JP6414406B2 - 局側装置、宅側装置、ponシステム及び光通信方法 - Google Patents

局側装置、宅側装置、ponシステム及び光通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、冗長構成の局側装置を含むPON(Passive Optical Network)に関する。
具体的には、本発明は、局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置と、宅側の光回線終端装置である宅側装置と、局側装置と宅側装置を含むPONシステムと、冗長構成の局側装置と宅側装置が行う光通信方法に関する。
PONは、局側の光回線終端装置(OSU:Optical Subscriber Unit)と複数の宅側の光回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)とを、光スプリッタ等で分岐された光ファイバ網であるPON回線によって接続した通信系である。
PONでは、OSUと複数台のONUがPON回線を共有するので、光ファイバの断線やOSUの故障で通信サービスが止まると、影響が多数の加入者に及ぶ。従って、通信サービスの安定のためには、OSUやPON回線を冗長化することが重要である。
PONの構成要素の一部又は全部を冗長化すること、あるいは冗長化された構成要素を切り替えることを「PONプロテクション」という。これには種々の方式がある。
例えば、特許文献1には、OSUを余分に有する冗長構成の局側装置(OLT:Optical Line Terminal)が記載されている。このOLTは、冗長OSUへの切り替え期間中に、光スイッチの切り替えタイミングと各ONUの送信タイミングを適切に制御することにより、PONプロテクションに伴う通信の瞬断を防止する。
非特許文献1には、ユーザデータやPONを管理する制御データなど、すべてのデータがイーサネット(登録商標)フレームの形式で通信されるEPON(Ethernet(登録商標) PON)が規定されている。
また、非特許文献1では、EPONで用いるアクセス制御プロトコル(MPCP:Multi-Point Control Protocol)と、通信機器の保守管理に関するOAM(Operations, Administration and Maintenance)のプロトコルも規定されている。
従って、PONシステムでは、OSU−ONU間でMPCPフレームをやり取りすることにより、ONUの登録、離脱及び上りアクセス多重制御などが行なわれ、OSU−ONU間でOAMフレームをやり取りすることにより、通信機器の保守管理が行われる。
非特許文献1では、OAM機能の1つとして、所定のOAMイベントを検知した装置が対向装置にその旨を通知することも規定されている。この検知を通知するイベントには、例えば、「フレームエラーイベント」、「シンボルエラーイベント」、「リンクフォルト」、及び「クリティカルイベント」などが含まれる。
また、非特許文献2では、例えばリンクフォルトを含むOAMフレームをOSUがONUから受信すると、OSUが、そのイベントを通知してきたONUの論理リンクを切断(リンクダウン)してもよいことが規定されている。
非特許文献1には、PONプロテクションに関する規約は存在しないが、非特許文献2には、GE−PON及び10GE−PONについてPONプロテクションに関する規約が含まれている。
特開2010−147801号公報
IEEE Std.802.3-2008 IEEE Std.P1904.1-2013
OSUを余分に有する冗長構成のOLTが行うPONプロテクションは、光トランシーバを搭載したOSUを切り替える処理であるから、切り替えの遷移期間中に光信号に乱れや強度の低下が生じ、ONUが下り光信号を適切に受信できない場合がある。
このため、OLTがPONプロテクションを行う場合には、切り替え元OSUの配下であったONUが、上記のリンクフォルトやクリティカルイベントなどのOAMイベントを検知する可能性が高くなる。
この場合、例えば、リンクフォルトなどを含むOAMフレームを切り替え先OSUに通知すると、切り替え先OSUがイベントを通知してきたONUの論理リンクを切断してしまい、ONUに継続した通信サービスを提供できなくなる。
また、PONプロテクションに伴ってOAMイベントを検知し易くなったONUが多数のOAMフレームを送信すると、切り替え先OSUが、切り替え直後の短時間に受信した多くのOAMフレームに対応せねばならず、不要な処理負荷が増えるという問題もある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、PONプロテクションを行ってもONUに継続して通信サービスを提供できるようにすることを目的とする。
また、本発明は、PONプロテクションの完了後における切り替え先OSUの処理負荷を軽減することを目的とする。
(1) 本発明の一態様に係る局側装置は、局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置であって、局側主導の冗長切り替えの制御指令に応じて、前記局側の光回線終端装置を運用系から待機系に切り替える光スイッチと、前記局側主導の冗長切り替えの遷移期間を含むマスク期間に、宅側の光回線終端装置である宅側装置から受信したOAMフレームに含まれるOAMイベントを無効とする制御部と、を備える。
(3) 本発明の一態様に係る宅側装置は、局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置とPON回線を用いて光通信する、宅側の光回線終端装置である宅側装置であって、宅側主導の冗長切り替えの契機となる制御フレームを送信するPON送受信部と、前記宅側主導の冗長切り替えの遷移期間を含むマスク期間に検知したOAMイベントを無効とする制御部と、を備える。
(5) 本発明の別の態様に係る宅側装置は、局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置とPON回線を用いて光通信する、宅側の光回線終端装置である宅側装置であって、宅側主導の冗長切り替えの契機となる制御フレームを送信するPON送受信部と、前記宅側主導の冗長切り替えの完了後におけるOAMイベントを検知し難くする制御部と、を備える。
(6) 本発明の一態様に係るPONシステムは、局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置と、前記局側装置とPON回線を用いて光通信する宅側装置とを含むPONシステムであって、上述の局側装置の採用、上述の宅側装置の採用、あるいは、上述の局側装置及び宅側装置の双方の採用のうちのいずれかが選択されている。
(7) 本発明の一態様に係る光通信方法は、局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置と、宅側の光回線終端装置である宅側装置とがPON回線を用いて行う光通信方法であって、下記の(a)〜(c)に定義する少なくとも1つの処理が実行される。
(a) 局側装置が、局側主導の冗長切り替えの遷移期間を含むマスク期間に宅側装置から受信したOAMフレームに含まれるOAMイベントを無効とするマスク処理
(b) 宅側装置が、宅側主導の冗長切り替えの遷移期間を含むマスク期間に検知したOAMイベントを無効とするマスク処理
(c) 宅側装置が、宅側主導の冗長切り替えの完了後におけるOAMイベントを検知し難くする検知感度の調整処理
本発明は、上記の特徴的な処理部(制御部など)を備えるPONの通信装置として実現することができるだけでなく、その特徴的な処理をステップとする通信方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したりすることができる。
また、上記の特徴的な処理部(制御部など)は、それが行う処理の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現することもできる。
本発明によれば、PONプロテクションを行ってもONUに継続して通信サービスを提供できるようにすることができる。
また、本発明によれば、PONプロテクションの完了後における切り替え先OSUの処理負荷を軽減することができる。
