JP2006312118A - 機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターンの形成方法及び電子機器 - Google Patents

機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターンの形成方法及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 膜パターンを十分に焼成を行わせることのできる機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターン形成方法、及び、機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターン形成方法によって十分に焼成がなされた膜パターンで構成された電子機器を提供する。
【解決手段】 膜パターン40Aを、膜パターン40Aの上下端領域40U,40Dに向かって出射される第1及び第2のレーザ光55A,55B、上下端領域40U,40Dよりも中央領域40C側に向かって出射される第3及び第4のレーザ光55C,55D、及び中央領域40Cに向かって出射される第5のレーザ光55Eで構成される焼成用レーザ光55を照射することによって焼成するようにした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターン形成の方法及び電子機器に関する。
従来、各種デバイスの機能性膜パターンを形成する方法としてはフォトリソグラフィー法が一般的に知られている。この方法は材料の大部分を捨てるなど無駄が大きいと言える。このフォトリソグラフィー法に代わる機能性膜パターンの形成方法として、スクリーン印刷法やマイクロディスペンス法、液滴吐出法(インクジェット法)等による直接描画が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような直接描画を行うためには、スパッタ法等とは異なり、機能性材料を微粒子化し溶液に分散させる、もしくは適当な溶媒に溶かし込むことでインク化(液状化)したものを用いる必要がある。このため、直接描画によりパターンを形成しただけでは機能性膜パターンとしての性能を発揮することができないので、所望の性能を得るために後工程としてオーブン等を用いた乾燥と焼結を含む焼成が必要となる。
現状の焼成には30分から1時間程度以上の時間が必要であるため、この焼成はスループットを低下させる要因となっている。これを回避するため、オーブン等に代わる処理時間の速い焼成方法として、直接描画によりパターニングされた膜パターンに電磁波を照射し、光熱変換で生じた熱の作用で上記焼成を行う電磁波照射による方法が考えられる。
特開2002−261048号公報
しかしながら、膜パターンは、電磁波を照射し焼成を開始し、その焼成が進んで焼成中期から焼成後期に遷移すると、電磁波に対する吸収率が急峻に低下する。このため、焼成後期での焼成が十分にされず、未焼成な部分が生じてしまう。すると、この未焼成な部分は、十分に焼成が行われた部分に比べて抵抗値が高くなったり、機械的に破損しやすくなったりするといった、所望の特性が得られなくなるという問題がある。これを克服するため、焼成後期に入ったのちも十分な焼成を行うために、電磁波の照射エネルギー量を大幅に増やす必要があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、膜パターンを少ない照射エネルギー量で十分に焼成を行わせることのできる機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターン形成方法、及び、該機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターン形成方法によって十分に焼成がなされた膜パターンで構成された電子機器を提供することである。
本発明における機能性膜パターン形成装置は、基板上に機能性液状材料を付着させて所定の形状の膜パターンを形成するパターニング手段と、前記基板との間で前記膜パターンの幅方向に対して直交する方向に相対移動させるとともに、前記膜パターンの幅方向で異なる領域に対して異なるタイミングで電磁波を照射する電磁波照射手段とを備えている。
これによれば、基板上に形成された膜パターンは、その焼成初期及び中期においては、照射された電磁波の光熱変換によって加熱される。そして、焼成後期においては、その周
囲の異なる領域での焼成初期及び中期において発生した余剰な熱が伝わり、その余剰な熱によって加熱される。従って、膜パターンは、焼成後期において、その膜パターンの光熱変換効率が下がる場合においてもその大部分が周囲での発熱により十分に加熱され、焼成後期の膜パターンに電磁波を直接照射しなければならない領域が少なくなる。この結果、膜パターンは照射方法を工夫しない場合に比べ、少ない照射エネルギー量で完全に焼成され、未焼成によって生ずる電気的・機械的不良も無い所望の特性パターンを形成することができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記電磁波照射手段は、前記電磁波を、前記膜パターンの幅方向の両外側端領域と中央領域とにそれぞれ照射してもよい。
