JP2006310279A - 固体高分子型燃料電池用電極触媒層、それを用いた固体高分子型燃料電池用膜電極複合体、固体高分子型燃料電池、携帯機器および移動体 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用電極触媒層、それを用いた固体高分子型燃料電池用膜電極複合体、固体高分子型燃料電池、携帯機器および移動体 Download PDF

Info

Publication number
JP2006310279A
JP2006310279A JP2006087257A JP2006087257A JP2006310279A JP 2006310279 A JP2006310279 A JP 2006310279A JP 2006087257 A JP2006087257 A JP 2006087257A JP 2006087257 A JP2006087257 A JP 2006087257A JP 2006310279 A JP2006310279 A JP 2006310279A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
catalyst layer
electrode catalyst
polymer electrolyte
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006087257A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Uete
貴夫 植手
Shunji Kono
俊司 河野
Masayuki Kidai
聖幸 希代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2006087257A priority Critical patent/JP2006310279A/ja
Publication of JP2006310279A publication Critical patent/JP2006310279A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】
本発明は、高性能を長期に維持できる電極触媒層および固体高分子型燃料電池用触媒ならびにそれを用いた固体高分子型燃料電池を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の固体高分子型燃料電池用アノード電極触媒層は、Pt元素とRu元素を含む触媒およびポリマからなり、100mA/cm2の電流を100時間印加した後のPtに対するRuの原子数比の割合が、0.8≦(高分子電解質膜側から1μmの範囲に含まれる、Ruの原子数/Ptの原子数)/(高分子電解質膜の反対側から1μmの範囲に含まれる、Ruの原子数/Ptの原子数)≦1、で表されることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池用電極触媒層、該電極触媒層を用いた固体高分子型燃料電池用膜電極複合体、該膜電極複合体を用いる固体高分子型燃料電池、および該燃料電池を用いた携帯機器ならびに移動体に関するものである。
燃料電池は、排出物が少なく、かつ高エネルギー効率で環境への負担の低い発電装置で
ある。このため、近年の地球環境保護への高まりの中で再び脚光を浴びている。従来の大
規模発電施設に比べ、比較的小規模の分散型発電施設、自動車や船舶など移動体の発電装
置として、将来的にも期待されている発電装置である。また、小型移動機器、携帯用電子
機器の電源としても注目されており、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次
電池に替わり、携帯電話やパソコンなどのモバイル機器への搭載が期待されている。
固体高分子型燃料電池においては、水素ガスを燃料とする従来の固体高分子型燃料電池
(以下、PEFCと記載する)に加えて、液体燃料のメタノール水溶液を直接供給するダ
イレクトメタノール型燃料電池(以下、DMFCと記載する)も注目されている。DMF
Cは、従来のPEFCに比べて出力が低いものの、燃料が液体で改質器を用いないために、エネルギー密度が高くなり、一充填あたりの携帯機器の使用時間が長時間になるという
利点がある。
燃料電池は通常、発電を担う反応の起こるアノードとカソードの電極と、アノードとカ
ソード間のイオン伝導体となる電解質膜とが、膜―電極複合体(MEA)を構成し、この
MEAがセパレータによって挟まれたセルをユニットとして構成されている。ここで、電
極は、燃料液体や気体の供給や生成物の放出と集(給)電を行う電極基材(ガス拡散電極
あるいは集電体とも云う)と、実際に電気化学的反応場となる電極触媒層とから構成され
ている。
たとえば、固体高分子型燃料電池のアノード電極では、メタノール水溶液などの燃料が
アノード電極の触媒層で反応してプロトン、電子と二酸化炭素を生じ、電子は電極基材に
プロトンは高分子固体電解質へと伝導し、二酸化炭素は系外に排出される。このため、ア
ノード電極には、液体燃料の浸み込み、ガスの拡散性、電子伝導性、イオン伝導性が良好
なことが要求され、さらにはこれらの性能を維持するために化学的,物理的な安定性が求
められる。
一方、カソード電極では、酸素や空気などの酸化ガスがカソード電極の触媒層で、高分
子固体電解質から伝導してきたプロトンと、電極基材から伝導してきた電子とが反応して
水を生成する。このため、カソード電極においては、ガス拡散性、電子伝導性、イオン伝
導性とともに、生成した水を効率よく排出することも必要となる。特にDMFCにおいて
は、電解質膜を透過したメタノールと酸素あるいは空気などの酸化ガスがカソード電極の
触媒層で、二酸化炭素と水を生成する反応も起こる。このため、従来のPEFCよりも生
成水が多くなるため、さらに効率よく水を排出することが必要となり、アノード同様に、
