JP5330885B2 - 光伝送システム - Google Patents

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Description

本発明は、センタ側光回線終端装置と加入者宅側光回線終端装置とを光伝送路で接続して通信を行うPON型の光伝送システムに関する。
FTTH、CATV等の光ネットワークでは、下記の特許文献1に記載されているように、センタに接続される光伝送路を受動型スプリッタにより分岐して複数の加入者宅まで光伝送路を敷設するPON(Passive Optical Network)型の光伝送システムが使用されている。このような光伝送システムは、PDS(Passive Double Star)とも呼ばれる。
従来のPON型の光伝送システムの一例を図5に示す。同図に示すPON型光伝送システム900では、センタの光回線終端装置(OLT:Optical Line Termination)901が光ファイバ902を介してスプリッタ903の合波端に接続され、スプリッタ903の複数の分波端には光ファイバ904−1、…904−nを介して各加入者宅に設置された加入者宅側光回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)905−1、…905−nが接続される。
ONU905−1、…905−nの構成を図6に示す。同図は、一例としてONU905−1の構成を示しており、ONU905−1は、光トランシーバ部906、ONU機能部907、シリアル/パラレル変換部(SERDES)908、及びイーサネット(登録商標)インタフェース909を備える構成となっている。スプリッタ903に接続された光ファイバ904−1が、各加入者宅に設けられた光成端ユニット910を介して光トランシーバ部906に接続されている。
イーサネット(登録商標)インタフェース909として、10/100/1000BASE−TX等を用いることができ、これに例えばLANケーブル911が接続される。LANケーブル911には、コンピュータやプリンタ等の端末機器914を直接接続することができ、またルータ912やスイッチングハブ913等のスイッチを接続し、これに別の端末機器914を接続することもできる。また、インタフェース909として、MSA(Multi-Source Agreement)インタフェースの規格に対応させたMSAインタフェースモジュールを用いた場合には、スイッチ等の外部ノードに設けられたMSAインタフェーススロットに直接接続することが可能となり、LANケーブルの接続が不要になって省スペース化が図れるなどの大きな利点がある。
ONUを用いて光伝送システムに接続されたスイッチ等が、外部と高い信頼性で通信を行うためには、光伝送システムとの接続の信頼性を高めることが重要となる。ネットワークシステム等において、装置間の接続の信頼性を高めるために、従来より装置間に2以上の伝送ラインを設けることで冗長化させる方法が用いられている。従来の装置間における冗長化の一例を、図7を用いて説明する。同図(a)は、トランキングによる冗長化の方法を示しており、(b)はスパニングツリーによる冗長化の方法を示している。
図7(a)に示すトランキングによる方法では、2つのスイッチ921、922がそれぞれ2つのポート921a、921b及び922a、922bを使って2つの伝送ライン923、924を形成しており、両方ともアクティブとなっている。このような複数の伝送ライン923、924を、トランキングによる方法では仮想的に1つの伝送ラインのように束ねることにより、データ転送の負荷を分散させて高速化を図ることが可能となっている。また、一方の伝送ラインに異常が起きると、他方の伝送ラインだけで通信を継続することが可能となっている。
また、図7(b)に示すスパニングツリーによる方法では、2つのスイッチ921、922がそれぞれ2つのポート921a、921b及び922a、922bを使って2つの伝送ライン925、926を形成しており、一方の伝送ライン(図7(b)では伝送ライン925)のみがアクティブとなっている。2つのスイッチ921、922を2つの伝送ライン925、926で単に接続すると、これらがループを形成して問題が生じる。
そこで、スパニングツリーによる方法では、一方の伝送ラインを通常はブロックしておき(図7(b)では伝送ライン926側のポート921bでブロック)、アクティブの伝送ライン925に異常が起きたときに、ポート921bのブロックを解除して用いるようにしている。このような冗長化では、通常はアクティブな伝送ライン(以下では「現用系伝送ライン」と称する)とは別に、通常はブロックされている伝送ライン(以下では「待機系伝送ライン」と称する)を設ける構成をとっている。そして、現用系伝送ラインに異常が生じたときに待機系伝送ラインに切り替えて用いるようにしている。
特開平9−214541号公報
