JP2006303221A - 非接触給電装置及びそれを用いた自動ドア装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 長尺鉄心3の外周にコイルボビン2を介し1次コイル4を巻装して給電部1を形成し、短筒ボビン11の外周に2次コイル12を巻装して受電部10を形成し、その長尺状の給電部1の外周に間隙をおいて短筒状の受電部10を貫通可動状に配置させ、給電部1に通電することによって電磁誘導作用により受電部10の2次コイル12に起電力を発生させて電力を供給するように構成する。また、前記長尺状の給電部を無目50内の固定壁面に固定するとともにドア54の上部に前記短筒状の受電部10を取り付け支持することにより非接触給電装置を装備した自動ドア装置を構成する。
【選択図】 図1
Description
また、移動体がドアである自動ドア装置においても、特開2003−155868号公報(特許文献2)に例示されるように非接触給電装置を使用することが知られているが、その構成は、E型コアの中央脚に1次コイルを巻装して固定側の給電部とし、E型コアの各脚に長尺鉄心を結合するとともに中央脚に2次コイルを巻装してドア側の受電部とし、その給電部と受電部とを所定の空間を隔てた対向状に配設して、1次コイルに交番電流を流して電磁誘導作用により2次コイルへ電力が供給されるようにしている。
しかるに、特許文献1にあっては上記E型コアの脚間溝には開口部が形成され、特許文献2にあっては2つのE型コア間に大きな空間が形成されているので、1次側の洩れ磁束が多くなってしまい一定の電力を2次側に供給する場合に大きな電流を必要とし、すなわち給電効率が低くなる不具合がみられた。
また、移動体(ドア)側の受電部にE型コアを使用しているため構造が大型化し、特に特許文献2によれば、ドア側にE型コア及び三段の長尺鉄心を使用する構造であるために、自動ドアとしての納まり性が悪いばかりでなくドア重量の増加をきたす不具合がある。
また、本発明は、上記の非接触給電装置を自動ドア装置に適用することにより、取り付け納まり性を良好にしてドア側の負荷回路へ効率よく電力を供給できる自動ドア装置を提供するものである。
この請求項1によれば、給電部の1次コイルに交流電源からの交番電流や高周波電流を通電すると長尺鉄心に磁束が生成され、その磁束変化を利用した電磁誘導作用により受電部の2次コイルに起電力の生起に伴い電流が発生するが、受電部の2次コイルが長尺鉄心の半径方向全周にわたり覆っているので、短筒ボビン内の長尺鉄心には略全部の磁束が集束して洩れ磁束を抑制することができる。そして、長尺鉄心はその全長にわたり磁路を形成しているので、短筒状の受電部が長尺状の給電部のいずれの位置にあるときでも電力が供給され続ける。
この請求項2によれば、給電部の外形を必要最小にすることができるとともに針金状コアの集合体により長尺鉄心に生成される磁束数を増大させることができる。このコイルボビンの円筒形に対して、短筒ボビンを角筒形とすることも任意であるが、給電部の外周面と短筒ボビンの内周面との間の間隙を均等ならしめるために短筒ボビン自体も円筒形とすることが好ましい(請求項3)。
その場合に、角筒形のコイルボビンに対して受電部の短筒ボビンは、円筒形又は角筒形とすることのいずれの組み合わせでもよいが、請求項3と同様に、角筒形のコイルボビンに対して短筒ボビンを角筒形とすることが好ましい(請求項6)。
また、受電部の改良形態として、上記受電部には、2次コイルの外周に渦巻状の2次コアを巻装するとともに2次コアの層間に絶縁層を介在させるようにする(請求項8)。この絶縁層を介在させる手段としては、2次コアの層間に絶縁シートを挟み入れ、あるいは2次コアの表面に絶縁処理を施すなどである。この請求項8によれば、給電部の長尺鉄心に生成された磁界と受電部の2次コイルとの電磁結合を強めることができる。また、2次コアは層間の絶縁層により渦電流の発生を抑制することができる。
