JP2006310436A - 電子部品及び電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 絶縁層を形成する樹脂材料に添加されたフィラーの種類、増減等によらず、該絶縁層が良好な基板との密着強度を有する多層配線基板を提供する。
【解決手段】 平板状の基板と、基板上面に配置された電極と、基板の上面上に形成される略平板状空間おける電極の非存在領域を充填する樹脂材料とを有する多層配線基板において、少なくとも基板の表面近傍において、フィラーの含有率が減少した樹脂からなる領域を配置することとする。
【選択図】 図1
【解決手段】 平板状の基板と、基板上面に配置された電極と、基板の上面上に形成される略平板状空間おける電極の非存在領域を充填する樹脂材料とを有する多層配線基板において、少なくとも基板の表面近傍において、フィラーの含有率が減少した樹脂からなる領域を配置することとする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、樹脂付金属箔を用いて層間の絶縁層を形成する所謂多層配線基板に代表される電子部品及び該電子部品の製造方法に関する。より詳細には、誘電特性等、絶縁層の電気的特性を好適に制御された電子部品及び該電子部品の製造方法に関する。
多層配線基板と呼称される電子部品は、電子機器の高密度化に対応するために開発されたものであり、これまでプリント基板上に存在した種々の配線を、積層化された基板内部に形成することにより高密度実装を可能とするものである。具体的な製造方法としては、心材となる基板の上下面に配線、電極等を形成した後に、絶縁体である樹脂層が形成された銅箔を、これら配線等の上面に対して樹脂層側が向かうようにして貼り付け、該配線等と銅箔とを電気的に接合すると同時に空間を樹脂により充填し、その後銅箔に配線パターンを形成する。このような工程を繰り返すことにより、内部に配線等を有する絶縁層を積層した多層配線基板が得られる。
近年、電子機器においては高密度化と共に、用いる信号の高周波化が進展している。このため、絶縁層にフィラーと呼ばれる添加剤を混入する等して、絶縁層の誘電率を調整して、高周波対応の多層配線基板を得る方法が模索されている。また、ここで、フィラーとは所定の電気的特性を有する繊維状、粒状等の形状からなる固体添加物を総称するものとする。該絶縁層に混入するフィラーの種類を適宜調整し、樹脂からなる絶縁層の熱膨張率(特許文献1参照)、機械的特性等を調整することで、該配線基板に更なる機能性を付加する方法、或いは、絶縁層を二種類の層から構成し、該配線基板の加工性を高める手法(特許文献2参照)も試みられている。また、銅箔上面に樹脂層を形成しその上にフィラー添加層を形成し、これを基板に貼り合わせることにより、基板の加工性を高める手法も知られている(特許文献3参照)。
上述したように、フィラー等の添加により、多層配線基板の電子部品としての機能性を高めることが可能となる。また、更なる高周波化、小型化の要求に対しても、添加するフィラーの量を多くすることにより対処することが可能と考えられる。しかし、一般的に固形物であるフィラーは基板等に対する密着性をほとんど有していない。このため、フィラーの増加に伴って、樹脂層の基板等に対する密着強度が低下し、得られる電子部品の強度が低下するといった事態が生じる恐れがある。特に、高周波化に対応した誘電率の小さい樹脂は一般的に密着性に劣っており、フィラーの添加によってその欠点が顕在化することが知られている。
本発明は以上の状況に鑑みて為されたものであり、添加されたフィラーの種類、増減等によらず、良好な基板との密着強度を有する多層配線基板、及び該多層配線基板の製造方法の提供を目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係る電子部品は、略平板状の基板と、基板の上面に形成された電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかと、基板の上面上に形成される略平板状空間おける電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかの非存在領域を充填する樹脂材料とを有する電子部品であって、樹脂材料は、樹脂及び所定のフィラーの混合物からなると共に、少なくとも基板の表面近傍においてフィラーの含有率が減少した領域を有することを特徴としている。
なお、上述した電子部品においては、略平板状空間は、板表面と、樹脂材料からなる層が一面に形成された金属箔における樹脂材料の形成面とによって、対向する二面が規定されることが好ましい。或いは、略平板状空間は、基板表面と、電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかにおける最も高さを有する側の上面を含む平面とによって、対向する二面が規定されることが好ましい。なお、ここで述べた略平板状空間とは、基板上面と金属箔における基板対向面とによって対向する二面が定義される空間であって、電極、チップ状電子部品等が包含される空間を示している。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る電子部品の製造方法は、略平板状の基板と、基板の上面に形成された電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかと、基板の上面上に形成される略平板状空間おける電極の非存在領域を充填する樹脂材料とを有する電子部品を製造する電子部品の製造方法であって、所定のフィラーを含有した樹脂材料からなる層を所定の温度に加熱しながら基板の上面に対向させて基板上面に向かって樹脂材料に荷重を付加し、電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかを樹脂材料からなる層に埋め込ませ、前記樹脂材料からなる層における前記基板との対向面が前記基板の上面から上方の所定位置に達した状態において、基板、電極及び電子部品のうち少なくとも何れか、及び樹脂材料を所定の温度プロファイルにて保持して樹脂材料の硬化を図ることを特徴としている。