しかしながら、PON型の光伝送システムでは、冗長化に関する規格が設けられていないため、現状では冗長化を実現することはできない。スイッチに2以上のイーサネット(登録商標)インタフェースが設けられている場合、これに例えば2つのONUを接続することで、物理的には2つの伝送ラインを設けることができる。しかし、単に2つのONUを接続しただけでは、両方とも通信可能な状態となりスイッチ内での処理が混乱してしまう。例えば、2つの伝送ラインがあると、スイッチ内での処理でどちらの伝送ラインにデータを出力してよいか判らなくなる。
そこで、本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、1つのスイッチに2以上の加入者宅側光回線終端装置を接続して冗長化することにより、信頼性の高い光伝送システムを提供することを目的とする。
本発明の光伝送システムの第1の態様は、センタ側光回線終端装置と加入者宅側光回線終端装置とが光伝送路を用いてPONリンクで接続され、2以上のシリアルインタフェースを有するスイッチと前記加入者宅側光回線終端装置とがシリアルリンクで接続されて通信が行われる光伝送システムであって、前記センタ側光回線終端装置に接続され、前記PONリンクおよび前記シリアルリンクの作動状態を管理しているセンタ側管理部と、前記スイッチに2以上の前記加入者宅側光回線終端装置が接続されていることを前記センタ側管理部から通知されると、前記2以上の加入者宅側光回線終端装置で形成される2以上の伝送ラインを1つの現用系伝送ラインと1以上の待機系伝送ラインに割り付けて前記センタ側管理部に通知し、前記センタ側管理部から前記現用系伝送ラインの異常が通知されると、前記現用系伝送ラインを不使用状態にするとともに前記待機系伝送ラインのいずれか1つを新たに現用系伝送ラインに割り付けて前記センタ側管理部に通知する冗長化処理部と、を備え、前記センタ側管理部は、前記冗長化処理部から通知された前記現用系伝送ラインに対して、前記PONリンク及び前記シリアルリンクをともに作動状態にすることを特徴とする。
本発明の光伝送システムの他の態様は、前記加入者宅側光回線終端装置が、マルチソースアグリーメント(MSA)インタフェースモジュールを備えるとともに、前記スイッチが、前記シリアルインタフェースとしてMSAインタフェーススロットを備え、前記MSAインタフェースモジュールを前記MSAインタフェーススロットに挿入することで前記伝送ラインが形成されていることを特徴とする。
本発明の光伝送システムの他の態様は、前記冗長化処理部は、前記スイッチに2以上の前記加入者宅側光回線終端装置が接続されていることが前記センタ側管理部から通知されると、第1番目に接続された前記加入者宅側光回線終端装置の伝送ラインを現用系伝送ラインとし、第2番目以降に接続された前記加入者宅側光回線終端装置の伝送ラインを待機系伝送ラインとすることを特徴とする。
本発明の光伝送システムの他の態様は、前記センタ側管理部は、前記待機系伝送ラインに対して前記PONリンクを作動状態にするとともに前記シリアルリンクを不作動状態にし、前記待機系伝送ラインが新たに前記現用系伝送ラインに割り付けられると、前記シリアルリンクを作動状態にすることを特徴とする。
本発明の光伝送システムの他の態様は、前記センタ側管理部は、前記待機系伝送ラインに対して前記PONリンクを不作動状態にし、前記待機系伝送ラインが新たに前記現用系伝送ラインに割り付けられると、前記PONリンクを作動状態にすることを特徴とする。
本発明の光伝送システムの他の態様は、前記加入者宅側光回線終端装置は、前記センタ側管理部により前記PONリンクが不作動状態にされると前記シリアルリンクも不作動状態にし、前記センタ側管理部により前記PONリンクが作動状態にされると前記シリアルリンクも作動状態にすることを特徴とする。
本発明の光伝送システムの他の態様は、前記センタ側管理部は、前記現用系伝送ラインにおける前記PONリンクまたは前記シリアルリンクの異常を検出すると、前記冗長化処理部に前記現用系伝送ラインの異常を通知することを特徴とする。
本発明の光伝送システムの他の態様は、前記スイッチは、前記シリアルリンクの作動状態を監視する監視部をさらに備え、前記監視部が前記シリアルリンクの異常を検出すると、前記シリアルリンクに用いられているシリアル信号線とは別のシリアル信号線を介して前記加入者宅側光回線終端装置にシリアルリンクの異常を通知し、さらに前記加入者宅側光回線終端装置から前記センタ側光回線終端装置を経由して前記センタ側管理部に前記シリアルリンクの異常を通知することを特徴とする。
本発明の光伝送システムの他の態様は、前記加入者宅側光回線終端装置は、前記PONリンクまたは前記シリアルリンクの異常を、前記PONリンクで規定された保守データに設定して前記センタ側管理部に通知することを特徴とする。
本発明の光伝送システムの他の態様は、前記センタ側管理部は、前記現用系伝送ラインの前記PONリンクと前記シリアルリンクの両方を不作動状態にすることで前記不使用状態にすることを特徴とする。
