JP2006278394A - 機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターン形成方法、電磁波照射装置、および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 単位面積当たりの電磁波の照射エネルギー量の大幅な低減と照射時間の短縮とを図り、光源の設備の小型化を図った機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターン形成方法、電磁波照射装置、および電子機器を提供する。
【解決手段】 機能性膜パターン形成装置20は、液滴吐出ヘッド23とレーザ光照射ヘッド24を備える。液滴吐出ヘッド23は、膜パターン40が基板21上に形成されるように機能性材料を含む液滴30を基板21上に吐出する。レーザ光照射ヘッド24は、レーザ光50を照射スポット面積を広くして膜パターン40に照射し、光熱変換で熱が発生する領域を大きくする。レーザ本体51から出射されるレーザ光50は照射スポット面積を広くした照射スポットで膜パターン40に照射される。光熱変換で発生する熱が膜パターン40を介して逃げる領域が狭くなり、膜パターン40で発生した熱を効率良く保持できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 機能性膜パターン形成装置20は、液滴吐出ヘッド23とレーザ光照射ヘッド24を備える。液滴吐出ヘッド23は、膜パターン40が基板21上に形成されるように機能性材料を含む液滴30を基板21上に吐出する。レーザ光照射ヘッド24は、レーザ光50を照射スポット面積を広くして膜パターン40に照射し、光熱変換で熱が発生する領域を大きくする。レーザ本体51から出射されるレーザ光50は照射スポット面積を広くした照射スポットで膜パターン40に照射される。光熱変換で発生する熱が膜パターン40を介して逃げる領域が狭くなり、膜パターン40で発生した熱を効率良く保持できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、各種デバイスの機能性膜パターンを形成する機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターン形成方法、電磁波照射装置、および電子機器に関する。
従来、各種デバイスの機能性膜パターンを形成する方法としてはフォトリソグラフィー法が一般的に知られている。この方法は材料の大部分を捨てるなど無駄が大きいと言える。このフォトリソグラフィー法に代わる機能性膜パターンの形成方法として、スクリーン印刷法やマイクロディスペンス法、液滴吐出法(インクジェット法)等による直接描画が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような直接描画を行うためには、スパッタ法等とは異なり、機能性材料を微粒子化し溶液に分散させる、もしくは適当な溶媒に溶かし込むことでインク化したものを用いる必要がある。このため、直接描画により配線をパターニングしただけでは機能性膜パターンとしての性能を発揮することができないので、所望の性能を得るために後工程としてオーブン等を用いた乾燥と焼結を含む焼成プロセスが必要となる。
現状の焼成プロセスには30分から1時間程度以上の時間が必要であるため、この焼成プロセスはスループットを低下させる要因となっている。これを回避するため、オーブン等に代わる処理時間の速い焼成プロセスとして、直接描画によりパターニングされた膜パターンに電磁波を照射し、光熱変換で生じた熱の作用で上記焼成プロセスを行う電磁波照射による方法が考えられる。
特開2002−261048号公報
ところで、上述したように直接描画によりパターニングした膜パターンに電磁波を照射して機能性材料を焼成(乾燥と焼結を含む)する場合、機能性膜パターンを形成するのに必要な単位面積当たりの照射エネルギー量は、用いる基材、インク種、インク量、電磁波スペクトル等によっても異なるが、0.1〜100J/mm2程度である。この場合、乾燥・焼結を十分に進めるためには、非常に高密度のエネルギー(電磁波エネルギー)を投入しなけらばならない。これは、電磁波が照射された部分で発生する熱が焼成後の膜パターンを介して速やかに伝導して逃げてしまい、電磁波照射部分の温度が保持されにくいからである。このように非常に高密度のエネルギーを投入する必要があるため、必要な光源の設備が大掛かりになってしまうという問題がある。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、単位面積当たりの電磁波の照射エネルギー量の大幅な低減と照射時間の短縮とを図り、光源の設備の小型化を図った機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターン形成方法、電磁波照射装置、および電子機器を提供すること。
本発明における機能性膜パターン形成装置は、機能性液状材料を基板上に付着させるパターニング手段と、電磁波照射手段と、を備え、前記パターニング手段は、前記機能性液状材料が凝集して所定の膜パターンが前記基板上に形成されるように前記機能性液状材料を付着させ、前記電磁波照射手段は、電磁波を照射スポット面積を広くして前記膜パター
ンに照射し、光熱変換で熱が発生する領域を大きくすることを要旨とする。
ンに照射し、光熱変換で熱が発生する領域を大きくすることを要旨とする。
電磁波を膜パターに照射することで、電磁波が吸収されて熱に変わることで(光熱変換で)生じた熱の作用で乾燥或いは焼成(乾燥と焼結を含む)が進むので、熱が重要である。電磁波を狭い範囲例えば1点に照射すると、その部分は非常に高い温度になるが、まわりは良伝導体であるので、熱が逃げていってしまう。なので、光熱変換で生じた熱を有効に活用するには、光熱変換で生じた熱を蓄えておく必要がある。逆にいえば、熱が逃げる領域を少なくしてやればよい。
