、破砕あるいは裁断して粗粒体あるいはペレット化することにより樹脂再生物として供給することができ、繰り返し使用することができる。
処理された樹脂再生物は、架橋による分子鎖が効率的に切断されており、過度の分子量低下がないことから、メルトインデックス(190℃、2.16kg荷重)が0.5〜300g/10分で、ゲル分率が0.1〜5重量%を有し、特に架橋部分や高分子量の成分、低分子量反応に伴って生成した二重結合のレベルを架橋前のポリオレフィン系樹脂に近いレベルに制御することができる。
〔評価方法および評価基準〕
本発明による評価方法および評価基準は、次のとおりである。
(1)ゲル分率
試料約50mgを5mm角に裁断し、これを200メッシュのステンレス製金網で包み込み、130℃の温度のテトラリン25ml中に3時間浸漬した後、濾過して金網状の不溶解分を真空乾燥する。次いで、この不溶解分の重量を精密に秤量し、下記の式に従ってゲル分率を百分率で算出した。
・ゲル分率(%)={不溶解分の重量(mg)/秤量した発泡体の重量(mg)}×100
(2)メルトインデックス
JIS K7210(1995年版)に準拠し、190℃、2.16kg荷重にて測定した。
(3)GPC(Gel Permeation Chromatography)法
ゲルパーミュレーションクロマトグラフ測定装置:Waters社GPC150−C型、測定条件:ColumnKF−80M 2本(SH 20 ODEX)、Column温度:145℃、Injec.温度 145℃、ポンプ温度:60℃、感度:32、使用溶剤:O-ジクロロベンゼン(1.0ml/min)、Run time:50分Injec、容積:400μl。
このGPCによって得られる情報は、次の3点[(A)〜(C)]である。
(A)Mn:数平均分子量:ポリマーの分子数に直接関係する物性値を測定することによって求められる最も基本的な平均分子量で、分子の総数に依存する。
(B)Mw:重量平均分子量:測定される物性値がポリマーの重量に直接関係するときに求められる平均分子量であって、分子量の2乗平均であり、Mnより高重合度分子に依存する。
(C)Mw/Mn:重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比である多分散度。
以下、本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、これらの例によって本発明の範囲が制限されるものではない。各実施例および各比較例において使用した各原料は、下記の4種類[使用原料(a)〜使用原料(d)]のいずれかである。
・使用原料(a):
メルトインデックス(MI)が3.7g/10分で、密度が0.920g/cmの高圧法低密度ポリエチレン90重量部と、熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド[“ユニフォームAZ”(登録商標)(大塚化学(株)製)]10質量部をスーパーミキサーで混合し、混合物を熱分解型発泡剤が分解しない温度、すなわち140〜160℃の温度に加熱した直径90mmの単軸押出機でシート状に成形した後、60kGyの電子線を加速電圧800kVで照射して架橋せしめた後、縦型熱風発泡装置に連続投入し、220℃の温度で3〜4分間加熱発泡した発泡体の廃材を、押出機に入る平均5mm粒径にクラッシャーで破砕した破砕体、ゲル分率35%。
・使用原料(b):
ポリプロピレンにエチレンを5.2重量%ランダム共重合したメルトインデックス(MI)が2.2g/10分のポリプロピレン系樹脂100重量部、熱安定剤として“イルガノックス”(登録商標)1076(チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)0.5重量部、熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド[“ユニフォームAZ”(登録商標)(大塚化学(株)製)]5.0重量部、および架橋助剤としてジビニルベンゼン(新日鐵化学工業(株))5.0重量部を用いてスーパーミキサーで混合し、混合物を熱分解型発泡剤が分解しない温度、すなわち160〜180℃の温度に加熱した直径135mmの2軸押出機でシート状に成形した後、80kGyの電子線を加速電圧800kVで照射して架橋せしめた後、縦型熱風発泡装置に連続投入し、240℃の温度で3〜4分間加熱発泡した発泡体の廃材を、押出機に入る平均5mm粒径にクラッシャーで破砕した破砕体、ゲル分率35%。
・使用原料(c):
メルトインデックス(MI)が3.7g/10分で、密度が0.920g/cmの高圧法低密度ポリエチレン90重量部と、熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド[“ユニフォームAZ”(登録商標)(大塚化学(株)製)]10質量部をスーパーミキサーで混合し、混合物を熱分解型発泡剤が分解しない温度、すなわち140〜160℃の温度に加熱した直径90mmの単軸押出機でシート状に成形した後、電子線にて架橋した架橋シートを、押出機に入る平均5mm粒径にクラッシャーで破砕した破砕体、ゲル分率25%。
・使用原料(d):
メルトインデックス(MI)が6.3g/10分で、密度が0.922g/cmで、ゲル分率が1重量%のポリエチレン樹脂再生物20重量部、メルトインデックス(MI)が3.7g/10分で、密度が0.920g/cmの高圧法低密度ポリエチレン70重量部、および熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド[“ユニフォームAZ“(登録商標)(大塚化学(株)製)]10質量部をスーパーミキサーで混合し、混合物を熱分解型発泡剤が分解しない温度、すなわち140〜160℃の温度に加熱した直径90mmの単軸押出機でシート状に成形した後、60kGyの電子線を加速電圧800kVで照射し、架橋せしめた後、縦型熱風発泡装置に連続投入し、220℃の温度で3〜4分間加熱発泡した発泡体の廃材を、押出機に入る大きさ約5mm粒径にクラッシャーで破砕した破砕体、ゲル分率28%。