これらの性能を維持するために化学的および物理的安定性が必要となる。特に、液体燃料を用いるDMFCにおいては、アノード電極触媒層のRu元素成分が溶解し、カソードで析出することがわかってきた。これらは耐久性の低下を引き起こす原因となる可能性があることもわかってきた。しかしながら現在のアノードに用いられる触媒は多量の可溶なRu元素成分を含有している。また、カソードには、メタノールクロスオーバーの対策として予めRu元素を存在させていることもある。
このような中でDMFCの耐久性向上を目的に種々の検討が行われている。例としては、シランを含有した3次元架橋構造体および貴金属触媒を担持した炭素微粒子からなることを特徴とする電極触媒層からなる膜電極接合体が提案されている(特許文献1参照)。
また、イオン性基を含まないポリマを電極触媒層バインダに用いる例もいくつかあるが、いずれもイオン性基を含むポリマとの混合物で用いられている。たとえば、イオン性基を含まないフッ素樹脂が溶媒中に分散した懸濁液とイオン性基を含むポリマの混合物をバインダとしている触媒層が提案されており(特許文献2参照)、また、触媒層中のポリマとして、イオン交換基を実質的に有しない溶媒可溶性含フッ素重合体とイオン性基を有する溶媒可溶性含フッ素重合体の混合物が(特許文献3参照)提案されている。
特開2003−178770号公報 特開2003−109603号公報 特開2001−357858号公報
しかしながら、上記技術ではRu元素成分の溶解を抑制することができず、耐久性の問題を本質的に改善しているわけではなかった。
このように、従来の技術では液体燃料を用いた燃料電池における電極触媒層のRu元素成分の溶解、析出を解決できるものはなかった。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、高性能を長期に維持できる電極触媒層、固体高分子型燃料電池用膜電極複合体、固体高分子型燃料電池、携帯機器および移動体を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、第1の手段としては、Pt元素とRu元素を含む触媒およびポリマからなり、固体高分子電解質膜と接する、液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池用アノード電極触媒層において、100mA/cm2の電流を100時間印加した後のPtに対するRuの原子数比の割合が、0.8≦(高分子電解質膜側から1μmの範囲に含まれる、Ruの原子数/Ptの原子数)/(高分子電解質膜の反対側から1μmの範囲に含まれる、Ruの原子数/Ptの原子数)≦1、で表されることを特徴とするものである。
第2の手段としては、Pt元素を含む触媒およびポリマからなる、液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池用カソード電極触媒層において、100mA/cm2の電流を100時間印加した後のカソード電極触媒層のRu元素含有量が0.5mg/cm2以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の固体高分子型燃料電池用膜電極複合体は、いずれもかかる固体高分子型燃料電池用電極触媒層で構成されていることを特徴とするものであり、本発明の液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池は、かかる固体高分子型燃料電池用膜電極複合体で構成されていることを特徴とするものである。本発明の携帯機器あるいは移動体は、かかる液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池を駆動源とすることを特徴とするものである。
本発明によれば、従来に比べて耐久性に優れた燃料電池を提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり高性能を長期に維持できる固体高分子型燃料電池用電極触媒層について、鋭意検討し下記構成が有効であることを見出した。
Pt元素とRu元素を含む触媒およびポリマからなり、固体高分子電解質膜と接する、液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池用アノード電極触媒層において、100mA/cm2の電流を100時間印加した後のPtに対するRuの原子数比の割合が、0.8≦(高分子電解質膜側から1μmの範囲に含まれる、Ruの原子数/Ptの原子数)/(高分子電解質膜の反対側から1μmの範囲に含まれる、Ruの原子数/Ptの原子数)≦1、にすることで表されることを特徴とするものである。
あるいは、Pt元素を含む触媒およびポリマからなり、液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池用カソード電極触媒層において、100mA/cm2の電流を100時間印加した後のカソード電極触媒層のRu元素含有量を0.5mg/cm2以下にすることで解決することを究明した。
従来の検討で、液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池の電極触媒層においてアノード電極触媒層にRu元素を導入することが高出力化につながることがわかっている。しかしながら、実際の使用によりアノード電極触媒層のRu元素成分が溶解し、カソードで析出することがわかってきた。これらは耐久性の低下を引き起こす原因となる可能性があることもわかってきた。一方、現在のアノードに用いられる触媒は多量の可溶なRu元素成分を含有している。また、カソードには、メタノールクロスオーバーの対策として予めRu元素を存在させていることもあり、耐久性の向上が難しかった。発明者らは鋭意検討の結果、上記電極触媒層の適用により耐久性を高め、かつ十分に出力が得られることを見出したものである。
これは、溶解するRu元素成分を除去することによりアノードの化学的安定性が格段に向上したためと考えている。また、同時にカソードでのRu元素成分の析出が抑制でき、カソードでのRu元素含有量を0.5mg/cm2以下に維持することが可能になり、カソードでの水つまりやポリマーの劣化促進も抑制できたためと考えている。
