JP2006308197A - 磁気式温度調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の磁気作業物質と温度調整媒体との間の熱交換を連続的に効率よく行うことができる磁気式温度調整装置を提供する。
【解決手段】 磁気式温度調整装置20は、回転可能な筒状の磁気遮蔽体24、磁気遮蔽体24の内周側に設けられている磁界発生装置21、磁気遮蔽体24の外周側に配置されている複数の磁気作業物質を有している。磁気作業物質は、複数のグループに分けられており、各グループの磁気作業物質(例えば、23a1と23a2)は、磁気遮蔽体24の軸方向に沿って配置されている。磁気遮蔽体24は、磁気遮蔽部24aと、磁気通過部24b及び24cを有している。磁気遮蔽部24a、磁気通過部24b及び24cは、磁気作業物質に磁界が印加されている状態から磁界の印加が阻止された状態に変化する時期が、各グループの、温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質から、被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅れるように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被温度調整体の温度を調整する技術、特に、印加される磁界の変化によって温度が変化する磁性体を利用して被温度調整体の温度を調整する技術に関する。
従来、温度調整装置、例えば、冷蔵庫等の冷凍装置や空気調和装置等の冷却装置では、気体の圧縮及び膨張による温度変化を利用した温度調整技術が用いられている。このような温度調整装置では、気体を圧縮するための圧縮機等が必要であり、効率の向上や小型化には限界がある。
ここで、ある種の磁性体には、印加される磁界が変化すると温度が変化する(「磁気熱量効果」という)ものがある(以下では、「磁気作業物質」という)。すなわち、磁気作業物質に印加する磁界を強めると磁気作業物質の温度が上昇し、磁気作業物質に印加している磁界を弱める(例えば、「0」にする)と磁気作業物質の温度が低下する。圧縮及び膨張によって温度が変化する気体に代えて、このような、印加される磁界の変化によって温度が変化する磁気作業物質を用いることにより、効率の向上及び小型化が可能となる。
そこで、磁気作業物質を用いた磁気冷凍機が提案されている。(特許文献1参照)
特許文献1に記載されている磁気冷凍機は、強磁界を発生させる磁石と、磁気作業物質と、磁石と磁気作業物質の間に設けられる磁気遮蔽体を備えている。磁気遮蔽体は、超電導体からなる一対の平行な平板あるいは一対の曲板によって構成され、回転機構により回転可能に構成されている。そして、磁気作業物質は、一対の平行な平板あるいは一対の曲板により形成される内側空間に収容されている。この磁気冷凍機では、磁気遮蔽体の回転位置が、磁石からの磁力線が一対の平板あるいは一対の曲板の間を透過する位置であると、磁気作業物質が励磁されて磁気作業物質の温度が上昇し、磁石からの磁力線が一対の平板あるいは一対の曲板により遮蔽される位置であると、磁気作業物質が消磁されて磁気作業物質の温度が低下する。磁気作業物質内を通過する冷却媒体は、磁気作業物質の温度の低下時に熱を奪われ、温度が低下する。この冷却媒体によって、被冷却体が冷凍される。
特開平4−240361号公報
前記した従来の磁気冷凍機は、磁石と磁気作業物質の間に設けられている磁気遮蔽体を回転させているため、回転機構を小型化することができるとともに、回転機構を駆動するのに必要な電力を低減することができる。
ところで、このような磁気冷凍機の冷凍能力を高める方法として、複数の磁気作業物質を用いる方法が考えられる。
しかしながら、前記従来の磁気冷凍機では、複数の磁気作業物質と冷却媒体との間の熱交換を連続的に効率よく行うことができない。
そこで、本発明は、複数の磁気作業物質と温度調整媒体との間の熱交換を連続的に効率よく行うことができる磁気式温度調整装置を提供することを目的とする。
(第1発明)
前記課題を解決するための本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの磁気式温度調整装置である。
本発明は、磁気作業物質、磁気作業物質に印加する磁界を変化させる磁界変化装置、温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体を流す温度調整媒体用配管を備えている。
温度調整媒体用配管は、温度調整媒体と磁気作業物質との間での熱交換が可能となるように構成されている。また、磁気作業物質は、温度調整媒体用配管に沿って複数配置されている。
そして、磁界変化装置は、温度調整媒体用配管に沿って配置されている各磁気作業物質に印加する磁界を、同時に変化させるのではなく、温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅れ時間を持たせて変化させる。
磁気作業物質としては、印加される磁界の変化に対して温度が変化する種々の磁性体を用いることができるが、印加される磁界の変化に対する温度の変化(被温度調整体の温度を低下させる場合には、印加される磁界の変化(励磁)に対する温度低下、被温度調整体の温度を上昇させる場合には、印加される磁界の変化(減磁)に対する温度上昇)が大きい磁性体を用いるのが好ましい。例えば、ガドリウム系材料、もしくは、ランタン−鉄−シリコン化合物により形成された磁性体が用いられる。
磁界変化装置としては、種々の構成の磁界発生装置を用いることができるが、典型的には、磁界発生装置と、磁界発生装置と磁気作業物質との間に設けられた磁気遮蔽体により構成される磁界変化装置が用いられる。
「温度調整媒体用配管」は、温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体のみを流す配管であってもよいし、温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体だけでなく被温度調整体側から温度調整媒体供給装置側に戻される温度調整媒体を流す配管であってもよい。温度調整媒体供給装置は、典型的には、温度調整媒体を供給するポンプが対応する。
被温度調整媒体としては、被温度調整体の温度を低下させる媒体あるいは被温度調整体の温度を上昇させる媒体を用いることができる。
「磁気作業物質に印加する磁界を変化させる時期」という記載は、温度調整媒体の温度を低下させる場合には、磁気作業物質の温度が低下するように磁気作業物質に印加する磁界を弱める時期を意味し、温度調整媒体の温度を上昇させる場合には、磁気作業物質の温度が上昇するように磁気作業物質に印加する磁界を強める時期を意味する。なお、磁気作業物質の温度を低下させるために、磁気作業物質に印加する磁界を強めた後に磁気作業物質に印加する磁界を弱める(遮断する場合を含む)方法を用いることがある。この方法を用いる時には、磁気作業物質に印加する磁界を強めた後に、磁気作業物質に印加する磁界を弱める時期が、温度調整媒体の温度を低下させる場合における、前記「磁気作業物質に印加する磁界を変化させる時期」に対応する。
磁気作業物質に印加する磁界を変化させる時期を遅らせる遅れ時間は、各磁気作業物質と温度調整媒体との間の熱交換を連続的に効率よく行うことができる時間に設定される。典型的には、温度調整媒体供給装置側(上流側)に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側(下流側)に配置されている磁気作業物質に温度調整媒体が移動する時間が設定される。この移動時間は、温度調整媒体の流速や磁気作業物質の配置間隔等によって決定される。
(第2発明)
本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの磁気式温度調整装置である。
本発明では、磁界変化装置は、磁界発生装置と、磁界発生装置の外周に回転可能に配置された筒状の磁気遮蔽体を有している。また、複数の磁気作業物質は、磁気遮蔽体の外周側に、当該磁気遮蔽体の軸方向に沿って配置されている。
