以下に、本願に係るPONシステムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係るPONシステムが限定されるものではない。
[第1の実施の形態]
以下の実施の形態では、第1の実施の形態に係るPONシステムの構成、Cノードの構成、PONシステムの全体の処理の流れを順に説明し、最後に第1の実施の形態による効果を説明する。
[PONシステムの構成]
PONシステム1は、上位終端装置が通信装置と接続される第1のPONと、下位終端装置が通信装置と接続される第2のPONとを有するPONシステムである。この点について、図1を用いて、第1の実施の形態に係るPONシステム1の構成を説明する。図1は、第1の実施の形態に係るPONシステム1の構成を示す図である。PONシステム1は、図1に示すように、OLT10と、複数のONU3021〜302mと、複数のCノード5011〜501n及び5021と、複数の光スプリッタ701〜702とを有する。
図1の例では、PONシステム1は、OLT10(上位終端装置に相当)がCノード5011(通信装置に相当)と接続される第1のPONと、複数のONU3021〜302m(下位終端装置に相当)がCノード5011と接続される第2のPONとを有するPONシステムである。なお、以下では、ONU3021〜302m、Cノード5011〜501n及び5021、光スプリッタ701〜702を、それぞれONU30、Cノード50、光スプリッタ70と表記する場合がある。
PONシステム1では、1つのOLT10が複数のONU30と光伝送路を介してポイントツーマルチポイントの通信を行う。例えば、PONシステム1は、OLT10から各ONU30へ送信される下り信号が波長分割多重(WDM)技術や時分割多重(TDM)技術を用いて多重され、かつ、OLTに接続されている全てのONU30または一部のONU30が共通して受信可能な下り波長が少なくとも1つ存在するPONが多段に接続される多段PONシステムである。
なお、図1の例では、PONシステム1は、光スプリッタ701の下位にCノードのみ有するが、光スプリッタ701の下位にONU30を有してもよい。また、Cノード5021の下位には、Cノード50やONU30があってもよい。また、上位終端装置は、OLT10に限らず、Cノード50であってもよい。
OLT10は、加入者側に設置されるONU30からの光信号を終端し各種サービスノードに信号を転送するために局側に置かれる装置である。例えば、OLT10は、映像、電話、LAN等のノード側電気信号と光信号との間のセンタ設置型変換装置である。OLT10は、複数のCノード50のそれぞれとの間で複数の光伝送路を形成する。
ONU30は、局側に設置されるOLT10からの光信号を終端し各種サービスノードに信号を転送するために加入者側に置かれる装置である。例えば、ONU30は、光ファイバ上の伝送信号と、電話等の各種端末機器に対応した伝送信号間の変換を行う。
Cノード50は、PONと他のPONとを通信可能に接続するノード装置である。具体的には、Cノード50は、Cノード50より上位の位置にあるOLT10またはCノード50と通信を行う機能を有する。また、Cノード50は、Cノード50より下位の位置にあるONU30またはCノード50と通信を行う機能を有する。
光スプリッタ70は、光アクセスで使われるPONシステム1において、OLT10を複数のユーザで共用するために光信号を等分配するための部品である。光スプリッタ70は、例えば、Y字型のPLC(Planar Lightwave Circuit)導波路をツリー状に接続して形成される。
図1の例では、OLT10と、複数のONU3021〜302mと、複数のCノード5011〜501nとは、複数の光スプリッタ701〜702を介して接続される。具体的には、OLT10は、光スプリッタ701を介して、Cノード5011との間で複数の光伝送路201〜20Lを形成する。すなわち、OLT10は、上位の位置にあるCノード5011との間で光スプリッタ701から複数の光伝送路201〜20Lを冗長経路として形成する。なお、以下では、光伝送路201〜20Lをそれぞれ光伝送路20と表記する場合がある。
また、Cノード5011は、光スプリッタ702を介して、下位の位置にある複数のONU3021〜302mと接続される。また、Cノード5011は、光スプリッタ702を介して、下位の位置にあるCノード5021と接続される。これにより、Cノード50は、多段に接続される。なお、複数の光スプリッタ70による分岐数は、図1に示す例に限らず、任意の数に分岐してもよい。
このように、PONシステム1は、上位終端装置と通信装置との間に複数の冗長経路を有する。これにより、PONシステム1は、障害時に冗長経路を用いることができるので、システムの信頼性を高めることができる。例えば、PONシステム1は、障害が発生しやすい通信経路に冗長経路を設けるので、システムの信頼性を効率的に高めることができる。
[Cノードの構成]
Cノード50は、第1のPONに含まれる上位終端装置と、第2のPONに含まれる下位終端装置と接続される。この点について、図2を用いて第1の実施の形態に係るCノード50を説明する。図2は、第1の実施の形態に係るCノードの構成を示すブロック図である。Cノード50は、図2に示すように、カスケードONU(以下、「C−ONU51」と表記する)51と、カスケードOLT52(以下、「C−OLT52」と表記する)と、切替部53とを有する。
C−ONU51は、上位終端装置と光伝送路を介して接続される加入者側の通信機能部である。例えば、C−ONU51は、光スプリッタ70を介して、Cノード50より上位の位置にあるOLT10またはCノード50と接続される。
図3を用いて、図2に示したC−ONU51の構成を詳細に説明する。図3は、第1の実施の形態に係るC−ONUの構成を示すブロック図である。図3に示すように、C−ONU51は、電源部101と、外部計算処理部102と、記憶部103と、付加機能部104と、通信部105と、検知部106と、通知部107とを有する。
電源部101は、電源制御を行う。例えば、電源部101は、C−ONU51への給電を制御する。外部計算処理部102は、各種の計算を行う。例えば、外部計算処理部102は、後述のMPCP処理部110bによって実行される演算を行う。記憶部103は、各種の情報を記憶する。例えば、記憶部103は、各種ファームウェアを記憶したり、後述するPON信号処理部110におけるフレーム処理時にバッファとして利用される。付加機能部104は、その他の各種の機能を任意に有する。例えば、付加機能部104は、PON信号処理部110等における各種の処理でエラーが発生した場合に、アラームを通知する。なお、C−ONU51は、図示しないその他の各種の機能部を有してもよい。
通信部105は、各種の装置と通信を行う。具体的には、通信部105は、上位終端装置とCノード50とが接続される複数の光伝送路のうちいずれかの光伝送路を介して上位終端装置と通信を行う。例えば、通信部105は、OLT10や他のCノード50、C−OLT52などと通信を行う。一例としては、通信部105は、Cノード50より上位にある上位終端装置(例えば、OLT10や他のCノード50)との間に形成される複数の光伝送路201〜20Lのうちいずれかの光伝送路を介して上位終端装置と通信を行う。図3に示すように、通信部105は、C−OLTとの接続ポート108と、PON−IFポート109と、PON信号処理部110とを有する。
C−OLTとの接続ポート108及びPON−IFポート109は、外部からの信号を処理する。例えば、C−OLTとの接続ポート108は、切替部53を介して、上位の位置にあるC−OLT52との間で信号を送受信する。PON−IFポート109は、PONを介して、上位の位置にあるOLT10やCノード50との間で信号を送受信する。
PON信号処理部110は、例えば、Cノード50で送受信される各種信号(例えば、フレーム)に対する処理を制御する。PON信号処理部110は、図3に示すように、上り信号処理部110aと、MPCP処理部110bと、下り信号処理部110cとを有する。
上り信号処理部110aは、例えば、上りのバースト信号を再生する。また、上り信号処理部110aは、シリアルな上り信号をパラレルに変換する処理を行う。また、上り信号処理部110aは、上り信号の誤り訂正を行う。
MPCP処理部110bは、例えば、信号を送信するタイミングを通知する処理を行う。また、MPCP処理部110bは、送信要求元(例えば、OLT10やCノード50)から受信した送信タイミングの要求や問い合わせに対する処理を行う。
下り信号処理部110cは、例えば、下りのバースト信号を再生する。また、下り信号処理部110cは、シリアルな下り信号をパラレルに変換する処理を行う。また、下り信号処理部110cは、下り信号の誤り訂正を行う。
検知部106は、任意の部分に対し障害の監視及び検知を行う。具体的には、検知部106は、外部装置と接続される光伝送路の障害を検知する。例えば、検知部106は、OLT10と接続される複数の光伝送路201〜20Lに発生した障害を検知する。一例としては、検知部106は、光伝送路201〜20Lのうち、通信に用いられている光伝送路201に発生した障害を検知する。