具体的には、本発明の固体高分子型燃料電池用アノード電極触媒層(以下、単にアノード電極触媒層と略称する)は、100mA/cm2の電流を100時間印加した後のPtに対するRuの原子数比の割合が、0.8≦(高分子電解質膜側から1μmの範囲に含まれる、Ruの原子数/Ptの原子数)/(高分子電解質膜の反対側から1μmの範囲に含まれる、Ruの原子数/Ptの原子数)≦1、にする必要があり、耐久性の点から原子数比の割合が0.9以上であればより好ましく、0.95以上であればなお好ましい。
PtとRuの原子数比は走査型透過電子顕微鏡によるエネルギー分散型X線分析法(STEM−EDX)により分析することができる。この時、PtとRuの原子数比は20万倍から100万倍の倍率で触媒粒子ごとに分析を行う。また、10点以上分析し、その平均値を用いる。
また、100mA/cm2の電流を100時間印加するときのその他の条件には、使用する時のセル温度、供給ガス(空気や酸素など)、液体燃料濃度、流量などがある。以下に具体的な測定例を挙げるが特にこれに限定されるものではない。5cm2のMEAにおいて、10%のメタノール水溶液をアノード電極に流量1ml/cm2で流し、セル温度を60℃に温調し、カソードに空気を流量50ml/cm2で流し、100mA/cm2の電流を100時間印可する。この後アノード電極触媒層を樹脂で固めて超薄切片を作製し、これをSTEM−EDXで分析する。
アノード電極触媒層に用いるポリマは、特に限定されることはなく、高分子固体電解質やイオン性基を持たないポリマなどいずれのポリマも用いることができる。具体例としては触媒粒子を良く分散し、燃料に対して膨潤、変形、溶解せず、燃料電池内の酸化−還元雰囲気で劣化しないポリマが好ましい。このようなポリマとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、これらの共重合体などの含フッ素樹脂や、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンスルフィドスルフォン(PPSS)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)などの耐熱・耐酸化性ポリマ、ポリオルガノシロキサンなどのシリコーン樹脂、ポリスチレンやポリエチレン、ポリプロピレンなどの汎用ポリマおよびその誘導体などが挙げられる。これらのポリマの中でも、溶媒に可溶あるいは分散できることから触媒や導電剤との分散性向上が図れるという点で、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、あるいは旭硝子社製サイトップなどのフッ素含有ポリマや、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンスルフィドスルフォン(PPSS)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)などの耐熱・耐酸化性に優れた炭化水素形ポリマが好ましく用いられる。
また、上記ポリマの誘導体としてアニオン性基を含有するものは出力向上には効果があるが、耐久性の点では低下する場合があるため、使用条件に応じてアニオン性基の含有量を調整する必要がある。
本発明におけるアノード電極触媒層に用いる触媒はPt元素とRu元素を含んでいる必要があるが、これ以外に別の元素を含んでいてもよい。例えば金、パラジウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、鉄、チタン、銀などの貴金属あるいは遷移金属が好ましく用いられる。
このように3種以上の元素を組み合わせるのも好ましく、特に耐久性向上の観点からも含まれていても構わない。この様な好ましい例としては、PtとRuとイリジウム、PtとRuとロジウム、PtとRuとパラジウムなどが挙げられる。触媒は金属のみの粒子であっても、カーボンに担持されていても良く、これらが混合されていても好ましい実施態様である。触媒が、金属のみの粒子と担持カーボンの混合物の場合、これらの混合比率は特に限定されるものではない。また、触媒が担持カーボンの場合、該カーボン材としては下記に挙げる導電剤に用いるカーボンと同様のものが用いられる。
本発明におけるアノード電極触媒層に含まれる導電剤としては、電子伝導性に優れ電極触媒層内での耐久性に優れるものであれば、特に限定されること無く種々の導電剤を用いることができる。例えば、炭素、金属、金属化合物、合金、半金属や有機導電材などが好ましく使用される。
本発明のアノード電極触媒層に含まれる好ましい導電材としては、比表面積が大きく耐蝕性の点から炭素材料が好ましく、なかでもカーボンブラックやナノカーボン材料が特に好ましく使用される。
具体的なカーボンブラックとしては、チャネルブラック、サーマルブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラックが好ましく、オイルファーネスブラックとしては、キャボット社製バルカン(登録商標)XC−72R、バルカン(登録商標)P、ブラックパールズ(登録商標)880、ブラックパールズ(登録商標)1100、ブラックパールズ(登録商標)1300、ブラックパールズ(登録商標)2000、リーガル(登録商標)400、ライオン社製ケッチェンブラック(登録商標)EC、三菱化学社製#3150、#3250などが使用され、アセチレンブラックとしては電気化学工業社製デンカブラック(登録商標)などが使用される。これらの中でも、特に、キャボット社製のバルカン(登録商標)XC−72Rが特に好ましく用いられる。