本発明の実施形態に係る局側装置の構成例を示す図である。 OSUの構成例を示すブロック図である。 ONUの構成例を示すブロック図である。 イベント検知部の構成例を示すブロック図である。 OLTが主導する第1のプロテクションと、その際にOLTが行うマスク処理の一例を示すシーケンス図である。 切り替え元OSUによるマスク処理の一例を示すフローチャートである。 切り替え先OSUによるマスク処理の一例を示すフローチャートである。 ONUが主導する第2のプロテクションと、その際にONUが行うマスク処理の一例を示すシーケンス図である。 ONUによるマスク処理の一例を示すフローチャートである。 ONUが主導する第2のプロテククションと、その際にONUが行う検知感度の調整処理の一例を示すシーケンス図である。
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態の局側装置は、局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置であって、局側主導の冗長切り替えの制御指令に応じて、前記局側の光回線終端装置を運用系から待機系に切り替える光スイッチと、前記局側主導の冗長切り替えの遷移期間を含むマスク期間に、宅側の光回線終端装置である宅側装置から受信したOAMフレームに含まれるOAMイベントを無効とする制御部と、を備える。
本実施形態の局側装置によれば、制御部が、局側主導の冗長切り替え(第1のPONプロテクション)の遷移期間を含むマスク期間に宅側装置から受信したOAMフレームに含まれるOAMイベントを無効とするので、第1のPONプロテクションの後にONUと通信する切り替え先OSUが、ONUの論理リンクを切断するのを防止することができ、ONUに継続した通信サービスを提供できる。
また、局側装置の制御部がOAMイベントを無効とすることにより、切り替え先OSUは当該OAMイベントに対応する必要がなくなる。
このため、第1のPONプロテクションの完了後における切り替え先OSUの処理負荷を軽減することができる。
(2) 本実施形態の局側装置において、前記制御部は、前記OAMイベントを無効とするか否かの判定を、前記OAMフレームの受信時点が当該OAMイベントの種別に応じて個別に設定された前記マスク期間に入っているか否かによって行うことが好ましい。
この場合、制御部が、イベントの種別に応じて個別に設定されたマスク期間によりOAMイベントの無効を判定するので、マスク期間を一律に設定する場合に比べて、OAMイベントの種別ごとに柔軟にマスク処理を行うことができる。
(3) 本実施形態の宅側装置は、局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置とPON回線を用いて光通信する、宅側の光回線終端装置である宅側装置であって、宅側主導の冗長切り替えの契機となる制御フレームを送信するPON送受信部と、前記宅側主導の冗長切り替えの遷移期間を含むマスク期間に検知したOAMイベントを無効とする制御部と、を備える。
本実施形態の宅側装置によれば、制御部が、宅側主導の冗長切り替え(第2のPONプロテクション)の遷移期間を含むマスク期間に検知したOAMイベントを無効とするので、第2のPONプロテクションの後にONUと通信する切り替え先OSUが、ONUの論理リンクを切断するのを防止することができ、ONUに継続した通信サービスを提供できる。
また、ONUの制御部がOAMイベントを無効とすることにより、切り替え先OSUは、当該OAMイベントを含むOAMフレームを受信することがなく、当該OAMイベントに対応する必要がなくなる。
このため、第2のPONプロテクションの完了後における切り替え先OSUの処理負荷を軽減することができる。
(4) 本実施形態の宅側装置において、前記制御部は、前記OAMイベントを無効とするか否かの判定を、前記OAMイベントの取得時点が当該OAMイベントの種別に応じて個別に設定された前記マスク期間に入っているか否かによって行うことが好ましい。
この場合、制御部が、イベントの種別に応じて個別に設定されたマスク期間によりOAMイベントの無効を判定するので、マスク期間を一律に設定する場合に比べて、OAMイベントの種別ごとに柔軟にマスク処理を行うことができる。
(5) 本実施形態の宅側装置は、局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置とPON回線を用いて光通信する、宅側の光回線終端装置である宅側装置であって、宅側主導の冗長切り替えの契機となる制御フレームを送信するPON送受信部と、前記宅側主導の冗長切り替えの遷移期間の完了後におけるOAMイベントを通常の運用期間よりも検知し難くする制御部と、を備える。
本実施形態の宅側装置によれば、制御部が、宅側主導の冗長切り替え(第2のPONプロテクション)の遷移期間の完了後におけるOAMイベントを通常の運用期間よりも検知し難くするので、第2のPONプロテクションの後にONUと通信する切り替え先OSUが、ONUの論理リンクを切断する可能性を低減することができ、ONUに継続した通信サービスを提供できる。
また、ONUの制御部がOAMイベントを検知し難くすることにより、切り替え先OSUは、当該OAMイベントを含むOAMフレームを受信する可能性が少なくなり、当該OAMイベントに対応する必要性を低減できる。
このため、第2のPONプロテクションの完了後における切り替え先OSUの処理負荷を軽減することができる。
(6) 本実施形態のPONシステムは、局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置と、前記局側装置とPON回線を用いて光通信する宅側装置とを含むPONシステムであって、上述の局側装置もしくは上述の宅側装置が採用されている、あるいは、上述の局側装置と上述の宅側装置の双方が採用されている。
本実施形態のPONシステムによれば、上述の局側装置もしくは上述の宅側装置が採用されている、あるいは、上述の局側装置と上述の宅側装置の双方が採用されているので、上述の局側装置の作用効果及び上述の宅側装置の作用効果のうちの少なくとも1つの作用効果を奏する。
(7) 本実施形態の光通信方法は、局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置と、宅側の光回線終端装置である宅側装置とがPON回線を用いて行う光通信方法であって、下記の(a)〜(c)に定義する少なくとも1つの処理が実行される。
(a) 局側装置が、局側主導の冗長切り替えの遷移期間を含むマスク期間に宅側装置から受信したOAMフレームに含まれるOAMイベントを無効とするマスク処理
(b) 宅側装置が、宅側主導の冗長切り替えの遷移期間を含むマスク期間に検知したOAMイベントを無効とするマスク処理
(c) 宅側装置が、宅側主導の冗長切り替えの遷移期間の完了後におけるOAMイベントを通常の運用期間よりも検知し難くする検知感度の調整処理
本実施形態の光通信方法によれば、上記の(a)〜(c)に定義する少なくとも1つの処理が実行されるので、上述の局側装置の作用効果及び上述の宅側装置の作用効果のうちの少なくとも1つの作用効果を奏する。
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
本実施形態では、局側(通信事業者側)の光回線終端装置の集合体(OLT)を「局側装置」といい、宅側(加入者側)の光回線終端装置を「宅側装置」という。
また、局側の光回線終端装置を「OSU」と略記し、局側装置を「OLT」と略記し、宅側装置を「ONU」と略記することがある。
なお、本実施形態に共通の前提として、PONはイーサネットベースのPON(EPON)であり、IEEE802.3ahで定義されたMPCPフレームによってONUの登録、離脱、ONUへの帯域割当及びONUからの帯域要求などが行なわれるものとする。
〔局側装置の構成〕
図1は、本実施形態の局側装置1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の光通信システムは、局側装置(OLT)1と、複数の宅側装置(ONU)2と、複数のPON回線3とを含むPONシステムである。
PON回線3は、光カプラ4等よりなる受動光分岐ノードによって光ファイバ5を分岐させたツリー構造の光ファイバ網である。
局側装置1には、複数本(図1の例ではN本)のPON回線3が接続され、PON回線3は局側装置1において終端する。すなわち、局側装置1は、PON回線3の幹線(光カプラ4の上位側の光ファイバ5)の終端に接続されている。宅側装置2は、PON回線3の支線(光カプラ4の下位側の光ファイバ5)の終端に接続されている。
局側装置1の上位側は、コア網等よりなる上位網に通じている。宅側装置2の下位側は、LAN(Local Area Network)等よりなる下位網に通じている。