これによれば、膜パターンの幅方向の両外側領域が焼成後期であるときに、膜パターンの中央領域に電磁波が照射される。従って、両外側領域は、その焼成後期においては、中央領域に照射された電磁波による余剰の熱が伝わるので、十分に焼成される。また、両外側領域の焼成が終了した時点で、中央領域は焼成後期もしくは焼成後期に移行し始めているため、焼成初期・中期に比べ照射エネルギー量を増やす必要があるが、焼成後期の領域に電磁波を直接照射しなければならない部分はこの時点で全体の一部分であるため、照射方法を工夫しない場合に比べ、少ない照射エネルギー量で全体を十分に焼成することができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記電磁波照射手段は、前記電磁波を、前記膜パターンの幅方向の一方の外側端領域と中央領域と他方の外側端領域とにそれぞれ照射してもよい。
これによれば、膜パターンの幅方向の一方の外側領域が焼成後期であるときに、中央領域もしくは他方の外側領域に電磁波が照射される。従って、前記一方の外側領域は、その焼成後期においては、中央領域もしくは他方の外側領域に照射された電磁波による余剰の熱が伝わるので、十分に焼成される。また、前記一方の外側領域および中央領域の焼成が終了した時点で、前記他方の外側領域は焼成後期もしくは焼成後期に移行し始めているため、焼成初期・中期に比べ照射エネルギー量を増やす必要があるが、焼成後期の領域に電磁波を直接照射しなければならない部分はこの時点で全体の一部分であるため、照射方法を工夫しない場合に比べ、少ない照射エネルギー量で全体を十分に焼成することができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記電磁波照射手段は、前記電磁波を出射する電磁波出射本体と、前記電磁波出射本体から出射された電磁波を、前記基板の進行方向に応じて前記膜パターンの幅方向で異なる領域に照射する形状にする光学素子とを含んでいてもよい。
これによれば、電磁波出射本体を、例えば、レーザ光を出射する公知の半導体レーザで構成し、また、例えば、光学素子を公知の回折光学素子で構成することで、基板の進行方向に応じて膜パターンの幅方向で異なる領域に電磁波を照射する機能性膜パターン形成装置を実現することができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記光学素子は、回折光学素子であってもよい。
これによれば、基板の進行方向に応じて膜パターンの幅方向で異なる様々な領域に電磁波を照射することのできる機能性膜パターン形成装置を実現することができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記電磁波照射手段から出射される前記電磁波は、レーザ光であってもよい。
これによれば、微小な形状をした膜パターンに対しても十分に焼成させることができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記パターニング手段は、液体プロセス法により前記膜パターンを形成する装置であってもよい。
これによれば、液体プロセス法により所望の形状のパターンを形成する際、機能性液状材料を十分に焼成させることができるので、所望の特性を有した機能性膜パターンを形成することができる。ここで、液体プロセス法とは、たとえば、インクジェット法、マイクロディスペンス法、あるいはスクリーン印刷法が挙げられる。
本発明の機能性膜パターンの形成方法は、基板上に機能性液状材料を付着させて所定の形状の膜パターンを形成するパターニング工程と、前記基板との間で前記膜パターンの幅方向に対して直交する方向に相対移動させるとともに、前記膜パターンの幅方向で異なる領域に対して異なるタイミングで電磁波を照射する電磁波照射工程とを備えている。
これによれば、基板上に形成された膜パターンは、その焼成初期及び中期においては、照射された電磁波の光熱変換によって加熱される。そして、焼成後期においては、その周囲の異なる領域での焼成初期及び中期において発生した余剰な熱が伝わり、その余剰な熱によって加熱される。従って、膜パターンは、焼成後期において、その膜パターンの光熱変換効率が下がる場合においても十分に加熱される。一部領域については焼成後期もしくは焼成後期に移行し始めているため、この部分に電磁波を直接照射する必要がある。そのため焼成初期・中期に比べ照射エネルギー量を増やす必要があるが、このような領域は全体の一部分であるため、照射方法を工夫しない場合に比べ、少ない照射エネルギー量で全体を十分に焼成することができる。この結果、膜パターンは照射方法を工夫しない場合に比べ、少ない照射エネルギー量で完全に焼成され、未焼成によって生ずる電気的・機械的不良も無い所望の特性パターンを形成することができる。
この機能性膜パターンの形成方法において、前記電磁波照射工程は、前記電磁波を、前記膜パターンの幅方向の両外側端領域と、中央領域とに照射するようにしてもよい。
これによれば、例えば、膜パターンの幅方向の両外側領域が焼成後期であるときに、膜パターンの中央領域に電磁波が照射される。従って、両外側領域は、その焼成後期においては、中央領域に照射された電磁波による余剰の熱が伝わるので、十分に焼成される。また、中央領域には、その焼成後期に、両外側領域が焼成し終わった後の余剰の熱が伝わるので、中央領域も十分に焼成される。
この機能性膜パターンの形成方法において、前記電磁波照射工程は、前記電磁波を、前記膜パターンの幅方向の一方の外側端領域と、中央領域と、他方の外側端領域とに照射するようにしてもよい。
これによれば、例えば、膜パターンの幅方向の一方の外側領域が焼成後期であるときに、他方の外側領域に電磁波が照射される。従って、前記一方の外側領域は、その焼成後期においては、他方の外側領域に照射された電磁波による余剰の熱が伝わるので、十分に焼成される。また、前記一方の外側領域および中央領域の焼成が終了した時点で、前記他方の外側領域は焼成後期もしくは焼成後期に移行し始めているため、焼成初期・中期に比べ照射エネルギー量を増やす必要があるが、焼成後期の領域に電磁波を直接照射しなければならない部分はこの時点で全体の一部分であるため、照射方法を工夫しない場合に比べ、少ない照射エネルギー量で全体を十分に焼成することができる。
