JP2009119809A - 流延方法、溶液製膜方法、流延装置、及び溶液製膜設備 - Google Patents

流延方法、溶液製膜方法、流延装置、及び溶液製膜設備 Download PDF

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剛志 牧
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亮 武田
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Abstract

【課題】面状故障を回避しつつ、効率よくフイルムを製造する。
【解決手段】流延ドラム54は、軸54aを中心に回転する。流延ドラム54の回転により、周面54bが走行する。周面54bに走行により、周面54b近傍に同伴風200が発生する。同伴風200は、略方向Z1へ流れる。周面54bには、被膜90が形成される。被膜90の水接触角θは、85°未満である。流延ドープは、流出口52aから被膜90へ、流延ビード92を形成しながら、流出する。被膜90上に形成した流延膜は、冷却により、自己支持性が発現する。流延膜53を周面54bから剥ぎ取って湿潤フイルム68を得る。湿潤フイルム68は、渡り部65を介して、ピンテンタ13へ案内される。ピンテンタ13を経た湿潤フイルム68は、フイルム22となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、流延方法、溶液製膜方法、流延装置、及び溶液製膜設備に関する。
ポリマーフイルム(以下、フイルムと称する)は、優れた光透過性や柔軟性および軽量薄膜化が可能であるなどの特長から光学機能性フイルムとして多岐に利用されている。中でも、セルロースアシレートなどを用いたセルロースエステル系フイルムは、強靭性を有し、低複屈折率であることから、写真感光用フイルムをはじめとして、近年市場が拡大している液晶表示装置(LCD)の構成部材である偏光板の保護フイルムまたは光学補償フイルムなどの光学機能性フイルムに用いられている。
フイルムの主な製造方法としては、溶融押出方法と溶液製膜方法とがある。溶融押出方法とは、ポリマーをそのまま加熱溶解させた後、押出機で押し出してフイルムを製造する方法であり、生産性が高く、設備コストも比較的低額であるなどの特徴を有する。しかし、膜厚精度を調整することが難しく、また、フイルム上に細かいスジ(ダイライン)ができるために、光学機能性フイルムへ使用することができるような高品質のフイルムを製造することが困難である。一方、溶液製膜方法は、ポリマーと溶媒とを含んだポリマー溶液(ドープ)を支持体上に流延して形成した流延膜が自己支持性を有するものとなった後、これを支持体から剥がして湿潤フイルムとし、さらに、この湿潤フイルムを乾燥させてフイルムとする方法である。溶融押出方法と比べて、光学等方性や厚み均一性に優れるとともに、含有異物の少ないフイルムを得ることができるため、光学機能性フイルムは、主に溶液製膜方法で製造されている。
この溶液製膜方法は、セルローストリアセテートなどのポリマーをジクロロメタンや酢酸メチルを主溶媒とする溶媒に溶解した高分子溶液(以下、ドープと称する)を調製する。更に、このドープに所定の添加剤を混合し、流延用のドープを調製する。このドープを流延ダイより吐出させて流延ビードを形成させ、キャスティングドラムやエンドレスバンドなどの支持体上に流延膜を形成する。そして、流延膜の冷却により、流延膜のゲル化を進行させ、流延膜に自己支持性を発現させる。その後、この流延膜を、支持体から湿潤フイルムとして剥ぎ取り、この湿潤フイルムを乾燥させたものをフイルムとして巻き取る。
走行する支持体の表面近傍には、走行方向と略同一の方向に流れる同伴風が発生する。この同伴風が、流延膜と支持体表面との間に流入すると、流延膜表面に凹凸が生じ、結果として、フイルムの表面に凹凸ができる故障(以下、面状故障と称する)が生じてしまう。特許文献1では、減圧チャンバを用いて、流延ビードの背面側を減圧し、流延膜と支持体との密着性を向上させて、同伴風の流入を防ぐ溶液製膜方法が開示されている。
特開2006−123500号公報
ところで、流延膜に自己支持性を発現させる工程では、冷却等により流延膜から脂肪酸、脂肪酸エステルや脂肪酸金属塩などを主成分とするWAX成分が支持体表面に析出する。このWAX成分は、被膜となって支持体表面を覆う。このWAX成分からなる被膜は、支持体の表面に比べて高い水接触角を有するため、被膜上におけるドープの濡れ広がりが悪い。濡れ性の悪い被膜上にドープを流出すると、流延膜と被膜との間の密着性が低下するため、同伴風が流延ビードの背面側近傍へ流入しやすくなり、結果として、面状故障が起こりやすくなる。
また、支持体上に析出したWAX成分を除去する作業を行う場合には、支持体の走行を低速にする、あるいは停止する必要があるため、結果として、フイルムの生産性が低下してしまう。
本発明は、上記課題を解決するものであり、表面が平滑のフイルムを効率よく製造することができる流延方法、溶液製膜方法、流延装置及び溶液製膜設備を提供することを目的とする。
本発明の流延方法は、ポリマーと溶媒とを含むドープを、エンドレスに走行する支持体に設けられ、水接触角が85°未満の被膜上に流延することを特徴とする。
前記被膜が、前記ポリマーとWAX成分とを含み、前記被膜における前記ポリマーの含有濃度が5重量%以上15重量%以下であることが好ましい。前記ポリマーはセルロースアシレートを含み、前記WAX成分は、脂肪酸と脂肪酸金属塩と脂肪酸エステルとのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、本発明は、前記支持体上の前記ドープから前記流延膜を形成し、前記流延膜を冷却し、自己支持性を有する前記流延膜を前記支持体から剥ぎ取る溶液製膜方法において、前記支持体上に前記被膜が残留するように、前記支持体から前記流延膜を剥ぎ取った後に、新たなドープを用いて前記流延を行うことを特徴とする。
前記剥ぎ取り時の前記流延膜の残留溶媒量が100重量%以上300重量%以下であること、前記溶媒における貧溶媒の含有量が10重量%以上20重量%以下であること、前記支持体の温度を−20℃以上0℃以下とすること、または、前記流延膜の雰囲気のガス露点が−15℃以上15℃以下であることが好ましい。
前記支持体が、走行速度が80m/分以上の流延ドラムの周面であることが好ましい。また、前記ドープが、層をなす2種類以上のドープを含むことが好ましい。
本発明の流延装置は、エンドレスに走行し、水接触角が85°未満の被膜を有する支持体と、ポリマーと溶媒とを含むドープを前記被膜上に流延する流延ダイと、を備えることを特徴とする。
本発明の溶液製膜設備は、前記支持体上に前記被膜が残留するように、自己支持性を有する前記流延膜を前記支持体から剥ぎ取る剥取装置と、前記支持体上に残留した前記被膜上に前記ドープを流延する前記流延装置と、を備えることを特徴とする。
