JP2006306000A - アルバムの製造方法と該方法により製造されたアルバム - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷により作成された共用頁を本文とする記念アルバム等において、異なる紙質のプリンタ出力により作成された個人用頁を組み入れた共用アルバムを提供すること。
【解決手段】共用頁としての印刷用紙を上製本により製本するアルバムの製造方法において、パソコンの出力プリンタによって個人用頁を作成し、これを共用頁と一体的に組み込んで製造する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、学校等の卒業記念写真等を載せたアルバムの製造方法と該方法により製造されたアルバムに関する。
技術背景
従来においては、卒業記念等、多数のアルバムを製造する場合には、本文(写真を含む)が共通の内容となるとことから、本文をオフセット等の印刷によって一挙に多数作成し、複数本を製本(上製本による)するようにしていた。
例えば、図5に示すように、大略すると、オフセット等による本文の印刷工程A、プレス機械による二つ折り工程B、二つ折りされた本文の各頁1の裏面同士を接着する工程C、一体化された本文と表紙4とを接着する工程Dからなる。
こうした従来技術のアルバムとしては、次ぎに挙げられる。
特開平6−320884。アルバムの製本方法。 特開2003−170675。製本キット。
上述した如く、記念アルバム等のように、多数冊が同一内容をもつアルバムを製造する場合には、本文は各種の印刷技術、オフセット、凹版、グラビアによって作成され、通常、上製本の技術によって製本される。
ところで、記念アルバムであっても、共通の情報のみが収録されているだけでは、所持する個人の格別の感慨を留めることは出来ないものであり、そこに各人に固有の情報が留められるのが理想である。
こうした要求によって、本発明者は、共通の情報を持つ本文に対し、各人固有の情報を取り込んだ製本ができないものかと考えた。
そこで、各人固有の情報(文章、写真、イラスト等)は、各人において作成するのが好ましく、この頃ではパソコンが普及し、文章作成、カラー写真等の印字がパソコンの出力プリンタよって容易に出来るようになっているので、これを用いるのがよいと考えた。勿論、このような頁の作成は、個人が行ってもよいし、個人の情報(電子データ、一般写真等)に基づいて、専門業者において作成してもよい。
しかし、パソコンのプリンタに用いる用紙と、本文を作成する印刷に用いる用紙は、それぞれ異なるインクを使用するところから、紙の性質が異なるのである。
即ち、プリンタによるインクの吹き付けで、紙面が荒れるのを防ぐために、インクの浸透を許すが表面荒れが生じないように特殊表面処理加工(皮膜)が施されている。
その為、従前の本文の裏面同士を貼り付ける一般の小口糊(澱粉糊)では、プリンタ出力用紙の接着には適合し難く、充分な接着力が得られないのである。
加えて、パソコンのプリンタによって印字されたままの紙面では、保存状態を良好に維持できないので、これを改善するべく、また、紙面の光沢を出すという意味からも、プリンタ印字の後に、表面処表(処理面に極薄のフィルムを加熱加圧してラミネート加工)する対策を講じる必要性がある場合もある。
しかし、上述のように特殊表面処理加工されていたり、保護目的の表面処理を行えば、上製本の工程におけるプレス機による二つ折り曲げに際し、フィルム樹脂被膜が存在することで、折り曲げ部の割れ、或いは皺を生じて、見苦しいものとなる。
本発明は、かかる問題点に鑑み、共通の情報を納めた印刷により作成された共用頁を本文とする記念アルバム等において、異なる紙質のプリンタ出力により作成された個人用頁を綺麗に接着させて製本し、固有の情報を有する個人用頁を組み入れた共用アルバムを提供できるようにすることを目的とする。
本発明案にかかるアルバムの製造方法は、かかる課題を解決するために、
印刷機械によって印刷用紙の一側面に共用の情報を印刷して共用頁を作成し、同様に異なる情報を印刷した共用頁を作成し、これら共用頁を、その印刷面が内側になるように機械折りによって夫々二つ折り見開き状態に折り曲げ、丁合い工程の後にこれら共用頁の隣接する外側面同士を相互に糊付けして全体を蛇腹状に一体化し、この一体化された共用頁群を、二つ折りの表紙間に挟んで糊付けにより固定して製造する上製本の方式により製造するアルバムの製造方法において、
パソコンの出力プリンタによってプリンタ印刷用紙の一側面に所要の情報をインクで印字して少なくとも一枚の個人用頁を作成し、