本発明の電子機器は、上記記載の機能性膜パターン形成装置で形成された機能性膜パターンを備えている。
これによれば、上記機能性膜パターン形成装置により機能性膜パターンとしての配線パターンや絶縁膜パターンを形成することで、これら機能性膜パターンは十分に焼成されることにより、故障がなく歩留まりを向上させることのできる電子機器を実現することができる。
以下、本発明を具体化した各実施形態を、図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る機能性膜パターン形成装置としてのレーザ成膜装置20を図1〜図8に従って説明する。
レーザ成膜装置20は、機能性材料を基板に付着させて膜パターンを形成し、その膜パターンにレーザ光を照射し、レーザ光の吸収による光熱変換で発生する熱で膜パターンの焼成を進めて機能性膜パターンとしての配線パターンを形成するものである。
図1は、本実施形態に係るレーザ成膜装置20の全体構成図である。
図1に示すように、レーザ成膜装置20は、基板21を載置するキャリッジ22、機能性液状材料を基板21上に付着させて膜パターン40Aを形成するパターニング手段としての液滴吐出ヘッド23、電磁波照射手段としてのレーザ光照射ヘッド24、及び制御部25を備えている。
キャリッジ22は、図示を省略したX方向駆動モータ及びY方向駆動モータによって駆動されて、液滴吐出ヘッド23に対してXY方向に移動可能になっている。図1では、キャリッジ22は、X矢印方向へ所定の速度で移動することで、基板21をX矢印方向(基板進行方向)に搬送する。
液滴吐出ヘッド23は、基板21に対向する位置に吐出ノズル23Aを備えている。液滴吐出ヘッド23は、この吐出ノズル23Aから機能性液状材料としての液滴30を基板21に向かって(図1中Z矢印方向に沿って)吐出する。この液滴30は、図1中の拡大部60,61に示すように、金属を微粒子化したもの(金属微粒子31)を溶媒32に溶かしてインク化(液状化)したものである。金属微粒子31は、そのままでは互いにくっついて溶融するので、各金属微粒子31を分散剤33からなる保護膜で被覆して分散させてある。尚、本実施形態においては、金属微粒子31は、銀の微粒子である。
そして、液滴吐出ヘッド23は、キャリッジ22とともにXY方向に移動して、基板21との相対位置を制御しながら液滴30を基板21に向かって吐出する。この結果、基板21には、例えば、図2に示すように、X矢印方向を長手方向とし、またY矢印方向を短手方向とした略直方形状の膜パターン40Aが形成される。つまり、液滴吐出ヘッド23は、基板21との間で膜パターン40Aの幅方向に対して直交する方向に相対移動する。以下、説明の便宜上、膜パターン40Aの図2中反Y矢印方向側の端部を一方の外側端領域としての膜パターン40Aの上端領域40U、Y矢印方向側の端部を他方の外側端領域としての下端領域40Dとする。また、Y矢印方向に対する膜パターン40Aの中央部を中央領域40Cとする。
このように、本実施形態では、金属微粒子31を溶媒32に溶かしてインク化したものを吐出して所望のパターンを形成する、所謂、インクジェット法を使用して膜パターン40Aを形成するようにしている。尚、基板21上に着弾した液滴30が濡れ広がらず所望の位置に留まるように、基板21上の必要な個所には撥液処理が施されている。
図1に示すように、レーザ光照射ヘッド24は、キャリッジ22の上方(反Z矢印方向
)に設けられている。レーザ光照射ヘッド24は、レーザ本体51と、光学素子としての回折光学素子レンズ52とを備えている。そして、このレーザ光照射ヘッド24は、液滴吐出ヘッド23を追従するように構成されており、たとえば、液滴吐出ヘッド23と一体形成されている。
レーザ本体51は、所定の波長のレーザ光50を連続して出射する。このレーザ光50は、例えば、公知の半導体レーザであって、本実施形態では、Nd:YAGレーザの第二高調波(波長λ=532nm)である。
回折光学素子レンズ52は、レーザ本体51からのレーザ光50を、基板21の進行方向(図1及び図2中X矢印方向)に応じて膜パターン40Aの幅方向(Y矢印方向)で異なる領域に対して異なるタイミングで照射する形状をした焼成用レーザ光55に形成するためのレンズである。本実施形態においては、回折光学素子レンズ52は、図3に示すように、入射したレーザ光50を5つのレーザ光55A〜55Eで構成される焼成用レーザ光55に形成する。
詳しくは、第1〜第5のレーザ光55A〜55Eのうち、第1及び第2のレーザ光55A,55Bは、基板21の進行方向に対して反X矢印方向側に、つまり、他のレーザ光55C〜55Eに先行して膜パターン40Aに照射するように出射される。また、第1及び第2のレーザ光55A,55Bは、膜パターン40Aの幅方向(Y矢印方向)に対しては、他のレーザ光55C〜55Eよりも、図3中Y矢印方向及び反Y矢印方向に向かって出射される。つまり、第1のレーザ光55Aは膜パターン40Aの上端領域40U側に向かって、一方、第2のレーザ光55Bは膜パターン40Aの下端領域40D側に向かって出射される。
第3及び第4のレーザ光55C,55Dは、基板21の進行方向(X矢印方向)に対して第1及び第2のレーザ光55A,55BよりもX矢印方向側にずれて、つまり、第1及び第2のレーザ光55A,55Bよりも膜パターン40Aの後方側に向かって出射される。また、第3及び第4のレーザ光55C,55Dは、Y矢印方向に対しては、第1及び第2のレーザ光55A,55Bよりも膜パターン40Aの中央領域40C側に向かって出射される。
