JP2006304180A - 光ブレーカ及び光通信システムの妨害光検知方法 - Google Patents

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光浩 岩本
正人 ▲高▼田
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Abstract

【課題】親局と複数の子局とをポイントツーマルチポイント方式で光伝送路によって接続し、親局と各子局との間で双方向通信を行う光通信システムにおいて、光通信システムで想定されている規格値内の光パワーの妨害光が連続して挿入されてもそれを検知することができる光ブレーカ及び光通信システムの妨害光検知方法を提供する。
【解決手段】子局40−1〜40−nから親局30に向けて送信される光パケットの時間長を計測し、光通信システムで許容される光パケット長以上の時間長を有する連続信号光を検出した場合に光伝送路を遮断する光ブレーカ60を設ける。これにより、光通信システムで想定されている規格値内の光パワーの連続妨害光も検知することができ、従来の光通信システムよりも妨害光源の検知精度の向上が図れ、信頼性の高い光通信システムを実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、多分岐形光カプラにより光伝送路を多分岐して、時分割多重方式を使用して1台の局側装置(親局)と複数の加入者装置(子局)との間の通信が可能なように構成した(一般的にポイントツーマルチポイント方式と呼称される)光通信システムに用いる好適な光ブレーカ及び光通信システムの妨害光検知方法に関する。
ポイントツーマルチポイント方式の光通信システムは、PDS(Passive Double Star)方式などを代表例とし、親局からの光伝送路を多分岐形光カプラ(スターカプラなど)を用いて多分岐し、分岐した各光伝送路に子局を接続してシステムを構成し、光伝送路を双方向多重化することにより複数の加入者回線を経済的に構成するものである。
時分割多重方式を使用し、1台の親局で複数の子局と通信が可能なポイントツーマルチポイント方式の光通信システムは、例えばITU−T G.983として国際標準化されたATM−PON(Asynchronous Transfer Mode-Passive Optical Network)伝送方式として実現され、また最近ではIEEE802.3ahとして標準化されたGE−PON(Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)伝送方式などがインターネット接続の高速大容量化要望に対応できるものとして注目され、かつ伝送コストの大幅な低減が可能な方式として期待されている。
図4は、従来の一般的なポイントツーマルチポイント方式の光通信システムの概略構成を示す図である。この光通信システムにおいては、多分岐形光カプラ10によって光ファイバ回線20が分岐されることにより、1つの親局30に対して複数の子局40−1〜40−nがポイントツーマルチポイント方式で接続されている。各子局40−1〜40−nには、親局30への上り送信タイミングとして、予め時間t1〜tnが割り当てられており、各子局40−1〜40−nは時間t1〜tnに夫々タイミングを合わせてバースト信号(光パケット信号P1〜Pn)を回線に送出する。
すなわち、この光通信システムでは、複数の子局40−1〜40−nが伝送媒体及び伝送帯域を共用し、親局30が各子局40−1〜40−nの使用伝送帯域の割当を制御し、各子局40−1〜40−nが親局30による使用伝送帯域の割当を基に親局30に伝送情報を伝送する光バースト送受信制御が行われる。このような光通信システムにおいては、子局側から意図的に妨害光を挿入されたり、故障等により子局から光が発信され続けたりした場合、同一回線内に含まれる他の子局を含めて通信システムとしての機能を喪失する事態となる。したがって、このような非常時に通信妨害を検出して妨害要因となっている個所をシステムから切り離すことが必要になる。
従来、通信妨害時に妨害要因となっている個所をシステムから切り離す機能を備えたポイントツーマルチポイント方式の光通信システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、通信妨害を検知して回線を遮断する光ブレーカが開示されている。この光ブレーカは、子局側の各分岐光伝送路に夫々設けられ、子局側から高パワーな妨害光が挿入された場合にそれを検知し、分岐光伝送路を遮断する。また、この光ブレーカは、妨害光を検知した場合に親局に対して子局毎に異なる周波数の低周波信号を上り信号に重畳して送出する。
特開平10−303817号(特許第3056116号)公報
しかしながら、従来の光ブレーカを備えた光通信システムにおいては、光ブレーカが妨害光をその光のパワー(強さ)のみで判定しているため、子局側の伝送路から光通信システムで想定されている規格値(基準値レベル)内の光パワーの妨害光が連続して挿入された場合には、妨害光として検知することができず、安全装置として有効に機能しないという問題がある。この問題点は、1つの子局ユーザのみならず、親局が受け持つ全ての子局の上り通信を不通にさせる危険性もあり、PONトポロジーを構成するシステムにとって非常に重要な問題である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、光通信システムで想定されている規格値内の光パワーの妨害光が連続して挿入されてもそれを検知することができる光ブレーカ及び光通信システムの妨害光検知方法を提供することを目的とする。
上記目的は下記構成又は方法により達成される。
(1) 光通信システムの親局と子局との間の光伝送路上に挿入される光ブレーカにおいて、前記子局から送信される光パケットの時間長を計測し、前記光通信システムで許容される光パケット長以上の時間長を有する連続信号光を検出する連続信号光検出手段と、前記連続信号光検出手段で前記連続信号光が検出された場合に前記親局と前記子局との間の光伝送路を遮断する遮断手段と、を備える。
(2) 親局と複数の子局とを光伝送路にてポイントツーマルチポイント方式で接続し、前記親局と前記複数の子局夫々との間で双方向通信を行い、前記各子局から前記親局にはバースト光を送信する光通信システムにおいて、上記(1)に記載の光ブレーカを備える。
(3) 親局と子局との間で双方向通信を行う光通信システムの前記子局から前記親局に向けて送信される妨害光を検知する妨害光検知方法において、前記子局から前記親局に向けて送信される光パケットの時間長を計測し、前記光通信システムで許容される光パケット長以上の時間長を有する連続信号光を検知した場合に、該連続信号光が妨害光であるとし前記親局と前記子局との間の光伝送路を遮断する。