前記剥取装置は、前記流延膜を前記支持体から剥ぎ取る剥取ローラと、前記流延膜の雰囲気のガス露点を−15℃以上15℃以下に調節するガス露点調節部と、前記支持体の温度を−20℃以上0℃以下に調節する支持体温度調節部と、前記流延ドラムの周面の走行速度を80m/分以上に調節する支持体速度調節部と、のうち少なくとも1つを含む制御機とを備えることが好ましい。
本発明の溶液製膜方法によれば、ポリマーと溶媒とを含むドープを、エンドレスに走行する支持体に設けられた、水接触角が85°未満の被膜上に流延するため、流延膜と被膜との間の密着性が低下せずに、面状故障を回避することが可能となり、表面が平滑のフイルムを効率よく製造することができる。
また、所定条件下で流延膜を支持体から剥ぎ取ることにより、前記被膜を支持体上に残留させることが可能なため、面状故障を回避しつつ、析出物の除去のために設備を停止することなく、連続して溶液製膜方法を行うことができる。したがって、本発明は、溶液製膜方法におけるフイルムの生産性を向上させることができる。
以下に、本発明の実施態様について詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施態様に限定されるものではない。
(溶液製膜方法)
図1に、本実施形態で用いるフイルム製造ライン10の概略図を示す。フイルム製造ライン10は、流延室12とピンテンタ13とクリップテンタ14と乾燥室15と冷却室16と巻取室17とを有する。
ストックタンク20は、後述する流路を介して流延室12と接続する。ストックタンク20には、モータ20aで回転する攪拌翼20bとジャケット20cとが備えられており、その内部には、溶媒とフイルム22の原料となるポリマーとを含むドープ24が貯留されている。ストックタンク20は、常時、その外周面に設けられているジャケット20cにより、ドープ24の温度が略一定となるように調整されるとともに、攪拌翼20bの回転により、ポリマーなどの凝集を抑制しながら、ドープ24を均一の状態に保持する。
ストックタンク20と後述するフィードブロックとの間には、中間層用ドープ流路30aと裏面用ドープ流路30bと表面層用ドープ流路30cとが接続されている。ドープ24は、それぞれの流路30a〜30cに設けられているポンプ31a〜31cにより送液される。ポンプ31a〜31cは、図示しない制御部に接続する。この制御部により、ポンプ31a〜31cは、所定の流量で各ドープを送り出す。ポンプ31a〜31cとしては、ギアポンプを用いることが好ましい。このギアポンプとしては、公知のギアポンプであればいずれでもよい。
中間層用ドープ流路30aには、配管を介してストックタンク33aが接続する。ストックタンク33aには、中間層用添加液34aが貯留する。流路30aとストックタンク33aとを接続する配管には、ポンプ35aが設けられる。ストックタンク33a中の中間層用添加液34aは、ポンプ35aにより中間層用ドープ流路30aに送液され、中間層用ドープ流路30a中のドープ24に添加される。その後、ドープ24と中間層用添加液34aとは、中間層用ドープ流路30aに設けられる静止型混合器(スタティックミキサ)38aにより攪拌混合されて均一となる。以下、このドープを中間層用ドープ39aと称する。中間層用添加液34aには、例えば紫外線吸収剤,レターデーション制御剤や可塑剤などの添加剤が予め含まれた溶液(または分散液)が入れられている。
裏面用ドープ流路30bには、配管を介してストックタンク33bが接続する。ストックタンク33bには、裏面用添加液34bが貯留する。流路30bとストックタンク33bとを接続する配管には、ポンプ35bが設けられる。ストックタンク33b中の裏面用添加液34bは、ポンプ35bにより裏面用ドープ流路30bに送液され、裏面用ドープ流路30b中のドープ24に添加される。その後、ドープ24と裏面用添加液34bとは、裏面用ドープ流路30bに設けられる静止型混合器38bにより攪拌混合されて均一となる。以下、このドープを裏面層用ドープ39bと称する。
表面層用ドープ流路30cには、配管を介してストックタンク33cが接続される。ストックタンク33cには、表面層用添加液34cが貯留する。流路30cとストックタンク33cとを接続する配管には、ポンプ35cが設けられる。ストックタンク33c中の表面層用添加液34cは、ポンプ35cにより表面層用ドープ流路75に送液され、表面層用ドープ流路30c中のドープ24に添加される。その後、ドープ24と表面層用添加液34cとは、表面層用ドープ流路30cに設けられる静止型混合器38cにより攪拌混合されて均一となる。以下、このドープを表面層用ドープ39cと称する。
裏面用添加液34bや表面層用添加液34cには、支持体である流延バンドからの剥離を容易とする剥離促進剤(例えば、クエン酸エステルなど)、フイルムをロール状に巻き取った際にフイルム面間での密着を抑制するマット剤(例えば、二酸化ケイ素など)や劣化防止剤などの添加剤が予め含有されている。なお、裏面用添加液34bや表面層用添加液34cには、可塑剤,紫外線吸収剤やレターデーション制御剤などの光学特性制御剤などの添加剤が含まれていても良い。
(ドープの粘性)
本実施形態では、基層を形成するドープ(以下、基層形成用ドープと称する)として中間層用ドープ39aを用い、表層を形成するドープ(以下、表層形成用ドープと称する)として、裏面層用ドープ39b,表面層用ドープ39cを用いる。基層形成用ドープとしては、製造する光学機能性フイルムの強度や光学的機能に適するドープを用い、表層形成用ドープとしては、光学機能性フイルムの平面性や滑り性を良くするためのドープを用いる。また、上記に加え、表層形成用ドープとして、基層形成用ドープよりも粘性が低いものを用いることが好ましい。これにより、後述する流延膜や湿潤フイルムの表面におけるスジやムラの生成や、厚さムラなどを防ぐことができる。なお、積層共流延法等により製造され、層構造をなす積層フイルムにおいて、フイルムの主要部を形成する層を基層と称し、基層の片面あるいは両面に露出する層を表層と称する。
(ドープ濃度)
なお、基層形成用ドープに含まれるポリマー濃度は、20重量%以上25重量%以下であることが好ましく、表層形成用ドープに含まれるポリマー濃度は、20重量%以上22重量%以下であることが好ましい。
流延室12には、3種類のドープ39a〜39cから流延ドープをつくるフィードブロック51と、流延ドープを流出する流延ダイ52と、支持体であり、流延ドープから流延膜53を形成するキャスティングドラム(以下、流延ドラムと称する)54と、流延ドラム54から流延膜53を剥ぎ取る剥取ローラ55と、温調装置56、57と凝縮器(コンデンサ)58と回収装置59とが備えられている。また、制御部60は、流延ドラム54、温調装置56、57、回収装置59と接続する。
また、凝縮器58は、流延室12内に気化する溶媒を凝縮液化する。制御部60の制御の下、回収装置59は、凝縮器58により凝縮液化した溶媒を回収し、流延室12内の雰囲気のガス露点TRを、所定の範囲に保つ。ガス露点とは、流延室12内の雰囲気に気化する溶媒の凝縮液化が開始する温度である。回収された溶媒は再生装置で再生された後に、ドープ調製用溶媒として再利用される。制御部60の制御の下、温調装置57は、流延室12内の雰囲気の温度を所定の範囲に保つ。
