JP2006302721A - マイクロ波による高圧加熱装置 - Google Patents

マイクロ波による高圧加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006302721A
JP2006302721A JP2005124378A JP2005124378A JP2006302721A JP 2006302721 A JP2006302721 A JP 2006302721A JP 2005124378 A JP2005124378 A JP 2005124378A JP 2005124378 A JP2005124378 A JP 2005124378A JP 2006302721 A JP2006302721 A JP 2006302721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure chamber
microwave
opening
cavity
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2005124378A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Okamoto
正 岡本
Eiji Matsuo
英治 松尾
Yuji Nakayama
雄司 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IDX CORP
Original Assignee
IDX CORP
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IDX CORP filed Critical IDX CORP
Priority to JP2005124378A priority Critical patent/JP2006302721A/ja
Publication of JP2006302721A publication Critical patent/JP2006302721A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】 超臨界条件を満足する高圧室内にマイクロ波を導入する新しい手段を提供する。
【解決手段】 高圧室2の開口3aを、比誘電率が大きく、マイクロ波を透過し、かつ、熱的にも機械的にも強固な誘電体製の仕切窓4で封止する。誘電体製の仕切窓4により、比較的断面積の小さい開口3aでマイクロ波を高圧室2内に導入できるようにした。この手段を用いて、高圧室2の径に応じて共振する横共振器型、この高圧室2と外部の調整空胴15とで形成され全体の長さLに応じて共振する縦共振型、高圧室2に1対の仕切窓を設け、これを伝送線に取り込んだ伝送線型の3種のマイクロ波導入法がある。
【選択図】 図3

Description

この発明は、加圧された試料にマイクロ波を照射することにより試料の物理化学反応を促進する装置に係り、試料が収容された高圧状態にある容器内にマイクロ波を効率よく導入して、試料を高温高圧下で反応させるマイクロ波による高圧加熱装置に関する。
温度と圧力が臨界点を超えた流体は一般に超臨界流体と呼ばれる。この状態で流体は分子間力を自在に制御できるようになり、抽出、分離、反応、材料製造に適した液体でも気体でもない新規の溶媒となるので、その応用が、近年、注目を集めている。
一方、マイクロ波は、電子レンジをはじめ、産業用加熱炉の熱源として広く利用されてきたが、化学反応を行わせたい物質にマイクロ波を照射すると、化学反応を大幅に促進できる現象が見出され、マイクロ波効果が注目されている。
超臨界状態にある試料にマイクロ波を照射すると、活性がさらに大きく高まると期待され、そのような状態にある試料にマイクロ波を照射したいという要求が高まっている。この要求に応えるための方法として、いくつかの試みがなされている。
圧力がそれほど高くない場合は、マイクロ波が存在する場にマイクロ波を透過する誘電体材料で形成された強固な耐圧容器を置くことで目的を達成できる。
さらに圧力と温度が高くなる場合に対して特許文献1に記載された高温高圧容器が提案されている。この高温高圧容器は、耐圧容器と反応容器で構成される。耐圧容器の内側に耐熱、耐食性の密閉式反応容器が設けられる。耐圧容器と反応容器の内圧は制御できる、好ましくは両者の内圧が等しくなるように制御される。耐圧容器に、反応促進用マイクロ波を供給するための導波管が結合される。耐圧容器に接続される導波管の開口部には仕切窓が設置される。
この方法では、マイクロ波を導入するための導波管の開口の大きさを低減する試みを含んでいないため、適用に限界がある。
