JP2006299729A - 舗装体及びその構築方法 - Google Patents

舗装体及びその構築方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006299729A
JP2006299729A JP2005126127A JP2005126127A JP2006299729A JP 2006299729 A JP2006299729 A JP 2006299729A JP 2005126127 A JP2005126127 A JP 2005126127A JP 2005126127 A JP2005126127 A JP 2005126127A JP 2006299729 A JP2006299729 A JP 2006299729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
asphalt
pavement
cement mixture
floor slab
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005126127A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Takiguchi
高 瀧口
Naosuke Morinaga
修介 森永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Rotec Corp
Original Assignee
Taisei Rotec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Rotec Corp filed Critical Taisei Rotec Corp
Priority to JP2005126127A priority Critical patent/JP2006299729A/ja
Publication of JP2006299729A publication Critical patent/JP2006299729A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Road Paving Structures (AREA)

Abstract

【課題】 支持体のたわみに追従可能であるとともに、施工性が良好で、常温施工が可能な舗装体及びその構築方法を提供する。
【解決手段】 2地点間に架設された支持体たる橋桁2の上に敷設され、少なくとも水とセメントと骨材とを含み、連続空隙Sを有するセメント混合物41と、当該セメント混合物41に埋設された放熱管3と、連続空隙Sに充填されたAC材42と、を備えるように、舗装体たる支持層4を構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、舗装体及びその構築方法に関し、さらに詳しくは、たわみ性を有する支持体の上に敷設され、埋設物が埋設される舗装体及びその構築方法に関する。
従来、舗装の内部に放熱体を設置して路面の凍結や積雪を防止する舗装が行われている。このうち、特許文献1には、基盤上の所定位置に放熱体を設置した後に、骨材を敷き均して放熱体を埋没させ、敷き均した骨材の上部に舗装ブロックを敷設し、基盤上面と舗装ブロック下面との間に存在する空間にアスファルトセメントグラウト材(以下、「AC材」と適宜略称する。)を注入し、放熱体を埋設した支持層を構築する方法が記載されている。
特開2002−371512号公報(段落0005〜0007、図3等)
ところで、例えば橋梁や高架橋等を構成するコンクリート床版や鋼床版などの支持体の上に、舗装体を構築する場合には、床版のたわみへの追従性が良好な、密粒度アスファルトコンクリート舗装工法や、細粒度ギャップアスファルトコンクリート舗装工法や、砕石マスチック舗装工法などが採用されることが多い。
しかし、これらの工法は、施工時に振動ローラなどの重機を用いて舗装体を転圧する必要があるため、放熱体を舗装体内に埋設する場合には、転圧に相当な注意を払わなければならず、施工しにくいという問題がある。また、放熱体の周囲の転圧が十分に行われない場合には放熱体の周囲にアスファルト混合物が十分に充填されず、所定の強度を発揮できないおそれがある。また、これらの工法では、施工時にアスファルト混合物が100℃近い温度になることから、これによって熱せられた放熱体(例えば放熱管)が膨張するとともに、施工後に冷えて収縮することにより、舗装体にひび割れが生じるおそれがある。また、かかるひび割れから雨水等が浸入すると、埋設物の材質によっては錆等が発生し、埋設物が腐食したり破損したりするおそれがある。
