JP2006306028A - 溶液製膜方法及び設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚みと光学特性との幅方向における不均一性を改善し、長期連続製造する。
【解決手段】連続走行する流延バンドから剥がされたフィルム66を渡り部で乾燥した後、テンタで延伸しながら乾燥する。乾燥は送風ダクト112,113からの送風による。送風ダクトは、フィルム66の幅方向で3つの第1〜第3ダクト部152〜155に区画され、送風条件が送風コントローラ159により独立制御される。テンタの直前のフィルム66の厚みを幅方向に沿って第1厚み測定機115により測定するとともに、乾燥後のフィルム66の厚みを幅方向に沿って第2厚み測定機133により測定する。送風コントローラ159がこれら厚み測定機115,133の各データに基づいて溶媒残留量を算出し、送風条件が制御される。
【選択図】図3

Description

本発明は溶液製膜方法及び設備に関するものであり、特に、偏光板や液種表示装置等の光学用途のフィルムを製造する溶液製膜方法及び設備に関する。
オプトエレクトロニクス分野に使用されるポリマーフィルムには、溶液製膜方法によって製造されているものが多くある。溶液製膜方法で製造されたポリマーフィルムは、溶融押出法で得られるフィルムに比べ、光学的等方性、厚み均一性に優れ、また、異物の含有率も低く、例えば、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、透明導電性フィルム等として利用される。そして、溶液製膜方法によって製造されるポリマーフィルムの中でも、セルロースアシレートフィルムは、透明性と適度な透湿性とを有し、機械的強度が大きく、かつ、寸法安定性については湿度及び温度に対する依存性が低いことから、様々なオプトエレクトロニクス製品に広く用いられている。
また近年では、上記のようなオプトエレクトロニクス分野の発達がめざましく、その素材としてのポリマーフィルムに対しては、高機能化及び多機能化の要望が強くなっている。特に、光学的性質に対する要求特性が厳しい。ここで、光学特性とは、例えば、面内リタデーションRe、厚み方向リタデーションRth、分子配向の方向(分子配向度)の均一性等である。なお、分子配向の方向は、延伸線により確認することができる。図4は、セルロースアシレートフィルム201の延伸線の説明図である。図4では、符号A1で示される領域を延伸前のフィルム部分、符号A2で示される領域を延伸中のフィルム部分、符号A3で示される領域を延伸後のフィルム部分とし、セルロースフィルムの搬送方向を矢線(x)で示す。延伸前のセルロースアシレートフィルム201の幅方向に沿って図4に示されるように線状のマーキング202をしておくと、前記延伸線は、例えばテンタ等の延伸手段により横方向へ延伸した後の前記マーキング202として視認できる。セルロースアシレートフィルムでは、延伸線がフィルムの搬送方向に対して凸型の弓状となることが多い。このように延伸線が曲線となる現象はボーイング現象と呼ばれ、ボーイング現象が確認されたフィルムは分子配向の方向が不均一となっている。なお、搬送方向に対する分子配向の角度を測定することにより、分子配向度を定量化してその不均一性を確認することができる。
ところで、溶液製膜方法は、周知のように、セルロースアシレート等のポリマー及び各種添加剤を溶媒と混合してドープとした後、このドープをダイから流延支持体へ流延し、自己支持性をもったところで流延膜をフィルムとして剥ぎ取って、これを乾燥工程で乾燥させるフィルム製造方法である。そして、乾燥工程では、フィルムを縦方向あるいは横方向に延伸することにより、フィルムの光学特性を制御したり、厚みムラを低減したりする。
しかし、延伸工程におけるフィルムの状態は、揮発成分である溶媒の残留量により大きく左右される。例えば、フィルム中の溶媒残留量が少なすぎると延伸中にフィルムが破断したり、延伸状態が不均一になったりするということが有り、一方、フィルム中の溶媒残留量が多すぎると、厚みムラを生じたり、光学特性の制御がうまくなされずに所望の光学的性質を発現させることができないという問題が生じる。したがって、延伸に際しては、フィルムの溶媒残留量の制御が必要となる。
延伸工程でのフィルムをさらに厳密に分析してみると、フィルムの幅方向において、溶媒残留量のばらつき、つまり溶媒残留量分布や、温度のばらつき、つまり温度分布があると、これらが均一な延伸の妨げの要因になっていることがわかる。具体的には、幅方向に溶媒残留量分布や温度分布等があると、局部的に延伸されてしまい、延伸された箇所とされない箇所との間に厚みや光学特性の相違が生じてしまう等の問題である。したがって、延伸に際しては、フィルムの幅方向における温度分布や溶媒残留量分布をできるだけなくすことが好ましい。
以上のような、溶媒残留量の制御のためや、フィルムの幅方向における溶媒残留量分布、温度分布等による厚み不均一性や光学特性のばらつきをなくすためにこれまで種々の提案がなされている。それらの提案とは具体的には、延伸前の厚みの均一化を図るもの、乾燥温度をフィルム幅方向において一定にするもの、再現性を高めるための性状条件等に関するもの等である。例えば、特許文献1は、溶媒残留量が5〜60質量%のセルロースエステルフィルムを、60〜170℃で幅方向に1.15〜2.0倍に延伸し、このとき、端部と中央部との温度ならびに溶媒残留量を互いに異なる条件とすることを提案している。そして、これにより、幅方向に平行な遅相軸をセルロースアシレートフィルム全幅域に有し、面内及び厚み方向リタデーション、遅相軸方向が均一な位相差フィルムを製造することができる、としている。しかし、この方法では、完成したフィルムの光学的諸特性を実際に測定し、その測定結果を基に乾燥条件を設定する、という一連の操作を繰り返し行うことが必要であって、そのため、所定の特性をもつフィルムフィルムを得るまでには多大な時間を費やしてしまうという問題ある。
そこで、例えば特許文献2では、帯状体を均一乾燥するために、帯状体の温度を測定して、帯状体の幅方向における温度分布の測定結果をヒータにフィードバックする方法が提案されている。
特開2002−296422号公報 特開平11−37649号公報
しかしながら、特許文献2に提案される方法を適用しても、原料であるドープのロット毎の性状ばらつきや、ドープ粘度の日毎の変化、流延ダイから支持体上へ流出される際のドープの厚みムラ、乾燥工程における乾燥風の幅方向におけるばらつき、乾燥条件の季節間差あるいは日間差等には対応することができず、連続で長期間の稼働を実施できないという問題がある。これは、温度だけを指標にして製造条件を決定する方法では、厚み及び光学特性の均一化の向上に対して限界があることを意味している。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、幅方向における厚みと光学特性との幅方向における不均一性を改善するとともにドープの状態や製造環境に応じて製造条件を変化させて、長期のフィルム連続製造をすることができる溶液製膜設備及び方法を提案することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、連続走行する支持体上に流延ダイからドープを流出し、前記支持体からフィルムとして剥ぎ取る流延装置と、前記フィルムを乾燥する乾燥装置とを備える溶液製膜設備において、フィルムを幅方向に延伸しながら乾燥する第1の前記乾燥装置と、前記延伸の前にフィルムを乾燥するための第2の前記乾燥装置と、
