JPH11335718A - マグネシア系廃煉瓦の利用方法 - Google Patents

マグネシア系廃煉瓦の利用方法

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JPH11335718A
JPH11335718A JP14682198A JP14682198A JPH11335718A JP H11335718 A JPH11335718 A JP H11335718A JP 14682198 A JP14682198 A JP 14682198A JP 14682198 A JP14682198 A JP 14682198A JP H11335718 A JPH11335718 A JP H11335718A
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slag
electric furnace
magnesia
brick
molten steel
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Application number
JP14682198A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ikeda
寛之 池田
Katsunori Sato
勝徳 佐藤
Noboru Oikawa
昇 及川
Tsuneo Kondo
恒雄 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toa Steel Co Ltd
JFE Bars and Shapes Corp
Original Assignee
Toa Steel Co Ltd
NKK Bars and Shapes Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製鋼精錬炉内張りのマグネシア系煉瓦保護の
ために、マグネシア系廃煉瓦を軽焼ドロマイトの替わり
として造滓材の一部に使用する方法の確立。 【解決手段】 マグネシア系廃煉瓦を分別回収し、破砕
し、得られたマグネシア系廃煉瓦粉塊を、電気炉に投入
し、溶鋼の電気炉精錬における造滓材として用いる。上
記溶鋼としてP添加溶鋼を製造するに際して、マグネシ
ア系廃煉瓦粉塊の投入量を、電気炉で使用する造滓材成
分中のMgO分の全量が、マグネシア系廃煉瓦粉塊中の
MgO分で満たされるように調整する。また、他の方法
として、マグネシア系廃煉瓦を分別回収し、破砕し、得
られたマグネシア系廃煉瓦粉塊を、電気炉に投入し、溶
鋼の電気炉精錬における造滓材として用い、その他の造
滓材を前記電気炉には一切投入しない。以上において、
マグネシア系廃煉瓦粉塊として、その粒径が30mm以
下になるまで破砕したものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、製鉄所等で発生
する産業廃棄物の一つであるマグネシア系廃煉瓦を回収
し、これを製鋼工程において有効に利用する技術に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】製鉄所の電気炉工場や連続鋳造工場にお
いては、溶鋼の精錬設備として、電気炉、取鍋精錬炉、
及び真空脱ガス精錬装置等が、鋳造設備として、連続鋳
造設備が使用される。これら設備において、溶鋼の精錬
容器や収容容器の内張りには各種の耐火物が多量使用さ
れている。従って、使用済みの廃耐火物が多量に発生
し、また、その種類も多い。
【0003】これに対して製鉄所においては、耐火物の
材質改善や寿命延長を図り、廃耐火物の発生量を減ら
し、種類を減らす努力が行なわれてきた。しかしなが
ら、これには限界があり、現在、廃耐火物はほぼ全量が
産業廃棄物として処理されている。そのため、処理費用