また、熱可塑化された樹脂再生物を比較対象とするため比較原料として、下記の2種類[比較原料(a)と比較原料(b)]を使用した。
・比較原料(a):
上記の使用原料(a)および(c)で用いたメルトインデックス(MI)が3.7g/10分で、密度が0.920g/cmの高圧法低密度ポリエチレン。
・比較原料(b):
上記使用原料(b)で用いた、ポリプロピレンにエチレンを5.2重量%ランダム共重合したメルトインデックス(MI)が2.2g/10分のポリプロピレン系樹脂。
適用した製造方法は以下の2とおり[製造方法(a)と製造方法(b)]のいずれかである。
・製造方法(a):
各原料を単軸押出機(中部機械製作所(株)製、L/D=32、直径40mm、フルフライトスクリュー、押出機の機械効率係数0.9)のホッパーに供給し、表1に示した温度とスクリュー回転数を設定し、ノズルから押出すことにより直径3mmの棒状のストランドを作り、これを長さ3mmにカッティングし、同様の作業を2回以上繰り返す方法。
・製造方法(b):
各原料を異方向2軸押出機(TEX−90、二本製鋼所(株)製、L/D=30、直径90mm、押出機の機械効率係数0.9)のホッパーに供給し、表1に示した温度とスクリュー回転数を設定し、ノズルから押出すことにより直径3mmの棒状のストランドを作り、これを長さ3mmにカッティングし、同様の作業を2回以上繰り返す方法。
(実施例1〜4、比較例1〜3)
各実施例および各比較例において使用した製造方法(押出機種類)と再生処理条件を第1表に示す。表1中の押出機の温度設定点C〜Cは、押出機のスクリューのホッパー側をC、ヘッド側をCとし、その間の等間隔点をC側からC、C・・・Cとした。また、Hはヘッド部である。
Figure 2006312315
再生処理されたそれぞれの架橋ポリオレフィン系樹脂の再生ペレットについて、メルトインデックス、ゲル分率、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)の5点について再生ペレットと比較原料とを対比し、得られた結果を第2表に示す。
また、使用原料を表2に示す。原料の外観に関しては、下記の基準により評価した。
○:気泡混入がなく、形状が安定。
×:気泡の混入があり、形状が不揃い。
Figure 2006312315
表2の実施例1〜4から明らかなように、本発明の再生処理方法により再生された樹脂再生物の物性はいずれもゲル分率が0.1〜5重量%の範囲内にあり、MIの値が元の原料と同等であり、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)の値も元の原料に近い値を示すことから、元の原料に近い再生物が得られた。
これに対し、比較例1に示す押出回数を1回のみの場合、ゲル分率が15%と架橋部分が残されており、押出設定温度条件が実施例1と逆に設定した比較例2の場合、1回目の分解反応が不十分なため、可塑化反応が不十分であった。一方、押出温度を融点より150℃以上に設定した比較例3は、分解反応が進行し低分子量物が増える結果となった。
本発明により、従来は廃棄処理されていた架橋ポリオレフィン系樹脂材料等を各種用途のポリオレフィン系樹脂として再生利用することが可能であり、リサイクル上でも工業的価値が大きいという優れた効果を奏するという利点がある。

Claims (3)

  1. 架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体を、その溶融温度以上〜該溶融温度+150℃未満の範囲の温度で2回以上溶融混練することにより、メルトインデックス(190℃、2.16kg荷重)が0.5〜300g/10分で、ゲル分率が0.1〜5重量%にすることを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体の再生処理方法。
  2. 架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体が、(a)ポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂再生物から選ばれた少なくとも1種を配合した樹脂を架橋した架橋ポリオレフィン系樹脂、(b)ポリオレフィン系樹脂組成物を架橋した架橋ポリオレフィン系樹脂組成物、および(c)前記の架橋ポリオレフィン系樹脂組成物から得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる群から選ばれた少なくとも1種を破砕もしくは減容したものであることを特徴とする請求項1記載の架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体の再生処理方法。
  3. 架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体の大きさが50mm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の架橋ポリオレフィン系樹脂破砕体もしくは減容体の再生処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022163627A1 (ja) * 2021-01-26 2022-08-04 株式会社カネカ 分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂の製造方法、押出発泡粒子の製造方法、および、発泡成形体の製造方法

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