JP2009281683A - 磁気冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダクトにおいて、磁気作業物質8が充填される中央ダクトの内壁面7aには、磁気作業物質8が略半分嵌合する径及び深さとなる多数のディンプル20,20・・が凹設されている。よって、磁気作業物質8は、内壁面7aではディンプル20に嵌合して略半分が没入する格好で保持され、内壁面7aに沿った冷却流体の流れに抵抗を生じさせる。よって、内壁面7aに沿った冷却流体の流量割合が減少し、各充填室内の磁気作業物質8への冷却流体の接触量が増加する。
【選択図】図4
Description
そこで、本件出願人は、特許文献1において、磁場発生手段として永久磁石を用いた磁気冷凍装置を提案している。
この磁気冷凍装置においては、回転子の回転に伴う永久磁石の接近により、磁気作業物質が増磁されて温度上昇し、永久磁石の離反により、磁気作業物質が減磁されて温度低下する。このタイミングに合わせて、冷却流体循環手段がダクト間を通るように冷却流体を循環させることで、ダクトの低温配管接続側の温度を冷凍能力と熱負荷とがバランスする温度まで低下させる一方、高温配管接続側の温度は排熱交換器の排熱能力と冷凍能力とがバランスした一定温度となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、流れ抑制手段を簡単且つ合理的に構成するために、流れ抑制手段を、内壁面に凹設されて磁気作業物質を部分的に嵌合させる複数のディンプルとしたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、好適な流れ抑制手段を得るために、流れ抑制手段を、磁気作業物質の粒径の1/2から粒径の間となる高さ寸法で内壁面に突設された複数の突起としたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、流れ抑制手段を簡単に形成するために、流れ抑制手段を、内壁面に固着された磁気作業物質としたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、磁気作業物質を利用した流れ抑制手段を簡単且つ合理的に構成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、突起によって冷却流体を中央側へ導く効果的な抵抗を生じさせることができ、好適な流れ抑制手段を得ることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、簡単な構成で流れ抑制手段を形成することができ、且つ流れ抑制手段が磁気作業物質であることから熱交換効率が向上する。
図1は、磁気冷凍装置の一例を示す全体図で、磁気冷凍装置1において、装置本体2は、軸方向の前後端が閉塞され、内部を真空気密状態とした中空筒状の固定子3と、その固定子3内の軸心にあって、軸対称となる周面に一対の永久磁石5,5を放射状に取着した回転子4とを備える。回転子4は、前後端が夫々固定子3によって回転可能に軸支されて、減速機を介して連結された図示しないサーボモータ(駆動手段)によって回転制御される。
一方、中央ダクト7の内部には、中央ダクト7内を厚み方向で二分する横板部17と、その横板部17へ直交状に連設され、中央ダクト7内を長手方向で10分割する縦板部18,18・・とからなる仕切り板16が設けられて、中央ダクト7の内部を、端部ダクト10,11間を接続する互いに平行な20個の充填室19,19・・に区分している。磁気作業物質8は、各充填室19へ等分に充填される。
まず永久磁石5,5が0°の位置(図1に示す位置)にある時、この0°及び180°の位置にあるダクト6A,6Aの磁気作業物質8A,8Aは、増磁されて温度が上昇する。一方、これと90°位相が異なる90°及び270°の位置にあるダクト6B,6Bの磁気作業物質8B,8Bは減磁されて温度が低下する。