また、請求項7によれば、長尺鉄心と補助鉄心により環状の磁路が形成されるので、長尺鉄心内の磁束数をさらに増大させることができ、それに加えて、請求項8によれば、給電部と受電部との電磁的結合を強めて伝達効率、すなわち給電効率をさらに向上させることができる。
給電部1は、コイルボビン2内に挿入された長尺鉄心3と、コイルボビン2の外周に巻装された1次コイル4とにより構成され、そのコイルボビン2を移動体の移動経路長に略等しい長さとした長尺状を呈する。
コイルボビン2は、アクリル樹脂など非磁性材からなる円筒形パイプであって、その外径を2cm程度とするが要請される出力に応じて大小増減させることも任意である。
なお、上記針金状コア3aは、針金材を用いた場合を例示するが、長尺鉄心3の材料としては、それに限らず一般に使用されている各種コア材などの磁性材であればよい。
1次コイル4は、コイルボビン2の外周に一層巻きに巻装し、あるいは2層ないしそれ以上の多層巻きとすることも任意であり、この1次コイル4には入力端子に交流電源6が接続され、そこから交番電流又は高周波電流が通電されるようにする。また、1次コイル4の巻装状態はその巻き領域において必ずしも一様である必要はない。
短筒ボビン11は、アクリル樹脂など前記コイルボビン2と同質の非磁性材からなる円筒形パイプであって、その長さを略5〜20cm程度とした短筒状である。この短筒ボビン11は、給電部1の外周面つまり樹脂チューブ5の外周面との間に所定の間隙が介在する内径とし、この短筒ボビン11内に前記給電部1を貫通させて短筒ボビン11を給電部1に沿って可動状に配置させる。
2次コイル12の外周には、給電部1の1次コイル4と同様に、非磁性材である熱収縮性の樹脂チューブ13を必要に応じ被覆して保護するようにする。
上記給電部1は壁面や床面など固定面に配設され、受電部10は各種の移動体(図示せず)に取り付け配置されるもので、その移動体には駆動部や通信部など電力を必要とする負荷回路16が装備され、前記2次コイル12の出力端子を介して前記負荷回路16が接続される。
そして、上記のように、受電部10の短筒ボビン11を円筒状として2次コイル12を長尺鉄心3の半径方向全周にわたり覆う構造としたので、短筒ボビン11内においては、長尺鉄心3に略全部の磁束が集束して洩れ磁束を最少とすることができる。また、移動体の移動に伴い受電部10が移動しても、受電部10が常に給電部1に対向しているので、受電部10が長尺状の給電部1のいずれの位置にあるときでも電力が供給され続ける。
上記受電部10は、ブラケットなどの支持部材により移動体に取り付け支持するとともに移動体をガイド部材により所定の経路に沿って移動するようにし、それによって、短筒状の受電部10内周面と長尺状の給電部1外周面との間に常に間隙が保持されるようにする。なお、給電部1と受電部10の半径方向の相対的位置関係にズレが生じても、交叉する磁束に変化が生じないので受電部10に発生する起電力は一定に保たれる。
この第2実施例は、給電部21のコイルボビン22を四角形の角筒状とし、また、受電部30の短筒ボビン31も四角形の角筒状としたものである。詳しくは、給電部21は、コイルボビン22として非磁性材からなる長尺な角筒パイプを使用し、そのコイルボビン22内に長尺鉄心23を挿入一体的に形成するとともにコイルボビン22の外周に1次コイル24を巻装し、その1次コイル24の外周に熱収縮性の樹脂チューブ25を被覆させる。一方、受電部30は、短筒ボビン31として非磁性材からなる角筒パイプを使用し、その短筒ボビン31の外周に2次コイル32を巻装するとともに2次コイル32の外周に熱収縮性の樹脂チューブ33を被覆させた構造としたものである。
上記長尺鉄心23は、第1実施例と同様に多数の針金状コア3aを使用することもよいが、図4においては、磁性コア材からなる長尺な薄帯板23aの多数を積層して角柱状の集合体とし、それをコイルボビン22内に挿入状配置した場合を例示する。
この第3実施例は、受電部10の外周、詳しくは、樹脂チューブ13の外周または樹脂チューブを省略した2次コイル12の外周に2次コア14を設けたものである。