を備え、第1及び第2乾燥装置は、フィルムの幅方向で少なくとも3つに区分されたエリア毎に、前記乾燥のための温度を独立制御する第1制御手段を有することを特徴として構成されている。
そして、第1及び第2乾燥装置の少なくともいずれか一方は、前記エリア毎に対応して送風するための少なくとも3つの送風手段を備える送風装置であり、送風手段毎の送風温度が前記第1制御手段により独立して制御されることが好ましく、前記送風装置は、送風手段毎に風速及び風量を独立制御する風速制御手段を有することがより好ましい。
さらに、前記第2乾燥装置の上流で、前記各エリアに対応するフィルム領域毎に前記フィルムの厚みを検知する第1厚み検知手段と、前記第1乾燥装置により乾燥した後に、前記フィルム領域毎に前記フィルムの厚みを検知する第2厚み検知手段とを備え、第1制御手段は、第1及び第2厚み検知手段による厚み検知結果に基づいて温度を独立制御することが好ましい。
上記溶液製膜設備は、乾燥後のフィルムの面内リタデーションReと厚み方向リタデーションRthと分子配向度との少なくともいずれかひとつを前記フィルム領域毎に検知する光学特性検知手段を備え、第1制御手段と第2制御手段との少なくともいずれか一方が、光学特性検知手段の検知結果に基づき、温度、または風速と風量とを、前記エリア毎に独立制御することが好ましい。
また、本発明は、連続走行する支持体上にドープを流延してフィルムとして剥がし、このフィルムを乾燥装置により乾燥する溶液製膜方法において、フィルムを幅方向に延伸しながら乾燥する第1乾燥工程と、この第1乾燥工程前のフィルムを乾燥するための第2乾燥工程とを有し、第1及び第2乾燥工程では、フィルムの幅方向に少なくとも3つに区分されたエリア毎で前記乾燥のための温度を独立制御することを特徴として構成されている。
第1、第2乾燥工程の少なくともいずれか一方は、フィルムに風を吹き付けることによりフィルムを乾燥する送風工程であり、風の温度がエリア毎に独立制御されることが好ましく、風速及び風量を前記エリア毎に制御することがより好ましい。
また、第2乾燥工程の前に、前記各エリアに対応するフィルム領域毎にフィルムの厚みを測定して、これらの測定結果を第1データとし、第1乾燥装置により乾燥した後に、フィルム領域毎にフィルムの厚みを測定して、これらの測定結果を第2データとし、第1及び第2データに基づいてエリア毎の温度を独立制御することが好ましく、乾燥後のフィルムの面内リタデーションReと厚み方向リタデーションRthと分子配向度との少なくともいずれかひとつをフィルム領域毎に測定してこれらの測定結果を第3データとし、この第3データに基づいて温度と風速及び風量との少なくともいずれか一方を前記エリア毎に独立制御することが好ましい。
本発明により、フィルムの幅方向における厚みと光学特性との不均一性を改善することができるとともに、ドープの状態や製造環境に応じて製造条件を変化させることができるので、これにより、長期のフィルム連続製造をすることができる。
以下に、本発明の実施態様について詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施態様に限定されるものではない。
[原料]
本実施形態においては、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBは、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。TACを用いる場合には、その90質量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。しかしながら、本発明において用いられるポリマーはセルロースアシレートに限定されない。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するとともにβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位,3位及び6位に遊離の水酸基を有する。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル基置換度は、2位,3位及び6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1である)を意味する。
全アシル化置換度、即ち、DS2+DS3+DS6は2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)は0.28以上が好ましく、より好ましくは
0.30以上、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「2位のアシル置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「3位のアシル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「6位のアシル置換度」とも言う)である。
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていても良い。2種類以上のアシル基を用いるときは、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位,3位及び6位の水酸基による置換度の総和をDSAとし、2位,3位及び6位の水酸基のアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DSBは0.30以上であり、特に好ましくは0.7以上である。さらにDCBは、その20%以上が6位さらにDSBはその20%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは25%以上が6位水酸基の置換基であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましい。また更に、セルロースアシレートの6位の置換度が0.75以上であり、さらには0.80以上であり特には0.85以上であるセルロースアシレートも挙げることができる。これらのセルロースアシレートにより、溶解性の好ましいセルロースアシレート溶液(ドープ)が作製できる。特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。さらに粘度が低く、ろ過性の良い溶液の作製が可能となる。
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター綿,パルプ綿のどちらから得られたものでもよいが、リンター綿から得られたものが好ましい。
本発明のセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどがより好ましく、特に好ましくはプロピオニル、ブタノイルである。
ドープの溶媒成分としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、本発明において、ドープとはポリマーを溶媒に溶解または分散して得られるポリマー溶液,分散液を意味している。