これによれば、電磁波は照射スポット面積を広くして膜パターンに照射されるので、電磁波が照射された部分に光熱変換で発生する熱が膜パターンを介して逃げる領域(熱伝導部分)が狭くなり、膜パターンで発生した熱を効率良く保持することができる。このため、光熱変換で発生した熱の利用効率が向上するので、膜パターンの乾燥或いは焼成に必要な単位面積当たりの電磁波の照射エネルギー量(投入エネルギー量)を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。また、非常に高密度のエネルギーを投入する必要が無いため、光源の設備の小型化を図ることができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記電磁波照射手段は、前記膜パターンの大きな範囲を一度に覆うように電磁波を照射することを要旨とする。
これによれば、膜パターンの大きな範囲を一度に覆うように電磁波を照射するので、熱が逃げる範囲(の全体に対する割合)が少なくなって、相対的に熱が蓄えられるので、熱の効果がじんわり効いてきて、乾燥や焼成が促進される。例えば、焼成の場合には、微粒子化した機能性材料の粒子がどんどん大きくなる。その結果、電磁波の投入エネルギーの総量(総投入エネルギー量)を、電磁波を強く小さく照射する場合と比べて、大幅に低減することができる。
これによれば、膜パターンの大きな範囲を一度に覆うように電磁波を照射するので、熱が逃げる範囲(の全体に対する割合)が少なくなって、相対的に熱が蓄えられるので、熱の効果がじんわり効いてきて、乾燥や焼成が促進される。例えば、焼成の場合には、微粒子化した機能性材料の粒子がどんどん大きくなる。その結果、電磁波の投入エネルギーの総量(総投入エネルギー量)を、電磁波を強く小さく照射する場合と比べて、大幅に低減することができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記電磁波照射手段は、前記電磁波の照射位置側へ移動される前記基板上の前記膜パターンに対して、該膜パターンが連続して延びている方向に長いスポット形状の電磁波を、前記膜パターンに照射することを要旨とする。
これによれば、膜パターンが連続して延びている場合、例えば膜パターンが配線パターンである場合に、その膜パターンの乾燥或いは焼成に必要な単位面積当たりの電磁波の照射エネルギー量を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記電磁波照射手段は、前記膜パターンが非連続で並ぶ複数の膜パターンを含む場合、前記複数の膜パターンの各々に、該各膜パターン全体を覆う大きさの照射スポット面積を有する電磁波を照射することを要旨とする。
これによれば、膜パターンが非連続の複数の膜パターンを含む場合に、各膜パターンの乾燥或いは焼成に必要な単位面積当たりの電磁波の照射エネルギー量を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記電磁波照射手段は、電磁波を出射する光源本体と、該光源本体から出射された電磁波を照射スポット面積を広くして前記膜パターンに集光させる光学素子とを含むことを要旨とする。
これによれば、光源本体から出射された電磁波を照射スポット面積を広くして膜パターンに集光(照射)させる光学素子を用いることで、上記投入エネルギー量の大幅な低減と照射時間の短縮とを実現することができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記光学素子は回折光学素子であることを要旨とする。
これによれば、回折光学素子の溝形状を適宜設定することで、照射スポット面積を広くした任意のスポット形状の電磁波を前記膜パターンに照射することができる。
これによれば、回折光学素子の溝形状を適宜設定することで、照射スポット面積を広くした任意のスポット形状の電磁波を前記膜パターンに照射することができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記電磁波は、レーザ光であることを要旨とする。
これによれば、レーザ光は照射スポット面積を広くして膜パターンに照射されるので、レーザ光が照射された部分に光熱変換で発生する熱が膜パターンを介して逃げる領域(熱伝導部分)が狭くなり、膜パターンで発生した熱を効率良く保持することができる。このため、光熱変換で発生した熱の利用効率が向上するので、膜パターンの乾燥或いは焼成に必要な単位面積当たりの電磁波の照射エネルギー量(投入エネルギー量)を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。また、非常に高密度のエネルギーを投入する必要が無いため、レーザ光の設備の小型化を図ることができる。
これによれば、レーザ光は照射スポット面積を広くして膜パターンに照射されるので、レーザ光が照射された部分に光熱変換で発生する熱が膜パターンを介して逃げる領域(熱伝導部分)が狭くなり、膜パターンで発生した熱を効率良く保持することができる。このため、光熱変換で発生した熱の利用効率が向上するので、膜パターンの乾燥或いは焼成に必要な単位面積当たりの電磁波の照射エネルギー量(投入エネルギー量)を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。また、非常に高密度のエネルギーを投入する必要が無いため、レーザ光の設備の小型化を図ることができる。
この機能性膜パターン形成装置において、前記パターニング手段は、インクジェット法、マイクロディスペンス法、あるいはスクリーン印刷法により前記機能性液状材料を基板上に付着させる装置であることを要旨とする。
これによれば、インクジェット法、マイクロディスペンス法、あるいはスクリーン印刷法により機能性液状材料を基板上に付着させる場合に、その機能性液状材料が凝集した膜パターンの乾燥或いは焼成に必要な単位面積当たりの電磁波の照射エネルギー量を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。