第5のレーザ光55Eは、基板21の進行方向(X矢印方向)に対して他の第1〜第4のレーザ光55A〜55DよりもX矢印方向側にずれて、つまり、他の第1〜第4のレーザ光55A〜55Dよりも膜パターン40Aの後方側に向かって出射される。また、第5のレーザ光55Eは、膜パターン40Aの中央領域40Cに向かって出射される。
そして、キャリッジ22とレーザ光照射ヘッド24との間のZ矢印方向の距離が調整されて、第1及び第2のレーザ光55A,55Bの各照射領域Ra,Rbが、膜パターン40Aの上下端領域40U,40Dに一致するように設定されている。すると、第3及び第4のレーザ光55C,55Dの各照射領域Rc,Rdが膜パターン40Aの上下端領域40U,40Dよりも中央領域40C側の領域に、さらに、第5のレーザ光55Eの照射領域Reが膜パターン40Aの中央領域40Cにそれぞれ形成される。つまり、膜パターン40A上には、全体としてV字状を成した照射領域が形成される。
制御部25は、図示を省略したCPU、タイマクロック、膜パターンの形状及び位置を記憶したメモリ等を含んでいる。そして、制御部25は、キャリッジ22、液滴吐出ヘッド23及びレーザ光照射ヘッド24の各々に制御信号を出力して、これらを含むシステム全体を統括制御するようになっている。
次に、膜パターン40Aの光熱変換特性について、図4〜図6に従って説明する。
図4は、液滴30(機能性液状材料)の吸収スペクトルであり、図5(A)は、溶媒32に起因する吸収スペクトル、図5(B)は、分散剤33に起因する吸収スペクトル、図5(C)は、金属微粒子(溶質)31に起因する吸収スペクトルである。従って、液滴30(機能性液状材料)の吸収スペクトルは、溶媒32に起因する吸収スペクトルと、分散剤33に起因する吸収スペクトルと、金属微粒子(溶質)31に起因する吸収スペクトルとを重ね合わせたものにほぼ等しくなる。そして、この膜パターン40Aは、焼成用レーザ光55が照射されると、その各レーザ光55A〜55Eを吸収し、その光エネルギーが熱エネルギーに変換されることで焼成される。その結果、膜パターン40Aは、導電性を示す配線パターン40Bとなるが(図1参照)、その焼成過程は、以下の3つの焼成過程(焼成初期、焼成中期及び焼成後期)に分けることができる。
図6は、焼成過程毎の膜パターン40Aの吸収スペクトルである。
焼成初期:この焼成初期では、機能性液状材料中の溶媒32及び分散剤33が分解・蒸発する。図6(A)に示すように、焼成初期では、金属微粒子31、溶媒32及び分散剤33に起因する吸収がそれぞれ起るので、レーザ光55が最も吸収されやすい過程である。
焼成中期:この焼成中期では、機能性液状材料中の溶媒32及び分散剤33の分解・蒸発が促進されて溶媒32及び分散剤33の残留分が少なくなる。この結果、図6(B)に示すように、溶媒32に起因する吸収スペクトルは消失し、また分散剤33に起因する吸収スペクトルの強度も減少する。また、金属微粒子31同士が溶融(溶質が析出)し粒成長を始める。
焼成後期:この焼成後期では、金属微粒子31の粒成長がさらに促進して、配線パターン40Bに起因する特性が現れ始める。従って、微粒子起因の吸収スペクトルが消失し始める。その結果、図6(C)に示すような吸収スペクトルを示す。この焼成後期は、焼成初期及び焼成中期に比べて光熱変換率が著しく低下し、焼成用レーザ光55が最も吸収されにくくなる過程である。
次に、前記のように構成されたレーザ成膜装置20の作用について図7及び図8に従って説明する。以下、説明を簡単にするために、膜パターン40A中の幅方向(Y矢印方向)に沿った任意の細長い帯状の領域を「P」で示し、この領域Pの焼成度合いについて詳細に説明する。
まず、図7(A)に示すように、キャリッジ22を基板進行方向(図7(A)中X矢印方向)に搬送させながら、液滴吐出ヘッド23から液滴30を吐出して(図1参照)、同基板21に膜パターン40Aを形成する(パターニング工程)。また、レーザ光照射ヘッド24を駆動させて焼成用レーザ光55を照射する(電磁波照射工程)。
すると、先ず、焼成用レーザ光55の第1及び第2のレーザ光55A,55Bが、他の第3〜第5のレーザ光55C〜55Eに先行して膜パターン40Aに照射される。すると、図7(B)に示すように、第1のレーザ光55Aの照射領域Raが膜パターン40Aの下端領域40Dに、また、第2のレーザ光55Bの照射領域Rbが膜パターン40Aの上端領域40Uにそれぞれ形成される。この結果、膜パターン40Aの領域P内の上下端領域40U,40Dはそれぞれ焼成され始めて焼成初期の状態になる。
その後、キャリッジ22が、図7(C)中X矢印方向に向かって徐々に移動しながら第1〜第5のレーザ光55A〜55Eを継続して照射する。この結果、膜パターン40Aの領域P内の上下端領域40U,40Dは、それぞれ焼成初期から焼成中期、及び焼成中期
を通過して焼成後期に遷移する。焼成後期の状態になると、膜パターン40Aの光熱変換率は急峻に低下するので、第1及び第2のレーザ光55A,55Bが照射されても非常に加熱されにくくなる。このため、このときの領域P内の上下端領域40U,40Dは、それぞれ十分に焼成されないので焼成が完全に終了しない状態(未焼成状態)になる。
続いて、キャリッジ22が、図7(B)中X矢印方向に向かって徐々に移動することで、図7(C)に示すように、焼成用レーザ光55の第3及び第4のレーザ光55C,55Dが、先に第1及び第2のレーザ光55A,55Bが照射された膜パターン40Aの上下端領域40U,40Dよりも中央領域40C側の領域に照射される。この結果、膜パターン40Aの領域P内の上下端領域40U,40Dよりも中央領域40C側の領域では、焼成初期の状態になる。
