JP2006303054A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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義宣 権藤
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Abstract

【課題】繊維基材と樹脂で絶縁層が構成されるプリント配線板において、繊維自体の欠陥及び繊維と樹脂界面の欠陥が存在しても、穴間の絶縁信頼性を維持できるプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】 繊維基材とマトリックス樹脂から構成される少なくとも1層の絶縁層、及び導電体から構成される少なくとも2層の導体層を含み、少なくとも1層の該絶縁層を貫通してその両側の該導体層を電気的に接続する導通穴を有するプリント配線板の製造方法において、該絶縁層に事前穴を形成する事前穴形成工程と、該事前穴を穴埋め樹脂で埋める穴埋め工程と、該穴埋め樹脂で埋められた該事前穴の位置に該事前穴より小さい径を有する導通穴を形成する導通穴形成工程と、該導通穴を介して両側の該導体層を電気的に接続する電気的接続工程とを含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。

【選択図】 なし

Description

本発明は繊維基材とマトリックス樹脂から構成される絶縁層と該絶縁層を貫通する導通穴とを有するプリント配線板の製造方法に関するものである。
両面プリント配線板の製造方法においては、まず、ガラス繊維織布等の繊維基材にエポキシ樹脂等のマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグを作製する。次に、該プリプレグを単数もしくは複数枚積層して、銅箔等の導電体を貼り、加熱加圧して硬化させた銅張り積層板を作製する。次に該銅張り積層板の両面の導電体にフォトリソグラフィー法によって回路パターンを形成する。最後に、ドリルまたはレーザ等により貫通穴を形成し、無電解銅メッキ等の加工工程を経ることにより、硬化したプリプレグを絶縁層とし、回路パターンを作製した導電体を導体層とし、両面の該導体層の電気的接続をとった両面プリント配線板が作成される。
また、多層プリント配線板の製造方法においては、上述の両面プリント配線板のさらにその表層にプリプレグを単数または複数枚重ね合わせさらに銅箔を貼って加熱加圧硬化させる逐次成型法、または複数の両面プリント配線板を繊維基材を含まない液状樹脂、樹脂フィルム、樹脂付き銅箔等のビルドアップ樹脂層(またはそれに導体層を積層したもの)を配置し、場合によっては銅箔等の金属箔を貼り加熱加圧して硬化接着するビルドアップ成型法により製造される。
近年、電子機器の小型化、多機能化への要求が高まり、電子機器に組み込まれるプリント配線板の配線密度も高くなってきている。このような高密度配線化の要求により、高多層化技術、及び微小配線化技術が導入され、結果として、絶縁層を通してその両側の導体層間での電気的接続を行う貫通穴または非貫通穴(以下、貫通穴と非貫通穴とを総称する場合は「導通穴」という。)の個数の増加、および狭間隔化を招き、該導通穴間での絶縁信頼性がこれまで以上に懸念されるようになってきている。
特に、繊維基材を補強材として使用するプリント配線板では、ホローファイバーと呼ばれる中空の単繊維や、内部に割れが生じている単繊維の存在が問題になりうる。例えば、ガラス繊維においては、ガラス繊維を製造する工程において、ダイレクトメルト法の採用、紡糸条件の最適化、脱泡の工夫等により改善はされているが、依然としてppmのオーダーで中空糸が存在している。また、液晶ポリマー繊維のように繊維方向に結晶構造が配向している繊維においては、単繊維に割れが発生しやすいことが観測されている。