上記(1)に記載の光ブレーカでは、光通信システムで想定されている規格値内の光パワーの連続妨害光も検知することができるので、従来の光通信システムよりも妨害光源の検知精度の向上が図れる。
上記(2)に記載の光通信システムでは、上記(1)に記載の光ブレーカを備えるので、信頼性の高い光通信システムを提供できる。
上記(3)に記載の光通信システムの妨害光検知方法では、光通信システムで想定されている規格値内の光パワーの連続妨害光も検知することができるので、従来の光通信システムよりも妨害光源の検知精度の向上が図れる。
以下に、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る光通信システムの概略構成を示す図である。また、図2は、本実施の形態に係る光通信システムの光ブレーカの詳細構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、親局30からの光伝送路20を多分岐形光カプラ10にて多分岐し、分岐した各光伝送路(加入者線路)50に子局40−1〜40−nを接続してシステムを構成したものであり、各光伝送路50上に光ブレーカ60を挿入した点以外は、前述した図4の従来の光通信システムと同じ構成を採る。なお、図4と共通する部分には同一の符号を付けている。
光ブレーカ60は、図2に示すように、光伝送路50から光信号を分岐する光分岐部101と、光分岐部101で分岐された光信号を電気信号に変換する光電気変換部102と、光電気変換部102で光電気変換された微小電気信号を増幅する電気信号増幅部103と、電気信号増幅部103で増幅された電気信号の電気信号レベルを検出する電気信号レベル検出部104と、電気信号レベル検出部104で検出された電気信号レベルから光パケット長を推定する光パケット長検出部105と、光パケット長検出部105の光パケット長検出時の時間基準であるクロックを与えるクロック生成部106と、光通信システムが想定する最大光パケット長を設定する基準値設定部107と、妨害光を遮断する光遮断部108と、光遮断部108を制御する光遮断制御部109とを備えて構成される。光伝送路50から光信号を分岐する光分岐部101は、妨害光検出プロセスに必要な最小限度のパワーの光信号を分岐するように構成することが望ましい。
なお、上記光パケット長検出部105、クロック生成部106及び基準値設定部107は連続信号光検出手段を構成する。また、光遮断部108及び光遮断制御部109は遮断手段を構成する。
次に、本実施の形態に係る光通信システムの光ブレーカ60の動作を説明する。この説明では、GE−PON規格で採用されているような上り光信号が各子局毎に時分割で光送信が制御されるバースト光であるシステムを想定している。
さて、通常の障害発生のない状態においては、各子局40−1〜40−nは、親局30からの制御信号に基づき、各子局40−1〜40−nが決められた時間に自局の光信号P1〜Pnを送信する。この場合、親局30と光分岐部101との間の光信号を時系列に観測すると図3に示すように、各子局40−1〜40−nからの信号が時間的に重なることなく整列している。
一方、障害発生時、例えば子局40−nの光伝送路50から規格値内のパワーを有する妨害光が挿入された場合、光ブレーカ60を有しない光通信システム及び従来の光ブレーカを用いた光通信システムでは、親局と光分岐部101との間の光信号を時系列に観測すると図4中に符号400で示すように、妨害光が正規の信号パケットをマスキングするため、他の子局40−1及び40−2等が発する正常な光パケット信号が妨害され、親局30にて正常に受信できなくなる。このような場合に対して、本実施の形態の光通信システムが有する光ブレーカ60は以下に述べるように動作する。
子局40−nから発出された妨害光パケットPnは、光ブレーカ60内に設けられた光分岐部101により、その信号光の一部が分岐される。この分岐された妨害光Pnは光電気変換部102にて電気信号に変換された後、電気信号増幅部103にて増幅され、増幅された電気信号レベルが電気信号レベル検出部104によって検出される。基準値設定部107には、予め光通信システムで規定される子局が送信する光パケットの最小送信光電力に対応した電気信号レベルと最大バースト長(光パケット長)が設定されている。クロック生成部106では、光通信システムで規定される伝送レートに相当するクロックが生成される。
光パケット長検出部105は、基準値設定部107で設定された電気信号レベルを超えた場合に光信号の存在を検出し、以後電気信号レベルをクロック周期ごとに監視し、信号光が最大バースト長時間以内であるかをどうか判定する。最大バースト長を超える信号光の存在を判定した場合、光パケット長検出部105は光遮断制御部109に異常検出信号を発出する。光遮断制御部109はこの異常検出信号に応じて光遮断部108を制御して、当該の子局40−nからの妨害光Pnのシステムへの流入を遮断して、他の子局40−1〜40−mから親局間通信への妨害を排除する。
このように、本実施の形態の光通信システムによれば、子局40−1〜40−nから親局30に向けて送信される光パケットの時間長を計測し、光通信システムで許容される光パケット長以上の時間長を有する連続信号光を検出した場合に光伝送路を遮断する光ブレーカ60を備えるので、光通信システムで想定されている規格値内の光パワーの連続妨害光も検知することができ、従来の光通信システムよりも妨害光源の検知精度の向上が図れ、信頼性の高い光通信システムを実現できる。
なお、本実施の形態において、クロック生成部106で生成するクロックを、光通信システムの伝送レートと同等としたが、光通信システムで最小パケット長とガードタイムが規定されている場合には、どちらか短い方の時間長を検出することができる程度迄クロック周波数を低周波数化することも可能である。
本発明は、光通信システムで想定されている規格値内の光パワーの妨害光が連続して挿入されてもそれを検知することができるといった効果を有し、親局と複数の子局とをポイントツーマルチポイント方式で光伝送路によって接続し、親局と各子局との間で双方向通信を行う光通信システム等への適用が可能である。
本発明の一実施の形態に係る光通信システムの概略構成を示す図 図1に示す光通信システムの光ブレーカの詳細な構成を示すブロック図 図1に示す光通信システムにおける障害発生のない通常時の各子局から送信される光信号を示す図 従来の光通信システムの概略構成を示す図
符号の説明
10 多分岐形光カプラ
20、50 光伝送路
30 親局
40−1〜40−n 子局
60 光ブレーカ
101 光分岐部
102 光電気変換部
103 電気信号増幅部
104 電気信号レベル検出部
105 光パケット長検出部
106 クロック生成部
107 基準値設定部
108 光遮断部
109 光遮断制御部