該個人用頁を、その印字面が内側になるように手折り作業により二つ折りし、しかる後に、該個人用頁を、少なくとも前記共用頁とオモテ表紙との間に介装し、前記共用頁同士を貼りあわせる小口糊とは異なる高接着性の表紙くるみ糊によって、前記共用頁の外側と、オモテ表紙の内側とに接着して完成させる、という手段を講じたものである。
また、本発明にかかるアルバムは、上記目的を達成するために、上記製造方法によって製造されたもものである。
本発明によれば、共通の情報を納めた印刷により作成された共用頁を本文とする記念アルバム等に、パソコン等により別途作成の個人の情報からなる個人用頁を介装して製本し、共用部を主体としながらも固有の情報を有する個人用頁を組み入れたアルバムを提供できるようになった。
また、このアルバムは、個人用頁を、パソコンの出力プリンタという別質紙を用いながら、製本に際して折り曲げ工程及び糊付け工程を、本文(共用頁)と異なる手折り工程、接着剤による接着工程としたことによって、綺麗に、強固に接着した製本が可能になっている。
本発明の方法において、前記個人用頁が、複数枚ある前記共用頁の任意の場所に介装され、高接着性の表紙くるみ糊によって接着されているのが好ましい。
更に、前記個人用頁が、前記共用頁とウラ表紙との間に介装され、高接着性の表紙くるみ糊によって接着されていることが好ましい。
尚、上記折り曲げ工程の前に、上記個人用頁の表面を、光沢及び保護目的で、フィルムのラミネート加工によってコーティング処理を行う工程を介在させてもよい。
本発明において、共用頁を印刷する印刷機械とは、オフセット印刷、凹版、凸版印刷、グラビア印刷、シルク印刷等、既存の印刷を行う機器の全てが含まれる。
そして、印刷用紙は、各種の印刷機器に適合した用紙を言うもので、既存の印刷用紙を全て含むものである。
上記共用頁の二つ折りとする折り曲げ作業は、既存のプレス機械によって行われる。また、丁合い工程等、製本に必要な工程、ここでは上製本としての工程は、従前の方式による。また、共用頁の全体を糊付けして蛇腹状に一体化するのは手作業で行うが機械的に行うようにしてもよいことは勿論である。
そして、共用頁の隣接する外側面同士を相互に糊付けするのは、従前の小口糊(表紙と見返し接着)と同様の澱粉糊を用いるが、他に、横糊用ホットメルトや、PUR(ポリウレタンリアクティブ)、その他、EVA系ホットメルト等、適宜のものを用いてよい。
更に、使用するパソコン及び出力プリンタは、既存の、汎用のもので対応できる。また、プリンタ印刷用紙は、インクが浸透でき、且つ、インク吹き付けで紙面が荒れないように特殊表面加工(被膜)された特殊な用紙であるが、それ自体は市販のものである。
上記個人用頁の折り曲げ作業は、手折り作業によることで、既存のプレス機のような高圧力による折り曲げで紙面を傷めることを防ぐが、柔らかな折り曲げを達成できるならば、しかるべき機械によって折り曲げを行ってもよいことは勿論である。
個人用頁と表紙との接着に用いる高接着性の表紙くるみ糊としては、個人用頁が特殊表面処理された紙質であるために、従前のにかわ(加工にかわ、ゼリーにかわ)を用いてよいが、濃度の高いものを使用し、その他、一般的なボール表紙であれば、酢ビ、澱粉変性物を用いた接着剤、澱粉、アクリル変性物を用いた接着剤、澱粉、EVA変性物を用いた接着剤を用いることができるが、好ましくは、塩化ビニル表紙に用いられるEVA系の接着剤を用いるのが良い。
図1乃至図4に基づいて、本発明の好適実施例について詳述する。
本発明のアルバムは、図1の工程図に示すように、次のように製造される(上製本による)。
図1(A)に示す如く、オフセット印刷機7によって印刷用紙の一側面に共用の情報を印刷して共用頁1を、作成所要冊数相当分として多数作成する。この共用の情報としては、写真のみならず、所定の文章、イラスト等も含まれる。紙面構成等については、パソコン等を用いて行われるのが好ましいが、印刷については、専業者が行う。
そして、通常、共用頁1は、1頁ではないので、同様に異なる情報を印刷した共用頁1′を作成し、上述した所用枚数分だけ印刷する。
図1(B)に示すように、これらの共用頁1、1′を重ねた状態で、その印刷面が内側になるように、既存のプレス機によって夫々二つ折り見開き状態に折り曲げる。
そして、図1(C)に示すように、丁合い工程の後にこれら共用頁の隣接する外側面同士を相互に糊付けして全体を蛇腹状に一体化する。この糊付けには澱粉糊を用いる。
他方、図2(A)に示すように、パソコンによって編集、作成された個人情報を、ここでは、写真を含めて、その出力プリンタ2によって、プリンタ用紙に印字して個人用頁3を作成する。この個人情報は、予め各個人から提供を受けたものであり、専業の編集者によってプリントアウトされる。尚、専業者ではなく、規格が満たされれば各人が自ら編集、作成したものを用いてもよい。
