JP2006306995A - 重合性防曇剤、重合性防曇組成物および防曇コーティング剤 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、表面に曇りが発生しやすく、使用時の作業性を低下させる。また潜水用のゴーグルのように、使用中に曇りが発生した場合にも容易に除去することが出来ない用途もあり、高性能の防曇剤が求められている。
このような状況から、近年、防曇性を付与する材料や技術が盛んに研究され、種々提案されている。
このような水膜を保持させる方法として、特許文献1では、無機アルコキシドの加水分解物にシリカ等の無機フィラーを添加した親水性塗料組成物が知られ、特許文献2では、これに更に光触媒等を添加したものが知られている。
また、特許文献3、4では、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、セルロース、水ガラスなどのバインダー皮膜中に、界面活性剤や水溶性ポリマー等を分散させ、これを表面から溶出させるタイプの防曇剤が示されているほか、特許文献5には、表面に0.1〜50nmの凹凸構造を形成することにより、基材表面に水濡れ性を付与する防曇方法も提案されている。
しかしながら、これら既存の水膜保持型の防曇材は、使用時に水かけ等で表面に水膜を形成しなければ防曇性が得られないため不便であり、強度も不十分なため、使用するうちに防曇性が失われる等の欠点があった。
しかし、これらの従来型の吸湿型防曇剤は、吸湿により塗膜の強度が極度に低下するという問題があり、また塗膜の強度を高めるため、素材をハイブリッド化したものにおいては、ハイブリッド化による樹脂の白濁化や、防曇性の低下などの問題が発生しているため、最適なものが得られない問題があった。
このため、これらの問題を解決することのできる、新規な構造の化合物を用いた防曇剤の開発が熱望されていた。
[1]、式(1)で表される重合性防曇剤。
[2]、前記[1]項に記載の重合性防曇剤20〜90質量%と、式(2)で表される無機アルコキシド10〜80質量%含む重合性防曇組成物。
[3]、式(1)で表される重合性防曇剤を含む重合性原料を重合して得た重量平均分子量5000〜1000000の防曇性重合体を20〜90質量%含有してなる防曇コーティング剤。
[4]、式(2)で表される無機アルコキシドを更に10〜80質量%含有してなる前記[3]項に記載の防曇コーティング剤。
で表されるウレタン結合含有グリセロール(メタ)アクリレート化合物(以下、化合物(1)と略記することもある)である。
前記、化合物(1)の重合性防曇剤の具体例としては、例えば、グリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン、グリセロール−1−メタクリロイルオキシプロピルウレタン等が挙げられ、合成のし易さからグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタンが好ましく挙げられる。
で表される環状ケタールと式(4)
で表される(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアナートとをウレタン化反応させ、式(5)
で表される化合物を得、これを触媒の存在下に水含有溶媒中で加水開環反応させることにより得ることができる。
で表されるカルボニル化合物とを、塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸などの触媒存在下に、石油エーテル、ベンゼン、トルエンなどの溶媒中で環化反応させた合成物を用いることもできる。式(6)で表されるカルボニル化合物としては、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、3−ペンタノンが挙げられ、反応後の除去の容易さからアセトンが好ましく挙げられる。
前記、式(3)で表される環状ケタールと、式(4)で表される(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアナートとを、ウレタン化反応させる際の該環状ケタールの量は、該(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアナートに対し、モル比で1.1〜3倍量が好ましい。このウレタン化反応は、触媒を用いなくても進行するが、反応時間を短縮できる点から、ウレタン化反応用触媒を用いるのが好ましい。
ウレタン化反応用触媒を用いる場合の使用量は、(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアナート100質量部に対して通常0.001〜50質量部、好ましくは0.01〜30質量部、最も好ましくは0.1〜10質量部である。
尚、加水開環反応の進行に伴い、反応系内にカルボニル化合物が副生成することがあるが、反応時間を短縮する目的で、副生成するカルボニル化合物を減圧留去などの手段により反応系内から除去することが好ましい。
