JP2006299929A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インテークバルブ11またはエキゾーストバルブ12の開閉タイミングを可変とする可変バルブタイミング装置30と、クランク室15内のブローバイガスを吸気系に導くブローバイガス還元装置40とを有する内燃機関1の制御装置10において、吸気ポート3a壁面へのデポジットの付着、堆積を低減できるようにする。
【解決手段】制御装置10は、インテークバルブ11とエキゾーストバルブ12とが共に開くオーバーラップ期間Aが大のときに、ブローバイガス還元装置40によるブローバイガス還流量を減らす処理を実行する。このように吸気系へのブローバイガス還流量を減らすと、ブローバイガスによるクランク室15からのオイルの持ち出し量を少なくすることが可能になるから、オーバーラップ期間Aが大きくなる状況でも、吸気ポート3aにPM等が付着しにくくなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、可変バルブタイミング装置とブローバイガス還元装置とを有する内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関では、燃焼室内からピストンとシリンダ壁との間隙を通ってクランク室に洩れ出るブローバイガスを、そのまま大気に放出すると大気汚染の原因となるため、一般的に、PCVシステムと呼ばれるブローバイガス還元装置を装備するようになっている(例えば、特許文献1,2参照。)。
ブローバイガス還元装置は、クランク室内のブローバイガスを、ブローバイガス通路を通じて吸気系のスロットルバルブ下流に導き、燃焼室で新混合気と共に再燃焼させるようになっている。
ブローバイガス通路には、PCVバルブが介装されている。このPCVバルブは、その上流側と下流側との差圧によって開弁するものとされており、このPCVバルブの開度は吸気系の負圧によって一義的に定められる。
ところで、内燃機関には、インテークバルブまたはエキゾーストバルブの開閉タイミングを可変とする可変バルブタイミング装置を装備したものがある(例えば、特許文献3参照。)。
特開平10−77821号公報 特開2004−137921号公報 特開2000−45802号公報
上記特許文献1,2に示す従来例は、ブローバイガス還元装置によって吸気ポートに還流するブローバイガスの量が多くなると、ブローバイガスによるクランク室内のオイルの持ち出し量が多くなるから、ブローバイガス中に混在するオイルが吸気ポート壁面にデポジットとして付着しやすくなる。
一方、上記特許文献3に示す従来例は、例えば可変バルブタイミング装置によりインテークバルブとエキゾーストバルブとが共に開くオーバーラップ期間が大きくなるときに、排気ガス中に混在する粒子状物質(PM:Paticulate Matter)が吸気ポートへ吹き返す
現象が発生しやすくなる。
つまり、特許文献1,2に示すブローバイガス還元装置と特許文献3に示す可変バルブタイミング装置とを共に有する内燃機関では、吸気ポートへの排気ガスの吹き返し量が多くなるオーバーラップ期間が大の状況において、ブローバイガス還元装置による吸気系へのブローバイガス還流量が多くなると、ブローバイガスによるクランク室内のオイルの持ち出し量が多くなるため、吸気ポートにおいて、比較的大量のブローバイガス中に混在する比較的大量のオイルがバインダーとなって、排気ガス中のPMを吸気ポート壁面にデポジットとして付着、堆積させやすく作用することが懸念される。
本発明は、可変バルブタイミング装置およびブローバイガス還元装置を有する内燃機関の制御装置において、吸気ポート壁面へのデポジットの付着、堆積を低減できるようにす
ることを目的としている。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、インテークバルブまたはエキゾーストバルブの開閉タイミングを可変とする可変バルブタイミング装置と、クランク室内のブローバイガスを吸気系に導くブローバイガス還元装置とを有するものであって、インテークバルブとエキゾーストバルブとが共に開くオーバーラップ期間が大のときに、前記ブローバイガス還元装置によるブローバイガス還流量を減らす処理を実行することを特徴としている。
このように、吸気ポートへのブローバイガス還流量を減らすと、ブローバイガスによるオイルの持ち出し量を少なくすることができる。これにより、オーバーラップ期間が大きくなったときでも、吸気ポートにPM等が付着しにくくなる。
上記内燃機関の制御装置において、前記オーバーラップ期間が小のときに、前記ブローバイガス還元装置によるブローバイガス還流量を増やすようにしてもよい。