また、ナノカーボン材料としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンなどが好ましく使用される。また、これらのカーボン材料の表面処理物、あるいは混合物を用いることも好ましいことである。また、かかるカーボンブラック以外にも、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素、金、パラジウムなども用いることができる。これらの導電材の形態としては、粒子状のほか繊維状のものも用いることができる。また、これら炭素材を後処理加工した導電材も用いることが可能である。これら導電材の電極触媒層への添加量としては、重量比率として1〜80%が好ましく、5〜50%がさらに好ましい。本発明の電極触媒層における触媒、導電材、ポリマの混合比率は必要とされる電極特性に応じて適宜決められるべきもので特に限定されるものではないが、導電材とポリマの重量比率で50/50〜95/5が好ましい。
本発明におけるアノード電極触媒層の厚さは、メタノール水溶液や二酸化炭素などの反応生成物の液体や気体の移動を妨げない厚さが求められる。このため好ましくは150μm以下が、より好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下であるのがよい。一方アノード電極触媒層の厚みが薄すぎると触媒を均一に存在させるのが困難になるため、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、特に好ましくは10μm以上であるのがよい。電極触媒層の厚みは走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)で100倍から1000倍程度で1cmあたり5カ所以上の断面を観察し、各観察点で5点以上厚みを計測しその平均値を各観察点での代表値とする。この代表値の平均値を電極触媒層厚みとする。
本発明のアノード電極触媒層は公知の方法で作製することができ、特に限定されるものではない。電極触媒層形成方法の具体例を下記する。電極触媒塗液の混練は三本ロール、超音波、ホモジナイザー、湿式ジェットミル、乾式ジェットミル、乳鉢、撹拌羽根、衛星式(自転公転型)撹拌器などで行う。混練した電極触媒塗液を、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーターフローコーターなどで塗布、乾燥し、形成する。塗布方法は塗液の粘度や固形分などに応じ適宜選択する。また、電極触媒層塗液は、後述の電極基材、電解質膜のいずれに塗布することも可能である。また、触媒層を単独で形成することも可能であり、ガラス基材などに塗布、乾燥後、剥離する。さらには別に作製したアノード触媒層を電極基材や高分子固体電解質に転写あるいは挟持させても良い。この場合の転写基材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のシート、あるいは表面をフッ素やシリコーン系の離型剤処理したガラス板や金属板なども用いられる。
本発明のアノード電極触媒層あるいはそれに用いる触媒は耐久性向上のために、酸および/またはアルカリで処理することが好ましい。これにより溶解性の高いRu元素成分を除去でき、耐久性が向上すると考えている。処理に用いる酸は特に限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸、王水などの無機酸とその混合液、酢酸やクエン酸などの有機酸とその混合液などが好ましく用いられる。アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような無機アルカリの他、種々の有機アルカリを用いることができる。処理とは、前記液体に浸漬したり、蒸気に接触させたりすることにより行うことができるが、これらに限定されるものではない。また、Ru元素成分の溶解を促進するために加熱するのも有効な手段である。中でも水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液に浸漬する方法は選択的に溶解性の高いRu元素成分を除去でき、好ましい。
本発明のカソード電極触媒層は、100mA/cm2の電流を100時間印加した後のカソード電極触媒層のRu元素含有量が0.5mg/cm2以下であれば特に限定されるものではないが、0.2mg/cm2以下では好ましく、0.1mg/cm2以下ではより好ましい。Ru元素含有量はICP発光分析法や蛍光X線分析法により分析することができる。以下に具体的な測定方法を記載するがこれに限定されるものではない。MEAから電極触媒層を掻き取り、重量を測定する。この時採取した電極触媒層の面積を測定しておく。これを高温で処理し、残渣をアルカリと酸で溶解する。それぞれの液をICP発光分析法で分析し、Ru元素を定量する。電極触媒層の面積と、そこに含まれるRu元素の量から単位面積あたりのRu元素量がわかる。
また、100mA/cm2の電流を100時間印加するときのその他の条件には、使用する時のセル温度、供給ガス(空気や酸素など)、液体燃料濃度、流量などがある。以下に具体的な測定例を挙げるが特にこれに限定されるものではない。5cm2のMEAにおいて、10%のメタノール水溶液をアノード電極に流量1ml/cm2で流し、セル温度を60℃に温調し、カソードに空気を流量50ml/cm2で流し、100mA/cm2の電流を100時間印可する。この後、前記方法によりカソード電極触媒層のRu元素量を測定する。
本発明のカソード電極触媒層は、前記のアノード電極触媒層と同じ技術を適用することができる。
本発明の電極触媒層は、電極基材や電解質膜とともに膜電極複合体(MEA)とすることも好ましい実施態様である。
本発明の膜電極複合体における電極基材としては、燃料電池に一般に用いられる電極基材が特に限定されることなく用いられる。たとえば、導電性無機物質を主たる構成材とする多孔質導電シートなどが使用され、この導電性無機物質としては、具体的にはポリアクリロニトリルからの焼成体、ピッチからの焼成体、黒鉛及び膨張黒鉛などの炭素材、ステンレススチール、モリブデン、チタンなどが使用される。かかる導電性無機質の形態は繊維状あるいは粒子状など特に限定されない。なかでも、東レ製カーボンペーパーTGPシリーズ、SOシリーズ、E−TEK社製カーボンクロスなどが好ましく用いられる。