本発明において、式(1)で表されるウレタン結合含有グリセロール(メタ)アクリレート化合物からなる重合性防曇剤を用いるにあたり、式(1)で表されるウレタン結合含有グリセロール(メタ)アクリレート化合物を単独で重合性防曇剤として用いても良いが、重合性防曇剤に、必要に応じて、化合物(1)と共重合可能な他の単量体、ラジカル開始剤、無機アルコキシド、重合性防曇組成物用の触媒、重合性防曇組成物用の溶媒を加えて、重合性防曇組成物として用いてもよい。
また特に架橋性モノマーを含ませる場合は、架橋性モノマー以外のモノマーに対して架橋性モノマーを0.1〜10質量%の範囲で含ませるのがよく、更には1〜5質量%の範囲で含ませるのがよい。
ウレタン結合含有グリセロール(メタ)アクリレート化合物は、それ自身の持つ光重合性により、紫外線、可視光、電子線等により硬化反応が進行し、防曇皮膜を形成するため、必ずしもラジカル開始剤を重合性防曇組成物に含ませる必要はないが、硬化反応を促進させる点からは、ラジカル開始剤を含ませるのがよく、含量は重合性防曇組成物全体に対して0.1〜5質量%である。
式(2)中、MはSi、Al、Ti、Zr、Ca、Fe、V、Sn、Li、Be、B、及びPからなる群から選択される無機原子であり、Yは炭素数1〜4のアルキル基であり、Xは脂肪族アルキル基、芳香族アルキル基、官能基を有する脂肪族アルキル基、官能基を有する芳香族アルキル基、又はハロゲン原子から選ばれるいずれかであり、aはMの原子価と同じ数であり、またmは1からaまでの整数である。
前記、Xの脂肪族アルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる、好ましくはメチル基またはエチル基が挙げられる。
前記、Xの芳香族アルキル基としては、具体的にはベンジル基、フェニル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基が挙げられる。
前記、Xの官能基を有する脂肪族アルキル基としては、具体的にはカルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基等を有する炭素数1〜15の脂肪族アルキル基が挙げられ、好ましくはエポキシ基を有する炭素数2〜6の脂肪族アルキル基が挙げられる。
前記、Xの官能基を有する芳香族アルキル基としては、具体的にはカルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基等を有する炭素数1〜15の芳香族アルキル基が挙げられ、好ましくはエポキシ基を有する炭素数2〜6の芳香族アルキル基が挙げられる。
前記、Xのハロゲン原子としては、具体的にはCl、Br等が挙げられ、好ましくはClが挙げられる。
尚、重合性防曇組成物用の触媒は、必要に応じて適宜重合性防曇組成物に含有させることができ、重合性防曇剤全体に対して0.1〜5.0質量%程度加えることで、重合性防曇剤により形成される防曇皮膜の強化に役立つことがある。
重合性防曇組成物用の溶媒を用いる場合は、例えば、重合性防曇組成物の全固形分濃度が30〜90質量%の範囲となるよう溶媒を使用することがよく、更に好ましくは50〜80質量%の範囲となるよう使用するのがよい。全固形分濃度が30質量%より希薄である場合には、重合性防曇組成物により防曇皮膜を形成したとき強度が弱くなることがあり、また90質量%より濃厚な場合は粘度が増大して取り扱いに不便なことがある。
防曇皮膜を形成することのできる基材は、本発明の重合性防曇組成物を塗布できるものであれば特に制限されないが、例えば、金属製、ガラス製、樹脂製、及びセメント系の素材からなる基材が好ましく挙げられ、ウレタン結合含有グリセロール(メタ)アクリレート化合物が、ウレタン結合、OH基を構造中に有しておりガラス、金属への密着性に優れる理由からは、塗布することのできる基材として、ガラス、金属がより好ましく挙げられる。基材の形態としては、例えば、洗面用、浴室用や自動車用等の鏡;建築物用や自動車用等の窓ガラス;潜水用ゴーグル等が挙げられる。
重合性防曇組成物を基材に塗布する方法は特に限定されないが、例えば、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スプレー法、ディップコート法、バーコーター法、スピンコーター法、刷毛塗り法等の公知の方法を用いて塗布し、基材の表面に厚さ100nm〜1mmの防曇皮膜を形成することができる。この際、必要に応じて、重合性防曇組成物を、重ねて塗布することは、自在に行ってよい。
このようにして、本発明の重合性防曇組成物により処理した基材を得ることができる。
この際、重合性原料は式(1)で表される重合性防曇剤、前記した化合物(1)と共重合可能な他の単量体、ラジカル開始剤、光重合開始剤を必要に応じて適宜含ませて調製することができる。重合性原料は、式(1)で表される重合性防曇剤単独で調製してよく、また必要があれば重合性原料中に式(1)で表される重合性防曇剤以外の成分として化合物(1)と共重合可能な他の単量体10〜80質量%を含有させて調製してもよい。