これらの中でも炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フィルムの機械的強度など及びフィルムの光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2質量%〜25質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール,エタノール,n−ブタノールあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
ところで、最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない場合の溶媒組成についても検討が進み、この目的に対しては、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく用いられる。これらを適宜混合して用いることがある。例えば、酢酸メチル,アセトン,エタノール,n−ブタノールの混合溶媒が挙げられる。これらのエーテル、ケトン,エステル及びアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン,エステル及びアルコールの官能基(すなわち、−O−,−CO−,−COO−及び−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も、溶媒として用いることができる。
なお、セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号の[0140]段落から[0195]段落に記載されている。これらの記載も本発明にも適用できる。また、溶媒及び可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性コントロール剤,レターデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されている。
[ドープ製造方法]
上記原料を用いて、まずドープを製造する。図1にドープ製造設備10を示す。ドープ製造設備10には、溶媒を貯留するための溶媒タンク11と、溶媒とTACなどとを混合するための溶解タンク13と、TACを供給するためのホッパ14と、添加剤を貯留するための添加剤タンク15とが備えられている。さらに、後述する膨潤液18を加熱するための加熱装置19と、加熱装置で得られるドープ21の温度を調整する温調機22と、第1及び第2のろ過装置23,24と、ドープ21の濃度を調整するためのフラッシュ装置27と、溶媒を回収するための回収装置28と、回収された溶媒を再生するための再生装置31とが備えられ、この再生装置31は溶媒タンク11に接続する。そして、このドープ製造設備10は、ストックタンク42を介して溶液製膜設備40と接続する。
また、溶剤タンク11から溶解タンク13への送液路と、添加剤タンク15からこの送液路に至る送液路と、第1ろ過装置23の下流とに、それぞれバルブ35〜37が備えられ、溶解タンク13及びフラッシュ装置27の各下流にはポンプ41,42が備えられる。なお、溶解タンク13には、図1に示すようにその外面を包み込むジャケット45と、モータ46により回転する第1攪拌機47と、モータ51により回転する第2攪拌機52が取り付けられていることが好ましい。なお、第1攪拌機47は、アンカー翼が備えられたものであることが好ましく、第2攪拌機52は、ディゾルバータイプの偏芯型撹拌機であることが好ましい。
上記ドープ製造設備10を用いて以下の方法でドープが製造される。まず始めに、バルブ35を開き、溶媒が溶媒タンク11から溶解タンク13に送られる。次にホッパ14に入れられているTACが、計量されながら溶解タンク13に送り込まれる。また、添加剤溶液は、バルブ36の開閉操作により必要量が添加剤タンク15から溶解タンク13に送り込まれる。
添加剤は、溶液として送り込む方法の他に、例えば添加剤が常温で液体の場合には、その液体の状態で溶解タンク13に送り込むことが可能である。また、添加剤が固体の場合には、ホッパなどを用いて溶解タンク13に送り込む方法も可能である。添加剤を複数種類添加する場合には、添加剤タンク15の中に複数種類の添加剤を溶解させた溶液を入れておくこともできる。または、多数の添加剤タンクを用いてそれぞれに添加剤が溶解している溶液を入れて、それぞれ独立した配管により溶解タンク13に送り込むこともできる。
前述した説明においては、溶解タンク13に入れる順番が、溶媒(混合溶媒の場合も含めた意味で用いる)、TAC、添加剤であったが、この順番に限定されるものではない。例えば、TACを計量しながら溶解タンク13に送り込んだ後に、好ましい量の溶媒を送液することもできる。また、添加剤は必ずしも溶解タンク13に予め入れる必要はなく、後の工程でTACと溶媒との混合物に混合させることもできる。
溶解タンク13は、ジャケット45の内部に伝熱媒体を流すことにより温度調整されており、その好ましい温度範囲は−10℃〜55℃の範囲である。第1攪拌機47,第2攪拌機52のタイプを適宜選択して使用することにより、TACが溶媒中で膨潤した膨潤液18を得る。
次に、膨潤液18は、ポンプ41により加熱装置19に送られる。加熱装置19は、ジャケット付き配管であることが好ましく、さらに、膨潤液18を加圧することができる構成のものが好ましい。このような加熱装置19を用いることにより、加熱条件下または加圧加熱条件下で膨潤液18中の固形分を溶解させてドープ21を得る。以下、この方法を加熱溶解法と称する。なお、この場合に膨潤液18の温度は、50℃〜120℃であることが好ましい。また、膨潤液18を−100℃〜−30℃の温度に冷却する冷却溶解法を行うこともできる。加熱溶解法及び冷却溶解法を適宜選択して行うことでTACを溶媒に充分溶解させることが可能となる。ドープ21を温調機22により略室温とした後に、第1ろ過装置23によりろ過してドープ21中に含まれる不純物を取り除く。第1ろ過装置23に使用されるろ過フィルタは、その平均孔径が100μm以下であることが好ましい。また、ろ過流量は、50L/hr以上であることが好ましい。ろ過後のドープ21は、バルブ37を介して溶液製膜設備40中のストックタンク32に送られここに貯留される。
ところで、上記のように、一旦膨潤液18を調製し、その後にこの膨潤液18をドープ21とする方法は、TACの濃度を上昇させるほど製造に要する時間が長くなり、製造コストの点で問題となる場合がある。その場合には、目的とする濃度よりも低濃度のドープを一旦調製してから、その後に目的の濃度とするための濃縮工程を行うことが好ましい。このような方法を用いる際には、第1ろ過装置23でろ過されたドープを、バルブ37を介してフラッシュ装置27に送り、このフラッシュ装置27内でドープ中の溶媒の一部を蒸発させる。蒸発により発生した溶媒ガスは、凝縮器(図示しない)により凝縮されて液体となり回収装置28により回収される。回収された溶媒は再生装置31によりドープ製造用の溶媒として再生されて再利用される。この再利用はコストの点で効果がある。