例えば、水を超臨界状態にするには、およそ50Mpa、500℃の高圧、高温が必要とされる。このような高圧、高温に耐えるためには、金属でもハステロイのような特殊な材料を選択する必要がある。一般によく使われるマイクロ波の周波数は2,450MHzである。このマイクロ波の波長は122mmであり、マイクロ波を導入する開口はこの波長に応じた大きさにする必要がある。例えば、方形導波管のTE10モードを使用する場合は、長方形状開口の長辺の長さを61mm程度以上に、円形導波管のTM01 モードの場合は、開口直径を93mmよりも大きくする必要がある。開口を大きくすれば、耐圧性を確保することが困難である。開口を小さくしても圧力容器の壁が十分薄い場合は、圧力容器内にマイクロ波を導入することができるが、耐圧性を持たせるために壁厚もある程度以上にする必要があるから、結局、遮断状態になってマイクロ波の導入が困難になる。
この壁を乗り越えるには、新たな工夫が必要になる。すなわち、超臨界媒体を扱うことと、マイクロ波効果を利用すること、の2つの要求を満たすことができる新しい装置の開発が求められる。
特開 2002−113350号公報
この発明は、上記のような背景と要求のもとになされたものであり、超臨界状態にある試料にマイクロ波を導入する新しい手段を提供することを目的とする。
この発明においては、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
(1)高圧室2内にマイクロ波が遮断状態にならないような仕切窓4を設けこの窓を通して効率的に高圧室2内にマイクロ波を導入する手段を提供する。すなわち、この発明のマイクロ波による高圧加熱装置は、開口3aを有する金属壁で包囲された高圧室2を具備する。高圧室2内に開口3aを介してマイクロ波が導入され、内部に収容された高圧の試料Aにマイクロ波が照射される。金属壁の開口3aの断面積は、当該開口にマイクロ波を伝送する導波管6の断面積より小さく設定される。開口3aは、比誘電率が6以上である誘電体を開口に充填する形態の仕切窓4で気密に封止される。金属壁および仕切窓4は、高圧室2内の圧力を10Mpa以上に設定可能な耐圧強度を有する。
(2)好ましくは、高圧室に仕切窓4を介して隣接するように、金属壁で包囲された共振空胴5が設けられる。この共振空胴5に導波管6が結合される。共振空胴5は、マイクロ波の共振周波数が高圧室2の共振周波数と一致するように設定される。共振空胴5と高圧室2が、仕切窓4を介して互いに結合する2つの共振器を構成する。
(3)また好ましくは、高圧室2内に、周波数調整片7が気密に出入り自在に挿入されると共に、共振空胴5に別の周波数調整片8が出入り自在に挿入され、2つの周波数調整片7,8の一方または双方の高圧室2内および/または共振空胴5への突出量の調整によって、マイクロ波の同調を取るように構成される。
(4)高圧室2に仕切窓4を介して隣接するように、金属壁で包囲された調整空胴15が設けられる。この調整空胴15は、開口3aよりも断面積が大きい主体部15aと、断面積が高圧室2に向かって漸減する縮小部15bを有する。調整空胴15に導波管6が結合され、調整空胴15から仕切窓4を介して高圧室2内にマイクロ波が伝送され、それによって、調整空胴15と高圧室2が一体となって単一の共振器となるように構成される。
(5)好ましくは、調整空胴15に、高圧室2と一体となった単一の共振器としての共振周波数を調整する手段が設けられる。
(6)この調整空胴15の共振周波数調整手段は、調整空胴15と高圧室2の並び方向の寸法を変更可能な構造とすることによって、あるいは調整空胴15内に出入り自在に設けられた周波数調整片によって構成される。
(7)あるいは、円筒形高圧室2の軸方向の両端側に仕切窓4が設けられ、それぞれ仕切窓4を介して隣接するように、高圧室2と同軸の円形導波管10,11が結合される構成をとりうる。これらの円形導波管10,11は、開口3aよりも断面積が大きく設定され、円錐管部10a、11aを介して仕切窓4に結合される。一方の円形導波管10,11は、方形導波管を介してマイクロ波発振器に結合され、他方の円形導波管11,10は、方形導波管を介して無反射終端で終結する。この場合、円形導波管10,11と高圧室2が全体としてマイクロ波の伝送線を形成する。
(8)好ましくは、仕切窓あるいはこれに隣接する誘電体が、高圧室2の開口3aから調整空胴15または導波管10,11側へ突出し、突出部4aが先細りに形成される。それによりマイクロ波が遮断状態となることなく高圧室2内へ導入される。
(9)さらに好ましくは、高圧室2を形成する金属壁の内側に、誘電体円筒が挿入される。
この発明は、上記の手段により、以下の効果を有する。
(1)高圧室2の小さい開口3aを通してマイクロ波を高圧室2内に効果的に導入できる。