がかかり、処分場確保の問題も発生している。こうした
背景のもと、製鉄所で発生する多量の廃耐火物を有効に
利用することが急務となってきた。
【0004】従来、製鋼精錬炉や溶鋼収容容器の内張り
耐火物として、MgO−C煉瓦等のマグネシア系煉瓦が
多量に使用されている。製鋼精錬炉である電気炉や取鍋
精錬炉、あるいは溶鋼収容容器である取鍋内に溶融スラ
グを造り、溶鋼をスラグ(溶滓)で精錬したり、溶鋼の
空気酸化防止や介在物吸収を図る。その際、スラグによ
る内張りマグネシア系煉瓦の浸食を抑制するために、造
滓材の一部として、主成分がMgOとCaOとからなる
軽焼ドロマイトが使用されている。このように、軽焼ド
ロマイトの主成分の一つであるMgO分が、精錬炉や取
鍋の内張りマグネシア系煉瓦の保護のために造滓中に添
加されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した通り、電気炉
工場や連続鋳造工場で多量に発生するマグネシア系廃煉
瓦は現在、産業廃棄物として処理されており、環境問題
の視点からその有効利用が望まれている。ところが、こ
のマグネシア系廃煉瓦には、約78%前後のMgO分が
含まれている。従って、マグネシア系廃煉瓦中のMgO
分を、軽焼ドロマイト中のMgO分の替わりに使用し、
しかも、マグネシア系廃煉瓦を用いることにより弊害が
発生しないようにすることができれば、その効果は大き
い。
【0006】しかしながら、これまで、マグネシア系廃
煉瓦を軽焼ドロマイトの替わりとして電気炉等における
造滓材として使用し、成果をあげているとの報告は見当
たらない。従って、軽焼ドロマイトの替わりにマグネシ
ア系廃煉瓦をどのようにもちいればよいか、また、どの
ような変化があるのか等についても不明である。
【0007】従って、この発明の課題は、製鋼精錬炉や
取鍋等の内張りにマグネシア系煉瓦が使用された場合
に、その煉瓦保護のために、マグネシア系廃煉瓦を軽焼
ドロマイトの替わりとして造滓材の一部に使用する方法
を確立することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、マグネシア系廃煉瓦の製鋼用スラグへの添加
技術を開発すべく試験を行なった。その結果、製鋼・連
続鋳造工程で発生したマグカーボン煉瓦(MgO−C煉
瓦)屑を所定の大きさに粉砕し、所定量を造滓材として
精錬炉内に投入し、加熱して溶融スラグを形成させ、得
られた所要量のスラグで溶鋼を精錬すれば、正常な製鋼
精錬を行なうことができるとの知見を得た。
【0009】この発明は、上述した知見に基づきなされ
たものであり、その要旨は次の通りである。請求項1記
載のマグネシア系廃煉瓦の利用方法は、製鋼・連続鋳造
工程等で発生したマグネシア系廃煉瓦を分別回収し、破
砕する。得られたマグネシア系廃煉瓦の粉塊を、保護し
よううとするマグネシア系煉瓦が内張りされた電気炉に
投入し、加熱してスラグ化させる。こうして形成された
スラグで溶鋼を精錬することに特徴を有するものであ
る。
【0010】請求項2記載のマグネシア系廃煉瓦の利用
方法は、請求項1記載の方法において、P濃度の高いP
添加溶鋼を製造する場合に、電気炉に正規の造滓材を一
切投入せず、その替わりにマグネシア系廃煉瓦のみを投
入する。従って、当該ヒートで投入されて形成されるス
ラグ中のMgO分は全量、マグネシア系廃煉瓦中のMg
O分で補償する。そしてマグネシア系廃煉瓦をスラグ化
させて、溶鋼を精錬することに特徴を有するものであ
る。
【0011】請求項3記載のマグネシア系廃煉瓦の利用
方法は、製鋼・連続鋳造工程等で発生したマグネシア系
廃煉瓦を分別回収し、破砕する。得られたマグネシア系
廃煉瓦の粉塊を、保護しよううとするマグネシア系煉瓦
が内張りされた電気炉に投入し、加熱してスラグ化させ
る。この際、造滓材として電気炉には、石灰や珪砂、そ