さらには、パンチング穴あけ工程、機械的なドリル加工工程、並びに炭酸ガス、UV−YAG、及びエキシマ等のエネルギー線の照射によるレーザ加工工程等による穴形成工程時の機械的な応力、または熱的な応力による、繊維基材と樹脂界面の破壊も絶縁信頼性に影響することが知られている。これら界面の破壊欠陥を改善するために、繊維基材の表面処理による界面密着強度の向上、加工機の改善、並びに繊維基材の開繊、及び扁平化による加工エネルギーの低下等が提案されているが、完全な解決には至っていない。
上記のような単繊維の欠陥、及び界面の破壊欠陥を通した、メッキ工程におけるメッキ液の染み込み、使用時の水分の浸入等が、絶縁信頼性の低下原因の一つであると考えられている。従って、プリント配線板の穴個数の増加、狭間隔化により、絶縁信頼性の低下が確率的に増加することが懸念されている。
そこで、プリント配線板の製造に当たり、絶縁層を形成するプリプレグに、後工程で導
通穴をあける絶縁層の位置に対応させて、当該導通穴より大なる穴径の穴を事前にあけておき(以下、該穴を事前穴という。)、プリプレグを加熱加圧成型する工程で、溶融して流動したプリプレグ中の熱硬化性樹脂が該事前穴を埋め、埋められた事前穴の位置にレーザ光を照射して再度導通穴を形成することによって、絶縁層を構成するシート状繊維基材の繊維が導通穴の壁面に露出しないようにして接続信頼性を高める方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、このように硬化前のプリプレグに事前穴を形成して加熱加圧成型した場合、マトリックス樹脂の硬化収縮の影響が大きいため、寸法変化のばらつきが著しく大きくなり、後工程で形成する導通穴に対応させることが非常に困難である。従って、該事前穴の径を大きくする必要があり、高密度のプリント配線板を製造することは困難である。
特開2001−85843号公報
本発明の目的は単繊維に欠陥を有する繊維基材、及び/または繊維基材とマトリックス樹脂との界面に欠陥を有する絶縁層で構成されるプリント配線板においても、高密度の穴間の絶縁信頼性を維持できるプリント配線板の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、絶縁層を貫通して両側の導体層間の電気的接続のために行う導通穴の形成方法に着目した。
そして、形成された該導通穴の壁を別に供せられる穴埋め樹脂で覆うことにより、繊維基材の導通穴壁面への露出を防ぎ、結果として、メッキ工程におけるメッキ液の染み込み、使用時の水分の浸入等が原因となる絶縁不良を解決するプリント配線板の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、繊維基材とマトリックス樹脂から構成される少なくとも1層の絶縁層、及び導電体から構成される少なくとも2層の導体層を含み、少なくとも1層の該絶縁層を貫通してその両側の該導体層を電気的に接続する導通穴を有するプリント配線板の製造方法において、該絶縁層に事前穴を形成する事前穴形成工程と、該事前穴を穴埋め樹脂で埋める穴埋め工程と、該穴埋め樹脂で埋められた該事前穴の位置に該事前穴より小さい径を有する導通穴を形成する導通穴形成工程と、該導通穴を介して両側の該導体層を電気的に接続する電気的接続工程とを含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
本発明において、上記繊維基材は、ガラス繊維織布または有機繊維織布であることが好ましい。
また、事前穴を穴埋め樹脂で埋める穴埋め工程と同時に、該穴埋め樹脂からなるビルドアップ層を導体層の上に形成することが好ましい。
本発明のプリント配線板の製造方法により、導通穴の壁−壁間の絶縁信頼性の高い絶縁層を有するプリント配線板を提供することができる。
本発明について以下に具体的に説明する。
(1)銅張り積層板の製造工程
本発明のプリント配線板の製造方法において使用される繊維基材は、ガラス繊維からなる織布、液晶ポリマー、PBO、及びアラミド等の有機繊維、中でも繊維方向に結晶構造
が配向した有機繊維からなる織布、並びに繊維長がプリント配線板に形成される導通穴の最小穴壁間隔よりも長い繊維で形成されるガラス繊維不織布、及び有機繊維不織布である。繊維基材がガラス繊維からなる場合は、プリント配線板に通常使用されるEガラスに加え、Dガラス、NEガラス、Sガラス、Qガラス等繊維形状で使用可能なガラス繊維であれば使用することができる。
