JP2006300412A - 灰の溶融処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて灰を溶融処理する際に、かかる耐火物が短期間に侵食されてしまうのを抑制できる方法を提供する。
【解決手段】
炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて灰を溶融処理する際に、該電気炉内へフェロシリコンを投入した。
【選択図】 なし
炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて灰を溶融処理する際に、かかる耐火物が短期間に侵食されてしまうのを抑制できる方法を提供する。
【解決手段】
炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて灰を溶融処理する際に、該電気炉内へフェロシリコンを投入した。
【選択図】 なし
Description
本発明は灰の溶融処理方法に関する。都市ごみや産業廃棄物等を焼却処理すると、焼却灰や飛灰等の灰が発生する。かかる灰は、これを減容化及び無害化するため、電気炉を用いて溶融処理する。本発明は、かかる電気炉のうちで炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて前記のような灰を溶融処理する方法の改良に関する。
従来、灰の溶融処理は一般に、電気炉を用いて行なわれている。灰の溶融処理に用いる電気炉の炉内には、スタンプ材、キャスタブル等の不定形耐火物や耐火レンガ等の定形耐火物が敷設されており、かかる耐火物としてAl2O3−Cr2O3やMgO−Cr2O3系等のものも使用されているが、近年では、これらに比べて、灰の溶融処理時に発生する酸性の溶融スラグによる侵食や浸潤等が小さいSiC含有のもの、例えばAl2O3−SiC系やAl2O3−SiC−C系等のSiC系の耐火物が使用されるようになっている(例えば特許文献1参照)。
しかし、炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて様々な由来のある灰を溶融処理すると、実際のところ、炉内の耐火物、特に灰の溶融処理時に発生する溶融メタルと接する炉床部の耐火物が短期間に侵食されてしまうことの生じる場合があるという問題がある。
特開平5−118522号公報
本発明が解決しようとする課題は、炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて灰を溶融処理する際に、かかる耐火物が短期間に侵食されてしまうことを抑制できる方法を提供する処にある。
前記の課題を解決する本発明は、炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて灰を溶融処理する際に、該電気炉内へフェロシリコンを投入することを特徴とする灰の溶融処理方法に係る。
本発明では、炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて灰を溶融処理する。SiC含有の耐火物としては、SiCを含有するスタンプ材やキャスタブル等の不定形耐火物、SiCを含有する耐火レンガ等の定形耐火物が挙げられ、代表的にはAl2O3−SiC系やAl2O3−SiC−C系等のSiC系の耐火レンガが挙げられる。また電気炉としては、抵抗炉、アーク炉、プラズマアーク炉、プラズマ炉等が挙げられるが、アーク炉又はプラズマアーク炉が好ましい。
本発明では、前記したように、炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて灰を溶融処理するが、この際に、該電気炉内へフェロシリコン(Fe−Si)を投入する。電気炉を用いた灰の溶融処理時に、該電気炉内へフェロシリコンを投入すると、かかる灰の様々な由来にかかわらず、該電気炉の炉内に敷設したSiC含有の耐火物が短期間に侵食されてしまうのを安定して抑制できる。
本発明者の知見によれば、炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて灰を溶融処理するとき、該耐火物が短期間に侵食されてしまうことが生じる原因は、溶融処理の対象である灰の由来によるその組成にあり、なかでも灰中における還元剤として作用する金属の量、とりわけ金属Alの量にあることが推察された。すなわち、灰中に金属Alの量が多いと、該金属Alが灰の溶融処理時に炉内のスラグ中のSiO2を還元してSiを生成させ、このSiが炉内の溶融メタル中に溶け込み、溶融メタル中のSi濃度を上げるが、灰中の金属Alの量が少ないと、溶融メタル中のSi濃度が上がらず、炉内の溶融メタル中のFeが耐火物中のSiCをSiとCとに解離させ、解離したSiとFeが溶けあう。その結果としてSiC粒子がFe−Siとなって液化するため、耐火物中の他の粒子、例えばAl2O3粒子との結合が崩れて、耐火物が侵食されてしまうものと推察された。そこで、炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて灰を溶融処理するとき、該電気炉内へフェロシリコン(Fe−Si)を投入すると、灰の様々な由来によるその組成の変動にかかわらず、より具体的には灰中における金属Alの量の多少にかかわらず、該電気炉の炉内に敷設したSiC含有の耐火物が短期間に侵食されてしまうのを安定して抑制できたのである。
電気炉内へ投入するフェロシリコンの量は特に制限されないが、電気炉内の溶融メタル中におけるSi濃度が3質量%以上となるように投入するのが好ましく、3〜10質量%となるように投入するのがより好ましく、5〜10質量%となるように投入するのが特に好ましい。電気炉内の溶融メタル中におけるSi濃度が3質量%以上、より確実には5質量%以上となるようにフェロシリコンを投入すると、SiC含有の耐火物の侵食を充分に抑制できるからであり、逆に10質量%以上となるようにフェロシリコンを投入しても、効果の発現はそれ程に変わらず、非経済的になるからである。
電気炉内へ投入するフェロシリコンの大きさや形状も特に制限されないが、平均粒径10mm以上の粒状乃至塊状のものが好ましく、入手の容易性、経済性及び取扱性等を考慮すると、平均粒径10〜50mmの粒状乃至塊状のものがより好ましい。フェロシリコンに所望の効果を発現させるためには、炉内へ投入したフェロシリコンが炉内上部のスラグ層を通って炉床部の溶融メタル中へ到る必要があるが、そのためには、平均粒径10mm以上の粒状乃至塊状のものが好適なのである。同様の意味で、フェロシリコンの投入時期は炉内上部のスラグ層が概ね溶融状態になる灰の溶融処理中とするのが好ましく、またフェロシリコンの投入位置は炉内上部のスラグ層のなかでも特に高温の溶融状態になる電極回りや電極直下部が好ましい。