Claims (3)

  1. 光通信システムの親局と子局との間の光伝送路上に挿入される光ブレーカにおいて、
    前記子局から送信される光パケットの時間長を計測し、前記光通信システムで許容される光パケット長以上の時間長を有する連続信号光を検出する連続信号光検出手段と、
    前記連続信号光検出手段で前記連続信号光が検出された場合に前記親局と前記子局との間の光伝送路を遮断する遮断手段と、
    を備える光ブレーカ。
  2. 親局と複数の子局とを光伝送路にてポイントツーマルチポイント方式で接続し、前記親局と前記複数の子局夫々との間で双方向通信を行い、前記各子局から前記親局にはバースト光を送信する光通信システムにおいて、
    請求項1に記載の光ブレーカを備える光通信システム。
  3. 親局と子局との間で双方向通信を行う光通信システムの前記子局から前記親局に向けて送信される妨害光を検知する妨害光検知方法において、
    前記子局から前記親局に向けて送信される光パケットの時間長を計測し、前記光通信システムで許容される光パケット長以上の時間長を有する連続信号光を検知した場合に、該連続信号光が妨害光であるとし前記親局と前記子局との間の光伝送路を遮断する光通信システムの妨害光検知方法。
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JP2010004356A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Sumitomo Electric Ind Ltd 光通信システムに設置される監視装置及び監視回路
CN107462179A (zh) * 2017-07-06 2017-12-12 中国科学院上海光学精密机械研究所 双点光源间距的纳米精度测量方法

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