なお、上述した電子部品の製造方法において、該所定位置は、電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかにおける最も高さを有する側の上面が前記樹脂材料からなる層の前記基板とは対向する面とは逆の面と略一致する位置であることが好ましい。或いは、該所定位置は、前記樹脂材料が前記基板の上面に達することのない位置に設定されることが好ましい。また、樹脂材料は、基板と対向する側の面から順に配置された、樹脂の含有比率が大きい層と樹脂の含有比率が小さい層との略二層から構成されることが好ましい。また、樹脂材料の厚さは、電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかにおける最も上面となる面と基板の上面との間の距離よりも小さく設定されることが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る電子部品の製造方法は、略平板状の基板と、基板の上面に配置された電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかと、基板の上面上に形成される略平板状空間おける電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかの非存在領域を充填する樹脂材料とを有する電子部品を製造する電子部品の製造方法であって、樹脂材料からなる第一の層、及び所定のフィラーを含有した樹脂材料からなる第二の層を積層してなる層を所定の温度に加熱しながら、第一の層の非積層面を基板の上面に対向させて、基板上面に向かって第二の層における非積層面に荷重を付加し、電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかを第一の層及び第二の層に埋め込ませ、第二の層における基板との対向面が基板の上面から上方の所定位置に達した状態において、基板、電極及びチップ電子部品のうち少なくとも何れか、第一の層、及び第二の層を所定の温度プロファイルにて保持して第一の層を形成する樹脂材料及び第二の層を形成する樹脂材料の硬化を図ることを特徴としている。この場合、第一の層を形成する樹脂材料及び第二の層を形成する樹脂材料は同一の樹脂材料であることが好ましい。
また、本発明に係る樹脂付金属箔は、略平板状の基板と、基板の上面に配置された電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかと、基板の上面上に形成される略平板状空間おける電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかの非存在領域を充填する樹脂材料とを有する電子部品を製造する際に樹脂材料を供給する樹脂付金属箔であって、金属箔と、金属箔の一面上に形成された所定のフィラーを含有した樹脂材料からなる第一の層と、第一の層の表面上に形成された樹脂材料からなる第二の層とを有することを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る電子部品の製造方法は、略平板状の基板と、基板の上面に配置された電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかと、基板の上面上に形成される略平板状空間おける電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかの非存在領域を充填する樹脂材料とを有する電子部品を製造する電子部品の製造方法であって、樹脂材料からなる第一の層、及び所定のフィラーを含有した樹脂材料からなる第二の層を積層してなる層を所定の温度に加熱しながら、第一の層の非積層面を基板の上面に対向させて、基板上面に向かって第二の層における非積層面に荷重を付加し、電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかを第一の層及び第二の層に埋め込ませ、第二の層における基板との対向面が基板の上面から上方の所定位置に達した状態において、基板、電極及びチップ電子部品のうち少なくとも何れか、第一の層、及び第二の層を所定の温度プロファイルにて保持して第一の層を形成する樹脂材料及び第二の層を形成する樹脂材料の硬化を図ることを特徴としている。この場合、第一の層を形成する樹脂材料及び第二の層を形成する樹脂材料は同一の樹脂材料であることが好ましい。
また、本発明に係る樹脂付金属箔は、略平板状の基板と、基板の上面に配置された電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかと、基板の上面上に形成される略平板状空間おける電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかの非存在領域を充填する樹脂材料とを有する電子部品を製造する際に樹脂材料を供給する樹脂付金属箔であって、金属箔と、金属箔の一面上に形成された所定のフィラーを含有した樹脂材料からなる第一の層と、第一の層の表面上に形成された樹脂材料からなる第二の層とを有することを特徴としている。
本発明によれば、フィラーの材質、特性、樹脂層における含有状態等によらず、多層配線基板における絶縁層と他の層(部材)との接合面を樹脂のみからなる層或いは樹脂リッチな層から形成することが可能となる。従って、該接合領域の密着性は樹脂の特性のみを考慮すればよいこととなり、従来と比較して良好な密着性を得ることが可能となる。また、平滑な基板表面に対しても良好な密着性が得られ、絶縁層を薄くしても良好な密着性を得られることから、材料選択の範囲が大きくなり、より広範な特性を有する多層配線基板を得ることも可能となる。また、平滑な面に対して好適な密着性が得られることから、従来のように密着性改善のために基板表面に凹凸を設ける(表面荒れを形成する)必要が無くなる。従って、樹脂層、基板等より薄い層から形成することが可能となり、高多層化等が可能となる。また、密着性に優れることから、表面の平滑化処理を行うことも可能となり、多層配線基板として高周波化、狭ピッチ化等にも容易に対応可能となる。