その後、キャリッジ22が、図8(A)中X矢印方向に向かって徐々に移動しながら第1〜第5のレーザ光55A〜55Eを継続して照射する。このとき、膜パターン40Aの領域P内の前記上下端領域40U,40Dよりも中央領域40C側の各領域では、焼成初期から焼成中期、及び焼成中期を通過して焼成後期に遷移する。
このとき、この焼成初期及び中期に、前記中央領域40C側の各領域にて発生した余剰な熱が、その周囲に伝わる。すると、その余剰な熱によって、先に焼成されて焼成後期にある領域P内の上下端領域40U,40Dのうちの大部分が十分に加熱される。その結果、焼成が完全に終了する。尚、図8(A)において、その焼成が完全に終了した領域を網掛けで示している。
続いて、さらに、キャリッジ22が、図8(A)中X矢印方向に向かって徐々に移動することで、図8(B)に示すように、焼成用レーザ光55の第5のレーザ光55Eが、膜パターン40Aの中央領域40Cに照射される。この結果、領域P内の中央領域40Cでは、焼成され始めて焼成初期の状態になる。
その後、キャリッジ22が、図8(B)中X矢印方向に向かって徐々に移動しながら第1〜第5のレーザ光55A〜55Eを継続して照射する。このとき、先に焼成された膜パターン40Aの領域P内の中央領域40Cでは、焼成初期から焼成中期、及び焼成中期を通過して焼成後期に遷移する。
このとき、その焼成初期及び中期に中央領域40Cで発生した余剰な熱が、その周囲に拡散する。すると、その余剰な熱によって、先に焼成されて焼成後期にある領域P内の、前記上下端領域40U,40Dよりも中央領域40C側の各領域の大部分が十分に加熱される。その結果、膜パターン40Aの領域P内の前記上下端領域40U,40Dよりも中央領域40C側の各領域の焼成が完全に終了する。
また、上下端領域40U,40Dの焼成が終了した時点では、該上下端領域40U,40Dよりも中央領域40C側の各領域は、焼成後期もしくは焼成後期に移行し始める。このため、焼成初期・中期に比べレーザ光55の照射エネルギー量を増やす必要があるが、焼成後期の領域にレーザ光を直接照射しなければならない部分は、この時点で全体の一部分となる。
その後、キャリッジ22が、図8(B)中X矢印方向に向かって徐々に移動しながら第1〜第5のレーザ光55A〜55Eを継続して照射する。すると、膜パターン40Aの領域P内の中央領域40Cに、その周囲の、完全に焼成が終了した領域に残留した余剰の熱が伝わり、その余剰の熱によって前記中央領域40Cのうちの大部分が十分に加熱される。その結果、膜パターン40Aの領域P内の中央領域40Cの焼成が完全に終了する。
また、前記上下端領域40U,40Dよりも中央領域40C側の各領域の焼成が終了した時点では、該上下端領域40U,40Dよりも中央領域40C側の各領域は、焼成後期もしくは焼成後期に移行し始める。このため、焼成初期・中期に比べレーザ光の照射エネルギー量を増やす必要があるが、焼成後期の領域にレーザ光を直接照射しなければならない部分は、この時点で全体の一部分となる。
以降、キャリッジ22が、図8(C)中X矢印方向に向かって徐々に移動しながら第1〜第5のレーザ光55A〜55Eを継続して照射することで、膜パターン40A全体が完全に焼成される。この結果、未焼成の部分がなく確実に焼成がなされた配線パターン40Bが形成される。
前記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態によれば、膜パターン40Aを、基板21の進行方向に応じて膜パターン40Aの幅方向に沿って異なった領域に異なったタイミングで照射する第1〜第5のレーザ光55A〜55Eによって焼成するようにした。従って、第1及び第2のレーザ光55A,55Bが照射されて焼成後期の状態にある領域には、第3及び第4のレーザ光55C,55Dが照射されることで発生した余剰の熱が伝わる。また、第3及び第4のレーザ光55C,55Dが照射されて焼成後期の状態にある領域には、第5のレーザ光55Eが照射されることで発生した余剰の熱が伝わる。さらに、第5のレーザ光55Eが照射されて焼成後期の状態にある領域に、その周囲の余剰の熱が伝わる。
この結果、膜パターン40Aは、焼成後期においても、その大部分が周囲での発熱により十分に加熱されるので、焼成後期の膜パターン40Aにレーザ光55を直接照射しなければならない領域が少なくなり最終的に焼成が終了する。この結果、膜パターン40A全体として完全に焼成されるので、未焼成の部分のない均一な配線パターン40Bを形成することができる。
(2)しかも、本実施形態によれば、膜パターン40Aは、焼成後期においても、その大部分が周囲での発熱により十分に加熱されるので、焼成後期の膜パターン40Aにレーザ光55を直接照射しなければならない領域が少なくなる。この結果、膜パターンは照射方法を工夫しない場合に比べ、少ない照射エネルギー量で完全に焼成され、未焼成によって生ずる電気的・機械的不良も無い所望の特性パターンを形成することができる。
(3)本実施形態によれば、レーザ光照射ヘッド24を、レーザ本体51と回折光学素子レンズ52とで構成した。従ってレーザ本体51から出射したレーザ光50を、基板21の進行方向に応じて膜パターン40Aの幅方向にそれぞれずれた第1〜第5のレーザ光55A〜55Eから構成される焼成用レーザ光55に形成することができる。
(4)も、本実施形態によれば、第1〜第5のレーザ光55A〜55Eもレーザ光であるので、微細な形状をした均一な配線パターン40Bを形成することができる。
(5)また、本実施形態によれば、インクジェット法を使用して所望の膜パターン40Aを形成するようにしたので、微細な膜パターン40Aを形成することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るレーザ成膜方法及びレーザ成膜装置を、図9〜図11に従って説明する。