の他の「バージン」の造滓材は一切投入しないで、スラ
グを形成させる。但し、直前ヒートで形成されたスラグ
を炉内や鍋内に残留させたものは使用する。こうして電
気炉内に形成されたスラグで溶鋼を精錬することに特徴
を有するものである。
【0012】請求項4記載のマグネシア系廃煉瓦の利用
方法は、請求項1、2又は3に記載の方法において、マ
グネシア系廃煉瓦をその粒径が30mm以下になるまで
破砕したものを用いることに特徴を有するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の実施形態は、二つに大
別される。第一は、造滓材として、軽焼ドロマイトの一
部をマグネシア系廃煉瓦で代替する場合である。これ
は、溶鋼脱Pを特に必要としない鋼種の溶製を対象とす
る場合で、例えば、素鋼P濃度が0.030wt.%以下を
目標とするときに採用する(下記、実施形態−その
1)。そして、第二は、従来の所謂造滓材は一切使用せ
ず、マグネシア系廃煉瓦のみを電気炉等に投入してスラ
グを形成させる、所謂造滓材レス操業の場合である。こ
れは、素鋼のP濃度が高い、所謂P添加鋼種の溶製を対
象とする場合である(下記、実施形態−その2)。例え
ば、素鋼P濃度として、0.040〜0.090wt.%程
度を目標とする場合である。
【0014】〔実施形態−その1〕製鋼精錬炉として電
気炉を使用し、炭素鋼又は低合金鋼を溶製する。電気炉
から出鋼後、適宜、取鍋精錬炉を使用して、溶鋼の清浄
化や成分・温度の調整等を行なう。
【0015】マグネシア系廃煉瓦として、例えば、Mg
O−C煉瓦屑を常法により、分別回収して破砕する。破
砕粒径は、30mm以下にして使用すればスラグ化が促
進されるので望ましい。10mm以下にすれば、スラグ
化が一層促進される。但し、粉体比率が大きいほど、装
入時に飛散量が増えるので、過度に小さくしない。こう
して得られたMgO−C煉瓦屑を、所定重量入りのフレ
コンに収納し準備する。
【0016】先ず、電気炉の初装入時に、軽焼ドロマイ
トの従来使用量の一部、例えば、1/2程度を投入す
る。次いで、追装時に軽焼ドロマイトの従来使用量の残
部、例えば、1/2程度に含まれるMgO分と同量のM
gO分を、MgO−C煉瓦屑の投入により添加する。
【0017】表1に、軽焼ドロマイト及びMgO−C煉
瓦屑中の主要成分であるCaO及びMgOの含有率を例
示する。従って、軽焼ドロマイトとMgO−C煉瓦屑と
の投入割合は、重量比で約2:1となる。
【0018】
【表1】
【0019】なお、MgO−C煉瓦屑による軽焼ドロマ
イトの代替比率は、電気炉等の内張り煉瓦の状態が良好
であるときには、適宜減らしてもよい。また、逆にその
内張り煉瓦の溶損が進行しているときには、上記代替比
率を、別途予想されるスラグ中P濃度(P)と溶鋼中P
濃度〔P〕との比、即ちP分配比(P)/〔P〕に応じ
て、適宜増やせば、炉体保護の観点からは通常望まし
い。
【0020】その他の電気炉操業条件は、常法における
操業条件に準じたものにする。特に、スクラップからの
インプトP量から算出される溶鋼中P濃度〔P〕、スラ
グボリューム、スラグ塩基度、及び出鋼温度は、溶製目
標の素鋼成分値に依存して一定水準に定める。そして、
特に、電気炉精錬終点のC濃度〔C〕VPは、同一水準の
素鋼成分のヒート間では、一定水準に調整する。
【0021】〔実施形態−その2〕製鋼精錬炉として電
気炉を使用し、高P鋼種の炭素鋼又は低合金鋼を溶製す
る。電気炉から出鋼後、適宜、取鍋精錬炉を使用して、
溶鋼の清浄化や成分・温度の調整等を行なう。
【0022】実施形態−その1と同じように、マグネシ
ア系廃煉瓦の調製を行なう。電気炉出鋼時の溶鋼中P濃
度〔P〕VPを上昇させるために、MgO−C煉瓦屑のみ
を電気炉に投入し、当該ヒートにおいては、他の造滓材
は投入しない。このように、MgO−C煉瓦屑のみの投