また、濃縮されたドープ21は、ポンプ42によりフラッシュ装置27から抜き出される。さらに、ドープ21に発生した気泡を抜くために泡抜き処理が行われることが好ましい。この泡抜き方法としては、公知の種々の方法が適用され、例えば超音波照射法が挙げられる。ドープ21は続いて第2ろ過装置24に送られて、異物が除去される。なお、ろ過の際のドープ21の温度は、0℃〜200℃であることが好ましい。そしてドープ21はストックタンク32に送られ、貯蔵される。
以上の方法により、TAC濃度が5質量%〜40質量%であるドープ21を製造することができる。より好ましくはTAC濃度が15質量%以上30質量%以下であり、最も好ましくは17質量%以上25質量%以下の範囲とすることである。また、添加剤(主には可塑剤である)の濃度は、ドープ中の固形分全体を100質量%とした場合に1質量%以上20質量%以下の範囲とすることが好ましい。なお、TACフィルムを得る溶液製膜法における素材、原料、添加剤の溶解方法及び添加方法、ろ過方法、脱泡などのドープの製造方法については、特開2005−104148号の[0517]段落から[0616]段落が詳しい。これらの記載も本発明に適用できる。
[溶液製膜方法]
次に、上記で得られたドープ21を用いてフィルムを製造する方法を説明する。図2は溶液製造設備40を示す概略図である。ただし、本発明は、図2に示すような溶液製造設備に限定されるものではない。溶液製造設備40は、第3ろ過装置61、流延ダイ62、回転ローラ63,64に掛け渡された流延バンド67と、テンタ68と、耳切装置71と、第1及び第2乾燥室72,73と、フィルム66に塗布ダイ76から所定濃度の塗布液77を塗布する塗布装置78と、冷却室81と、巻取室82を備える。
なお、溶液製膜設備40の上流に備えられるストックタンク32には、モータ85で回転する攪拌機86が取り付けられている。そして、ストックタンク32は、ポンプ87及び第3ろ過装置61を介して流延ダイ62と接続している。
流延ダイ62の材質としては、析出硬化型のステンレス鋼が好ましく、その熱膨張率が2×10−5(℃−1)以下であることが好ましい。そして、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316と略同等の耐腐食性を有するものも、この流延ダイ62の材質として用いることができ、さらに、ジクロロメタン、メタノール、水の混合液に3ヵ月浸漬しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じないような耐腐食性を有するものが用いられる。さらに、流延ダイ62は鋳造後1ヶ月以上経過したものを研削加工して作製されたものであることが好ましく、これにより流延ダイ62の内部をドープ21が一様に流れ、後述する流延膜90にスジなどが生じることが防止される。流延ダイ62の接液面の仕上げ精度は、表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であることが好ましい。なお、流延ダイ62のスリットのクリアランスは、自動調整により0.5mm〜3.5mmの範囲で調整可能とされている。流延ダイ62のリップ先端の接液部の角部分について、その面取り半径Rは全巾にわたりR≦50μmとされている。また、流延ダイ62内部における流延時の剪断速度が1(1/sec)〜5000(1/sec)となるように調整されていることが好ましい。
流延ダイ62の幅は、特に限定されるものではないが、最終製品となるフィルムの幅の1.01倍〜1.3倍であることが好ましい。また、製膜中の温度が所定温度に保持されるように、この流延ダイ62に温度コントローラを取り付けることが好ましい。また、流延ダイ62にはコートハンガー型のものを用いることが好ましい。さらに、厚み調整ボルト(ヒートボルト)を流延ダイ62の幅方向において所定の間隔で設け、ヒートボルトによる自動厚み調整機構が流延ダイ62に備えられることがより好ましい。ヒートボルトは予め設定されるプログラムによりポンプ(高精度ギアポンプが好ましい)87の送液量に応じてプロファイルを設定し製膜を行うことが好ましい。また、溶液製膜設備40中に備える第1厚み測定機115と第3厚み測定機133との少なくともいずれか一方のプロファイルに基づく調整プログラムを予め作成しておいて、上記厚み測定機115,133による測定データに基づいたフィードバック制御を行っても良い。製品フィルムの幅方向の任意の2点の厚み差は流延エッジ部を除いて1μm以内となるようにし、幅方向における厚みの最小値と最大値との差が3μm以下となるようにすることが好ましく、2μm以下にすることがより好ましい。また、厚み精度は±1.5μm以下にすることが好ましい。
流延ダイ62のリップ先端には、硬化膜が形成されていることがより好ましい。硬化膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、セラミックスコーティング、ハードクロムメッキ、窒化処理方法などが挙げられる。硬化膜をセラミックスとする場合には、そのセラミックスが、研削可能で気孔率が低く、脆くなく、耐腐食性がよく、かつ流延ダイ62と密着性が良く、ドープとの密着性がないものであることが好ましい。具体的には、タングステン・カーバイド(WC),Al23,TiN,Cr23などが挙げられ、なかでも特に好ましくはWCである。WCコーティングは、溶射法で行うことができる。
流延ダイ62のスリット端から流出したドープが局所的に乾燥固化することを防止するために溶媒供給装置(図示しない)をスリット端に取り付けることが好ましい。この場合には、ドープを可溶化する溶媒(例えば、ジクロロメタン86.5質量部,アセトン13質量部,n−ブタノール0.5質量部の混合溶媒)を流延ビードの両側端部、ダイスリット端部及び外気が形成する三相境界線及びその周辺部に供給することが好ましく、例えば、端部の片側それぞれに0.1mL/min〜1.0mL/minで供給することが、流延膜90中への異物混合を防止するために好ましい。なお、この液を供給するポンプとしては、脈動率が5%以下のものを用いることが好ましい。
流延ダイ62の下方には、回転ローラ63,64に掛け渡された流延バンド67が設けられている。回転ローラ63,64は図示しない駆動装置により回転し、この回転に伴い流延バンド67は無端で走行する。流延バンド67は、10m/分〜200m/分で走行できるものであることが好ましい。また、流延バンド67の表面温度を所定の値にするために回転ローラ63,64に伝熱媒体循環装置91が取り付けられていることが好ましく、本実施形態において用いられている回転ローラ63,64内には伝熱媒体流路(図示しない)が形成されており、その中を所定の温度に保持されている伝熱媒体が通過することにより、回転ローラ63,64の温度を所定の値に保持されるものとなっている。流延バンド67は、その表面温度が−20℃〜40℃に調整可能なものであることが好ましい。
流延バンド67は特に限定されるものではないが、ドープ21の流延幅の1.05〜1.5倍の幅であることが好ましく、また、表面粗さが0.05μm以下となるように研磨されていることが好ましい。流延バンド67は、ステンレス製であることが好ましく、十分な耐腐食性と強度とを有するようにSUS316製であることがより好ましい。また、流延バンド67の全体の厚みムラは0.5%以下であることが好ましい。