この第2実施形態に係るレーザ成膜装置20は、膜パターン40Aを焼成するための焼成用レーザ光55Sの形状が、上記第1実施形態の焼成用レーザ光55とは異なっていること以外は、上記第1実施形態と同じである。従って、焼成用レーザ光55S及び該焼成用レーザ光55Sを出射するレーザ光照射ヘッド24の回折光学素子52S以外の部材についてはその詳細な説明を省略する。
図9は、本実施形態に係る焼成用レーザ光55Sを説明するための図である。
図9に示すように、本実施形態の回折光学素子52Sは、レーザ本体51(図1参照)から出射したレーザ光50を、基板21の進行方向(図9中X矢印方向)に沿って略斜め方向に並ぶように出射される3つのレーザ光55F,55G,55Hで構成される焼成用レーザ光55Sに形成する。
詳しくは、レーザ光55F〜55Hのうち、第6のレーザ光55Fは、基板21の進行方向(X矢印方向)に対して反X矢印方向に、つまり、他のレーザ光55G,55Hに先行して膜パターン40Aに照射されるように出射される。また、この第6のレーザ光55Fは、膜パターン40Aの下端領域40Dに向かって出射される。
第7のレーザ光55Gは、基板21の進行方向(X矢印方向)に対して第6のレーザ光55FよりもX矢印方向側にずれて、つまり、第6のレーザ光55Fよりも膜パターン40Aの後方に出射される。また、この第7のレーザ光55Gは、膜パターン40Aの中央領域40Cに向かって出射される。
第8のレーザ光55Hは、基板21の進行方向(X矢印方向)に対して他の第6及び第7のレーザ光55F,55GよりもX矢印方向側にずれて、そして、他の第6及び第7のレーザ光55F,55Gよりも膜パターン40Aの後方に照射される。また、この第8のレーザ光55Hは、膜パターン40Aの上端領域40Uに向かって出射される。
そして、キャリッジ22とレーザ光照射ヘッド24との間のZ矢印方向の距離が調整されて、第6及び第8のレーザ光55F,55Hの各照射領域Rf,Rhが、膜パターン40Aの上下端領域40U,40Dに一致するように設定されている。すると、第7のレーザ光55Gの照射領域Rgが、膜パターン40Aの中央領域40Cに配置される。
次に、第2実施形態に係るレーザ成膜装置20の作用について図10及び図11に従って説明する。以下、説明を簡単にするために、上記第1実施形態と同様に、膜パターン40A中のY矢印方向に沿った任意の細長い帯状の領域を「P」で示し、この領域Pの焼成度合いについて詳細に説明する。
まず、上記第1実施形態と同様に、キャリッジ22を基板進行方向(図10(A)中X矢印方向)に搬送させながら、液滴吐出ヘッド23から液滴30を吐出して(図1参照)、同基板21に膜パターン40Aを形成する(パターニング工程)。また、レーザ光照射ヘッド24を駆動させて焼成用レーザ光55Sを照射する(電磁波照射工程)。
すると、先ず、焼成用レーザ光55の第6のレーザ光55Fが、他の第7及び第8のレーザ光55G,55Hに先行して膜パターン40Aに照射される。すると、図10(B)に示すように、第6のレーザ光55Fの照射領域Rfが膜パターン40Aの下端領域40Dに配置される。この結果、膜パターン40Aの領域P内の下端領域40Dが焼成初期の状態になる。
その後、キャリッジ22が、図10(B)中X矢印方向に向かって徐々に移動しながら第6〜第8のレーザ光55F〜55Hを継続して照射する。この結果、膜パターン40Aの領域P内の下端領域40Dは、焼成初期から焼成中期、及び焼成中期を越して焼成後期に遷移する。この焼成後期の状態になると、膜パターン40Aの光熱変換率は急峻に低下するので、第6のレーザ光55Fが照射されても非常に加熱されにくくなる。このため、このときの領域P内の下端領域40Dは十分に焼成されないので焼成が完全に終了しない状態(未焼成状態)になる。
続いて、キャリッジ22が、図10(B)中X矢印方向に向かって徐々に移動することで、図10(C)に示すように、焼成用レーザ光55Sの第7のレーザ光55Gが、膜パターン40Aの中央領域40Cにそれぞれ配置される。この結果、膜パターン40Aの領域P内の中央領域40Cは焼成初期の状態になる。
その後、キャリッジ22が、図11(A)中X矢印方向に向かって徐々に移動しながら第6〜第8のレーザ光55F〜55Hを継続して照射する。そして、下端領域40Dの焼成が終了した時点では、膜パターン40Aの領域P内の中央領域40Cでは、焼成初期から焼成中期、及び焼成中期を越して焼成後期に移行し始める。
このとき、その焼成初期及び中期に領域P内の中央領域40Cで発生した余剰な熱が、その周囲に拡散する。すると、その余剰な熱によって、先に焼成されて焼成後期にある領域P内の下端領域40Dの大部分が十分に加熱される。その結果、膜パターン40Aの領域P内の下端領域40Dの焼成が完全に終了する。また、焼成初期・中期に比べレーザ光55の照射エネルギー量を増やす必要があるが、焼成後期の領域にレーザ光55を直接照射しなければならない部分は、この時点で全体の一部分となる。
続いて、さらに、キャリッジ22が、図11(A)中X矢印方向に向かって徐々に移動することで、図11(B)に示すように、焼成用レーザ光55Sの第8のレーザ光55Hが、領域P内の膜パターン40Aの上端領域40Uに照射される。この結果、領域P内の上端領域40Uが焼成初期の状態になる。
そして、中央領域40Cの焼成が終了した時点では、膜パターン40Aの領域P内の上端領域40Uでは、焼成初期から焼成中期、及び焼成中期を越して焼成後期に移行し始める。
その後、キャリッジ22が、第6〜第8のレーザ光55F〜55Hを継続して照射する。このとき、先に焼成された膜パターン40Aの上端領域40Uが焼成初期から焼成中期、及び焼成中期を通過して焼成後期に遷移する。