本発明によると、炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて灰を溶融処理する際に、かかる耐火物が短期間に侵食されてしまうのを抑制できる。
比較例1
炉床部にAl2O3−SiC系(Al2O360質量%、SiC40質量%)の耐火レンガを逆アーチ状に敷設した3相交流アーク炉を用いて、都市ごみを焼却処理したときに発生した焼却灰と飛灰との混合物からなる灰を1か月間溶融処理した。溶融処理時における炉内溶融メタル中のSi濃度は0.1質量%であり、1か月後の耐火レンガの侵食は平均的に50mmを超えていた。
炉床部にAl2O3−SiC系(Al2O360質量%、SiC40質量%)の耐火レンガを逆アーチ状に敷設した3相交流アーク炉を用いて、都市ごみを焼却処理したときに発生した焼却灰と飛灰との混合物からなる灰を1か月間溶融処理した。溶融処理時における炉内溶融メタル中のSi濃度は0.1質量%であり、1か月後の耐火レンガの侵食は平均的に50mmを超えていた。
実施例1
比較例1と同じ灰を、比較例1と同様に1か月間溶融処理した。但し、ここでは、溶融処理時における炉内溶融メタル中のSi濃度が5〜6質量となるようにフェロシリコン(Si75質量%、Fe25質量%、平均粒径20〜50mm、融点1350℃、比重3.7)を電極直下部へ投入した。1か月後の耐火レンガの侵食は肉眼では平均的に2mm以下と認められるものの、実際には計測できなかった。
比較例1と同じ灰を、比較例1と同様に1か月間溶融処理した。但し、ここでは、溶融処理時における炉内溶融メタル中のSi濃度が5〜6質量となるようにフェロシリコン(Si75質量%、Fe25質量%、平均粒径20〜50mm、融点1350℃、比重3.7)を電極直下部へ投入した。1か月後の耐火レンガの侵食は肉眼では平均的に2mm以下と認められるものの、実際には計測できなかった。
比較例2
炉床部にAl2O3−SiC−C系(Al2O375質量%、SiC20質量%、C5質量%)の耐火レンガを逆アーチ状に敷設した3相交流アーク炉を用いて、都市ごみを焼却処理したときに発生した焼却灰と飛灰との混合物からなる灰を1か月間溶融処理した。溶融処理時における炉内溶融メタル中のSi濃度は0.8質量%であり、1か月後の耐火レンガの侵食は平均的に45mmであった。
炉床部にAl2O3−SiC−C系(Al2O375質量%、SiC20質量%、C5質量%)の耐火レンガを逆アーチ状に敷設した3相交流アーク炉を用いて、都市ごみを焼却処理したときに発生した焼却灰と飛灰との混合物からなる灰を1か月間溶融処理した。溶融処理時における炉内溶融メタル中のSi濃度は0.8質量%であり、1か月後の耐火レンガの侵食は平均的に45mmであった。
実施例2
比較例2と同じ灰を、比較例2と同様に1か月間溶融処理した。但し、ここでは、溶融処理時における炉内溶融メタル中のSi濃度が5〜6質量となるようにフェロシリコン(Si75質量%、Fe25質量%、平均粒径20〜50mm、融点1350℃、比重3.7)を電極直下部へ投入した。1か月後の耐火レンガの侵食は肉眼では平均的に2mm以下と認められるものの、実際には計測できなかった。
比較例2と同じ灰を、比較例2と同様に1か月間溶融処理した。但し、ここでは、溶融処理時における炉内溶融メタル中のSi濃度が5〜6質量となるようにフェロシリコン(Si75質量%、Fe25質量%、平均粒径20〜50mm、融点1350℃、比重3.7)を電極直下部へ投入した。1か月後の耐火レンガの侵食は肉眼では平均的に2mm以下と認められるものの、実際には計測できなかった。
Claims (3)
- 炉内にSiC含有の耐火物を敷設した電気炉を用いて灰を溶融処理する際に、該電気炉内へフェロシリコンを投入することを特徴とする灰の溶融処理方法。
- 電気炉内の溶融メタル中におけるSi濃度が3質量%以上となるようフェロシリコンを投入する請求項1記載の灰の溶融処理方法。
- 平均粒径10mm以上のフェロシリコンの粒状乃至塊状物を投入する請求項1又は2記載の灰の溶融処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005122617A JP2006300412A (ja) | 2005-04-20 | 2005-04-20 | 灰の溶融処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005122617A JP2006300412A (ja) | 2005-04-20 | 2005-04-20 | 灰の溶融処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=37468909
Family Applications (1)
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JP2005122617A Pending JP2006300412A (ja) | 2005-04-20 | 2005-04-20 | 灰の溶融処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006300412A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0257643A (ja) * | 1988-06-29 | 1990-02-27 | Westinghouse Electric Corp <We> | プラズマ燃焼式キュポラ内の原料の脱硫方法 |
JPH05118522A (ja) * | 1991-10-24 | 1993-05-14 | Shinagawa Refract Co Ltd | 都市ごみ焼却灰溶融炉 |
JPH1121172A (ja) * | 1997-06-30 | 1999-01-26 | Tokyo Yogyo Co Ltd | 廃棄物灰溶融炉内張用SiC−Al2O3−Cr2O3質 耐火物 |
JP2000039131A (ja) * | 1998-07-23 | 2000-02-08 | Nkk Corp | 都市ごみ焼却残渣の溶融処理方法 |
-
2005
- 2005-04-20 JP JP2005122617A patent/JP2006300412A/ja active Pending
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