局側装置1は、上位側(図1の左側)から順に、集線部11、管理制御部12、複数のOSU13、及び光スイッチ14を備えている。
局側装置1は、余分な数(図1ではN+1個)のOSU13が筐体に収容されたOSU13の集合体であり、OSU13に関してN:1の冗長構成となっている。すなわち、N+1個のOSU13のうち、1〜N番目が運用系(現用)のOSU13であり、N+1番目のOSU13が待機系(予備)のOSU13である。
集線部11は、各OSU13から入力された上りフレームを多重して上位網に送信するとともに、上位網から受信した下りフレームを適切なOSU13に振り分ける処理を行なうことができる。
光スイッチ14は、N+1個の上位側ポートと、N個の下位側ポートとを備える。1〜N番目の上位側ポートには運用系OSU13が接続され、N+1番目の上位側ポートには待機系OSU13が接続されている。
また、1〜N番目の上位側ポートに対応する1〜N番目の下位側ポートに、それぞれPON回線3が接続されている。
光スイッチ14は、管理制御部12からの制御指令に基づいて、運用系OSU13の代わりに待機系OSU13がPON回線3と繋がるように、ポート間の光伝送経路を切り替えることができる。
例えば、上位側ポートのポート番号を「i」(=1〜N+1)とし、下位側ポートのポート番号を「j」(=1〜N)とすると、光スイッチ14は、管理制御部12から制御指令がない場合は、ポート番号i=ポート番号jとなるように光伝送経路を設定している。
i=1の運用系OSU13に代えて、i=N+1の待機系OSU13を動作させる制御指令を受けると、光スイッチ14は、ポート番号j=1の下位側ポートの接続先を、ポート番号i=N+1の上位側ポートに切り替える。
同様に、i=2〜Nのいずれかの運用系OSU13に代えて、N+1番目の待機系OSU13を動作させる制御指令を受けると、光スイッチ14は、ポート番号j=2〜Nのいずれかの下位側ポートの接続先を、ポート番号i=N+1の上位側ポートに切り替える。
管理制御部12は、局側装置1の統括的な制御を行うプロセッサよりなる。管理制御部12と各OSU13(具体的には、図2に示すOSU13のPON制御部32)は、内部バス(図示せず)を介して通信可能に接続されている。
従って、管理制御部12は、各OSU13と個別に情報交換を行うことができ、各OSU13は、他のOSU13と直接的にあるいは管理制御部12を介して間接的に情報交換を行うことができる。
管理制御部12は、PONプロテクションを実施する場合には、切り替え元となる運用系OSU13、切り替え先となる待機系OSU13、及び光スイッチ14に冗長切り替えの制御指令を送信する。
制御指令を受信した光スイッチ14は、切り替え対象となるOSU13に関して上述のポートの切り替えを行う。制御指令を受信した切り替え先OSU13は、内部の各回路をウェイクアップさせて動作を開始する。制御指令を受信した切り替え元OSU13は、内部の各回路をスリープダウンさせて動作を休止する。
管理制御部12は、局側装置1の操作IF(インタフェース)15と通信可能に接続されている。操作IF15は、管理ネットワーク16を介して通信事業者(ユーザ)の管理装置17と通信可能である。
ユーザは、管理装置17に操作情報を入力することができる。管理装置17は、入力された操作情報を管理制御部12に送信する。管理制御部12は、操作情報にPONプロテクションの実行が含まれる場合には、冗長切り替えの制御指令を生成する。
なお、図1の構成例では、待機系OSU13が1つだけ設けられた、N:1の冗長切り替え(PONプロテクション)の局側装置1を例示しているが、2つ以上の待機系OSU13を含む局側装置1であってもよい。
〔PONプロテクションの方式〕
本実施形態のPONプロテクションは、局側装置1が主導するプロテクション(以下、「第1のプロテクション」という。)と、宅側装置2が主導するプロテクション(以下、「第2のプロテクション」という。)の2つの方式がある。
「第1のプロテクション」には、ユーザによる操作が契機となるプロテクションと、局側装置1による故障検知が契機となるプロテクションがある。
前者のプロテクションは、操作IF15に入力された操作情報に基づいて行われるプロテクションである。
後者のプロテクションは、運用系OSU13の故障が検出された場合や、運用系OSU13が上り光信号を一定期間受信しない場合(「Optical LoSイベント」の検出)に行われるプロテクションである。なお、「LoS」は「Loss of Signal」の意味である。以下において、Optical LoSイベントを「LoSイベント」ともいう。
第1のプロテクションを実施する場合は、管理制御部12は、冗長切り替えの制御指令を生成し、生成した制御指令を切り替え元OSU13、切り替え先OSU13及び光スイッチ14に送信する。
制御指令を受信した切り替え元OSU13は、光スイッチ14の切り替えに先立ち、配下の宅側装置2の管理情報を切り替え先OSU13に転送する。
制御指令を受信した光スイッチ14は、宅側装置2が収容されたPON回線3の下位側ポート(j=1〜N)の接続先を、切り替え先OSU13に対応する上位側ポート(i=N+1)に変更する。
その後、切り替え先OSU13は、切り替え元OSU13から転送された宅側装置2の管理情報に基づいて、PON回線3に繋がる配下の宅側装置2と光通信を行う。
なお、切り替え元OSU13が転送する管理情報には、次の情報が含まれる。
1)ONUの種別情報
この種別情報は、例えば、ONUが1GONU、10G非対称ONU又は10G対称ONUのいずれかを示す情報である。
2)ONUのMACアドレス
3)ONUのRTT(Round Trip Time)情報
4)QoS(Quality of Service)パラメータ
このパラメータは、当該ONUに設定する優先度クラス、最低保証帯域及び最大許容帯域を定義するためのパラメータである。
5)上位ネットワークにおけるVLANモード
「第2のプロテクション」は、宅側装置2による故障検知が契機となるプロテクションである。具体的には、第2のプロテクションは、宅側装置2が下り光信号を一定期間受信しない場合(「LoSイベント」の検出)に行われるプロテクションである。
宅側装置2は、LoSイベントを検出すると、このイベントを含むOAMフレームをOSU13に送信する。このイベントを取得した運用系OSU13は、管理制御部12にその旨を伝え、管理制御部12はこれを契機に第2のプロテクションを実施する。
第2のプロテクションを実施する場合も、管理制御部12は、冗長切り替えの制御指令を生成し、生成した制御指令を切り替え元OSU13、切り替え先OSU13及び光スイッチ14に送信する。
制御指令を受信した切り替え元OSU13は、光スイッチ14の切り替えに先立ち、配下の宅側装置2の管理情報を切り替え先OSU13に転送する。
制御指令を受信した光スイッチ14は、宅側装置2が収容されたPON回線3の下位側ポート(j=1〜N)の接続先を、切り替え先OSU13に対応する上位側ポート(i=N+1)に変更する。
その後、切り替え先OSU13は、切り替え元OSU13から転送された宅側装置2の管理情報に基づいて、PON回線3に繋がる配下の宅側装置2と光通信を行う。
第2のプロテクションにおいて、宅側装置2は、局側装置1でのPONプロテクションの完了を、切り替え先OSU13からの制御フレームの受信によって検出する。
すなわち、宅側装置2(具体的には、図3のPON制御部24)は、自装置においてLoSイベントを検知した後に、切り替え先OSU13から所定の制御フレーム(例えば、MPCPフレーム、拡張MAC制御フレーム及び拡張OAMフレームなど)を受信したことにより、局側装置1による冗長切り替え(PONプロテクション)が完了したことを察知する。
〔OSUの構成〕
図2は、OSU13の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、OSU13は、上位側(図2の左側)から下位側に向かって順に、上位網IF(インタフェース)部31、PON制御部32、受信処理部33、送信処理部34、及びPON送受信部35を備えている。また、OSU13は、上りバッファ36及び下りバッファ37を備えている。
PON送受信部35は、光トランシーバにより構成されている。PON送受信部35は、光スイッチ14から入力される1.27μm帯の光信号を電気信号に変換し、その電気信号を受信処理部33に出力する。
