JP2006310237A - 膜電極接合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な手段を用いて、触媒層の膜厚が均一であり皺のない電極を製造する方法を提供する。
【解決手段】 電極触媒と電解質とを含む触媒スラリーを固体高分子電解質膜1に塗布、乾燥する膜電極接合体の製造方法において、前記固体高分子電解質膜1に膨潤液を浸潤させる段階(i)、前記膨潤液1が浸潤した前記固体高分子電解質膜1の外周部をワーク10で締結する段階(ii)、前記触媒スラリーを前記固体高分子電解質膜1に塗布する段階(iii)、および前記ワーク10を締結した状態で、前記触媒スラリーを乾燥する段階(iv)を含むことを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
【選択図】 図3
【解決手段】 電極触媒と電解質とを含む触媒スラリーを固体高分子電解質膜1に塗布、乾燥する膜電極接合体の製造方法において、前記固体高分子電解質膜1に膨潤液を浸潤させる段階(i)、前記膨潤液1が浸潤した前記固体高分子電解質膜1の外周部をワーク10で締結する段階(ii)、前記触媒スラリーを前記固体高分子電解質膜1に塗布する段階(iii)、および前記ワーク10を締結した状態で、前記触媒スラリーを乾燥する段階(iv)を含むことを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
【選択図】 図3
Description
本発明は燃料電池用の膜電極接合体の製造方法に関し、より詳細には、固体高分子電解質膜のたわみと皺とが抑制された膜電極接合体の製造方法に関する。
固体高分子型燃料電池の膜電極接合体は、固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜表面に配置された触媒層とからなる。
膜電極接合体の製造方法として、PTFEなどからなるシート上に触媒層を形成してから電解質膜に触媒層を転写する転写法や、ガス拡散層上に触媒層を形成した後に加熱加圧することで電解質膜と触媒層を備えたガス拡散層とを一体化する方法がある。
しかし、転写法は一度シート上に触媒層を形成してから転写するために工程が複雑になるという問題があり、ガス拡散層上に触媒層を形成する方法では、ガス拡散層は多孔質であることから、触媒スラリーがガス拡散層の空隙に入り込んでしまい触媒層の膜厚が不均一になるという問題があった。
これらの問題を解決する方法として、特許文献1の段落0038に示すような固体高分子電解質膜上に直接触媒層を形成する方法があり、前記方法は一般的には図1の工程図に示すように、電解質および電極触媒を溶媒に混合して調製した触媒スラリーを固体高分子電解質膜上に塗布する段階と、前記溶媒を除去するために固体高分子電解質膜および触媒スラリーを乾燥する段階とからなる。
特開2005−078895号公報
しかしながら、固体高分子電解質膜は膨潤し易いため、固体高分子電解質膜に触媒スラリーを塗布すると触媒スラリーに含まれる溶媒により固体高分子電解質膜が膨潤してたわみが生じ、触媒スラリーが固体高分子電解質膜の表面に均一に塗布されず、触媒層の膜厚が不均一になるという問題があった。
また、膨潤した固体高分子電解質膜が乾燥すると、収縮して皺が生じるという問題もあった。膜電極接合体に皺が生じると、燃料電池製造のための後の工程である膜電極接合体とガス拡散層とを接合する工程において、膜電極接合体とガス拡散層との密着性が低下したり、皺が折れ曲がって重なることで固体高分子電解質膜にマイクロクラックが発生したりする。このような膜電極接合体を用いると、供給ガスのリークが発生して電池特性の劣化を招くおそれがある。
本発明では、触媒層の膜厚が均一であり皺のない膜電極接合体を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は電極の成形工程においてワークを用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は電極触媒と電解質とを含む触媒スラリーを固体高分子電解質膜に塗布、乾燥する膜電極接合体の製造方法において、前記固体高分子電解質膜に膨潤液を浸潤させる段階(i)、前記膨潤液が浸潤した前記固体高分子電解質膜の外周部をワークで締結する段階(ii)、前記触媒スラリーを前記固体高分子電解質膜に塗布する段階(iii)、および前記ワークを締結した状態で、前記触媒スラリーを乾燥する段階(iv)を含むことを特徴とする膜電極接合体の製造方法により上記課題を解決する。
本発明の膜電極接合体の製造方法により、触媒層の膜厚が均一であり皺のない電極を製造することができる。
また、本発明の膜電極接合体の製造方法は、従来の触媒スラリーの塗布方法を適用することができる。