入ではこれのスラグ化が容易でない。また、高P鋼種の
溶製に際してはスラグに脱P能を付与しなくてよいか
ら、前ヒートの精錬終了の電気炉スラグを使用すれば、
当該ヒートの造滓材原単位は少なくなり、コスト的に有
利である。そこで、常法の実施形態である、実施形態−
その2のヒート(実施例ヒート)の前ヒートにおいて、
下記作業操作を行なうことにより、前ヒートのスラグを
有効利用して、MgO−C煉瓦屑のスラグ溶融化を促進
する。即ち、 MgO−C煉瓦屑の使用前ヒートは、ホットヒールを
所定量行なう。例えば、電気炉容量が130t/ヒート
の場合には、10t程度のホットヒールを行なう。 MgO−C煉瓦屑の使用前ヒートにおいては、電気炉
から取鍋への排滓を極力抑えて、電気炉内に溶融スラグ
を残留させておき、次の実施例ヒートでそのこの溶融ス
ラグを使用する。
【0023】そして、当該本発明の実施形態−その2の
ヒートにおいては、初装入時には造滓材を投入せず、追
装時に、MgO−C煉瓦屑を投入する。この投入量は、
当該本発明ヒートで投入されて形成されるスラグ中のM
gO分は全量、MgO−C煉瓦屑中のMgO分で補償す
るように決める。その際、軽焼ドロマイト及びMgO−
C煉瓦屑の主要成分は、例えば表1に示した値を使用す
る。電気炉容量が例えば、130t/ヒートの場合に
は、上記追装時のMgO−C煉瓦屑投入量は、1.0t
/ヒート程度にする。
【0024】但し、MgO−C煉瓦屑投入量は、電気炉
等の内張り煉瓦の状態が良好であるときには、適宜減ら
してもよい。また、逆にその内張り煉瓦の溶損が進行し
ているときには、その投入量を、別途予想されるスラグ
と溶鋼とのP分配比(P)/〔P〕に応じて、適宜増や
せば、炉体保護の観点からは通常望ましい。
【0025】実施形態−その2の電気炉操業ヒートを、
2ヒート以上連続した操業を行なう場合には、1ヒート
目の本発明の方法と同じように2ヒート目以降のヒート
を操業する。図1に、実施形態−その2の電気炉操業の
概略フローを示す。
【0026】
【実施例】次に、この発明を、実施例によって更に詳細
に説明する。 〔試験1〕実施形態−その1に準じて、試験1を実施し
た。130tアーク電気炉で機械構造用鋼を次の通り溶
製した。本発明の範囲内の方法である、MgO−C煉瓦
屑を電気炉に投入した実施例1〜5、及び本発明の範囲
外の方法である、従来通りMgO源として軽焼ドロマイ
トを電気炉に投入した比較例1〜5の試験ヒートを行な
った。表2及び表3に、実施例及び比較例の各試験の主
な操業条件を示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】電気炉精錬終点において炉中の溶鋼C濃度
(〔C〕VP)、及び炉中スラグの成分分析を行なって、
塩基度(CaO)/(SiO2 )(但し、重量%比)を
求めた。また、取鍋に出鋼後、取鍋を取鍋精錬炉に搬送
し、取鍋精錬炉への到着時の溶鋼P濃度(LF到着
〔P〕、即ち〔P〕LF)を測定した。そして、常法によ
り取鍋精錬を行なった。取鍋精錬終了後、溶鋼を次工程
へ搬送した。
【0030】実施例1〜5においては、電気炉工場で発
生したMgO−C煉瓦屑を常法により、分別回収し、粒
径30mm以下に破砕した。そして、電気炉の初装入時
に、石灰約1100〜1200kg(8.5〜9.2k
g/t)を、炉内に投入し、加熱・溶融した。次いで、
追加装入時に、上記MgO−C煉瓦屑を500kg
(3.8kg/t)投入した。使用したMgO−C煉瓦
屑の主要成分は、表1に示した通りである。ここで、M
gO−C煉瓦屑の投入量は、MgO分が比較例における
軽焼ドロマイト中のMgO分と同量水準になるよう調整
した。なお、軽焼ドロマイトは投入していない。
【0031】これに対して、比較例1〜5においては、
電気炉の初装入時に、石灰約510〜525kg(3.