本発明の光伝送システムの他の態様は、前記センタ側管理部は、前記現用系伝送ラインの前記シリアルリンクを不作動状態にすることで前記不使用状態にすることを特徴とする。
本発明によれば、1つのスイッチに2以上の加入者宅側光回線終端装置を接続して冗長化することにより、信頼性の高い光伝送システムを提供することができる。これにより、1つの加入者宅側光回線終端装置で形成された伝送ラインに異常が起きても、別の加入者宅側光回線終端装置で形成された伝送ラインに直ちに切り替えることが可能となり、信頼性の高い通信が可能となる。
第1の実施形態に係る光伝送システムの概略構成を示すブロック図である。 本実施形態の加入者宅側光回線終端装置の概略構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る光伝送システムの概略構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る光伝送システムの概略構成を示すブロック図である。 従来のPON型の光伝送システムの概略構成を示すブロック図である。 従来の加入者宅側光回線終端装置の概略構成を示すブロック図である。 従来の冗長化方法を示すブロック図である。
図面を参照して本発明の好ましい実施の形態における光伝送システムの構成について詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
本発明の第1の実施の形態に係る光伝送システムを、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の光伝送システム100の構成を示すブロック図である。光伝送システム100では、センタ側のPONインタフェースカード110がOLT111とセンタ側管理部112と冗長化処理部113とを有しており、OLT111と加入者側光回線終端装置150(各々を150−1、…、150−n(n:自然数)とする)とが、光カプラ130を介して光ファイバ120、140で接続されてPON型の光伝送システムを構成している。
センタ側管理部112は、OLT111に接続されているONU150の管理を行っており、ONU150にスイッチ等が接続された時にPONリンクの確立や認証等の処理を行う。また、各ONU150との通信状態に異常が起きていないかといった監視も行っている。
光カプラ(光合分波部)130は、1つの合波端と2つ以上の分波端とを有しており、合波端が光ファイバ120でOLT111に接続されている。また、分波端にはそれぞれ光ファイバ140(各々を140−1、…、140−n(n:自然数)とする)の一端が接続され、それぞれの他端にはONU150(各々を150−1〜nとする)が接続されている。このように構成された光伝送システム100では、OLT111からの下り信号が光カプラ130で分波されてONU150−1〜nのそれぞれに伝送される一方、ONU150−1〜nのそれぞれから伝送される光信号が光カプラ130で合波されてOLT111に伝送される。
ONU150−1〜nは、それぞれが加入者宅側に設置され、これにパーソナルコンピュータやスイッチ、ルータ等の外部ノードが接続される。図1では、外部ノードとしてスイッチ160が接続されている。スイッチ160は、複数のポート169を有しており、それぞれにパーソナルコンピュータ等の端末機器170を接続することが可能となっている。このような構成の光伝送システム100を用いることにより、各端末機器170は、スイッチ160及びONU150を経由してセンタのOLT111に接続され、OLT111を介してさらに別の端末機器等と通信を行うことが可能となっている。
ONU150の構成を、図2を用いて説明する。図2は、ONU150の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、ONU150は電気/光変換部(TRx)151、光回線終端装置機能部(以下ではONU機能部と記す)152、シリアル/パラレル変換部(SERDES)153、及びMSAインタフェースモジュール154を備えている。スイッチ160とのインタフェースには、MSAインタフェースモジュール154を用いる。MSAインタフェースモジュールとして、GBIC、SFP等のモジュールがある。
ONU150内で信号を伝送する信号線として、電気/光変換部151とONU機能部152との間に、シリアルな電気信号を伝送する第1シリアル伝送路150aが配索されている。また、ONU機能部152とSERDES153との間に、パラレルな電気信号を伝送するパラレル伝送路150bが配索されている。パラレル伝送路150bを伝送するパラレル信号は、例えば10ビットの信号とすることができる。さらに、SERDES153とMSAインタフェースモジュール154との間は、シリアルな電気信号を伝送する第2シリアル伝送路150cが配索されている。