特に織布の場合、繊維が規則正しく配列しているため、プリント配線板に形成される導通穴間を同じ糸がまたがって配置される可能性が高い。従って、本発明の製造方法を採用することによっては、より絶縁信頼性の高いプリント配線板を製造することが可能となるので好ましい。上述の繊維基材にエポキシ樹脂等のマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグを作製する工程、該プリプレグを単数もしくは複数枚積層して銅箔等の導電体を貼り加熱加圧して硬化させた銅張り積層板を作製する工程、及び該銅張り積層板の両面の導電体にフォトリソグラフィー法によって回路パターンを形成する工程は当業者には周知の技術によって実施することができる。
(2)事前穴形成工程
本発明における事前穴形成工程は、上述の銅張り積層板に穴をあけることによって行う。穴加工方法は、パンチング穴あけ工程、機械的なドリル加工工程、または炭酸ガス、UV−YAG、もしくはエキシマ等のエネルギー線の照射によるレーザ加工工程のいずれであってもよく、また、該事前穴形成工程と後述する導通穴形成工程における穴加工方法が同一でも、異なっていても良い。
事前穴形成工程で形成される事前穴は導通穴形成工程で形成すべき導通穴よりも径が大きいものである。具体的には、事前穴の径は導通穴の径よりも10〜100μm大きいことが好ましい。これは、後述する導通穴形成工程で、導通穴の壁面に事前穴の壁面が露出しないこと、つまり、事前穴形成工程と導通穴形成工程の間に位置する穴埋め工程(後述)で供せられる穴埋め樹脂による被膜が導通穴の壁面に全面に渡って存在することが絶縁信頼性向上のためより好ましいからである。
また、好ましくは、事前穴は導通穴よりも径が大きいことから、導通穴が貫通穴である場合は、事前穴形成工程はパンチング穴あけ工程、導通穴形成工程はドリル加工工程もしくはレーザ加工工程を採用することが好ましく、また、導通穴が非貫通穴である場合は、事前穴形成工程は炭酸ガスレーザ加工工程、導通穴形成工程はUV−YAGレーザ加工工程を採用することが、生産性、経済性の観点から望ましい。
(3)穴埋め工程
事前穴を埋めるために別に供せられる穴埋め樹脂はエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、シアン酸エステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及び熱硬化PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂等の熱硬化性樹脂、並びにPES(ポリエーテルスルホン)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、及びPPE樹脂等の融点が200℃以上もしくはガラス転移点が100℃以上の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。さらには、該樹脂中にシリカ粒子、水酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、及び/またはタルク等のフィラーを含んでいてもよいが、穴埋め時の条件下で穴埋めに適する粘度を有する穴埋め樹脂であることが必要である。
該穴埋め樹脂を事前穴に供する方法としては、液状の穴埋め樹脂を塗布する方法、該穴埋め樹脂で構成されたフィルムを配置し、加熱を伴う、ロールコータまたはプレス成形等により穴埋めする方法、印刷方式により充填する方法等が適宜採用できる。
なお、上述した銅張り積層板の穴埋め樹脂による穴埋め時に、同時に該銅張り積層板の導体層の上に該穴埋め樹脂からなる絶縁層を形成することにより、ビルドアップ層を形成することができる。その場合、樹脂付き銅箔を配置し、熱プレス成形により穴埋めする方法等、一般的なビルドアップ多層板作成方法が、採用できる。