(2)高圧室2を共振器として、高圧室2内に強く均一なマイクロ波を励起できる。
(3)周波数調整片7,8により、高圧室2内と共振空胴5の共振周波数の同調を容易に行うことができる。
(4)開口3aよりも内径の大きい調整空胴15を縮小部15b、仕切窓4を介して高圧室2に結合し、調整空胴15と高圧室を単一の共振器となるように構成する場合には、共振は大気圧状態の調整空胴15のみの調整ですみ、高圧室2における共振周波数調整は不要とすることができる。導波管6の寸法に対応する内径の大きな調整空胴15に効率的にマイクロ波を導入し、そのまま縮小部15bおよび仕切窓4を介して高圧室2に結合することができる。
(5)調整空胴15における高圧室並びの長さを変更可能な構造とするか、調整空胴15内に出入り自在に周波数調整片を設ければ、容易に共振周波数調整を行うことができる。
(6)小径の高圧室2の両側に仕切窓4、円錐筒部10a、11aを介して大径の導波管10,11を結合した場合には、高圧室2がマイクロ波の伝送線内に組み込まれることになり、共振周波数の同調をとる必要がない。
(7)仕切窓4を高圧室2の開口3aから外側へ突出させ、突出部4aを先細りに形成すれば、開口3aでマイクロ波が遮断されることを抑止できて、大径の調整空胴15または導波管10から小径の高圧室2へのマイクロ波の伝送を効率的に行うことができる。
(8)高圧室2を包囲する金属壁の内側に誘電体棒あるいは誘電体円筒9を挿入することにより高圧室2を小径に構成することができ、高圧室2の耐圧性を容易に高めることができる。
図面を参照してこの発明の一実施形態を説明する。図1は本発明に係る高圧加熱装置の基本構造を示す断面図、図2は高圧室を囲む金属壁の内側に誘電体製の円筒を挿入した本発明の他の実施形態に係る高圧加熱装置の基本構造を示す断面図、図3は高圧室に隣接してこれよりも大径の調整空胴を設けた他の実施形態に係る高圧加熱装置の基本構造を示す断面図、図4は導波管の途上に導波管より小径の高圧室を取り込んだ伝送線型の高圧加熱装置の基本構造を示す断面図である。
図1において、高圧加熱装置1は、円筒状の金属壁で包囲された高圧室2を具備する。高圧室2の軸方向一端側の金属壁3は開口3aを有する。開口3aは、比誘電率が6以上である誘電体からなる仕切窓4で開口3aを充填する形態で、気密に封止される。高圧室2の金属壁3に隣接して、円筒状の金属壁で包囲された共振空胴5が設けられる。共振空胴5には、マイクロ波を伝送する導波管6が結合される。
高圧室2内に、共振空胴5と開口3aを介してマイクロ波が導入され、高圧室2内に収容された試料Aにマイクロ波が照射される。開口3aの断面積は、導波管6の断面積より小さく設定される。
仕切窓4は誘電率が比較的高く耐熱性がよく、機械的に強固な物質、例えばサファイアや高純度アルミナ等で作られる。仕切窓4は、これに外接する金属壁3に、気密に、機械的に強固に保持される。高圧室2は空胴共振器を兼ねている。共振周波数は周波数調整片7の挿入位置を調整することにより調整される。共振空胴5の中は大気圧である。共振空胴5の共振周波数は例えば板状金属からなる周波数調整片8により調整される。
図1の実施形態では、高圧室2と共振空胴5はほぼ同じ径の円筒状になっており、共振周波数がほぼ等しくなるように設計されている。すなわち複共振器構造になっている。実際には、高圧室2内は高圧、高温になるので等価的な比誘電率は1を超えている。このため、高圧室2と共振空胴5の共振周波数が同じ場合、それに対応する分だけ高圧室2の径が小さくなる。設計ではこの分を見込んで寸法を決める。等価的な比誘電率は温度や圧力の関数になるので、動作中に設計値からずれる可能性がある。その場合、調整片7,8の挿入位置をそれぞれ調節して両者の共振周波数がともに信号周波数に等しくなるように調整される。マイクロ波は導波管6により共振空胴5に結合される。共振モードは、実施例において、TM010である。共振空胴5に励起されたマイクロ波は仕切窓4を通って、高圧室2内に結合され、同じく強いTM010が励起される。
この方式の問題点は共振空胴5と高圧室2の2つの空胴の共振周波数を一致させる必要があることである。特に高圧室2側の調整片7は通常、周波数可変幅が狭いので、時には同調が取れない可能性が起きる。マイクロ波源の信号周波数が可変の場合は、まず、マイクロ波の周波数を高圧室2の共振周波数に優先的に一致させ、つづいて、共振空胴5の周波数調整片8を調整して両空胴の共振をとる。