通知部107は、障害に関する情報を通知する。例えば、通知部107は、検知部106によって障害が検知された場合に、PON−IFポート109を介して、上位終端装置であるOLT10またはCノード50へ障害情報を通知する。他の例では、通知部107は、C−OLT52との接続ポート108を介して障害情報を受信し、受信した障害情報を上位の位置にあるOLT10やCノード50へ送信する。また、他の例では、通知部107は、C−OLT52の障害情報をインバウンドまたはアウトバウンドで受信し、受信した障害情報を上位の位置にあるOLT10やCノード50へ送信する。なお、通知部107は、外部の通信線を介して障害情報を受信してもよい。また、通知部107は、通信経路の切り替えが必要な場合には、通信経路の切替要求を上位終端装置であるOLT10またはCノード50へ通知する。
図2の説明に戻って、C−OLT52は、下位終端装置と光伝送路を介して接続される局側の通信機能部である。例えば、C−OLT52は、光スプリッタ70を介して、Cノード50より下位の位置にあるONU30やCノード50と接続される。
図4を用いて、図2に示したC−OLT52の構成を詳細に説明する。図4は、第1の実施の形態に係るC−OLTの構成を示すブロック図である。図4に示すように、C−OLT52は、電源部111と、外部計算処理部112と、記憶部113と、付加機能部114と、通信部115と、検知部116と、通知部117とを有する。
電源部111は、電源制御を行う。例えば、電源部111は、C−OLT52への給電を制御する。外部計算処理部112は、各種の計算を行う。例えば、外部計算処理部112は、後述のMPCP処理部120bによって実行される演算を行う。記憶部113は、各種の情報を記憶する。例えば、記憶部113は、各種ファームウェアを記憶したり、後述するPON信号処理部120におけるフレーム処理時にバッファとして利用される。付加機能部114は、その他の各種の機能を任意に有する。例えば、付加機能部114は、PON信号処理部120等における各種の処理でエラーが発生した場合に、アラームを通知する。なお、C−OLT52は、図示しないその他の各種の機能部を有してもよい。
通信部115は、各種の装置と通信を行う。具体的には、通信部115は、下位終端装置と通信を行う。例えば、通信部115は、C−ONU51や下位の位置にあるPONなどと通信を行う。図3に示すように、通信部115は、PON−IFポート118と、上位C−ONUとの接続ポート119と、PON信号処理部120とを有する。
PON−IFポート118及び上位C−ONUとの接続ポート119は、外部からの信号を処理する。例えば、PON−IFポート118は、下位の位置にあるPONとの間で信号を送受信する。上位C−ONUとの接続ポート119は、上位C−ONU51との間で信号を送受信する。
PON信号処理部120は、例えば、Cノード50で送受信される各種信号(例えば、フレーム)に対する処理を制御する。PON信号処理部120は、図4に示すように、上り信号処理部120aと、MPCP処理部120bと、下り信号処理部120cとを有する。
上り信号処理部120aは、例えば、上りのバースト信号を再生する。また、上り信号処理部120aは、シリアルな上り信号をパラレルに変換する処理を行う。また、上り信号処理部120aは、上り信号の誤り訂正を行う。
MPCP処理部120bは、例えば、信号を送信するタイミングを通知する処理を行う。また、MPCP処理部120bは、送信要求元(例えば、上位C−ONU51や下位PON)から受信した送信タイミングの要求や問い合わせに対する処理を行う。
下り信号処理部120cは、例えば、下りのバースト信号を再生する。また、下り信号処理部120cは、シリアルな下り信号をパラレルに変換する処理を行う。また、下り信号処理部120cは、下り信号の誤り訂正を行う。
検知部116は、任意の部分に対し障害の監視及び検知を行う。具体的には、検知部116は、外部装置と接続される光伝送路の障害を検知する。例えば、検知部116は、下位終端装置(例えば、ONU30やCノード50)と接続される光伝送路の障害を検知する。
通知部117は、障害に関する情報を通知する。例えば、通知部117は、検知部116によって障害が検知された場合に、上位C−ONUとの接続ポート119を介して、上位C−ONU51へ障害情報を通知する。他の例では、通知部117は、障害情報をインバウンドまたはアウトバウンドで接続する上位C−ONU51へ障害情報を通知する。また、通知部117は、通信経路の切り替えが必要な場合には、通信経路の切替要求を上位C−ONU51へ通知する。
切替部53は、通信障害の状況に応じて通信経路を切り替える。具体的には、切替部53は、後述する通信部125によって用いられる光伝送路を、障害状況に応じて複数の光伝送路のうちいずれかの光伝送路に切り替える。例えば、切替部53は、障害が発生した通信経路から障害が発生していない他の通信経路に切り替える。一例としては、切替部53は、後述する検知部126によって光伝送路201に障害が発生したことが検知された場合に、光伝送路201から光伝送路20Lに切り替える。これにより、切替部53は、通信障害を解消し、通信を継続することができる。
図5を用いて、図2に示した切替部53の構成を詳細に説明する。図5は、第1の実施の形態に係る切替部の構成を示すブロック図である。図5に示すように、切替部53は、電源部121と、外部計算処理部122と、記憶部123と、付加機能部124と、通信部125と、検知部126と、通知部127とを有する。
電源部121は、電源制御を行う。例えば、電源部121は、切替部53への給電を制御する。外部計算処理部122は、各種の計算を行う。例えば、外部計算処理部122は、後述の切替処理部130によって実行される演算を行う。記憶部123は、各種の情報を記憶する。例えば、記憶部123は、各種ファームウェアを記憶したり、後述する切替処理部130におけるフレーム処理時にバッファとして利用される。付加機能部124は、その他の各種の機能を任意に有する。例えば、付加機能部124は、切替処理部130等における各種の処理でエラーが発生した場合に、アラームを通知する。なお、切替部53は、図示しないその他の各種の機能部を有してもよい。
通信部125は、各種の機能部と通信を行う。具体的には、通信部125は、C−ONU51やC−OLT52などと通信を行う。図5に示すように、通信部125は、C−OLTとの接続ポート128と、C−ONUとの接続ポート129と、指示部131と、切替処理部130とを有する。
C−OLTとの接続ポート128は、例えば、C−OLT52との間で信号を送受信する。C−ONUとの接続ポート129は、例えば、C−ONU51との間で信号を送受信する。
指示部131は、切替処理の指示を行う。具体的には、指示部131は、通信経路の切り替えを要求する切替情報を受信する。そして、指示部131は、切替情報を受信した場合に、切替指示を切替処理部130に送信する。例えば、指示部131は、C−ONUとの接続ポート129を介してC−ONU51から切替情報を受信する。そして、指示部131は、受信した切替情報に基づいて切替指示を切替処理部130に送信する。
また、指示部131は、通信経路の切り替えに関する状況を示す切替状況を送受信する。具体的には、指示部131は、切替処理部130から切替状況を受信する。そして、指示部131は、C−ONUとの接続ポート129を介して、受信した切替状況を上位終端装置へ送信する。
切替処理部130は、通信経路の切替処理を実行する。具体的には、切替処理部130は、C−ONUとの接続ポート129を介して上位終端装置から受信される切替情報に基づいて、通信経路の切替処理を実行する。上位終端装置からの指示に従って切替処理を実行するのは、OLT10などの上位終端装置側で信号の送付先を変更するためのテーブルの書き換え処理などの準備ができるからである。例えば、切替処理部130は、指示部131から切替指示を受信した場合に、指示された通信経路の切り替えを行う。なお、切替処理部130は、上位終端装置からの指示に限らず、Cノードの障害情報に基づいて任意のタイミングで通信経路の切り替えを行ってもよい。
検知部126は、任意の部分に対し障害の監視及び検知を行う。具体的には、検知部126は、主信号の導通経路にある処理部であるC−OLTとの接続ポート128や、C−ONUとの接続ポート129などの状態を監視し、障害が発生したことを検知する。
通知部127は、障害に関する情報を通知する。例えば、通知部127は、検知部126によって障害が検知された場合に、C−ONUとの接続ポート129を介して、C−ONU51へ障害情報を通知する。また、通知部127は、下位C−ONU51から障害情報をインバウンドまたはアウトバウンドで受信する。また、通知部127は、通信経路の切り替えが必要な場合には、通信経路の切替要求をC−ONU51へ通知する。
なお、障害の検知は、Cノード50に限らず、OLT10が行ってもよい。また、上位の位置にあるCノード50またはOLT10が、下位の位置にあるCノード50との間の通信障害を検知してもよい。この場合、上位の位置にあるCノード50またはOLT10が、障害が発生した通信経路から障害が発生していない他の通信経路に切り替える。また、下位の位置にあるCノード50が上位の位置にあるCノード50またはOLT10との間の通信障害を検知してもよい。この場合、下位の位置にあるCノード50が、障害が発生した通信経路から障害が発生していない他の通信経路に切り替える。
[処理手順]
次に、図6を用いて、第1の実施の形態に係るPONシステム1における切替処理の流れについて説明する。図6は、第1の実施の形態に係るPONシステムにおける切替処理の流れを示すシーケンス図である。