なお、本発明において、穴埋め工程では事前穴の全部を埋める必要はなくその一部を埋めることで埋められた割合に応じた効果を奏する。深さ方向においてはガラス繊維の分布が無い表層部を除いた部分、平面方向においては事前穴の中心部を除いた部分が埋められていれば実質的に完全に埋められている状態と同一視できるのでより好ましい。もちろん、事前穴を深さ方向においても平面方向においても完全に穴埋め樹脂で埋めることが最も好ましいことはいうまでもない。
(4)導通穴形成工程
本発明における導通穴形成工程は、上述の銅張り積層板に穴をあけることによって行う。穴加工方法は、パンチング穴あけ工程、機械的なドリル加工工程、または炭酸ガス、UV−YAG、もしくはエキシマ等のエネルギー線の照射によるレーザ加工工程のいずれであってもよい。
前述したように、導通穴形成工程で形成される導通穴は事前穴形成工程で形成された事前穴よりも径が小さいものである。本発明の効果を奏するためには、該導通穴を形成する位置は事前穴を形成した位置と少なくとも一部が重なっている必要があり、該導通穴を形成する位置が事前穴を形成した位置に全部含まれることが好ましい。これは、導通穴の壁面に事前穴の壁面が露出しないこと、つまり、事前穴形成工程と導通穴形成工程の間に位置する事前穴を樹脂で埋める工程で供せられる樹脂による被膜が導通穴の壁面に全面に存在することが絶縁信頼性向上のためより好ましいからである。
(5)電気的接続工程
導通穴形成工程の後は、導通穴の洗浄、無電解銅メッキ等の周知の加工工程を経ることにより、硬化したプリプレグを絶縁層とし、回路パターンを作製した導電体を導体層とし、両面の該導体層の電気的接続をとった両面プリント配線板が作成される。
本発明を実施例に基づいて説明する。実施例、比較例中の絶縁性の試験方法は以下の方法で行った。
(絶縁性の評価)
温度121℃、湿度85%の雰囲気の恒温恒湿槽内((株)平山製作所製 型番PC422R7)に評価サンプルを入れ、評価する導通穴間(以下、「評価穴間」ともいう。)に直流10Vを印加し、300時間、連続的に該評価穴間の抵抗を測定(IMV(株)社製 型番MIG-8600)した。評価サンプル1ピースに評価穴間20箇所が配置されており、20箇所中1箇所でも抵抗値が10の6乗Ωを下回った時点で絶縁性が失われた(短絡した)と判定した。また、評価サンプル1点につき、5ピースの測定を行い、すべて絶縁性が保持された場合を0/5、すべて短絡と判断された場合を5/5と表記する。
<実施例1>
スタイル1080ガラス繊維織布(0.05mm厚,旭シュエーベル(株)製,商品名1080,以下同じ)にFR−4グレードのエポキシ樹脂ワニス(ジャパンエポキシレジン(株)製,商品名5046B80 70質量%、ジャパンエポキシレジン(株)製,商品名180S75B70 14質量%、ジシアンジアミド 1.6質量%、2-エチル-4-メチルイミダゾール 0.2質量%、ジメチルホルムアミド 7.1質量%、メチルセロソルブ7.1質量%、以下同じ)を使用し、マトリックス樹脂量が60質量%になるように含浸乾燥したプリプレグを用意した。該プリプレグを2枚重ね、両面に12μm厚み銅箔を配し、加熱加圧成型により、両面銅張り積層板を得た。該両面銅張り積層板を全面エッチアウトして、銅箔を除去し積層板とした。
次に、所定の位置にφ0.15mmのドリルで貫通穴(a)形成(事前穴形成工程)を該貫通穴の中心間隔が0.3mmになるように行った。次いで、0.060mm厚のエポキシ樹脂フィルムを、事前穴形成を行った該積層板の両側に配置し、加熱加圧成型するこ
とで、該穴(a)を該エポキシ樹脂で埋めた。さらに、埋められた該穴(a)の中心に炭酸ガスレーザ加工により、φ0.1mmの穴(b)形成(導通穴形成工程)を行った。次いで、該積層板の両面にアディティブ法により回路を形成するとともに導通穴の内壁を電気的に接続し、両面プリント配線板を得た。次いで、該穴(b)間の壁−壁間(0.2mm)の絶縁性を評価した。
<実施例2>
スタイル1080ガラス繊維織布(0.05mm厚)にFR−4グレードのエポキシ樹脂ワニスを使用し、マトリックス樹脂量が60質量%になるように含浸乾燥したプリプレグを用意した。該プリプレグを2枚重ね、両面に18μm厚み銅箔を配し、加熱加圧成型により、両面銅張り積層板を得た。該両面銅張り積層板に所定の回路加工を施し、コア板用プリント配線板とした。