(流延ドラム)
流延ドラム54は、制御部60の制御の下、図示を省略した駆動装置により軸54aを中心に、方向Z1へ回転する。流延ドラム54の回転により、周面54bは方向Z1へ所定の速度ZVで走行する。温調装置56は、制御部60の制御の下、所望の温度に調節された伝熱媒体を、流延ドラム54内に設けられる流路中を循環させる。この伝熱媒体の循環により、流延ドラム54の周面54bの温度を所望の温度TSに保つことができる。
流延ドラム54の幅は特に限定されるものではないが、ドープの流延幅の1.1倍〜2.0倍の範囲のものを用いることが好ましい。周面54bの表面粗さは0.01m以下となるように研磨したものを用いることが好ましい。周面54bの表面欠陥は最小限に抑制する必要がある。具体的には、30μm以上のピンホールが無く、10μm以上30μm未満のピンホールは1個/m2以下であり、10μm未満のピンホールは2個/m2以下であることが好ましい。流延ドラム54の回転に伴う周面54b上下方向の位置変動は200μm以下であることが好ましい。流延ドラム54の速度変動を3%以下とし、流延ドラム54が一回転する際に生じる幅方向の蛇行は3mm以下とすることが好ましい。
流延ドラム54の幅は特に限定されるものではないが、ドープの流延幅の1.1倍〜2.0倍の範囲のものを用いることが好ましい。流延ドラム54の材質は、ステンレス製であることが好ましく、十分な耐腐食性と強度とを有するようにSUS316製であることがより好ましい。流延ドラム54の周面54bに施されるクロムメッキ処理はビッカース硬さHv700以上、膜厚2μm以上、いわゆる硬質クロムメッキであることが好ましい。
(フィードブロック)
フィードブロック51は、流路30a〜30cと接続する第1〜第3流入口と、流延ダイ52と接続する流出口と、第1流入口及び流出口を接続する主流路とを備える。また、主流路に設けられる合流部は、副流路により、第2流入口及び第3流入口と、それぞれ接続する。また、合流部では、ドープ39aに、ドープ39b、39cが合流する。各ドープ39a〜39cの合流により、各ドープ39a〜39cが層を成す流延ドープがつくられる。こうして、フィードブロック51は、流路30a〜30cから送られる各ドープ39a〜39cを、合流部で合流させて、流延ドープをつくり、所定の流量の流延ドープを流延ダイ52へ送る。
(流延ダイ)
流延ダイ52は、フィードブロック51の流出口と連結する流入口と、流延ドープを流出する流出口52aとを備える。流出口は、流延ダイ52の先端に設けられる。流延ダイ52は、回転する流延ドラム54の周面54bに向けて、流延ドープを吐出する。その後、流延ドラム54の周面54b上の流延ドープから流延膜53が形成される。そして、流延ドラム54が約3/4回転する間に、ゲル化による自己支持性が流延膜53に発現し、流延膜53は剥取ローラ55によって流延ドラム54から剥ぎ取られる。
流延ダイ52の材質は、電解質水溶液、ジクロロメタンやメタノールなどの混合液に対する高い耐腐食性、及び低い熱膨張率を有する素材から形成される。流延ダイ52の接液面の仕上げ精度は表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下のものを用いることが好ましい。
また、減圧チャンバ63を、流延ダイ52に対し、方向Z1の上流側に配置してもよい。減圧チャンバ63は、流延ビードの背面(後に、流延ドラム54の周面54bに接する面)側を所望の圧力まで減圧する。図示しない制御部の制御の下、減圧チャンバ63は、流延ビードの背面側を−10Pa以上−2000Pa以下の範囲で減圧することができる。流延ビードの背面側の減圧により、流延ドラム54の回転により発生する同伴風の影響を少なくし、流延ダイ52と流延ドラム54との間に安定した流延ビードを形成し、膜厚ムラの少ない流延膜53を形成することができる。
流延室12の下流には、渡り部65、ピンテンタ13、クリップテンタ14が順に設置されている。渡り部65は、剥取ローラ55によって剥ぎ取られた湿潤フイルム68を、ローラ66により、ピンテンタ13に導入する。ピンテンタ13は、湿潤フイルム68の両側縁部を貫通して保持する多数のピンプレートを有し、このピンプレートが軌道上を走行する。ピンプレートにより走行する湿潤フイルム68に対し乾燥風が送られ、湿潤フイルム68は乾燥し、フイルム22となる。
クリップテンタ14は、フイルム22の両側縁部を把持する多数のクリップを有し、このクリップが延伸軌道上を走行する。クリップにより走行するフイルム22に対し乾燥風が送られ、フイルム22には、フイルム幅方向への延伸処理とともに乾燥処理が施される。
ピンテンタ13及びクリップテンタ14の下流にはそれぞれ耳切装置70a、70bが設けられている。耳切装置70a、70bはフイルム22の両側縁部を裁断する。この裁断した両側縁部は、送風によりクラッシャ71a、71bに送られて、粉砕され、ドープ等の原料として再利用される。
乾燥室15には、多数のローラ75が設けられており、これらにフイルム22が巻き掛けられて搬送される。乾燥室15内の雰囲気の温度や湿度などは、図示しない空調機により調節されており、乾燥室15の通過によりフイルム22の乾燥処理が行われる。乾燥室15には吸着回収装置76が接続されており、フイルム22から蒸発した溶媒が吸着回収される。
乾燥室15の出口側には冷却室16が設けられており、この冷却室16でフイルム22が室温となるまで冷却される。冷却室16の下流には強制除電装置(除電バー)80が設けられており、フイルム22が除電される。さらに、強制除電装置80の下流側には、ナーリング付与ローラ81が設けられており、フイルム22の両側縁部にナーリングが付与される。巻取室17には、プレスローラ83を有する巻取機84が設置されており、フイルム22が巻き芯にロール状に巻き取られる。
次に、図1を用いて、フイルム製造ライン10によりフイルム22を製造する方法の一例を説明する。ストックタンク20では、ジャケット20cの内部に伝熱媒体を流すことによりドープ24の温度を25℃以上35℃以下の範囲で略一定となるように調整するとともに、攪拌翼20bの回転により常に均一化している。
ストックタンク20に貯留するドープ24と所定の中間層用添加液34aとから中間層用ドープ39aが調製される。調製された中間層用ドープ39aは、流路30aを介して、フィードブロック51へ送られる。同様にして、ドープ24と所定の添加液34bとから裏面層用ドープ39bが、ドープ24と所定の添加液34cとから表面層用ドープ39cが、それぞれ調製される。調製された裏面層用ドープ39bは、流路30bを介して、調製された表面層用ドープ39cは、流路30cを介して、フィードブロック51へ送られる。フィードブロック51は、各ドープ39a〜39cが層を成す流延ドープをつくり、流延ダイ52へ流延ドープを送る。
流延ダイ52は、流延ドープを流延ドラム54へ流延し、流延膜53を形成する。その後、剥取ローラ55は、自己支持性が発現した流延膜53を、流延ドラム54から湿潤フイルム68として剥ぎ取り、渡り部65を介して、ピンテンタ13へ案内する。流延室12内で行われる各処理についての詳細は後述する。