また、本発明によれば、低弾性率を有する樹脂のみ或いは樹脂リッチな層によって接合界面を形成することが可能となる。このため、例えば基板使用時における各材質の熱膨張率差を該層にて容易に吸収することが可能となり、温度変化に対する耐性を有する多層配線基板を提供することが可能となる。また、加熱条件の最適化により、例えば、微細なパターンの間、或いは逆テーパーとなって上面から陰となる領域に対しても樹脂を流動させて充填することが可能となる。従って、従来では不可能であった電極形状或いは配線パターンを有する多層配線基板を得ることも可能となる。
また、本発明によれば、絶縁層を基板等表面に対して最終的に密着させる工程は、圧力の付加だけではなく樹脂層の保持温度の制御によって為されている。従って、従来密着性を得るために最も付加荷重が必要とされた工程が不要となり、銅箔に対する押圧力(プレス圧)を低減することが可能となる。また、樹脂の保持温度を制御して樹脂の流動性を適当なものとすることにより、例えば配線パターン5、ポスト電極7の周囲を他の絶縁層部分と比較して樹脂リッチな領域とすることも可能である。これにより電極周辺に存在するフィラーを低減し、多層配線基板としての伝送ロスを低減することも可能となる。
(第一の実施形態)
次に、本発明の第一の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、基板に対して所謂樹脂付銅箔を貼り合せる際の各工程における、基板及び樹脂付銅箔を断面から見た状態を示している。図1に示すように、該工程において、予め、配線パターン5及び該配線パターン5を銅箔と接続するために所定の高さを有するポスト電極7が形成された基板3、及び該基板3と貼り合せられる樹脂付き銅箔9、を準備する。ここで、樹脂付銅箔9は、銅箔11、及び銅箔11の一方の面にフィラーが混入された所謂Bステージ状態にある熱硬化性樹脂からなる樹脂層13から構成されている。
次に、本発明の第一の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、基板に対して所謂樹脂付銅箔を貼り合せる際の各工程における、基板及び樹脂付銅箔を断面から見た状態を示している。図1に示すように、該工程において、予め、配線パターン5及び該配線パターン5を銅箔と接続するために所定の高さを有するポスト電極7が形成された基板3、及び該基板3と貼り合せられる樹脂付き銅箔9、を準備する。ここで、樹脂付銅箔9は、銅箔11、及び銅箔11の一方の面にフィラーが混入された所謂Bステージ状態にある熱硬化性樹脂からなる樹脂層13から構成されている。
なお、Bステージとは、熱硬化性樹脂の硬化を中間段階でストップさせたものであり、更に過熱することによって一端溶融し、その後完全な硬化に至る状態を示す。
また、これら樹脂層13に用いられる熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ系樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリビニルベンジルエーテル等の化合物等が例示される。なお、樹脂層13には熱可塑性樹脂を用いることも可能であり、この場合の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、フッ素系樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド等が例示される。また、フィラーは所定の電気的特性、機械的特性、化学的特性等、所望の特性を樹脂材料に付与するために用いられる、所定の特性を有する固体状の材料であり、形状、大きさ物性等については特に規定されない。
また、これら樹脂層13に用いられる熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ系樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリビニルベンジルエーテル等の化合物等が例示される。なお、樹脂層13には熱可塑性樹脂を用いることも可能であり、この場合の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、フッ素系樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド等が例示される。また、フィラーは所定の電気的特性、機械的特性、化学的特性等、所望の特性を樹脂材料に付与するために用いられる、所定の特性を有する固体状の材料であり、形状、大きさ物性等については特に規定されない。
ステップ1においては、樹脂付き銅箔9における樹脂層13の形成面を、基板3におけるポスト電極7等の形成面と向かい合わせにする。この状態にて、基板3に向けて、樹脂付き銅箔9の銅箔11の上面(樹脂層13の非形成面)を押圧する。その際、樹脂層13における樹脂材料が流動性を示す温度となるように加熱することにより、該樹脂層13は流動性を回復する。樹脂層13の温度を該温度に略保持し、銅箔11の上面に対する押圧を更に継続する。これにより、ステップ2に示すように、ポスト電極7等の基板上凸部分に当たる樹脂はその他の領域に流動し、電極7の上面が銅箔11の樹脂層形成面に接近していく。この状態から更に銅箔11に対する押圧を継続することにより、ステップ3に示すように電極7の上面と銅箔11の樹脂層形成面とが当接することとなる。
