JP2006310162A - 放電型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 MgO保護層の不要な島状の導電性電極では、工程が簡略化される利点はあるものの、最大の欠点として負グローの偏在の問題がある。
【解決手段】 誘電体層4を介して島状電極5とバスライン2,3とが対峙して静電容量を形成する面積よりも狭い開口部7を持つ絶縁層6によって、島状電極5を被覆した電極構造の放電型表示装置(PDP)を構成する。また、この電極構造の応用として、陽光柱を利用した放電型表示装置を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、放電型表示装置、例えば所謂AC型PDP(プラズマディスプレイパネル)に関する。
現在実用化されているPDP(プラズマディスプレイパネル)は、その代表例を図17に示すように、前面側に透明な一対の放電電極所謂サステイン電極201,202を配し、このサステイン電極201,202の表面を透明な低融点ガラスで被覆して電極表面に静電容量を形成するための誘電体層203とし、さらに誘電体層203の表面を、誘電体層の保護と二次電子放射とを兼ねたMgO(酸化マグネシュウム)層204で被覆して、誘電層203及びMgO層204の表面に壁電荷を形成し、この壁電荷による壁電圧を利用して放電を持続させる、所謂AC型PDPが一般的である。
また、電極構成に関しては、一対のサステイン電極201,202のうちの一方の電極201を、対向する背面側ガラス基板に形成した縦方向に伸長するアドレス電極211とXYマトリクスを構成する横方向のアドレス電極として動作するような構成(アドレス電極とサステイン電極を兼ねた構成)とした所謂3電極面放電型構造とするのが一般的である。
また、背面側に画素を規定する隔壁212を設け、この隔壁212の表面に蛍光体213を塗布して、サステイン電極による放電、しかも主として両サステイン電極のマイナス側にできる負グローから発生する紫外線により上記蛍光体を照射発光させる構造になっている。
上述した一般的な構造の3電極面放電型構造のAC型PDPは、MgOが塗布された前面側基板と、蛍光体が塗布された背面側基板とが分離されているために、蛍光体とMgOの工程上の干渉を避けることができる、という利点がある。
即ち、MgOは、吸湿性が高く、不安定な性質を有するため、基板の製造工程の最終工程でMgO層を形成する必要がある。
蛍光体層は、極めて短波長(例えばXeから発する147nm程度)の紫外線の照射によって発光させるため、仮に厚さ500nm程度のMgOが蛍光体層を覆って付着しただけでも、この紫外線がMgOに吸収されて、蛍光体が発光しなくなってしまう。また、蛍光体層は、工程上の汚染の影響も受けやすいため、MgO層と同じく最終工程で塗布することが望ましい。
従って、MgO層及び蛍光体層を、別々の基板に塗布形成することは、工程上の利点である。
しかしながら、別の見方をすれば、MgO層を形成する前面側には蛍光体を塗布することができなくなる、という欠点でもある。
つまり、蛍光体を、背面側基板だけではなく、サステイン電極のある前面側にも塗布して、両面を発光させれば、さらなる輝度の向上が見込まれるが、MgO層を用いた電極構造では、このように両面が発光する構成とすることが不可能である。
これに対して、本件の発明者は、先に、MgOを用いない構造を提案している(国際出願PCT/JP2003/11777参照)。
また、その他にも、通常のAC型PDPのMgO層の一部上にITO層を島状に形成し、補助放電を励起する構造が提案されている(特許文献1及び特許文献2等を参照)。
また、ガス放電と蛍光体の関係として、従来のPDPでは負グローから発生する紫外線を蛍光体に照射させて蛍光体を発光させているのに対して、更なる発光効率の向上のために陽光柱を利用することが試みられている。
一般的に、負グローのみを使用する従来のPDPでは、負グローの電極面からの厚さが約0.05mmであることから、電極間距離は約0.05mm〜0.10mm程度で十分であるとされているのに対し、陽光柱を発生させるためには、通常のPDPのガス組成及びガス圧力、例えばNeに対し10%のXeを混合した圧力約400Torr程度においては、陽光柱形成に十分な電極間距離として約0.30mm以上が必要となる。
しかし、このような広い電極間距離とすると、放電電圧が従来のAC型PDPよりもはるかに高くなり、特に従来一般的なPDP即ちアドレス電極とサステイン電極の片側を共有する3電極構成では駆動上の不都合がある。
そこで、本発明者は、先に、広い電極間ギャップでも、低電圧で駆動させることが出来る構成を提案している(特許文献3参照)。
この構成では、サステイン期間においてアドレス電極に小パルスを加えて、トリガー放電を励起することによって、長ギャップ放電の電圧を低下させている。
さらに別の構成として、図18に示すごとく、通常のAC型PDPと同様の並行する一対のサステイン電極201,202のうちの一方の電極201をアドレス電極と共有する所謂3電極面放電型構造ではあるが、さらに、一対のサステイン電極201,202の間に、サステイン電極201,202と並行して伸長し、全画面に共通して接続された補助放電電極205を設けた構造として、サステイン期間において、小さな補助放電パルスを各画素共通に印加して、微小なトリガー放電を励起することにより、長ギャップ放電を低電圧で行えるようにした構成も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
この構造のPDPは、補助放電電極を含めた4電極構造と呼ばれる場合もあるが、基本的にはアドレス電極とサステイン電極を共有した3電極構造である。