ピンテンタ13では、多数のピンを湿潤フイルム68の両側端部に差し込んで固定した後、この湿潤フイルム68を搬送する間に乾燥を促進させてフイルム22とする。そして、まだ溶媒を含んでいる状態のフイルム22をクリップテンタ14に送り込む。このとき、クリップテンタ14に送られる直前でのフイルム22の残留溶媒量は、50〜150重量%であることが好ましい。なお、本発明では、フイルム中に残留する溶媒量を乾量基準で示したものを残留溶媒量とする。また、その測定方法は、対象のフイルムからサンプルを採取し、このサンプルの重量をx、サンプルを乾燥した後の重量をyとするとき、{(x−y)/y}×100で算出する。
クリップテンタ14では、チェーンの動きによりエンドレスで走行する多数のクリップによりフイルム22の両側端部を挟持した後、このフイルム22を搬送する間に、乾燥を促進させる。このとき、対面するクリップ間距離(フィルム幅)を拡げてフイルム22の幅方向に張力を付与することでフイルム22を延伸する。このように、フイルム22の幅方向への延伸処理により、フイルム22中の分子が配向し、所望のレターデーション値をフイルム22に付与することができる。
ピンテンタ13及びクリップテンタ14を出たフイルム22は、耳切装置70a、70bによって両側端部が裁断される。両側端部が切断されたフイルム22は、乾燥室15と冷却室16とを経由し、巻取室17内の巻取機84によって巻き取られる。また、耳切装置70a、70bによって切断された両側端部はクラッシャ71a、71bにより粉砕されて、ドープ調製用チップとなり再利用される。
巻取機84で巻き取られるフイルム22は、長手方向(流延方向)に少なくとも100m以上とすることが好ましい。また、フイルム22の幅が600mm以上であることが好ましく、1400mm以上2500mm以下であることがより好ましい。また、本発明は、2500mmより幅広の場合にも効果がある。さらに、フイルム22の厚みが20μm以上または80μm以下の薄いフイルムを製造する際にも本発明は適用される。
次に、流延室12内で行われる各処理の詳細について説明する。図2のように、周面54bは、制御部60の制御の下、80m/分以上200m/分以下の速度ZVで方向Z1へ走行する。周面54bの走行により、周面54bの近傍に同伴風200が発生する。同伴風200は、周面54bの近傍において、方向Z1と略同一の方向に流れる。また、周面54b上には、流延ドープとの濡れ性の高い、すなわち、水接触角θが、85°未満の被膜90が形成している。
この水接触角θは、水を支持体である流延ドラム54の周面54b上に滴下し、この滴下した水の形状を撮影して、得られた撮影画像から算出したものである。なお、水接触角θは、82°以下であることが好ましく、63°以下であることがより好ましい。
流延ダイ52の流出口52aから流出した流延ドープは、被膜90と流出口52aとの間にビード92を形成し、被膜90上に流延膜53を形成する。
被膜90は、流延ドープとの濡れ性が高いため、被膜90と流延膜53との密着性が向上し、同伴風200が被膜90と流延膜53との間へ流入することを防ぐことができる。したがって、本発明によれば、同伴風200に起因する面状故障を防ぐことができる。
(被膜の組成)
被膜90は、WAX成分とともに、流延ドープに含まれるポリマー、すなわち、TACを含むことが好ましい。被膜90におけるTAC濃度C1は、5重量%以上15重量%以下であることが好ましく、7重量%以上15重量%以下であることがより好ましい。被膜90におけるTAC濃度C1が5重量%未満の場合には、周面54b上における流延ドープの濡れ性の向上を十分に発揮できない。一方、被膜90におけるTAC濃度C1が15重量%を超える場合には、周面54b上における流延膜53の剥離性が悪化し、多量の流延膜53が周面54b上に残留してしまうため、好ましくない。
(WAX成分)
WAX成分としては、セルロースに元来含まれているものや、セルロースからセルロースアシレートを精製する段階で、セルロースアシレートとともに副次的に精製するものがある。具体的には、前者は、脂肪酸、脂肪酸エステルなどであり、後者は、脂肪酸金属塩などがある。脂肪酸としては、ポリマーや添加剤などに含まれているものであり、炭素数が26以上のものであることが好ましい。炭素数が25以下のものは溶媒に溶けやすく、流延膜53から析出しにくいためである。脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリマーに含まれている脂肪酸と、溶媒に含まれるアルコールとの間で生成するものであってもよいし、ドープ24を調製する際に添加する添加剤と溶媒に含まれるアルコールとの間で生成するものであっても良い。また、脂肪酸金属塩としては、前記脂肪酸と金属原子のイオンとなるものが挙げられ、具体的には、脂肪酸Caや脂肪酸Mgなどがある。
WAX成分の組成は、IR(赤外分光光度計)、GCMS(ガスクロマトグラフ質量分析計)、NMR(核磁気共鳴装置)などにより測定することができる。また、被膜90におけるポリマーの含有量は、GCMSなどにより測定することができる。
また、周面54bの速度ZVが80m/分以上200m/分以下であるため、同伴風の発生量が増大し、面状故障が発生しやすくなるが、本発明によれば、被膜90と流延膜53との密着性が向上し、同伴風200が被膜90と流延膜53との間へ流入することを防ぐことができるため、同伴風200に起因する面状故障を防ぐことができる。
図1及び図3のように、制御部60の制御の下、回収装置59は、流延室12内の雰囲気のガス露点TRを所定の範囲に保ち、温調装置56は周面54bの温度を所望の温度TSに保ち、温調装置57は流延室12内の雰囲気の温度を所定の範囲に保つ。被膜90上の流延ドープは冷却される。流延膜53の冷却が進行すると、結晶の基となる架橋点が形成されて流延膜53のゲル化が促進される。流延ドープのゲル化の進行により、流延膜53には自己支持性が発現する。剥取ローラ55は、自己支持性を有する流延膜53を、湿潤フイルム68として周面54bから剥ぎ取り、渡り部65へ案内する。
流延膜53を周面54bから剥ぎ取る際には、被膜90が周面54b上に残留するような条件(以下、被膜残留条件と称する)を満たすため、流延膜53が剥ぎ取られた周面54bには、被膜90が残留する。したがって、流延膜53を剥ぎ取った後の周面54bに、新たな流延ドープを被膜90上に流出することができる。被膜残留条件としては、周面54b上のポリマーが周面54b上に被膜90として残留する条件である。ポリマーを周面54b上に残留させるためには、流延膜53のポリマーのゲル化を十分に進行させない条件とすることが好ましいが、流延膜53のポリマーがゲル化が十分に進行してしまった場合でも、結果として、剥ぎ取り後の周面54b上に被膜90として残留させる条件も、被膜残留条件に含まれる。被膜残留条件として、具体的には、以下の(1)〜(4)のうち少なくとも1つ、またはこれらを組み合わせた条件であることが好ましい。
(1)温度TSが−20℃以上0℃以下であること。
(2)ガス露点TRが−12℃以上0℃以下であること。