OLT10または上位の位置にある上位Cノード50は、下位の位置にある下位Cノード50に対して、障害ステータス通知のリクエストを定期的に送信する。例えば、OLT10または上位Cノード50は、図6に示すように、下位Cノード50に接続される光伝送路のうち通信に用いられている光伝送路である主系に対して、通信状態を示す障害ステータス通知のリクエストを送信する(ステップS101)。そして、下位Cノード50の主系は、通信状態が正常である場合には、OLT10または上位Cノード50に対して、通信状態が正常であることを示す障害ステータス通知を送信する(ステップS102)。
その後、Cノード50の主系に障害が発生したものとする。この場合、OLT10または上位Cノード50は、まず、下位Cノード50の主系に対して、通信状態を示す障害ステータス通知のリクエストを送信する(ステップS103)。そして、下位Cノード50の主系は、障害などが発生し通信状態が正常でないので、OLT10または上位Cノード50に対して、通信経路の切り替えを求める障害ステータス通知を送信する(ステップS104)。すなわち、下位Cノード50は、障害を検知して経路の切り替えが必要と判断した場合に、OLT10または上位Cノード50に対して、通信経路の切替許可を求める。
そして、OLT10または上位Cノード50は、通信経路の切り替えを求める障害ステータス通知を受信した場合に、下位Cノード50の主系に対して、通信経路の切り替えを指示する切替指示を送信する(ステップS105)。すなわち、OLT10または上位Cノード50は、任意のタイミングで、下位Cノード50に対して、経路の切替指示を送信することで、下位Cノード50に通信経路の切替えを実行させる。
その後、下位Cノード50の主系は、切替指示を受信した場合に、下位Cノード50に接続される光伝送路のうち通信に用いられていない光伝送路である副系に通信経路を切り替える(ステップS106)。そして、下位Cノード50の副系は、下位Cノード50の主系によって通信経路が切り替えられた場合に、OLT10または上位Cノード50に対して、切替完了通知を送信する(ステップS107)。すなわち、下位Cノード50は、経路切替制御の実行結果をOLT10または上位Cノード50に通知する。
その後、OLT10または上位Cノード50は、上記の下位Cノード50の副系に対して、障害ステータス通知のリクエストを送信する(ステップS108)。そして、下位Cノード50の主系は、通信状態が正常である場合には、OLT10または上位Cノード50に対して、通信状態が正常であることを示す障害ステータス通知を送信する(ステップS109)。すなわち、OLT10または上位Cノード50は、下位Cノード50の通信経路の切り替えが成功した場合に、障害ステータス通知のリクエストを定期的に繰り返し下位Cノード50に送信することで、当初の障害監視及び通知シーケンスに遷移する。
なお、上記の切替処理は、下位Cノード50による判断に基づいて行われてもよい。例えば、障害が発生した下位Cノード50は、上位終端装置に対して障害通知や経路切替要求の通知が不可能または困難な場合に、下位Cノード50の判断によって通信経路の切り替えを実行する。この点について、図7を用いて説明する。図7は、第1の実施の形態に係るPONシステムにおける切替処理の流れを示すシーケンス図である。
例えば、OLT10または上位Cノード50は、下位Cノード50の主系に対して、通信状態を示す障害ステータス通知のリクエストを送信する(ステップS111)。そして、下位Cノード50の主系は、通信状態が正常である場合には、OLT10または上位Cノード50に対して、通信状態が正常であることを示す障害ステータス通知を送信する(ステップS112)。
その後、Cノード50の主系に障害が発生したものとする。この場合、OLT10または上位Cノード50は、まず、下位Cノード50の主系に対して、通信状態を示す障害ステータス通知のリクエストを定期的に送信する(ステップS113)。ここで、下位Cノード50の主系は、通信経路の切り替えを求める障害ステータス通知をOLT10または上位Cノード50に送信せずに、障害を検知する(ステップS114)。
そして、下位Cノード50の主系は、障害を検知した場合に、下位Cノード50の副系に通信経路を切り替える(ステップS115)。そして、下位Cノード50の副系は、下位Cノード50の主系によって通信経路が切り替えられた場合に、OLT10または上位Cノード50に対して、切替完了通知を送信する(ステップS116)。
その後、OLT10または上位Cノード50は、上記の下位Cノード50の副系に対して、障害ステータス通知のリクエストを送信する(ステップS117)。そして、下位Cノード50の主系は、通信状態が正常である場合には、OLT10または上位Cノード50に対して、通信状態が正常であることを示す障害ステータス通知を送信する(ステップS118)。
[第1の実施の形態の効果]
このように、第1の実施の形態に係るPONシステム1は、上位終端装置が通信装置と接続される第1のPONと、下位終端装置が通信装置と接続される第2のPONとを有するPONシステムであって、上位終端装置と通信装置とが接続される複数の光伝送路のうちいずれかの光伝送路を介して上位終端装置と通信を行う通信部と、通信部によって用いられる光伝送路を、障害状況に応じて複数の光伝送路のうちいずれかの光伝送路に切り替える切替部とを有する。
これにより、第1の実施の形態に係るPONシステム1は、通信障害が発生した場合に、冗長経路に通信を切り替えることで通信障害を解消することができるので、信頼性を高めることができる。例えば、PONシステム1は、光スプリッタ下部の光伝送路の障害やC−ONUの障害による通信不能状態の影響を抑制することでできるので、通信障害が発生しても通信を継続することができる。
[第2の実施の形態]
上記の第1の実施の形態では、Cノード50は、1つのC−ONU51を有する場合を説明したが、複数のC−ONU51を有してもよい。具体的には、第2の実施の形態に係るCノード250は、上位終端装置と光伝送路を介して接続される複数の下位終端装置と、複数の下位終端装置のいずれかと接続されるとともに、第2のPONに含まれる下位終端装置と接続される上位終端装置とをさらにCノード250内に有し、通信部は、通信装置内に有する複数の下位終端装置のいずれかを介して第1のPONに含まれる上位終端装置と通信を行い、Cノード250内に有する上位終端装置を介して第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行い、切替部は、障害状況に応じてCノード250内に有する上位終端装置と複数の下位終端装置のいずれかとの接続を切り替えることで、複数の下位終端装置のうち第1のPONに含まれる上位終端装置と通信を行う下位終端装置を切り替える。この点について、図8を用いて詳細に説明する。なお、以下では、上記の実施の形態と同様の機能を発揮する機能部については同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
[Cノードの構成]
図8は、第2の実施の形態に係るCノード250の構成を示す図である。図8に示すように、Cノード250は、複数のC−ONU2511〜251nと、C−OLT52と、切替部253とを有する。なお、以下では、C−ONU2511〜251nを、それぞれC−ONU251と表記する場合がある。
複数のC−ONU2511〜251nは、それぞれ第1の実施の形態に係るC−ONU51と同様の機能を有する。また、複数のC−ONU2511〜251nは、それぞれ上位終端装置(例えば、上位の位置にあるOLT10またはCノード50)と光スプリッタ70を介して光伝送路20により接続される。
切替部253は、複数のC−ONU2511〜251nとC−OLT52と接続される。そして、切替部253は、複数のC−ONU2511〜251nとC−OLT52とを接続する通信経路を切り替える。この点について、図9を用いて説明する。
図9は、第2の実施の形態に係る切替部253の構成を示す図である。図9に示すように、切替部253は、図5に示す切替部53と比較して、通信部225と、検知部226とを有する点が異なる。
通信部225は、Cノード250内に有する複数の下位終端装置のいずれかを介して第1のPONに含まれる上位終端装置と通信を行い、Cノード250内に有する上位終端装置を介して第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行う。具体的には、通信部225は、図5に示す通信部125と比較して、複数のC−ONUとの接続ポート2291〜229nと、切替処理部230と、指示部231とを有する点が異なる。複数のC−ONUとの接続ポート2291〜229nは、それぞれ複数のC−ONU2511〜251nと接続される。これにより、複数のC−ONUとの接続ポート2291〜229nは、それぞれ複数のC−ONU2511〜251nと通信を行う。
切替処理部230は、障害状況に応じてCノード250内に有する上位終端装置と複数の下位終端装置のいずれかとの接続を切り替えることで、複数の下位終端装置のうち第1のPONに含まれる上位終端装置と通信を行う下位終端装置を切り替える。具体的には、切替処理部230は、通信に使用中である主系のC−ONU251に障害が検知された場合に、上位の位置にあるOLT10またはCノード50と信号の通信可能な予備導通経路である他のC−ONU251に接続を切り替える。これにより、切替処理部230は、使用中のC−ONU251に障害が発生しても通信を維持することができる。