該コア板用プリント配線板の両側にスタイル1037ガラス繊維織布(0.03mm厚,旭シュエーベル(株)製,商品名1037,以下同じ)にFR−4グレードのエポキシ樹脂ワニスを使用し、マトリックス樹脂量が70質量%になるように含浸乾燥したプリプレグを配置し、さらにその上下面に12μm厚の銅箔を配置し、これらを加熱加圧成型して、一体化し、内層回路入り銅張り積層板を得た。
該内層回路入り銅張り積層板を全面エッチアウトして、銅箔を除去し、内層回路入り積層板とした。次に、所定の位置に炭酸ガスレーザ光を照射し、φ0.1mmの非貫通穴(a)形成(事前穴形成工程)を該非貫通穴の中心間隔が0.225mmになるように行った。次いで、0.06mm厚のエポキシ樹脂フィルムを、事前穴形成を行った該内層回路入り積層板の両側に配置し、加熱加圧成型することで、該非貫通穴(a)を該エポキシ樹脂で埋め、さらに、埋められた該穴(a)の中心に炭酸ガスレーザ加工により、φ0.075mmの穴(b)形成(導通穴形成工程)を行った。次いで、該内層回路入り積層板の両面にアディティブ法により回路を形成するとともに導通穴の内壁を電気的に接続し、4層プリント配線板を得、次いで該穴(b)間の壁−壁間(0.15mm)の絶縁性を評価した。
<実施例3>
実施例2と同様に内層回路入り銅張り積層板を得た。
該内層回路入り銅張り積層板に穴加工を行う位置の銅箔を除去するように所定の回路加工を施し、所定の位置に炭酸ガスレーザ光を照射し、φ0.1mmの非貫通穴(a)形成(事前穴形成工程)を該穴の中心間隔が0.225mmになるように行った。次いで、厚み60μmのFR−4タイプ樹脂付き18μm銅箔を、事前穴形成を行った該内層回路入り銅張り積層板の両側に配置し、加熱加圧成型することで、該穴(a)を該樹脂付き銅箔のエポキシ樹脂で埋め、同時にビルドアップ層を形成した。さらに、該穴(a)の中心に炭酸ガスレーザ加工により、φ0.075mmの非貫通穴(b)形成(導通穴形成工程)を行った。次いで、通常のメッキ工程により、非貫通穴に銅メッキを施し、6層プリント配線板を得、次いで該穴(b)間の壁−壁間(0.15mm)の絶縁性を評価した。この場合の層間接続は表層と第3層との接続となった。
<実施例4>
スタイル1080ガラス繊維織布(0.05mm厚)にFR−4グレードのエポキシ樹脂ワニスを使用し、マトリックス樹脂量が60質量%になるように含浸乾燥したプリプレグを用意し、該プリプレグを2枚重ね、両面に18μm厚み銅箔を配し、加熱加圧成型により、両面銅張り積層板を得た。
該両面銅張り積層板に所定の回路加工を施し、コア板用プリント配線板とした。
該コアプリント配線板の両表面にアラミド繊維織布(50μm厚み:帝人(株)製,商品名 テクノーラ)にFR−4グレードのエポキシ樹脂ワニスを使用し、マトリックス樹
脂量が60質量%になるように含浸乾燥したプリプレグを配置し、さらにその上下面に12μm厚の銅箔を配置し、これらを加熱加圧成型して、一体化し、内層回路入り銅張り積層板を得た。
該内層回路入り銅張り積層板を全面エッチアウトして、銅箔を除去し、内層回路入り積層板とした。次に、所定の位置に炭酸ガスレーザ光を照射し、φ0.1mmの非貫通穴(a)形成(事前穴形成工程)を該穴の中心間隔が0.225mmになるように行った。次いで、0.06mm厚のエポキシ樹脂フィルムを、事前穴形成を行った該内層回路入り積層板の両側に配置し、加熱加圧成型することで、該穴(a)を該エポキシ樹脂で埋め、さらに、該穴(a)の中心に炭酸ガスレーザ加工により、φ0.075mmの穴(b)形成(導通穴形成工程)を行った。次いで、該内層回路入り積層板の両面にアディティブ法により回路を形成するとともに導通穴の内壁を電気的に接続し、4層プリント配線板を得、次いで該穴(b)間の壁−壁間(0.15mm)の絶縁性を評価した。
<比較例1>