(3)剥ぎ取り時の流延膜53の残留溶媒量ZYが100重量%以上300重量%以下であること。
(4)ドープ24における貧溶媒濃度HCが、10重量%以上20重量%以下であること。
なお、温度TSは、−20℃以上−5℃以下であることがより好ましく、流延室12におけるガス露点TRは、−15℃以上15℃以下であることがより好ましく、残留溶媒量ZYが、100重量%以上300重量%以下であることがより好ましく、ドープ24における貧溶媒濃度HCが、10重量%以上20重量%以下であることがより好ましい。
ここで、貧溶媒濃度HC(%)は、溶媒に含まれる良溶媒及び貧溶媒の重量を、それぞれRY1、HY1とし、式1で定義される。
(式1) HC=HY1/(RY1+HY1)×100
貧溶媒濃度HCが20%を超えると、流延膜53のゲル化が起こりやすくなり、結果として、流延膜53の剥ぎ取り後の周面54bに、被膜90を残留させることが困難になるため、好ましくない。貧溶媒濃度HCが10%未満の場合には、流延膜53のゲル化が起こりにくくなり、流延膜53の剥ぎ残りや、剥ぎ取り中に流延膜53が分断してしまい、最終的に、製造ラインを停止しなくてはならなくなるため、好ましくない。
本発明は、被膜残留条件下で流延膜53を流延ドラム54から剥ぎ取るため、被膜となり得る新たなポリマー及びWAX成分が、流延膜53から析出しても、剥ぎ取られた湿潤フイルム68に転写されるため、結果として、周面54b上に形成される被膜90の量を、略一定に保持することができる。したがって、本発明によれば、流延膜53を周面54bから剥ぎ取る工程と、新たなドープ24を被膜90上に流延する工程とを連続で行うことができるため、溶液製膜方法の生産性を向上させることができる。
被膜90の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、周面54b上に形成した流延膜53を、前述した被膜残留条件と同様の条件下で剥ぎ取ることにより、周面54bに被膜90を形成することも可能である。また、ポリマー及びWAX成分の塗布により、周面54bに予め被膜を形成することも可能である。
なお、被膜90は、ポリマーやWAX成分が溶媒などに溶解する液体であってもよいし、ポリマーやWAX成分を含む固体であってもよい。また、被膜90の厚さは、特に限定されず、製造条件に応じて適宜調節すればよいが、被膜90上に形成した流延膜53のゲル化を制御する点において、できるだけ薄いほうが好ましい。
また、周面54b上で流延膜53を冷却すると、流延膜53からプレートアウト化合物が析出する。プレートアウト化合物が析出した支持体表面にそのまま流延膜を形成すると、結果として、プレートアウト化合物、あるいはプレートアウト化合物の跡がフイルムに転写される故障(以下、転写故障と称する)が生じてしまう。プレートアウト化合物は、主として、脂肪酸Caであり、WAX成分として元来含まれていた脂肪酸Caや、WAX成分に含まれる脂肪酸や脂肪酸エステルがCaイオンと反応して精製した脂肪酸Caなどがある。そして、本発明における脂肪酸Caは、(R−COO)2 Caとして付着するものの他、周面54bの酸素原子等との結合して付着するR−COOCa−を含む。このCaイオンは、セルロースアシレートを精製する過程において、セルロースのアセチル化の触媒(硫酸等)によるセルロースアシレートの加水分解を防ぐために添加された水酸化カルシウムに由来するもの等である。したがって、溶液製膜方法下で、脂肪酸CaやCaイオンをドープから事前に除去することは容易でなく、前述した転写故障を回避するためには、プレートアウト化合物の生成の都度、周面54bを逐一洗浄する必要がある。しかしながら、本発明では、被膜には、WAX成分とともにポリマーが存在するため、結果として、プレートアウト化合物の生成が抑制される。したがって、本発明によれば、周面54bの洗浄を行わずに、転写故障を回避しつつ、フイルムを効率よく製造することができる。
<原料>
以下、本発明においてドープ24を調製する際に使用する原料について説明する。
本実施形態では、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、セルロースアシレートとしては、セルローストリアセテート(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基へのアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、AおよびBは、セルロースの水酸基中の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数が3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90重量%以上が0.1〜4mmの粒子であることが好ましい。ただし、本発明に用いることができるポリマーは、セルロースアシレートに限定されるものではない。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位,3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位,3位および6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化の場合を置換度1とする)を意味する。
全アシル化置換度、すなわち、DS2+DS3+DS6の値は、2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)の値は、0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上であり、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2は、グルコース単位における2位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、2位のアシル置換度と称する)であり、DS3は、グルコース単位における3位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、3位のアシル置換度と称する)であり、DS6は、グルコース単位において、6位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、6位のアシル置換度と称する)である。
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでもよいし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていてもよい。2種類以上のアシル基を用いるときには、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位,3位および6位の水酸基がアセチル基により置換されている度合いの総和をDSAとし、2位,3位および6位の水酸基がアセチル基以外のアシル基によって置換されている度合いの総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、2.22〜2.90であることが好ましく、特に好ましくは2.40〜2.88である。