本発明における機能性膜パターン形成方法は、機能性液状材料を基板上に付着させるパターニング工程と、電磁波照射工程と、を含み、前記パターニング工程では、前記機能性液状材料が凝集して所定の膜パターンが前記基板上に形成されるように前記機能性液状材料を付着させ、前記電磁波照射工程では、電磁波を照射スポット面積を広くして前記膜パターンに照射し、光熱変換で熱が発生する領域を大きくすることを要旨とする。
これによれば、電磁波を照射スポット面積を広くして膜パターンに照射するので、電磁波が照射された部分で発生する熱が膜パターンを介して逃げる領域(熱伝導部分)が(相対的に)狭くなり、膜パターンで発生した熱を効率良く保持することができる。このため、光熱変換で発生した熱の利用効率が向上するので、膜パターンの乾燥或いは焼成に必要な単位面積当たりの電磁波の照射エネルギー量を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。また、非常に高密度のエネルギーを投入する必要が無いため、光源の設備の小型化を図ることができる。
本発明における電磁波照射装置は、上記機能性膜パターン形成装置に用いる前記電磁波照射手段を備えることを要旨とする。
これによれば、本発明に係る電磁波照射装置を上記機能性膜パターン形成装置に用いて機能性膜パターンを形成する際に、膜パターンの乾燥或いは焼成に必要な単位面積当たりの電磁波の照射エネルギー量を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。また、非常に高密度のエネルギーを投入する必要が無いため、光源の設備の小型化を図ることができる。
これによれば、本発明に係る電磁波照射装置を上記機能性膜パターン形成装置に用いて機能性膜パターンを形成する際に、膜パターンの乾燥或いは焼成に必要な単位面積当たりの電磁波の照射エネルギー量を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。また、非常に高密度のエネルギーを投入する必要が無いため、光源の設備の小型化を図ることができる。
本発明における電子機器は、上記機能性膜パターン形成装置で形成された機能性膜パターンを備えることを要旨とする。
これによれば、上記機能性膜パターン形成装置により機能性膜パターンとしての配線パ
ターンを形成することで、機能性膜パターンの形成プロセスのスループットが向上するので、低コストの電子機器を実現することができる。
これによれば、上記機能性膜パターン形成装置により機能性膜パターンとしての配線パ
ターンを形成することで、機能性膜パターンの形成プロセスのスループットが向上するので、低コストの電子機器を実現することができる。
以下、本発明を具体化した機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターン形成方法、および電子機器の各実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態では、機能性膜パターンの一例として、プラズマディスプレイ等の表示装置の素子基板上に形成される走査線やデータ線等の配線パターン(金属配線パターン)もしくは回路基板の金属配線パターンを形成する場合について説明する。
(機能性膜パターン形成装置)
第1実施形態に係る機能性膜パターン形成装置20を、図1〜図7に基づいて説明する。
第1実施形態に係る機能性膜パターン形成装置20を、図1〜図7に基づいて説明する。
この機能性膜パターン形成装置20は、図1に示すように、配線パターン19(図2参照)が形成される基板21が載置されるキャリッジ22と、機能性液状材料を基板上に付着させるパターニング手段としての液滴吐出ヘッド23と、電磁波照射手段としてのレーザ光照射ヘッド24と、制御部25とを備えている。
キャリッジ22は、図示を省略したX方向駆動モータとY方向駆動モータにより駆動されて、液滴吐出ヘッド23に対してXY方向に移動可能になっている。図1では、基板21は矢印で示す基板進行方向へ搬送される。
液滴吐出ヘッド23は、機能性材料を含む液滴30を基板21上に吐出する。この液滴30は、図1に示すように、機能性材料としての金属を微粒子化したもの(金属微粒子31)を溶媒32に分散させてインク化したものである。また、この液滴30には、金属微粒子31はそのままではくっついて溶融するので、この金属微粒子31を分散剤33からなる保護膜で被覆して分散させてある。本例では。金属微粒子として銀の微粒子を用いている。また、液滴吐出ヘッド23は、基板21上に着弾した液滴30が凝集して所定の膜パターン40(図1および図5参照)が基板21上に形成されるように液滴30を吐出するようになっている。
この膜パターン40には、複数の貫通孔40aが形成されている。図1および図5に示すような形状の膜パターン40が基板21上に形成されるように、この基板21上の必要な個所には撥液処理が施されている。
レーザ光照射ヘッド24は、レーザ光50を照射スポット面積を広くして膜パターン40に照射し、光熱変換で熱が発生する領域を大きくするようになっている。レーザ光照射ヘッド24は、図1および図3に示すように、レーザ光50を出射する光源本体としてのレーザ本体51と、該レーザ本体51から出射されたレーザ光50を照射スポット面積を広くして膜パターン40に集光させる光学素子として透過型の回折光学素子52とを含んでいる。図1で符号「53」は、レーザ光50が回折光学素子52により照射スポット面積を広くした細長い矩形のスポット形状のレーザ光である。レーザ本体51は、例えば、Nd:YAGレーザ(波長:532nm)を用いている。このレーザ本体51は、レーザ光50を連続的に出射するように、制御部25により駆動制御される。