重合性原料の重合は、ラジカル重合または光重合により行うことができる。ラジカル重合を行うにあたっては、重合性防曇剤中にラジカル開始剤を含ませて行う。該ラジカル開始剤としては、例えば、過酸化ベンソイル、t−ブチルパーオキシネオデカノエートなどの有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチルなどのアゾ化合物;から選ばれるラジカル開始剤が挙げられるが、作業性の観点から、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチルが好ましく挙げられる。
このとき重合性原料に含ませる光重合開始剤としては2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられるが、重合性防曇剤への溶解性等の点から2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンが好ましく挙げられる。光重合開始剤を使用する場合の使用量は、重合性原料中の重合性防曇剤100質量部に対して通常0.1〜5.0質量部が好ましい。
これらの手段で重合性原料を重合することにより、重量平均分子量で5000〜1000000の防曇性重合体を得ることが出来る。
該溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジメチルアセトアミド、水及びこれら有機溶媒との混合物、他の各種極性溶媒が挙げられるが、取り扱いの点からメタノールが好ましく挙げられる。
この際、重合性防曇剤を含む重合性原料を重合して得た防曇性重合体に溶媒を加えるには、防曇性重合体の含量が、防曇コーティング剤全体に対して20〜90質量%となるように溶媒の量を調節して加えれば良い。
尚、前記触媒は、無機アルコキシドと共に防曇コーティング剤全体に対して0.1〜5.0質量%程度加えることで、防曇コーティング剤を基材に塗布したとき防曇皮膜の強度を強化する。
防曇コーティング剤を塗布することのできる基材は、本発明の防曇コーティング剤を塗布できるものであれば特に制限されないが、例えば、金属製、ガラス製、樹脂製、及びセメント系の素材からなる基材が好ましく挙げられ、ウレタン結合含有グリセロール(メタ)アクリレート化合物が、ウレタン結合、OH基を構造中に有しておりガラス、金属への密着性に優れる理由からは、塗布することのできる基材として、ガラス、金属がより好ましく挙げられる。基材の形態としては、例えば、洗面用、浴室用や自動車用等の鏡;建築物用や自動車用等の窓ガラス;潜水用ゴーグル等が挙げられる。
防曇コーティング剤を基材に塗布する方法は特に限定されないが、例えば、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スプレー法、ディップコート法、バーコーター法、スピンコーター法、刷毛塗り法等の公知の方法を用いて塗布し、基材の表面に厚さ100nm〜1mmの防曇皮膜を形成することができる。この際、必要に応じて、防曇コーティング剤を、重ねて塗布することなどは、自在に行ってよい。
このようにして、本発明の防曇コーティング剤により基材を処理することができる。
製造例1
グリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタンの製造
グリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタンを製造するにあたり、まず[1]原料となる(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロール(化合物(3))を合成し、これを用いて、[2]前駆体である(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロール−3−メタクリロイルオキシエチルウレタン(化合物(5))をウレタン化反応により合成し、さらに[3]化合物(5)を加水開環反応することで、目的のグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタンを得た。以下、詳細に説明する。
(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロールは、M.Renoll,M.S.Newman,Org.Syn.Coll.3,502(1955)に従い、以下の合成方法により製造した。
カルシウム管、冷却管およびディーン−スターク(Dean−Stark)トラップを装着したナス型フラスコに、グリセリン(100g)、アセトン(300mL)、p−トルエンスルホン酸1水和物(3g)および石油エーテル(300mL)を加え、50℃に設定したオイルバス中で加熱還流させた。12時間後、生成水分量約23mLで、新たに水分が生成しなくなったことを確認した後、反応混合物を室温まで冷却した。次いで、酢酸ナトリウム3gを加えて更に30分間攪拌した後、エバポレータにより石油エーテルおよびアセトンを留去した。得られた粗生成物を、バス温度70℃、留分温度60℃、減圧度5mmHgの条件で減圧蒸留することにより、収量130.6g、収率91%で、無色透明液体の(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロールを得た。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3);1.3−1.5ppm,d,CH3(6H) 1.9ppm,s,OH(1H) 3.5−4.3ppm,m,CH2CHCH2(5H)