ここで、樹脂層13の体積は、基板3の表面と銅箔11の樹脂層形成面とによって定義される略平板状空間の体積から、予め配線パターン5とポスト電極7との体積を差し引いたものと略同一となるように設定されている。即ち、ステップ1における樹脂層13の厚さは、予め配線パターン等の体積を差し引いて得られる体積に基づいて、配線パターン5とポスト電極7とを加えた厚さよりも小さく設定されている。より厳密には、ステップ2に示す状態となった際、即ちポスト電極7等の基板3上の凸部分によって樹脂層13が押し分けられて、貼り合せ初期時にポスト電極7等の上部に存在した樹脂がその他の領域に移動した状態において、樹脂層13の内部にフィラーの密な領域と疎な領域が形成される。即ち、ポスト電極7の上方に存在したフィラー含有樹脂はポスト電極7により押しのけられるが、流動性の低いフィラーはその近傍に位置し、流動性の高い樹脂は樹脂層13の開放面15に向かって流動する。樹脂の粘性等によってこの開放面15に樹脂が達して樹脂リッチ領域を形成するためには若干の時間遅れが生じる可能性がある。樹脂が押しのけられた配線パターン5の上面上、ポスト電極7の周囲等にはフィラー含有率が大きく、樹脂の含有率の小さな層が形成される。この状態にてある程度の時間の保持を行う、或いは更に若干の温度上昇を行って所定時間の保持を行う。
その結果、配線パターン5の上方、ポスト電極7の上方等に存在したフィラー含有樹脂から樹脂がさらに搾り出されたような状況となり、開放面15と基板3の表面との間に模式的に示された隙間が流動した樹脂によって、完全に充填される。即ち、流動性を保持した樹脂は、下方(基板3の表面方向)に向かって移動し、樹脂のみからなる或いは樹脂リッチな層(以下樹脂リッチ層と述べる。)17を形成する(ステップ3)。該樹脂リッチ層17によって基板3と樹脂層13とは接着される。なお、ステップ2における樹脂層13とステップ3における樹脂層13とは、厳密には樹脂或いはフィラーの含有率に着目した場合若干異なっている。しかしながら、便宜上これらを同一の樹脂層13として以下の説明を行う。
この状態で、樹脂の硬化を図ることにより、フィラーを十分に含んだ領域と樹脂リッチ層17との略二層からなる樹脂層を構成することが可能となる。該樹脂リッチ層17の基板3表面等に対する密着性等の物理的特性は、樹脂の性質にほぼ一対一に対応する。従って、良好なフィラーの材質、添加量等によらず、良好な基板との密着性を有する樹脂層(絶縁層)を得ることが可能となる。なお、フィラーを含有した樹脂層は一般的にクッション性を有し(樹脂の選択の際にクッション性を有する樹脂を選択する場合が多い。)、該クッション性によって基板上の凹凸に対してなじむことが可能となり、密着性をより改善する。
なお、プレス工程時においては、所定の荷重をRCC等に加えた状態において、一定の昇温率で例えば150℃という第一の温度でまで加熱する。この第一の温度でRCC等を第一の時間保持し、該温度にてRCCと基板との密着を図る。密着後、更に一定の昇温率で第二の温度である例えば、200℃まで加熱し、該温度にてRCC等を第二の時間保持して樹脂層の効果を図っている。これら昇温、保持の温度及び時間は樹脂材料の特性、フィラーとの相互作用等によって適宜変更されることが好ましく、従って、該条件は、所定の温度プロファイルにて樹脂材料を保持し、最終的に該樹脂材料の硬化を図るプロセスとして認識されることが好ましい。
また、樹脂材料とフィラーとの関係から、樹脂リッチ層と樹脂層とは、条件によっては厳密な二層とならない場合も多い。また、樹脂層の特性を所定の数値として確保する上で、厳密な二層状態とすることが好ましくない場合も考えられる。従って、本発明における樹脂層は、フィラーの含有質が大きい層とフィラーの含有率が小さい層との略二層から構成されることと認識されることが好ましい。
なお、以上述べた実施形態においては、樹脂付の銅箔を樹脂層形成に際して用いることとしているが、本発明は当該構成に限定されず、所定の箔に樹脂層を形成したものを用いた場合においても適用可能である。また、本実施形態においては所謂Bステージ状態のフィラー含有樹脂等を用いることとしているが、例えば比重差等を考慮して混入されたフィラーの樹脂層内部での沈降をある程度抑えることが可能であれば、硬化がほとんど為されていない所謂Aステージ状態にあるフィラー含有樹脂を用いることも可能である。
また、樹脂材料とフィラーとの関係から、樹脂リッチ層と樹脂層とは、条件によっては厳密な二層とならない場合も多い。また、樹脂層の特性を所定の数値として確保する上で、厳密な二層状態とすることが好ましくない場合も考えられる。従って、本発明における樹脂層は、フィラーの含有質が大きい層とフィラーの含有率が小さい層との略二層から構成されることと認識されることが好ましい。
なお、以上述べた実施形態においては、樹脂付の銅箔を樹脂層形成に際して用いることとしているが、本発明は当該構成に限定されず、所定の箔に樹脂層を形成したものを用いた場合においても適用可能である。また、本実施形態においては所謂Bステージ状態のフィラー含有樹脂等を用いることとしているが、例えば比重差等を考慮して混入されたフィラーの樹脂層内部での沈降をある程度抑えることが可能であれば、硬化がほとんど為されていない所謂Aステージ状態にあるフィラー含有樹脂を用いることも可能である。
(第二の実施形態)
次に、図面を参照して第二の実施形態について説明する。図2は図1と同様の様式にて第二の実施形態における基板3、樹脂付き銅箔9等を示したものであり、第一の実施形態における諸構成と同様の作用を呈する構成に関しては同一の参照番号を用いて説明することとする。第一の実施形態は、基板3の表面に対するフィラー含有樹脂の密着性が問題であったが、第二の実施形態は、基板3の表面のみならず、配線パターン5表面に対するフィラー含有樹脂層の密着性にも問題がある場合を示している。
次に、図面を参照して第二の実施形態について説明する。図2は図1と同様の様式にて第二の実施形態における基板3、樹脂付き銅箔9等を示したものであり、第一の実施形態における諸構成と同様の作用を呈する構成に関しては同一の参照番号を用いて説明することとする。第一の実施形態は、基板3の表面に対するフィラー含有樹脂の密着性が問題であったが、第二の実施形態は、基板3の表面のみならず、配線パターン5表面に対するフィラー含有樹脂層の密着性にも問題がある場合を示している。
本実施形態においては、配線パターン5の上面においても、樹脂のみ或いは樹脂リッチな層17を形成する必要がある。従って、樹脂付き銅箔9における樹脂層13の体積を調整し、略平板状空間の体積から配線パターン5とポスト電極7との体積を差し引いて得られる体積と略同一となるように設定されている。該状態において樹脂の保持温度を調節することにより、樹脂層13の開放面15と基板3の表面とから形成される領域を樹脂リッチ層17によって充填することができる。その結果、ステップ3に示すように、配線パターン5の上面も樹脂リッチ層17で覆うことが可能となり、配線パターン5に対する絶縁層の密着性を改善することが可能となる。