PON送受信部35は、送信処理部34から入力される電気信号を1.577μm帯の光信号に変換し、その光信号を光スイッチ14に出力する。
受信処理部33は、PON送受信部35から入力される電気信号からフレームを再構成し、フレーム種別がMPCPフレーム又はOAMフレームなどの制御フレームであれば、その制御フレームをPON制御部32へ出力する。
受信処理部33は、フレーム種別がユーザフレームであれば、それを上りバッファ36へ出力する。
上位網IF部31は、上りバッファ36にフレームがあれば、そのフレームを取り出して上位網へ出力するとともに、上位網からフレームが入力されると、そのフレームを下りバッファ37に出力する。
送信処理部34は、PON制御部32から入力されるフレームを、電気信号としてPON送受信部35に出力するとともに、下りバッファ37にフレームがあれば、PON制御部32からのフレームの合間にそれを下りバッファ37から取り出し、電気信号としてPON送受信部35に出力する。
PON制御部32は、配下のONU2を管理するためのMPCPフレーム及びOAMフレームなどの制御フレームを生成し、生成した制御フレームを、送信処理部34を介してONU2へ送信する。
PON制御部32は、ONU2から送られるMPCPフレーム及びOAMフレームなどの制御フレームを、受信処理部33を介して受信し、受信した制御フレームの内容に対応する処理を行う。
本実施形態では、OSU13のPON制御部32は、ONU2から受信したOAMフレームに含まれるOAMイベントの種別に応じて、以下の種々の処理を行う。
例えば、ONU2から通知されたOAMイベントがLoSイベントである場合には、PON制御部32は、通知されたLoSイベントを管理制御部12に転送する。ONU2からのLoSイベントの通知は、第2のプロテクションの契機となるからである。
ONU2から通知されたOAMイベントが、所定期間に受信したOAMフレームに含まれる所定種別のイベントである場合には、PON制御部32は、これらのイベントに対応する処理を実行しないマスク処理を実行する。
すなわち、PON制御部32は、所定期間中に取得した所定種別のイベントを無視する「マスク処理部41」としての機能を有する。なお、OSU13のマスク処理部41が実行するマスク処理(図5〜図7)の詳細については後述する。
PON制御部32は、自装置に含まれる各部31,33,34,35のいずれかから、故障の検知信号(例えば、PON送受信部35が検知するLoSイベント)を取得すると、その検知信号を管理制御部12に転送する。この検知信号は、第1のプロテクション処理の契機となるからである。
管理制御部12が送信する冗長切り替えの制御指令には、切り替え先の識別番号と切り替え元の識別番号が含まれる。
PON制御部32は、制御指令に含まれる切り替え元の識別番号が自装置の識別番号に該当する場合には、自装置がPONプロテクションの切り替え元に指定されたと判断し、OSU13内の各部31,33,34,35にスリープ指示を送信する。
PON制御部32は、制御指令に含まれる切り替え先の識別番号が自装置の識別番号に該当する場合には、自装置がPONプロテクション切り替え先に指定されたと判断し、OSU13内の各部31,33,34,35にウェイク指示を送信する。
〔ONUの構成〕
図3は、ONU2の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、ONU2は、上位側(図3の左側)から下位側に向かって順に、PON送受信部21、送信処理部22、受信処理部23、PON制御部24及び下位網IF(インタフェース)部25を備えている。また、ONU20は、2種類の上りバッファ26,27と、1種類の下りバッファ28を備えている。第1上りバッファ26は制御フレーム用であり、第2上りバッファ27はユーザフレーム用である。
PON送受信部21は、光トランシーバにより構成されている。PON送受信部21は、PON回線3から入力される1.49μm帯の光信号を電気信号に変換し、その電気信号を受信処理部23に出力する。
PON送受信部21は、送信処理部22から入力される電気信号を1.3μm帯の光信号に変換し、その光信号をPON回線3に出力する。なお、光信号は、送信処理部22から入力されるバーストイネーブル信号がオフの期間は発光しないバースト信号となる。
受信処理部23は、PON送受信部21から入力される電気信号からフレームを再構成し、LLID(Logical Link ID)が自装置宛ではないフレームと、ブロードキャストのLLIDでないフレームを廃棄する。
受信処理部23は、廃棄されなかったフレームについてはフレーム種別を調べ、それが制御フレームであれば、その制御フレームをPON制御部24へ出力し、ユーザフレームであれば、そのユーザフレームを下りバッファ28へ出力する。
下位網IF部25は、下りバッファ28にフレームがあれば、そのフレームを取り出して下位網のメディアに応じた下り信号に変換して出力する。
また、下位網IF部25は、下位網から上り信号を受信すると、その上り信号を内部信号へ変換した後でフレームを再構成し、第2上りバッファ27へ出力する。
送信処理部22は、PON制御部24からの送信指示に従い、自ら生成したレポートフレームや、第1上りバッファ26及び第2上りバッファ27から取り出したフレームを、電気信号として指示された期間にPON送受信部21に送出する。このとき、送信処理部22はバーストイネーブル信号を有効にする。
PON制御部24からの送信指示には、フレームの対象(レポートフレームか否か)、送信開始時刻及び送信期間などが含まれる。
送信処理部22は、指示された対象がレポートフレームの場合は、レポートフレームを送信し、指示された対象がレポートフレームでない場合は、第1上りバッファ26及び第2上りバッファ27のフレームを送信する。
上記各バッファ26,27からのフレームの取り出しは、第1上りバッファ26の方が第2上りバッファ27よりも高い優先順位で行われる。
送信処理部22は、PON制御部24からレポートフレームの生成を指示された場合、上記各バッファ26,27に保存されている情報量を参照してレポートフレームを生成する。このとき、送信処理部22は、引数として与えられたグラント長に対応したフレーム群については、レポートに含めない。
送信処理部22は、フレームを電気信号に変換する際に、登録要求フレームに対してはブロードキャストのLLIDを付与し、その他のフレーム対しては当該ONU2のLLIDを付与する。
PON制御部24は、OSU13から送られるMPCPフレーム及びOAMフレームなどの制御フレームを、受信処理部23を介して受信し、受信した制御フレームの内容に対応する処理を行う。
PON制御部24は、その応答あるいは自ら生成するMPCPフレーム及びOAMフレームを、送信処理部22を介してOSU13へ送信する。
受信処理部23は、所定のOAMイベントを検知するイベント検知部43を有する。イベント検知部43が検知するOAMイベントには、例えば次のイベントが含まれる。
1)フレームエラーイベント
2)シンボルエラーイベント
3)リンクフォルト
4)クリティカルイベント
5)Optical LoSイベント
フレームエラーイベントとは、所定期間に受信したフレームに所定数以上のエラーを含むフレームがあることを意味する。
シンボルエラーイベントとは、所定期間に受信した受信信号に含まれるシンボル(符号)に所定数以上のエラーがあることを意味する。
リンクフォルトとは、ある程度の受光強度は得られているが、光電変換後の増幅信号の電圧が所定値より低い状態(無信号状態)が所定期間以上継続することを意味する。
クリティカルイベントとは、IEEE Std.802.3には規定されていないベンダー依存のイベントである。本実施形態では、光トランシーバの光送信部に何らかの故障が発生したこと、例えば、レーザー素子の駆動電圧が閾値未満となったことと定義する。
Optical LoSイベントとは、前述の通り、光信号(ONU2の場合には下り光信号)を一定期間受信しないことを意味する。
イベント検知部43は、上記のいずれかのイベントを検知すると、それらのイベントをPON制御部24に通知する。
本実施形態では、ONU2のPON制御部24は、イベント検知部43から通知されたOAMイベントの種別に応じて、以下の種々の処理を行う。
例えば、イベント検知部43から通知されたOAMイベントがLoSイベントである場合には、PON制御部32は、LoSイベントを含むOAMフレームを生成し、生成したOAMフレームを第1上りバッファ26に出力する。ONU2からのLoSイベントの通知は、第2のプロテクションの契機となるからである。