指示部231は、指示部131と比較して、C−ONUとの接続ポート2291〜229nを介してC−ONU2511〜251nから切替情報を受信する点が異なる。また、指示部231は、指示部131と比較して、C−ONUとの接続ポート2291〜229nを介して、受信した切替状況を上位終端装置へ送信する点が異なる。
検知部226は、任意の部分に対し障害の監視及び検知を行う。具体的には、検知部226は、主信号の導通経路にある処理部であるC−OLTとの接続ポート128や、C−ONUとの接続ポート2291〜229n、切替処理部230となどの状態を監視し、障害が発生したことを検知する。また、検知部226は、外部装置と接続される光伝送路の障害を検知する。例えば、検知部226は、C−OLT52やC−ONU2511〜251nに発生した障害を検知する。また、検知部226は、装置内の各部の障害を検知してもよい。例えば、検知部226は、電源部121や、外部計算処理部122、記憶部123、付加機能部124、通信部225、通知部127に発生した障害を検知する。
[処理手順]
次に、図10を用いて、上位終端装置(OLT10または上位Cノード250)が主体となり切替指示を行う場合の切替処理の流れについて説明する。例えば、間もなく障害が発生する状況であるものの通信可能な状態である場合に、上位終端装置が主体となって切替指示を行う。図10は、第2の実施の形態に係るCノード250における切替処理の流れを示すフローチャートである。
例えば、OLT10または上位Cノード250は、図10に示すように、下位Cノード250から障害検知又は切替リクエストを受信したか否かを判定する(ステップS201)。ここで、OLT10または上位Cノード250は、障害検知又は切替リクエストを受信した場合には(ステップS201;有)、通信経路を冗長経路へ切り替える切替指示を下位Cノード250に送信する(ステップS202)。
その後、OLT10または上位Cノード250は、下位Cノード250から切替完了通知を受信したか否かを判定する(ステップS203)。ここで、OLT10または上位Cノード250は、下位Cノード250から切替完了通知を受信したと判定した場合には(ステップS203;成功)、切替処理を完了する(ステップS204)。
一方、OLT10または上位Cノード250は、障害検知又は切替リクエストを受信していない場合には(ステップS201;無または不要)、下位Cノード250との通信可否を判定する(ステップS205)。ここで、OLT10または上位Cノード250は、下位Cノード250との通信可と判定した場合には(ステップS205;可)、通信経路を維持する(ステップS206)。また、OLT10または上位Cノード250は、下位Cノード250から切替完了通知を受信していないと判定した場合にも(ステップS203;無または失敗)、通信経路を維持する(ステップS206)。その後、OLT10または上位Cノード250は、ステップS201を再び実行する。なお、OLT10または上位Cノード250は、下位Cノード250との通信不可と判定した場合には(ステップS205;不可)、後述するCノード主体の切替処理を実行する(ステップS207)。
なお、OLT10または上位Cノード250は、このような切替処理を任意の回数繰り返し実行した場合には、切替処理を停止してもよい。また、OLT10または上位Cノード250は、下位Cノード250から定期的な状態通知が無くなった場合や、障害によって下位Cノード250から上位終端装置への通知が困難になったと判断される場合に、独自に切替指示を行ってもよい。
また、切替処理は、OLT10や上位Cノード250などの上位終端装置に限らず、下位Cノード250が主体となって行ってもよい。例えば、下位Cノード250は、障害が発生した状況で上位終端装置から切替指示を受けることが困難な場合や、切替指示が不要な場合などに、自ら切替処理を実行する。この点について、図11を用いて詳細に説明する。図11は、第2の実施の形態に係るCノード250における切替処理の流れを示すフローチャートである。
例えば、下位Cノード250は、図11に示すように、障害を検知したか否かを判定する(ステップS211)。ここで、下位Cノード250は、障害を検知した場合には(ステップS211;有)、OLT10または上位Cノード250との通信可否を判定する(ステップS212)。そして、OLT10または上位Cノード250との通信が可と判定された場合には(ステップS212;可)、図10に示す上位終端装置主体の切替処理を実行する(ステップS213)。
一方、下位Cノード250は、OLT10または上位Cノード250との通信が不可または不要と判定された場合には(ステップS212;不可または不要)、経路切替制御を実行する(ステップS214)。
その後、下位Cノード250は、切替結果を判定する(ステップS215)。ここで、下位Cノード250は、切り換えを成功したと判定した場合には(ステップS215;成功)、切替完了通知を上位終端装置に送信する(ステップS216)。そして、下位Cノード250は、経路切替を完了する(ステップS217)。
一方、下位Cノード250は、切り換えを失敗したと判定した場合には(ステップS215;失敗)、切替失敗通知を送信する(ステップS218)。そして、下位Cノード250は、通信経路を維持する(ステップS219)。また、下位Cノード250は、障害が検知されていない場合にも(ステップS211;無)、通信経路を維持する(ステップS219)。その後、下位Cノード250は、ステップS211を再び実行する。なお、下位Cノード250は、このような切替処理を任意の回数繰り返し実行した場合には、切替処理を停止してもよい。
[第2の実施の形態の効果]
このように、第2の実施の形態に係るCノード250は、上位終端装置と光伝送路を介して接続される複数の下位終端装置と、複数の下位終端装置のいずれかと接続されるとともに、第2のPONに含まれる下位終端装置と接続される上位終端装置とをさらにCノード250内に有し、通信部は、Cノード250内に有する複数の下位終端装置のいずれかを介して第1のPONに含まれる上位終端装置と通信を行い、Cノード250内に有する上位終端装置を介して第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行い、切替部は、障害状況に応じてCノード250内に有する上位終端装置と複数の下位終端装置のいずれかとの接続を切り替えることで、複数の下位終端装置のうち第1のPONに含まれる上位終端装置と通信を行う下位終端装置を切り替える。
これにより、第2の実施の形態に係るCノード250は、主系となるC−ONUの故障による通信障害や、上段の光スプリッタからC−ONUに接続される光伝送路が断線や劣化などに伴う通信障害が発生した場合に、通信経路を切り替えることができるので、通信を継続することができる。例えば、第2の実施の形態に係るCノード250は、上位の位置にあるOLT10またはCノード250と通信可能なC−ONU251に切り替えることで通信を回復することができる。
また、第2の実施の形態に係るCノード250は、Cノード250が単数のC−OLT52を有するため上位のPON区間の方が下位のPON区間と比較して高い信頼性が求められ、かつ、下位PON区間に低コスト性が求められる場合に適している。例えば、第2の実施の形態に係るCノード250は、信頼性を優先する通信会社が上位PON区間を管理し、低コスト性を優先する集合住宅等の管理者が下位PON区間を管理する場合等に適している。
また、第2の実施の形態に係るCノード250は、Cノード250が有するC-OLT52の数を単数にすることで、経路切替部のスイッチ構成を簡単にすることができるので、使用する部品点数を削減することができる。このため、第2の実施の形態に係るCノード250は、Cノード250にかかるコストを削減することができる。
[第3の実施の形態]
上記の第2の実施の形態では、Cノード250は、1つのC−OLT52を有する場合を説明したが、複数のC−OLT52を有してもよい。具体的には、第3の実施形態に係るCノード350は、複数の下位終端装置のいずれかと接続されるとともに、第2のPONに含まれる下位終端装置と光伝送路を介して接続される複数の上位終端装置をさらにCノード350内に有し、通信部325は、複数の上位終端装置のいずれかを介して第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行い、切替部353は、障害状況に応じてCノード350内に有する複数の上位終端装置のいずれかと下位終端装置との接続を切り替えることで、複数の上位終端装置のうち第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行う上位終端装置を切り替える。この点について、図12を用いて詳細に説明する。なお、以下では、上記の実施の形態と同様の機能を発揮する機能部については同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
[Cノードの構成]
図12は、第3の実施の形態に係るCノード350の構成を示す図である。Cノード350は、複数の下位終端装置のいずれかと接続されるとともに、第2のPONに含まれる下位終端装置と光伝送路を介して接続される複数の上位終端装置をさらにCノード350内に有する。具体的には、Cノード350は、図12に示すように、図8に示すCノード250と比較して、複数のC−OLT3521〜352nと、切替部353と、接続部354とを有する点が異なる。なお、以下では、複数のC−OLT3521〜352nを、それぞれ複数のC−OLT352と表記する場合がある。