なお、回転ローラ63,64を直接支持体として用いることも可能である。この場合には、回転ムラが0.2mm以下となるように高精度で回転できるものであることが好ましい。この場合には、回転ローラ63,64の表面の平均粗さを0.01μm以下とすることが好ましい。そこで、回転ローラ63,64の表面にクロムメッキ処理などを行い、十分な硬度と耐久性をもたせる。なお、支持体(流延バンド67や回転ローラ63,64)の表面欠陥は最小限に抑制する必要がある。具体的には、30μm以上のピンホールが無く、10μm以上30μm未満のピンホールは1個/m以下であり、10μm未満のピンホールは2個/m以下であることが好ましい。
流延ダイ62、流延バンド67などは流延室92に収められている。流延室92には、その内部温度を所定の値に保つための温度コントローラ93と、揮発している有機溶媒を凝縮回収するための凝縮器(コンデンサ)96とが設けられている。そして、凝縮液化した有機溶媒を回収するための回収装置97が流延室92の外部に設けられている。また、流延ダイ62から流延バンド67にかけて形成される流延ビードの背面部を圧力制御するための減圧チャンバ98が配されていることが好ましく、本実施形態においてもこれを使用している。
流延膜90中の溶媒を蒸発させるため送風ダクト101,102,103が流延バンド67の周面近くに設けられている。また、流延直後の流延膜90に乾燥風が吹き付けられることによる流延膜90の面状変動を抑制するため流延ダイ62近傍の送風ダクト101には遮風板105が設けられていることが好ましい。
流延バンド67から流延膜90を剥ぎ取るための剥取りローラ107が、回転ローラ63の下流に備えられる。しかし、流延膜90の剥取り手段は剥取りローラ107に限定されず、他の周知の剥取り手段を用いることができる。
流延室92からテンタ68に至るまでの渡り部には、フィルム66をテンタ68に案内するためのローラ111と、各ローラ111上のフィルム66を乾燥するための第1及び第2送風ダクト112,113とがそれぞれ複数備えられる。これらの第1,第2送風ダクト112,113は、フィルム66の両面側にそれぞれ設けられており、詳細については別の図を用いて後述する。そして、剥ぎ取り直後のフィルム66の厚みを測定するための第1厚み測定機114と、テンタ68に入る直前のフィルム66の厚みを測定するための第2厚み測定機115とが、流延室92の下流とテンタ68の上流とにそれぞれ備えられる。第1,第2厚み測定機114,115はともに、フィルム66の幅方向沿った複数位置における厚みを同時に測定することができるようなレーザ変位計とされている。これにより、フィルム66の搬送を停止することなく、フィルム66の幅方向における厚みプロファイルを得ることができる。
レーザ変位計は、周知の通り、フィルム66にレーザを照射してフィルム66の両表面での反射光をそれぞれ検知し、各反射光の波形を合成することで厚みを求める測定機である。しかし、第1,第2厚み測定機114,115は、レーザ変位計に限定されず、他の周知の厚み測定機であってもよく、中でも非接触式測定機であるとより好ましい。例としては、光干渉式や赤外線式等の厚み測定機が挙げられる。この第1,第2厚み測定機114,115は、第1,第2送風ダクト112,113の運転条件を制御する送風コントローラと後述の通り接続されている。なお、第2厚み測定機115は、テンタ68の中の送風ダクトの運転条件を制御するための送風コントローラにも接続されている。
第1,第2送風ダクト112,113に代えて他の周知の乾燥手段を用いてもよい。他の乾燥手段としては、遠赤外線ヒータや電熱ヒータ等が挙げられ、さらに、これらのヒータに送風機能が備えられたものであってもよい。第1,第2送風ダクト112,113については別の図面を用いて後で詳細に説明する。
テンタ68には、フィルム66の側端部の把持手段としてのテンタクリップ(図示せず)が複数備えられ、このテンタクリップはテンタ軌道(図示せず)上を走行する。テンタクリップは、所定の位置でフィルム66を把持し、テンタ68の出口付近に達するとフィルム66を開放する。なお、このテンタ68にも、渡り部の各ローラ113近傍と同様に、第1,第2送風ダクト112,113が備えられるが図示は略す。
テンタ68の下流の耳切装置71には、切り取られたフィルム66の側端部の屑を細かく切断処理するためのクラッシャ116が接続する。
第1乾燥室72には、フィルム66を下流方向へ案内するための多数のローラ117が備えられており、蒸発して発生した溶媒ガスを吸着回収するための吸着回収装置121が取り付けられている。なお、第1乾燥室72の各ローラ117上のフィルム66の両面側にも渡り部の各ローラ113近傍と同様に第1送風ダクト112と第2送風ダクト113とが備えられるが、図の煩雑さを避けるために図2における図示は略す。
塗布装置78の塗布ダイ76は特に限定されず、周知の各種塗布ダイが用いられる。塗布液77は、ドープ21と固形分の種類及び配合が同じであって、溶媒の固形分に対する体積比がドープ21よりも大きなものである。なお、塗布装置78の内部にはフィルム66を支持するローラ122が適宜備えられる。
第2乾燥室73は、多数のローラ123を備え、第1乾燥室72と同様に、フィルム66から蒸発した溶媒ガスを吸着回収するための吸着回収装置121に接続する。なお、この第2乾燥室73の各ローラ123上のフィルム66の両面側にも、渡り部の各ローラ113近傍と同様に第1送風ダクト112と第2送風ダクト113とが備えられるが、図の煩雑さを避けるために図2における図示は略す。
図2においては第2乾燥室73の下流に冷却室81が設けられているが、第2乾燥室73と冷却室81との間に、フィルムの長手方向における吸湿状態を均一化するための調湿室(図示しない)を設けてもよい。冷却室81の下流には、フィルム66の帯電圧を所定の範囲(例えば、−3kV〜+3kV)となるように調整するための強制除電装置(除電バー)126が設けられている。図2においては、強制除電装置126は、冷却室81の下流側とされている例を図示しているが、この設置位置に限定されるものではない。
さらに、本実施形態においては、フィルム66の両縁にエンボス加工でナーリングを付与するためのナーリング付与ローラ127が強制除電装置126の下流に適宜設けられる。
巻取室82には、フィルム66を巻き取るための巻取装置131と、その巻き取り時のテンションを制御するためのプレスローラ132と、第3厚み測定機133と、光学特性測定装置136とが備えられている。第3厚み測定機133は、第1,第2厚み測定機114,115と同じものとしている。また、光学特性測定装置136は、フィルムの面内リタデーションReと厚み方向リタデーションRthと分子配向の方向とをフィルムの幅方向に沿った方向の複数位置について測定するものであり、本実施形態では、1500mm幅の測定に対応することができる自動複屈折計(型式;KOBRA−W1、王子計測(株)製)を用いている。第3厚み測定機133と光学特性測定装置136とは、第1,第2厚み測定機114,115と同様に、第1,第2送風ダクト112,113の運転条件を制御する送風コントローラと後述の通り接続されている。
次に、以上のような溶液製膜設備40によりフィルム66を製造する方法の一例を以下に説明する。ドープ21は、攪拌機86の回転により常に均一化されている。ドープ21には、この攪拌の際にも可塑剤,紫外線吸収剤などの添加剤を混合させることもできる。