また、この補助放電電極205の構造は、誘電体層203とMgO層204とが電極の表面を覆っているため、壁電荷が補助放電電極205上の誘電体層203に分布する。
しかし、補助放電は、主放電のための壁電荷を消去しない程度の微小放電でなければならないために、補助放電電極205上の壁電荷も小でなければならないが、補助放電電極205に微小な補助放電パルスを加えても壁電荷が全面に分布しないから、トリガー放電として必要となる微小な補助放電を、補助放電電極205とサステイン電極201,202の近傍に安定して発生させることが出来なかった。
さらに、陽光柱型PDPを可能にする構造として、従来の3電極型とは異なり、アドレス電極とサステイン電極とを完全に分離して、XYマトリクスを構成するアドレス電極と、表示放電を行う一対のサステイン電極を全画面共通に配した構造の4電極型ACPDPが、本件と同一発明者により先に提案されている(特許文献4及び特許文献5参照)。
上記特許文献4に記載された構成は、XYマトリクスを構成するDC型アドレス電極と、全面共通な一対のAC型サステイン電極とを有し、サステイン電極とアドレス電極を完全に分離した4電極構造になっている。
このような構造とすることで、サステイン電極を単一の駆動回路で構成出来ることから、サステイン駆動電圧を陽光柱発生に十分な電圧まで高くすることが出来る。
また、上記特許文献5に記載された構成は、アドレス電極とサステイン電極とが共にAC型電極で構成されているが、その意図するところは上記特許文献4と同様である。
特開平11−273573号公報 特開平11−238462号公報 特許第3479900号公報 特公平7−70289号公報 特開2000−306514号公報 IDW’04国際会議ダイジェスト,p.981〜984
上述した説明の通り、従来のAC型PDPにおいては、放電電極を被覆する低融点ガラスから成る誘電体層の表面を、イオン衝撃から保護し尚かつ二次電子放射性にも優れたMgO(酸化マグネシューム)層で被覆するのが通常であった。
しかしながら、MgOは、工程上の難点があるだけでなく、発光効率の更なる向上に対する限界の要因となっていた。
この問題を解決するために、前述した本件と同一発明人よりなる先願(国際出願PCT/JP2003/11777)では、バス電極を被覆した誘電体層の上に、導電性の二次電子放射性に優れた所謂カソード材例えば六硼化ランタンLaB等を、画素毎に分離した島状電極として配し、この島状電極を放電電極とすることによって、MgOを不要とした。
また、上記特許文献1及び上記特許文献2では、基本構造も動作も従来のMgOを使用する3電極面放電型ではあるが、サステイン電極表面の一部に島状のITO部分を形成して、これを補助電極とした構造が提案されている。
しかしながら、これらの構成では、島状の放電電極を誘電層で被覆しないで直接放電空間に露出させており、DC型PDPの放電電極と同様の電極構造を有しているため、この電極をAC型電極として動作させる場合には、負グローが電極全面に広がらずに電極上に部分的に偏在する、という見落とすことの出来ない重要な問題を生じる。
表面が誘電体層である場合と、表面が導電層である場合とにおける最も大きな相違は、壁電荷を形成するための静電容量に関する点である。
放電電極の表面が誘電体層である場合には、言わば電極を被覆する誘電体層に微小な静電容量が分布した状態であり、負グローが発生する場合においても、これらの微小静電容量を介して順次に放電が発生し、放電電流は上記微小静電容量の合計の静電容量で規定される。即ち、見かけ上、電極面に一様に負グローが広がっているように見えても、実際には、分布した微小な静電容量を順次充電しながら、即ち壁電荷を形成しながら、順次電極上を移動拡散する。
因みに、通常のPDPのごとく、例えば0.3mm画素ピッチの放電電極の大きさでは、微小静電容量が全て壁電荷を形成してグローが全面に広がるまでに、約0.5〜1.0μ秒の時間を有する。
これに対して、導電性電極の場合には、静電容量が下層のバス電極と上層の島状電極の相対峙する面積で規定され、言わば集中的な静電容量となる。
従って、放電の際には、この集中的な静電容量をほぼ瞬時に充電して、放電が終了する。
ここで問題となるのは、従来の分布型静電容量の場合には、電極面全てが放電して合計した電流が放電に寄与するのに対し、導電性電極の場合には、島状電極の電位が電極面上のどこでも同一であるから、放電がごく限定された部分で発生し、その部分から集中的静電容量を充電又は放電するためにグローは全面積に広がらずに島状電極の一部に偏在する場合があり、これが無作為に電極上を移動するため画面のざらつきやちらつきの原因となる。
これを避けるためには、島状電極の面積をある程度に限定した小面積にすればよいが、そのようにすると集中静電容量の大きさそのものが小さくなるので、アドレス及びサステイン放電の動作マージンが減少して動作上の問題が生ずるばかりでなく、充分な輝度を得るために必要となる量の放電電流が確保できない。
つまり、必要な静電容量を形成するための広い電極対峙面積を確保しながら、グローが偏在しないように放電電極面積を小さくする必要がある。
また、陽光柱をPDPに利用する構造は、従来から試みられているが、未だに実用に供されたものはない。
因みに、陽光柱の発生には、ある程度以上の電極間距離(例えば、両放電電極間の最短距離で約0.30mm程度以上)が必要とされる。
その理由の一つは、負側電極からの負グローの厚さが約0.02〜0.05mm程度あり、陽光柱はそれに続いて正側電極までの空間に発生して負グローに必要な電流を導入する役割を果たすため、ある程度の長さと陽光柱の存在出来る空間が必要だからである。
ところが、このような長い電極間距離を確保し、陽光柱を発生させるに最適なPDPの構造は、未だ提案されていない。