このとき、その焼成初期及び中期に領域P内の上端部で発生した余剰な熱が、その周囲に伝わる。すると、その余剰な熱によって、先に焼成されて焼成後期にある領域P内の中央領域40Cの大部分が十分に加熱される。その結果、膜パターン40Aの領域P内の中央領域40Cの焼成が完全に終了する。
また、前記中央領域40C側の各領域の焼成が終了した時点では、上端領域40Uは、焼成後期もしくは焼成後期に移行し始める。このため、焼成初期・中期に比べレーザ光の照射エネルギー量を増やす必要があるが、焼成後期の領域にレーザ光を直接照射しなければならない部分は、この時点で全体の一部分となる。
以降、キャリッジ22が、図11(C)中X矢印方向に向かって徐々に移動しながら第6〜第8のレーザ光55F〜55Hを継続して照射することで、膜パターン40A全体が完全に焼成される。この結果、未焼成の部分がなく確実に焼成がなされた配線パターン40Bが形成される。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態によれば、膜パターン40Aを、基板21の進行方向に応じて膜パターン40Aの幅方向に斜め状に互いにずれた第6〜第8のレーザ光55F〜55Hによって異なったタイミングで焼成するようにした。従って、第6のレーザ光55Fが照射されて
焼成後期の状態にある領域には、第7のレーザ光55Gが照射されることで発生した余剰の熱が伝わる。また、第7のレーザ光55Gが照射されて焼成後期の状態にある領域には、第8のレーザ光55Hが照射されることで発生した余剰の熱が伝わる。さらに、第8のレーザ光55Hが照射されて焼成後期の状態にある領域に、その周囲の余剰の熱が伝わる。
この結果、膜パターン40Aは、焼成後期においても、その大部分が周囲での発熱により十分に加熱されるので、焼成後期の膜パターン40Aにレーザ光55を直接照射しなければならない領域が少なくなり最終的に焼成が終了する。この結果、膜パターン40A全体として完全に焼成されるので、未焼成の部分のない均一な配線パターン40Bを形成することができる。
(第3実施形態)
次に、上記第1及び第2実施形態で説明した機能性膜パターン形成装置或いは機能性膜パターン形成方法により形成された配線パターンを備えた電子機器の一例として、プラズマディスプレイを図12に基づいて説明する。
図12に示すプラズマディスプレイ70は、表示ユニット71と、スピーカー72と、複数の操作ボタン73とを備えている。この表示ユニット71の素子基板(図示省略)上には、複数の走査線と、複数のデータ線と、走査線とデータ線の交差に対応してマトリクス状に配置され、発光素子をそれぞれ有する複数の画素とが形成されている。走査線やデータ線等の配線パターンが上記各実施形態で説明した機能性膜パターン形成装置或いは機能性膜パターン形成方法により形成される。
従って、このプラズマディスプレイ70によれば、機能性膜パターン形成装置或いは機能性膜パターン形成方法により機能性膜パターンとしての配線パターンを形成することで、未焼成の部分がない所望の電気的特性を有した配線パターンとなる。この結果、配線パターンによる故障が生じないプラズマディスプレイ70を実現することができる。
尚、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記第1実施形態では、レーザ成膜装置20を使用して、機能膜パターンとして配線パターン40Bを形成したが、レーザ成膜装置20を使用して、他のパターンを形成するようにしてもよい。たとえば、絶縁膜パターンを形成ようにしてもよい。この場合、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
・上記第1実施形態では、膜パターン40Aを、全体としてV字状を成した照射領域を形成する第1〜第5のレーザ光55A〜55Eによって焼成するようにした。また、第2実施形態では、膜パターン40Aを、全体として斜め状に互いにずれた照射領域を形成する第6〜第8のレーザ光55F〜55Hによって焼成するようにした。これを、他の形状を成したレーザ光によって膜パターン40Aを焼成するようにしてもよい。要は、膜パターン40Aの幅方向で異なる領域に対して異なったタイミングで照射される形状を成したレーザ光であれは、レーザ光はどんな形状を成していてもよい。
・上記各実施形態では、機能性液状材料を基板21上に付着させるパターニング手段としての液滴吐出ヘッド23と、レーザ光照射ヘッド24とを備えたレーザ成膜装置20について一例として説明した。つまり、インクジェット法により機能性液状材料を基板上に付着させる装置(液滴吐出ヘッド23)と、レーザ光照射ヘッド24を備えたレーザ成膜装置20について説明した。本発明はこのような構成の機能性膜パターン形成装置に限定されない。本発明は、マイクロディスペンス法により機能性液状材料を基板上に付着させる装置(パターニング手段)と、レーザ光照射ヘッド24を備えた機能性膜パターン形成装置にも適用される。また、本発明は、スクリーン印刷法により機能性液状材料を基板上に付着させる装置(パターニング手段)と、レーザ光照射ヘッド24を備えた機能性膜パターン形成装置にも適用される。
・上記各実施形態では、電磁波として焼成用レーザ光55を出射するレーザ本体51を備えたレーザ光照射ヘッド24を用いているが、膜パターン40に照射する電磁波はレーザ光に限らない。本発明は、レーザ光以外の単波長の光、例えば白色光源から出射される光から1或いは複数の光学フィルタ等で抽出したある波長の光を使用してもよい。
・上記第1実施形態では、レーザ本体51としてNd:YAGレーザの第二高調波(波長:532nm)を用いた構成について一例として説明したが、本発明は、レーザ本体51としてNd:YAGレーザの第2高調波(波長:532nm)以外のレーザを用いる構成に広く適用可能である。