ドープ21は、ポンプ87により第3ろ過装置61に送られてここでろ過された後に、流延ダイ62から流延バンド67上に流延ビードを形成しながら流延されて流延膜90を形成する。回転ローラ63,64は、流延バンド67に付与されるテンションが10N/m〜10N/mとなるように回転速度を調整されることが好ましい。また、流延バンド67と回転ローラ63,64との相対速度差は、0.01m/min以下となるようにする。流延バンド67の速度変動を0.5%以下とし、流延バンド67が一回転する際に生じる幅方向の蛇行は1.5mm以下とすることが好ましい。この蛇行を制御するために流延バンド67の側縁の位置を検出する位置検出器(図示せず)を設け、その測定値に基づいて流延バンドの位置を制御する位置制御機(図示しない)で流延バンド67の位置をフィードバック制御することがより好ましい。さらに、流延ダイ62直下における流延バンド67について、回転ローラ63の回転に伴う上下方向の位置変動が200μm以下となるようにすることが好ましい。また、流延室92の温度は、温度コントローラ93により−10℃〜57℃とされていることが好ましい。なお、流延室92の内部で蒸発した溶媒は回収装置97により回収された後に、再生させてドープ製造用溶媒として再利用される。
流延時のドープ21の温度は、−10℃〜57℃であることが好ましい。また、流延ビードを安定させるために、この流延ビードの背面が減圧チャンバ98により所望の圧力値に制御されることが好ましい。ビード背面は、ビード前面よりも−2000Pa〜−10Paとなるように減圧されることが好ましい。さらに、減圧チャンバ98にはジャケット(図示しない)を取り付けて、内部温度が所定の温度を保つように温度制御されることが好ましい。減圧チャンバ98の温度は特に限定されるものではないが、用いられている有機溶媒の凝縮点以上にすることが好ましい。また、流延ビードの形状を所望のものに保つために流延ダイ62のエッジ部に吸引装置(図示しない)を取り付けることが好ましい。このエッジ吸引風量は、1L/min〜100L/minの範囲であることが好ましい。
流延膜90は、流延バンド67の走行とともに移動し、このときに送風ダクト101,102,103から乾燥風があてられて溶媒の蒸発が促進される。そして、この乾燥風の吹き付けにより流延膜90の面状が変動することがあるが、遮風板105がこの変動を抑制している。なお、流延バンド67の表面温度は、−20℃〜40℃であることが好ましい。
流延膜90は、自己支持性を有するものとなった後に、フィルム66として剥取ローラ107で支持されながら流延バンド67から剥ぎ取られる。剥ぎ取り時の残留溶媒量は、固形分基準で20質量%〜250質量%であることが好ましい。その後に多数のローラ111が備えられる渡り部を経てテンタ68にフィルム66が送り込まれる。渡り部では、フィルム66が各ローラ111上で第1及び第2送風ダクト112,113から送風されることにより、所定の乾燥速度で乾燥するように制御される。詳細については後述する。送風ダクト112,113からの送風条件は、後述するように、第1及び第3厚み測定機115,133による幅方向における厚み測定データに基づき制御される。第1厚み測定機115は、ローラ111上のフィルム66の厚みを測定する。なお、渡り部では下流側のローラの回転速度を上流側のローラの回転速度より速くすることによりフィルム66にドローテンションを付与させることも可能である。
テンタ68では、周知のように、テンタ軌道を走行するクリップがフィルム66の両側端部を把持してフィルム66を幅方向に延伸しながら乾燥をすすめる。また、テンタ68の内部を走行方向に区画分割して、その区画毎に温度条件等の乾燥条件を適宜調整することが好ましい。
フィルム66は、テンタ68で所定の残留溶媒量まで乾燥された後、両側端部を耳切装置71により切断される。切断された側端部は、カッターブロワ(図示せず)によりクラッシャ116に送られる。このクラッシャ116により、フィルム側端部は粉砕されてチップとなる。このチップはドープ製造用に再利用されるので、この方法はコストの点において有効である。なお、このフィルム両側端部の切断工程については省略することもできるが、前記流延工程から前記フィルムを巻き取る工程までのいずれかで行うことが好ましい。
両側端部を切断除去されたフィルム66は、第1乾燥室72に送られ、さらに乾燥される。第1乾燥室72の内部温度は、特に限定されるものではないが50℃〜160℃の範囲であることが好ましい。第1乾燥室72においては、フィルム66は、ローラ117に巻き掛けられながら搬送されており、ここで蒸発して発生した溶媒ガスは、吸着回収装置121により吸着回収される。溶媒成分が除去された空気は、第1乾燥室72の内部に乾燥風として再度送風される。なお、第1乾燥室72は、乾燥温度を変えるために複数の区画に分割されていることがより好ましい。さらに、耳切装置71と第1乾燥室72との間に予備乾燥室(図示しない)を設けてフィルム66を予備乾燥すると、第1乾燥室72においてフィルム温度が急激に上昇することが防止されるので、これによりフィルム66の形状変化をより抑制することができる。
第1乾燥室72で乾燥されたフィルム66は、塗布ダイ76により塗布液77を塗布される。なお、第1乾燥室72と塗布装置78との間に温度調整ゾーンを設けて、フィルム66を所定温度にまで冷却した後に塗布してもよい。
塗布液77を塗布されたフィルム66は、第2乾燥室73により乾燥された後、冷却室81で略室温にまで冷却される。なお第1乾燥室72における溶媒ガスと同様に、第2乾燥室73でフィルム66から蒸発した溶媒ガスも溶媒回収装置121により回収される。なお、第2乾燥室73と冷却室81との間に前述のように調湿室(図示しない)を設けて、フィルム66に対して所望の湿度及び温度に調整された空気を吹き付けると、フィルム66のカールの発生や巻き取る際の巻き取り不良の発生を抑制することができるので好ましい。
また、強制除電装置126により、搬送されているフィルム66の帯電圧が所定の範囲とされる。これにより、製造されたフィルム66に対して塗布液を塗布するような次工程が必要とされる場合に、均一な塗布層を形成することができるという効果が得られる。続いてフィルム66は、ナーリング付与ローラ127により両側端部に対してエンボス加工されてナーリングが付与される。なお、ナーリングされた箇所の凹凸が、1μm〜200μmであることが好ましい。
フィルム66は巻取室82内の巻取装置131で巻き取られ、このときプレスローラ132で所望のテンションを付与しつつ巻き取られることが好ましい。この巻取テンションは巻取開始時から終了時まで徐々に変化させることがより好ましい。巻き取られるフィルム66は、長手方向の長さが少なくとも100mであることが好ましい。このときのフィルム66の幅については600mm以上であることが好ましく、1400mm以上1800mm以下であることがより好ましいが、本発明は、1800mmより大きい場合にも効果があるとともに、厚みが15μm以上100μm以下であるような薄いフィルムを製造する際にも本発明は適用される。
本発明では、乾燥後のフィルム66の厚みを幅方向に沿って測定する。本実施形態では、巻取装置131で巻き取られる直前に第3厚み測定機133により測定する。第1,第2厚み測定機114,115により測定された厚みデータが渡り部の第1,第2送風ダクト112,113の送風コントローラに送られるのと同様に、第3厚み測定機133により測定された幅方向における厚みデータはテンタ68に備えられる送風ダクトの送風コントローラに送られる。