例えば、従来の面放電型構造のAC型PDPのごとく、電極の面積がそのまま放電電流を規定する構造では、放電電極を離して配置すると、相対的に電極面積が小さくなって静電容量も小さくなるから、上述したように動作上の不都合を生じると共に、充分な放電電流の確保も出来ない。
また、導電性の島状電極を用いる構造においても、島状電極の面積を小さくすれば、同様の問題が生じることになる。さらに、島状電極の上を負グローが無作為に移動するため、陽光柱の発生による表示が、安定性を欠くものとなってしまう。
また、負グローは、電極面を覆うように放射状に空間に広がるため、電極の面積が広すぎると、負グローの厚さも増すことから、陽光柱が発生しにくくなる。
また、図18に示した構成では、アドレス/サステイン電極201とサステイン電極202と間に形成する補助放電電極205が通常の放電電極と同じ構造、即ち電極を誘電体層とMgO層で表面を被覆した構造となっている。
しかしながら、この構造の場合には、上述した説明のごとく、誘電体層の表面に形成される所謂壁電荷が分布した状態になっているために、補助放電としての機能である主放電を誘起するための微小なトリガー放電が、補助電極と主放電電極の最短距離部分で起きるとは限らず、補助電極の機能としては不十分であった。
この他にも、陽光柱から高いエネルギーの紫外線を効率よく発生させるためには、放電空間にかかる電圧を高くする方がよいのであるが、従来のアドレス電極とサステイン電極を共有する3電極構造では、駆動ICに高い電圧を印加することができず、このことも陽光柱型のPDPが実現しなかった原因であった。
上記各課題を解決するために、本発明では、本件と同一発明人により先に提案された、MgOを用いない導電性の島状電極による放電電極を設けた構成に対して、さらに、静電容量を形成するために必要な島状電極の面積を確保しつつ、島状電極よりも面積の小さい開口部を有する絶縁層によって、島状電極を被覆する構成とした放電型表示装置を提供する。
また、本発明では、この構成の電極を用いて、陽光柱型PDPを構成するために最適なパネル構造も提供する。
さらにまた、本発明では、陽光柱型のPDPとして、放電電圧を高くしても、駆動回路のコストに影響しないような、アドレス電極とサステイン電極とを完全に分離した4電極型構造のAC型PDPの構造を提供する。
まず、第1及び第2の発明として、請求項1及び請求項2に記載する発明は、例えば図1〜図5に例示するごとく、放電電極となる島状電極5に対して、充分な静電容量を持ちながら放電電極としては負グローが偏在しないような小面積で放電させる目的で、島状電極5を放電空間と隔絶する低融点ガラス等の絶縁層6で被覆し、その絶縁層6に開口部7を設けて、この開口部7の面積S2を島状電極5が誘電体層4を介して下層のバス電極2及び3と対峙して静電容量を規定する面積S1の約1/2以下の小面積に限定した構造とした放電型表示装置である。
請求項1に記載する第1の発明では、例えば図1及び図2に例示するごとく、開口部7を設けた絶縁層5で島状電極5を覆うことにより、島状電極5のうち、開口部7から放電空間に露出する部分が放電電極となるように規定する電極構造とする。
請求項2に記載する第2の発明では、例えば図3及び図4に例示するごとく、さらに、島状電極を、カソード材料よりも導電性に優れ、形成も容易な導電性材料、例えばAg,Au,Ni,Cu,Al等から成る層(導電性材料層)8と、絶縁層6に設けられた開口部7内のみに形成されたカソード材料(例えばLaB等)から成る層(カソード材料層)5とが積層された構成として、カソード材料から成る層5を放電電極とした電極構造とする。
また、請求項3に記載する第3の発明では、前述した課題である、発光効率を改善するために、陽光柱を利用する構成のAC型PDPを実現する構造として、例えば図6〜図8に例示するごとく、請求項1又は請求項2に記載する島状電極の面積を規定する開口部を、縦方向に、即ち横方向に伸長するサステイン電極用バス電極2,3に直交する方向に、貫通するチャンネル状の構成として、チャンネル状の開口部の深さを約0.03mm〜0.05mmとすることによって、開口部にチャンネル状の負グロー放電空間100を形成する。
さらに、チャンネルの上部に陽光柱を安定して形成するために、開口部に露出する一対の島状電極5の先端間の距離L1を約0.30mm以上として、より広い陽光柱放電空間101を形成する。
請求項4に記載する第4の発明は、第3の発明の構成を用いた、実際のPDPの構造を規定するものである。即ち、図9の断面図に例示するごとく、チャンネルの幅よりも広い間隔を有するストライプ状又は格子状の隔壁を、絶縁層上又は絶縁層と対向する他方の基板(前面側基板)に設けて、この隔壁によって主として陽光柱が存在する陽光柱放電空間を構成すると共に、隔壁の高さを約0.10mm以上とする。また、前面側基板又は背面側基板に設けられ、チャンネルと並行する方向に伸長するストライプ状電極によって、アドレス電極を形成する。さらに、陽光柱放電空間を形成する各部位のうちチャンネル内部を除く部位(絶縁層の表面、隔壁の内壁面、前面側基板の内壁)の全て又は一部に蛍光体が塗布形成された構成とする。なお、図9では、ストライプ状の隔壁9を絶縁層6上に設け、ストライプ状のアドレス電極10を前面側基板に形成し、蛍光体層60を絶縁層の表面6と隔壁9の内壁面と前面側基板の内壁に塗布形成した構成となっている。
請求項5に記載する第5の発明は、上記第4の発明のPDPの構造をさらに改良して、簡略化した構造としたものである。即ち、図10の断面図又は図12の断面図に例示するごとく、ストライプ状電極から成るアドレス電極10を背面側の絶縁層6上に形成する。また、図11に例示するごとく、ストライプ状電極から成るアドレス電極10と、アドレス電極を兼ねるサステイン電極5とによってXYマトリクスを構成する、所謂3電極構成とする。