(第三の実施形態)
ここで、図3は第三の実施形態を示すものであって、図1と同様の様式にて第三の実施形態における基板3、樹脂付き銅箔9等を示したものであり、第一の実施形態における諸構成と同様の作用を呈する構成に関しては同一の参照番号を用いて説明することとする。なお、図1におけるステップ2に対応する図は、図面簡略化のために省略することとしている。第三の実施形態は、ある程度以上の厚さを有する配線パターン5のみによって製品領域が形成されており、基板3の周囲に設けられた突起部(不図示)或いは配線パターン5自身によって絶縁層の厚さが規定される場合を示している。
ここで、図3は第三の実施形態を示すものであって、図1と同様の様式にて第三の実施形態における基板3、樹脂付き銅箔9等を示したものであり、第一の実施形態における諸構成と同様の作用を呈する構成に関しては同一の参照番号を用いて説明することとする。なお、図1におけるステップ2に対応する図は、図面簡略化のために省略することとしている。第三の実施形態は、ある程度以上の厚さを有する配線パターン5のみによって製品領域が形成されており、基板3の周囲に設けられた突起部(不図示)或いは配線パターン5自身によって絶縁層の厚さが規定される場合を示している。
本実施形態においては、樹脂付き銅箔9を基板3に対して押圧して基板3の周囲に設けられた突起部(不図示)或いは配線パターン5の上面と銅箔11とが接触した際に、樹脂リッチ層17が基板3の上面に存在することとしている。即ち、樹脂付き銅箔9における樹脂層13の体積を調整し、ステップ2に示す状態において、樹脂層13の体積が、略平板状の空間の体積から配線パターン5の体積を差し引いて得られる体積と略同一となるように設定されている。該状態において樹脂の保持温度を調節することにより、樹脂層13の開放面15と基板3の表面とから形成される領域を樹脂リッチ層17によって充填することができる。その結果、ステップ2に示すように、基板3の上面を樹脂リッチ層17で覆うことが可能となり、基板3に対する絶縁層の密着性を改善することが可能となる。
(第四の実施形態)
第四の実施形態は、第三の実施形態における電極等を更に複雑にした場合を示している。ここで、図4は第四の実施形態を示すものであって、図1と同様の様式にて第四の実施形態における基板3、樹脂付き銅箔9等を示したものであり、第一の実施形態における諸構成と同様の作用を呈する構成に関しては同一の参照番号を用いて説明することとする。なお、図1におけるステップ2に対応する図は、図面簡略化のために省略することとしている。
第四の実施形態は、第三の実施形態における電極等を更に複雑にした場合を示している。ここで、図4は第四の実施形態を示すものであって、図1と同様の様式にて第四の実施形態における基板3、樹脂付き銅箔9等を示したものであり、第一の実施形態における諸構成と同様の作用を呈する構成に関しては同一の参照番号を用いて説明することとする。なお、図1におけるステップ2に対応する図は、図面簡略化のために省略することとしている。
本実施形態は、具体的には、配線パターン5は該パターン上にパターン電極5a及び微細配線電極5bを有し、基板3はその内部に形成された第二電極3a及び該第二電極3aに通ずるビアパターン3bを有する場合についての本発明の適用例を示している。パターン電極5aは、配線パターン5との接合部分において、該パターン電極5aを形成した際に生じた配線パターン延在方向における面積減少領域である所謂サイドエッチ部を有している。また、微細配線電極5bは複数本存在し、各々の電極間隔は例えば25μmといった微細な間隔とされている。また、ビアパターン3bは、その径がおよそ50μm以下となるように設定されている。
本実施形態においては、樹脂付き銅箔9を基板3に対して押圧して、絶縁層の高さの基準となる電極であるパターン電極5aの上面と銅箔11とが接触した際に、開放面15がパターン電極のサイドエッチ部の上部に位置することとしている。即ち、樹脂付き銅箔9における樹脂層13の体積を調整し、該体積が略平板状の空間の体積から配線パターン5、パターン電極5a、及び微細配線電極5bの体積を差し引いて得られる体積と略同一なるように設定されている。該状態において樹脂の保持温度を調節することにより、樹脂層13の開放面15と基板3の表面とから形成される領域を樹脂リッチ層17によって充填することができる。その結果、ステップ3に示すように、本来電極の上面からは充填困難であったパターン電極5aのサイドエッチ部内部、通常のプレス圧では充填不可能な微細配線電極5b各々の間、及びこれも通常のプレス圧では充填困難なビアパターン3b内部に樹脂リッチ層17を充填することが可能となり、基板3に対する絶縁層の密着性を改善することが可能となる。
(第五の実施形態)
第五の実施形態は、第三の実施形態における樹脂付き銅箔9における樹脂層13、を予め樹脂層13と樹脂リッチ層(本実施形態においては樹脂のみからなる層)17とから形成した場合を示している。該樹脂リッチ層17は、樹脂層13における銅箔11との接合面とは異なる面に形成されている。なお、ここで、図5は第五の実施形態を示すものであって、図1と同様の様式にて第五の実施形態における基板3、樹脂付き銅箔9等を示したものであり、第一の実施形態における諸構成と同様の作用を呈する構成に関しては同一の参照番号を用いて説明することとする。なお、図1におけるステップ2に対応する図は、図面簡略化のために省略することとしている。
第五の実施形態は、第三の実施形態における樹脂付き銅箔9における樹脂層13、を予め樹脂層13と樹脂リッチ層(本実施形態においては樹脂のみからなる層)17とから形成した場合を示している。該樹脂リッチ層17は、樹脂層13における銅箔11との接合面とは異なる面に形成されている。なお、ここで、図5は第五の実施形態を示すものであって、図1と同様の様式にて第五の実施形態における基板3、樹脂付き銅箔9等を示したものであり、第一の実施形態における諸構成と同様の作用を呈する構成に関しては同一の参照番号を用いて説明することとする。なお、図1におけるステップ2に対応する図は、図面簡略化のために省略することとしている。