・上記各実施形態では、機能性材料としての金属微粒子として銀の微粒子を用いているが、金属微粒子として、銀以外に、金、銅、アルミニウム等を微粒子化したものを用いても良い。
・上記各実施形態では、機能性膜パターンの一例として、配線パターンを形成する場合について説明したが、本発明は、有機EL素子の有機エレクトロルミネッセンス層、カラーフィルタ、ICタグの配線パターン等を形成するのに適用可能である。つまり、本発明は、金属配線パターンのように、金属微粒子(微粒子化された機能性材料)を分散剤で被覆したものが溶媒に分散している機能性液状材料を、焼成(乾燥、焼結)して機能性膜パターンである配線パターンが作られるものに広く適用可能である。
第1実施形態に係るレーザ成膜装置を示す構成図。 膜パターンの上面図。 第1実施形態に係る焼成用レーザの形状を説明するための図。 液滴(機能性材料)の吸収スペクトル。 (A)は、溶媒に起因する吸収スペクトル、(B)は、分散剤に起因する吸収スペクトル、(C)は、微粒子(溶質)に起因する吸収スペクトル。 (A)は、焼成初期の吸収スペクトル、(B)は、焼成中期の吸収スペクトル、(C)は、焼成後期の吸収スペクトル。焼成過程毎の膜パターンの吸収スペクトル。 (A)〜(C)は、それぞれ第1実施形態に係る焼成用レーザによる膜パターンの焼成を説明するための図。 同じく、(A)〜(C)は、それぞれ第1実施形態に係る焼成用レーザによる膜パターンの焼成を説明するための図。 第2実施形態に係る焼成用レーザの形状を説明するための図。 (A)〜(C)は、それぞれ第2実施形態に係る焼成用レーザによる膜パターンの焼成を説明するための図。 同じく、(A)〜(C)は、それぞれ第2実施形態に係る焼成用レーザによる膜パターンの焼成を説明するための図。 第3実施形態に係る電子機器としてのプラズマディスプレイを示す斜視図。
符号の説明
20…機能性膜パターン形成装置としてのレーザ成膜装置、21…基板、23…パターニング手段としての液滴吐出ヘッド、24…電磁波照射手段としてのレーザ光照射ヘッド、30…機能性液状材料としての液滴、40A…膜パターン、51…電磁波出射本体としてのレーザ本体、52…光学素子としての回折光学素子、55,55S…電磁波としての焼成用レーザ光、70…電子機器としてのプラズマディスプレイ。

Claims (11)

  1. 基板上に機能性液状材料を付着させて所定の形状の膜パターンを形成するパターニング手段と、
    前記基板との間で前記膜パターンの幅方向に対して直交する方向に相対移動させるとともに、前記膜パターンの幅方向で異なる領域に対して異なるタイミングで電磁波を照射する電磁波照射手段と
    を備えていることを特徴とする機能性膜パターン形成装置。
  2. 請求項1に記載の機能性膜パターン形成装置において、
    前記電磁波照射手段は、前記電磁波を、前記膜パターンの幅方向の両外側端領域と中央領域とにそれぞれ照射することを特徴とする機能性膜パターン形成装置。
  3. 請求項1に記載の機能性膜パターン形成装置において、
    前記電磁波照射手段は、前記電磁波を、前記膜パターンの幅方向の一方の外側端領域と中央領域と他方の外側端領域とにそれぞれ照射することを特徴とする機能性膜パターン形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の機能性膜パターン形成装置において、
    前記電磁波照射手段は、
    前記電磁波を出射する電磁波出射本体と、
    前記電磁波出射本体から出射された電磁波を、前記基板の進行方向に応じて前記膜パターンの幅方向で異なる領域に照射する形状にする光学素子と
    を含むことを特徴とする機能性膜パターン形成装置。
  5. 請求項4に記載の機能性膜パターン形成装置において、
    前記光学素子は、回折光学素子であることを特徴とする機能性膜パターン形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の機能性膜パターン形成装置において、
    前記電磁波照射手段から出射される前記電磁波は、レーザ光であることを特徴とする機能性膜パターン形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の機能性膜パターン形成装置において、
    前記パターニング手段は、液体プロセス法により前記膜パターンを形成する装置であることを特徴とする機能性膜パターン形成装置。
  8. 基板上に機能性液状材料を付着させて所定の形状の膜パターンを形成するパターニング工程と、
    前記基板との間で前記膜パターンの幅方向に対して直交する方向に相対移動させるとともに、前記膜パターンの幅方向で異なる領域に対して異なるタイミングで電磁波を照射する電磁波照射工程と
    を備えていることを特徴とする機能性膜パターンの形成方法。
  9. 請求項8に記載の機能性膜パターンの形成方法において、
    前記電磁波照射工程は、前記電磁波を、前記膜パターンの幅方向の両外側端領域と、中央領域とに照射するようにしたことを特徴とする機能性膜パターンの形成方法。
  10. 請求項8に記載の機能性膜パターンの形成方法において、
    前記電磁波照射工程は、前記電磁波を、前記膜パターンの幅方向の一方の外側端領域と、中央領域と、他方の外側端領域とに照射するようにしたことを特徴とする機能性膜パタ
    ーンの形成方法。
  11. 請求項1乃至7のいずれか一つに記載の機能性膜パターン形成装置で形成された機能性膜パターンを備えることを特徴とする電子機器。
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