これら第4の発明及び第5の発明の構成は、いずれも、基本的な電極構造である請求項1、請求項2及び請求項3に記載する第1〜第3の発明の構成を応用し、陽光柱を有効に活用して蛍光体を照射することにより、発光効率を大幅に改善するための構造を提案するものである。
請求項6に記載する第6の発明では、図13〜図15に例示するごとく、サステイン電極52及び53をアドレス電極54とは共有せずに完全に分離し、バス電極2及び3を全画面で共通に接続して、一対の放電電極(サス1及びサス2)とする。
また、請求項1及び請求項2に記載する電極構造の特徴である、負グローが集中しやすい性質を積極的に利用して、電極が互いに近接した先端近傍部分で正確に所謂トリガー放電を起こすようにするものであり、図13に例示するごとく、一対の放電電極52及び53の間に、サステイン電極用バス電極2及び3に並行して、同様な構造のバス電極14及び島状アドレス電極54を配して、チャンネル100に並行するストライプ状のアドレス電極(図13では省略)と、島状アドレス電極54とがXYマトリクスを構成する、所謂4電極型構造のAC型PDPとする。
請求項7に記載する第7の発明では、第3の発明の構成において、さらに、図11及び図12に例示するごとく、前面側基板においてチャンネル100に並行して伸長するストライプ状の隔壁9を形成すると共に、チャンネル100を設けた背面側基板において、チャンネル100に沿って絶縁層6に溝102を形成した構造とする。
上記各発明の効果について述べる。
まず、第1の発明及び第2の発明によれば、放電電極となる島状電極を、開口部を設けた絶縁層で被覆し、開口部の面積を、島状電極が下層のバス電極と対峙して静電容量を規定する面積の約1/2以下としたことにより、電極対峙面積を広く確保して充分な静電容量を形成しながら、放電電極としての面積をその約1/2以下と小さく限定することから、負グローの偏在を防止すると共に、陽光柱を発生しやすく出来る。
特に、第2の発明によれば、カソード材料よりも導電性に優れ、かつ形成が容易な導電性材料から成る層は、広い範囲の材料から選択することが可能になる。
また、カソード材料から成る層を、絶縁層に設けられた開口部内のみに形成することにより、一般に通常の導電性厚膜材料よりも高価で形成方法も限定されるカソード材料の使用量を最小限に出来るので、島状電極を形成しやすくすると共に、材料及び製造コストを低減する効果もある。
第3の発明によれば、絶縁層の開口部の形状を、縦方向に、即ち横方向に伸長するサステイン電極用バス電極に直交する方向に、貫通するチャンネル状として、これを負グロー放電空間とすることにより、チャンネルが縦方向に、即ちアドレス期間における走査の方向に、沿って貫通しているため、チャンネル内にイオンや電子等の荷電粒子と準安定原子等の所謂プライミングを充満させることによって、アドレス放電を安定にしかも高速に行うことが可能になる。
さらに、チャンネルの深さを規定する絶縁層の厚さを、約0.03〜0.05mmとすることにより、通常のPDPの構成において電極を放電空間から隔絶するに必要な絶縁層の厚さとされる約0.02〜0.03mmよりも厚いために、上記プライミング効果の増大に加え、負グローをほぼチャンネル内のみに限定して存在させるようにでき、放電電流が過大に流れるのを抑制して、発光効率を高めることが出来る。
また、開口部に露出する一対の(サステイン電極として動作する)島状電極の先端距離L1を約0.30mm以上とすることにより、これは通常のPDPのガス圧及びガス組成等の条件下で陽光柱の発生に必要な長さであることから、島状電極の特徴である放電部位がその先端に安定して発生することと相まって、安定な陽光柱の発生を可能にする。
第4の発明及び第5の発明によれば、いずれも上記電極構造を有する実際のPDPを最適に構成することが出来る。
まず、第4の発明では、チャンネルと並行するストライプ状の縦方向のアドレス電極を、前面側基板又は背面側基板に設けたことにより、このアドレス電極と、チャンネルと直交する横方向のアドレス電極とによって、XYマトリクスが構成される。これにより、従来の標準的AC型PDPの構造である図17のごとく前面側に透明電極とMgO保護層を有する放電電極と比較して、形成が簡単になり、また前面側にも蛍光体層を形成することが出来る、という大きな利点により、輝度を大幅に向上することが可能となる。
さらに、背面側の絶縁層上に、又は対向する他方の基板上に、ストライプ状又は格子状の隔壁を形成して、この隔壁によって主として陽光柱が存在する陽光柱放電空間を形成する構成とすると共に、隔壁の高さを約0.10mm以上とし、隔壁間の幅(即ち、陽光柱放電空間の幅)をチャンネルの幅よりも広くしたことにより、陽光柱を安定に形成する放電空間を負グロー空間とは独立した広い空間として確保することが可能となり、発光効率の高い放電管例えば蛍光灯に近い放電空間が確保出来る。
また、チャンネルの内部には発光材料を塗布形成していないことにより、通常のPDPで見られるような蛍光体層による荷電粒子の損失を防ぐことができ、チャンネルの内部において安定した負グローの発生を可能にすると共に、電極スパッタリングによる飛散物質による蛍光体の輝度劣化を防ぐことが出来る。一方、蛍光体に対する負グローからの汚染も回避することが出来るため、長寿命化が可能となる。
次に、第5の発明では、縦方向のアドレス電極を背面側に形成したことにより、XYマトリクスを構成する縦方向のアドレス電極及び横方向のアドレス電極の対が絶縁層を挟んで均一に対峙することになるために、アドレス電圧のばらつきがない。また、縦方向のアドレス電極とチャンネルとを同時にしかも容易に形成することが可能であり、前面側の構造がきわめて簡単になることから、製造工程の大幅な時間短縮が可能になる。