本発明の膜電極接合体の製造方法は図2の工程図に示すように、電極触媒と電解質とを含む触媒スラリーを固体高分子電解質膜に塗布、乾燥する膜電極接合体の製造方法において、前記固体高分子電解質膜に膨潤液を浸潤させる段階(i)、前記膨潤液が浸潤した前記固体高分子電解質膜の外周部をワークで締結する段階(ii)、前記触媒スラリーを前記固体高分子電解質膜に塗布する段階(iii)、および前記ワークを締結した状態で、前記触媒スラリーを乾燥する段階(iv)を含む。
従来の製造方法を示した図1と、本発明の製造方法を示した図2とを比較すると、固体高分子電解質膜に膨潤液を浸潤させる段階(i)、および固体高分子電解質膜の外周部をワークで締結する段階(ii)が加わっていることがわかる。このように本発明では膨潤液を浸潤させることによって膨潤させた固体高分子電解質膜の外周部をワークで固定してから、触媒スラリーを塗布することにより、触媒スラリーの塗布時に固体高分子電解質膜がたわむことを防ぐことができる。これにより、触媒層の厚みが不均一となることを防ぐことができる。
また、触媒スラリーを固化するための乾燥工程においても、本発明では、段階(iv)として、ワークを締結した状態で触媒スラリーを乾燥しているが、これにより、固体高分子電解質膜の収縮に伴う皺の発生を防止することができる。段階(i)〜(iv)の詳細について以下に述べる。
[段階(i)]
膨潤液を固体高分子電解質膜に浸潤させる方法としては、固体高分子電解質膜に膨潤液を塗布する方法または固体高分子電解質膜を膨潤液に浸漬させる方法など適宜選択することができる。
膨潤液を固体高分子電解質膜に浸潤させる方法としては、固体高分子電解質膜に膨潤液を塗布する方法または固体高分子電解質膜を膨潤液に浸漬させる方法など適宜選択することができる。
固体高分子電解質膜に膨潤液を塗布する場合には、固体高分子電解質膜全体に膨潤液がゆきわたるように膨潤液を塗布することで、膨潤不足による触媒スラリーの塗布時のたわみの発生を抑制することができる。前記塗布を行うための方法としては特に限定されず、スプレーを用いた塗布や、刷毛を用いた塗布など従来公知の技術を適宜用いることができる。
固体高分子電解質膜を膨潤液に浸漬させる場合には、固体高分子電解質膜全体に膨潤液がゆきわたるように膨潤液に浸漬することで、膨潤不足による触媒スラリーの塗布時のたわみの発生を抑制することができる。固体高分子電解質膜は膨潤し易い上に膜厚が薄いため、30秒〜5分間固体高分子電解質膜を膨潤液に浸漬させることで、膨潤液が固体高分子電解質膜の隅々まで浸潤した状態となる。膨潤液の温度は特に限定されないが10〜30℃が好ましい。
固体高分子電解質膜の膨潤率が飽和するまで膨潤液を浸潤させると、皺の発生を抑制する効果が向上するため好ましい。固体高分子電解質膜に浸潤させる膨潤液の量は、用いる固体高分子電解質膜や膨潤液などにより適宜決定することができる。本発明では、単位時間あたりの吸液による電解質膜の重量変化が1mg/cm3/min以下となった際に膨潤率が飽和したと判断することができる。
段階(i)で用いる膨潤液としては、段階(iii)で塗布される触媒スラリーに含まれる電極触媒や電解質と反応し難いものが適しており、触媒スラリーを調製するための溶媒と同じものが好ましく挙げられる。触媒スラリーを調製するための溶媒としては、メタノール、エタノール、シクロヘキサノール、もしくは2−プロパノールなどの低級アルコール、水、または水と前記低級アルコールとの混合溶媒などが好ましく挙げられる。触媒スラリーについては後述する。
固体高分子電解質膜としては、特に限定されず公知のものを用いることができるが、高いプロトン伝導性を有するものが好ましい。高いプロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体などのフッ素系固体高分子電解質膜、エンジニアリングプラスチックに酸基を導入したもの、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物にドープさせたもの、一部がプロトン伝導性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン伝導体などの炭化水素系の固体高分子電解質膜が好ましく挙げられ、より好ましくは炭化水素系の固体高分子電解質膜である。炭化水素系の固体高分子電解質膜は原価効率に優れる。
スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体としては、デュポン株式会社製NAFION(登録商標)、旭硝子株式会社製FLEMION(登録商標)、旭化成ケミカルズ株式会社製ACIPLEX(登録商標)およびザ・ダウ・ケミカル・コンパニー製DOWEX(登録商標)などが挙げられる。