イベント検知部43から通知されたOAMイベントが、所定期間に通知された所定種別のイベントである場合には、PON制御部32は、これらのイベントをOSU13に通知しないマスク処理を実行する。
すなわち、PON制御部24は、所定期間中に取得した所定種別のイベントを対向装置に通知しない「マスク処理部42」としての機能を有する。なお、ONU2のマスク処理部42が実行するマスク処理(図8及び図9)の詳細については後述する。
〔イベント検知部の構成〕
図4は、イベント検知部43の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、イベント検知部43は、イベント通知部50、フレームエラー検知部51、及びシンボルエラー検知部52を備えている。
光トランシーバ21の光受信部56が出力する電気信号は、図示しない物理層符号化部にて符号化されてシンボルエラー判定部201に入力される。シンボルエラー判定部201は、電気信号をMACフレームに生成してフレームエラー判定部101に出力する。
フレームエラー検知部51は、フレームエラー判定部101、エラーカウンタ102、観測タイマー103、及びエラー数判定部104を含む。
フレームエラー判定部101は、シンボルエラー判定部201から入力されたMACフレームのエラーを検出すると、検出信号をエラーカウンタ102に出力する。
観測タイマー103は、PON制御部24から指示された観測周期C1を計測し、観測周期C1の経過ごとにエラーカウンタ102にカウントのリセット信号を出力する。
エラーカウンタ102は、観測タイマー103からリセット信号を受けると、前回のリセット信号から今回のリセット信号までにカウントした検出信号の数をエラー数判定部104に出力する。
エラー数判定部104は、取得した検出信号の数がPON制御部24から指示された閾値Th1以上である場合にフレームエラーありと判定し、その判定結果(フレームエラーイベント)をイベント通知部50に出力する。
シンボルエラー検知部52は、シンボルエラー判定部201、エラーカウンタ202、観測タイマー203、及びエラー数判定部204を含む。
シンボルエラー判定部201は、光受信部56から入力されたデジタル信号の符号エラーを検出すると、検出信号をエラーカウンタ202に出力する。
観測タイマー203は、PON制御部24から指示された観測周期C2を計測し、観測周期C2の経過ごとにエラーカウンタ202にカウントのリセット信号を出力する。
エラーカウンタ202は、観測タイマー203からリセット信号を受けると、前回のリセット信号から今回のリセット信号までにカウントした検出信号の数をエラー数判定部204に出力する。
エラー数判定部204は、取得した検出信号の数がPON制御部24から指示された閾値Th2以上である場合にシンボルエラーありと判定し、その判定結果(シンボルエラーイベント)をイベント通知部50に出力する。
光トランシーバ21は、受信異常検知部53を備える。受信異常検知部53は、光受信部56が出力する電気信号の増幅電圧を測定する測定器よりなる。
受信異常検知部53は、増幅後の電気信号がPON制御部24から指示された閾値Th3以下である状態(無信号状態)が、所定期間以上継続した場合にリンクフォルトの発生と判定し、その判定結果(リンクフォルト)をイベント通知部50に出力する。
光トランシーバ21は、光送信部のための故障判定部54を備える。故障判定部54は、レーザー素子の駆動電圧を測定する測定器よりなる。
故障判定部54は、レーザー素子の駆動電圧がPON制御部24から指示された閾値Th4以下である状態が、所定期間以上継続した場合にクリティカルイベントの発生と判定し、その判定結果(クリティカルイベント)をイベント通知部50に出力する。
光トランシーバ21は、受光強度測定部55を備える。受光強度測定部55は、PON回線3から光受信部56に入力される下り光信号の強度を測定する測定器よりなる。
受光強度測定部55は、下り光信号が所定の閾値以下である状態(無光状態)が、所定期間以上継続した場合にLoSイベントの発生と判定し、その判定結果(LoSイベント)をイベント通知部50に出力する。
イベント通知部50は、上述の各部51〜55から所定のOAMイベントが入力されると、入力されたOAMイベントをPON制御部24に通知する。
〔第1実施形態:OLTよるマスク処理〕
図5は、OLT1が主導する第1のプロテクションと、その際にOLT1が行うマスク処理の一例を示すシーケンス図である。
なお、以下の説明では、処理主体がOSU13になっているが、実際の処理主体は、OSU13に搭載されたPON制御部32(図2のマスク処理部41)である。図6及び図7のフローチャートについても同様である。
図5において、tsは冗長切り替えの「開始時点」を示し、teは冗長切り替えの「完了時点」を示す。具体的には、開始時点tsは、切り替え元OSU13がONU2の管理情報の提供を開始した時点であり、完了時点teは、切り替え先OSU13がONU2の管理情報の提供を受けて通信の準備が整った時点である。
局側主導の冗長切り替えである第1プロテクションにおいては、開始時点tsから完了時点teまでの期間を、当該冗長切り替えの「遷移期間」とする。
図5中のE1〜E4は、第1のプロテクションの開始及び完了の前後に、ONU2から通知されるOAMイベントの種別を示している。
具体的には、図5に記載の通り、イベントE1は「フレームエラーイベント」を示し、イベントE2は「シンボルエラーイベント」を示し、イベントE3は「リンクフォルト」を示し、イベントE4は「クリティカルイベント」を示す。
M1〜M4のボックスは、イベントE1〜E4ごとに時間長が異なるように予め設定された「マスク期間」を示している。
各マスク期間M1〜M4は、少なくともts〜teまでの期間を含み、添え字の数値が大きい方のマスク期間は添え字の数値が小さい方のマスク期間を包含する時間長となるように設定されている。すなわち、マスク期間Mの添え字をm,nとし、n>mとすると、マスク期間Mnはマスク期間Mmを包含する。
具体的には、マスク期間M1〜M4の開始時点ts以前の事前期間を、それぞれTbef_1〜Tbef_4とすると、マスク期間M1〜M4の事前期間Tbef_1〜Tbef_4には、次の不等式が成立する。Tbef_1≦Tbef_2≦Tbef_3≦Tbef_4
また、マスク期間M1〜M4の完了時点te以後の事後期間を、それぞれTaft_1〜Taft_4とすると、マスク期間M1〜M4の事後期間Taft_1〜Taft_4には、次の不等式が成立する。Taft_1≦Taft_2≦Taft_3≦Taft_4
図5に示す例では、切り替え元OSU13は、開始時点ts以前に5つのOAMフレームを受信している。これらのOAMフレームに含まれるOAMイベントの種別は、前から順に、E1→E4→E3→E2→E1となっている。
この場合、イベントE1を含む最初のOAMフレームの受信時は、イベントE1に対応するマスク期間M1から外れているので、切り替え元OSU13は、取得したイベントE1(フレームエラーイベント)を有効とする。
イベントE4を含む2番目のOAMフレームの受信時は、イベントE4に対応するマスク期間M4の期間内であるので、切り替え元OSU13は、取得したイベントE4(クリティカルイベント)を無効とする。
イベントE3を含む3番目のOAMフレームの受信時は、イベントE3に対応するマスク期間M3の期間内であるので、切り替え元OSU13は、取得したイベントE3(リンクフォルト)を無効とする。
イベントE2を含む4番目のOAMフレームの受信時は、イベントE2に対応するマスク期間M2の期間内であるので、切り替え元OSU13は、取得したイベントE2(シンボルエラーイベント)を無効とする。
イベントE1を含む5番目のOAMフレームの受信時は、イベントE1に対応するマスク期間M1の期間内であるので、切り替え元OSU13は、取得したイベントE1(フレームエラーイベント)を無効とする。
このように、マスク期間M1〜M4の事前期間Tbef_1〜Tbef_4の開始までに、各マスク期間M1〜M4に対応するイベントE1〜E4が通知された場合には、切り替え元OSU13は通知されたイベントE1〜E4を有効とする。
逆に、マスク期間M1〜M4の事前期間Tbef_1〜Tbef_4の開始後に、各マスク期間M1〜M4に対応するイベントE1〜E4が通知された場合には、切り替え元OSU13は通知されたイベントE1〜E4を無効とする。
図5に示す例では、開始時点tsから完了時点teまでの遷移期間中に、ONU2がイベントE1を含む2つのOAMフレームを送信している。