9〜4.0kg/t)を炉内に投入し、加熱・溶融し
た。次いで、追加装入時には、軽焼ドロマイト約120
0〜1215kg(9.2〜9.3kg/t)投入し
た。使用した軽焼ドロマイトの主要成分は、表1に示し
た通りである。なお、MgO−C煉瓦屑は投入していな
い。
【0032】得られた試験結果を、表3に併記した。実
施例及び比較例のいずれにおいても、スクラップからの
インプトP量、スラグボリューム、スラグ塩基度、及び
出鋼温度が同一水準となるよう調整した。更に、溶鋼中
O濃度も同一水準となるようにするため、電気炉終点で
のC濃度〔C〕VPが同一水準となるように操業した。こ
れは、実施例においてMgO−C煉瓦屑を使用すること
により、P分配比(P)/〔P〕に、比較例の場合と差
が出ないようにして、安定操業を行なうためである。
【0033】その結果、実施例においても比較例の従来
の操業におけると同様のP分配比(P)/〔P〕が得ら
れ、また、操業面においても何ら問題なく、MgO−C
煉瓦屑を使用することができた。
【0034】なお、本明細書の〔実施例〕では、P分配
比(P)/〔P〕として、電気炉終点での炉中スラグの
P濃度(P)VPと、取鍋精錬炉(LF)への到着時の溶
鋼中P濃度〔P〕LFとの比(P)VP/〔P〕LFをとっ
た。P分配比をこのように決めたのは、電気炉からの出
鋼を未脱酸状態で行なったから、出鋼後における取鍋内
での復Pは殆んど起こらない。従って、上記(P)VP/
〔P〕LFをPの分配比として差し支えないからである。
【0035】〔試験2〕実施形態−その2に準じて、試
験2を実施した。試験1と同じ130tアーク電気炉
で、リンを含有する快削鋼を次の通り溶製した。
【0036】本発明の範囲内の方法である、MgO−C
煉瓦屑を電気炉に投入し、その他の造滓材は一切、電気
炉に投入しない実施例6〜14を実施した。但し、実施
例6〜14では、図1に示した電気炉操業の概略フロー
図のように、当該実施例の直前のヒート(前ヒート)
で、ホットヒールを10t行ない、しかも前ヒートでは
電気炉からの排滓を極力抑えて、炉内に残留させておい
た。そして、そのスラグ顕熱を利用して、実施例ヒート
の装入時に投入したMgO−C煉瓦屑の早期溶融化を図
った。実施例ヒートは、3ヒート連続して出鋼し、1シ
リーズとした。即ち、実施例6〜8、9〜11、及び1
2〜14で各1シリーズを構成させた。
【0037】これに対して、本発明の範囲外の方法であ
る、従来通りMgO源として軽焼ドロマイトを電気炉に
投入した比較例6〜10を行なった。表4及び表5に、
実施例及び比較例の各試験ヒートの主な操業条件を示
す。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】試験1と同じく、電気炉精錬終点において
炉中の溶鋼C濃度(〔C〕VP)、及び炉中スラグの成分
分析を行なって、塩基度(CaO)/(SiO2 )(但
し、重量%比)を求めた。また、取鍋に出鋼後、取鍋を
取鍋精錬炉に搬送し、取鍋精錬炉への到着時の溶鋼P濃
度(LF到着〔P〕、即ち〔P〕LF)を測定した。そし
て、常法により取鍋精錬を行なった。取鍋精錬終了後、
溶鋼を次工程へ搬送した。
【0041】実施例6〜14においては、電気炉工場で
発生したMgO−C煉瓦屑を常法により、分別回収し、
粒径30mm以下に破砕した。そして、電気炉の初装入
時、及び追加装入時に分けて、上記MgO−C煉瓦屑の
破砕品を合計約1000〜1100kg(7.9〜8.
5kg/t)、炉内に投入し、1ヒート目では、前ヒー
トの炉内残留スラグの顕熱を利用して加熱・溶融させ
た。2及び3ヒート目においても同じ目的のために、当
該各ヒートの前ヒートの炉内スラグを極力残留させた。
【0042】そして、他の造滓材は一切投入しなかっ
た。使用したMgO−C煉瓦屑の主要成分は、表1に示
した通りである。ここで、MgO−C煉瓦屑の投入量
は、MgO分が比較例における軽焼ドロマイト中のMg
O分と同量水準になるよう調整した。
【0043】これに対して、比較例6〜10において
は、電気炉の初装入時に、石灰約500〜525kg
(3.8〜4.0kg/t)を炉内に投入し、加熱・溶
融した。次いで、追加装入時には、軽焼ドロマイト約1
200〜1215kg(9.2〜9.3kg/t)を投
入した。使用した軽焼ドロマイトの主要成分は、表1に
示した通りである。なお、MgO−C煉瓦屑は投入して
いない。
【0044】得られた試験結果を、表5に併記した。図