また、DSBは0.30以上であることが好ましく、特に好ましくは0.7以上である。さらにDSBは、その20%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましく、より好ましくは25%以上であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上であることが好ましい。さらに、セルロースアシレートの6位におけるDSA+DSBの値が0.75以上であり、さらに好ましくは、0.80以上であり、特には0.85以上であるセルロースアシレートも好ましく、これらのセルロースアシレートを用いることで、より溶解性に優れた溶液(ドープ)を作製することができる。特に、非塩素系有機溶媒を使用すると、優れた溶解性を示し、低粘度で濾過性に優れるドープを作製することができる。
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター,パルプのどちらから得られたものでもよい。
本発明におけるセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定はされない。例えば、セルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどが挙げられ、それぞれ、さらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましい例としては、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などが挙げられる。これらの中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などがより好ましく、特に好ましくは、プロピオニル基、ブタノイル基である。
ドープを調製する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)およびエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、本発明においてドープとは、ポリマーを溶媒に溶解または分散させることで得られるポリマー溶液または分散液を意味している。
上記のハロゲン化炭化水素の中でも、炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フイルムの機械的強度および光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対して2〜25重量%が好ましく、より好ましくは、5〜20重量%である。アルコールとしては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール,エタノール,n−ブタノール、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない溶媒組成も検討されている。この場合には、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく、これらを適宜混合して用いる場合もある。例えば、酢酸メチル,アセトン,エタノール,n−ブタノールの混合溶媒が挙げられる。これらのエーテル、ケトン,エステルおよびアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン,エステルおよびアルコールの官能基(すなわち、−O−,−CO−,−COO−および−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も溶媒として用いることができる。
また、溶媒として、複数の成分からなる混合溶媒を用いてもよい。混合溶媒を用いる場合には、貧溶媒と良溶媒との混合物であることが好ましく、式1の条件を満たすことがより好ましい。
(良溶媒)
ポリマーとしてセルロースアシレートを用いる場合、ポリマーの良溶媒成分としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)を用いること好ましい。これらの中でも、炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素を用いることがより好ましく、ジクロロメタンを用いることが最も好ましい。
(貧溶媒)
ポリマーとしてセルロースアシレートを用いる場合、ポリマーの貧溶媒成分としては、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)やケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)を用いることが好ましい。これらの中でも、炭素原子数1〜12のアルコールを用いることがより好ましく、メタノールを用いることが最も好ましい。
溶媒がそのポリマーの貧溶媒であるか良溶媒であるかの判断方法は、ポリマーが全重量の5重量%となるように当該溶媒とポリマーとを混合し、その混合物中に不溶解物が有るか否かにより行うことができる。そして、混合物中に不溶解物がある場合には、当該溶媒は貧溶媒であり、混合物中に不溶解物がない場合には、当該溶媒は良溶媒である。
セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号の[0140]段落から[0195]段落に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。また、溶媒および可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性コントロール剤,レターデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
複数層のフイルムを製造するために複数のドープを流延する方法としては、前述の同時積層共流延でも良いし、逐次流延でも良いし、双方を組み合わせても良い。同時積層共流延を行う際には、本実施形態のように流延ダイ52にフィードブロック51を取り付けても良いし、マルチマニホールド型流延ダイ(図示しない)を用いても良い。複層構造のフイルムは、共流延により多層からなるフイルムは、空気面側の層(エアー面層)の厚さ及び/又は支持体側の層の厚さがそれぞれ全体のフイルム厚さ中で0.5%〜30%であることが好ましい。さらに、同時積層共流延を行う場合に、ダイスリットから支持体にドープを流延する際に、高粘度ドープを低粘度ドープで包み込まれることが好ましい。また、同時積層共流延を行う場合に、ダイスリットから支持体にドープを流延する際に内部のドープは、そのドープよりもアルコールの組成比が大きなドープで包み込まれることが好ましい。なお、本発明は、1つの種類のドープを流延する流延工程や溶液製膜方法に用いることができる。