そして、磁気遮蔽体は、磁気通過部と磁気遮蔽部を有している。この磁気通過部と磁気遮蔽部は、磁気作業物質と磁界発生装置との間に位置し、磁気通過部が位置する状態から磁気遮蔽部が位置する状態に変化する時期が、温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅れるように構成されている。
磁界発生装置としては、磁石や電磁石等の磁界を発生可能な種々の磁界発生装置を用いることができるが、強力な磁界を発生可能な磁界発生手段を用いるのが好ましい。例えば、永久磁石として、ネオジウム磁石やサマリウム−コバルト磁石等の希土類磁石が用いられる。磁界発生装置として永久磁石を用いる場合には、例えば、永久磁石と磁気作業物質との間の距離をできる限り小さくするために、磁極が外周側に配置されるように、磁気遮蔽体の内周に設けるのが好ましい。永久磁石は、磁気遮蔽体の内周側に複数個設けることもできる。
磁気遮蔽体は、典型的には、軸方向側から見て、外周面及び内周面が円形形状を有する円筒形状に形成される。勿論、軸方向側から見て、外周面及び内周面が円弧形状を有する形状に形成されたものであってもよい。
磁気遮蔽体を回転させる駆動装置としては、種々の駆動装置を用いることができる。例えば、パルスモータを用いることができる。
磁気遮蔽体を構成する磁気遮蔽部は、磁界(磁力線)が一方側から他方側に透過するのを(磁界の印加を)阻止することができる種々の材料により形成することができる。例えば、パーマロイやコバルトにより形成することができる。また、磁気遮蔽材料によって形成された膜を用いることもできる。
また、磁気通過部としては、典型的には、磁気遮蔽部に形成されたスリット(孔)や切欠部を用いることができる。通過部の形状や位置は、温度調整媒体の流速や磁気作業物質の配置状態等に応じて適宜選択される。例えば、磁気遮蔽体の軸線方向の中心線に対して螺旋状に形成(あるいは、配置)されたスリット(孔)や、磁気遮蔽体の軸方向の中心線に平行に形成(あるいは、配置)されたスリット(孔)を用いることができる。
「複数の磁気作業物質を、磁気遮蔽体の外周側に、磁気遮蔽体の軸方向に沿って配置する」態様には、複数の磁気作業物質を、磁気遮蔽体の周方向に沿った同じ位置に配置する態様(軸方向に平行に配置する態様)や、磁気遮蔽体の周方向に沿った異なる位置に配置する態様(例えば、磁気遮蔽体の軸線方向の中心線に対して螺旋状に配置する態様)が含まれる。
(第3発明)
本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの磁気式温度調整装置である。
本発明では、磁界変化装置は、磁界発生装置と、磁界発生装置の外周に回転可能に配置された筒状の磁気遮蔽体を有している。
また、複数の磁気作業物質は、少なくとも第1及び第2のグループに分けられている。第1及び第2のグループの複数の磁気作業物質は、それぞれ、第1及び第2のグループの温度調整媒体用配管に沿って配置されている。さらに、第1及び第2のグループの複数の磁気作業物質は、磁気遮蔽体の外周側に、磁気遮蔽体の軸方向に沿って各グループ毎に配置されている。
また、温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体をいずれかのグループの温度調整媒体用配管に流し、被温度調整体側から温度調整媒体供給装置側に戻される温度調整媒体を他のグループの温度調整媒体用配管に流す切替装置を備えている。
磁気遮蔽体は、磁気通過部と磁気遮蔽部を有している。この磁気通過部と磁気遮蔽部は、切替装置により、温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体が流れるように切り替えられている、いずれかのグループの温度調整媒体用配管に沿って配置されている各磁気作業物質と磁界発生装置との間に磁気通過部が位置する状態から磁気遮蔽部が位置する状態に変化する時期が、温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅れるように構成されている。
「各グループの磁気作業物質が、磁気遮蔽体の外周側に、磁気遮蔽体の軸方向に沿って各グループ毎に配置されている」という記載は、各グループの磁気作業物質が、磁気遮蔽体の軸方向に沿って配置されている態様を意味し、異なるグループの磁気作業物質の配置態様を意味しているものではない。また、「磁気作業物質が軸方向に沿って配置されている」という記載は、磁気作業物質の配置位置が軸方向に沿っていることを意味し、軸方向に平行に配置されていなくてもよい。
なお、時間遅れを持たせて、磁気作業物質に印加する磁界を変化させる磁界変化態様が、グループの数が2つの場合には交互に各グループの磁気作業物質に対して実行され、グループの数が3以上の場合には順番に各グループの磁気作業物質に対して実行されるように、磁気遮蔽体の磁気通過部及び磁気遮蔽部を構成するのが好ましい。
本発明の切替装置としては、例えば、磁気遮蔽体の回転に同期して温度調整媒体を流す流路を切り替えるロータリー切替弁が用いられる。
磁気作業物質を分割するグループの数は、2に限定されず、3以上であってもよい。また、グループの数に応じて、各グループ用の温度調整媒体用配管が設けられる。
切替装置としては、例えば、温度調整媒体が流れる温度調整媒体用配管に応じて流路を切り替える切替弁が用いられる。
(第4発明)
本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの磁気式温度調整装置である。
本発明では、複数の磁気作業物質及び磁気遮蔽体の磁気通過部の少なくともいずれか一方を、磁気遮蔽体の軸線方向の中心線に対して螺旋状に配置されている。
「磁気作業物質あるいは磁気通過部を螺旋状に配置する」という記載は、複数の磁気作業物質あるいは複数の磁気通過部を螺旋状に配置する態様だけでなく、1つの磁気通過部を螺旋状に形成する態様も含んでいる。例えば、複数のスリットを螺旋形状に沿って配置する態様や、螺旋形状のスリットを形成する態様を用いることができる。
また、「磁気遮蔽体の軸方向の中心線に対して螺旋状に配置する」という記載は、磁気作業物質あるいは磁気通過部の磁気遮蔽体の外周に沿った位置が、磁気遮蔽体の軸方向の中心線に対して、順次同じ回転方向に移動するように配置されていることを表している。例えば、磁気遮蔽体の軸方向に直角な方向から見た時(平面視)、略直線状に見える螺旋状や曲線状に見える螺旋状に沿って配置される。
(第5発明)
本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりの磁気式温度調整装置である。
本発明では、磁気遮蔽体の軸方向に隣接して配置されている磁気作業物質に印加する磁界を変化させる時期の遅れ時間は、隣接して配置されている上流側の磁気作業物質から下流側の磁気作業物質まで温度調整媒体が移動する時間に応じて設定される。
隣接する上流側の磁気作業物質から下流側の磁気作業物質の間を温度調整媒体が移動する時間は、温度調整媒体の流速と、隣接する磁気作業物質間の距離によって求めることができる。
遅れ時間としては、固定の遅れ時間を用いてもよいし、温度調整媒体の流速等に応じて変更させてもよい(例えば、磁気遮蔽体の回転速度を変更する)。
(第6発明)
本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりの調整装置である。
本発明は、温度調整媒体、温度調整媒体を循環させる循環装置、温度調整媒体の温度を調整する温度調整装置を備えている。循環装置は、温度調整媒体と被温度調整体との間で熱交換が可能に温度調整媒体を循環させる。そして、温度調整装置として、請求項1〜5のいずれかに記載の温度調整装置が用いられている。
請求項1に記載の磁気式温度調整装置を用いれば、温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体を流す温度調整媒体用配管に沿って配置されている磁気作業物質に印加する磁界を変化させる時期を、温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質から、被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅らせるように構成しているため、複数の磁気作業物質と温度調整媒体との熱交換を連続的に効率よく行うことができる。