電気/光変換部151は、センタ側のOLT111との間で光ファイバ120、140を介して光信号を送受信するための光入出力端を有しており、OLT111から送信された光信号(下り信号)を電気信号に変換(光電気変換)している。この電気信号は、第1シリアル伝送路150aの下り信号線を経由してONU機能部152に出力される。また、電気/光変換部151は、ONU機能部152から第1シリアル伝送路150aの上り信号線を経由して入力した電気信号を光信号に変換(電気光変換)している。この光信号は、光ファイバ140、120を介してOLT111に送信される。
ONU機能部152は、電気/光変換部151から入力したシリアル信号をパラレル信号に変換し、所定の終端処理を行った後にこの信号をパラレル伝送路150bの下り信号線を経由してSERDES153に出力している。また、ONU機能部152は、SERDES153からパラレル伝送路150bの上り信号線を経由して入力したパラレル信号を、所定の終端処理を行った後にシリアル信号に変換して電気/光変換部151に出力している。ONU機能部152は、上記の終端処理を終端処理部152aで行っており、これに加えて、OLT111との間でPONリンクを確立させるための処理等を行うONU管理部152bを備えている。
SERDES153は、図示しないシリアル/パラレル変換手段とパラレル・シリアル変換手段を備え、ONU機能部152から入力したパラレル信号をパラレル・シリアル変換手段でシリアル信号に変換し、これを第2シリアル伝送路150cの下り信号線を経由してMSAインタフェースモジュール154に出力している。また、SERDES153は、MSAインタフェースモジュール154から第2シリアル伝送路150cの上り信号線を経由して入力したシリアル信号をシリアル/パラレル変換手段でパラレル信号に変換してONU機能部152に出力している。
MSAインタフェースモジュール154は、スイッチ160のMSAインタフェーススロット161に直接接続されてシリアルな電気信号等を入出力するものである。MSAインタフェースモジュール154は、主インタフェース(I/F)部154aとサブI/F部154bの2つのインタフェース部を備えている。第2シリアル伝送路150cは、主I/F部154aに接続されている。
次に、ONU機能部152内のONU管理部152bが行う処理について、以下に説明する。ONU管理部152bは、ONU機能部152内で終端処理部152aに接続されており、これを経由してセンタ側管理部112との間でPONリンクを確立するための処理を所定の手順で行う。また、ONU管理部152bは、PONリンクの確立状態をSERDES153及びMSAインタフェースモジュール154に接続されたスイッチ160に通知するために、信号(以下ではLOSS信号と称する)150dを出力している。LOSS信号150dをスイッチ160に出力するためのインタフェース部として、サブI/F部154bが用いられる。LOSS信号150dとして、ONU管理部152bとセンタ側管理部112との間でPONリンクが確立されるまでは「1」の信号が出力されており、PONリンクが確立された後は「0」の信号が出力される。
なお、上記ではONU管理部152bとセンタ側管理部112との間でPONリンクが確立されると、LOSS信号150dが「1」から「0」に変更されるものとしたが、PONリンクの確立後さらに加入者の認証が完了した時点でLOSS信号150dを「1」から「0」に変更するように構成してもよい。
SERDES153は、ONU管理部152bから入力したLOSS信号150dに従って、スイッチ160との間でデータの送受信を行わせたり、停止させたりしている。すなわち、ONU管理部152bから分岐部155を経由して、SERDES153に入力したLOSS信号150dが「1」でPONリンクが確立していない状態では、終端処理部152aからの信号をスイッチ160に伝送されないようにするとともに、スイッチ160からの信号が終端処理部152aに伝送されないようにする。LOSS信号150dが「1」から「0」に変わってPONリンクの確立が通知されると、SERDES153は終端処理部152aからの信号をスイッチ160に伝送するとともに、スイッチ160からの信号を終端処理部152aに伝送する。
SERDES153がスイッチ160との間のデータ送受信を停止させる手段として、例えばSERDES153内の信号伝送路をループバック状態にする手段を用いることができる。この場合、LOSS信号150dが「1」でPONリンクが確立していないときは、SERDES153内の信号伝送路をループバック状態にしてスイッチ160との間でデータ送受信ができないようにする一方、LOSS信号150dが「0」に変わってPONリンクの確立が通知されると、ループバック状態を解除してスイッチ160との間のデータ送受信を可能にする。