流延ダイ、減圧室、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フイルム回収方法まで、特開2005−104148号の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
次に、本発明の実施例を説明する。なお、以下の各実施例において、実施例1〜6は本発明の実施様態の例であり、比較例1、2は、実施例1〜6に対する比較実験である。また、各実施例の説明は実施例1で詳細に行い、実施例2〜6、比較例1、2については、実施例1と同じ条件の箇所の説明は省略する。
次に、本発明の実施例1について説明する。フイルム製造に使用したポリマー溶液(ドープ)の調製に際しての配合を下記に示す。
[ドープの調製]
ドープ24の調製に用いた化合物の処方を下記に示す。
セルローストリアセテート(置換度2.8) 89.3重量%
可塑剤A(トリフェニルフォスフェート) 7.1重量%
可塑剤B(ビフェニルジフェニルフォスフェート) 3.6重量%
の組成比からなる固形分(溶質)を
ジクロロメタン 80重量%
メタノール 13.5重量%
n−ブタノール 6.5重量%
からなる混合溶媒に適宜添加し、攪拌溶解してドープ24を調製した。なお、ドープ24のTAC濃度は略23重量%になるように調整した。ドープ24を濾紙(東洋濾紙(株)製,#63LB)にて濾過後さらに焼結金属フィルタ(日本精線(株)製06N,公称孔径10μm)で濾過し、さらにメッシュフイルタで濾過した後にストックタンク20に入れた。
[セルローストリアセテート]
なお、ここで使用したセルローストリアセテートは、残存酢酸量が0.1重量%以下であり、Ca含有率が5ppm、Mg含有率が42ppm、Fe含有率が0.5ppmであり、遊離酢酸40ppm、さらに硫酸イオンを15ppm含むものであった。また6位水酸基の水素に対するアセチル基の置換度は0.91であった。また、全アセチル基中の32.5%が6位の水酸基の水素が置換されたアセチル基であった。また、このTACをアセトンで抽出したアセトン抽出分は8重量%であり、その重量平均分子量/数平均分子量比は2.5であった。また、得られたTACのイエローインデックスは1.7であり、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であった。このTACは、綿から採取したセルロースを原料として合成されたものである。以下の説明において、これを綿原料TACと称する。
フイルム製造ライン10を用いてフイルム22を製造した。ポンプ31a〜31cは、ストックタンク20内のドープ24を、流路30a〜30bを介して、各ドープ39a〜39cとして、フィードブロック51へ送った。フィードブロック51は、各ドープ39a〜39cから流延ドープをつくり、流延ドープを流延ダイ52へ送った。流延ドープの温度を略34℃に調整するために、流延ダイ52にジャケット(図示しない)を設けてジャケット内に供給する伝熱媒体の温度を調節した。
流延ドラム54としては、ステンレス製の円柱であり、その周面54bにクロムメッキ及び鏡面加工処理が施されたものを用いた。予め、周面54bに、流延ドープを滴下して、周面54bにおける水接触角θを求めたところ、水接触角θは略63°であった。その後、WAX成分及びセルローストリアセテートを溶解させた液を周面54bに塗布し、乾燥させて、周面54bに被膜90を形成した。塗布に用いた液に含まれるTAC濃度C1は略10重量%であり、被膜90の水接触角θは、略47°であった。
制御部60の制御の下、軸32aの駆動により、流延ドラム54を回転させた。周面54bの走行方向Z1における速度ZVを、略100m/分とした。制御部60の制御の下、温調装置36は、流延ドラム54の周面54bの温度TSを、略−10℃に調節した。
流延ドラム54上での乾燥雰囲気における酸素濃度は5vol%に保持した。なお、この酸素濃度を5vol%に保持するために空気を窒素ガスで置換した。また、流延室12内の溶媒を凝縮回収するために、制御部60の制御の下、凝縮器58は、流延室12におけるガス露点TRを0℃に調節した。
流延ダイ52は、フイルム22の厚みTH1が80μmとなるように、流延ドープを周面54b上に流延し、周面54bに流延膜53を形成した。減圧チャンバ63は、流延ビード92の背面側を減圧し、流延ビード92の長さが20mm〜50mmとなるように流延ビード92の両面側の圧力差を調節した。
冷却により、流延膜53が自己支持性を有するものとなった後、剥取ローラ55を用いて、流延ドラム54から流延膜53を湿潤フイルム68として剥ぎ取った。剥取時の流延膜53の残留溶媒量は、乾量基準で略250重量%であった。剥取不良を抑制するために流延ドラム54の速度に対して剥取速度(剥取ローラドロー)は100.1%〜110%の範囲で適切に調整した。
剥取ローラ55は、湿潤フイルム68に渡り部65に案内した。渡り部65では、温度が略60℃の乾燥空気を湿潤フイルム68にあてて、湿潤フイルム68を乾燥させた。渡り部65に設けられるローラ66は、湿潤フイルム68をピンテンタ13に案内した。
ピンテンタ13では、湿潤フイルム68に乾燥空気をあてて、湿潤フイルム68を乾燥した。この乾燥により湿潤フイルム68からフイルム22を得た。その後、ピンテンタ13は、フイルム22をクリップテンタ14に送った。クリップテンタ14では、フイルム22に乾燥空気をあてて、フイルム22を乾燥しながら、幅方向に延伸処理を施した。
ピンテンタ13、クリップテンタ14から送られたフイルム22の両側縁部を、耳切装置70a、70bにて、切断した。NT型カッターを用いて、幅が略50mmの両側縁部をカットし、カットされた側縁部はカッターブロワ(図示しない)によりクラッシャ71a、71bに風送して平均80mm2 程度のチップに粉砕した。このチップは、再度ドープ調製用原料としてTACフレークと共にドープ製造の際の原料として利用した。
耳切装置71bを経たフイルム22を、乾燥室15に送った。耳切装置71bから送り出されたフイルム22の残留溶媒量が乾量基準で略10重量%であった。乾燥室15では、フイルム22に温度が略140℃の乾燥空気をあてて、フイルム22を乾燥した。
そして、フイルム22を巻取室17に搬送した。巻取室17は、室内温度28℃,湿度70%に保持した。巻取室17の内部には、フイルム22の帯電圧が−1.5kV〜+1.5kVとなるようにイオン風除電装置(図示しない)も設置した。最後に、プレスローラ83で所望のテンションを付与しつつ、フイルム22を巻取室17内の巻取ローラ84で巻き取った。
被膜90の形成のために、塗布に用いられた液に含まれるTAC濃度C1は略7重量%であり、被膜90の水接触角θは、略63°であったこと以外は、実施例1と同様にしてフイルム22を製造した。
被膜90の形成のために、塗布に用いられた液に含まれるTAC濃度C1は略5重量%であり、被膜90の水接触角θは、略82°であったこと以外は、実施例1と同様にしてフイルム22を製造した。
[比較例1]
被膜の形成のために、塗布に用いられた液に含まれるTAC濃度C1は略2.5重量%であり、被膜の水接触角θは、略83°であったこと以外は、実施例1と同様にしてフイルムを製造した。