請求項2に記載の磁気式温度調整装置を用いれば、磁界発生装置と磁気作業物質の間に設けられている磁気遮蔽体を移動させているため、磁界発生装置や磁気作業物質を移動させる場合に比べて、駆動装置を小型化することができるとともに、駆動装置で消費する電力を低減することができる。
また、磁気遮蔽体の内周側に磁界発生装置を配置し、外周側に磁気作業物質を配置しているため、磁気作業物質の配置位置の設計や変更が容易であり、温度調整媒体を流す配管と磁気作業物質との接続作業も容易である。
さらに、磁界発生装置から発生する磁界の磁気作業物質への印加や印加の阻止のタイミングを、磁気遮蔽体に形成された磁気通過部によって設定することができるため、磁気作業物質に印加する磁界の変化時期を、容易に、種々のパターンに設定することができる。これによって、種々の特性の磁気式温度調整装置を容易に得ることができる。
請求項3に記載の磁気式温度調整装置を用いれば、磁気作業物質を複数のグループに分け、各グループの磁気作業物質を順次用いて温度調整媒体の温度を調整しているため、効率がよい。
また、磁気作業物質が配置されている温度制御媒体用配管を、温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側への温度調整媒体を流す温度調整媒体用配管及び被温度調整体側から温度調整媒体供給装置側に戻す温度調整媒体用配管として用いることができるため、小型に構成することができる。
また、磁気遮蔽体の外周に複数のグループの磁気作業物質を配置するとともに、1つの磁気遮蔽体を用いて各グループの磁気作業物質への磁界の印加及び印加の阻止を行っているため、簡単な構成で効率がよい磁気式温度調整装置を得ることができる。
請求項4に記載の磁気式温度調整装置を用いれば、簡単に、複数の磁気作業物質に印加する磁界の変化時期を順次遅らせることができる。
請求項5に記載の磁気式温度調整装置を用いれば、温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体の温度を効果的に調整することができる。
請求項6に記載の調整装置を用いれば、請求項1〜5に記載の磁気式温度調整装置の効果を有する調整装置を得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
第1の実施の形態の概略構成を図1〜図4に示す。本実施の形態は、温度調整媒体として被温度調整体を冷却する冷却媒体を用い、温度調整媒体(冷却媒体)の温度を磁気式温度調整装置によって調整する調整装置として構成したものである。
なお、図1は、第1の実施の概略構成を示す図であり、図2は、図1のII−II線矢視図、図3は、図1のIII−III線矢視図である。また、図4は、磁気式温度調整装置の分解図である。
本実施の形態の調整装置10は、磁気式温度調整装置20、切替弁30、ポンプ40、貯留槽50、被温度調整体(被冷却体)60に設けられた熱交換器61、温度調整媒体(冷却媒体)を流す温度調整媒体用配管(冷却媒体用配管)等により構成されている。
温度調整装置20は、図2〜図4に示すように、磁界発生装置21、ヨーク22、磁気作業物質23、磁気遮蔽体24により構成されている。
本実施の形態では、磁界発生装置21は、永久磁石により構成している。すなわち、断面が十字状に形成された4つの磁極21A〜21Dの先端部に、それぞれ軸方向に沿ってN極、N極、S極、S極の永久磁石を配置している。なお、磁極の数や形状は適宜変更可能である。
永久磁石としては、強い磁界を発生可能な永久磁石を用いるのが好ましい。例えば、ネオジウム磁石やサマリウム−コバルト磁石等の希土類磁石が用いられる。
ヨーク22は、磁界発生装置21の外周側に設けられている。ヨーク22は、鉄等の金属により円筒状に形成されている。
磁気作業物質23は、ヨーク22の内周側で、ヨーク22と磁界発生装置21の間に設けられている。本実施の形態では、磁気作業物質23として、磁気作業物質23a1、23a2、23b1、23b2、23c1、23c2、23d1、23d2を用いている。
各磁気作業物質は、軸方向から見た断面(図2及び図3参照)の外周面及び内周面の形状が、同じ中心点を有する平行な円弧状である、曲面板状に形成されている。すなわち、各磁気作業物質は、円筒の一部と等しい形状を有している。なお、各磁気作業物質の軸方向の長さは適宜設定される。各磁気作業物質は、ヨーク22の内周面に接着剤等によって取り付けることもできる。
各磁気作業物質は、グループに分けられており、グループ毎に、軸方向に直角な周方向に沿った異なる位置に配置されている。さらに、同じグループの磁気作業物質は、軸方向に平行に配置されている。本実施の形態では、磁気作業物質は、磁気作業物質23a1と23a2により構成されるaグループ、磁気作業物質23b1と23b2により構成されるbグループ、磁気作業物質23c1と23c2により構成されるcグループ、磁気作業物質23d1と23d2により構成されるdグループに分けられ、aグループ〜dグループの磁気作業物質は、軸方向に直角な周方向に沿って略90度離れた位置に順次配置されている。例えば、aグループが「0度」の回転位置、bグループが「90度」の回転位置、cグループが「180度」の回転位置、dグループが「270度」の回転位置に配置されている。また、同じグループの磁気作業物質(例えば、aグループの磁気作業物質23a1と23a2)は、軸方向に直角な周方向の位置が同じで、軸方向に平行に配置されている。また、本実施の形態では、aグループとcグループの磁気作業物質を第1のグループの磁気作業物質、bグループとdグループの磁気作業物質を第2のグループの磁気作業物質としている。
なお、磁界発生装置21から発生される磁界を効率よく磁気作業物質に印加するには、磁界発生装置21と磁気作業物質をできるだけ近くに配置するのが好ましい。このため、本実施の形態では、第1のグループを構成するaグループとcグループの磁気作業物質を磁界発生装置21の磁極21A、21Cと対向する位置に配置し、第2のグループを構成するbグループとdグループの磁気作業物質を磁界発生装置21の磁極21B、21Dと対向する位置に配置している。
磁気作業物質は、印加される磁界が増加することによって温度が上昇し、印加される磁界が減少することによって温度が低下する磁性体である。磁気作業物質としては、印加される磁界の変化に対する温度の変化が大きい磁性体を用いるのが好ましい。例えば、ガドリウム系材料、もしくは、ランタン−鉄−シリコン化合物により形成された磁性体が用いられる。
磁気遮蔽体24は、磁気作業物質23の内周側で、磁気作業物質23と磁界発生装置21の間に、回転可能に設けられている。なお、図示は省略しているが、磁気遮蔽体24を回転させるための駆動装置(例えば、パルスモータ)が設けられている。
本実施の形態では、磁気遮蔽体24は、図2〜図4に示すように、磁界発生装置21から発生する磁界が磁気作業物質23に印加されるのを阻止する磁気遮蔽部24aと、磁界発生装置21から発生する磁界が磁気作業物質23に印加するのを許容する磁気通過部24b、24cを有している。磁気通過部24b、24cは、磁気遮蔽部24aに形成されたスリットあるいは切欠を用いることができる。
磁気遮蔽部24aは、パーマロイやコバルトにより円筒形状に形成されている。
また、本実施の形態では、磁気通過部24b、24cは、磁気遮蔽部24aの外周に沿って磁気遮蔽部24aを螺旋状に切り欠いたスロット(切欠部)として形成されている。磁気通過部24b、24cは、磁気遮蔽部24aを軸方向に直角な方向から見た時(図1参照)、略直線に見える螺旋状に形成されている。また、磁気通過部24b、24cは、磁気遮蔽部24aの周方向に沿った異なる位置に形成されている。磁気通過部24b、24cは、第1グループを構成するaグループ及びcグループの磁気作業物質あるいは第2のグループを構成するbグループ及びdグループの磁気作業物質に磁界を印加するためのものである。
本実施の形態では、各グループの磁気作業物質を軸方向に平行に配置するとともに、磁気遮蔽体24の磁気通過部24b、24cを螺旋状に形成している。これにより、磁気遮蔽体24の回転時に、磁気通過部と磁気遮蔽部の周方向に沿った境界部が同じグループの磁気作業物質に対向する位置に位置する時期が異なる。