スイッチ160は、ONU150のMSAインタフェースモジュール154と接続可能なMSAインタフェーススロット161を2以上備えており、それぞれのMSAインタフェーススロット161が、MSAインタフェースモジュール154の主I/F部154a及びサブI/F部154bと接続される主信号端161a及びサブ信号端161bを有している。主信号端161aを経由してONU150から入力されたシリアル信号は、スイッチ160にあるSERDES162でパラレル信号に変換された後スイッチコア部163に伝送される。また、スイッチコア部163からSERDES162に伝送されたパラレル信号は、ここでシリアル信号に変換された後主信号端161aを経由してONU150に出力される。
サブI/F部154bに接続されるサブ信号端161bは、ONU管理部152bからLOSS信号150dを入力してスイッチコア部163に出力している。スイッチコア部163では、入力したLOSS信号150dの値によってONU150との間のシリアルリンク状態を切り替えている。すなわち、スイッチコア部163は、ONU管理部152bから入力したLOSS信号150dが「1」でPONリンクが確立されていないと判定すると、ONU150との間のシリアルリンクを不作動とする。また、LOSS信号150dが「1」から「0」に変わってPONリンクが確立されたと判定すると、シリアルリンクを作動状態にしてONU150との信号入出力が行える状態にする。このように、スイッチ160にONU150が接続されると、OLT111とONU150との間でPONリンクが確立され、ONU150とスイッチ160との間でシリアルリンクが確立されて伝送ラインが確立される。
本実施形態の光伝送システム100では、スイッチ160にONU150を2以上接続することが可能となっている。図1では、スイッチ160に2つのONU150(それぞれ150−1、150−2とする)が接続されている。これにより、ONU150−1側でPONリンク11とシリアルリンク12で構成される第1の伝送ライン10が確立され、ONU150−2側でPONリンク21とシリアルリンク22で構成される第2の伝送ライン20が確立される。図1では、スイッチ160側に向けた片矢印をONU150上に付記してPONリンク11、21を示しており、両矢印をスイッチ160上に付記してシリアルリンク12、22を示している。
上記のように、スイッチ160に2つのONU150−1、150−2を接続することで、2つの伝送ライン10、20を設けることができ、この2つの伝送ライン10、20を用いて、本実施形態では、OLT111とスイッチ160との間の伝送ラインを冗長化することが可能となっている。本実施形態の冗長化では、2つの伝送ライン10、20のうち通常はいずれか1つだけ使用され、それ以外の伝送ラインは、使用中の伝送ラインに異常が発生して使用不可となったときのバックアップ用としている。以下では、通常使用される1つの伝送ラインを現用系伝送ラインとし、それ以外のバックアップ用の伝送ラインを待機系伝送ラインと称する。なお、図1では伝送ライン10、20が2つ形成されているが、伝送ラインが3以上形成されているときは、1つの伝送ラインを現用系伝送ラインとし、それ以外の2以上の伝送ラインを待機系伝送ラインとする。
現用系伝送ラインが異常となるケースとして、主に以下のものが挙げられる。まず、現用系伝送ラインのONUとOLTとの間のPONリンクが切断される、あるいは該ONUが故障する、等によりセンタ側から該ONUが見えない状態になる異常ケースがある。また別のケースとして、該ONUとこれが接続されるスイッチとの間のシリアルリンクが切断される異常ケースがある。シリアルリンクが異常となるケースには、該ONUのスイッチ側ポートでリンク断となる場合と、該スイッチのポートでリンク断となる場合、及び両方でリンク断となる場合が考えられる。
図1では、一例としてONU150−1を現用系伝送ラインとし、ONU150−2を待機系伝送ラインとする。OLT111とスイッチ160との間の伝送ラインの冗長化を好適に処理するために、本実施形態ではセンタ側のPONインタフェースカード110に冗長化処理部113を設けている。PONインタフェースカード110には、OLT111に接続されているONU150を管理するためにセンタ側管理部112が設けられており、ONU150をスイッチ等に接続した時にPONリンクの確立や認証等の処理を行っている。また、センタ側管理部112は、各ONU150とOLT111との間の通信状態に異常が起きていないかといった監視も行っている。
一つのスイッチに2以上のONU150を接続する場合、一つのONU150が既に現用系伝送ラインとして使用可能となっているときには、これを用いて2番目以降のONU150の接続をセンタ側に通知することができる。これに対し、現用系伝送ラインが確立される前に2以上のONU150を接続するためには、別のネットワークあるいは通信手段を用いてセンタ側にこれを通知する必要がある。この場合、センタ側で、PONインタフェースカード110に接続された端末等から2以上のONU150の情報を入力する。入力された情報は、センタ側管理部112で管理される。