このように、オーバーラップ期間が小のときは吸気ポートへの排気ガスの吹き返しが少ないので、クランク室内からのブローバイガス排出量を増やすようにしても、吸気ポート壁面へデポジットが付着しにくくなる。つまり、このような状況において、ブローバイガス排出を積極的に行わせることで、エンジンオイルの劣化防止に効果的となる。
そもそも、上述しているように、オーバーラップ期間が大のときにブローバイガス還流量を減らすと、クランク室からのトータルでのブローバイガス排出量が減ることになってしまう。これに対し、上述したように、オーバーラップ期間の大小に応じてブローバイガス還流量を減増させるようにすれば、吸気ポート壁面へのデポジットの付着を低減したうえで、クランク室からのトータルでのブローバイガス排出量を十分に確保できるようになり、好ましい。
本発明の内燃機関の制御装置は、インテークバルブまたはエキゾーストバルブの開閉タイミングを可変とする可変バルブタイミング装置と、クランク室内のブローバイガスを吸気系に導くものでかつブローバイガス通路に通路開度を調整するPCVバルブを有するブローバイガス還元装置とを含むものであって、前記インテークバルブおよびエキゾーストバルブが共に開くオーバーラップ期間を検知する検知手段と、この検知手段で検知したオーバーラップ期間が所定の基準値以上か否かを判定する判定手段と、この判定手段で基準値以上と判定した場合に、前記PCVバルブの開度を絞ってブローバイガス還流量を減らすよう制御する対処手段とを含むことを特徴としている。
ここでは、制御装置の構成を機能的に分けて詳細に記載している。
上記制御装置において、前記PCVバルブを、その開度が電気的信号により連続的に変化する電磁弁とすることができる。
この構成によれば、PCVバルブの絞り制御が比較的簡単に高精度に行えるようになり、好ましい。
本発明によれば、インテークバルブとエキゾーストバルブとが共に開くオーバーラップ期間において、ブローバイガスによるオイル持ち出し量を少なくすることが可能になるから、吸気ポートに吹き返される排気ガス中に混在しているPMが、吸気ポート壁面に付着しにくくなって、吸気ポートに対するデポジットの付着、堆積を低減することが可能にな
る。したがって、吸気ポートにおける吸気抵抗の増大を抑制できて、内燃機関の性能を長期にわたって維持するうえで有利となる。
以下、本発明の実施形態を図1から図3に示して説明する。
この実施形態では、内燃機関として直噴火花点火式ガソリンエンジンを例に挙げている。図1に示すように、内燃機関1は、少なくともシリンダブロック2、シリンダヘッド3、オイルパン4、複数のピストン5・・・を有する。
シリンダブロック2とシリンダヘッド3とピストン5とで形成する燃焼室6には、燃料供給系のインジェクタ7から供給される燃料と吸気系から導入される空気との混合気が供給されて点火プラグ8により着火燃焼され、燃焼室6内の燃焼により発生する排気ガスが排気系から排出される。
吸気系は、シリンダヘッド3の吸気ポート3a、インテークマニホルド21、吸気管22、スロットルバルブ23および図示しないエアクリーナ等を有している。
排気系は、シリンダヘッド3の排気ポート3b、エキゾーストマニホルド24、図示しないマフラーおよび触媒コンバータ等を有している。
この内燃機関1には、可変バルブタイミング装置30およびブローバイガス還元装置40が設けられている。
可変バルブタイミング装置30は、インテークバルブ11またはエキゾーストバルブ12の開閉タイミングやリフト量を制御するインテークカムシャフト13またはエキゾーストカムシャフト14の位相を連続可変させるものである。
この可変バルブタイミング装置30は、この実施形態では、例えばVVT-i(Variable Valve Timing-intelligent)と呼ばれるものとされており、例えばインテークカムシャフト13側に設けられるベーン型アクチュエータ31と、このベーン型アクチュエータ31を制御する油圧コントローラ32とを含む。
そして、可変バルブタイミング装置30は、下記する制御装置10からの制御指令に応答して、例えば図2に示すように、インテークバルブ11の閉時期をコントロールすることによって、インテークバルブ11とエキゾーストバルブ12とが共に開くオーバーラップ期間Aを管理するようになっている。
ブローバイガス還元装置40は、シリンダブロック2とオイルパン4とで形成するクランク室15内のブローバイガスを吸気系に導いて燃焼室6で新混合気と共に再燃焼させるもので、クランク室15内と吸気管22においてスロットルバルブ23の上流側とを連通連結するブローバイガス通路41と、ブローバイガス通路41に通路開度を調整するPCVバルブ42とを含む。