本発明の膜電極複合体における電解質膜としては、通常の燃料電池に用いられる電解質であれば特に限定されるものではないが、プロトン伝導性の高分子材料として固体高分子電解質膜が好ましく用いられる。プロトン伝導性のアニオン性基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基など特に限定されるものではない。
この固体高分子電解質膜は、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体や耐熱性のエンジニアリングプラスチックなどにスルホン酸基などのアニオン性基を有する炭化水素系膜と、フルオロアルキルエーテル側鎖とフルオロアルキル主鎖とから構成される共重合体のパーフルオロ系に大別され、燃料電池が用いられる用途や環境に応じて適宜選択されるべきものである。また、部分的にフッ素原子置換した部分フッ素膜も好ましく用いられる。パーフルオロ膜では、DuPont社製ナフィオン(登録商標)、旭化成製アシピレックス(登録商標)、旭硝子製フレミオン(登録商標)などが例示され、部分フッ素膜では、トリフルオロスチレンスルホン酸の重合体やポリフッ化ビニリデンにスルホン酸基を導入したものなどがある。中でもイオン性基を有し、耐加水分解性に優れる炭化水素系高分子電解質膜が好ましい。この中でも、非架橋型炭化水素系高分子電解質膜の具体例を挙げれば、イオン性基含有ポリフェニレンオキシド、イオン性基含有ポリエーテルケトン、イオン性基含有ポリエーテルエーテルケトン、イオン性基含有ポリエーテルスルホン、イオン性基含有ポリエーテルエーテルスルホン、イオン性基含有ポリエーテルホスフィンオキシド、イオン性基含有ポリエーテルエーテルホスフィンオキシド、イオン性基含有ポリフェニレンスルフィド、イオン性基含有ポリアミド、イオン性基含有ポリイミド、イオン性基含有ポリエーテルイミド、イオン性基含有ポリイミダゾール、イオン性基含有ポリオキサゾール、イオン性基含有ポリフェニレンなどのイオン性基を有する芳香族炭化水素系ポリマが挙げられる。ここで、イオン性基は、負電荷を有する原子団であれば特に限定されるものではないが、プロトン交換能を有するものが好ましい。このような官能基としては、スルホン酸基、硫酸基、スルホンイミド基、ホスホン酸基、リン酸基、およびカルボン酸基が好ましく用いられる。
また、架橋型炭化水素系高分子電解質膜としては、ビニル単量体を主とする架橋構造体が好ましく用いられる。ビニル単量体の具体例としては、アクリロニトリルなどのアクリル系単量体、スチレンなどの芳香族ビニル単量体、N−フェニルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレートなどの含フッ素単量体が好ましい。また、複数個のビニル基を有する単量体としては、ジビニルベンゼンなどの芳香族多官能単量体類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノール(メタ)フルオレンジアクリレートなどの多価アルコールのジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−(メタ)アクリレート類が特に好ましい。特に、上記ビニル単量体を共重合することでさらに好ましいものとなる。
本発明の高分子電解質膜を構成するポリマは、ポリマ分子鎖が拘束されていることも好ましいものであり、その方法は特に限定されるものではなく、プロトン伝導性を有するポリマと耐水・溶剤性に優れるポリマとを複数種混合することにより拘束効果が発現される。特に、混合に際しては、それぞれのポリマ、具体的にはプロトン伝導性を有するポリマと耐水・溶剤性に優れるポリマとが相溶していることが重要である。また、単に混合するだけでなく、架橋や内部貫入高分子網目などによる方法によっても拘束効果が得られる。
本発明の膜電極複合体における電解質膜は、上記に述べた炭化水素系高分子電解質膜に無機材料を添加した電解質膜、あるいは無機材料のみからなる電解質膜も好ましいものである。これら無機材料としては、アルミナ、シリカ、ゼオライト、チタニア、ジルコニア、セリアなどの金属酸化物、フラレノールなどの炭素材料などが挙げられる。
また、本発明の膜電極複合体における電解質膜は、プロトン伝導性の電解質が支持体に充填されて膜形状を有するものも好ましいものである。支持体としては、多孔性ポリマフィルム、多孔性無機材料、織布、不織布などが挙げられる。
本発明の膜電極複合体における電解質膜の厚さは、特に限定されるものではなく、プロトン伝導度などの電解質膜の物性とそれが用いられる膜電極複合体(MEA)の性能に応じて決められるべきものである。具体的には、前記の電解質膜の物性およびMEAの性能と作製方法の点から5μm〜500μmが好ましく用いられる。
本発明の膜電極複合体の製造方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が適用できる。電極触媒層が電極基材上に作製されている場合には、この電極触媒層付き電極基材を固体高分子電解質膜などの電解質と接合するが、この接合条件についても燃料電池の特性に応じて適宜決められるべきものである。また、電極触媒層が電解質膜上に作製されている場合には、この電極触媒層付き電解質膜を電極基材と接合するが、この接合条件についても燃料電池の特性に応じて適宜決められるべきものである。
本発明の電極触媒層およびそれを用いた膜電極複合体は固体高分子型燃料電池、特にメタノール水溶液などの液体燃料のダイレクトメタノール形燃料電池に好適に用いることが可能である。
かかる燃料電池は、特に限定されるものではないが、移動体あるいは携帯機器の電力供給源が好ましく使用されるものである。特に、携帯電話、ノートパソコン、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラなどの携帯機器が好ましく、乗用車、バス、トラックなどの自動車や船舶、鉄道なども好ましい移動体である。
以下、本発明の詳細につき実施例を用いて、各手順に従ってさらに説明する。