例えば、図1〜図3に示すように、磁気作業物質への磁界の印加を阻止している状態から磁界の印加を許容する状態に変化させるための、磁気遮蔽部24aと磁気通過部24bの周方向に沿った境界部は、bグループの磁気作業物質23b1に対向する位置に到達した後に、同じbグループの磁気作業物質23b2に対向する位置に到達する。これにより、bグループの磁気作業物質23b1への磁界の印加が開始された後に、同じbグループの磁気作業物質23b2への磁界の印加が開始される。
同様に、磁気作業物質への磁界の印加を許容している状態から磁界の印加を阻止する状態に変化させるための、磁気通過部24bと磁気遮蔽部24aの周方向に沿った境界部は、bグループの磁気作業物質23b1に対向する位置に到達した後に、同じbグループの磁気作業物質23b2に対向する位置に到達する。これにより、bグループの磁気作業物質23b1への磁界の印加が阻止された後に、同じbグループの磁気作業物質23b2への磁界の印加が阻止される。
ポンプ40は、貯留槽50に貯留されている温度調整媒体を、温度調整媒体用配管を介して磁気式温度調整装置20、熱交換器61に循環させる。
被温度調整体の温度を低下させる温度調整媒体(冷却媒体)としては種々の媒体を用いることができる。本実施の形態では、水とエタノールの混合液を用いている。
温度調整媒体を循環させるための温度調整媒体用配管として、配管71、72、73、74b、74d、75、76、77a、77c、78等が用いられている。
配管77a、77c、74b、74dは、磁気作業物質と温度調整媒体との間での熱交換が可能となるように各グループの磁気作業物質と結合されている。例えば、各配管が各磁気作業物質内を通過するように配置されている。本実施の形態では、配管77aは、aグループの磁気作業物質23a1及び23a2と結合され、配管77cは、cグループの磁気作業物質23c1及び23c2と結合され、配管74bは、bグループの磁気作業物質23b1及び23b2と結合され、配管74dは、dグループの磁気作業物質23d1及び23d2と結合されている。
ここで、本実施の形態では、aグループの磁気作業物質23a1、23a2とcグループの磁気作業物質23c1、23c2を第1のグループの磁気作業物質、bグループの磁気作業物質23b1、23b2とdグループの磁気作業物質23d1、23d2を第2のグループの磁気作業物質として用いている。このため、aグループの配管77aとcグループの配管77cは、第1のグループの共通配管76及び78に接続され、bグループの配管74bとdグループの74dは、第2のグループの共通配管73及び75に接続されている。
また、各配管内には、磁気遮蔽体24の回転位置に応じた方向に温度調整媒体を流す必要がある。例えば、aグループ及びcグループの磁気作業物質により温度調整媒体を冷却する時には、共通配管76から配管77a及び77c、共通配管78、熱交換器61、共通配管75、配管74b及び74d、共通配管73の方向に温度調整媒体を流す必要がある。また、bグループ及びdグループの磁気作業物質により温度調整媒体を冷却する時には、共通配管73から、配管74b及び74d、共通配管75、熱交換器61、共通配管78、配管77a及び77c、共通配管76の方向に温度調整媒体を流す必要がある。
一方、温度調整媒体を温度調整媒体用配管に供給するポンプ40の回転方向は同じ方向であるのが好ましい。このため、共通配管73及び76(ポンプ側(温度調整媒体供給装置側)の共通配管)には切替弁30が設けられている。
切替弁30は、磁気遮蔽体24の回転と同期して回転する回転体31を有している。回転体31には、ロータリー弁31a及び31bが設けられている。ロータリー弁31a及び31bは、磁気遮蔽体24が、aグループ及びcグループの磁気作業物質によって温度調整媒体を冷却する回転位置に位置する時には(図8参照)、それぞれ、配管71と共通配管76、配管72と共通配管73を接続し、磁気遮蔽体24が、bグループ及びdグループの磁気作業物質によって温度調整媒体を冷却する回転位置に位置する時には(図6及び図7参照)、それぞれ、配管71と共通配管73、配管72と共通配管77を接続するように構成されている。
本実施の形態では、磁界発生装置21、磁気遮蔽体24、ヨーク22によって本発明の「磁界変化装置」が構成され、ポンプ40、貯留層50、配管、熱交換器61等によって本発明の「循環装置」が構成されている。
また、温度調整媒体(冷却媒体)が本発明の「温度調整媒体」に対応し、a〜dグループの磁気作業物質23a1、23a2、23b1、23b2、23c1、23c2、23d1、23d2が本発明の「少なくとも2つのグループに分けられている磁気作業物質」に対応し、配管77a、77c、74b、74dが本発明の「少なくとも第1及び第2のグループの温度調整媒体用配管」、「温度調整媒体供給装置側から供給される温度調整媒体を被温度調整体側に流し及び被温度調整体側からの温度調整媒体を温度調整媒体供給装置側に戻す温度調整媒体用配管」に対応し、共通配管73及び76が本発明の「温度調整媒体供給装置側の共通配管」に対応し、共通配管73及び76が本発明の「温度調整媒体供給装置側の共通配管」に対応し、共通配管75及び78が本発明の「被温度調整体側の共通配管」に対応し、切替弁30が本発明の「切替装置」に対応する。
次に、本発明の概念を図5を用いて説明する。
以下では、磁気作業物質A1とA2によりグループが構成され、磁気作業物質A1とA2が同じ配管に、磁気作業物質A1が温度調整媒体供給装置側に、磁気作業物質A2が被温度調整体側に配置されている場合について説明する。
温度調整媒体(冷却媒体)は配管内を流れているため、配管に沿って配置されている複数の磁気作業物質を同じ時期に作動させる方法では、温度調整媒体を効率よく冷却することができない。この場合、温度調整媒体の流動方向の上流側に配置されている磁気作業物質によって冷却された温度調整媒体を下流側に配置されている磁気作業物質によって冷却する方法を用いることにより、配管内を流れている温度調整媒体を複数の磁気作業物質により連続して効率よく冷却することができる。
磁気作業物質A1及びA2は、印加される磁界が強められると(例えば、磁界が印加されていない状態から磁界が印加される状態に変化すると)温度が上昇(発熱)し、印加される磁界が弱められると(例えば、磁界が印加されている状態から磁界が印加されていない状態に変化すると)温度が低下(吸熱)する。
そこで、本発明では、上流側の磁気作業物質A1によって温度調整媒体を冷却した後、磁気作業物質A1によって冷却された温度調整媒体が下流側の磁気作業物質A2の配置箇所に達した時期に、下流側の磁気作業物質A2の温度を低下させて冷却を行うように構成している。
すなわち、磁気遮蔽体が回転し、時点t1で、磁界発生装置と磁気作業物質A1が対向する位置に磁気遮蔽体の磁気通過部が位置すると、磁界発生装置から発生される磁界が磁気通過部を介して磁気作業物質A1に印加される。これにより、磁気作業物質A1に印加される磁界が強められ(励磁され)、磁気作業物質A1は、時点t1〜t2の期間温度が上昇する。この磁気作業物質A1の温度の上昇により(発熱)、配管内を流れる温度調整媒体に熱が加わるが、磁気作業物質A1の発熱量は多くないため、温度調整媒体の温度の上昇量は小さい。
磁気遮蔽体がさらに回転し、時点t4で、磁界発生装置と磁気作業物質A1が対向する位置に磁気遮蔽体の磁気遮蔽部が位置すると、磁界発生装置から発生される磁界の磁気作業物質への印加が阻止される。これにより、磁気作業物質A1に印加される磁界が弱められ(減磁され)、磁気作業物質A1は、時点t4〜t5の期間温度が低下する。この磁気作業物質A1の温度の低下により(吸熱)、配管内を流れている温度調整媒体から熱を吸収するため、温度調整媒体の温度が低下する。
ここで、本実施の形態では、上流側に配置されている磁気作業物質A1によって冷却された温度調整媒体が、下流側に配置されている磁気作業物質A2が配置されている位置に到達した時に、磁気作業物質A2を減磁して温度調整媒体をさらに冷却する方法を用いている。
一方、磁気作業物質は、印加される磁界が弱められた時、磁界が変化している期間だけ温度が低下する。