制御部25は、液滴吐出ヘッド23、キャリッジ22、およびレーザ光照射ヘッド24の各々に制御信号を出力し、これらを含むシステム全体を統括制御するようになっている。この制御部25は、図示を省略したCPU,タイマクロック、膜パターンの形状および位置を記憶したメモリ等を含んで構成されている。
このような構成のレーザ光照射ヘッド24が、液滴吐出ヘッド23の近傍に配置されている。レーザ光照射ヘッド24は、レーザ光50の照射位置側へ図1の矢印方向へ移動される基板21上の膜パターン40に対して、この膜パターン40が連続して延びている方向(図1および図5で示す基板進行方向に沿った方向)に細長い矩形のスポット形状のレーザ光50を、膜パターン40に照射するようになっている。図3および図5で符号「54」は、膜パターン40に照射されるレーザ光50の照射スポットである。
回折光学素子52の一例を図4に示してある。この回折光学素子52は、その溝52aの切り方(溝形状)を適宜設定することで、図3に示すように、レーザ本体51(図1参照)から出射されて平行光で入射するレーザ光50のスポット形状と強度を任意に変えられる光学素子である。
以上の構成を有する機能性膜パターン形成装置20では、基板21上に形成された膜パターン40は、図1の矢印で示す基板進行方向に移動し、細長い矩形のスポット形状のレーザ光50が照射される位置に達した膜パターン40の部分に、レーザ光50が連続的に照射される。
レーザ光50の照射スポット54が膜パターン40に連続的に照射されることで、以下の焼成プロセスが進行する。
1)膜パターン40のレーザ光が照射された部分では、分散剤33で被覆された金属微粒子31が溶媒32に浮いている状態で、光熱変換により発生した熱により溶媒32を蒸発させる乾燥過程。
1)膜パターン40のレーザ光が照射された部分では、分散剤33で被覆された金属微粒子31が溶媒32に浮いている状態で、光熱変換により発生した熱により溶媒32を蒸発させる乾燥過程。
2)光熱変換により発生した熱により、分散剤33を取り除く過程。
3)光熱変換により発生した熱により、分散剤33が取り除かれた金属微粒子31を焼結する過程。
3)光熱変換により発生した熱により、分散剤33が取り除かれた金属微粒子31を焼結する過程。
このような焼成プロセスにより、図1に模式的に示すように、金属微粒子31同士がくっつき、表面がでこぼこした機能性膜パターンとしての配線パターン19(図2参照)ができる。
このように、レーザ光50の照射スポット54が照射される位置に達した膜パターン40の部分には、レーザ光50が照射スポット面積を広くした細長い矩形のスポット形状の照射スポット54で連続的に照射される。このとき、レーザ光50の照射スポット54は、基板進行方向に沿った方向に照射スポット面積を広くした図3および図5に示すような細長い矩形のスポット形状になっている。
こうして、膜パターン40にはレーザ光50が照射スポット面積を広くして照射されるので、レーザ光50が照射された部分に光熱変換で発生する熱が膜パターン40を介して逃げる領域(熱伝導部分)が狭くなり、膜パターン40で発生した熱を効率良く保持することができる。このことを図6(A)および(B)で示している。
図6(A)では、膜パターン40の加熱部分40bは、レーザ光50が照射スポット面積を広くした照射スポット54で照射されることで、光熱変換により発生する熱で加熱される部分を示している。また、図6(B)では、加熱部分40bに発生した熱がその周囲の膜パターン40を介して逃げる領域(熱伝導部分40c)が狭くなることを示している。
これに対して、図8に示すように、基板進行方向に対して幅の狭いレーザ光の照射スポ
ット61を膜パターン40に照射して上記焼成プロセスを行う場合、乾燥・焼結を十分に進めるためには、非常に高密度のエネルギー(レーザ光エネルギー)を投入しなければならない。これは、図9(A)および(B)に示すように、加熱部分40dで発生する熱が膜パターン40を介して逃げる領域(熱伝導部分40e)が広くなり、その熱が焼成後の膜パターン40を介して速やかに伝導して逃げてしまい、レーザ光照射部(加熱部分40d)の温度が保持されにくいからである。図9(A)では、加熱部分40dは、図8に示すレーザ光の照射スポット61が照射されることで、光熱変換により発生する熱で加熱される部分を示している。
ット61を膜パターン40に照射して上記焼成プロセスを行う場合、乾燥・焼結を十分に進めるためには、非常に高密度のエネルギー(レーザ光エネルギー)を投入しなければならない。これは、図9(A)および(B)に示すように、加熱部分40dで発生する熱が膜パターン40を介して逃げる領域(熱伝導部分40e)が広くなり、その熱が焼成後の膜パターン40を介して速やかに伝導して逃げてしまい、レーザ光照射部(加熱部分40d)の温度が保持されにくいからである。図9(A)では、加熱部分40dは、図8に示すレーザ光の照射スポット61が照射されることで、光熱変換により発生する熱で加熱される部分を示している。
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○レーザ本体51から出射されるレーザ光50は照射スポット面積を広くした照射スポット54で膜パターン40に照射されるので、レーザ光50が照射された部分に光熱変換で発生する熱が膜パターン40を介して逃げる領域(熱伝導部分40b)が狭くなり、膜パターン40で発生した熱を効率良く保持することができる。このため、光熱変換で発生した熱の利用効率が向上するので、膜パターン40の焼成に必要な単位面積当たりのレーザ光の照射エネルギー量を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。