以下に実施例にて作製したものの評価方法を説明する。
(MEAの評価方法)
作製したMEAをエレクトロケム社製セルに挟みアノード側に10重量%メタノール水溶液を40μl/cm2/min 、カソード側に空気を10ml/cm2/minを供給し、60℃恒温水で温度制御した状態でMEA評価を行った。評価は徐々に電流を上昇させ、その時の電圧を測定した。
(MEAの耐久性)
上記MEAの評価条件にて、MEAに100mA/cm2で定電流を印加し、100時間評価を行った後、電圧の保持率を耐久性の指標として用いた。
(アノード電極触媒層のPtに対するRuの原子数比の測定)
MEAの耐久性評価後、MEAをセルから外し、MEAの中心部を切り出し樹脂で固めて、超薄切片を作製した。これをSTEM−EDXによりアノード電極触媒層を100万倍で分析した。厚さ方向には、高分子固体電解質膜とアノード電極触媒層の界面から1μmの範囲と膜の反対側の界面から1μmの範囲を、また長さ方向には100μmの範囲を均等な間隔になるように20点測定し、各点でPtに対するRuの原子数比を求め、その平均値を採用した。
(カソード電極触媒層中のRu元素量の測定)
上記のMEAの残りを切り取った。切り取ったMEAからカソード電極触媒層を掻き取り、重量を測定した。この時採取したカソード電極触媒層の面積を測定しておいた。これを高温で処理し、残渣をアルカリと酸で溶解した。それぞれの液をICP発光分析法で分析し、カソード電極触媒層中のRu元素を定量した。電極触媒層の面積と、そこに含まれるRu元素の量から単位面積あたりのRu元素量を求めた。
[実施例1]
(1)電解質膜の作製および評価
(A)高分子電解質ポリマの作製
炭酸カリウム45g、ヒドロキノン12g、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール33g、および4,4'−ジフルオロベンゾフェノン44gを用いて、N−メチルピロリドン(NMP)中、160℃で重合を行った。水洗後、多量のメタノールで再沈することで精製を行い、下記化学式で示される高分子電解質ポリマを作製した(以下これをFL50PEEKと称す)。得られたポリマの重量平均分子量は12万であった。
室温、窒素雰囲気下でFL50PEEK10gをクロロホルムに溶解させた後、撹拌しながらクロロスルホン酸11mLをゆっくり滴下し、5分反応させた。白色沈殿を濾別、粉砕し、水で十分洗浄した後、乾燥し、目的のスルホン化FL50PEEKを得た。
Figure 2006310279
(B)高分子電解質膜の作製と評価結果
前記(A)で得られたポリマを飽和食塩水浸漬によりNa置換後、N,N−ジメチルアセトアミド溶液よりガラス基板上に流延塗布し、100℃にて3時間乾燥し、溶媒を除去後、300℃にて15分間熱処理した。1N塩酸浸漬によりプロトン置換し、水で充分洗浄した。得られた膜は、膜厚70μmであり、無色透明の柔軟な膜であった。この膜の30重量%メタノール透過量は14μmol/(min・cm2)、イオン伝導度は5.4S/cm2、"ナフィオン"(登録商標)117膜に比べイオン伝導度が少し大きく、燃料クロスオーバー抑制効果が大きかった。
(2)膜電極複合体(MEA)の作製および評価結果
(A)アノード電極の作製
東レ製カーボンペーパーTGP−H−090に20%ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)懸濁液を用いて撥水処理を行ったのち、焼成してアノード電極基材を作製した。次に以下の手順で触媒の前処理を行った。60℃の10%NaOH水溶液に、ジョンソンマッセイ社製Pt−Ru担持カーボン、Pt−Ru粒子を浸漬した後、水で洗浄した。その触媒を60℃に過熱した3規定のHClに1時間浸漬後、再び水で洗浄した。この触媒とポリフッ化ビニリデンおよびジメチルアセトアミドからなるアノード電極触媒塗液を前記アノード電極基材に塗工、乾燥してアノード電極を作製した。得られたアノード電極の電極触媒層の厚さは40μm、Ru量は1.5mg/cm2であった。
(B)カソード電極の作製
E−TEK社製カーボンクロスにアセチレンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)懸濁液からなる分散液を塗工し、焼成してカソード電極基材を作製した。この電極基材上に、田中貴金属工業社製Pt担持カーボン、ジョンソンマッセイ社製Pt粒子、デュポン社製ナフィオン(登録商標)溶液からなるカソード電極触媒塗液を塗工、乾燥してカソード電極を作製した。得られたカソード電極の電極触媒層の厚さは40μm、Pt元素量は2.5mg/cm2であった。
(C)MEAの作製および評価結果
前記工程(1)の高分子電解質膜を、前記工程(A)と(B)で作製したアノード電極とカソード電極で夾持し加熱プレスすることで膜電極複合体(MEA)を作製した。MEAの出力は100mW/cm2であった。
(3)MEAの耐久性評価結果、他
前記(2)(C)で作製したMEAの耐久性、アノード電極触媒層のPtに対するRuの原子数比およびカソード電極触媒層中のRu元素量の評価結果を表1にまとめる。
[比較例1]
(1) 電解質膜の作製および評価結果
電解質膜にDuPont社製ナフィオン(登録商標)117を用いた以外は実施例1(1)と同様に行った。
(2) 膜電極複合体(MEA)の作製および評価結果
アノード電極の作製時に、触媒の前処理を行わず、電極触媒塗液中のポリフッ化ビニリデンとジメチルホルムアミドの代わりにデュポン社製ナフィオン(登録商標)溶液を使用した以外は、実施例1(2)と同様に電極およびMEAを作製し、評価を行った。得られたMEAの出力は88mW/cm2であった。
(3) MEAの耐久性評価結果、他
実施例1(3)と同様にした。結果を表1にまとめる。
[実施例2]
(1) 電解質膜の作製および評価結果
実施例1(1)と同様に行った。
(2) 膜電極複合体(MEA)の作製および評価結果