次に、仕切窓4の材料をサファイアや高純度アルミナ等にする理由について説明する。マイクロ波の周波数が2,450MHzの場合、一般に開口3aがマイクロ波に対してカットオフとならないためには、およそ93mmを超える開口径である必要がある。高圧室2にそのような大きい開口を設けることは耐圧構造上適切でない。そこで仕切窓4の材料として、比誘電率が大きいものを選択した。この比誘電率が大きい窓4は、開口3aを充填する形で構成されているので、マイクロ波が遮断される窓径は比誘電率の平方根分の1となる。すなわち、サファイアや高純度アルミナの比誘電率はおよそ9程度なので、窓径は約31mmまで小さくできる。窓4がマイクロ波を透過させる必要があるので、設計では、これより若干、大きい窓径(開口径)を選択する。この方法により、マイクロ波は、遮断されることなく、小さい窓4を透過できるようになる。窓が小さいため圧力に対する強度も高まる。
図2は高圧室内1を囲む金属壁の内周側に誘電体円筒9を挿入した状態を示している。円筒9を挿入しない場合、高圧室2の内径は最小でも93mmで、かなり大きい容器となる。このような大きさの高圧室2を作ることは不可能ではないが、設計的見地からもう少し小さいものが望まれる。そこで、誘電体円筒9を挿入し、その効果により高圧室2の内径が小さくなるようにする。例えば、誘電体円筒9として、内径32mm、外径40mmのアルミナ円筒を挿入すると、高圧室2の内径を40mmに設計できる。
上記円筒状の高圧室2や共振空胴5の共振は、基本的にはそれぞれの内径で決定される。周波数調整片7,8は、あくまで周波数を補助的に同調させるための手段に過ぎない。したがって周波数の同調範囲は自ずと限定されたものになる。特に高圧室2は、内部に挿入される細い棒状の調整片7で調整するので、気密性を保ちながらこれを動かすこと自体それなりに手がかかるだけでなく、また周波数の調整範囲がさらに狭くなるという問題を擁している。
図3の実施形態は、高圧室2を個別の共振器とせずにマイクロ波を導入する方法の一例である。この場合、仕切窓4は、図に示すように右方へ突出4aした構造にする。仕切窓4を介して隣接する調整空胴15は、その内径が仕切り窓4より大きく設定されており、仕切窓4に接続される左側の部分が、縮小するテーパを持った円錐部15aになっている。単に円錐状に径を縮小するとこの部分でマイクロ波が遮断されてしまうが、前記のような突出した仕切り窓4を用いると遮断状態に入るという問題を解消できる。仕切り窓4自体を突出させる代わりに、必要に応じ仕切り窓4に比誘電率の高い円錐状の誘電体部品を付加して突出させてもよい。また、誘電体円筒9を挿入して高圧室2の内径も小さくしてある。このような構造で。高圧室2は、調整空胴15を含めた全体として1つの共振器16となる。調整空胴15の内径は、2,450MHzで共振する寸法より若干大きく、例えば、110mm程度に設計される。したがって、高圧室2の内径は、これよりかなり小さい。調整空胴15、高圧室2を一体化した共振器16の長さLを調整することにより共振周波数の同調をとることができる。この調整は大気圧部分の長さの変更により行えるので、調整範囲も広くでき調整自体が容易である。
図1の方法では、共振周波数が内径で決まったが、図3の方法では内径ではなく長さ方向で決まる点が大きい相違点である。調整空胴15を形成する円筒状金属壁は軸方向に長さ変更できるように摺動自在に設計されている。左右の両部を摺動調整することにより、一体化された共振器の長さLを調整することができる。また摺動部の接触不良により発生する問題を避ける目的でチョークを採用してもよい。図2の実施形態との大きい違いは、共振器がひとつに統合されている点と、周波数の同調が高圧室2の外の寸法を変えることによって行われる点である。また共振は径で共振周波数が決まる横共振から長さ方向の寸法で決まる縦共振に変わっている。すなわち、仕切窓4を調整空胴15側へ突出させ、この突出部4aを先細りとしたことにより、円錐部15aのみではマイクロ波が遮断領域に入ってしまうという問題が解消される。調整空胴15に円錐部15aを設け仕切窓4を突出させたことにより、マイクロ波がスムーズに高圧室2に結合され、高圧室2と調整空胴15が一体になってひとつの共振器を構成する。したがって、高圧室2に共振のための独立の調整片を設ける必要がない。共振周波数の調整は大気圧である調整空胴15のみで行える点に大きいメリットが生じる。なお、高圧室2内の電界分布の均一性は、図1のものに比較して、若干、低下している。仕切窓4に突出部4aがなく、調整空胴15に円錐部15aがない場合は、調整空胴15の内径と仕切窓4の外径の差が大きすぎるため、調整空胴15のみで、共振してしまうという問題を生じる。