PCVバルブ42は、例えば図示していないが、弁体をデューティソレノイド又はステップモータで駆動する構成の電磁弁とされており、制御装置10からの信号(デューティ信号又はステップ信号)によってブローバイガス通路41における開度が連続的に変化される。
以上説明した構成を有する内燃機関1のいろいろな運転に関する説明は省略するが、そ
の運転は基本的に制御装置10により制御される。
制御装置10は、ECU(Electronic Control Unit)であり、公知のように双方向性
バスによって相互に接続した中央処理制御装置(CPU)、プログラムメモリ(ROM)、データメモリ(RAM)等から構成されている。
制御装置10は、各種のセンサからの出力信号に基づいて、適宜予め定められたプログラムに従って演算処理を行い、内燃機関1の運転に関する動作制御を行う。
なお、上記各種のセンサとしては、例えばクランク角センサ16、吸気圧センサ17、カム角センサ18やその他の図示していないセンサがある。
クランク角センサ16は、内燃機関1の各カムシャフト13,14の回転に同期して、基準クランク角毎に気筒判別信号を含む基準信号を出力し、また単位クランク角毎に単位信号を出力し、これらによりクランク角を検知し得ると共に、内燃機関1の回転数を算出することが可能である。
また、吸気圧センサ17は、インテークマニホルド21内の圧力(負圧)に応じた信号を出力する。
さらに、カム角センサ18は、図示していないが、例えばインテークカムシャフト11側に設けられており、クランクシャフト(符号省略)が2回転する毎(720°CA毎)に、つまり内燃機関1のサイクル1周期毎に、1回電圧パルスを出力するものである。
この実施形態では、制御装置10の機能として、さらにデポジット低減処理を実行するように構成されているので、以下で詳細に説明する。
このデポジット低減処理は、基本的にはインテークバルブ11とエキゾーストバルブ12とが共に開くオーバーラップ期間Aが大のときに、ブローバイガス還元装置40によるブローバイガス還流量を減らすものである。
この実施形態では、特に、デポジット低減処理において、オーバーラップ期間Aが大のときにブローバイガス還流量を減らすようにしたうえで、オーバーラップ期間Aが小のときにブローバイガス還流量を増やすようにしている。
具体的に、制御装置10によるデポジット低減処理について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1において、インテークバルブ11およびエキゾーストバルブ12が共に開くオーバーラップ期間Aを検知する。このステップS1では、カム角センサ18の出力に基づいてオーバーラップ期間Aを検知するようにしている。
この後、ステップS2において、前記検知したオーバーラップ期間Aが所定の基準値X以上か否かを判定する。
仮に、上記ステップS1で検知したオーバーラップ期間Aが基準値X以上の場合には、上記ステップS2で肯定判定して、ステップS3において、PCVバルブ42の開度を絞ってブローバイガス還流量を減らすよう対処する。
このとき、予めオーバーラップ期間Aに応じてPCVバルブ42の開度(ブローバイガ
ス流量)を記憶させたテーブルを制御装置10のメモリ内に格納しておき、このテーブルに照合してPCVバルブ42の開度を設定するようにできる。具体的には、オーバーラップ期間Aが大きい程、前記開度を絞る方向に設定する。
しかし、上記ステップS1で検知したオーバーラップ期間Aが基準値X未満の場合には、上記ステップS2で否定判定して、ステップS4において、PCVバルブ42の開度を大きくしてブローバイガス還流量を増やすよう対処する。
この場合も、上記同様に、制御装置10のメモリ内のテーブルに照合してPCVバルブ42の開度を設定するようにできる。具体的には、オーバーラップ期間Aが小さい程、前記開度を大きくする方向に設定する。
なお、上述したステップS1が検知手段に相当し、ステップS2が判定手段に相当し、ステップS3およびS4が対処手段に相当する。
以上説明したように、可変バルブタイミング装置30とブローバイガス還元装置40とを共に有する内燃機関1において、インテークバルブ11とエキゾーストバルブ12とを共に開くオーバーラップ期間Aが大きくなるときに、吸気ポート3aへの排気ガスの吹き返し量が多くなるものの、上述したように、ブローバイガス還元装置40から吸気ポート3aへのブローバイガス還流量を積極的に減らすことにより、ブローバイガスによるクランク室15内のオイルの持ち出し量を少なくさせるようにしている。
そのため、吸気ポート3aに吹き返される排気ガス中に混在しているPMが、吸気ポート3a壁面に付着しにくくなって、吸気ポート3aに対するデポジットの付着、堆積を低減することが可能になる。