本実施形態においては、樹脂付き銅箔9を基板3に対して押圧してステップ2に示すポスト電極7の上面と銅箔11とが接触した際に、第三の実施形態における基板3上面の空間を予め付与した樹脂リッチ層17で埋めることとしている。即ち、樹脂付き銅箔9における樹脂層13の体積を調整し、ステップ2に示す状態において、樹脂層13及び樹脂リッチ層17を加えた層の厚さが配線パターン5の厚さと略同一に設定されている。予め樹脂リッチ層17をある程度の厚さ形成しておくことにより、仮に密着性を確保したい領域が多層配線基板の厚さ方向に相当以上存在した場合であっても、樹脂層13からの樹脂リッチ層17に対する樹脂の補填が為され、この広範な領域を充填することができる。その結果、ステップ3に示すように、基板3の上面を樹脂リッチ層17で覆うことが可能となり、基板3に対する絶縁層の密着性を改善することが可能となる。
なお、本実施形態においては、樹脂リッチ層17を構成する樹脂の材質を、フィラーを含んだ樹脂層13を構成する樹脂の材質と同じであることとしている。しかしながら、本実施形態は当該構成に限定されない。この場合、樹脂リッチ層17は樹脂材料からなる第一の層として、また樹脂層13は所定のフィラーを含有した、樹脂材料からなる第二の層として作用する。ここで、基板3と対向して配置される面は、第一の層における第二の層との積層面とは異なる面となり、貼り合せ時に直接荷重を受ける面は第二の層における第一の層との積層面とは異なる面となる。また、本実施形態は、その応用例として、例えば図5におけるステップ3に対応する図である図6に示すように、配線パターン5の周囲にも樹脂リッチ層17を構成することが可能である。具体的には、図5におけるステップ1に示す樹脂リッチ層17の厚さ、材質、貼り合せ時の付加圧力、貼り合せ速度、樹脂の保持温度等の最適化を図ることにより、貼り合せ初期に存在する樹脂リッチ層17を配線パターン5の周囲に残存させることとしている。これにより、配線パターン周辺のフィラー量を低減し、例えば該多層配線基板において高周波信号を用いる際の該フィラーによる伝送ロスを防止或いは低減することが可能となる。ここで、樹脂リッチ層17である第一の層は、異なる樹脂材料によって各々形成された複数の層を積層して形成されたものであっても良い。例えば、個々の層に各々流動性、密着性等を各々別個に担わせる構成とすることにより、より優れた特性を有する電子部品を得ることも可能となる。また、樹脂層13に関しても、異なる樹脂材料或いは異なるフィラーにより構成された複数の層を積層して形成されたものであってもよい。
(第六の実施形態)
第六の実施形態は、第四の実施形態と同様に、第三の実施形態における電極等を更に複雑にした場合を示している。ここで、図7は第六の実施形態を示すものであって、図1と同様の様式にて第六の実施形態における基板3、樹脂付き銅箔9等を示したものであり、第一の実施形態における諸構成と同様の作用を呈する構成に関しては同一の参照番号を用いて説明することとする。なお、図1におけるステップ2に対応する図は、図面簡略化のために省略することとしている。
第六の実施形態は、第四の実施形態と同様に、第三の実施形態における電極等を更に複雑にした場合を示している。ここで、図7は第六の実施形態を示すものであって、図1と同様の様式にて第六の実施形態における基板3、樹脂付き銅箔9等を示したものであり、第一の実施形態における諸構成と同様の作用を呈する構成に関しては同一の参照番号を用いて説明することとする。なお、図1におけるステップ2に対応する図は、図面簡略化のために省略することとしている。
本実施形態は、具体的には、配線パターン5の上面に対して微細粗面化処理が施されている場合についての本発明の適用例を示している。配線パターン5上面の粗面化処理は、通常絶縁層との密着性改善のために形成される場合が多いが、例えば電極面積を増加させようとする場合にも形成される。粗面化領域における凹凸の大きさによっては、フィラーの大きさよりもこれが小さい場合も考えられる。従来工程においてはこのような凹凸を埋めることは困難であったが、本発明によれば該凹凸を流動性の高い樹脂のみにて充填することから、これを完全に埋めることが可能となる。
(第七の実施形態)
第七の実施形態は、第六の実施形態における電極に替えて、基板上にチップ部品等の微細電子部品を配置した場合について示している。ここで、図8は第七の実施形態を示すものであって、図1と同様の様式にて第七の実施形態における基板3、樹脂付き銅箔9等を示したものであり、第一の実施形態における諸構成と同様の作用を呈する構成に関しては同一の参照番号を用いて説明することとする。なお、図1におけるステップ2に対応する図は、図面簡略化のために省略することとしている。ここで、基板3上に配置される微細電子部品5cは、通常略立方形状からなり、下面(樹脂付き銅箔9と向かい合う面と対向する面)に配線との結合用の所謂バンプが形成されている。該バンプの存在によって微細電子部品5c底面は基板3との間に空間を形成する。
第七の実施形態は、第六の実施形態における電極に替えて、基板上にチップ部品等の微細電子部品を配置した場合について示している。ここで、図8は第七の実施形態を示すものであって、図1と同様の様式にて第七の実施形態における基板3、樹脂付き銅箔9等を示したものであり、第一の実施形態における諸構成と同様の作用を呈する構成に関しては同一の参照番号を用いて説明することとする。なお、図1におけるステップ2に対応する図は、図面簡略化のために省略することとしている。ここで、基板3上に配置される微細電子部品5cは、通常略立方形状からなり、下面(樹脂付き銅箔9と向かい合う面と対向する面)に配線との結合用の所謂バンプが形成されている。該バンプの存在によって微細電子部品5c底面は基板3との間に空間を形成する。