このため、上流側に配置されている磁気作業物質A1によって冷却された温度調整媒体を下流側に配置されている磁気作業物質A2によってさらに冷却するためには、磁気作業物質A1によって冷却された温度調整媒体が磁気作業物質A2の配置位置に到達する前に、磁気作業物質A2に印加される磁界を強めておく必要がある。
この場合、磁気作業物質に印加する磁界を強める処理を開始してから(例えば、磁界の印加を開始してから)、磁気作業物質に印加される磁界が強められた状態に達するまでに時間を要する。一方、磁気作業物質は、印加される磁界が強められる時、磁界が変化している期間だけ温度が上昇し、印加される磁界が強められた状態に達すると、温度の上昇は停止する。
そこで、本実施の形態では、上流側の磁気作業物質A1の温度低下が開始する前(減磁が開始される前)に、下流側の磁気作業物質A2に印加される磁界を高める動作を開始し、磁気作業物質A1の温度低下が開始する時点では、磁気作業物質に印加される磁界が強められた状態となっている(強められた状態で安定している)ように構成している。
すなわち、磁気作業物質A1の減磁が開始される時点(磁界発生装置と磁気作業物質A1が対向する位置に磁気遮蔽体の磁気遮蔽部が位置する時点)t4より前の時点t3で、磁界発生装置と磁気作業物質A2が対向する位置に磁気遮蔽体の磁気通過部が位置するように構成している。これにより、磁界発生装置から発生される磁界が磁気通過部を介して磁気作業物質A2に印加され、磁気作業物質A2は、時点t3〜t4の期間発熱する。
なお、磁気作業物質A2に磁界を印加する時点t3は、磁気作業物質A1への磁界の印加が阻止される時点t4において、磁気作業物質A2に印加される磁界が強められた状態となっていれば適宜の時点を選択することができる。
なお、磁気作業物質に印加される磁気を強める動作を開始してから磁界が強められた状態に達するまでの時間が短い場合には、上流側の磁気作業物質に印加される磁界を弱める動作が開始された後に下流側の磁気作業物質に印加する磁界を弱める動作を開始させる方法(図5の時点t3を時点t4〜t5間に設定する)を用いることができる。
そして、磁気作業物質A1によって冷却された温度調整媒体が磁気作業物質A2が配置されている位置に達する時点t6で、磁界発生装置と磁気作業物質A2が対向する位置に磁気遮蔽体の磁気遮蔽部が位置する。これにより、磁界発生装置から発生される磁界の磁気作業物質A2への印加が阻止され、磁気作業物質A2は、時点t6〜t7の期間温度が低下する。磁気作業物質A2の温度の低下により(吸熱)、配管内を流れている温度調整媒体から熱が吸収されるため、磁気作業物質A1によって冷却された温度調整媒体の温度がさらに低下する。
このように、上流側に配置されている磁気作業物質A1によって冷却された温度調整媒体を、下流側に配置されている磁気作業物質A2によってさらに冷却することにより、温度調整媒体の温度を複数の磁気作業物質により連続的に効率よく調整することができる。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
以下では、磁気遮蔽体24が図1に示す位置(磁気作業物質23b1、23b2、23d1、23d2に磁界が印加されている状態)から回転する場合(図2及び図3では、時計方向に回転)について、図6〜図11を用いて説明する。図9は図6のIX−IX線矢視図であり、図10は図7のX−X線矢視図であり、図11は図8のXI−XI線矢視図である。
なお、図1では、aグループ及びcグループの磁気作業物質によって、ポンプ40側から供給される温度調整媒体を被温度調整体60側に流す配管77a及び77c内の温度調整媒体を冷却し、bグループ及びdグループの配管74b及び74dを介して被温度調整体60側からポンプ40側に温度調整媒体を戻すため、切替弁30の回転体31に設けられているロータリー弁31aは、配管71を第1のグループの共通配管76に接続し、ロータリー弁31bは、配管72を第2のグループの共通配管73に接続している。
この状態で、駆動装置によって磁気遮蔽体24が図6に示す位置まで回転すると、bグループ及びdグループの、ポンプ40側に配置されている磁気作業物質23b1及び磁気作業物質23d1と磁界発生装置21との間に磁気遮蔽体24の磁気遮蔽部24aが位置する(図9参照)。すなわち、bグループ及びdグループの温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質23b1及び23d1と磁界発生装置21との間に磁気通過部が位置する状態から磁気遮蔽部が位置する状態に変化する。
磁気遮蔽体24がこの位置に達すると、ポンプ40側から被温度調整体60側に供給される温度調整媒体を冷却する磁気作業物質が、aグループ及びcグループの磁気作業物質からbグループ及びdグループの磁気作業物質に切り替えられる。すなわち、切替弁30の回転体31に設けられているロータリー弁31aは、配管71を第2のグループの共通配管73に接続し、ロータリー弁31bは、配管72を第1のグループの共通配管76に接続するように切り替わる。
これにより、貯留槽50に貯留されている温度調整媒体は、ポンプ40、配管71、ロータリー弁31a、第2のグループの共通配管73、配管74b、74d、第2のグループの共通配管75、熱交換器61、第1のグループの共通配管78、配管77a、77c、第1のグループの共通配管76、ロータリー弁31b、配管72を介して貯留層50に戻る循環装置を流れる。
図6に示す状態では、bグループの磁気作業物質23b1及びdグループの磁気作業物質23d1に印加される磁界が弱められ、磁気作業物質23b1及び23d1の温度が低下する。一方、bグループの磁気作業物質23b2及びdグループの磁気作業物質23d2と磁界発生装置21が対向する位置に磁気遮蔽体24の磁気遮蔽部24が位置するため、磁気作業物質23b1及び23d1の温度は低下しない。
磁気遮蔽体24がさらに回転し、磁気遮蔽体24が図7に示す位置まで回転すると、bグループの、磁気作業物質23b1より被温度調整体60側に配置されている磁気作業物質23b2及びdグループの、磁気作業物質23d1より被温度調整体60側に配置されている磁気作業物質23d2と磁界発生装置21との間に磁気遮蔽体24の磁気遮蔽部24bが位置する(図10参照)。すなわち、bグループの、磁気作業物質23b1より被温度調整体60側に配置されている磁気作業物質23b2及びdグループの、磁気作業物質23d1より被温度調整体側に配置されている磁気作業物質23d2と磁界発生装置21との間に磁気通過部が位置する状態から磁気遮蔽部が位置する状態に変化する。
これにより、磁気作業物質23b2及び23d2の温度が低下し、配管74b及び74d内を流れてきた、磁気作業物質23b1及び23d1によって冷却された温度調整媒体は、磁気作業物質23b2及び23d2によってさらに冷却される。
磁気遮蔽体24がさらに回転し、磁気遮蔽体24が図8に示す位置まで回転すると、aグループ及びcグループの、ポンプ40側に配置されている磁気作業物質23a1及び23c1と磁界発生装置21との間に磁気遮蔽体24の磁気遮蔽部24aが位置する(図11参照)。すなわち、aグループcグループの温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質23a1及び23c1と磁界発生装置21との間に磁気通過部が位置する状態から磁気遮蔽部が位置する状態に変化する。
磁気遮蔽体24がこの位置に達すると、ポンプ40側から被温度調整体60側に供給される温度調整媒体を冷却する磁気作業物質が、bグループ及びdグループの磁気作業物質からaグループ及びcグループの磁気作業物質に切り替えられる。すなわち、切替弁30の回転体31に設けられているロータリー弁31aは、配管72を第2のグループの共通配管73に接続し、ロータリー弁31bは、配管71を第1のグループの共通配管76に接続するように切り替わる。
これにより、貯留槽50に貯留されている温度調整媒体は、ポンプ40、配管71、ロータリー弁31b、第1のグループの共通配管76、配管77a、77c、第1のグループの共通配管75、熱交換器61、第2のグループの共通配管78、配管74b、74d、第2のグループの共通配管73、ロータリー弁31a、配管72を介して貯留層50に戻る循環装置を流れる。