さらにまた、前面側には電極がないことから、隔壁の高さがアドレス電極間距離とは無関係になるので、隔壁を十分に高くすることができ、陽光柱の存在する空間を十分に広く確保できるため、発光効率の大幅な向上が可能になる。
第6の発明によれば、サステイン電極をアドレス電極とは共有せずに完全に分離し、バス電極を全画面で共通に接続して一対の放電電極としたことにより、第3の発明の構成をさらに改良出来る。
まず第1に、アドレス電極をサステイン電極から完全に分離することにより、基本的に一対の駆動回路のみでサステイン動作が可能となるので、高電圧で大電流が必要なサステイン放電を多数の高価なアドレス駆動用ICで行う必要がなくなるために、大幅なコスト低減が可能である。また、高電圧小電流駆動も可能となり、これにより発光効率が大幅に改善される。
また第2に、例えば、アドレス電極をサステイン電極の間に配すると共に、サステイン電極と同様な導電性の島状電極とすることにより、図18に示した従来の類似した構造と比較して、大きな利点が発揮される。即ち、図18に示した、サステイン電極間に従来型の誘電層を表面に持つ補助電極を配した構造と比較して、導電性の島状電極を用いた場合には、島状電極に近接した部分に、正確に微小なトリガー放電を起こすことができ、動作範囲の広い安定したアドレス放電を行う事が可能になる。
第7の発明によれば、背面側絶縁層にチャンネルと並行して画素を分離するように溝を形成する構造としたことにより、チャンネルに沿って背面側に蛍光体を塗布する際に隣接画素との混色を避けることが出来る。
本発明の第1の実施の形態として、PDP(プラズマディスプレイパネル)の概略構成図(分解斜視図)を図1に示す。また、図1のPDPの断面図を図2に示す。この第1の実施の形態は、本発明の第1の発明の構成に係る実施の形態である。
背面側基板1の上に、Ag,Ni,Al等の導電材料からなるバス電極2,3が、一対の並行線として形成されている。これらバス電極2,3は、例えば、背面側基板1上に、Ag,Ni,Al等の導電性ペーストをスクリーン印刷等の方法によって塗布して、乾燥させた後に約550℃で焼成して形成することができる。
これらバス電極2,3は、低融点ガラス等の誘電体層4で被覆されている。
誘電体層4は、通常厚さが0.02mm〜0.03mmであり、バス電極2,3と同様にスクリーン印刷と乾燥・焼成によって形成することができる。
一方、導電性で二次電子放射率及び耐イオン衝撃性のよい所謂カソード材、例えば六硼化ランタン(LaB)から成り、放電電極となる島状電極5が、画素毎に分離して形成されている。
この島状電極5も、スクリーン印刷等の方法で容易に形成可能である。
また、島状電極5は、誘電体層4を挟んで、バス電極2,3と対峙している。そして、図5Aに平面図を示すように、島状電極5とバス電極2,3とが対峙する斜線を付した部分の面積S1をもって形成される静電容量によって、島状電極5とバス電極2,3とが結合する。
なお、図示しないが、背面側基板1に対して、図1の上方に前面側基板が設けられて、PDP即ち放電型表示装置が構成される。前面側基板の構成は、従来のPDPの構成と同様にすることが可能である。
島状電極5は、その放電面積を規定する開口部7が設けられた絶縁層6によって覆われている。
島状電極5を放電空間から隔絶するには、絶縁層6の厚さを約0.02〜0.03mm程度とすれば充分であるが、後述するように、島状電極5上における、負グローの存在する空間を限定する場合には、負グローの電極面からの厚さよりも大きくして、0.03〜0.05mmとすることが好ましい。
また、絶縁層6に設ける開口部7の面積S2は、図2及び図5Aに示すごとく、島状電極5とバス電極2,3とが誘電体層4を挟んで対峙する面積S1の約1/2以下に設定する。
島状電極5とバス電極2,3間の静電容量は、前述したように、これらが対峙する面積S1によって規定される。
一方、負グローの発生する位置は、開口部7によって規定されるため、小さい面積S2に限定されることにより、安定した放電が得られる。
なお、開口部7の形状及び位置は、必ずしも図5AのS2で示されるごとく、四角形で島状電極の中央の位置にある必要はない。例えば、図6に示すごとく、幅を持つスリット状でもよい。また、放電の形態により、開口部の位置は、島状電極とバス電極とが対峙する部分上のどこにでも選定することが可能である。
次に、本発明の第2の実施の形態として、PDPの概略構成図(斜視図)を図3に示し、図3のPDPの断面図を図4に示す。この第2の実施の形態は、本発明の第2の発明の構成に係る実施の形態である。
まず、背面側基板1に形成されるバス電極2,3、並びに誘電体層4は、第1の実施の形態のPDPと全く同様である。絶縁層6及び開口部7も、第1の実施の形態のPDPと全く同様である。
本実施の形態では、図3及び図4に示すように、誘電体層4を挟んでバス電極2,3と対峙して島状電極8を設けるが、この島状電極8を放電電極ではなく静電容量形成のための電極として用いる。そのため、この島状電極8には、必ずしもカソード材を用いる必要はなく、むしろ導電性が良好で、形成法の簡単なAg,Au,Ni,Cu,Al等を用いることが好ましい。
一方、放電電極として、カソード材から成る電極層5を、絶縁層6の開口部7内のみに限定して設けている。この電極層5には、前述した所謂カソード材である例えば六硼化ランタン等を用いることができ、第1の実施の形態の島状電極5と同様に、スクリーン印刷法等により容易に形成することが出来る。
島状電極8と電極層5とは、共に導電性であり、開口部7において互いに接触している。
また、島状電極8は、誘電体層4を挟んで、バス電極2,3と対峙している。そして、図5Bに平面図を示すように、島状電極8とバス電極2,3とが対峙する斜線を付した部分の面積S1をもって形成される静電容量によって、島状電極8とバス電極2,3とが結合する。