ナス型フラスコに、合成した(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロール6.60gおよびピリジン1mLを加え、メタクリロイルオキシエチルイソシアナート7.37g(昭和電工株式会社製)を秤取って、滴下ロートおよびカルシウム管を装着した。室温、遮光下において、メタクリロイルオキシエチルイソシアナートをゆっくりと滴下した。50℃に設定したオイルバス中で7時間反応させた。反応終了後、ピリジンおよび過剰の(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロールを減圧留去することにより、収量12.7g、収率93%で、白色固体の(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロール−3−メタクリロイルオキシエチルウレタンを得た。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3);1.3−1.5ppm,d,CH3(6H) 1.9ppm,s,CH2=CH(CH3)(3H) 3.4−4.4ppm,m,OCH2CH2NH CH2CHCH2(9H) 5.1ppm,s,NH(1H) 5.6,6.1ppm,s,CH2=C(CH3)(2H)
スクリュー管に、マグネチックスターラ、実施例1において合成した(R,S)−1,2−イソプロピリデングリセロール−3−メタクリロイルオキシエチルウレタン1.0g、メタノール3.9mLおよび4Nの塩酸100μLを加え、室温下30分間攪拌反応させたところ、懸濁液が透明溶液となった。更に60分間攪拌反応させた後、減圧乾燥により無色粘性液体のグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタンを得た。収量は、852mg、収率は99%であった。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(D2O);1.8ppm,s,CH2=CH(CH3)(3H) 3.3−4.2ppm,m,OCH2CH2NH CH2CHCH2(9H) 5.6,6.0ppm,s,CH2=C(CH3)(2H)
製造例1で得た重合性防曇剤であるグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン990mg、および市販のモノマーであるN−メチロールアクリルアミド10mgを混合し重合性原料とした。この重合性原料1000mgとメタノール/水混合溶媒(4/1 v/v)5mL及びアゾイソブチロニトリル40mgをねじ口試験管に秤取り、均一に混合して、窒素ガスで試験管内を置換した後に密栓し、70℃で24時間反応させることで重量平均分子量51000のグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン:N−メチロールアクリルアミド共重合体を含有する吸水性有機ポリマー溶液6.0gを得た。
この吸水性有機ポリマー溶液を0.5g取り、ガラス基板上にフィルムアプリケーター(規格:JISK5600、商品名:ドクターブレード、TP技研株式会社製)を用いて均一に塗布し、80℃で5分間加熱乾燥したところ、透明な塗膜(膜厚10μm)が得られた。得られた塗膜について、下記評価を行った。評価結果を表1に示した。
塗膜の外観を3段階で評価した。
◎:無色透明であり、光沢も良好である。
○:着色、濁りがわずかにある。
×:不透明で濁りがある。
剥離:割れ、剥離等により塗膜を形成しない。
塗膜を形成したガラス板を40℃のウォーターバスの上面に穴(直径10mm)を開けたアクリル板を載せた状態の装置に、塗膜の表面が蒸気に触れるようにして、蒸気を噴出する穴を塞ぐように載せ、塗膜の表面が曇り始めるまでの時間を測定した。
なお、膨潤、剥離等を生じ、計測不能な試料については、評価しなかった。
尖らせた鉛筆の先端を塗膜に垂直に1kgfの荷重で押し当て、荷重を加えたまま鉛筆を引っ張り塗膜に傷が付くかを試験して硬度を判定した。例えば、5Hの鉛筆で傷がついた場合に塗膜硬度を4Hとして評価した。
なお、膨潤、剥離等を生じ、計測不能な試料については、評価しなかった。
塗膜にカッターで2mm四方の升目を25升つくり、これに粘着テ−プを貼り付けて剥がし、剥がした後に残った升目の数を計測した。
なお、膨潤、剥離等を生じ、計測不能な試料については、評価しなかった。
基板に形成した塗膜を20℃の水中に3時間浸漬した後、外観の変化を目視により確認し、変化の程度を下記の3段階で評価した。
◎:顕著な変化なし。