2次コア14は、渦電流を発生させないように、磁性材からなる薄帯板を渦巻状に形成するとともに内外の層間に絶縁シート15を挟み入れた状態で樹脂チューブ13又は2次コイル12の外周に巻装させる。この第3実施例によれば、2次コイル12の外周に2次コア14が配置されることによって、長尺鉄心3に生成される磁界と2次コイル12との電磁結合が増強される。
なお、第3実施例として図5では受電部10の場合を例示したが、角筒状の受電部30にも適用できることはもちろんである。
この第4実施例は、上記給電部、例えば長尺円筒形の給電部1の両側端に継鉄として機能する補助鉄心40を接続し、給電部1を全体として細長い環状矩形を呈する形態としたものである(図6及び図7)。
補助鉄心40は、前記長尺鉄心3と略等長の長尺部41の両端にL形に屈曲させた側杆部42、43とを一体に形成したもので、その長尺部41を前記受電部10の可動範囲を避けて給電部1と平行に配置し、側杆部42,43の先端側面を長尺鉄心3の各端面にそれぞれ接合一体的とする。この補助鉄心40は、前記長尺鉄心23と同質の磁性コア材からなり前記長尺部41、側杆部42、43を備えた薄帯板40aの多数を積層し一体的とする。そして、長尺鉄心3と補助鉄心40の接合面、つまり長尺鉄心3の両端面及びそれと接する側杆部42,43の先端側面は、磁気抵抗を抑制するために各面を平滑な仕上げ面とすることが好ましい。
その場合には、図8に示すように、補助鉄心40の側杆部42,43は、薄帯板40aの隔枚毎に長さを短くしたものを積層して挟入凹部40bを有する櫛歯状に形成し、一方、給電部21の長尺鉄心23は、薄帯板23aの先端部に前記挟入凹部40bに嵌め合う凸辺部23bを有する櫛歯状に形成する。そして、前記側杆部42,43に形成した挟入凹部40bと長尺鉄心23の凸辺部23bとの嵌め合いにより側杆部42,43と長尺鉄心23とを接合して組み付ける。 なお、その場合にも側杆部42,43と長尺鉄心23が接合する薄帯板40a,23aの各接合面は平滑な仕上げ面とすることが好ましい。
この第4実施例によれば、長尺鉄心3又は長尺鉄心23と補助鉄心40により環状の磁路が形成され、したがって、長尺鉄心3内の磁束数をさらに増大させて給電効率を高めることができる。
図9において、自動ドア装置Bは、出入り口の上部に構築された無目50内に、モータMを駆動源としてチェーンやベルトなどの伝達部材51を回動させる駆動機構52を配設し、ガイドレール53上にドア54を移動可能に吊持させるとともにドア54の上端部を前記伝達部材51に連結して出入り口を開閉可能とし、また、無目50内にはコントローラ55を配設した周知の構造である。この自動ドア装置Bは、ドア54に付設したタッチセンサー56が前記コントローラ55に無線等で接続され、そのタッチセンサー56からの検知信号に基づいて、コントローラ55が駆動機構52のモータMを制御することによってドア54に所定の開閉動作を行わせる。また、ドア54には、通行人にドアの開閉を喚起させるために、ドア54の開閉動作に連動して発光する表示体57を前記コントローラ55に付設した場合を例示する。
上記タッチセンサー56及び表示体57が、移動体であるドア54側に配置されて電力の供給を必要とする負荷回路(負荷機器)である。
なお、図においては、自動ドア装置Bは片開き方式の場合を例示しているが、それに限定されるものではなく両開き(引分け)方式の自動ドア装置とすることも任意である。
給電部1は、その両側端部をブラケット60によって、無目50内に配設した台板などの固定壁面に固定するが、受電部10が可動するように固定壁面からは所定の間隔をおいて配設する。また、給電部1とブラケット60との間には非導電性材料を介在させて貫通磁束による短絡電流を抑制するようにする。そして、給電部1は、ドア54の開閉に伴って受電部10が移動する区間より若干長い範囲に配置する。