また、絶縁層6に設ける開口部7の面積S2は、図4及び図5Bに示すごとく、島状電極8とバス電極2,3とが誘電体層4を挟んで対峙する面積S1の約1/2以下に設定する。
島状電極8とバス電極2,3間の静電容量は、前述したように、これらが対峙する面積S1によって規定される。
一方、負グローの発生する位置は、開口部7によって規定されるため、小さい面積S2に限定されることにより、安定した放電が得られる。
なお、開口部7の形状及び位置は、必ずしも図5BのS2で示されるごとく、四角形で島状電極の中央の位置にある必要はない。例えば、図6に示すごとく、幅を持つスリット状でもよい。また、放電の形態により、開口部の位置は、島状電極とバス電極とが対峙する部分上のどこにでも選定することが可能である。
また、上述した各実施の形態において、島状電極及び開口部の形成には、スクリーン印刷法の他にも、写真化学法、サンドブラスト法、等の技術の応用が可能である。
次に、本発明の第3の実施の形態として、PDPの概略構成図(斜視図)を図6に示し、図6のPDPの平面図を図7に示し、図6のPDPの断面図を図8に示す。この第3の実施の形態は、本発明の第3の発明の構成に係る実施の形態である。
バス電極2,3及び誘電体層4等、背面側基板の構造は、前述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様になっている。
また、放電電極となる島状電極5は、第1の実施の形態と同様にカソード材から成る構成となっている。
ただし、第1の実施の形態では、島状電極5の形状が正方形もしくは正方形に近い長方形となっているのに対して、本実施の形態では、島状電極5の形状が、バス電極2,3に沿う方向を長手方向とした長方形となっている。
本実施の形態では、放電電極となる島状電極に対して、放電部分の面積を小面積に限定する構造として、島状電極5を覆う絶縁層6が、スリット状の開口部を有する構造としたものである。
また、本実施の形態では、陽光柱型のPDPを実現するため、より有効な構造となっている。
スリット状の開口部は、図7の縦方向に、即ちバス電極2,3が延びる横方向に対して直交する方向に、貫通して形成されている。
また、絶縁層6のほぼ中央部の上に、縦方向に伸びる隔壁9が設けられている。
そして、絶縁層6の開口部は、図7に示すごとく、画面縦方向に貫通する溝、即ちチャンネル状に形成されているが、溝の内部に露出する島状電極5の面積は、本発明の第1の発明(請求項1)に規定された放電電極の条件を満たしている。即ち、島状電極5のうち、絶縁層6の開口部により露出する部分の面積は、島状電極5とバス電極2,3とが対峙する面積S1の約1/2以下とする。
さらに、図7に示すように、放電電極となる島状電極5の間隙L1は、陽光柱発生に必要な約0.30mm以上になっている。
さらにまた、スリット状の開口部により、主として負グローが存在するチャンネル状の負グロー放電空間100が形成される。
本実施の形態のPDPの構造を製造する方法は、島状電極5までは、第1の実施の形態と同様である。
チャンネル100を形成するための開口部は、絶縁層6をパターン印刷することで容易に形成することができる。また、絶縁層6を全面的に印刷して、乾燥させた後に、サンドブラスト、化学エッチング等で溝を形成してもよい。
次に、このチャンネル100に関する条件について述べる。
通常のPDPでは、負グローからの紫外線を蛍光体に照射し発光させている。
これに対して、本実施の形態では、紫外線源としては、主として陽光柱を使用しており、この陽光柱をより安定して発生させるために、負グローをチャンネル100内部に限定させるため、チャンネル100の深さh2及び幅d2(図8参照)に一定の条件を設ける。
まず、チャンネル100の溝の深さh2は、絶縁層6の厚さで規定される。
一般に、グロー放電での負グローは、放電電極の負側に発生し、その厚さは、通常のPDPのガス組成・圧力(例えば、Ne90%とXe10%の混合ガスを、約400Torrの圧力で封入する場合)では、電極表面から約0.03mm〜0.05mmである。
従って、チャンネル100の深さh2は、必ずしも厳密に同じにする必要はないが、これとほぼ同じく約0.03mm〜0.05mm程度にすることが好ましい。
また、チャンネル100の幅d2は、画素の大きさにより最適な幅が決定されるが、開口部に対する条件、即ち島状電極5とバス電極2,3の対峙面積S1の約1/2以下の開口部であればよいので、例えば図8に示される隔壁9間の幅d1の1/2〜1/3程度になる。
次に、本発明の第4の実施の形態として、PDPの断面図を図9に示す。この第4の実施の形態は、本発明の第4の発明の構成に係る実施の形態である。
本実施の形態では、図6〜図8に示した第3の実施の形態において、さらに、アドレス電極の構成を限定し、隔壁9の構成を規定し、蛍光体層の形成領域を限定する。
図9に示すごとく、絶縁層6の開口部のチャンネル100に並行する方向に伸長するストライプ状電極からなるアドレス電極10が、前面側基板に形成されている。この一方のアドレス電極10と、背面側基板に形成される他方のアドレス電極(バス電極2,3に並行する方向のアドレス電極)とによって、XYマトリクスが構成される。
また、隔壁9の高さh1は、約0.10mm以上とする。これは、陽光柱放電空間101を形成するために充分な高さである。
この隔壁9の高さh1は、陽光柱が安定して存在するためには、さらに高く例えば0.20mm程度とすることが望ましいが、図9に示すごとく、一方のアドレス電極10が前面側基板上にあり、他方のアドレス電極が背面側にある場合には、約0.10〜0.15mmが適当である。