アノード電極の作製時に、触媒の前処理を行わず、電極触媒塗液中のポリフッ化ビニリデンの代わりにスルホン化FL50PEEKを使用した。次いで作製したアノード電極を60℃の10%NaOH水溶液に、ジョンソンマッセイ社製Pt−Ru担持カーボン、Pt−Ru粒子を浸漬した後、水で洗浄した。その触媒を60℃に過熱した3規定のHClに1時間浸漬後、再び水で洗浄した。前記変更以外は実施例1(2)と同様にして電極およびMEAを作製し、評価を行った。得られたMEAの出力は92mW/cm2であった。
(3) MEAの耐久性評価結果、他
実施例1(3)と同様にした。結果を表1にまとめる。
[実施例3]
(1) 電解質膜の作製および評価結果
比較例1と同様に行った。
(2) 膜電極複合体(MEA)の作製および評価結果
実施例1(2)の触媒の前処理で塩酸に浸漬しない以外は実施例1(2)と同様にして電極およびMEAを作製し、評価を行った。得られたMEAの出力は102mW/cm2であった。
(3) MEAの耐久性評価結果、他
実施例1(3)と同様にした。結果を表1にまとめる。
[実施例4]
(1) 電解質膜の作製および評価結果
比較例1と同様に行った。
(2) 膜電極複合体(MEA)の作製および評価結果
実施例1(2)において触媒の前処理を行わずに、MEAを作製し、セルにセットした。アノード側に、10%NaOH水溶液を1時間、水を2時間、1規定HClを1時間、水を2時間の順に流した。この時セル温度は60℃に温調した。前記以外は実施例1(2)と同様にして電極およびMEAを作製し、評価を行った。得られたMEAの出力は80mW/cm2であった。
(3) MEAの耐久性評価結果、他
実施例1(3)と同様にした。結果を表1にまとめる。
[実施例5]
(1) 電解質膜の作製および評価結果
実施例1と同様に行った。
(2) 膜電極複合体(MEA)の作製および評価結果
実施例1(2)において触媒のジョンソンマッセイ社製Pt−Ru担持カーボンの代わりに、Pt−Ru−Rh担持カーボン触媒を用い、前処理を前処理を行わない以外は実施例1(2)と同様にして電極およびMEAを作製し、評価を行った。得られたMEAの出力は83mW/cm2であった。
(3) MEAの耐久性評価結果、他
実施例1(3)と同様にした。結果を表1にまとめる。
Figure 2006310279

Claims (8)

  1. Pt元素とRu元素を含む触媒およびポリマからなり、固体高分子電解質膜と接する、液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池用アノード電極触媒層において、100mA/cm2の電流を100時間印加した後のPtに対するRuの原子数比の割合が、0.8≦(高分子電解質膜側から1μmの範囲に含まれる、Ruの原子数/Ptの原子数)/(高分子電解質膜の反対側から1μmの範囲に含まれる、Ruの原子数/Ptの原子数)≦1、で表されることを特徴とする固体高分子型燃料電池用アノード電極触媒層。
  2. 触媒あるいは電極触媒層がアルカリおよび/または酸で処理されていることを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池用アノード電極触媒層。
  3. Pt元素を含む触媒およびポリマからなり、液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池用カソード電極触媒層において、100mA/cm2の電流を100時間印加した後のカソード電極触媒層のRu元素含有量が0.5mg/cm2以下であることを特徴とする固体高分子型燃料電池用カソード電極触媒層。
  4. 請求項1から3に記載のいずれかの電極触媒層を用いることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜電極複合体。
  5. 炭化水素系高分子固体電解質膜を含むことを特徴とする請求項4記載の固体高分子型燃料電池用膜電極複合体。
  6. 請求項4あるいは5に記載の固体高分子型燃料電池用電極複合体を用いることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  7. 請求項6に記載の固体高分子型燃料電池を駆動源とすることを特徴とする携帯機器あるいは移動体。
  8. Pt元素とRu元素を含む触媒および/または電極触媒層を、水酸化ナトリウム水溶液および/または水酸化カリウム水溶液に浸漬することを特徴とする請求項1に記載の液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池用アノード電極触媒層の処理方法
JP2006087257A 2005-03-28 2006-03-28 固体高分子型燃料電池用電極触媒層、それを用いた固体高分子型燃料電池用膜電極複合体、固体高分子型燃料電池、携帯機器および移動体 Pending JP2006310279A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006087257A JP2006310279A (ja) 2005-03-28 2006-03-28 固体高分子型燃料電池用電極触媒層、それを用いた固体高分子型燃料電池用膜電極複合体、固体高分子型燃料電池、携帯機器および移動体

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005090996 2005-03-28
JP2006087257A JP2006310279A (ja) 2005-03-28 2006-03-28 固体高分子型燃料電池用電極触媒層、それを用いた固体高分子型燃料電池用膜電極複合体、固体高分子型燃料電池、携帯機器および移動体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006310279A true JP2006310279A (ja) 2006-11-09

Family