上述の炭化水素系固体高分子電解質膜の中では特にエンジニアリングプラスチックにスルホン酸基などの酸基を導入したものが好ましく、例えばスルホン化ポリフェニレン誘導体、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、アルキルスルホン化ポリベンズイミダゾール、アルキルスルホン化ポリベンズイミダゾール、アルキルホスホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリエーテルスルホンなどが好ましく挙げられる。エンジニアリングプラスチックに酸基を導入したものは強度および耐熱性に優れるため好ましい。
固体高分子電解質膜の膜厚は得られる燃料電池の特性を考慮して適宜決定することができるが、15〜300μmが好ましく、より好ましくは20〜100μm、特に好ましくは20〜50μmである。膜厚が15μm未満であると、工程(ii)〜(iv)で固体高分子電解質膜が破損するおそれがあり、300μm超であると燃料電池作動時の出力特性が低下するおそれある。
[段階(ii)]
段階(ii)において、ワークによる締結は気体中または膨潤液中で行うことができる。
段階(ii)において、ワークによる締結は気体中または膨潤液中で行うことができる。
前記段階(i)として、前記固体高分子電解質膜に膨潤液を塗布するか、または前記固体高分子電解質膜を前記膨潤液に浸漬した後、段階(ii)を大気中で行う方法がある。
また、前記段階(i)として、前記固体高分子電解質膜を前記膨潤液に浸漬した後、段階(ii)を膨潤液中で行う方法もある。段階(ii)は気体中で行ってもよいが、膨潤液中で行うとより好ましい。膨潤液中で行ことによりワークの締結前に固体高分子電解質膜が乾燥することを防止することができる。
ワークは、浸潤させた固体高分子電解質膜の外周部を固定するものであり、固体高分子電解質膜の収縮を抑制できるだけの剛性を持ち、固体高分子電解質膜を傷つけない程度に表面が滑らかなものが好ましい。
ワークは、貴金属、樹脂、ガラス、セラミックス、または貴金属、樹脂、ガラス、もしくはセラミックスで被覆された卑金属であることが好ましい。これは卑金属と膨潤液が浸潤した固体高分子電解質膜とが接触すると、卑金属から溶出した金属イオンによって固体高分子電解質膜のプロトン伝導性が低下するおそれがあるためである。
前記貴金属としては白金、金、銀、およびイリジウムからなる群より選択される少なくとも一種などが好ましい。
前記樹脂としてはアクリル、またはポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチック等が好ましい。
前記ガラスとしてはソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、石英ガラス、および無アルカリガラスからなる群より選択される少なくとも一種などが好ましい。
前記セラミックスとしてはアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、トリア、ウラニア、シリカ、チタニア、チタン酸バリウム、およびチタン酸ストロンチウムなどの酸化物系セラミックス、ならびに窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ジルコニウム、およびダイアモンドなどの非酸化物系セラミックスからなる群より選択される少なくとも一種などが好ましい。
前記卑金属としては、アルミニウム、チタン、銅およびステンレス鋼からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、貴金属、樹脂、ガラス、またはセラミックスで被覆された卑金属としては、金、またはポリテトラフルオロエチレンで被覆されたステンレス鋼などが好ましい。
上述の材質の中では特に樹脂が好ましく、樹脂は、材料コストが比較的に安価であること、繰り返し用いることができること、またはワークを締結する際に生じる曲げ応力に繰り返し耐えることができる点などに優れる。
ワークで締結された固体高分子電解質膜の断面概略図を図3の100に示し、平面概略図を図3の200に示す。図3において、固体高分子電解質膜1の外周部はワーク10により挟持されており、ワーク10は締結治具11により締結されている。図3ではワーク10と締結治具11とが別になっているが、本発明では特に限定されず、締結部を備えるワークを用いてもよい。
締結治具を用いる場合、締結治具の形状は限定されず、図4に示すようなコの字型のもの、バネを備えたクリップ形のものなど適宜選択することができ、締結治具の材質についても特に限定されない。
[段階(iii)]
工程(i)または工程(ii)により、固体高分子電解質膜の表面に膨潤液の液滴が付着することがあるが、その場合には工程(iii)の前処理として液滴を除去することが好ましい。これは、固体高分子電解質膜表面に液滴が存在している状態で触媒スラリーを塗布し、液滴により部分的に触媒スラリーが希釈されることを抑制し、より均一な厚さを有する触媒層を得られるためである。