この期間中においては、切り替え元OSU13と切り替え先OSU13は、受信したOAMフレームに含まれるすべての種別のイベントを無効とする。その理由は、冗長切り替えの遷移期間中は、切り替え先OSU13へのONU2の管理情報の提供が未完了の可能性が高く、適切なPON通信を保証できないからである。
図5に示す例では、切り替え先OSU13は、完了時点te以後に5つのOAMフレームを受信しており、これらのOAMフレームに含まれるOAMイベントの種別は、前から順に、E1→E2→E3→E4→E1となっている。
この場合、イベントE1を含む最初のOAMフレームの受信時は、イベントE1に対応するマスク期間M1内であるので、切り替え先OSU13は、取得したイベントE1(フレームエラーイベント)を無効とする。
イベントE2を含む2番目のOAMフレームの受信時は、イベントE2に対応するマスク期間M2の期間内であるので、切り替え先OSU13は、取得したイベントE2(シンボルエラーイベント)を無効とする。
イベントE3を含む3番目のOAMフレームの受信時は、イベントE3に対応するマスク期間M3の期間内であるので、切り替え先OSU13は、取得したイベントE3(リンクフォルト)を無効とする。
イベントE4を含む4番目のOAMフレームの受信時は、イベントE4に対応するマスク期間M4の期間内であるので、切り替え先OSU13は、取得したイベントE4(クリティカルイベント)を無効とする。
イベントE1を含む5番目のOAMフレームの受信時は、イベントE1に対応するマスク期間M1から外れているので、切り替え先OSU13は、取得したイベントE1(フレームエラーイベント)を有効とする。
このように、マスク期間M1〜M4の事後期間Taft_1〜Taft_4の終了までに、各マスク期間M1〜M4に対応するイベントE1〜E4が通知された場合には、切り替え先OSU13は通知されたイベントE1〜E4を無効とする。
逆に、マスク期間M1〜M4の事後期間Taft_1〜Taft_4の終了後に、各マスク期間M1〜M4に対応するイベントE1〜E4が通知された場合には、切り替え先OSU13は通知されたイベントE1〜E4を有効とする。
図6は、切り替え元OSU13によるマスク処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、切り替え元OSU13は、所定のイベントE1〜E4を含むOAMフレームを受信すると(ステップS10)、まず、自装置が切り替え処理中であるか否かを判定する(ステップS11)。この判定は、具体的には、冗長切り替えの開始時点tsを経過しているか否かによって行われる。
上記の判定結果が肯定的である場合には、切り替え元OSU13は、OAMフレームに含まれるイベントE1〜E4を無効と判定する(ステップS14)。
上記の判定結果が否定的である場合には、切り替え元OSU13は、イベントE1〜E4を含むOAMフレームの受信から、各イベントE1〜E4に対応する事前期間Tbef_1〜Tbef_4が経過するまでの間に、冗長切り替えが開始されたか否かを判定する(ステップS12)。
上記の判定結果が否定的である場合には、切り替え元OSU13は、OAMフレームに含まれるイベントE1〜E4を有効と判定する(ステップS13)。
上記の判定結果が肯定的である場合には、切り替え元OSU13は、OAMフレームに含まれるイベントE1〜E4を無効と判定する(ステップS15)。
図7は、切り替え先OSU13によるマスク処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、切り替え先OSU13は、所定のイベントE1〜E4を含むOAMフレームを受信すると(ステップS20)、まず、自装置が切り替え完了前であるか否かを判定する(ステップS21)。この判定は、具体的には、冗長切り替えの完了時点teの経過前か否かによって行われる。
上記の判定結果が肯定的である場合には、切り替え先OSU13は、OAMフレームに含まれるイベントE1〜E4を無効と判定する(ステップS24)。
上記の判定結果が否定的である場合には、切り替え先OSU13は、完了時点te後の経過時間が、各イベントE1〜E4に対応する事後期間Taft_1〜Taft_4よりも大きいか否かを判定する(ステップS22)。
上記の判定結果が否定的である場合には、切り替え先OSU13は、OAMフレームに含まれるイベントE1〜E4を無効と判定する(ステップS23)。
上記の判定結果が肯定的である場合には、切り替え先OSU13は、OAMフレームに含まれるイベントE1〜E4を有効と判定する(ステップS25)。
〔第1実施形態の効果〕
第1実施形態のOLT1によれば、OSU13のPON制御部32が、局側主導の冗長切り替え(第1のPONプロテクション)の遷移期間(図5のts〜te)を含むマスク期間にONU2から受信したOAMフレームに含まれるOAMイベントE1〜E4を無効とするので、第1のPONプロテクションの後にONU2と通信する切り替え先OSU13が、ONU2の論理リンクを切断するのを防止することができる。従って、ONU2に継続した通信サービスを提供できる。
また、第1実施形態のOLT1によれば、OSU13のPON制御部32が、上記のOAMイベントE1〜E4を無効とすることにより、切り替え先OSU13が当該OAMイベントE1〜E4に対応する必要がなくなる。
このため、第1のPONプロテクションの完了後における切り替え先OSU13の処理負荷を軽減できるという利点もある。
更に、第1実施形態のOLT1によれば、OSU13のPON制御部32が、イベントE1〜E4の種別に応じて個別に設定されたマスク期間M1〜M4によりOAMイベントE1〜E4の無効を判定する(図5参照)。
このため、イベントE1〜E4の種別に関係なくマスク期間M1〜M4を一律の同じ期間に設定する場合に比べて、OAMイベントE1〜E4の種別ごとに柔軟にマスク処理を行うことができる。
なお、第1実施形態のOLT1では、切り替え元OSU13のPON制御部32と切り替え先OSU13のPON制御部32が、それぞれ分担してマスク処理を実行しているが(図5〜図7参照)、OLT1の管理制御部12がOAMフレームの処理を担うこととして、その管理制御部12が一括して上述のマスク処理を実行することにしてもよい。
〔第2実施形態:ONUよるマスク処理〕
図8は、ONU2が主導する第2のプロテクションと、その際にONU2が行うマスク処理の一例を示すシーケンス図である。
図8に示すように、第2のプロテクションは、LoSイベントを含むOAMフレームを切り替え元OSU13が受信することによって実施される。また、ONU2は、プロテクション完了後に切り替え先OSU13が送信する制御フレームを受信することにより、第2のプロテクションの完了を検知する。
図8において、tsはLoSイベントの「検知時点」を示し、teは冗長切り替え完了の「検知時点」を示している。
宅側主導の冗長切り替えである第2プロテクションにおいては、検知時点tsから検知時点teまでの期間を、当該冗長切り替えの「遷移期間」とする。
図8中のE1〜E4は、第2のプロテクションの実施の前後に、ONU2のイベント検知部43が検知するOAMイベントの種別を示している。
具体的には、図8に記載の通り、イベントE1は「フレームエラーイベント」を示し、イベントE2は「シンボルエラーイベント」を示し、イベントE3は「リンクフォルト」を示し、イベントE4は「クリティカルイベント」を示す。
M1〜M4のボックスは、イベントE1〜E4ごとに時間長が異なるように予め設定された「マスク期間」を示している。
各マスク期間M1〜M4は、少なくともts〜teまでの期間を含み、添え字の数値が大きい方のマスク期間は添え字の数値が小さい方のマスク期間を包含する時間長となるように設定されている。すなわち、マスク期間Mの添え字をm,nとし、n>mとすると、マスク期間Mnはマスク期間Mmを包含する。
具体的には、マスク期間M1〜M4の検知時点ts以前の事前期間を、それぞれTbef_1〜Tbef_4とすると、マスク期間M1〜M4の事前期間Tbef_1〜Tbef_4には、次の不等式が成立する。Tbef_1≦Tbef_2≦Tbef_3≦Tbef_4
また、マスク期間M1〜M4の検知時点te以後の事後期間を、それぞれTaft_1〜Taft_4とすると、マスク期間M1〜M4の事後期間Taft_1〜Taft_4には、次の不等式が成立する。Taft_1≦Taft_2≦Taft_3≦Taft_4
図8に示す例では、イベント検知部43は、検知時点ts以前に5つのOAMイベントを検知している。これらのOAMイベントの種別は、前から順に、E1→E4→E3→E2→E1となっている。