[比較例2]
前述した液に代えて、WAX成分を溶解させた液を周面54bに塗布し、乾燥させて、周面54bに被膜を形成した。被膜の水接触角θは、略85°であったこと以外は、実施例1と同様にしてフイルムを製造した。
周面54bの温度TSを略−15℃に保持したこと以外は、実施例1と同様にしてフイルム22を製造した。
周面54bの温度TSを略−15℃に保持したこと以外は、実施例2と同様にしてフイルム22を製造した。
周面54bの温度TSを略−15℃に保持したこと以外は、実施例3と同様にしてフイルム22を製造した。
[比較例3]
周面54bの温度TSを略−15℃に保持したこと以外は、比較例1と同様にしてフイルム22を製造した。
[比較例4]
周面54bの温度TSを略−15℃に保持したこと以外は、比較例2と同様にしてフイルム22を製造した。
〔評価〕
各実施例及び比較例における製造条件、測定結果及び評価結果を、表1に纏めて示す。なお、表1中において、C1は、支持体上に形成された被膜のTAC濃度を表し、TSは周面54bの温度を表し、TRは流延室12内の雰囲気のガス露点を表し、TH1は目標とするフイルム22の厚さを表し、ZVは周面54bの走行速度を表し、θは被膜における水接触角を表す。また、評価結果には、所定時間の間、溶液製膜を連続して行い、連続運転開始から凹凸ムラが発生するまでの時間HTについて、以下基準で評価した。
◎:連続運転開始から200時間以上経過しても、凹凸ムラが発生しなかった。
○:時間HTが100時間経過後、150時間以内であった。
△:時間HTが50時間経過後、100時間以内であった。
×:時間HTが50時間以内であった。
Figure 2009119809
なお、凹凸ムラの発生の有無については、RSD値が20%以上となったものを凹凸ムラが発生したものとし、RSD値が20%未満のものを凹凸ムラが発生していないものとした。RSD値は{(偏差)/(平均値)}×100により求められる値であり、平均値及び偏差は、電子マイクロメータ(アンリツ電気(株)製)を用いて、フイルムの任意の10箇所について厚みを測定したときの測定値の平均値及び偏差である。
上記実施例より、水接触角θが85°未満の被膜を形成することにより、同伴風に起因する面状故障が起こりにくくなることがわかる。したがって、本発明によれば、面状故障を避けつつ、フイルムを製造することができることがわかった。更に、被膜におけるTAC濃度C1が多くなるにつれて、水接触角θが低くなる傾向にある。したがって、周面54bにおける流延膜53の剥離が困難にならない程度の範囲で、被膜のTAC濃度C1を調節することにより、面状故障を避けつつ、効率よくフイルムを製造することができることがわかった。
フイルム製造ラインの概要を示す説明図である。 流延ダイ及び流延ドラム近傍に配置される各部の概要を示す側面図である。 剥取ローラ及び流延ドラム近傍に配置される各部の概要を示す側面図である。
符号の説明
10 フイルム製造ライン
12 流延室
13 ピンテンタ
14 クリップテンタ
15 乾燥室
16 冷却室
17 巻取室
20 ストックタンク
22 フイルム
24 ドープ
51 フィードブロック
52 流延ダイ
53 流延膜
54 流延ドラム
54a 軸
54b 周面
55 剥取ローラ
56、57 温調装置
58 凝縮器
59 回収装置
60 制御部
68 湿潤フイルム
90 被膜
200 同伴風

Claims (13)

  1. ポリマーと溶媒とを含むドープを、走行する支持体に設けられ、水接触角が85°未満の被膜上に流延することを特徴とする流延方法。
  2. 前記被膜が、前記ポリマーとWAX成分とを含み、
    前記被膜における前記ポリマーの含有濃度が5重量%以上15重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の流延方法。
  3. 前記ポリマーはセルロースアシレートを含み、
    前記WAX成分は、脂肪酸と脂肪酸金属塩と脂肪酸エステルとのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2記載の流延方法。
  4. 前記支持体上の前記ドープから流延膜を形成し、前記流延膜を冷却し、自己支持性を有する前記流延膜を前記支持体から剥ぎ取る溶液製膜方法において、
    前記支持体上に前記被膜が残留するように、前記支持体から前記流延膜を剥ぎ取った後に、新たなドープを用いて請求項1ないし3記載の流延を行うことを特徴とする溶液製膜方法。
  5. 前記剥ぎ取り時の前記流延膜の残留溶媒量が100重量%以上300重量%以下であることを特徴とする請求項4記載の溶液製膜方法。
  6. 前記溶媒における貧溶媒の含有量が10重量%以上20重量%以下であることを特徴とする請求項4または5記載の溶液製膜方法。
  7. 前記支持体の温度を−20℃以上0℃以下とすることを特徴とする請求項4ないし6のうちいずれか1項記載の溶液製膜方法。
  8. 前記流延膜の雰囲気のガス露点が−15℃以上15℃以下であることを特徴とする請求項4ないし7のうちいずれか1項記載の溶液製膜方法。
  9. 前記支持体が、走行速度が80m/分以上の流延ドラムの周面であることを特徴とする請求項4ないし8のうちいずれか1項記載の溶液製膜方法。
  10. 前記ドープが、層をなす2種類以上のドープを含むことを特徴とする請求項4ないし9のうちいずれか1項記載の溶液製膜方法。
  11. エンドレスに走行し、水接触角が85°未満の被膜を有する支持体と、
    ポリマーと溶媒とを含むドープを前記被膜上に流延する流延ダイと、
    を備えることを特徴とする流延装置。
  12. 前記支持体上に前記被膜が残留するように、自己支持性を有する前記流延膜を前記支持体から剥ぎ取る剥取装置と、
    前記支持体上に残留した前記被膜上に前記ドープを流延する請求項11記載の流延装置と、
    を備えることを特徴とする溶液製膜設備。
  13. 前記剥取装置は、
    前記流延膜を前記支持体から剥ぎ取る剥取ローラと、
    前記流延膜の雰囲気のガス露点を−15℃以上15℃以下に調節するガス露点調節部と、前記支持体の温度を−20℃以上0℃以下に調節する支持体温度調節部と、前記流延ドラムの周面の走行速度を80m/分以上に調節する支持体速度調節部と、のうち少なくとも1つを含む制御機とを備えることを特徴とする請求項12記載の溶液製膜設備。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011207050A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Fujifilm Corp 流延装置及び溶液製膜方法
WO2016148161A1 (ja) * 2015-03-17 2016-09-22 日本合成化学工業株式会社 ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、および偏光膜

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