スイッチ160に2つのONU150−1、150−2が接続されると、冗長化処理部113は、ONU150−1で形成される伝送ライン10とONU150−2で形成される伝送ライン20を、現用系伝送ラインと待機系伝送ラインに割り付ける。NU150−1が既に現用系伝送ラインとして使用可能となっているときには、これを用いてONU150−2が接続されたことをスイッチ160側から通知し、冗長化処理部113がONU150−2を待機系伝送ラインに割り付けることができる。NU150−1がまだ現用系伝送ラインとして使用可能となっていない場合には、別のネットワークあるいは別の通信手段等を用いてセンタ側に通知し、センタ側でPONインタフェースカード110に接続された端末等から現用系伝送ラインと待機系伝送ラインの設定を行う。
センタ側管理部112は、現用系伝送ラインに割り付けられたONU150−1に対しては、OLT111とONU150−1との間のPONリンク11を確立させる。PONリンク11が確立されると、ONU150−1内ではLOSS信号150dが「1」から「0」に変わってシリアルリンク12が確立される。これにより、PONリンク11とシリアルリンク12で構成される伝送ライン10が使用可能となり、スイッチ160とOLT111との間で通信を開始することが可能となる。
また、待機系伝送ラインに割り付けられたONU150−2に対しては、センタ側管理部112は、PONリンク及びシリアルリンクの確立を完了させないようにすることで、ONU150−2で形成される伝送ライン20を使用できないようにすることができる。例えば、ONU150−2がスイッチ160に接続されたとき、センタ側管理部112とONU150−2のONU管理部152bとの間で行われるPONリンク確立のための処理を開始させない、あるいは途中で中断させるようにする。これにより、PONリンクが確立されないと、シリアルリンクも確立されず、伝送ライン20を待機系伝送ラインとすることができる。
本実施形態の光伝送システム100では、上記のようにしてONU150−1で形成される現用系伝送ライン10と、ONU150−2で形成される待機系伝送ライン20からなる冗長化を実現することができる。通信に使用可能な現用系伝送ラインを伝送ライン10のみとすることにより、物理的には2つ形成されている伝送ラインが、論理的には1つの伝送ラインのみとなる。
センタ側管理部112は、ONU150の作動状態を管理しており、現用系伝送ライン10のONU150−1との間のPONリンクに異常が起こると、これを検出することができる。また、OLT111とONU150との間で伝送される信号には、保守管理用のデータとして、OAM(Operation,Administration,and Maintenance)データが含まれている。そして、ONU150で検出されたPONリンクの異常やシリアルリンクの異常は、OAMデータを用いてセンタ側管理部112に通知することができる。このようにして、センタ側管理部112で現用系伝送ライン10の異常が検出されると、これを冗長化処理部113に通知する。
冗長化処理部113は、センタ側管理部112から現用系伝送ライン10の異常が通知されると、伝送ライン10を不使用状態にするとともに待機系伝送ライン20を現用系伝送ラインに切り替えるようにセンタ側管理部112に通知する。待機系伝送ラインが2以上ある場合には、例えばスイッチ160にONU150が接続された順番に伝送ラインを選択し、これを現用系伝送ラインに切り替えるようにすることができる。
センタ側管理部112は、冗長化処理部113から上記の通知を受けると、現用系伝送ライン10のONU150−1を不使用状態とするために、ONU150−1にPONリンクの不許可信号を送信する。これにより、ONU150−1では、PONリンク11が不成立になるとともに、LOSS信号150dが「0」から「1」に変更されてシリアルリンク12も不成立となる。あるいは、シリアルリンク12のみを不成立とするように、センタ側管理部112からONU150−1に対し所定の信号を送信するようにしてもよい。
また、待機系伝送ライン20を現用系伝送ラインに切り替えるために、センタ側管理部112は、ONU150−2との間でPONリンクを確立させるための処理を開始、または再開する。これによりPONリンク21が確立され、さらにシリアルリンク22が確立されると、ONU150−2で形成される伝送ライン20が、現用系伝送ラインとして使用可能となる。
本実施形態の光伝送システム100では、1つのスイッチ160に2以上のONU150を接続することで、1つの現用系伝送ラインと1以上の待機系伝送ラインを形成して冗長化することができ、現用系伝送ラインに異常が起きた場合には、待機系伝送ラインを直ちに現用系伝送ラインに切り替えることが可能となる。これにより信頼性の高い通信を実現することができる。
なお、上記実施形態では、現用系伝送ラインが確立される条件として、ONU150のPONリンクが確立されることとしていたが、PONリンクの確立後さらに認証が確立されることを条件としてもよい。すなわち、ONU150とセンタ側管理部112との間で認証が確立された後にLOSS信号150dを「1」から「0」に変更させるものとし、認証確立後にシリアルリンクを確立させるようにすることができる。