2に、取鍋精錬炉への到着時の溶鋼P濃度〔P〕LFと、
P分配比(P)/〔P〕との関係をプロットした。な
お、同図には、今回の試験結果以外の結果も一緒にプロ
ットした。また、図3に、電気炉終点でのスラグの塩基
度(CaO/SiO2 )と、取鍋精錬炉への到着時の溶
鋼P濃度〔P〕LFとの関係を示す。
【0045】このように、造滓材を電気炉に投入せず、
MgO−C煉瓦屑のみを投入した実施例6〜14ではい
ずれも、Pの分配比は小さくなり、取鍋精錬炉への到着
時の溶鋼P濃度〔P〕LFが低下し、取鍋精錬炉に到着時
の溶鋼P濃度〔P〕LFが上昇している。また、実施例の
3シリーズのいずれにおいても、1ヒート目(図3、N
CC−1)は前ヒートのスラグ残留の影響が出て、スラ
グ塩基度は未だ比較的高い(前ヒートの塩基度水準が
1.5程度であったのに対して、1.1〜1.3程度)
ので、取鍋精錬炉到着時溶鋼P濃度〔P〕LFはそれほど
高くはなってはいない。しかし、2ヒート目(図3、N
CC−2)及び3ヒート目(図3、NCC−3)になる
と、スラグ塩基度はかなり低くなり、それぞれ0.6〜
1.0程度、及び0.5〜0.7程度まで低下する。そ
のために、取鍋精錬炉到着時の溶鋼P濃度〔P〕LFは一
段を上昇した。この結果、取鍋精錬炉におけるFeP合
金鉄の投入量が削減された。
【0046】このように、実施例においては、取鍋精錬
炉到着時の溶鋼P濃度〔P〕LFは上昇し、FeP合金鉄
の投入量が削減される。また、操業上においても何ら問
題なく、MgO−C煉瓦屑を使用することができた。
【0047】なお、実施例におけるスラグ成分中のMg
O濃度は、実施例の方が比較例よりも著しく高くなる。
従って、実施例においては、電気炉から出鋼中に取鍋に
流入したスラグの影響で、取鍋精錬炉への到着時の取鍋
内スラグ中MgO濃度も、比較例よりも高くなる。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
マグネシア系廃煉瓦を産業廃棄物として処理しなくても
よくなり、その再利用が可能となる。また、高P鋼種の
溶製時に適用すれば、FeP合金鉄の原単位の低減が可
能となり、コストダウンにも寄与する。このようなマグ
ネシア系廃煉瓦の利用方法を提供することができ、工業
上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例における電気炉操業の概略
フロー図である。
【図2】実施例及び比較例における、取鍋精錬炉に到着
した時の溶鋼P濃度と、P分配比(P)/〔P〕との関
係を示すグラフである。
【図3】実施例及び比較例における、取鍋精錬炉に到着
した時の溶鋼P濃度と、電気炉スラグの塩基度(CaO
/SiO2 )との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 勝徳 宮城県宮城郡七ヶ浜町汐見台南1−6−6 (72)発明者 及川 昇 宮城県宮城郡利府町青山3−8−11 (72)発明者 近藤 恒雄 宮城県宮城郡七ケ浜町東宮浜字御林3−1 トーア・スチールC−311

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシア系廃煉瓦を分別回収し、破砕
    し、得られたマグネシア系廃煉瓦粉塊を、電気炉に投入
    し、溶鋼の電気炉精錬における造滓材として用いること
    を特徴とする、マグネシア系廃煉瓦の利用方法。
  2. 【請求項2】 前記溶鋼としてP添加溶鋼を製造するに
    際して、前記マグネシア系廃煉瓦粉塊の投入量を、前記
    電気炉で使用する前記造滓材成分中のMgO分の全量
    が、前記マグネシア系廃煉瓦粉塊中のMgO分で満たさ
    れるように調整することを特徴とする、請求項1記載の
    マグネシア系廃煉瓦の利用方法。
  3. 【請求項3】 マグネシア系廃煉瓦を分別回収し、破砕
    し、得られたマグネシア系廃煉瓦粉塊を、電気炉に投入
    し、溶鋼の電気炉精錬における造滓材として用い、その
    他の造滓材を前記電気炉には一切投入しないことを特徴
    とする、マグネシア系廃煉瓦の利用方法。
  4. 【請求項4】 前記マグネシア系廃煉瓦粉塊として、そ
    の粒径が30mm以下になるまで破砕したものを用いる
    ことを特徴とする、請求項1、2又は3記載のマグネシ
    ア系廃煉瓦の利用方法。
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