本実施形態においては、樹脂付き銅箔9を基板3に対して押圧してステップ2に示す状態となった際に、形成される樹脂リッチ層17によって満たされる領域を、配線パターン5上面との表面粗さより大きくすると同時に、微細電子部品5cの下方に形成される空間を収容する大きさをとしている。即ち、樹脂付き銅箔9を基板3から所定の距離まで押圧して該樹脂層13を所定温度で保持した後に形成される樹脂リッチ層17の厚さがこれら領域を覆うこととしている。該状態において樹脂の保持温度を調節することにより、微細電子部品5c下面等を樹脂リッチ層17によって封入することが可能となる。
その結果、ステップ2に示すように、本来電極の上面からはアクセス困難であった微細電子部品5c下面、及び通常のプレス圧では完全な密着が困難な粗面化領域に対して樹脂リッチ層17を充填、密着することが可能となり、基板3に対する絶縁層の密着性、及び電極及び電子部品固着性の改善をすることが可能となる。即ち、本実施形態の場合、第四の実施形態においてハーフエッチング部が樹脂リッチ層17によって充填された場合と同様に、チップ部品5cと基板3におけるバンプ接合部(不図示)との隙間に樹脂リッチ層17が充電され、所謂アンダーフィル効果によりチップ部品5cと基板3との接合強度を挙げる効果を有する。なお、本実施形態においても、図5に示したように予め樹脂リッチ層17を樹脂層13の表面に形成しておくことによって、樹脂リッチ層によって封入すべき領域が増加した場合であっても、良好な封入状態を得ることが可能となる。
以上述べたように、本発明の実施形態に係る電子部品は、略平板状の基板の上面と樹脂層を保持する銅箔等の金属箔とによって形成される略平板状の空間内を、電極等からなる領域と、該領域(電極等の非存在領域)を充填する樹脂材料とから構成されている。また、該樹脂材料は、樹脂と所定の電気的特性、機械的特性、化学的特性(難燃性等)、物理的特性(放熱性等)等を有するフィラーとを混合することにより得られている。該電子部品は、基板の上面、電極周囲、及び電子部品の下部等、上方より見て陰となる領域のうち、少なくとも基板の上面においてフィラーの含有率が大幅に少なくなる領域を有することを特徴としている。ここで、該樹脂材料は金属箔に保持されなくとも、該電子部品を構成することは可能であり、この場合、略平板状の空間は、基板上に配置された電極等のうち最も高さを有する部材の上面によって定義される。
即ち、略平板状の空間形成において、該空間の一面は基板表面によって定義され、該面の対向面は樹脂材料からなる層の基板対向面とは逆の面によって定義される。また、貼り付け時における樹脂材料に対する加圧は樹脂材料が基板の上面から所定位置となった際に停止されるが、この場合の所定位置は樹脂材料からなる層における基板対向面とは逆の面が電極等の最も高さを有する部材の上面と略一致(厳密に一致させることが困難と思われることから当該表現とする。)する位置をいう。また、樹脂の滲み出し量を考慮して、該位置より上方、即ち、基板表面と樹脂層における基板対向面とが接触することのない位置も含まれる。
また、本発明においては、基板上面に樹脂の染み出しに起因する樹脂リッチ層を形成する必要がある。従って、フィラーの大きさ、フィラー同士の相互での影響、樹脂の粘性、樹脂の分子量、保持温度、等の条件を最適化し、用いられる樹脂とフィラーの関係が、樹脂の流動性に対してフィラーの流動性が低くなる条件を選択する必要がある。即ち、樹脂材料の有すべき特徴として、所定温度で加熱保持した状態において、樹脂材料の流動性が該樹脂材料中のフィラーの流動性より大きくなることが挙げられる。
本実施例においては、図1に示した第一の実施形態に示した構成からなる多層配線基板を製造した。ここで、樹脂付き銅箔9における銅箔11の厚さは12μmとし、フィラー含有樹脂層13の厚さを49μmとした。また、配線パターン5の厚さは18μmとし、ポスト電極7の厚さは35μmと設定した。これら、部材を図1に示す工程に従って貼り合せたところ、ステップ4において、樹脂層13の下面と基板3の表面との間には4μmの樹脂リッチ層17が形成された。
このようにして得られた多層配線基板における絶縁層(樹脂層及び樹脂リッチ層からなる層)と基板等の密着性を90°ピール強度により確認した。その結果、従来工程からなる多層配線基板の密着性と比較して、樹脂としてビニルベンジル用いた場合における銅箔との密着強度が0.3kg/cmから0.6kg/cmへ向上し、基板に樹脂を用いた場合の樹脂同士の密着強度が0.6kg/cmから1.0kg/cmへ向上する等、強度にして略2倍の改善が見られた。なお、本実施例においては樹脂層13の下面と基板3の表面と間の樹脂リッチ層17を4μmとしたが、該値は2〜10μmとして場合であっても、密着性の改善において十分な効果が得られることが確認されている。また、当該層の厚さは、樹脂層13の体積を適宜設定することにより、任意に選択することが可能である。
本発明は電子部品及び電子部品の製造方法に係るものであるとして、所謂多層配線基板を本発明の適用対象に挙げ、実施形態及び実施例については該多層配線基板について述べた。しかしながら、本発明の適用対象は該電子部品に限定されず、例えば常温或いは比較的低い温度環境下において用いられる所謂積層型のチップ状電子部品に対しても適用することが可能である。また、電子部品に限定されること無く、樹脂の中に密着性に寄与しない物質を含有させ、該樹脂を用いて所定の空間を充填する技術一般に対してもの適用することが可能である。
3:基板、 5:配線パターン、 7:ポスト電極、 9:樹脂付き銅箔、 11:銅箔、 13:フィラー含有樹脂層、 15:開放面、 17:樹脂リッチ層
Claims (11)
- 略平板状の基板と、前記基板の上面に配置された電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかと、前記基板の上面上に形成される略平板状空間おける前記電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかの非存在領域を充填する樹脂材料とを有する電子部品であって、