図4に示す実施形態では、圧力室2の軸方向両端側に、開口3a,3bおよび仕切窓4,14を介して、それぞれ円形導波管10,11が接続されている。仕切窓4,14は、それぞれ一端側が導波管10,11側へ突出し、突出部4a,14aは先細りに形成される。導波管10は、図示しない円形−方形導波管変換器および方形導波管を介してマイクロ波発振源に結合され、導波管11は、同様に方形導波管を介して無反射終端で終結する。この実施形態の装置は、全体としてマイクロ波の伝送線を形成している。マイクロ波は、例えば右のTM01モード円形導波管10から入射し、仕切窓4を通った後、中間の高圧室2を透過して仕切窓14を経て、左側のTM01モード円形導波管11から出射される。高圧室2内には超臨界状態の媒体と試料が混在した流体が収容されており、マイクロ波はこの部分で吸収され、試料Aの反応を進行させる。この場合、マイクロ波は透過中に吸収されるだけなので、マイクロ波の効率は図3の実施形態より低くなる。マイクロ波が不十分の場合はマイクロ波出力を強めて対応する。同調機構をまったく要しないという大きい利点がある。
以上の説明で、高圧室2の外壁を比較的薄く描いたが、これは構造の概念を示すためであって、実際には圧力に耐えるのに十分な厚さを持っている。また、高圧室内の温度を測るために温度計測素子が、また、圧力を測るために圧力計が高圧室内に挿入または連結される。さらに内部を加圧するための加圧機構につながる細管が高圧室に接続される。また、安全のための逃がし弁のような圧力制限機構も使用される。また必要に応じ、追加の加熱手段が高圧室外に設けられ、外部に対する必要な熱遮蔽も行われる。
この発明は、高温高圧の超臨界状態において高圧室内の試料にマイクロ波を照射して試料の反応を促進させる産業用または実験用の装置として利用できる。
本発明に係る高圧加熱装置の基本構造を示す断面図である。 高圧容器内に誘電性の円筒を挿入した本発明の他の実施形態に係る高圧加熱装置の基本構造を示す断面図である。 高圧容器に隣接してこれよりも大径の調整空胴を設け高圧容器とこの調整空胴とを一体化して単一の共振器とした他の実施形態に係る高圧加熱装置の基本構造を示す断面図である。 導波管の途上に導波管より小径の高圧容器を取り込んだ伝送線型の高圧加熱装置の基本構造を示す断面図である。
符号の説明
1 高圧加熱装置
2 高圧室
2a 円錐部
3 金属壁
3a 開口
4 仕切窓
4a 突出部
5 共振空胴
6 導波管
7 周波数調整片
8 周波数調整片
9 誘電体円筒
10 円形導波管
10a 円錐管部
11 円形導波管
11a 円錐管部
14 仕切窓
14a 突出部
15 調整空胴
15a 円錐部
16 共振器
L 一体化して構成した共振器の長さ

Claims (10)

  1. 一部に開口を有する金属壁で包囲された高圧室を具備し、当該高圧室内に、前記開口を介してマイクロ波が導入され、高圧室内に収容された高圧の試料にマイクロ波を照射できるように構成された装置であって、
    前記金属壁の開口が、比誘電率が6以上である誘電体からなる仕切窓で充填されることによって気密に封止され、
    前記金属壁の開口の断面積が、当該開口にマイクロ波を伝送する導波管の断面積より小さく設定され、
    前記金属壁および仕切窓が、前記高圧室内の圧力を10Mpa以上に設定可能な耐圧強度を有することを特徴とするマイクロ波による高圧加熱装置。
  2. 金属壁で包囲された共振空胴に前記導波管が結合され、
    前記共振空胴の共振周波数が前記高圧室の共振周波数と一致するように設定され、
    前記共振空胴と前記高圧室が、前記開口を充填する仕切窓を介して互いに結合されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波による高圧加熱装置。
  3. 前記高圧室内に、周波数調整片が気密に出入り自在に挿入されると共に、前記共振空胴に別の周波数調整片が出入り自在に挿入され、2つの周波数調整片の一方または双方の高圧室内および/または共振空胴への突出量の調整によって、マイクロ波の同調を取るように構成されることを特徴とするマイクロ波による高圧加熱装置。
  4. 前記開口を充填する仕切窓を介して前記高圧室に結合するように、金属壁で包囲された調整空胴が設けられ、
    この調整空胴は、前記開口の断面積より大きい断面積を有する主体部と、断面積が高圧室に向かって漸減する縮小部とを有し、
    前記調整空胴に前記導波管が結合され、当該調整空胴から前記仕切窓を介して前記高圧室内にマイクロ波が伝送され、
    それによって、前記調整空胴と前記高圧室が一体となって単一の共振器となるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波による高圧加熱装置。
  5. 前記調整空胴と前記高圧室が一体となった単一の共振器としての共振周波数を調整調整するための手段が、前記調整空胴に設けられることを特徴とする請求項4に記載のマイクロ波による高圧加熱装置。