複数のC−OLT3521〜352nは、それぞれ第2の実施の形態に係るC−OLT52と同様の機能を有する。また、複数のC−OLT3521〜352nは、Cノード350より下位の位置にあるONU30またはCノード350と接続される。また、複数のC−OLT3521〜352nは、それぞれ接続部354に接続される。また、複数のC−OLT3521〜352nは、光カプラ、光スイッチまたは光フィルタを介して、下位の位置にある光伝送路と接続される。これにより、複数のC−OLT3521〜352nは、下位の位置にあるONU30またはCノード350と通信を行う。
なお、本実施形態では、Cノード350内に複数のC-ONU2511〜251nが搭載されるため、複数のC-ONU2511〜251nのうち通信に用いられている主系(運用系)のC-ONU251が障害情報や切替指示を通知する。また、主系(運用系)のC-ONU251において通信が困難な状況である場合には、通信可能な他のC−ONU251が障害情報や切替指示を上位終端装置へ通知してもよい。
切替部353は、複数のC−ONU2511〜251nと複数のC−OLT3521〜352nと接続される。そして、切替部353は、複数のC−ONU2511〜251nと複数のC−OLT3521〜352nとを接続する通信経路を切り替える。この点について、図13を用いて説明する。
図13は、第3の実施の形態に係る切替部353の構成を示す図である。図13に示すように、切替部353は、図9に示す切替部253と比較して、通信部325を有する点が異なる。
通信部325は、複数の上位終端装置のいずれかを介して第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行う。具体的には、通信部325は、図9に示す通信部225と比較して、複数のC−OLTとの接続ポート3281〜328nと、切替処理部330とを有する点が異なる。複数のC−OLTとの接続ポート3281〜328nは、主系のC−OLT352や副系のC−OLT352と接続される。
具体的には、切替部353は、通信に使用中である主系のC−ONU251やC−OLT352に障害が検知された場合に、信号の通信可能な予備導通経路である他のC−ONU251やC−OLT352に接続を切り替える。これにより、切替部353は、使用中のC−ONU251やC−OLT352に障害が発生しても通信を維持することができる。
ここで、切替部353は、C−OLT352の切り替えに際して、切り替え後のC−OLT352と下位の位置にあるONU30またはCノード50と通信を正常に行うために、切り替え前のC−OLT352からの下り光信号が下位の位置にあるONU30またはCノード50に受信できないようにする。例えば、切替部353は、切り替え前のC−OLT352の下り光信号を停止する。この場合、切替部353は、複数のC−OLT352同士を光カプラで接続し、複数のC−OLT352を下位の位置にある光伝送路と接続する。
また、C−OLT352の故障等によって下段への光信号(下り光信号)を停止できない場合がある。この場合、例えば、下段の光伝送路と任意のC−OLT352を接続できる光スイッチを用いることで、故障したC−OLT352の下段への光信号(下り光信号)を排除する。
接続部354は、複数のC−ONU2511〜251nと複数のC−OLT3521〜352nより下位の位置にあるONU30またはCノード50とを光伝送路で接続する。例えば、接続部354は、Cノード50より下位の位置にある下位終端装置(ONU30またはCノード50)と複数のC−OLT352とを接続することで光信号を導通させる。この点について、図14を用いて説明する。
図14は、第3の実施の形態に係る接続部354の構成を示す図である。図14に示すように、接続部354は、例えば、光スイッチが用いられる場合には、電源部331と、外部計算処理部332と、記憶部333と、付加機能部334と、通信部335と、検知部336と、通知部337とを有する。
電源部331は、電源制御を行う。例えば、電源部331は、接続部354への給電を制御する。外部計算処理部332は、各種の計算を行う。例えば、外部計算処理部332は、後述の切替処理部340によって実行される演算を行う。記憶部333は、各種の情報を記憶する。例えば、記憶部333は、各種ファームウェアを記憶したり、後述する切替処理部340におけるフレーム処理時にバッファとして利用される。付加機能部334は、その他の各種の機能を任意に有する。例えば、付加機能部334は、切替処理部340等における各種の処理でエラーが発生した場合に、アラームを通知する。なお、接続部354は、図示しないその他の各種の機能部を有してもよい。
通信部335は、各種の装置と通信を行う。具体的には、通信部335は、複数の上位終端装置のいずれかを介して第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行う。例えば、通信部335は、OLT10や他のCノード350、C−OLT352などと通信を行う。図14に示すように、通信部335は、光ポート338と、光ポート3391〜339nと、切替処理部340と、指示部341とを有する。
光ポート338及び光ポート3391〜339nは、外部からの信号を処理する。例えば、光ポート338は、下位終端装置との間で信号を送受信する。光ポート3391〜339nは、切替部353やC−OLT352との間で信号を送受信する。
指示部341は、切替処理の指示を行う。例えば、指示部341は、切替部353またはC−OLT352から切替情報を受信する。そして、指示部341は、受信した切替情報に基づいて切替指示を切替処理部340に送信する。
切替処理部340は、障害状況に応じてCノード350内に有する複数の上位終端装置のいずれかと下位終端装置との接続を切り替えることで、複数の上位終端装置のうち第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行う上位終端装置を切り替える。具体的には、切替処理部340は、切替部と連動し、C−OLT352と下位終端装置との通信経路を確保する。例えば、切替処理部340は、選択されたC−OLT352と下位終端装置とが通信できるように光経路の選択を行う。一例としては、切替処理部340は、指示部341から切替指示を受信した場合に、指示された通信経路の切り替えを行う。
ここで、切替処理部340は、上位終端装置からの切替情報に基づいて通信経路の切替を行ってもよい。また、切替処理部340は、切替部353からの切替情報に基づいて通信経路の切替を行ってもよい。
検知部336は、任意の部分に対して障害の監視・検知を行う。具体的には、検知部336は、通信経路の状態を監視し、通信経路に障害が発生したことを検知する。例えば、検知部336は、C−ONU251やC−OLT352と接続される通信経路に発生した障害を検知する。
通知部337は、障害に関する情報を通知する。具体的には、通知部337は、検知部336によって障害が検知された場合に、障害情報をC−OLT352または切替部353へ送信する。なお、通知部337は、光経路の切り替えが必要な場合には、切替要求情報を転送してもよい。
[処理手順]
次に、図15を用いて、上位終端装置(OLT10または上位Cノード350)が主体となって処理を行う切替処理の流れについて説明する。図15は、第3の実施の形態に係るCノード350における切替処理の流れを示すフローチャートである。
例えば、OLT10または上位Cノード350は、図15に示すように、下位Cノード350から障害検知又は切替リクエストを受信したか否かを判定する(ステップS301)。ここで、OLT10または上位Cノード350は、障害検知又は切替リクエストを受信していない場合には(ステップS301;無または不要)、下位Cノード350との通信可否を判定する(ステップS302)。そして、OLT10または上位Cノード350は、下位Cノード350との通信不可と判定した場合には(ステップS302;不可)、後述の下位Cノード350主体の切替処理を行う(ステップS303)。
一方、OLT10または上位Cノード350は、下位Cノード350との通信可と判定した場合には(ステップS302;可)、通信経路を維持する(ステップS304)。その後、OLT10または上位Cノード350は、ステップS301を再び実行する。
また、OLT10または上位Cノード350は、ここで、OLT10または上位Cノード350は、障害検知又は切替リクエストを受信した場合には(ステップS301;有)、C−ONU251の障害かC−OLT352の障害かを判定する(ステップS305)。
そして、OLT10または上位Cノード350は、障害箇所の状況に応じて正常な通信が可能な経路に切り替える切替指示を障害が発生した下位Cノード350に対して行う。例えば、OLT10または上位Cノード350は、C−OLT352の障害であると判定した場合には(ステップS305;C−OLT障害)、障害が発生した主系のC−OLT352を正常な他のC−OLT352に切り替える切替指示を送信する(ステップS306)。一方、OLT10または上位Cノード350は、C−ONU251の障害であると判定した場合には(ステップS305;C−ONU障害)、障害が発生した主系のC−ONU251を正常な他のC−ONU251に切り替える切替指示を送信する(ステップS307)。なお、OLT10または上位Cノード350は、C−OLT352及びC−ONU251の両方が障害であると判定した場合には(ステップS305;両方が障害)、障害が発生した主系のC−OLT352及びC−ONU251の両方を正常な他のC−OLT352及びC−ONU251に切り替える切替指示を送信する(ステップS308)。