○レーザ本体51から出射されるレーザ光50は照射スポット面積を広くした照射スポット54で膜パターン40に照射されるので、レーザ光50が照射された部分に光熱変換で発生する熱が膜パターン40を介して逃げる領域(熱伝導部分40b)が狭くなり、膜パターン40で発生した熱を効率良く保持することができる。このため、光熱変換で発生した熱の利用効率が向上するので、膜パターン40の焼成に必要な単位面積当たりのレーザ光の照射エネルギー量を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。
○単位面積当たりのレーザ光の照射エネルギー量については、図7のグラフで示すように、レーザ光50のスポット形状を最適化した場合、その照射エネルギー量を0.1J/mm2まで低減することができた。同グラフでは、レーザ光50のスポット形状を最適化した場合の実験データを符号62で示す菱形の点で示し、そのスポット形状と照射時間を最適化した場合の実験データを符号63で示す矩形の点で示してある。複数の菱形の点62のうちの点62aは、抵抗率が10μΩcmの配線パターンを得るのに、単位面積当たりのレーザ光の照射エネルギー量を0.1J/mm2まで低減できたことを示している。時間と照射強度を最適化しない場合(点63、照射スポット形状のみ最適化)は、0.3J/mm2程度の照射エネルギー量が必要であり、照射スポット形状を最適化していない場合は21J/mm2の照射エネルギー量が必要であった。
なお、照射時間については、照射時間を長くしていくと、抵抗率が下がっていくが、ある時間以上に長くすると、膜パターン40や基板21に与えるダメージが大きくなるので、最適な照射時間が存在する。このように照射時間を最適化するとともにスポット形状を最適化した実験データを複数の矩形の点63でそれぞれ示している。
○このように、レーザ光50を広く大きく照射するので、レーザ光を強く小さく照射する場合と比較して、単位面積あたりのエネルギ密度に換算すると、例えば3桁ほど小さくなる。したがって、レーザ光の投入エネルギーの総量(総投入エネルギー量)を大幅に削減できる。
○レーザ光50は照射スポット面積を広くした照射スポット54で膜パターン40に照射されることで、焼結したい領域をなるだけ大きな範囲を一度に覆うようにレーザ光50が照射される。これにより、レーザ光50の照射部に光熱変換で発生した熱が逃げる範囲が少なくなって、相対的に熱が蓄えられるので、熱の効果がじんわり効いてきて、金属微粒子がどんどん大きくなる。その結果、レーザ光の投入エネルギーの総量(総投入エネルギー量)を、レーザ光を強く小さく照射する場合と比べて、大幅に低減することができる。
○非常に高密度のエネルギーを投入する必要が無いため、レーザ設備の小型化を図ることができる。
○液滴吐出ヘッド23の近くにレーザ光照射ヘッド24を配置すればよいので、液滴吐
出ヘッド23の後段に、膜パターン40を加熱するためのオーブン或いはホットプレートを配置する必要が無いので、機能性膜パターン形成装置20の小型化を図ることができる。
○液滴吐出ヘッド23の近くにレーザ光照射ヘッド24を配置すればよいので、液滴吐
出ヘッド23の後段に、膜パターン40を加熱するためのオーブン或いはホットプレートを配置する必要が無いので、機能性膜パターン形成装置20の小型化を図ることができる。
○上述したようにオーブン等で乾燥・焼結をすると、例えば、乾燥に10分くらい、焼結には1時間くらいかかる。これに対して、レーザ光を照射して乾燥・焼結を行う場合、プラズマディスプレイ等の大型パネル基板上の金属配線パターンに適応する場合でも、膜パターン40全体の焼成プロセスを数分で完了できるので、処理時間が大幅に改善され、スループットが大幅に向上する。
○機能性膜パターン形成装置20に用いる電磁波照射手段としてのレーザ光照射ヘッド24は、電磁波照射装置を構成する。この電磁波照射装置を機能性膜パターン形成装置20に用いて機能性膜パターンとしての配線パターン19を形成する際に、膜パターン40の乾燥或いは焼成に必要な単位面積当たりのレーザ光の投入エネルギー量(電磁波の照射エネルギー量)を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。また、非常に高密度のエネルギーを投入する必要が無いため、レーザ光の設備の小型化を図ることができる。
次に、上記第1実施形態に係る機能性膜パターン形成装置20が上記膜パターン40とは形態や基板進行方向に対する向きの異なる膜パターンに適用した実施例を、比較例と対比しながら説明する。
(実施例1)
図10に示す膜パターン40Aは、貫通孔40aの周囲が円形になっている点で上記膜パターン40とは異なる。このような膜パターン40Aを焼成(乾燥と焼結)して図2に示す配線パターン19を形成する場合にも、レーザ光50の照射スポット54を、基板進行方向に沿った方向に照射スポット面積を広くした図10に示すような細長い矩形のスポット形状にすることで、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。これに対して、図11に示す比較例1では、図8で示す場合と同様に、非常に高密度のエネルギーを投入しなけらばならない。
図10に示す膜パターン40Aは、貫通孔40aの周囲が円形になっている点で上記膜パターン40とは異なる。このような膜パターン40Aを焼成(乾燥と焼結)して図2に示す配線パターン19を形成する場合にも、レーザ光50の照射スポット54を、基板進行方向に沿った方向に照射スポット面積を広くした図10に示すような細長い矩形のスポット形状にすることで、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。これに対して、図11に示す比較例1では、図8で示す場合と同様に、非常に高密度のエネルギーを投入しなけらばならない。
(実施例2)
図12は、膜パターン40Aが基板進行方向に直交する方向に延びており、この膜パターン40Aが連続して延びている方向に長いスポット形状のレーザ光を、膜パターン40Aに照射するようにしている。符号「54A」はレーザ光の照射スポットを示している。本実施例によれば、基板進行方向に直交する方向に延びている膜パターン40Aを焼成して上記配線パターン19を形成する場合にも、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。これに対して、図13に示す比較例2では、図8で示す場合と同様に、非常に高密度のエネルギーを投入しなけらばならない。