ID=37476904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006087257A Pending JP2006310279A (ja) 2005-03-28 2006-03-28 固体高分子型燃料電池用電極触媒層、それを用いた固体高分子型燃料電池用膜電極複合体、固体高分子型燃料電池、携帯機器および移動体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006310279A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019509594A (ja) * 2016-11-30 2019-04-04 エルジー・ケム・リミテッド 膜−電極接合体の製造方法、これから製造された膜−電極接合体およびこれを含む燃料電池

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002100374A (ja) * 2000-07-21 2002-04-05 Japan Storage Battery Co Ltd 燃料電池用電極およびその製造方法
JP2005251455A (ja) * 2004-03-02 2005-09-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 燃料電池用触媒およびその製造方法、電極、ならびに直接メタノール型燃料電池

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002100374A (ja) * 2000-07-21 2002-04-05 Japan Storage Battery Co Ltd 燃料電池用電極およびその製造方法
JP2005251455A (ja) * 2004-03-02 2005-09-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 燃料電池用触媒およびその製造方法、電極、ならびに直接メタノール型燃料電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019509594A (ja) * 2016-11-30 2019-04-04 エルジー・ケム・リミテッド 膜−電極接合体の製造方法、これから製造された膜−電極接合体およびこれを含む燃料電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4917794B2 (ja) 燃料電池用膜/電極接合体、及びこれを含む燃料電池システム
JP4607708B2 (ja) 燃料電池用電極,燃料電池,燃料電池の製造方法
US20050074651A1 (en) Polymer electrolyte film and method for preparation of the same, and solid polymer type fuel cell using the same
JP4904812B2 (ja) 膜電極複合体およびそれを用いた固体高分子型燃料電池
JP2020145210A (ja) 電極の製造方法、これによって製造された電極、前記電極を含む膜−電極アセンブリー、そして前記膜−電極アセンブリーを含む燃料電池
JP2006216503A (ja) 固体高分子型燃料電池の触媒層
JP5002911B2 (ja) ダイレクトメタノール型燃料電池(dmfc)での発電評価におけるプロトン1個あたりの電気浸透水量eowの測定方法
JP2009187848A (ja) 燃料電池
KR100805527B1 (ko) 소형 이동전원용 연료 전지 및 이 연료전지에 사용되는막-전극 어셈블리
JP2006019300A (ja) 燃料電池用電極,燃料電池,燃料電池用電極の製造方法
JP2006253124A (ja) 電解質膜用支持体、それを用いた高分子電解質複合膜の処理方法、およびその処理が施された高分子電解質複合膜、ならびにそれを用いた燃料電池。
JP2007188768A (ja) 固体高分子型燃料電池
JP2004296435A (ja) 電極触媒層およびその製造方法ならびにそれを用いた固体高分子型燃料電池
JP2003317735A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池、燃料電池用固体高分子電解質膜および燃料電池の製造方法
JP2020057516A (ja) 電極層ならびに当該電極層を用いた膜電極接合体および燃料電池
KR101181856B1 (ko) 연료전지용 전극 및 이를 포함하는 막/전극 어셈블리연료전지
JP2003257453A (ja) 高分子固体電解質およびその製造方法ならびにそれを用いた固体高分子型燃料電池
JP4984410B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用電極触媒層および固体高分子型燃料電池用膜電極複合体
WO2009119217A1 (ja) 高分子電解質膜、膜電極接合体および燃料電池
JP2011228261A (ja) 燃料電池電極用触媒スラリー組成物、これを利用した燃料電池電極用触媒層、その製造方法及びこれを含む膜−電極接合体
JP2003257452A (ja) 高分子固体電解質およびそれを用いた固体高分子型燃料電池
JP2007103293A (ja) 膜電極複合体およびその製造方法ならびにそれを用いた固体高分子型燃料電池
JP2006079917A (ja) 燃料電池用mea、および、これを用いた燃料電池
JP2006310279A (ja) 固体高分子型燃料電池用電極触媒層、それを用いた固体高分子型燃料電池用膜電極複合体、固体高分子型燃料電池、携帯機器および移動体
JP3599044B2 (ja) 燃料電池用触媒電極およびそれを用いた燃料電池、およびそれらの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110916

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120214