その後、OLT10または上位Cノード350は、障害が発生したCノード350から切替完了通知を受信したか否か判定する(ステップS309)。ここで、OLT10または上位Cノード350は、下位Cノード350から切替完了通知を受信したと判定した場合には(ステップS309;成功)、切替処理を完了する(ステップS310)。
一方、OLT10または上位Cノード350は、下位Cノード350から切替完了通知を受信していないと判定した場合には(ステップS309;無または失敗)、通信経路を維持する(ステップS304)。その後、OLT10または上位Cノード350は、ステップS301を再び実行する。
なお、OLT10または上位Cノード350は、ポート等に障害が発生した場合には、正常なポートに経路を切り替えることで通信を維持してもよい。この場合、OLT10または上位Cノード350は、ポートの変更に伴って使用するC−OLT352やC−ONU251も切り替える。
また、OLT10または上位Cノード350は、このような切替処理を任意の回数繰り返し実行した場合には、切替処理を停止してもよい。また、OLT10または上位Cノード350は、下位Cノード350から定期的な状態通知が無くなった場合や、障害によって下位Cノード350から上位終端装置への通知が困難になったと判断される場合に、独自に切替指示を行ってもよい。
また、切替処理は、OLT10や上位Cノード350などの上位終端装置に限らず、下位Cノード350が主体となって行ってもよい。例えば、下位Cノード350は、上位終端装置へ障害の通知が困難な場合や、障害が発生した状況で上位終端装置から切替指示を受けることが困難な場合、切替指示が不要な場合などに、自ら切替処理を実行する。この点について、図16を用いて詳細に説明する。図16は、第3の実施の形態に係るCノード350における切替処理の流れを示すフローチャートである。
例えば、下位Cノード350は、図16に示すように、障害を検知したか否かを判定する(ステップS311)。ここで、下位Cノード350は、障害を検知した場合には(ステップS311;有)、OLT10または上位Cノード350との通信可否を判定する(ステップS312)。そして、下位Cノード350は、OLT10または上位Cノード350との通信が可と判定された場合には(ステップS312;可)、図15に示す上位終端装置主体の切替処理を実行する(ステップS313)。
一方、下位Cノード350は、OLT10または上位Cノード350との通信が不可または不要と判定された場合には(ステップS312;不可または不要)、経路切替制御を実行する(ステップS314)。
まず、下位Cノード350は、C−ONU251の障害かC−OLT352の障害かを判定する(ステップS315)。そして、下位Cノード350は、障害箇所の状況に応じて正常な通信が可能な経路に切り替える。例えば、下位Cノード350は、C−OLT352の障害であると判定した場合には(ステップS315;C−OLT障害)、障害が発生した主系のC−OLT352を正常な他のC−OLT352に切り替える(ステップS316)。一方、下位Cノード350は、C−ONU251の障害であると判定した場合には(ステップS315;C−ONU障害)、障害が発生した主系のC−ONU251を正常な他のC−ONU251に切り替える(ステップS317)。なお、下位Cノード350は、C−OLT352及びC−ONU251の両方が障害であると判定した場合には(ステップS315;両方が障害)、障害が発生した主系のC−OLT352及びC−ONU251の両方を正常な他のC−OLT352及びC−ONU251に切り替える(ステップS318)。
その後、下位Cノード350は、切替結果を判定する(ステップS319)。ここで、下位Cノード350は、切り替えを成功したと判定した場合には(ステップS319;成功)、切替完了通知を上位終端装置に送信する(ステップS320)。そして、下位Cノード350は、経路切替を完了する(ステップS321)。
一方、下位Cノード350は、切り替えを失敗したと判定した場合には(ステップS319;失敗)、切替失敗通知を送信する(ステップS322)。そして、下位Cノード350は、通信経路を維持する(ステップS323)。また、下位Cノード350は、障害が検知されていない場合にも(ステップS311;無)、通信経路を維持する(ステップS323)。その後、下位Cノード350は、ステップS311を再び実行する。なお、下位Cノード350は、このような切替処理を任意の回数繰り返し実行した場合には、切替処理を停止してもよい。また、下位Cノード350は、ポート等に障害が発生した場合には、正常なポートに経路を切り替えることで通信を維持してもよい。この場合、下位Cノード350は、ポートの変更に伴って使用するC−OLT352やC−ONU251も切り替える。
[第3の実施の形態の効果]
このように、第3の実施の形態に係るCノード350は、複数の下位終端装置のいずれかと接続されるとともに、第2のPONに含まれる下位終端装置と光伝送路を介して接続される複数の上位終端装置をさらにCノード350内に有し、通信部は、複数の上位終端装置のいずれかを介して前記第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行い、切替部は、障害状況に応じてCノード350内に有する複数の上位終端装置のいずれかと下位終端装置との接続を切り替えることで、複数の上位終端装置のうち第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行う上位終端装置を切り替える。
これにより、第3の実施の形態に係るCノード350は、主系となるC−ONU251やC−OLT352の故障による通信障害や、上段の光スプリッタからC−ONU251に接続される光伝送路が断線や劣化などに伴う通信障害が発生した場合に、Cノード350内の信号の経路を通信可能な他の経路に切り替えることができるので、通信を回復させることができる。
また、第3の実施の形態に係るCノード350は、Cノード350内にC−OLT352が複数存在するので、C−OLT352に不具合が発生した場合でも、正常なC−OLT352へ切替えることができるので、C−OLT352の故障や不具合に対応することができる。このため、第3の実施の形態に係るCノード350は、Cノード350内のC−OLT352及びC−ONU251の両方の障害に対応することができるので、通信経路の信頼性をより高めることができる。
[第4の実施の形態]
上記の第3の実施の形態では、Cノード50は、複数のC−ONU251を有する場合を説明したが、複数のC−ONU251がそれぞれ着脱可能であってもよい。この点について、図17を用いて詳細に説明する。なお、以下では、上記の実施の形態と同様の機能を発揮する機能部については同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
[Cノードの構成]
図17は、第4の実施の形態に係るCノード450の構成を示す図である。図17に示すように、Cノード450は、複数のC−ONU451と、複数のC−OLT52と、切替部253とを有する。
複数のC−ONU451は、任意に着脱可能なC−ONUである。例えば、複数のC−ONU451は、物理的に取り外し可能なネットワークカードなどである。一例としては、複数のC−ONU451は、主系となるC−ONU451の故障による通信障害や、上段の光スプリッタからC−ONU451に接続される光伝送路が断線や劣化などに伴う通信障害が発生した場合に、正常な他のC−ONU451と着脱して交換される。
[第4の実施の形態の効果]
このように、第4の実施の形態に係るCノード450は、着脱可能な複数のC−ONU451を有する。
これにより、第4の実施の形態に係るCノード450は、任意にC−ONUを着脱することができるので、故障・障害が発生したC−ONUを正常なC−ONUと容易に交換することできる。このため、第4の実施の形態に係るCノード450は、Cノードの機能を容易に回復させることができる。また、第4の実施の形態に係るCノード450は、C−ONUや光伝送路区間の故障率・障害率に応じて、設置するC−ONUの台数などの構成を容易に変更することができる。
[第5の実施の形態]
上記の第3の実施の形態では、Cノード350は、複数のC−ONU251と、複数のC−OLT352とを有する場合を説明したが、複数のC−ONU251及びC−ONU351がそれぞれ着脱可能であってもよい。この点について、図18を用いて詳細に説明する。なお、以下では、上記の実施の形態と同様の機能を発揮する機能部については同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
[Cノードの構成]
図18は、第5の実施の形態に係るCノード550の構成を示す図である。図18に示すように、Cノード550は、複数のC−ONU451と、複数のC−OLT552と、切替部353と、接続部354とを有する。