この場合、最初のイベントE1の取得時は、イベントE1に対応するマスク期間M1から外れているので、PON制御部24(具体的にはマスク処理部42。以下、同様。)は、イベント検知部43から通知されたイベントE1(フレームエラーイベント)を有効とし、イベントE1を含むOAMフレームを切り替え元OSU13に送信する。
2番目のイベントE4の取得時は、イベントE4に対応するマスク期間M4の期間内であるので、PON制御部24は、イベント検知部43から通知されたイベントE4(クリティカルイベント)を無効とする。
3番目のイベントE3の取得時は、イベントE3に対応するマスク期間M3の期間内であるので、PON制御部24は、イベント検知部43から通知されたイベントE3(リンクフォルト)を無効とする。
4番目のイベントE2の取得時は、イベントE2に対応するマスク期間M2の期間内であるので、PON制御部24は、イベント検知部43から通知されたイベントE2(シンボルエラーイベント)を無効とする。
5番目のイベントE1の取得時は、イベントE1に対応するマスク期間M1の期間内であるので、PON制御部24は、イベント検知部43から通知されたイベントE1(フレームエラーイベント)を無効とする。
このように、マスク期間M1〜M4の事前期間Tbef_1〜Tbef_4の開始までに、各マスク期間M1〜M4に対応するイベントE1〜E4が通知された場合には、PON制御部24は通知されたイベントE1〜E4を有効とする。
逆に、マスク期間M1〜M4の事前期間Tbef_1〜Tbef_4の開始後に、各マスク期間M1〜M4に対応するイベントE1〜E4が通知された場合には、PON制御部24は通知されたイベントE1〜E4を無効とする。
図8に示す例では、検知時点tsから検知時点teまでの遷移期間中に、PON制御部24が2つのイベントE1,E2を順に取得している。
この期間中においては、ONU2のPON制御部24は、取得したすべての種別のイベントを無効とする。その理由は、冗長切り替えの遷移期間中は、切り替え先OSU13へのONU2の管理情報の提供が未完了の可能性が高く、適切なPON通信を保証できないからである。
図8に示す例では、イベント検知部43は、検知時点te以後に5つのONUイベントを検知している。これらのOAMイベントの種別は、前から順に、E1→E2→E3→E4→E1となっている。
この場合、最初のイベントE1の取得時は、イベントE1に対応するマスク期間M1の期間内であるので、PON制御部24は、イベント検知部43から通知されたイベントE1(フレームエラーイベント)を無効とする。
2番目のイベントE2の取得時は、イベントE2に対応するマスク期間M2の期間内であるので、PON制御部24は、イベント検知部43から通知されたイベントE2(シンボルエラーイベント)を無効とする。
3番目のイベントE3の取得時は、イベントE3に対応するマスク期間M3の期間内であるので、PON制御部24は、イベント検知部43から通知されたイベントE3(リンクフォルト)を無効とする。
4番目のイベントE4の取得時は、イベントE4に対応するマスク期間M4の期間内であるので、PON制御部24は、イベント検知部43から通知されたイベントE4(リンクフォルト)を無効とする。
5番目のイベントE1の取得時は、イベントE1に対応するマスク期間M1からはずれているので、PON制御部24は、イベント検知部43から通知されたイベントE1(フレームエラーイベント)を有効とし、イベントE1を含むOAMフレームを切り替え先OSU13に送信する。
このように、マスク期間M1〜M4の事後期間Taft_1〜Taft_4の終了までに、各マスク期間M1〜M4に対応するイベントE1〜E4が通知された場合には、PON制御部24は通知されたイベントE1〜E4を無効とする。
逆に、マスク期間M1〜M4の事後期間Tbef_1〜Tbef_4の終了後に、各マスク期間M1〜M4に対応するイベントE1〜E4が通知された場合には、PON制御部24は通知されたイベントE1〜E4を有効とする。
図9は、ONU2によるマスク処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、ONU2のPON制御部24は、所定のイベントE1〜E4が通知されると(ステップS30)、まず、第2のプロテクションの契機となるLoSイベントが検出済みか否かを判定する(ステップS31)。
ステップS31の判定結果が否定的である場合には、第2のプロテクションが実施されるか否か不明な状態である。
従って、この場合、PON制御部24は、所定のイベントE1〜E4が通知された後、各イベントE1〜E4に対応する事前期間Tbef_1〜Tbef_4が経過するまでの間に、LoSイベントの通知がないか否かを判定する(ステップS32)。
上記の判定結果が否定的である場合は、PON制御部24は、通知されたイベントE1〜E4を無効と判断し、そのイベントE1〜E4を含むOAMフレームを送信しない(ステップS33)。
上記の判定結果が肯定的である場合は、PON制御部24は、通知されたイベントE1〜E4を有効と判断し、そのイベントE1〜E4を含むOAMフレームを送信する(ステップS34)。
ステップS31の判定結果が肯定的である場合には、第2のプロテクションが既に実施されている状態である。
従って、この場合、PON制御部24は、第2のプロテクションが完了済みか否かを判定する(ステップS33)。この判定は、切り替え先OSU13から制御フレームを受信したか否かによって行われる。
上記の判定結果が否定的である場合は、第2のプロテクションの実行中であるから、PON制御部24は、通知されたイベントE1〜E4を無効と判断し、そのイベントE1〜E4を含むOAMフレームを送信しない(ステップS36)。
上記の判定結果が肯定的である場合は、PON制御部24は、更に、検知時点te後の経過時間が、各イベントE1〜E4に対応する事後期間Taft_1〜Taft_4よりも大きいか否かを判定する(ステップS37)。
上記の判定結果が否定的である場合には、PON制御部24は、通知されたイベントE1〜E4を無効と判断し、そのイベントE1〜E4を含むOAMフレームを送信しない(ステップS38)。
上記の判定結果が肯定的である場合には、PON制御部24は、通知されたイベントE1〜E4を有効と判断し、そのイベントE1〜E4を含むOAMフレームを送信する(ステップS39)。
〔第2実施形態の効果〕
第2実施形態のONU2によれば、PON制御部24が、宅側主導の冗長切り替え(第2のPONプロテクション)の遷移期間(図8のts〜te)を含むマスク期間M1〜M4に検知したOAMイベントE1〜E4を無効とするので、第2のPONプロテクションの後にONU2と通信する切り替え先OSU13が、ONU2の論理リンクを切断するのを防止することができる。従って、ONU2に継続した通信サービスを提供することができる。
また、第2実施形態のONU2によれば、PON制御部24が、上記のOAMイベントE1〜E4を無効とすることにより、切り替え先OSU13が当該OAMイベントE1〜E4に対応する必要がなくなる。
このため、第2のPONプロテクションの完了後における切り替え先OSU13の処理負荷を軽減できるという利点もある。
更に、第2実施形態のONU2によれば、PON制御部24が、イベントE1〜E4の種別に応じて個別に設定されたマスク期間M1〜M4によりOAMイベントE1〜E4の無効を判定する(図8参照)。
このため、イベントE1〜E4の種別に関係なくマスク期間M1〜M4を一律の同じ期間に設定する場合に比べて、OAMイベントE1〜E4の種別ごとに柔軟にマスク処理を行うことができる。
〔第3実施形態:ONUによる検出感度の調整処理〕
図10は、ONU2が主導する第2のプロテクションと、その際にONU2が行う検出感度の調整処理の一例を示すシーケンス図である。
ここで、ONU2が行う検出感度の調整処理とは、第2のPONプロテクションに際して不要と考えられるイベントE1〜E4についての検出感度を、通常の運用期間よりも低下させる調整処理のことをいう。
例えば、フレームエラーイベントE1やシンボルエラーイベントE2などは、OSU13の切り替えの際に通常より多く観測される可能性が高いことは自明である。
このため、宅側主導の第2のPONプロテクションを行う際に、OLT1から指示されることなく、ONU2が自律的にイベントE1,E2の検出感度を低下させれば、不要なイベントE1,E2そのものの検出頻度が低下し、切り替え先OSU13が不要なイベントE1,E2を含むOAMフレームを受信する可能性を低減できる。