スタイル1080ガラス繊維織布(0.05mm厚)にFR−4グレードのエポキシ樹脂ワニスを使用し、マトリックス樹脂量が60質量%になるように含浸乾燥したプリプレグを用意し、該プリプレグを2枚重ね、両面に12μm厚み銅箔を配し、加熱加圧成型により、両面銅張り積層板を得た。該両面銅張り積層板に所定の回路形成を施し、さらに所定の位置に炭酸ガスレーザ加工により、φ0.1mmの貫通穴形成を、該穴の中心間隔が0.3mmになるように行った。次いで、通常のメッキ工程により、該貫通穴に銅メッキを施し、両面プリント配線板を得、次いで該穴(b)間の壁−壁間(0.2mm)の絶縁性を評価した。
<比較例2>
スタイル1080ガラス繊維織布(0.05mm厚)にFR−4グレードのエポキシ樹脂ワニスを使用し、マトリックス樹脂量が60質量%になるように含浸乾燥したプリプレグを用意し、該プリプレグを2枚重ね、両面に18μm厚み銅箔を配し、加熱加圧成型により、両面銅張り積層板を得た。該両面銅張り積層板に所定の回路加工を施し、コア板用プリント配線板とした。
該コア板用プリント配線板の両表面にスタイル1037ガラス繊維織布(0.03mm厚)にFR−4グレードのエポキシ樹脂ワニスを使用し、マトリックス樹脂量が70質量%になるように含浸乾燥したプリプレグを配置し、さらにその上下面に12μm厚の銅箔を配置し、これらを加熱加圧成型して、一体化し、内層回路入り銅張り積層板を得た。
該内層回路入り銅張り積層板に所定の回路形成を施し、さらに所定の位置に炭酸ガスレーザ加工により、φ0.075mmの非貫通穴形成を、該穴の中心間隔が0.225mmになるように行った。次いで、通常のメッキ工程により、該非貫通穴に銅メッキを施し、4層プリント配線板を得、次いで該穴(b)間の壁−壁間(0.15mm)の絶縁性を評価した。
<比較例3>
スタイル1080ガラス繊維織布(0.05mm厚)にFR−4グレードのエポキシ樹脂ワニスを使用し、マトリックス樹脂量が60質量%になるように含浸乾燥したプリプレグを用意し、該プリプレグを2枚重ね、両面に18μm厚み銅箔を配し、加熱加圧成型により、両面銅張り積層板を得た。
該両面銅張り積層板に所定の回路加工を施し、コア板用プリント配線板とした。
該コア板用プリント配線板の両表面にアラミド繊維織布(50μm厚み:帝人(株)製テクノーラ)にFR−4グレードのエポキシ樹脂ワニスを使用し、マトリックス樹脂量が60質量%になるように含浸乾燥したプリプレグを配置し、さらにその上下面に12μm厚の銅箔を配置し、これらを加熱加圧成型して、一体化し、内層回路入り銅張り積層板を
得た。
該内層回路入り銅張り積層板に所定の回路形成を施し、さらに所定の位置に炭酸ガスレーザ加工により、φ0.075mmの非貫通穴形成を、該穴の中心間隔が0.225mmになるように行った。次いで、通常のメッキ工程により、該非貫通穴に銅メッキを施し、4層プリント配線板を得、次いで該穴(b)間の壁−壁間(0.15mm)の絶縁性を評価した。
Figure 2006303054
本発明のプリント配線板の製造方法により、形成された貫通穴及び非貫通穴の壁−壁間の絶縁信頼性は非常に高く、絶縁層を介するプリント配線板の接続信頼性を高めることができる、高密度のプリント配線板の分野で好適に利用できる。

Claims (3)

  1. 繊維基材とマトリックス樹脂から構成される少なくとも1層の絶縁層、及び導電体から構成される少なくとも2層の導体層を含み、少なくとも1層の該絶縁層を貫通してその両側の該導体層を電気的に接続する導通穴を有するプリント配線板の製造方法において、該絶縁層に事前穴を形成する事前穴形成工程と、該事前穴を穴埋め樹脂で埋める穴埋め工程と、該穴埋め樹脂で埋められた該事前穴の位置に該事前穴より小さい径を有する導通穴を形成する導通穴形成工程と、該導通穴を介して両側の該導体層を電気的に接続する電気的接続工程とを含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 繊維基材がガラス繊維織布または有機繊維織布であることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 事前穴を穴埋め樹脂で埋める穴埋め工程と同時に該穴埋め樹脂からなるビルドアップ樹脂層を導体層の上に形成することを特徴とする請求項1または2記載のプリント配線板の製造方法。
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