複数のC−ONU4511〜451nは、任意に着脱可能なC−ONUである。また、複数のC−OLT5521〜552nは、任意に着脱可能なC−OLTである。例えば、複数のC−ONU4511〜451n及び複数のC−OLT5521〜552nは、物理的に取り外し可能なネットワークカードなどである。一例としては、複数のC−ONU4511〜451n及び複数のC−OLT5521〜552nは、主系となるC−ONU451またはC−OLT552の故障による通信障害や、上段の光スプリッタからC−ONU451またはC−OLT552に接続される光伝送路が断線や劣化などに伴う通信障害が発生した場合に、正常な他のC−ONU451またはC−OLT552と着脱して交換される。
[第5の実施の形態の効果]
このように、第5の実施の形態に係るCノード550は、着脱可能な複数のC−ONU4511〜451n及び複数のC−OLT5521〜552nを有する。
これにより、第5の実施の形態に係るCノード550は、任意にC−ONU及びC−OLTを着脱することができるので、故障・障害が発生したC−ONUまたはC−OLTを正常なC−ONUまたはC−OLTと容易に交換することできる。このため、第5の実施の形態に係るCノード550は、Cノードの機能を容易に回復させることができる。また、第5の実施の形態に係るCノード550は、C−ONUやC−OLT、光伝送路区間の故障率・障害率に応じて、設置するC−ONUやC−OLTの台数などの構成を容易に変更することができる。
[第6の実施の形態]
上記の第2の実施の形態及び第4の実施の形態では、Cノード250及びCノード450は、複数のC−ONU251を有する場合を説明したが、任意の数のC−ONU51を同時に動作させてもよい。具体的には、第6の実施の形態に係るCノード650は、Cノード650内に有する複数の下位終端装置のうち、第1のPONに含まれる上位終端装置と通信を行う下位終端装置として2以上の下位終端装置を同時に動作させる。この点について、図19を用いて詳細に説明する。なお、以下では、上記の実施の形態と同様の機能を発揮する機能部については同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
[Cノードの構成]
図19は、第6の実施の形態に係るCノード650の構成を示す図である。図19に示すように、Cノード650は、図8に示すCノード250と比較して、切替部653とを有する。
切替部653は、Cノード650内に有する複数の下位終端装置のうち、第1のPONに含まれる上位終端装置と通信を行う下位終端装置として2以上の下位終端装置を同時に動作させる。具体的には、切替部653は、切替部253と比較して、切替処理部630を有する点が異なる。切替処理部630は、Cノード50が有する複数のC−ONU2511〜251nのうち任意のC−ONUを動作させ同時に通信させる。すなわち、切替部653は、Cノード650における信号処理の負荷状況に応じて任意の数のC−ONUを稼働させることで信号を分散して処理する。例えば、切替部653は、図19に示すように、C−ONU2511と、C−ONU2512と、C−ONU251nとを通過する複数の信号の処理経路を確保する。この点について、図20を用いて説明する。
図20は、第6の実施の形態に係る切替部653の構成を示す図である。図20に示すように、切替部653は、複数のC−ONUと接続される信号の導通経路1と導通経路mとを確保する。例えば、切替部653は、指示部131によって上位終端装置からの負荷分散指示が受け付けられた場合に、負荷分散指示に基づいて通信経路を設定する。そして、切替部653は、C−ONU2511とC−ONU2512とC−ONU251nと、C−OLT52との間の信号の導通経路を形成することで複数のC−ONU2511〜251nによる通信の負荷分散を行う。
[第6の実施の形態の効果]
このように、第6の実施の形態に係るCノード650では、切替部653は、Cノード650内に有する複数の下位終端装置のうち、第1のPONに含まれる上位終端装置と通信を行う下位終端装置として2以上の下位終端装置を同時に動作させる。
これにより、第6の実施の形態に係るCノード650は、複数のC−ONUに負荷を分散することができるので、1台当たりのC−ONUの負荷を低減することができる。例えば、第6の実施の形態に係るCノード650は、情報処理能力及びコストが低いC-ONUを複数搭載して負荷を分散することで、Cノード全体における信号処理能力の高さを維持することができる。
[第7の実施の形態]
上記の第3の実施の形態及び第5の実施の形態では、Cノード350及びCノード550は、複数のC−ONUと、複数のC−OLTとを有する場合を説明したが、任意の数のC−ONU及び任意の数のC−OLTを同時に稼働させてもよい。具体的には、第7の実施の形態に係るCノード750は、Cノード750内に有する複数の上位終端装置のうち、第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行う上位終端装置として2以上の上位終端装置を同時に動作させる。この点について、図21を用いて詳細に説明する。なお、以下では、上記の実施の形態と同様の機能を発揮する機能部については同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
[Cノードの構成]
図21は、第7の実施の形態に係るCノード750の構成を示す図である。図21に示すように、Cノード750は、図12に示すCノード350と比較して、切替部753と、接続部754とを有する。
切替部753は、Cノード750内に有する複数の上位終端装置のうち、第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行う上位終端装置として2以上の上位終端装置を同時に動作させる。具体的には、切替部753の切替処理部730は、Cノード50が有する複数のC−ONU2511〜251nのうち任意のC−ONUを動作させて通信させ、かつ、Cノード50が有する複数のC−OLT3521〜352nのうち任意のC−OLTを動作させて通信させる。すなわち、切替部753は、Cノード750における信号処理の負荷状況に応じて任意の数のC−ONU251と任意の数のC−OLT352を稼働させることで信号を分散して処理する。例えば、切替部753は、図21に示すように、C−ONU2511と、C−ONU2512と、C−ONU251nと、C−OLT3521と、C−OLT3522と、C−OLT351nとを通過する複数の信号の処理経路を確保する。この点について、図22を用いて説明する。
図22は、第7の実施の形態に係る切替部753の構成を示す図である。切替部753は、切替部353と比較して、通信部725を有する点が異なる。通信部725は、通信部325と比較して、切替処理部730を有する点が異なる。図22に示すように、切替処理部730複数のC−ONUと、複数のC−OLTとを接続する信号の導通経路1−1と、導通経路m−1と、導通経路1−mと、導通経路m−nとを確保する。例えば、切替処理部730は、指示部231によって上位終端装置からの負荷分散指示が受け付けられた場合に、負荷分散指示に基づいて通信経路を設定する。そして、切替処理部730は、C−ONU2511とC−ONU2512とC−ONU251nと、C−OLT3521とC−OLT3522とC−OLT352nとの間の信号の導通経路を形成することで複数のC−ONU2511〜251nと複数のC−OLT3521〜352nとによる通信の負荷分散を行う。
接続部754は、C−ONUとC−OLTとを接続する。具体的には、接続部754は、複数のC−ONU2511〜251nのうち切替部753によって稼働されたC−ONU251と、複数のC−OLT3521〜352nのうち切替部753によって稼働されたC−OLT352とを接続する。
[第7の実施の形態の効果]
このように、第7の実施の形態に係るCノード750は、Cノード750内に有する複数の上位終端装置のうち、第2のPONに含まれる下位終端装置と通信を行う上位終端装置として2以上の上位終端装置を同時に動作させる。
これにより、第7の実施の形態に係るCノード750は、複数のC−ONU及び複数のC−OLTに負荷を分散することができるので、1台当たりのC−ONU及びC−OLTの負荷を低減することができる。例えば、第7の実施の形態に係るCノード750は、情報処理能力及びコストが低いC-ONU及びC−OLTを複数搭載して負荷を分散することで、Cノード全体における信号処理能力の高さを維持することができる。
[第8の実施の形態]
上記の第2の実施の形態、第4の実施の形態及び第6の実施の形態では、Cノードは、複数のC−ONUを有する場合を説明したが、C−ONUを任意に休止させてもよい。具体的には、第8の実施の形態に係るCノード850では、Cノード850内に有する下位終端装置は、Cノード850内に有する複数の下位終端装置のうち少なくとも1つの下位終端装置を動作させた状態で他の下位終端装置を任意のタイミングで休止させる下位休止部を有する。この点について、図23を用いて詳細に説明する。なお、以下では、上記の実施の形態と同様の機能を発揮する機能部については同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
[Cノードの構成]
図23は、第8の実施の形態に係るCノード850の構成を示す図である。図23に示すように、Cノード850は、図8に示すCノード250と比較して、複数のC−ONU8511〜851nを有する。