こうした個人用頁3は、この実施例のように1枚(見開き2頁)だけ作成してもよいが、複数枚作成してもよいことは勿論である。
しかる後、図2(B)に示すように、前記個人用頁3を、その印字面が内側になるように手折り作業により二つ折りにする。
そして、図2(C)に示すように、前記個人用頁3を、前記共用頁1と、表紙4のオモテ表紙4Aとの間に介装し、前記共用頁1同士を貼りあわせる小口糊とは異なる高接着性の表紙くるみ糊、ここでは、塩ビ・澱粉変性物の糊を用いて、夫々貼り付ける。勿論、強力なにかわを用いてもよいが、プリンタ用紙に相容性の良い、前記接着剤や、澱粉・アクリル変性物のような接着剤が好ましい。
尚、表紙4の貼り付けに際しては、従前のように、寒冷紗5(布地でないものを代用してもよい)を介在させることが好ましい。
ここでは、従前の本文と表紙との間に、通常の紙質による見開き6が介装される。従って、前記個人用頁3は、オモテ表紙4Aに対して、この見開き6に貼り付けることで、見開き6を介して固定されることになる。
尚、表紙4のウラ表紙4Bと共用頁1′とは、同質の紙が用いられているので、通常の澱粉糊で貼り付けられる。
このようにして製造したアルバムは、通常の共用頁1、1′の他に、個人情報の個人用頁3を備えたものとなり、その個人用頁3は、共通用頁1、1′と異なり、手折り作業による二つ折りと、強力な表紙くるみ糊によって製本されたものである。
従って、アルバムを開けば、この実施例の場合には、最初に個人用頁3が現れ、共用アルバムとして作成したものであっても、個人用に作成したかのような価値を生み出すものであり、記念アルバム等としての存在価値が高まる。
(変形例1)
図3に示すのは、前記個人用頁3が、複数枚ある前記共用頁1、1′の任意の場所、ここでは略中間に介装された例を締めすものである。
この場合は、前記共用頁1、1′と個人用頁3とが、互いに隣接部分において、高接着性の表紙くるみ糊、(表紙ではにので適切な表現ではないが、通常の澱粉糊ではなく、上述した如き強力な樹脂が用いられる)によって接着されることになる。
(変形例2)
また、図4に示すのは、前記個人用頁3が、前記共用頁1、1′とウラ表紙4Bとの間に介装され、高接着性の表紙くるみ糊によって接着されている場合を示す。
産業上の利用分野
本発明は、アルバム、特に、卒園、卒業記念アルバム、その他、同一内容の情報を複数冊作成して頒布するようなアルバムで、そこに個人としての特徴を盛り込む必要性があるものであれば、種々のタイプのアルバムに適用できる。
実施例を示す一製本工程図。 実施例を示す一製本工程図。 実施例の変形例を示す一製本工程図。 実施例の他の変形例を示す一製本工程図。 従来技術を示す製本工程図。
符号の説明
1:共用頁
1′:共用頁
2:プリンタ
3:個人用頁
3:照明灯
4:表紙
4A:オモテ表紙
4B:ウラ表紙
A:商品サンプル
B:商品サンプル

Claims (4)

  1. 印刷機械によって印刷用紙の一側面に共用の情報を印刷して共用頁を作成し、同様に異なる情報を印刷した共用頁を作成し、これら共用頁を、その印刷面が内側になるように機械折りによって夫々二つ折り見開き状態に折り曲げ、丁合い工程の後にこれら共用頁の隣接する外側面同士を相互に糊付けして全体を蛇腹状に一体化し、この一体化された共用頁群を、二つ折りの表紙間に挟んで糊付けにより固定して製造する上製本の方式により製造するアルバムの製造方法において、
    パソコンの出力プリンタによってプリンタ印刷用紙の一側面に所要の情報をインクで印字して少なくとも一枚の個人用頁を作成し、
    該個人用頁を、その印字面が内側になるように手折り作業により二つ折りし、
    しかる後に、該個人用頁を、少なくとも前記共用頁とオモテ表紙との間に介装し、前記共用頁同士を貼りあわせる小口糊とは異なる高接着性の表紙くるみ糊によって、前記共用頁の外側と、オモテ表紙の内側とに接着して完成させることを特徴とするアルバムの製造方法。
  2. 前記個人用頁が、複数枚ある前記共用頁の任意の場所に介装され、高接着性の表紙くるみ糊によって接着されていることを特徴とする請求項1のアルバムの製造方法。
  3. 前記個人用頁が、前記共用頁とウラ表紙との間に介装され、高接着性の表紙くるみ糊によって接着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のアルバムの製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項のアルバムの製造方法によって製造されたアルバム。
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