この時、ロータリー弁25を介して冷却流体を、実線矢印で示すように、循環機26→90°位置のダクト6Bの高温配管22B→当該位置のダクト6B→低温配管21B→270°位置のダクト6Bの高温配管22B→当該位置のダクト6B→低温配管21B→冷却器23→180°位置のダクト6Aの低温配管21A→当該位置のダクト6A→高温配管22A→0°位置のダクト6Aの低温配管21A→当該位置のダクト6A→高温配管22A→ロータリー弁25→排熱交換器27→循環機26の順に循環させる。
よって、温度低下した磁気作業物質8Bで冷却された冷却流体は、冷却器23で被冷却体24を冷却した後、増磁されて温度が上昇した磁気作業物質8Aを冷却して排熱交換器27に戻り、仕事分の熱量を放出する。
この回転を繰り返すことによって、各ダクト6の低温配管21接続側の温度は冷凍能力と熱負荷とがバランスする温度まで低下する。一方、各ダクト6の高温配管22接続側の温度は排熱交換器27の排熱能力と冷凍能力とがバランスしてほぼ一定温度になる。
さらに、内壁面7a際を流れる冷却流体は、ディンプル20に嵌合して中央ダクト7の内壁面7aから突出する磁気作業物質8に当接するため、内壁面7aに沿った流れに抵抗が生じて圧力損失が増大する。よって、内壁面7aに沿った冷却流体の流量割合が減少し、各充填室19内の磁気作業物質8への冷却流体の接触量が増加する。
特にここでは、流れ抑制手段を、内壁面に凹設されて磁気作業物質8を部分的に嵌合させる複数のディンプル20としたことで、磁気作業物質8を利用した流れ抑制手段を簡単且つ合理的に構成することができる。
また、流れ抑制手段としては、上記形態のディンプルに限らず、例えば図5(A)に示すように、中央ダクト7の内壁面7aに半球状の突起31,31・・を直接突設したりしてもよい。勿論この突起も半球状に限らず、図5(B)に示すような円柱状の突起32,32・・としたり、図5(C)に示すように、冷却流体の流れに直交する方向に長くなる断面山形の突起33,33・・としたり等、適宜設計変更可能である。但し、このような突起を利用する場合は、内壁面からの突設高さを、磁気作業物質の粒径の1/2から粒径の間で設定すれば、冷却流体を中央側へ導く効果的な抵抗を生じさせることができる。なお、粒径が不均一の場合は、平均粒径(累積分布が50%となる粒径)を目安にして突設高さを設定すればよい。
さらに、磁気熱量効果の大きい材料を内壁面に複数固着することで、流れに抵抗を生じさせると共に熱交換効率の向上を図ることもできるし、内壁面にウール状や多孔体のスペーサを設けて流れの抵抗を図ることもできる。
さらに、流れ抑制手段は一種類の採用に限らず、例えば中央ダクトの内壁面ではディンプルを形成し、仕切り板の表面では突起を形成する等、ダクトの形態等に応じて複数種類の流れ抑制手段を併用することは可能である。
その他、ダクトの形態も上記構造に限らず、仕切り板を省略したり、入口及び出口の位置を変更したり、端部ダクトの間を複数の筒状の中央ダクトで接続したり等、適宜設計変更可能である。
Claims (4)
- 駆動手段によって回転し、周面に永久磁石を固着した回転子と、その回転子を軸支し、内面側に、磁場の増減に応じて温度が変化する粒状の磁気作業物質を充填して前記永久磁石と近接するダクトを配置した筒状の固定子とを有する装置本体と、
前記ダクト間を接続して形成される循環経路に冷却流体を循環させる冷却流体循環手段と、
前記循環経路に設けられ、前記冷却流体と被冷却体との間で熱交換を行う熱交換器と、を備えてなる磁気冷凍装置であって、
前記ダクトの内壁面に、前記冷却流体の前記内壁面に沿った流れに抵抗を生じさせる流れ抑制手段を設けたことを特徴とする磁気冷凍装置。 - 前記流れ抑制手段を、前記内壁面に凹設されて前記磁気作業物質を部分的に嵌合させる複数のディンプルとしたことを特徴とする請求項1に記載の磁気冷凍装置。
- 前記流れ抑制手段を、前記磁気作業物質の粒径の1/2から前記粒径の間となる高さ寸法で前記内壁面に突設された複数の突起としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気冷凍装置。
- 前記流れ抑制手段を、前記内壁面に固着された前記磁気作業物質としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の磁気冷凍装置。
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