図10に示すように、ONU2による検出感度の調整処理の具体例としては、例えば、PON制御部24が、冗長切り替え完了の検知時点teにおいてイベント検知部43のエラーカウンタ102,202(図4参照)を強制的にクリアさせる処理が考えられる。
このようにすれば、切り替え先OSU13がONU2と新たにPON通信を確立する前に、冗長切り替えの完了までに検出されたフレームエラーやシンボルエラーの回数がクリアされるので、それらのイベントE1,E2が検出され難くなる。
図10に示すように、ONU2による検出感度の調整処理の他の具体例としては、例えば、PON制御部24が、LoSイベントの検知時点teから冗長切り替え完了の検知時点teまでの期間の閾値Th1〜Th4(図4参照)の設定値が、通常期間の「低レベル」よりも高い「高レベル」となるように動的に設定する処理でもよい。
このようにすれば、切り替え先OSU13に切り替わる遷移期間中に、不要なイベントE1〜E4が検出され難くなる。このため、遷移期間中に不要なイベントE1〜E4をONU2がアップリンクすることによって、切り替え先OSU13が論理リンクの切断を行う可能性を低下させることができる。
〔第3実施形態の効果〕
第3実施形態のONU2によれば、PON制御部24が、宅側主導の冗長切り替え(第2のPONプロテクション)の遷移期間(図10のts〜te)の完了後におけるOAMイベントE1〜E4を検知し難くするので、第2のPONプロテクションの後にONU2と通信する切り替え先OSU13が、ONU2の論理リンクを切断する可能性が低減する。従って、ONU2に継続した通信サービスを提供することができる。
また、第3実施形態のONU2によれば、PON制御部24が、上記OAMイベントE1〜E4を検知し難くすることにより、切り替え先OSU13が、当該OAMイベントトE1〜E4を含むOAMフレームを受信する可能性が少なくなり、当該OAMイベントE1〜E4に対応する必要性を低減できる。
このため、第2のPONプロテクションの完了後における切り替え先OSU13の処理負荷を軽減できるという利点もある。
〔その他の変形例〕
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上述の第1〜第3実施形態では、次の通信装置をそれぞれ開示している。
(1)第1のプロテクションにおいてマスク処理を行う第1実施形態のOLT
(2)第2のプロテクションにおいてマスク処理を行う第2実施形態のONU
(3)第2のプロテクションにおいて検出感度の調整処理を行う第3実施形態のONU
上記の(1)〜(3)の通信装置をPONシステムに導入することを想定すると、(1)〜(3)の通信装置のうちの少なくとも1つをPONシステムの構成要素として導入すればよい。すなわち、(1)〜(3)の通信装置のうちのいずれか1つをPONシステムに導入してもよいし、(1)〜(3)の通信装置のうちの複数を組み合わせてPONシステムに導入することにしてもよい。この場合、(2)のONUと(3)のONUとを、1つのPON回線に混在収容することにしてもよい。
上述の実施形態において、OLT1が実行するマスク処理は、マスク期間M1〜M4にONU2から受信したOAMフレームに含まれるOAMイベントのうちの「一部」を無効にする処理であってもよいし、「全部」を無効にする処理であってもよい。
同様に、ONU2が実行するマスク処理は、マスク期間M1〜M4に検知したOAMイベントのうちの「一部」を無効にする処理であってもよいし、「全部」を無効にする処理であってもよい。
また、ONU2が実行する検知感度の調整処理は、宅側主導の冗長切り替えの完了後におけるOAMイベントのうちの「一部」を検知し難くする処理であってもよいし、「全部」を検知し難くする処理であってもよい。
1 局側装置(OLT)
2 宅側装置(ONU)
3 PON回線
4 光カプラ
5 光ファイバ
11 集線部
12 管理制御部(制御部)
13 局側の光回線終端装置(OSU)
14 光スイッチ
15 操作IF
16 管理ネットワーク
17 管理装置
21 PON送受信部(光トランシーバ)
22 送信処理部
23 受信処理部
24 PON制御部(制御部)
25 下位網IF部
26 上りバッファ
27 上りバッファ
28 下りバッファ
31 上位網IF部
32 PON制御部(制御部)
33 受信処理部
34 送信処理部
35 PON送受信部(光トランシーバ)
36 上りバッファ
37 下りバッファ
41 OSUのマスク処理部
42 ONUのマスク処理部
43 イベント検知部
50 イベント通知部
51 フレームエラー検知部
52 シンボルエラー検知部
53 受信異常検知部
54 故障判定部
55 受光強度測定部
56 光受信部
101 フレームエラー判定部
102 エラーカウンタ
103 観測タイマー
104 エラー数判定部
201 シンボルエラー判定部
202 エラーカウンタ
203 観測タイマー
204 エラー数判定部

Claims (7)

  1. 局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置であって、
    局側主導の冗長切り替えの制御指令に応じて、前記局側の光回線終端装置を運用系から待機系に切り替える光スイッチと、
    前記局側主導の冗長切り替えの遷移期間を含むマスク期間に、宅側の光回線終端装置である宅側装置から受信したOAMフレームに含まれるOAMイベントを無効とする制御部と、を備える局側装置。
  2. 前記制御部は、前記OAMイベントを無効とするか否かの判定を、前記OAMフレームの受信時点が当該OAMイベントの種別に応じて個別に設定された前記マスク期間に入っているか否かによって行う請求項1に記載の局側装置。
  3. 局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置とPON回線を用いて光通信する、宅側の光回線終端装置である宅側装置であって、
    宅側主導の冗長切り替えの契機となる制御フレームを送信するPON送受信部と、
    前記宅側主導の冗長切り替えの遷移期間を含むマスク期間に検知したOAMイベントを無効とする制御部と、を備える宅側装置。
  4. 前記制御部は、前記OAMイベントを無効とするか否かの判定を、前記OAMイベントの取得時点が当該OAMイベントの種別に応じて個別に設定された前記マスク期間に入っているか否かによって行う請求項3に記載の宅側装置。
  5. 局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置とPON回線を用いて光通信する、宅側の光回線終端装置である宅側装置であって、
    宅側主導の冗長切り替えの契機となる制御フレームを送信するPON送受信部と、
    前記宅側主導の冗長切り替えの遷移期間の完了後におけるOAMイベントを通常の運用期間よりも検知し難くする制御部と、を備える宅側装置。
  6. 局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置と、前記局側装置とPON回線を用いて光通信する宅側装置とを含むPONシステムであって、
    請求項1又は請求項2に記載の局側装置もしくは請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の宅側装置が採用されている、あるいは、
    請求項1又は請求項2に記載の局側装置と請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の宅側装置の双方が採用されているPONシステム。
  7. 局側の光回線終端装置を余分に有する冗長構成の局側装置と、宅側の光回線終端装置である宅側装置とがPON回線を用いて行う光通信方法であって、
    下記の(a)〜(c)に定義する少なくとも1つの処理が実行される光通信方法。
    (a) 局側装置が、局側主導の冗長切り替えの遷移期間を含むマスク期間に宅側装置から受信したOAMフレームに含まれるOAMイベントを無効とするマスク処理
    (b) 宅側装置が、宅側主導の冗長切り替えの遷移期間を含むマスク期間に検知したOAMイベントを無効とするマスク処理
    (c) 宅側装置が、宅側主導の冗長切り替えの遷移期間の完了後におけるOAMイベントを通常の運用期間よりも検知し難くする検知感度の調整処理
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