  6. 前記共振周波数を調整する手段が、前記調整空胴と前記高圧室の並び方向の寸法を変更可能な構造であることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ波による高圧加熱装置。
  7. 前記調整空胴の共振周波数調整手段が、当該調整空胴内に出入り自在に設けられた周波数調整片であることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ波による高圧加熱装置。
  8. 前記高圧室が円筒形に構成され、前記開口およびこれを充填する仕切窓がこの高圧室の軸方向の両端に設けられ、
    この高圧室の軸方向両端に、それぞれ前記仕切窓を介して隣接するように、当該高圧室と同軸の円形導波管が結合され、
    これらの円形導波管は、前記開口の断面積より断面積が大きく設定され、円錐管接続部を介して仕切窓に結合され、
    それによって、1対の前記円形導波管、円錐管接続部、仕切窓および前記高圧室が全体としてマイクロ波の伝送線を形成していることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波による高圧加熱装置。
  9. 前記仕切窓またはこれと隣接する誘電体が、前記高圧室の開口から外側へ突出し、突出部が先細りに形成されていることを特徴とする請求項4または8に記載のマイクロ波による高圧加熱装置。
  10. 前記高圧室を包囲する前記金属壁の内側に誘電体が挿入されることを特徴とする請求項4または8に記載のマイクロ波による高圧加熱装置。
JP2005124378A 2005-04-22 2005-04-22 マイクロ波による高圧加熱装置 Ceased JP2006302721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005124378A JP2006302721A (ja) 2005-04-22 2005-04-22 マイクロ波による高圧加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005124378A JP2006302721A (ja) 2005-04-22 2005-04-22 マイクロ波による高圧加熱装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006302721A true JP2006302721A (ja) 2006-11-02

Family

ID=37470766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005124378A Ceased JP2006302721A (ja) 2005-04-22 2005-04-22 マイクロ波による高圧加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006302721A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011163696A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Panasonic Corp マイクロ波加熱調理器
JP2014221446A (ja) * 2013-05-13 2014-11-27 東京理化器械株式会社 反応装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5172251U (ja) * 1974-12-02 1976-06-07
JPS63250088A (ja) * 1987-04-06 1988-10-17 大阪瓦斯株式会社 液体のマイクロ波加熱装置
JPH0572092U (ja) * 1992-03-02 1993-09-28 株式会社神戸製鋼所 高圧容器への電磁波供給装置
JPH06243963A (ja) * 1993-02-19 1994-09-02 Brother Ind Ltd マイクロ波加熱装置
JPH10134956A (ja) * 1996-10-31 1998-05-22 Kyocera Corp 高周波導入窓材
JP2004207011A (ja) * 2002-12-25 2004-07-22 Hitachi Display Devices Ltd マイクロ波加熱装置
JP2005013901A (ja) * 2003-06-26 2005-01-20 Tokyo Denshi Kk マイクロ波化学反応装置
JP2005108449A (ja) * 2003-09-26 2005-04-21 Toyota Central Res & Dev Lab Inc マイクロ波加熱装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5172251U (ja) * 1974-12-02 1976-06-07