工程(i)または工程(ii)により、固体高分子電解質膜の表面に膨潤液の液滴が付着することがあるが、その場合には工程(iii)の前処理として液滴を除去することが好ましい。これは、固体高分子電解質膜表面に液滴が存在している状態で触媒スラリーを塗布し、液滴により部分的に触媒スラリーが希釈されることを抑制し、より均一な厚さを有する触媒層を得られるためである。
液滴を除去する方法としては、固体高分子電解質膜の表面に吸水材を当てて液滴を吸水材に吸い取る方法や、固体高分子電解質膜の表面に湿潤したガスを吹き付けて液滴を吹き飛ばす方法などが好ましく挙げられる。
前記吸水材としては、吸水紙またはスポンジが好ましい。
前記ガスとしては空気または窒素ガスが好ましい。前記ガスの相対湿度としては50%以上が好ましくより好ましくは70%以上である。風速は特に限定されないが、5〜50m/sが好ましく、温度は特に限定されないが、1〜30℃が好ましい。
触媒スラリーを塗布する方法としては、スプレー法、ダイコーター法、ドクターブレード法、グラビアコート、スクリーン印刷またはインクジェット印刷などが好ましく挙げられ、より好ましくはスプレー法、ダイコーター法、またはドクターブレード法である。本発明では、固体高分子電解質膜の外周部にワークが締結されているだけなので、これらの従来公知の触媒スラリーの塗布方法を適宜適用することができる。
触媒スラリーとしては特に限定されず、触媒金属を担持したカーボン担体または白金黒と、電解質とを溶媒に混合して調製することができる。
前記触媒金属としては白金;またはアルミニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ガリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、バナジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、チタン、および鉛よりなる群から選択される少なくとも1種と白金との合金が好ましく挙げられ、前記カーボン担体としてはケッチェンブラック(登録商標)、およびバルカン(登録商標)などが好ましく挙げられる。
電解質としては、デュポン株式会社製NAFION(登録商標)、旭硝子株式会社製FLEMION(登録商標)、旭化成ケミカルズ株式会社製ACIPLEX(登録商標)およびザ・ダウ・ケミカル・コンパニー製DOWEX(登録商標)、エンジニアリングプラスチック、またはその共重合体に酸基を導入したものなどが好ましく挙げられる。
前記溶媒としては段階(i)の項で述べたものを好ましく用いることができる。
触媒金属を担持したカーボン担体または白金黒と、電解質、撥水性高分子、および各種添加剤などの触媒スラリーの構成要素の比は目的に応じて適宜決定することができる。
前記段階(i)〜(iii)は、相対湿度50%以上の雰囲気下で行われることが好ましく、より好ましくは相対湿度70%以上である。段階(i)〜(iii)が相対湿度50%以上で行われることにより、段階(i)で浸潤した膨潤液が部分的に揮発したり、大量に揮発したりすることを防ぐことができる。前記段階(i)〜(iii)は1〜30℃で行われることが好ましい。
触媒スラリーの塗布厚は特に限定されないが、触媒スラリーを乾燥した際に触媒層の厚みが0.1〜100μmとなるように塗布することが好ましい。触媒層の厚みが0.1μm未満であると所望する発電量が得られないおおそれがあり、100μm超であると高出力を維持できないおそれがある。触媒スラリーの乾燥方法については後述する。
[段階(iv)]
上述したように触媒スラリーを塗布した固体高分子電解質膜にワークを締結した状態で、乾燥することにより、固体高分子電解質膜の収縮に伴う皺の発生を防止することができる。
上述したように触媒スラリーを塗布した固体高分子電解質膜にワークを締結した状態で、乾燥することにより、固体高分子電解質膜の収縮に伴う皺の発生を防止することができる。
乾燥方法としては、触媒スラリーを塗布した固体高分子電解質膜を40〜80℃の乾燥炉内に30分〜2時間程度置いて乾燥する方法や、膨潤液または触媒スラリーの溶媒の沸点以下の温度で10〜120分乾燥を行った後に、膨潤液または前記溶媒の沸点以上の温度で1〜30分乾燥を行う方法が好ましい。また、膨潤液または触媒スラリーの溶媒としてアルコールなどの可燃性のものを用いる場合は、減圧雰囲気で膨潤液または前記溶媒の沸点以下の温度で乾燥するか、または、膨潤液もしくは溶媒の沸点以下の温度(望ましくは常温)で乾燥後、純水で洗浄してから沸点以上の温度で乾燥することが好ましい。