以後、同様にして、aグループ及びbグループの磁気作業物質による温度調整媒体の冷却と、bグループ及びdグループの磁気作業物質による温度調整媒体の冷却が交互に行われる。
以上のように、本実施の形態では、磁界発生装置と磁気作業物質との間に磁気遮蔽体を回転可能に設け、磁気遮蔽体を回転させることによって磁気作業物質への磁界の印加及び磁気作業物質への磁界の印加を阻止するように構成しているため、磁気遮蔽体を回転させる駆動装置を小型化することができるとともに、駆動装置での電力消費を低減することができる。これにより、小型に構成することができるとともに、効率を高めることができる。
また、磁気作業物質をグループに分け、温度調整媒体の冷却をグループ毎に順次行うため、効率がよい。
また、磁気遮蔽体の内周側に磁界発生装置を、外周側に磁気作業物質を配置しているため、磁気作業物質を種々のパターンで配置することができるとともに、各磁気作業物質と配管を結合する作業を容易に行うことができる。
また、各グループの磁気作業物質を各グループに対応する配管に沿って配置し、各グループの磁気作業物質によって温度調整媒体を冷却する際、ポンプ側(温度調整媒体供給装置側)に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順に時間遅れを持たせて温度調整媒体の冷却を行うように構成している。すなわち、磁界が印加されている状態から磁界の印加が阻止された状態に変化する時期を、各グループ内の、ポンプ側(温度調整媒体供給装置側)に配置されている磁気作業物質から、被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次時間遅れ時間だけ遅らせている。これにより、複数の磁気作業物質によって温度調整媒体を連続的に効率よく冷却することができる。
さらに、磁気遮蔽体の外周側に配置する各グループの磁気作業物質の配置パターンと、磁界発生装置と磁気作業物質の間に回転可能に設けられている磁気遮蔽体の磁気通過部の配置パターン(形状を含む)によって、磁気作業物質に印加する磁界の変化時期を設定しているため、磁気作業物質に印加する磁界の変化時期を容易に、種々のパターンに設定あるいは変更することができる。
また、上流側に配置されている磁気作業物質に磁界が印加されている状態から磁界の印加が阻止された状態に変化する時期より前に、下流側に隣接して配置されている磁気作業物質への磁界の印加が阻止されている状態から磁界が印加される状態に変化するように構成する場合には、より確実に温度調整媒体を連続して効率よく冷却することができる。
第1の実施の形態では、熱交換器61を流れる温度調整媒体の流れ方向が、磁気遮蔽体24の回転位置によって反転している。ここで、熱交換器61内の温度調整媒体の流れ方向を同じ方向にできれば、さらに熱交換器の熱効率を向上できる。
ポンプ側(温度調整媒体供給装置側)の共通配管だけでなく被温度調整体側の共通配管にも切替弁を設けた第2の実施の形態を図12及び図13に示す。
なお、図12は、第1のグループ(aグループ及びcグループ)の磁気作業物質により、ポンプ側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体の冷却を行っている時の状態を示す図であり、図13は、第2のグループ(bグループ及びdグループ)の磁気作業物質により、ポンプ側から被温度調整側に供給される温度調整媒体の冷却を行っている時の状態を示す図である。
切替弁80を除く構成要素は第1の実施の形態と同様であるため、切替弁80についてのみ説明する。
切替弁80は、磁気遮蔽体24の回転と同期して回転する回転体81を有している。回転体81には、ロータリー弁81a及び81bが設けられている。ロータリー弁81a及び81bは、磁気遮蔽体24が、第1のグループ(aグループ及びcグループ)の磁気作業物質23a1と23a2、23c1と23c2により、ポンプ側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体の冷却を行う回転位置(例えば、図12に示す位置)に位置する時には、それぞれ、配管91と第1のグループの共通配管78、配管92と第2のグループの共通配管75を接続する。また、磁気遮蔽体24が、第2のグループ(bグループ及びdグループ)の磁気作業物質23b1と23b2、23d1と23d2により、ポンプ側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体の冷却を行う回転位置(例えば、図13に示す位置)に位置する時には、それぞれ、配管91と第2のグループの共通配管75、配管92と第1のグループの共通配管78を接続する。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
磁気遮蔽体24が、図12に示す位置に位置し、aグループの磁気作業物質23a1及び23a2とcグループの磁気作業物質23c1及び23c2により、ポンプ側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体の冷却が行われているものとする。
この時、切替弁30及び80は、図12に示す状態に切り替えられる。
これにより、貯留槽50に貯留されている温度調整媒体は、ポンプ40、配管71、ロータリー弁31b、第1のグループの共通配管76、配管77a、77c、第1のグループの共通配管78、ロータリー弁81b、配管91、熱交換器61、配管92、ロータリー弁81a、第2のグループの共通配管75、配管74b、74d、第2のグループの共通配管73、ロータリー弁31a、配管72を介して貯留層50に戻る循環装置を流れる。
この場合、磁気作業物質23a1及び23a2、23c1及び23c2によって冷却された温度調整媒体は、熱交換器61を配管91側から配管92側の方向に流れる。
次に、駆動装置によって、磁気遮蔽体24が図13に示す位置に回転すると、bグループの磁気作業物質23b1及び23b2とdグループの磁気作業物質23d1及び23d2により、ポンプ側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体の冷却が行われる。
この時、切替弁30及び80は、図13に示す状態に切り替えられる。
これにより、貯留槽50に貯留されている温度調整媒体は、ポンプ40、配管71、ロータリー弁31a、第2のグループの共通配管73、配管74b、74d、第2のグループの共通配管75、ロータリー弁81a、配管91、熱交換器61、配管92、ロータリー弁81b、第1のグループの共通配管78、配管77a、77c、第1のグループの共通配管76、ロータリー弁31b、配管72を介して貯留層50に戻る循環装置を流れる。
この場合も、磁気作業物質23b1及び23b2、23d1及び23d2によって冷却された温度調整媒体は、熱交換器61を配管91側から配管92側の方向に流れる。
本実施の形態では、熱交換器61には、磁気遮蔽体24の位置に関係なく同じ方向に温度調整媒体が流れる。これにより、熱交換器の効率の低下を防止することができる。
第1及び第2の実施の形態では、aグループ〜dグループの磁気作業物質を2個の磁気作業物質により構成したが、各グループを3個以上の磁気作業物質により構成することもできる。
aグループ〜dグループの磁気作業物質を4個の磁気作業物質により構成した第3の実施の形態を図14〜図16に示す。
なお、図14〜図16は、bグループとdグループの磁気作業物質によって、ポンプ側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体の冷却が行われて時の状態を示す図である。さらに、図14〜図16は、bグループの各磁気作業物質に印加されている磁界の変化時期の状態を示す図である。
本実施の形態では、磁気作業物質123a1〜123a4によってaグループの磁気作業物質が構成され、磁気作業物質123b1〜123b4によってbグループの磁気作業物質が構成され、磁気作業物質123c1〜123c4によってcグループの磁気作業物質が構成され、磁気作業物質123d1〜123d4によってdグループの磁気作業物質が構成されている。また、各グループの磁気作業物質は、磁気遮蔽体124の外周に沿った異なる位置に、磁気遮蔽体124の軸方向に沿って配置されている。