前記樹脂材料は、樹脂及び所定のフィラーの混合物からなると共に、少なくとも前記基板の表面近傍において、前記フィラーの含有率が減少した領域を有することを特徴とする電子部品。 - 前記略平板状空間は、前記基板表面と、前記樹脂材料からなる層が一面に形成された金属箔における前記樹脂材料の形成面とによって、対向する二面が規定されることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
- 前記略平板状空間は、前記基板表面と、前記電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかにおける最も高さを有する側の上面を含む平面とによって、対向する二面が規定されることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
- 略平板状の基板と、前記基板の上面に配置された電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかと、前記基板の上面上に形成される略平板状空間おける前記電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかの非存在領域を充填する樹脂材料とを有する電子部品を製造する電子部品の製造方法であって、
所定のフィラーを含有した樹脂材料からなる層を所定の温度に加熱しながら、前記基板の上面に対向させて前記基板上面に向かって前記樹脂材料に荷重を付加し、
前記電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかを前記樹脂材料からなる層に埋め込ませ、
前記樹脂材料からなる層における前記基板との対向面が前記基板の上面から上方の所定位置に達した状態において、前記基板、前記電極及びチップ電子部品のうち少なくとも何れか、及び前記樹脂材料を所定の温度プロファイルにて保持して前記樹脂材料の硬化を図ることを特徴とする電子部品の製造方法。 - 前記所定位置は、前記電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかにおける最も高さを有する側の上面が前記樹脂材料からなる層の前記基板と対向する面とは逆の面と略一致する位置であることを特徴とする請求項4に記載の電子部品の製造方法。
- 前記所定位置は、前記樹脂材料が前記基板の上面に達することのない位置に設定されることを特徴とする請求項4に記載の電子部品の製造方法。
- 前記樹脂材料は、前記基板と対抗する側の面から順に配置された、前記樹脂の含有率の大きな層と、前記樹脂の含有率の小さな層との略二層から構成されることを特徴とする請求項4に記載の電子部品の製造方法。
- 前記樹脂材料の厚さは、前記電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかにおける最も上面となる面と前記基板の上面との間の距離よりも小さく設定されることを特徴とする請求項5に記載の電子部品の製造方法。
- 略平板状の基板と、前記基板の上面に配置された電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかと、前記基板の上面上に形成される略平板状空間おける前記電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかの非存在領域を充填する樹脂材料とを有する電子部品を製造する電子部品の製造方法であって、
樹脂材料からなる第一の層、及び所定のフィラーを含有した樹脂材料からなる第二の層を積層してなる層を所定の温度に加熱しながら、前記第一の層の非積層面を前記基板の上面に対向させて、前記基板上面に向かって前記第二の層における非積層面に荷重を付加し、
前記電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかを前記第一の層及び前記第二の層に埋め込ませ、
前記第二の層における前記基板との対向面が前記基板の上面から上方の所定位置に達した状態において、前記基板、前記電極及びチップ電子部品のうち少なくとも何れか、前記第一の層、及び前記第二の層を所定の温度プロファイルにて保持して前記第一の層を形成する樹脂材料及び前記第二の層を形成する樹脂材料の硬化を図ることを特徴とする電子部品の製造方法。 - 前記第一の層を形成する樹脂材料及び前記第二の層を形成する樹脂材料は同一の樹脂材料であることを特徴とする請求項9記載の電子部品の製造方法。
- 略平板状の基板と、前記基板の上面に配置された電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかと、前記基板の上面上に形成される略平板状空間おける前記電極及びチップ状電子部品のうち少なくとも何れかの非存在領域を充填する樹脂材料とを有する電子部品を製造する際に前記樹脂材料を供給する樹脂付金属箔であって、
金属箔と、
前記金属箔の一面上に形成された、所定のフィラーを含有した樹脂材料からなる第一の層と、
前記第一の層の表面上に形成された樹脂材料からなる第二の層と、を有することを特徴とする樹脂付金属箔。
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JP2009152430A (ja) * | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Panasonic Corp | チップ状電子部品 |
CN111406444A (zh) * | 2017-11-28 | 2020-07-10 | 住友电工印刷电路株式会社 | 制造柔性印刷电路板的方法以及柔性印刷电路板 |
JPWO2021186997A1 (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-23 |
-
2005
- 2005-04-27 JP JP2005129197A patent/JP2006310436A/ja active Pending
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