乾燥工程では、固体高分子電解質膜が収縮しようとするため、ワークを締結している部位の固体高分子電解質膜に張力が働く。このため、ワークの内周の隅部の形状は円弧状であることが好ましく、前記円弧の半径は1mm以上であることが好ましく、より好ましくは2mm以上である。ワークの内周の隅部の形状が円弧状であることにより、張力が固体高分子電解質膜の隅部に集中することを抑制し、固体高分子電解質膜が破損することを防止することができる。
図5に固体高分子電解質膜1を挟持したワーク10と、前記ワークを締結している締結治具11とを示し、符号(C)として前記ワーク内周の隅部の一つを示し、符号(R)として前記円弧の半径を示す。
本発明の方法では、固体高分子電解質膜の片面に上述の段階(i)〜(iv)の工程を行って触媒層を形成した後、更に触媒層を形成していない方の面に、段階(iii)および(iv)の工程を行うことが好ましい。これにより、均一な厚さを有する触媒層が形成された膜電極接合体が得られる。
本発明の第二は、上述の方法により製造されたことを特徴とする膜電極接合体である。
膜電極接合体は、固体高分子電解質膜と固体高分子電解質膜の表面に形成された触媒層とからなる。従来の膜電極接合体の製造方法により作製された膜電極接合体は、触媒層の厚みが不均一であったり、皺が生じたりしていたりすることがあったが、本発明の膜電極接合体は、上述の方法により作製されることでこれらの不具合がなく、発電特性に優れる。
本発明の膜電極接合体にはガス拡散層が含まれていてもよく、ガス拡散層として従来公知のものを用いることができる。ガス拡散層は、触媒層の固体高分子電解質膜を接していない面に配置することができる。
本発明の第三は、上述の膜電極接合体を含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池である。
固体高分子型燃料電池の断面概略図の一例を図4に示す。膜電極接合体の両面にガス拡散層と、ガスの供給溝を備えたセパレーターとを配置することにより固体高分子型燃料電池が得られる。
本発明の膜電極接合体50を適用しうる固体高分子型燃料電池は図4に示すように酸化剤ガス供給溝4aを備えた酸化剤極側セパレーター5a、酸化剤極側ガス拡散層3a、酸化剤極触媒層2a、固体高分子電解質膜1、燃料極触媒層2b、燃料極側ガス拡散層3b、および燃料ガス供給溝4bを備えた燃料極側セパレーター5bがこの順序で積層されていることが好ましい。
本発明は図4に限定されず、酸化剤極側ガス拡散層3aと酸化剤極触媒層2aとの間または、燃料極触媒層2bと燃料極側ガス拡散層3bとの間に多孔質膜を挟んだ構造など、目的に応じて他の要素を含むこともできる。各構成要素の膜厚や、材質などは目的に応じて従来公知の技術を適用することができる。
上述したように、本発明の電極は触媒層が均一であり、皺がなくガス拡散層との接触性が良いため本発明の電極を固体高分子型燃料電池に含むことにより、電池の発電特性が向上する。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
(実施例1)
白金担持カーボン(田中貴金属株式会社製、TEC10E50E)10g、パーフルオロスルホン酸電解質溶液(デュポン株式会社製、NAFION 5%溶液)100g、純水100g、およびイソプロピルアルコール100gを混合し、これらを均一に分散させて触媒スラリーとした。
白金担持カーボン(田中貴金属株式会社製、TEC10E50E)10g、パーフルオロスルホン酸電解質溶液(デュポン株式会社製、NAFION 5%溶液)100g、純水100g、およびイソプロピルアルコール100gを混合し、これらを均一に分散させて触媒スラリーとした。
サイズが10×10mmであり、酸基としてスルホン酸基を導入したポリエーテルスルホンからなる炭化水素系固体高分子電解質膜を純水中に5分浸漬した後、ポリカーボネートからなるワークを用いて固体高分子電解質膜を締結した。ワークの形状はロの字型であり、外周のサイズが10×10mm、内周のサイズが50×50mm、内周の隅部の形状が円弧状で前記円弧の半径は2mmであった。
次に、吸水紙を固体高分子電解質膜の表面に軽く当てることで固体高分子電解質膜の表面に付着していた液滴を除去した。吸水紙は汎用のクリーンルーム用ワイパーを用いた。
前記触媒スラリーをスプレー噴霧式の塗布装置を用いて吸引盤に吸引固定された固体高分子電解質膜の片面に塗布した。これらの工程は、温度20℃、相対湿度60%の雰囲気下で行われた。
触媒スラリーを塗布した固体高分子電解質膜を常温、通風下で1時間乾燥して、固体高分子電解質膜の片面に触媒層を形成した。
次に、固体高分子電解質膜の反対側の面にも触媒スラリーを塗布し、常温で乾燥してから、純水に浸した後、80℃の炉内で乾燥し、ワークを取り外して、膜電極接合体を作製した。
(比較例1)
ワークを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作製した。