本発明の第2の実施の形態に係る光伝送システムを図3を用いて説明する。図3は、第2の実施形態の光伝送システム200の構成を示すブロック図である。本実施形態の光伝送システム200では、現用系伝送ライン10のONU250−1に対して、PONリンク11とシリアルリンク12の両方を確立させるのに対し、待機系伝送ライン20のONU250−2に対しては、PONリンク21を確立させてシリアルリンク22のみを不成立としている。
待機系伝送ライン20のONU250−2に対して、シリアルリンク22のみを不成立とする方法として、例えば、ONU250−2がスイッチ160に接続されたとき、PONインタフェースカード210内のセンタ側管理部212とONU250−2のONU管理部152bとの間で、PONリンク21及びシリアルリンク22を確立するための処理を進めるが、PONリンク21が確立された後LOSS信号150dを「1」から「0」に変更するのを保留させるようにする。これにより、シリアルリンク22のみが不成立となって伝送ライン20を待機系伝送ラインとすることができる。
また、現用系伝送ライン10に異常が起きた場合には、センタ側管理部212は、現用系伝送ライン10のシリアルリンク12のみを不作動状態にすることで、現用系伝送ライン10を不使用状態とする。シリアルリンク12のみを不作動とする方法として、ONU250−1に対し、LOSS信号150dを「0」から「1」に変更させる方法を用いることができる。これにより、シリアルリンク12が不成立となって伝送ライン10が使用できなくなる。あるいは、シリアルリンク12のみを不成立とするように、センタ側管理部212からONU250−1に対し所定の信号を送信するように構成してもよい。
本実施形態の光伝送システム200では、待機系伝送ライン20のPONリンク21が予め確立されており、シリアルリンク22のみが不成立となっていることから、待機系伝送ライン20のシリアルリンク22を確立させるだけで現用系伝送システムに切り替えることができ、これを速やかに行うことができる。
本発明の第3の実施の形態に係る光伝送システムを図4を用いて説明する。図4は、第3の実施形態の光伝送システム300の構成を示すブロック図である。本実施形態の光伝送システム300では、スイッチ360の内部(例えばスイッチコア部363)にシリアルリンク22を監視する監視部364が設けられている。本実施形態において、監視部364がスイッチポートのリンク断等によるシリアルリンク12の異常を検出すると、所定の異常検出信号を待機系伝送ライン20のONU150−2経由でOLT111に出力することで、現用系伝送ライン10の異常を通知する。また、監視部364は、シリアル信号線でサブ信号端161bに接続されていることから、これを経由してONU150−1にスイッチ360側のシリアルリンク異常を通知することもできる。
これにより、スイッチ360側でシリアルリンク12に異常が起きたときにも、現用系伝送ライン10を不使用状態にして待機系伝送ライン20を現用系伝送ラインに切り替えることが可能となる。
なお、上記実施形態では、冗長化の処理を行う冗長化処理部113をセンタ側管理部112とは別に設ける構成としていたが、冗長化処理部113における各処理をセンタ側管理部112の中で行わせるように構成することも可能である。本実施の形態における記述は、本発明に係る光伝送システムの一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における光伝送システムの細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
10、20 伝送ライン
11、21 PONリンク
12、22 シリアルリンク
100、200、300 光伝送システム
110、210 PONインタフェースカード
111、901 OLT
112、212 センタ側管理部
113、213 冗長化処理部
120、140、902、904 光ファイバ
130、903 光カプラ
150、250、905、920 ONU
151 電気/光変換部
152 光回線終端装置機能部
152a 終端処理部
152b ONU管理部
153 シリアル/パラレル変換部
154 MSAインタフェースモジュール
155 分岐部
160、360 スイッチ
161 MSAインタフェーススロット
163、363 スイッチコア部
364 監視部

Claims (11)

  1. センタ側に設けられたセンタ側光回線終端装置及びセンタ側管理部、前記センタ側光回線終端装置と光伝送路で接続された加入者宅側光回線終端装置と、2以上のシリアルインタフェースを有するスイッチと、を備え、前記センタ側光回線終端装置を介して前記センタ側管理部と前記シリアルインタフェースに接続された前記加入者宅側光回線終端装置との間でPONリンクが確立され、かつ前記加入者宅側光回線終端装置と前記スイッチとの間でシリアルリンクが確立されると通信が可能となる光伝送システムであって、