また、磁気遮蔽体124の磁気通過部124b及び124cは、各グループの磁気作業物質が結合されている配管を介して温度調整媒体がポンプ側(温度調整媒体供給装置側)から被温度調整体側に供給される時に、各磁気作業物質に印加される磁界の変化時期(例えば、磁界が印加されている状態から磁界の印加が阻止された状態に変化した時期)が、当該グループの、ポンプ側に配置されている磁気作業物質から、被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅れるように形成されている。
本実施の形態では、駆動装置によって、磁気遮蔽体124が図14に示す位置に達すると、bグループの、ポンプ側に配置されている磁気作業物質123b1及びdグループの、ポンプ側に配置されている磁気作業物質123d1と磁界発生装置とが対向する位置に磁気遮蔽体124の磁気遮蔽部124aが位置する。
すなわち、磁気作業物質123b1及び123d1に磁気通過部124b及び124cを介して磁界が印加されている状態から磁界の印加が阻止された状態となる。これにより、磁気作業物質123b1および123d1の温度が低下し、磁気作業物質123b1及び123d1による温度調整媒体の冷却が開始される。
磁気遮蔽体124がさらに回転し、図15に示す位置に達すると、bグループ及びdグループの、磁気作業部室123b1及び123d1より被温度調整体側に配置されている磁気作業物質123b2及び123d2と磁界発生装置とが対向する位置に磁気遮蔽体124の磁気遮蔽部124aが位置する。
すなわち、磁気作業物質123b2及び123d2に磁気通過部124b及び124cを介して磁界が印加されている状態から磁界の印加が阻止された状態となる。これにより、磁気作業物質123b2及び123d2の温度が低下し、磁気作業物質123b2及び123d2による温度調整媒体の冷却が開始される。
磁気遮蔽体124がさらに回転し、図16に示す位置に達すると、同様にして、磁気作業物質123bb及び123d3による温度調整媒体の冷却が開始される。
そして、磁気遮蔽体124の回転によって、他のグループの、ポンプ側に配置されている磁気作業物質に磁界が印加されている状態から磁界の印加が阻止された状態に変化すると、他のグループの磁気作業物質による温度調整媒体の冷却動作が開始される。
以上では、同時に2つのグループの磁気作業物質によって温度調整媒体の冷却を行ったが、3つ以上のグループの磁気作業物質によって温度調整媒体の冷却を行うこともできる。
同時に、4つのグループの磁気作業物質によって、ポンプ側から被温度調整体側に温度調整媒体を流す配管内の温度調整媒体を冷却する第4の実施の形態を図17に示す。
本実施の形態では、磁気作業物質223a1〜223a4、磁気作業物質223b1〜223b4、磁気作業物質223c1〜223c4、磁気作業物質223d1〜223d4、磁気作業物質223e1〜223e4、磁気作業物質223bf〜223f4(図示省略)、磁気作業物質223g1〜223g4(図示省略)、磁気作業物質223h1〜223h4(図示省略)によってそれぞれaグループ〜hグループの磁気作業物質が構成されている。また、各グループの磁気作業物質は、磁気遮蔽体224の外周に沿った異なる位置にグループ毎に配置されているとともに、各グループ内の磁気作業物質は、磁気遮蔽体224の軸方向に沿って配置されている。
また、磁気遮蔽体224の磁気通過部224b〜224eは、各グループの磁気作業物質が結合されている配管を介して温度調整媒体がポンプ側から被温度調整体側に供給される時に、各磁気作業物質に印加される磁界の変化時期(例えば、磁界が印加されている状態から磁界の印加が阻止された状態に変化した時期)が、当該グループの、ポンプ側に配置されている磁気作業物質から、被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅れるように形成されている。
本実施の形態においても、前述した実施の形態と同様に、各グループの磁気作業物質に印加する磁界の変化時期は、ポンプ側に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次時間遅れを持たせている。
また、以上の実施の形態では、磁気作業物質を磁気遮蔽体の軸線(中心線)に平行に配置し、磁気通過部を磁気遮蔽部に螺旋状に配置(形成を含む)したが、磁気作業物質と磁気通過部の配置態様はこれに限定されない。
磁気作業物質を磁気遮蔽体の外周に螺旋状に配置し、磁気通過部を磁気遮蔽体の軸線に平行に配置した、第5の実施の形態を図18に示す。
本実施の形態では、磁気作業物質323a1〜323a3によってaグループの磁気作業物質が構成され、磁気作業物質323b1〜323b3によってbグループの磁気作業物質が構成され、磁気作業物質323c1〜323c3によってcグループの磁気作業物質が構成され、磁気作業物質323d1〜323d3(図示省略)によってdグループの磁気作業物質が構成されている。
そして、各グループの磁気作業物質は、磁気遮蔽体324の外周に沿った異なる位置に、磁気遮蔽体324の軸線方向の中心線に対して螺旋状に形成されている。
また、磁気遮蔽体324の磁気通過部324b及び324cは、各グループの磁気作業物質が結合されている配管を介して温度調整媒体がポンプ側(温調整媒体供給装置側)から被温度調整体側に供給される時に、各磁気作業物質に印加される磁界の変化時期(例えば、磁界が印加されている状態から磁界の印加が阻止された状態に変化した時期)が、当該グループの、ポンプ側に配置されている磁気作業物質から、被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅れるように形成されている。本実施の形態では、磁気通過部324b及び324cは、磁気遮蔽部の外周に、磁気遮蔽部の軸線に平行に形成されたスリットにより構成されている。
本実施の形態においても、前述した実施の形態と同様に、各グループの磁気作業物質に印加する磁界の変化時期は、ポンプ側に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次時間遅れを持たせている。
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
例えば、磁気通過部を螺旋状に形成された1つのスリットによって構成したが、螺旋状に形成された複数のスリットにより構成することもできる。さらに、複数のスリットを螺旋状に配置することもできる。この場合、螺旋形状としては、種々の形状を用いることができる。
また、温度調整媒体供給装置側から供給される温度調整媒体を被温度調整体側に流す配管に沿って配置されている磁気作業物質に印加する磁界の変化時期を、温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅らせることができれば、磁気作業物質の配置態様や磁気遮蔽部及び磁気通過部の配置態様(数や形状を含む)等は種々変更することができる。
また、温度調整媒体供給装置側から供給される温度調整媒体を被温度調整体側に流す配管と被温度調整体側から温度調整媒体供給装置側に戻す配管を兼用して用いたが、温度調整媒体供給装置側から供給される温度調整媒体を被温度調整体側に流す配管と被温度調整体側から温度調整媒体供給装置側に戻す配管を別々に設けることもできる。この場合、少なくとも、温度調整媒体供給装置側から供給される温度調整媒体を被温度調整体側に流す配管に沿って磁気作業物質を配置し、磁気作業物質に印加する磁界の変化時期を、温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅らせる構成を備えていればよい。
また、磁気作業物質の温度低下によって温度調整媒体の温度を低下させる磁気式温度調整装置について説明したが、本発明は、磁気作業物質の温度の上昇によって温度調整媒体の温度を上昇させる磁気式温度調整装置として構成することもできる。この場合には、温度調整媒体として被温度調整体の温度を上昇させる媒体を用い、磁気作業物質に磁界を印加する時期を、温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅れを持たせるように構成する。この場合においても、磁気作業物質の配置態様や磁気遮蔽部及び磁気通過部の配置態様を適宜変更することができる。