したがって、吸気ポート3aにおける吸気抵抗の増大を抑制できて、内燃機関1の性能を長期にわたって維持するうえで有利となる。
しかも、上記実施形態では、吸気ポート3aへの排気ガスの吹き返し量が少ないオーバーラップ期間Aの小の状況において、ブローバイガス還流量を増やすようにしているから、吸気ポート3a壁面へのデポジットの付着を低減したうえで、クランク室15内からのトータルでのブローバイガス排出量を増やせるようになり、エンジンオイルの劣化防止に効果的となる。
そもそも、上述したように、オーバーラップ期間Aが大のときにブローバイガス還流量を減らすと、クランク室15からのトータルでのブローバイガス排出量が減ることになる。
そこで、上述したように、オーバーラップ期間Aの大小に応じてブローバイガス還流量を減増させるようにすれば、吸気ポート3aに対するデポジットの付着、堆積を低減したうえで、クランク室15からのトータルでのブローバイガス排出量を十分に確保できるようになり、好ましい。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
(1)上記実施形態では、カム角センサ18の出力に基づいて実際のオーバーラップ期間Aを検知するようにしているが、例えばオーバーラップ期間Aの目標設定値を取り込むようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、オーバーラップ期間Aが基準値X未満の場合にブローバイガス還流量を増やすようにしているが、オーバーラップ期間Aが基準値X未満の場合におけるブローバイガス還流量を適宜に設定した固定値とし、単にオーバーラップ期間Aが基準値X以上の場合のみにブローバイガス還流量を減らすような形態にしてもよい。
(3)上記可変バルブタイミング装置30については特に限定されるものではなく、一般的に公知のいろいろなタイプのものを用いた内燃機関1であっても、本発明を適用できる。
(4)上記実施形態では、内燃機関1として直噴火花点火式ガソリンエンジンを例に挙げたが、ディーゼルエンジンやガスエンジン等の希薄燃焼エンジンとしてもよい。
本発明の一実施形態に係る制御装置を備える内燃機関を示す概略構成図である。 図1の制御装置によるインテークバルブおよびエキゾーストバルブの開閉タイミングを示すグラフである。 図1の制御装置によるブローバイガス還流量の制御動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
3 シリンダブロック
3a 吸気ポート
7 燃焼室
10 制御装置
11 インテークバルブ
12 エキゾーストバルブ
15 クランク室
30 可変バルブタイミング装置
40 ブローバイガス還元装置
41 ブローバイガス通路
42 PCVバルブ

Claims (4)

  1. インテークバルブまたはエキゾーストバルブの開閉タイミングを可変とする可変バルブタイミング装置と、クランク室内のブローバイガスを吸気系に導くブローバイガス還元装置とを有する内燃機関の制御装置であって、
    インテークバルブとエキゾーストバルブとが共に開くオーバーラップ期間が大のときに、前記ブローバイガス還元装置によるブローバイガス還流量を減らす処理を実行することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記オーバーラップ期間が小のときに、前記ブローバイガス還元装置によるブローバイガス還流量を増やすことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. インテークバルブまたはエキゾーストバルブの開閉タイミングを可変とする可変バルブタイミング装置と、クランク室内のブローバイガスを吸気系に導くものでかつブローバイガス通路に通路開度を調整するPCVバルブを有するブローバイガス還元装置とを含む内燃機関の制御装置であって、
    前記インテークバルブおよびエキゾーストバルブが共に開くオーバーラップ期間を検知する検知手段と、
    この検知手段で検知したオーバーラップ期間が所定の基準値以上か否かを判定する判定手段と、
    この判定手段で基準値以上と判定した場合に、前記PCVバルブの開度を絞ってブローバイガス還流量を減らすよう制御する対処手段とを含むことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 前記PCVバルブは、その開度が電気的信号により連続的に変化する電磁弁とされていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
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