    前記センタ側にはさらに、前記スイッチに2以上の前記加入者宅側光回線終端装置が接続されていることを前記センタ側管理部から通知されると、前記2以上の加入者宅側光回線終端装置で形成される2以上の伝送ラインを1つの現用系伝送ラインと1以上の待機系伝送ラインに割り付けて前記センタ側管理部に通知し、前記センタ側管理部から前記現用系伝送ラインの異常が通知されると、前記現用系伝送ラインを不使用状態にするとともに前記待機系伝送ラインのいずれか1つを新たに現用系伝送ラインに割り付けて前記センタ側管理部に通知する冗長化処理部が備えられ
    前記センタ側管理部は、前記冗長化処理部から前記現用系伝送ラインが通知されると、前記現用系伝送ラインを形成する前記加入者宅側光回線終端装置に対して前記PONリンク及び前記シリアルリンクをともに確立させる
    ことを特徴とする光伝送システム。
  2. 前記加入者宅側光回線終端装置が、マルチソースアグリーメント(MSA)インタフェースモジュールを備えるとともに、前記スイッチが、前記シリアルインタフェースとしてMSAインタフェーススロットを備え、
    前記MSAインタフェースモジュールを前記MSAインタフェーススロットに挿入することで前記伝送ラインが形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
  3. 前記冗長化処理部は、前記スイッチに2以上の前記加入者宅側光回線終端装置が接続されていることが前記センタ側管理部から通知されると、第1番目に接続された前記加入者宅側光回線終端装置の伝送ラインを現用系伝送ラインとし、第2番目以降に接続された前記加入者宅側光回線終端装置の伝送ラインを待機系伝送ラインとする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光伝送システム。
  4. 前記センタ側管理部は、前記待機系伝送ラインを形成する前記加入者宅側光回線終端装置に対して前記PONリンクを確立させるとともに前記シリアルリンクを確立させず、前記待機系伝送ラインが新たに前記現用系伝送ラインに割り付けられると、前記シリアルリンクを確立させる
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光伝送システム。
  5. 前記センタ側管理部は、前記待機系伝送ラインを形成する前記加入者宅側光回線終端装置に対して前記PONリンクを確立させず、前記待機系伝送ラインが新たに前記現用系伝送ラインに割り付けられると、前記PONリンクを確立させる
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光伝送システム。
  6. 前記加入者宅側光回線終端装置は、前記センタ側管理部により前記PONリンクが確立されないと前記シリアルリンクも確立させず、前記センタ側管理部により前記PONリンクが確立されると前記シリアルリンクも確立させる
    ことを特徴とする請求項5に記載の光伝送システム。
  7. 前記センタ側管理部は、前記現用系伝送ラインにおける前記PONリンクまたは前記シリアルリンクの異常を検出すると、前記冗長化処理部に前記現用系伝送ラインの異常を通知する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光伝送システム。
  8. 前記スイッチは、前記シリアルリンクの作動状態を監視する監視部をさらに備え、
    前記監視部が前記シリアルリンクの異常を検出すると、前記シリアルリンクに用いられているシリアル信号線とは別のシリアル信号線を介して前記加入者宅側光回線終端装置にシリアルリンクの異常を通知し、さらに前記加入者宅側光回線終端装置から前記センタ側光回線終端装置を経由して前記センタ側管理部に前記シリアルリンクの異常を通知する
    ことを特徴とする請求項7に記載の光伝送システム。
  9. 前記加入者宅側光回線終端装置は、前記PONリンクまたは前記シリアルリンクの異常を、前記PONリンクで規定された保守データに設定して前記センタ側管理部に通知することを特徴とする請求項7または8に記載の光伝送システム。
  10. 前記センタ側管理部は、前記現用系伝送ラインの前記PONリンクと前記シリアルリンクの両方を確立させないことで前記不使用状態にする
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光伝送システム。
  11. 前記センタ側管理部は、前記現用系伝送ラインを形成する前記加入者宅側光回線終端装置を介して前記シリアルリンクが確立されない状態にすることで前記不使用状態にする
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光伝送システム。

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