複数のC−ONU8511〜851nは、例えば、信号処理等のタスクが発生しておらず、休止しても信号伝送に障害の発生しないC−ONUを任意に休止(スリープ)する。図23の例では、複数のC−ONU8511〜851nのうちC−ONU8512〜851nは、休止している。このため、複数のC−ONU8511〜851nのうちC−ONU8511が信号の処理経路となる。この点について、図24を用いて説明する。
図24は、第8の実施の形態に係るC−ONU851の構成を示す図である。図24に示すように、C−ONU851は、C−ONU51と比較して、休止部891(上位休止部に相当)をさらに有する。
休止部891は、C−ONU851の休止を制御する。具体的には、休止部891は、Cノード50が有する複数のC−ONU8511〜851nのうち少なくとも1台のC−ONUを動作させた状態で他のC−ONUを任意のタイミングで休止させる。例えば、休止部891は、PON−IFポート109、PON信号処理部110、C−OLTとの接続ポート108においてC−ONU851へ導通するトラフィックを監視する。そして、休止部891は、トラフィックの流入が任意の値以下であると判定した場合に、C−ONU851のスリープを行うための制御を開始する。
ここで、休止部891は、C−ONU851が主体となってスリープの開始を任意のタイミングでおこなってもよい。また、休止部891は、スリープを実行するか否かの許可を上位終端装置から求めてもよい。例えば、休止部891は、PON−IFポート109を介して、上位の位置にあるOLT10またはCノード50にスリープ要求を送信する。また、休止部891は、PON−IFポート109を介して、上位の位置にあるOLT10またはCノード50からスリープ許可を受信する。そして、休止部891は、上位の位置にあるOLT10またはCノード50からスリープ許可が得られた場合に、スリープを開始する。また、休止部891は、C−ONU851が予備系(非運用系)として上位終端装置から設定された場合に、信号の流入が無いものとしてスリープを開始してもよい。これにより、休止部891は、C−ONUを抑制状態とすることができるので、休止したC−ONU851への給電を必要最低限に抑えることができる。このため、休止部891は、C−ONUによる電力消費を減らすことができる。
また、休止部891は、Cノード50の各部位の発熱状態を監視し、温度状況に応じてC−ONU851を交互に動作させてもよい。これにより、休止部891は、一部の部位に発熱が集中し、機器類の熱的負荷発生に伴うCノードの劣化やデバイスの熱暴走によるリスクを低減することができる。
[第8の実施の形態の効果]
このように、第8の実施の形態に係るCノード850は、Cノード850内に有する下位終端装置は、Cノード850内に有する複数の下位終端装置のうち少なくとも1つの下位終端装置を動作させた状態で他の下位終端装置を任意のタイミングで休止させる休止部891を有する。
これにより、第8の実施の形態に係るCノード850は、少なくとも1つのC−ONUを残して他のC−ONUを休止することができるので、システムを維持したまま消費電力を低減することができる。
[第9の実施の形態]
上記の第3の実施の形態、第5の実施の形態及び第7の実施の形態では、Cノードは、複数のC−ONUと、複数のC−OLTとを有する場合を説明したが、C−ONU及びC−OLTを任意に休止させてもよい。具体的には、第9の実施の形態に係るCノード950では、Cノード950内に有する上位終端装置は、Cノード950内に有する複数の上位終端装置のうち少なくとも1つの上位終端装置を動作させた状態で他の上位終端装置を任意のタイミングで休止させる上位休止部を有する。この点について、図25を用いて詳細に説明する。
[Cノードの構成]
図25は、第9の実施の形態に係るCノード950の構成を示す図である。図25に示すように、Cノード950は、図12に示すCノード350と比較して、複数のC−ONU8511〜851nと、複数のC−OLT9521〜952nとを有する。
複数のC−OLT9521〜952nは、信号処理等のタスクが発生しておらず、休止しても信号伝送に障害の発生しないC−OLTを任意に休止(スリープ)する。図25の例では、複数のC−OLT9521〜952nのうちC−OLT9522〜952nは、休止している。このため、複数のC−OLT9521〜952nのうちC−OLT9521が信号の処理経路となる。この点について、図26を用いて説明する。
図26は、第9の実施の形態に係るC−OLT952の構成を示す図である。図26に示すように、C−OLT952は、C−OLT352と比較して、休止部991(上位休止部に相当)をさらに有する。
休止部991は、Cノード950内に有する複数の上位終端装置のうち少なくとも1つの上位終端装置を動作させた状態で他の上位終端装置を任意のタイミングで休止させる。具体的には、休止部991は、Cノード950が有する複数のC−OLT9521〜952nのうち少なくとも1台のC−OLTを動作させた状態で他のC−OLTを任意のタイミングで休止させる。例えば、休止部991は、C−ONUとの接続ポート119、PON−IFポート118、PON信号処理部120においてC−OLT952へ導通するトラフィックを監視する。そして、休止部991は、トラフィックの流入が任意の値以下であると判定した場合に、C−ONU851及びC−OLT952のスリープを行うための制御を開始する。
ここで、休止部991は、C−OLT952が主体となってスリープの開始を任意のタイミングでおこなってもよい。また、休止部991は、スリープを実行するか否かの許可を上位終端装置から求めてもよい。例えば、休止部991は、C−ONUとの接続ポートを介して、C−ONU851または上位の位置にあるOLT10またはCノード950にスリープ要求を送信する。また、休止部991は、C−ONUとの接続ポートを介して、C−ONU851または上位の位置にあるOLT10またはCノード950からスリープ許可を受信する。そして、休止部991は、C−ONU851または上位の位置にあるOLT10またはCノード950からスリープ許可が得られた場合に、スリープを開始する。
また、休止部991は、C−OLT952が予備系(非運用系)として上位終端装置から設定された場合に、信号の流入が無いものとしてスリープを開始してもよい。また、休止部991は、C−ONU851との間に通信経路が確立されてる場合に、C−ONU851へスリープ要求を行い、C−ONU851からスリープ許可を得て、スリープを開始してもよい。
これにより、休止部991は、C−ONU851及びC−OLT952を抑制状態とすることができるので、休止したC−ONU851及びC−OLT952への給電を必要最低限に抑えることができる。このため、休止部991は、C−ONU851及びC−OLT952による電力消費を減らすことができる。
また、休止部991は、Cノード50の各部位の発熱状態を監視し、温度状況に応じてC−ONU851及びC−OLT952を任意に動作させてもよい。これにより、休止部991は、一部の部位に発熱が集中し、機器類の熱的負荷発生に伴うCノードの劣化やデバイスの熱暴走によるリスクを低減することができる。
[第9の実施の形態の効果]
このように、第9の実施の形態に係るCノード950は、Cノード950内に有する上位終端装置は、Cノード950内に有する複数の上位終端装置のうち少なくとも1つの上位終端装置を動作させた状態で他の上位終端装置を任意のタイミングで休止させる上位休止部を有する。
これにより、第9の実施の形態に係るCノード950は、少なくとも1つのC−ONU及びC−OLTを残して他のC−ONU及びC−OLTを休止することができるので、システムを維持したまま消費電力を低減することができる。
以上、本発明のいくつかの実施例を説明したが、これらの実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
上記の実施例において図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示された構成要素と同一であることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態(例えば、図2の形態)は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、C−ONU51とC−OLT52とを一つの部として統合してもよく、一方、切替部53を、通信部105と検知部106とに分散してもよい。また、例えば、通知部107をCノード50の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、検知部106、通知部107を別の装置がそれぞれ有し、ネットワークに接続されて協働することで、上記したCノード50の機能を実現するようにしてもよい。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上記の実施例においてCノードでは、C−ONU、C−OLT及び切替部のそれぞれが、検知部及び通知部を有する例を示した。ここで、Cノードでは、必ずしもC−ONU、C−OLT及び切替部のそれぞれが検知部及び通知部を有さなくてもよい。具体的には、少なくとも冗長する部位が検知部及び通知部を有すればよい。例えば、C−ONUのみが検知部及び通知部を有し、障害の検知及び通知を行ってもよい。
また、上記の実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。