図12は、膜パターン40Aが基板進行方向に直交する方向に延びており、この膜パターン40Aが連続して延びている方向に長いスポット形状のレーザ光を、膜パターン40Aに照射するようにしている。符号「54A」はレーザ光の照射スポットを示している。本実施例によれば、基板進行方向に直交する方向に延びている膜パターン40Aを焼成して上記配線パターン19を形成する場合にも、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。これに対して、図13に示す比較例2では、図8で示す場合と同様に、非常に高密度のエネルギーを投入しなけらばならない。
(実施例3)
以上の各実施形態および各実施例では、膜パターンが連続して延びている方向に長いスポット形状のレーザ光を、膜パターンに照射する場合について説明した。本実施例では、図14に示すように、膜パターンが基板進行方向に非連続で並ぶ複数の膜パターン40Bを含む場合、複数の膜パターン40Bの各々に、各膜パターン40B全体を覆う大きさのビーム径を有するレーザ光を照射するようにしている。符号「54B」はレーザ光の照射スポットを示している。本実施例によれば、膜パターンが基板進行方向に非連続で並ぶ複数の膜パターン40Bを含む場合にも、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。これに対して、図15に示す比較例3では、図8で示す場合と同様に、非常に高密度のエネルギーを投入しなけらばならない。
以上の各実施形態および各実施例では、膜パターンが連続して延びている方向に長いスポット形状のレーザ光を、膜パターンに照射する場合について説明した。本実施例では、図14に示すように、膜パターンが基板進行方向に非連続で並ぶ複数の膜パターン40Bを含む場合、複数の膜パターン40Bの各々に、各膜パターン40B全体を覆う大きさのビーム径を有するレーザ光を照射するようにしている。符号「54B」はレーザ光の照射スポットを示している。本実施例によれば、膜パターンが基板進行方向に非連続で並ぶ複数の膜パターン40Bを含む場合にも、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。これに対して、図15に示す比較例3では、図8で示す場合と同様に、非常に高密度のエネルギーを投入しなけらばならない。
次に、第2実施形態に係る機能性膜パターン形成装置20Aを、図16に基づいて説明する。
上記第1実施形態に係る機能性膜パターン形成装置20では、レーザ光照射ヘッド24は、レーザ本体51から出射されたレーザ光50を照射スポット面積を広くして膜パターン40に集光させる光学素子として透過型の回折光学素子52を含んでいる。これに対して、本実施形態に係る機能性膜パターン形成装置20では、レーザ光照射ヘッド24Aは、レーザ本体51から出射されたレーザ光50を照射スポット面積を広くして上記膜パターン40に集光させる光学素子として反射型の回折光学素子52Aを含んでいる。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
上記第1実施形態に係る機能性膜パターン形成装置20では、レーザ光照射ヘッド24は、レーザ本体51から出射されたレーザ光50を照射スポット面積を広くして膜パターン40に集光させる光学素子として透過型の回折光学素子52を含んでいる。これに対して、本実施形態に係る機能性膜パターン形成装置20では、レーザ光照射ヘッド24Aは、レーザ本体51から出射されたレーザ光50を照射スポット面積を広くして上記膜パターン40に集光させる光学素子として反射型の回折光学素子52Aを含んでいる。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
以上のように構成された第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
(機能性膜パターン形成方法)
次に、一実施形態に係る機能性膜パターン形成方法を、図1に基づいて説明する。
(機能性膜パターン形成方法)
次に、一実施形態に係る機能性膜パターン形成方法を、図1に基づいて説明する。
この機能性膜パターン形成方法は、機能性液状材料を基板21上に付着させるパターニング工程と、電磁波照射工程とを含む。
パターニング工程では、機能性液状材料が凝集して所定の膜パターン40が基板21上に形成されるように機能性液状材料を付着させる。具体的には、このパターニング工程では、液滴30が凝集して所定の膜パターン40が基板21上に形成されるように液滴30を吐出する。また、このパターニング工程では、機能性材料としての金属を微粒子化したもの(金属微粒子31)を溶媒32に溶かしてインク化した液滴30を吐出する。また、この液滴30には、金属微粒子31を分散剤33からなる保護膜で被覆して分散させてある。本例では。金属微粒子として銀の微粒子を用いている。
パターニング工程では、機能性液状材料が凝集して所定の膜パターン40が基板21上に形成されるように機能性液状材料を付着させる。具体的には、このパターニング工程では、液滴30が凝集して所定の膜パターン40が基板21上に形成されるように液滴30を吐出する。また、このパターニング工程では、機能性材料としての金属を微粒子化したもの(金属微粒子31)を溶媒32に溶かしてインク化した液滴30を吐出する。また、この液滴30には、金属微粒子31を分散剤33からなる保護膜で被覆して分散させてある。本例では。金属微粒子として銀の微粒子を用いている。
電磁波照射工程では、電磁波としてのレーザ光50を照射スポット面積を広くして膜パターン40に照射し、光熱変換で熱が発生する領域を大きくする。