なお、図6〜図8及び図9では、隔壁9が背面側基板の絶縁層6の上に形成されているが、実際の構造においては、前面側基板に隔壁が形成されていても良いことは言うまでもない。
また、図9では、アドレス電極10がチャンネル100の両側に形成されているが、チャンネルの片側のみにアドレス電極を設けても構わない。
また、図9に示すごとく、背面側基板の絶縁層6の上で、チャンネル100の両側に沿って、陽光柱放電空間101を形成する各部位(絶縁層6の表面、隔壁9の内壁面、前面側基板71の内壁面)に蛍光体層60が塗布形成されている。
ただし、チャンネル100の内壁面(即ち、絶縁層6の開口部の内壁面)には蛍光体層60が塗布形成されない構成とする。
これにより、通常のPDPで見られるような、蛍光体層による荷電粒子の損失を防ぐことができるため、放電が安定する。
なお、蛍光体層を塗布形成する範囲は、図9に示すように陽光柱放電空間を形成する部位のうちチャンネルを除く部位の全ての範囲に限定されるものではなく、これらの部位のうちの一部の部位としてもよい。
蛍光体層60は、スクリーン印刷が一般的な形成法であるが、その他にも電着法や写真法で形成することも出来る。
なお、図9に示す第4の実施の形態に対して、図10に断面図を示すごとく、チャンネル100と並行する方向に伸長するアドレス電極10を、背面側に形成しても構わない。この図10に示す実施の形態は、本発明の第5の発明の構成に係るものである。
図10では、アドレス電極10が、背面側の絶縁層6の上に形成され、チャンネル100に対して、その両側に並行して形成されている。前面側基板71の内壁面にはアドレス電極10がなく、蛍光体層60だけが塗布形成されている。その他の構成は、図9に示した第4の実施の形態と同様になっている。
この場合も、一方のアドレス電極10と、背面側基板に形成される他方のアドレス電極(バス電極2,3に並行する方向のアドレス電極)とによって、XYマトリクスが構成される。
また、図10では、アドレス電極10がチャンネル100の両側に形成されているが、チャンネルの片側のみにアドレス電極を設けても構わない。
次に、本発明の第5の実施の形態として、PDPの概略構成図(分解斜視図)を図11に示し、図11のPDPの断面図を図12に示す。この第5の実施の形態は、本発明の第5の発明の構成及び第7の発明の構成に係る実施の形態である。
本実施の形態では、第4の実施の形態の構成におけるアドレス電極10を、前面側基板71上ではなく、背面側の絶縁層6の上であり、チャンネル100の両側片側に形成している。
この構造ではアドレス電極10は絶縁層6を挟んで下層の放電電極5と溝を介して対峙し、直交する他方のアドレス電極、例えばバス電極2又は3の一方をサステイン電極と兼ねる3電極型PDPが構成される。
アドレス電極10は絶縁層6にAgペースト等をスクリーン印刷して形成可能であるが、チャンネル100をサンドブラストで形成する際に同時に形成すれば最も容易にしかも高精度に作ることが出来る。
なお、図11及び図12では、アドレス電極10がチャンネル100の両側に形成されているが、チャンネルの片側のみにアドレス電極を設けても構わない。
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。この第6の実施の形態は、本発明の第6の発明の構成に係る実施の形態である。
本実施の形態では、図13及び図14にその構造を示すとおり、第5の実施の形態をさらに発展させた4電極構成のAC型PDPである。
まず図13と上記図6を比較すると、サステイン電極である島状の電極52と電極53の間に、同様の構造の電極54を設け、これをバス電極14と静電容量をもって結合する。
上記実施例5である図6ではサステイン電極用のバス電極2又はバス電極3のどちらかは一方はアドレス電極の一方と兼用したアドレス/サステイン電極として動作するが、本実施の形態では、図14に示すごとく、バス電極2とバス電極3とを、それぞれ全ての画素毎に共通に接続して、それぞれサス1及びサス2とする。
バス電極14は、縦方向に伸長する第1のアドレス電極(図示せず)と交叉して、第2のアドレス電極となるものである。第1のアドレス電極及び第2のアドレス電極により、XYマトリクスが構成される。
勿論、バス電極2,3は、図14に示すごとく全画面にわたって共通に接続する構成に限定されるものではなく、例えば複数の画素グループに分割して、グループ内の画素で共通に接続する構成とすることも可能である。
また、この4電極型PDPの基本的駆動法の一例を図15に示す。
図15に示すごとく、アドレス期間内にはサス1及びサス2はそれぞれ高電圧側(Vs−High)と低電圧側(Vs−Low)に一定な電圧に保たれ、選択された画素のアドレス1及びアドレス2の間にアドレス放電が発生すると、そこで発生した正及び負の空間電荷をそれぞれ壁電荷として蓄積する。
このように選択的に形成された壁電荷による壁電圧を利用して、サステイン期間にサス1及びサス2に共通して印加されるサステインパルスでも選択的なサステイン放電が維持出来る。
また、第1のアドレス電極となる電極は、前面側の対向する基板上でも、第5の実施の形態のごとく図12に示すような絶縁層6上に形成した単基板型構造でもよいことは言うまでもない。
次に、本発明の第7の実施の形態として、PDPの概略構成図(分解斜視図)を図11に示し、図11のPDPの平断面図を図12に示す。この第7の実施の形態は、本発明の第7の発明の構成に係る実施の形態である。
絶縁層6に対して、隔壁9で分離される画素の間に、チャンネル100と並行して同じくストライプ状の溝102を形成するものである。
この構造によると、溝102によって絶縁層6が画素ごとに区切られているので、絶縁層6上に蛍光体を塗布する際にも蛍光体同士の混色を避けることが出来る。