JPS63250088A (ja) * 1987-04-06 1988-10-17 大阪瓦斯株式会社 液体のマイクロ波加熱装置
JPH0572092U (ja) * 1992-03-02 1993-09-28 株式会社神戸製鋼所 高圧容器への電磁波供給装置
JPH06243963A (ja) * 1993-02-19 1994-09-02 Brother Ind Ltd マイクロ波加熱装置
JPH10134956A (ja) * 1996-10-31 1998-05-22 Kyocera Corp 高周波導入窓材
JP2004207011A (ja) * 2002-12-25 2004-07-22 Hitachi Display Devices Ltd マイクロ波加熱装置
JP2005013901A (ja) * 2003-06-26 2005-01-20 Tokyo Denshi Kk マイクロ波化学反応装置
JP2005108449A (ja) * 2003-09-26 2005-04-21 Toyota Central Res & Dev Lab Inc マイクロ波加熱装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011163696A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Panasonic Corp マイクロ波加熱調理器
JP2014221446A (ja) * 2013-05-13 2014-11-27 東京理化器械株式会社 反応装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4759668B2 (ja) マイクロ波加熱装置
KR101560122B1 (ko) 표면파 플라즈마 처리 장치
US6057645A (en) Plasma discharge device with dynamic tuning by a movable microwave trap
US8294071B2 (en) Microwave irradiation apparatus
US5954882A (en) Plasma reactor
EP1439571B1 (en) Device and method for microwave plasma processing and microwave power supply device
JP5681847B2 (ja) マイクロ波装置
JP2005293955A (ja) 同軸形マイクロ波プラズマトーチ
KR950010714A (ko) 플라즈마 생성방법 및 장치와 그것을 사용한 플라즈마 처리방법 및 장치
JP2009080997A (ja) マイクロ波装置
JP2006302721A (ja) マイクロ波による高圧加熱装置
KR950034579A (ko) 플라즈마 처리방법 및 장치
JPH1167492A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP2001176695A (ja) プラズマ・インジェクター
WO2024053136A1 (ja) プラズマ発生装置およびプラズマ処理装置
JP2007157518A (ja) マイクロ波装置
CA2805144C (en) Plasma light source
JP6151247B2 (ja) 半透明導波路プラズマ光源、その成形体の作成方法、および半透明導波路プラズマ光源のための半透明な固体誘電物質からなる成形体
TWI802840B (zh) 電漿處理裝置
KR100500360B1 (ko) 고효율 상압 마이크로웨이브 플라즈마시스템
JP2005259633A (ja) マイクロ波プラズマ放電処理装置
JP2006130385A (ja) マイクロ波化学反応装置
US20230274927A1 (en) Electrodeless plasma device
JP5891481B2 (ja) マイクロ波装置
WO2010109249A1 (en) Microwave applicator

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110331

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110818

A045 Written measure of dismissal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20111222