○:膨潤、剥離がわずかにある。
×:膨潤、剥離、濁り等の変化を生ずる。
なお、膨潤、剥離等を生じ、計測不能な試料については、評価しなかった。
実施例1の重合性原料に替え、製造例1で得た重合性防曇剤であるグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン790mg、および市販のモノマーであるN−メチロールアクリルアミド10mg、メチルメタクリレート200mgを混合し重合性原料とし、実施例1の重量平均分子量51000のグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン:N−メチロールアクリルアミド共重合体を含有する吸水性有機ポリマー溶液に替え、重量平均分子量48000のグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン:N−メチロールアクリルアミド:メチルメタクリレート共重合体を含有する吸水性有機ポリマー溶液としたものを吸水性有機ポリマー溶液として用いた以外は、実施例1と同様に行い、各評価を行った。結果を表1に示す。
テトラエトキシシラン4.23gに水7.32g、リン酸6.52mg、メタノール910mgを加えて、40℃で4時間攪拌し、加水分解を行い、無機アルコキシド加水分解物溶液12.5gを得た。
実施例1の吸水性有機ポリマー溶液に替え、実施例1で得られた吸水性有機ポリマー溶液1.2gに更に無機アルコキシド加水分解物溶液650mgを混合して吸水性有機ポリマー溶液としたものを吸水性有機ポリマー溶液として用いた以外は、実施例1と同様に行い、各評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1のグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタンに替え、グリセロール−1−メタクリレート(製品名:ブレンマーGLM;日本油脂(株)製)を用いて重合性原料とし、実施例1の重量平均分子量51000のグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン:N−メチロールアクリルアミド共重合体を含有する吸水性有機ポリマー溶液に替え、重量平均分子量20000のグリセロール−1−メタクリレート:N−メチロールアクリルアミド共重合体を含有する吸水性有機ポリマー溶液としたものを吸水性有機ポリマー溶液として用いた以外は、実施例1と同様に行い、各評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の吸水性有機ポリマー溶液に替え、比較例1で得られた重量平均分子量20000のグリセロール−1−メタクリレート:N−メチロールアクリルアミド共重合体を含有する吸水性有機ポリマー溶液1.2gに、実施例3で得られた無機アルコキシド加水分解物溶液650mgを混合して吸水性有機ポリマー溶液としたものを吸水性有機ポリマー溶液として用いた以外は、実施例1と同様に行い、各評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1のグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタンに替え、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(和光純薬(株)製)を用いて重合性原料とし、実施例1の重量平均分子量51000のグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン:N−メチロールアクリルアミド共重合体を含有する吸水性有機ポリマー溶液に替え、重量平均分子量50000の2−ヒドロキシエチルメタクリレート:N−メチロールアクリルアミド共重合体を含有する吸水性有機ポリマー溶液としたものを吸水性有機ポリマー溶液として用いた以外は、実施例1と同様に行い、各評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の吸水性有機ポリマー溶液に替え、比較例3で得られた重量平均分子量50000の2−ヒドロキシエチルメタクリレート:N−メチロールアクリルアミド共重合体を含有する吸水性有機ポリマー溶液1.2gに、実施例3で得られた無機アルコキシド加水分解物溶液650mgを混合して吸水性有機ポリマー溶液としたものを吸水性有機ポリマー溶液として用いた以外は、実施例1と同様に行い、各評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (4)
- 式(1)で表される重合性防曇剤を含む重合性原料を重合して得た重量平均分子量5000〜1000000の防曇性重合体を20〜90質量%含有してなる防曇コーティング剤。
- 式(2)で表される無機アルコキシドを更に10〜80質量%含有してなる請求項3記載の防曇コーティング剤。
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