受電部10は、その2次コイル12の出力端子に前記タッチセンサー56及び表示体57を電気的に接続し、また、バックル59との間に非導電性材料を介在させて貫通磁束による短絡電流を抑制するようにする。
そして、ドア54が開閉動作するときに短筒状の受電部10も給電部1に沿って移動するので、ドア54が全閉又は全開位置で停止しているときに限らず開閉移動中にも給電部1と受電部10が対向した状態を保持し、常時にドア54側の負荷回路に電力が供給される。したがって、ドア側にはコンデンサ等の蓄電手段を設けることなく所要の電力が供給されるとともに給電部1及び受電部10の前述した構造により給電効率の高い非接触給電装置Aを具備した自動ドア装置Bを提供することができる。
また、実施の形態においては、負荷回路(負荷機器)としてタッチセンサー、発光表示体を例示したが、それに限定されるものではなく、さらに、ドア側に駆動用のモータ及びコントローラを配設してベルトなど伝達部材を不要とする自走式の自動ドア装置である場合には、そのモータやコントローラを負荷回路として給電することも任意である。さらには、店舗、ホール、レストラン、マンションに設置した装飾用ドア・ガラスの上面に蛍光灯、LED等の発光素子(負荷回路)を設けてガラスの内部照明に使用すれば、認知度が向上して広告、宣伝効果のみならず安全表示の一助とすることもできる。
3:長尺鉄心 3a:針金状コア 4:1次コイル
10:受電部 11:短筒ボビン 12:2次コイル
14:2次コア 15:絶縁シート
21:給電部 22:コイルボビン 23:長尺鉄心
23a:薄帯板 24:1次コイル
30:受電部 31:短筒ボビン 32:2次コイル
40:補助鉄心 40a:薄帯板
B:自動ドア装置 50:無目 54:ドア
56:タッチセンサー 57:表示体 58:支持脚
59:バックル 60:ブラケット
Claims (9)
- 長尺鉄心の外周にコイルボビンを介し1次コイルを巻装して給電部を形成し、短筒ボビンの外周に2次コイルを巻装して受電部を形成し、その長尺状の給電部の外周に間隙をおいて短筒状の受電部を貫通可動状に配置させ、給電部に通電することによって電磁誘導作用により受電部の2次コイルに起電圧を発生させて電力を供給するようにした非接触給電装置。
- 上記給電部は、コイルボビンが円筒形であり、長尺鉄心が前記コイルボビン内に密集状に配置された多数の針金状コアの集合であることを特徴とする請求項1記載の非接触給電装置。
- 受電部の短筒ボビンを円筒形としたことを特徴とする請求項2記載の非接触給電装置。
- 上記給電部は、コイルボビンが角筒形であり、長尺鉄心が前記コイルボビン内に密集状に配置された多数の針金状コアの集合であることを特徴とする請求項1記載の非接触給電装置。
- 上記給電部は、コイルボビンが角筒形であり、長尺鉄心が前記コイルボビン内に密接状に配置された多数の帯板状コアの集合であることを特徴とする請求項1記載の非接触給電装置。
- 上記受電部の短筒ボビンを角筒形としたことを特徴とする請求項4又は5記載の非接触給電装置。
- 上記給電部には、長尺鉄心の両側端面に接触するとともに受電部の可動範囲を避けて配置された補助鉄心が接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の非接触給電装置。
- 上記受電部には、2次コイルの外周に渦巻状の2次コアを巻装するとともに2次コアの層間に絶縁材を介在させたことを特徴とする請求項1又は3又は6記載の非接触給電装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載の非接触給電装置を用い、その給電部を自動ドア設置箇所の無目側にドアの開閉方向に沿って取り付け固定し、受電部をドア側上端部に支持部材を介して取り付け、それにより、給電部から受電部に供給される電力をドア側に装備した負荷回路に供給するようにした自動ドア装置。
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