ワークを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作製した。
(比較例2)
固体高分子電解質膜を純水中に浸さなかったこと以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作製した。
固体高分子電解質膜を純水中に浸さなかったこと以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作製した。
実施例1および比較例1〜2の電極の皺の有無と触媒層の厚みのムラ、触媒層形成前と乾燥後の電極のサイズ、およびサイズの変化から求めた収縮率について下記表1に示す。
実施例1では、均一な厚みの触媒層が形成され、電極に皺が形成されなかったのに対して、比較例1では触媒塗布中に高分子膜の一部が乾燥、収縮したため触媒層の厚みにムラがあり、電極に皺が形成され、比較例2では触媒層の厚みにムラがあり、触媒塗布時に触媒塗布面が膨張し、塗布面に凹凸が生じたため、電極に皺が形成された。
1 固体高分子電解質膜、
2a 酸化剤極触媒層、
2b 燃料極触媒層、
3a 酸化剤極側ガス拡散層、
3b 燃料極側ガス拡散層、
4a 酸化剤ガス供給溝、
4b 燃料ガス供給溝、
5a 酸化剤極側セパレーター、
5b 燃料極側セパレーター、
10 ワーク、
11 締結治具、
50 膜電極接合体、
(C) ワークの内周の隅部の一つ。
2a 酸化剤極触媒層、
2b 燃料極触媒層、
3a 酸化剤極側ガス拡散層、
3b 燃料極側ガス拡散層、
4a 酸化剤ガス供給溝、
4b 燃料ガス供給溝、
5a 酸化剤極側セパレーター、
5b 燃料極側セパレーター、
10 ワーク、
11 締結治具、
50 膜電極接合体、
(C) ワークの内周の隅部の一つ。
Claims (11)
- 電極触媒と電解質とを含む触媒スラリーを固体高分子電解質膜に塗布、乾燥する膜電極接合体の製造方法において、
前記固体高分子電解質膜に膨潤液を浸潤させる段階(i)、
前記膨潤液が浸潤した前記固体高分子電解質膜の外周部をワークで締結する段階(ii)、
前記触媒スラリーを前記固体高分子電解質膜に塗布する段階(iii)、および
前記ワークを締結した状態で前記触媒スラリーを乾燥する段階(iv)を含むことを特徴とする膜電極接合体の製造方法。 - 前記段階(iii)を行う前に、前記固体高分子電解質膜の表面に付着した前記膨潤液の液滴を除去することを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記液滴の除去は、前記膨潤液を浸潤させた前記固体高分子電解質膜の表面に吸水材を当てる方法、または、前記膨潤液を浸潤させた前記固体高分子電解質膜の表面に湿潤したガスを吹き付ける方法であることを特徴とする請求項2に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記段階(i)として、前記固体高分子電解質膜に前記膨潤液を塗布するか、または前記固体高分子電解質膜を前記膨潤液に浸漬した後、
前記段階(ii)を大気中で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。 - 前記段階(i)として、前記固体高分子電解質膜を前記膨潤液に浸漬した後、
前記段階(ii)を前記膨潤液中で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。 - 前記ワーク内周の隅部の形状が円弧状であり、前記円弧の半径が1mm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記ワークが、貴金属、樹脂、ガラス、セラミックス、または貴金属、樹脂、ガラス、もしくはセラミックスで被覆された卑金属からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記段階(i)〜(iii)が、相対湿度が50%以上の雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記段階(iii)において、前記触媒スラリーを塗布する方法が、スプレー法、ダイコーター法、またはドクターブレード法であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかの方法により製造されたことを特徴とする膜電極接合体。
- 請求項10に記載の電極を含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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2005
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