以上のように構成された一実施形態に係る機能性膜パターン形成方法によれば、以下の作用効果を奏する。
以上のように構成された一実施形態に係る機能性膜パターン形成方法によれば、以下の作用効果を奏する。
レーザ光50を照射スポット面積を広くして膜パターン40に照射するので、レーザ光50が照射された部分で発生する熱が膜パターン40を介して逃げる領域(熱伝導部分)が狭くなり、膜パターン40で発生した熱を効率良く保持することができる。このため、光熱変換で発生した熱の利用効率が向上するので、膜パターン40の乾燥或いは焼成に必要な単位面積当たりのレーザ光の照射エネルギー量(投入エネルギー量)を大幅に低減することができるとともに、照射時間を短縮することができる。また、非常に高密度のエネルギーを投入する必要が無いため、レーザ設備の小型化を図ることができる。
(電子機器)
次に、上記各実施形態で説明した機能性膜パターン形成装置或いは機能性膜パターン形成方法により形成された配線パターンを備えた電子機器の一例として、モバイル型のパーソナルコンピュータを図17に基づいて説明する。
次に、上記各実施形態で説明した機能性膜パターン形成装置或いは機能性膜パターン形成方法により形成された配線パターンを備えた電子機器の一例として、モバイル型のパーソナルコンピュータを図17に基づいて説明する。
図17に示すパーソナルコンピュータ70は、キーボード71を備えた本体部72と、有機ELパネルを用いた表示ユニット73とを備えている。この表示ユニット73の素子基板(図示省略)上には、複数の走査線と、複数のデータ線と、走査線とデータ線の交差に対応してマトリクス状に配置され、発光素子をそれぞれ有する複数の画素とが形成されている。走査線やデータ線等の配線パターンが上記各実施形態で説明した機能性膜パターン形成装置或いは機能性膜パターン形成方法により形成される。
このパーソナルコンピュータ70によれば、機能性膜パターン形成装置或いは機能性膜パターン形成方法により機能性膜パターンとしての配線パターンを形成することで、配線パターンの焼成プロセス(形成プロセス)のスループットが向上するので、低コストのパーソナルコンピュータ70を実現することができる。
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記各実施形態では、機能性液状材料を基板21上に付着させるパターニング手段としての液滴吐出ヘッド23と、レーザ光照射ヘッド24とを備えた機能性膜パターン形成装置20について一例として説明した。つまり、インクジェット法により機能性液状材料を基板上に付着させる装置(液滴吐出ヘッド23)と、レーザ光照射ヘッド24を備えた機能性膜パターン形成装置20について一例として説明した。本発明はこのような構成の機能性膜パターン形成装置に限定されない。本発明は、マイクロディスペンス法により機能性液状材料を基板上に付着させる装置(パターニング手段)と、レーザ光照射ヘッド24を備えた機能性膜パターン形成装置にも適用される。また、本発明は、スクリーン印刷法により機能性液状材料を基板上に付着させる装置(パターニング手段)と、レーザ光照射ヘッド24を備えた機能性膜パターン形成装置にも適用される。
・上記各実施形態では、機能性液状材料を基板21上に付着させるパターニング手段としての液滴吐出ヘッド23と、レーザ光照射ヘッド24とを備えた機能性膜パターン形成装置20について一例として説明した。つまり、インクジェット法により機能性液状材料を基板上に付着させる装置(液滴吐出ヘッド23)と、レーザ光照射ヘッド24を備えた機能性膜パターン形成装置20について一例として説明した。本発明はこのような構成の機能性膜パターン形成装置に限定されない。本発明は、マイクロディスペンス法により機能性液状材料を基板上に付着させる装置(パターニング手段)と、レーザ光照射ヘッド24を備えた機能性膜パターン形成装置にも適用される。また、本発明は、スクリーン印刷法により機能性液状材料を基板上に付着させる装置(パターニング手段)と、レーザ光照射ヘッド24を備えた機能性膜パターン形成装置にも適用される。
・上記各実施形態では、電磁波としてレーザ光50を出射するレーザ本体51を備えた電磁波照射手段としてのレーザ光照射ヘッド24を用いているが、膜パターン40に照射する電磁波はレーザ光に限らない。本発明は、レーザ光以外の単波長の光、例えば白色光源から出射される光から1或いは複数の光学フィルタ等で抽出したある波長の光を、照射スポット面積を広くして膜パターン40に照射し、光熱変換で熱が発生する領域を大きくする電磁波照射手段を備えた構成に広く適用可能である。
・上記各実施形態では、レーザ本体51としてNd:YAGレーザ(波長:532nm)を用いた構成について一例として説明したが、本発明は、レーザ本体51としてNd:YAGレーザ(波長:532nm)以外のレーザを用いる構成に広く適用可能である。
・上記第1実施形態では、機能性材料としての金属微粒子として銀の微粒子を用いているが、金属微粒子として、銀以外に、金、銅、アルミニウム等を微粒子化したものを用いても良い。
・上記実施形態では、機能性膜パターンの一例として、配線パターンを形成する場合について説明したが、本発明は、有機EL素子の有機EL層、カラーフィルタ、ICタグの配線パターン等を形成するのに適用可能である。
・つまり、本発明は、金属配線パターンのように、金属微粒子(微粒子化された機能性材料)を分散剤で被覆したものが溶媒に分散している機能性液状材料を、焼成(乾燥、焼結)して機能性膜パターンである配線パターンが作られるものに広く適用可能である。これに限らず、本発明は、有機EL層のように、材料によっては、機能性材料が溶媒に溶けている液滴を、光熱変換で発生した熱で乾燥して溶媒を蒸発させることで(乾燥工程だけで)、機能性膜パターンが作られるものにも使える。