さらに、本実施形態では、光学特性測定装置136によりフィルム66の光学特性、つまり、面内リタデーションRe、厚み方向リタデーションRth、分子配向の方向を、それぞれフィルム66の厚み方向に沿った方向で測定する。この測定結果は、第1,第2送風ダクト112,113の送風条件を決定するための基データとなる。
図3は、渡り部におけるフィルム乾燥方法を示すための断面概略図である。本発明では、第1送風ダクト112と第2送風ダクト113とを、ともに、フィルム66の幅方向で少なくとも3つに区画する。図3では3つに区画する場合を図示する。そして、第1送風ダクトの各区画のうち、両側の区画(以降、第1ダクト部と称する。)には符号152、中央の区画(以降、第2ダクト部)には符号153を付す。同様に、第2送風ダクト113の各区画のうち、第1ダクト部には符号154,第2ダクト部には符号155を付す。各ダクト部152〜155は、それぞれ、送風機158からの乾燥気体が供給される供給口152a〜155aと、供給された乾燥気体をフィルム66に吹き付けるための送風口152b〜155bとを備える。
送風口152b〜155bは、それぞれ幅方向に沿ったスリット状の開口がフィルム66の走行方向に複数並んだものである。しかし、送風口152b〜155bは、このようなスリット状開口に限定されず、例えば多孔状開口が多数設けられた板材であってもよい。また、送風口152b〜155bは、風がフィルム66に略90°の角度で送られるような形態であってもよいし、フィルム66の走行方向に風が流れ出るような形態であってもよい。
図3において、符号FEは、ナーリング付与ローラ127によりナーリングが付与されるフィルム範囲とほぼ同じ範囲であり、符号FCは符号FEで示される範囲を除いた中央部の範囲である。各第1ダクト部152,154は符号FEで示されるフィルム側端部に対応するように、また、第2ダクト部153,155は符号FCで示されるフィルム中央部に対応するように、それぞれの送風対象領域を定めている。なお、図示は略すが、第1及び第2送風ダクト112,113に、シフト機構を有する仕切部材を設けて、この仕切部材をフィルム66の幅方向に移動して固定する等により送風対象領域を適宜変更することができるように、第1ダクト部と第2ダクト部とを形成してもよい。
また、送風機158には送風コントローラ159が備えられ、この送風コントローラ159は第1厚み測定機114、第2厚み測定機115、光学特性測定装置136に接続する。そして、送風コントローラは、第1,第2送風ダクト112,113の各第1ダクト部152,154と各第2ダクト部153,155からの送風条件を独立して制御するものとされている。
上記のような送風ダクトを用いることにより、フィルム66は以下のようにして所定の乾燥状態となるように送風される。第1,第2厚み測定機114,115により測定されたフィルム66の幅方向における厚みデータが、それぞれ送風コントローラ159に送られる。このとき、第1厚み測定機114のデータ(以下、データAと称する。)と、第2厚み測定機115のデータ(以下、データBと称する。)とは、それぞれ、フィルム66の両側端部FEの測定結果とフィルム中央部FCの測定結果とを区別して送風コントローラ159に送られる。そして、送風コントローラ159は、送られてきたデータAとデータBとに基づいて、フィルム66の両側端部FEとフィルム中央部FCとに対する送風条件を別々に求めて各ダクト部152〜155からの送風をそれぞれ独立制御する。
送風コントローラ159では次のように送風条件を求める。フィルム中央部FCとフィルム側端部FEとの送風条件の求め方は基本的には同じであるので、ここではフィルム中央部FCの送風条件の求め方のみを説明する。まず、フィルム中央部FCのデータAとデータBとが送られてくると、次の式(1)により溶媒残留率(単位;重量%)を求める。なお、式(1)において、MAはデータAにおける厚み平均値(単位;μm)、MBはデータBにおける厚み平均値(単位;μm)、MCはテンタによる延伸倍率である。この延伸倍率MC(%)は、延伸前の幅をD1、延伸後の幅をD2とするとき、(D2/D1)×100で求められる値である。送風コントローラ159には、予め、溶媒残留量毎の好適な送風条件データが組み込まれており、厚みデータA及びBを使用して式(1)で求められる溶媒残留率に応じて送風条件を決定する。
溶媒残留率(%)=[{MA−MB×(1+MC/100)}×100]/MA・・・(1)
そして、フィルム側端部FEも、フィルム中央部FCと同様に厚みデータAと厚みデータBとから溶媒残留率を求めた後、この溶媒残留率に応じた送風条件が決定されて、送風される。
前述のように、第1,第2送風ダクトの代わりに遠赤外線ヒータや電熱ヒータ等を用いる場合にも、上記のように、フィルム66の幅方向に区分されたエリアが3つ以上であって、そのエリア毎に独立して加熱条件を設定できるものとする。さらに、これらのヒータが送風機能を有する場合には、その送風機能についても、前記エリア毎に送風条件を設定することができることが好ましい。
なお、本実施形態では、フィルム66に対し、第1と第2との両送風ダクト112,113を用いて両面側より送風しているが、いずれか一方の送風ダクトのみを用いて片面側のみから送風してもよい。
上記のように、フィルムの中央部と側端部とは送風条件が独立制御されてそれぞれ乾燥されるため、幅方向における溶媒残留率分布を好適に制御することができる。また、上記方法によると、製膜条件である温度等から乾燥条件を求めて制御するのではなく、フィルム状態である厚みデータ及びこのデータから求められる溶媒残留率に基づいて乾燥条件を決定するので、より的確な制御が可能となる他、ドープのロット毎の性状変動や、環境変化等にも効率的に対応して乾燥条件を決定することができる。さらに、厚みデータに基づいて溶媒残留率を求めることにより、溶媒残留率測定のためのサンプリングが不要となるので製造条件を効率的に求めることができる。そして、テンタ導入直前で上記のように幅方向における溶媒残留率分布制御を実施すると、延伸が幅方向において均一に行われる。なお、渡り部における送風条件を制御するための厚み測定データは、第2厚み測定機115の代わりに第3厚み測定機133を用いて測定してもよい。
さらに、本実施形態ではテンタ68(図2参照)にも送風ダクトを同様に設けており、例えば、第2厚み測定機115と第3厚み測定機133とにより求められる延伸前及び延伸後の各厚みデータを基にして溶媒残留率を求め、テンタにおける効果的な送風条件を効果的、効率的に制御することができる。そして、テンタでの幅方向における送風が効果的に制御されることにより、フィルムの幅方向における温度分布が好適に制御されるので、延伸がより均一になされる。なお、この場合には、第3厚み測定機の位置を巻取室82に代えてテンタの直後としてもよいし、第2厚み測定機の代わりに第1厚み測定機を用いてもよい。同様に、第1乾燥室72や第2乾燥室73の各前後に厚み測定機を備えると、第1乾燥室72や第2乾燥室73における送風条件を効率的に制御することができる。