また、断面が十字状に形成された4つの磁極の先端部に永久磁石を配置した磁界発生装置を用いたが、磁極の数や配置形状は適宜変更可能である。さらに、磁界発生装置は、磁界を発生することができればよく、永久磁石で構成された磁界発生装置に限定されない。
また、被温度調整体と熱交換を行う温度調整媒体を循環させる循環装置と、温度調整媒体の温度を調整する温度調整装置を備える調整装置であって、温度調整装置として本発明の磁気式温度調整装置を用いた調整装置として構成することもできる。
また、温度調整媒体を循環させる循環装置に貯留槽を設けたが、貯留槽は省略することもできる。
第1の実施の形態の概略構成図である。 図1のII−II線矢視図である。 図1のIII−III線矢視図である。 第1の実施の形態で用いている磁気式温度調整装置の展開図である。 本発明の概念を説明する図である。 第1の実施の形態の動作を説明する図である。 第1の実施の形態の動作を説明する図である。 第1の実施の形態の動作を説明する図である。 図6のIX−IX線矢視図である。 図7のX−X線矢視図である。 図8のXI−XI線矢視図である 第2の実施の形態の概略構成図である。 第2の実施の形態の概略構成図である。 第3の実施の形態の概略構成図である。 第3の実施の形態の概略構成図である。 第3の実施の形態の概略構成図である。 第4の実施の形態の概略構成図である。 第5の実施の形態の概略構成図である。
符号の説明
10 調整装置
20、120、220、320 温度調整装置
21 磁界発生装置
22、122、222、322 ヨーク
23a1、23a2、23b1、23b2、23c1、23c2、23d1、23d2、123a1〜123a4、123b1〜123b4、123c1〜123c4、123d1〜123d4、223a1〜223a4、223b1〜223b4、223c1〜223c4、223d1〜223d4、223e1〜23e4、323a1〜323a3、323b1〜323b3、323c1〜323c3、323d1〜323d3 磁気作業物質
24、124、224、324 磁気遮蔽体
24a、124a、224a、324a 磁気遮蔽部
24b、24c、124b、124c、224b〜224e、324b、324c 磁気通過部
30、80 切替弁
31a、31b、81a、81b ロータリー弁
40 ポンプ
50 貯留槽
60 被温度調整体(被冷却体)
61 熱交換器
71、72、73a、73b、74b、74d、75、76、77a、77c、78、91、92、173、174b、174d、175、176、177a、177c、178、273、274c、274d、275、276、277a、277c、277e、278、373、374b、374d、375、376、377a、377c、378 配管

Claims (6)

  1. 印加される磁界が変化することによって温度が変化する磁気作業物質、前記磁気作業物質に印加する磁界を変化させる磁界変化装置、温度調整媒体を供給する温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体を、当該温度調整媒体と前記磁気作業物質との間での熱交換が可能となるように流す温度調整媒体用配管を備える磁気式温度調整装置であって、
    前記磁気作業物質は、温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体を流す温度調整媒体用配管に沿って複数配置されており、
    前記磁界変化装置は、温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体を流す温度調整媒体用配管に沿って配置されている各磁気作業物質に印加する磁界を変化させる時期を、温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅らせるように構成されている、
    ことを特徴とする磁気式温度調整装置。
  2. 請求項1に記載の磁気式温度調整装置であって、
    前記磁界変化装置は、磁界発生装置と、前記磁界発生装置の外周に回転可能に配置された筒状の磁気遮蔽体を有し、
    前記複数の磁気作業物質は、前記磁気遮蔽体の外周側に、当該磁気遮蔽体の軸方向に沿って配置され、
    前記磁気遮蔽体は、前記磁界発生装置から発生する磁界を通過させる磁気通過部と、前記磁界発生装置から発生する磁界の通過を阻止する磁気遮蔽部を有し、
    前記磁気通過部と磁気遮蔽部は、前記各磁気作業物質と前記磁界発生装置との間に位置し、前記磁気通過部が位置する状態から前記磁気遮蔽部が位置する状態に変化する時期が、温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅れるように構成されている、
    ことを特徴とする磁気式温度調整装置。
  3. 請求項1に記載の磁気式温度調整装置であって、
    前記複数の磁気作業物質は、少なくとも第1及び第2のグループに分けられているとともに、前記温度調整媒体用配管は、少なくとも第1及び第2のグループの温度調整媒体用配管を有し、前記第1のグループの複数の磁気作業物質は、前記第1のグループの温度調整媒体用配管に沿って配置され、前記第2のグループの複数の磁気作業物質は、前記第2のグループの温度調整媒体用配管に沿って配置されており、
    また、温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体をいずれかのグループの温度調整媒体用配管に流し、被温度調整体側から温度調整媒体供給装置側に戻される温度調整媒体を他のグループの温度調整媒体用配管に流す切替装置を備え、
    前記磁界変化装置は、磁界発生装置と、前記磁界発生装置の外周に回転可能に配置された筒状の磁気遮蔽体を有し、
    前記第1及び第2のグループの複数の磁気作業物質は、前記磁気遮蔽体の外周側に、当該磁気遮蔽体の軸方向に沿って各グループ毎に配置され、
    前記磁気遮蔽体は、前記磁界発生装置から発生する磁界を通過させる磁気通過部と、前記磁界発生装置から発生する磁界の通過を阻止する磁気遮蔽部を有し、
    前記磁気通過部と磁気遮蔽部は、前記切替装置により、温度調整媒体供給装置側から被温度調整体側に供給される温度調整媒体が流れるように切り替えられている、前記いずれかのグループの温度調整媒体用配管に沿って配置されている各磁気作業物質と前記磁界発生装置との間に前記磁気通過部が位置する状態から前記磁気遮蔽部が位置する状態に変化する時期が、温度調整媒体供給装置側に配置されている磁気作業物質から被温度調整体側に配置されている磁気作業物質の方向に、順次遅れるように構成されている、
    ことを特徴とする磁気式温度調整装置。
  4. 請求項2または3に記載の磁気式温度調整装置であって、
    前記複数の磁気作業物質及び前記磁気通過部の少なくともいずれか一方が、前記磁気遮蔽体の軸方向の中心線に対して螺旋状に配置されている、
    ことを特徴とする磁気式温度調整装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の磁気式温度調整装置であって、
    磁気遮蔽体の軸方向に隣接して配置されている磁気作業物質に印加する磁界を変化させる時期の遅れ時間は、温度調整媒体が、前記隣接して配置されている磁気作業物質のうち温度調整媒体の上流側に配置されている磁気作業物質から下流側に配置されている磁気作業物質の配置位置に達する時間に応じて設定される、
    ことを特徴とする磁気式温度調整装置。
  6. 温度調整媒体、前記温度調整媒体を、当該温度調整媒体と被冷却体との間での熱交換が可能に循環させる循環装置、前記循環装置を循環する温度調整媒体の温度を調整する温度調整装置を備える調整装置であって、前記温度調整装置として請求項1〜5のいずれかに記載の温度調整装置を用いたことを特徴とする調整装置。
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