・このように、本発明は、形成する機能性膜パターンの機構(構造)によって、乾燥だけで形成されるものと、焼成(乾燥と焼結)で形成される機能性膜パターンの両方に適用可能である。
・上記各実施形態では、レーザ光照射ヘッド24或いは24Aは、レーザ光を照射スポット面積を広くして膜パターン40に集光させる光学素子として回折光学素子52或いは
52Aを用いているが、本発明はこれに限定されない。その光学素子として、回折光学素子に代えて、シリンドリカルレンズ、集光レンズ、ビームエキスパンダ等、或いはこれらを組み合わせて用いる場合にも本発明は適用される。
52Aを用いているが、本発明はこれに限定されない。その光学素子として、回折光学素子に代えて、シリンドリカルレンズ、集光レンズ、ビームエキスパンダ等、或いはこれらを組み合わせて用いる場合にも本発明は適用される。
・上記各実施形態では、レーザ光50の照射スポット54を細長い矩形状としているが、本発明は、その照射スポットの形状を任意の形状、例えば楕円状、円形状にしたものにも適用可能である。
・上記各実施形態では、照射スポット54が一つであるレーザ光50を照射しているが、本発明は照射スポット54が複数のビームを含む場合にも適用される。このように照射スポットが複数のビームを含むようなレーザ光は、上記回折光学素子によって作ることができる。
20,20A…機能性膜パターン形成装置、21…基板、23…パターニング手段としての液滴吐出ヘッド、24…電磁波照射手段としてのレーザ光照射ヘッド、40,40A,40B…膜パターン、50…電磁波としてのレーザ光、51…光源本体としてのレーザ本体、52,52A…回折光学素子。
Claims (11)
- 機能性液状材料を基板上に付着させるパターニング手段と、電磁波照射手段と、を備え、
前記パターニング手段は、前記機能性液状材料が凝集して所定の膜パターンが前記基板上に形成されるように前記機能性液状材料を付着させ、
前記電磁波照射手段は、電磁波を照射スポット面積を広くして前記膜パターンに照射し、光熱変換で熱が発生する領域を大きくすることを特徴とする機能性膜パターン形成装置。 - 請求項1に記載の機能性膜パターン形成装置において、
前記電磁波照射手段は、前記膜パターンの大きな範囲を一度に覆うように電磁波を照射することを特徴とする機能性膜パターン形成装置。 - 請求項1又は2に記載の機能性膜パターン形成装置において、
前記電磁波照射手段は、前記電磁波の照射位置側へ移動される前記基板上の前記膜パターンに対して、該膜パターンが連続して延びている方向に長いスポット形状の電磁波を、前記膜パターンに照射することを特徴とする機能性膜パターン形成装置。 - 請求項1又は2に記載の機能性膜パターン形成装置において、
前記電磁波照射手段は、前記膜パターンが非連続で並ぶ複数の膜パターンを含む場合、前記複数の膜パターンの各々に、該各膜パターン全体を覆う大きさの照射スポット面積を有する電磁波を照射することを特徴とする機能性膜パターン形成装置。 - 請求項1〜4のいずれか一つに記載の機能性膜パターン形成装置において、
前記電磁波照射手段は、電磁波を出射する光源本体と、該光源本体から出射された電磁波を照射スポット面積を広くして前記膜パターンに集光させる光学素子とを含むことを特徴とする機能性膜パターン形成装置。 - 請求項5に記載の機能性膜パターン形成装置において、
前記光学素子は回折光学素子であることを特徴とする機能性膜パターン形成装置。 - 請求項1〜6のいずれか一つに記載の機能性膜パターン形成装置において、
前記電磁波は、レーザ光であることを特徴とする機能性膜パターン形成装置。 - 請求項1〜7のいずれか一つに記載の機能性膜パターン形成装置において、
前記パターニング手段は、インクジェット法、マイクロディスペンス法、あるいはスクリーン印刷法により前記機能性液状材料を基板上に付着させる装置であることを特徴とする機能性膜パターン形成装置。 - 機能性液状材料を基板上に付着させるパターニング工程と、
電磁波照射工程と、を含み、
前記パターニング工程では、前記機能性液状材料が凝集して所定の膜パターンが前記基板上に形成されるように前記機能性液状材料を付着させ、
前記電磁波照射工程では、電磁波を照射スポット面積を広くして前記膜パターンに照射し、光熱変換で熱が発生する領域を大きくすることを特徴とする機能性膜パターン形成方法。 - 請求項1〜8のいずれか一つに記載の機能性膜パターン形成装置に用いる前記電磁波照射手段を備えることを特徴とする電磁波照射装置。
- 請求項1〜8に記載の機能性膜パターン形成装置で形成された機能性膜パターンを備えることを特徴とする電子機器。
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JP2005090783A JP2006278394A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 機能性膜パターン形成装置、機能性膜パターン形成方法、電磁波照射装置、および電子機器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014518589A (ja) * | 2011-04-12 | 2014-07-31 | ダイパワー | 金属酸化物系配合物の焼結法 |
WO2016075822A1 (ja) * | 2014-11-14 | 2016-05-19 | 富士機械製造株式会社 | 配線基板作製方法および配線基板作製装置 |
JP2017143102A (ja) * | 2016-02-08 | 2017-08-17 | 富士機械製造株式会社 | 回路パターン形成装置、および回路パターン形成方法 |
-
2005
- 2005-03-28 JP JP2005090783A patent/JP2006278394A/ja not_active Withdrawn
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