また、光学特性測定機136は、フィルム66の幅方向に沿った方向で、面内リタデーションReと厚み方向リタデーションRthと分子配向の方向とを測定する。これらの各データも前述の厚みデータと同様に、フィルム側端部と中央部とに区別されて、送風コントローラ159に送られる。走行するフィルム66を所定の延伸条件で幅方向に延伸した場合には、その溶媒残留率により分子配向状態が異なるので、予め溶媒残留率と延伸条件と走行速度との関係を求めておき、このデータを送風コントローラ159に組み込んでおく。そして、予め組み込まれているデータと、送られてきたデータとを対応させて、送風条件を定める。このように、送風コントローラ159は、厚みデータに代えて、または加えてこれらの光学特性データを基に溶媒残留率を求め、送風条件を求める。
なお、上記のように厚み測定データや、光学特性データを送風条件等にフィードバックして制御する方式としては、例えばPID制御等が挙げられる。
以上のように、本発明では、送風条件をフィルムの幅方向に沿って3つ以上のエリアに分けて設定し、エリア毎にその送風を制御する。これにより、幅方向におけるフィルム状態の違いに応じてエリア毎に好適な乾燥状態となる。また、送風条件は、フィルム状態のひとつの指標である溶媒残留率を基に決定されるために、その条件の的確さが向上する。そして、溶媒残留率は、サンプリングによる実測値ではなく、幅方向において測定される厚みと光学特性との少なくともいずれか一方に基づいて算定されるためにフィルム製造を停止することなく検知され、製造の効率化を図ることができる。
図示は略すが、本発明は、2種類以上のドープを使用して同時積層共流延又は逐次積層共流延する場合にも適用することができる。さらに両共流延を組み合わせる場合にも適用することができる。同時積層共流延を行う際には、周知のフィードブロックを取り付けた流延ダイを用いてもよいし、マルチマニホールド型流延ダイを用いてもよい。共流延により製造される多層フィルムは、空気面側の層の厚さと支持体側の層の厚さとの少なくともいずれか一方が、フィルム全体の厚みの0.5%〜30%であることが好ましい。さらに、同時積層共流延を行う場合には、粘度が高い方のドープが粘度が低い方のドープにより包み込まれる、あるいは挟み込まれるように流延ダイから流出されることが好ましい。また、同時積層共流延を行なう場合には、ダイスリットから支持体にかけて形成される流延ビードのうち、外界と接するドープが内部のドープよりもアルコールの組成比が大きいことが好ましい。
流延ダイ、減圧チャンバ、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フィルム回収方法まで、特開2005−104148号の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されている。これらの記載も本発明に適用することができる。
ドープ製造設備の概略図である。 本発明の溶液製造設備の概略図である。 セルロースアシレートフィルムへの送風方法を示す説明図である。 セルロースアシレートフィルムの延伸線に関する説明図である。
符号の説明
62 流延ダイ
67 流延バンド
68 テンタ
112,113 第1,第2送風ダクト
114,115,133 第1,第2,第3厚み測定機
136 光学特性測定装置
152,154 第1ダクト部
153,155 第2ダクト部

Claims (10)

  1. 連続走行する支持体上に流延ダイからドープを流出し、前記支持体からフィルムとして剥ぎ取る流延装置と、前記フィルムを乾燥する乾燥装置とを備える溶液製膜設備において、
    前記フィルムを幅方向に延伸しながら乾燥する第1の前記乾燥装置と、
    前記延伸の前に前記フィルムを乾燥するための第2の前記乾燥装置と、
    を備え、
    前記第1及び第2乾燥装置は、前記フィルムの幅方向で少なくとも3つに区分されたエリア毎に、前記乾燥のための温度を独立制御する第1制御手段を有することを特徴とする溶液製膜設備。
  2. 前記第1及び第2乾燥装置の少なくともいずれか一方は、前記エリア毎に対応して送風するための少なくとも3つの送風手段を備える送風装置であり、
    前記送風手段毎の送風温度が前記第1制御手段により独立して制御されることを特徴とする請求項1記載の溶液製膜設備。
  3. 前記送風装置は、前記送風手段毎に風速及び風量を独立制御する第2制御手段を有することを特徴とする請求項2記載の溶液製膜設備。
  4. 前記第2乾燥装置の上流で、前記各エリアに対応するフィルム領域毎に前記フィルムの厚みを検知する第1厚み検知手段と、
    前記第1乾燥装置により乾燥した後に、前記フィルム領域毎に前記フィルムの厚みを検知する第2厚み検知手段と、
    を備え、
    前記第1制御手段は、前記第1及び第2厚み検知手段による厚み検知結果に基づいて前記温度を独立制御することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の溶液製膜設備。
  5. 乾燥後の前記フィルムの面内リタデーションReと厚み方向リタデーションRthと分子配向度との少なくともいずれかひとつを前記フィルム領域毎に検知する光学特性検知手段を備え、
    前記第1制御手段と前記第2制御手段との少なくともいずれか一方は、前記光学特性検知手段の検知結果に基づき、前記温度、または前記風速と風量とを、前記エリア毎に独立制御することを特徴とする請求項2ないし4いずれか1項記載の溶液製膜設備。
  6. 連続走行する支持体上にドープを流延してフィルムとして剥がし、このフィルムを乾燥装置により乾燥する溶液製膜方法において、
    前記フィルムを幅方向に延伸しながら乾燥する第1乾燥工程と、前記第1乾燥工程前の前記フィルムを乾燥するための第2乾燥工程とを有し、
    前記第1及び第2乾燥工程では、前記フィルムの幅方向に少なくとも3つに区分されたエリア毎で前記乾燥のための温度を独立制御することを特徴とする溶液製膜方法。
  7. 前記第1、第2乾燥工程の少なくともいずれか一方は、前記フィルムに風を吹き付けることにより前記フィルムを乾燥する送風工程であり、前記風の温度が前記エリア毎に独立制御されることを特徴とする請求項6記載の溶液製膜方法。
  8. 風速及び風量を前記エリア毎に制御することを特徴とする請求項7記載の溶液製膜方法。
  9. 前記第2乾燥工程の前に、前記エリアに対応するフィルム領域毎に前記フィルムの厚みを測定して、これらの測定結果を第1データとし、
    前記第1乾燥工程により乾燥した後に、前記フィルム領域毎に前記フィルムの厚みを測定して、これらの測定結果を第2データとし、
    前記第1及び第2データに基づいて前記エリア毎の前記温度を独立制御することを特徴とする請求項6ないし8いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  10. 乾燥後の前記フィルムの面内リタデーションReと厚み方向リタデーションRthと分子配向度との少なくともいずれかひとつを前記フィルム領域毎に測定してこれらの測定結果を第3データとし、
    この第3データに基づき、前記温度と前記風速及び風量との少なくともいずれか一方を前記エリア毎に独立制御することを特徴とする請求項9記載の溶液製膜方法。
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