またこの構造の場合には、隔壁9を前面側に形成しているため、隔壁9をストライプ状に形成することにより、溝102と隔壁9との凹凸組み合わせ(嵌め合わせ)ができるため、安定した組み立てが可能になる。
この他第7の実施の形態において、電極が全て背面側にあり、前面側に電極がない場合には、図11及び図12に示したごとく前面側に隔壁9を形成する代わりに、図16に示すごとく、前面側基板として、ガラス基板81を加工して凹部を溝状に形成した構造も可能である。この場合、凹部の間に残った突起部81Aが隔壁となっている。
本発明の第1の実施の形態のPDPの概略構成図(分解斜視図)である。 図1のPDPの断面図である。 本発明の第2の実施の形態のPDPの概略構成図(分解斜視図)である。 図2のPDPの断面図である。 A 図1のPDPの上面図である。 B 図3のPDPの上面図である。 本発明の第3の実施の形態のPDPの概略構成図(分解斜視図)である。 図6のPDPの平面図である。 図6のPDPの断面図である。 本発明の第4の実施の形態のPDPの断面図である。 アドレス電極を背面側に形成した実施の形態のPDPの断面図である。 本発明の第5の実施の形態のPDPの概略構成図(分解斜視図)である。 図12のPDPの断面図である。 本発明の第6の実施の形態のPDPの概略構成図(断面図)である。 図13のPDPの分解斜視図 図13のPDPの駆動方法の一例を説明する図である。 ガラスを加工した前面側基板を用いた構成の分解斜視図である。 従来の標準的な3電極型構造のAC型PDPの分解斜視図である。 従来の補助放電を有する3電極型構造のAC型PDPの分解斜視図である。
符号の説明
1 背面側基板
2 サステイン電極用バス電極
3 サステイン/アドレス兼用電極用バス電極
4 誘電体層
5 島状電極、電極層
6 絶縁層
7 (絶縁層の)開口部
8 (静電容量形成用の)島状電極
9 隔壁
10 アドレス電極
60 蛍光体層
71 前面側基板
81 ガラス基板
100 チャンネル
101 陽光柱放電空間
102 溝
S1 島状電極が誘電体層を挟んでバス電極と対峙する面積
S2 開口部から露出する島状電極の面積
d1 チャンネルに直交する方向の隔壁間の距離
d2 チャンネルの開口幅
h1 隔壁の高さ
h2 チャンネルの深さ
L1 一対の放電電極の先端間距離

Claims (7)

  1. 放電電流を供給するバス電極が誘電体層で被覆され、
    前記バス電極とは別に放電電極が設けられ、
    前記誘電体層の表面に、画素ごとに島状に分割された島状電極が設けられ、
    前記島状電極と前記バス電極とが、前記誘電体層による静電容量を介して結合し、
    前記島状電極が、開口部を有する絶縁層によって被覆されることにより、前記開口部以外の部分が放電空間から隔絶されて非放電部分となり、前記開口部から放電空間に露出する部分が前記放電電極となり、
    前記開口部の面積を、前記島状電極が前記誘電体層を介して下層のバス電極と相対峙して前記静電容量を規定する面積の、約1/2以下とした
    ことを特徴とする放電型表示装置。
  2. 前記誘電体層の上に形成された、導電性材料から成る層と、導電性で二次電子放射性と対イオン衝撃性に優れたカソード材料から成る層とが積層されて、前記島状電極が形成され、前記島状電極の前記カソード材料から成る層が、前記開口部内のみに形成されて前記放電電極とされていることを特徴とする請求項1に記載の放電型表示装置。
  3. 前記絶縁層の開口部が、バス電極に直交する方向に貫通するチャンネル状に形成され、チャンネル状の前記開口部の深さが約0.03mm〜0.05mmであり、前記開口部に露出する一対の前記島状電極の先端間の距離が約0.30mm以上とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の放電型表示装置。
  4. 前記絶縁層に対して、その上に又は対向する他方の基板上に、ストライプ状又は格子状の隔壁が設けられ、前記隔壁によって主として陽光柱が存在する陽光柱放電空間が構成され、前記隔壁の高さが約0.10mm以上であり、前記隔壁の間隔が前記チャンネルの幅よりも広く、前面側基板又は背面側基板に設けられた、前記チャンネルと並行する方向に伸長するストライプ状電極によって、アドレス電極が形成され、前記陽光柱放電空間を形成する各部位のうち、前記チャンネル内部を除く部位の全て又は一部に蛍光体が塗布形成されていることを特徴とする請求項3に記載の放電型表示装置。
  5. 前記アドレス電極が、前記背面側基板の前記絶縁層上であって前記チャンネルの両側又は片側に形成されていると共に、前記放電電極となる一対のサステイン電極のうち一方のアドレス電極を兼ねるサステイン電極とXYマトリクスを構成する、3電極構成とされていることを特徴とする請求項4に記載の放電型表示装置。
  6. 前記背面側基板において、一対の前記放電電極がいずれもアドレス電極を兼ねることなく画面全面に対して共通に接続された一対のサステイン電極とされ、一対の前記サステイン電極の間に、前記サステイン電極と並行して前記サステイン電極と同様の電極構成から成るアドレス電極が配され、前記チャンネルに並行して伸長する前記アドレス電極と、前記サステイン電極と並行する前記アドレス電極とがXYマトリクスを構成する、4電極構造とされていることを特徴とする請求項3に記載の放電型表示装置。
  7. 前面側基板において、前記チャンネルに並行して伸長するストライプ状の隔壁が形成され、背面側基板において、前記各壁と対向する位置に、前記チャンネルに並行して伸長する溝が設けられ、前記溝によって画素間が分離されていることを特徴とする請求項3に記載の放電型表示装置。
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