一方、前記した「融雪機能を備えたブロック舗装」のように、床版上の所定位置に放熱体を設置した後に、骨材を敷き均して放熱体を埋没させ、敷き均した骨材の間に存在する空間にアスファルトセメントグラウト材を注入する方法によれば、重機による転圧が不要となり、かつ、常温で施工が可能であることから、放熱体の周囲を確実に充填できるとともに、熱による放熱体の膨張・収縮を抑制することができる。ところが、かかる方法で構築される舗装体は、たわみへの追従性について考慮されていないことから、舗装体のたわみを床版のたわみに追従させることができなかった。また、かかる方法によって構築された支持層は、その表面に凹凸ができ易いことから、支持層の上部に他の層(例えば排水性舗装など)を舗装する場合に、当該凹凸により他の層の品質に影響が出てしまうという問題があった。さらに、敷き均した骨材の上に作業者が乗ると、敷き均した表面に凹凸(足跡)ができることから、充填し切れなかったAC材をレーキなどでかき取る際に、骨材の上に人が乗ることができず、施工しにくいという問題があった。
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、支持体のたわみに追従可能であるとともに、施工性が良好で、常温施工が可能な舗装体及びその構築方法を提供することを課題とする。
本発明は、たわみ性を有する支持体の上に敷設され、少なくとも水とセメントと細骨材と粗骨材とを含み、連続空隙を有するセメント混合物と、前記セメント混合物に埋設された埋設物と、前記連続空隙に充填されたアスファルトセメントグラウト材と、を備えることを特徴とする舗装体である。
かかる構成によれば、舗装体は、たわみ性を有する支持体の上に敷設され、少なくとも水とセメントと細骨材と粗骨材とを含み、連続空隙を有するセメント混合物と、連続空隙に充填されたアスファルトセメントグラウト材と、を備えることから、たわみ追従性能の良好なアスファルトセメントグラウト材によってセメント混合物が一体化されることとなる。そのため、舗装体全体として、大きなたわみ追従性能を得ることができ、2地点間に架設された床版のたわみに追従可能となる。
また、セメント混合物は少なくとも水とセメントと細骨材と粗骨材とを含んでなることから、当該セメントと水と細骨材(すなわちモルタル)によって、粗骨材同士が仮固定される。そのため、作業者が当該セメント混合物の上に立ち入っても、セメント混合物が乱されて凹凸が形成されるようなことがない。また、作業者が当該混合物の上に立ち入ることが可能となるため、アスファルトセメントグラウト材の施工(充填作業やレーキ作業等)が容易になる。一方、セメント混合物は連続空隙を備えるため、モルタルによる粗骨材同士の付着力はそれほど大きくならないことから、アスファルトセメントグラウト材を注入した後の舗装体のたわみ追従性能を損なうこともない。
さらに、かかる構成によれば、舗装体は、セメント混合物にアスファルトセメントグラウト材を注入して構成されることから、常温施工が可能となり、施工時に埋設物が加熱・冷却されることによる舗装体への悪影響を回避することができる。また、大重量の重機による転圧を必要としないことから、埋設物の破損を防止できる。
ここで、たわみ性を有する支持体としては、例えば、2地点間に架設された床版や、盛土上に施工する舗装体の路床や路盤などが挙げられる。また、2地点間に架設された床版は、どのような構造物の床版でも良く、例えば橋梁の床版でもよいし、高速道路などの高架橋の床版でもよい。また、床版の材質は特に限定されるものではなく、例えばコンクリート床版でもよいし、鋼床版であってもよい。路床としては、例えば、CBRが3未満の軟弱路床などに適用するのが好適である。
また、舗装体に埋設される埋設物は、特に限定されるものではなく、例えば路面の凍結や積雪を防止する目的で埋設される放熱管や電熱線などの放熱体でもよいし、電線や通信線などのケーブル等を挿通するための埋設管等であってもよい。
また、前記セメント混合物は、少なくともセメントと水と細骨材と粗骨材とを含み、空隙率を30%以上、単位水量を50kg/m3程度、水セメント比を100%程度、細骨材と粗骨材の質量比率を1:9程度とするのが好適である。各物性値をこのような数値範囲に設定すれば、連続空隙を備えつつ、作業者が立ち入っても壊れることがない程度の強度を有するセメント混合物の層を構成することができる。
なお、たわみ追従性能が損なわれないように、硬化後のセメント混合物の一軸圧縮強度を0.1N/mm2程度とする。
また、前記アスファルトセメントグラウト材は、少なくともセメントとアスファルト乳剤と細骨材とを含んでなるのが好適である。アスファルトセメントグラウトの配合は、舗装体に要求される性能に応じて適宜設定されるものであるが、例えばPロートによるフロー値を10±1sec程度に設定すれば、支持体のたわみに良好に追従可能な舗装体を得ることができる。
また、本発明に係る舗装体の構築方法は、たわみ性を有する支持体の上に、埋設物を設置する埋設物設置工程と、前記埋設物が設置された前記床版の上に、少なくとも水とセメントと骨材とを含み、連続空隙を有するセメント混合物を敷設するセメント混合物敷設工程と、前記連続空隙にアスファルトセメントグラウト材を充填するアスファルトセメントグラウト材充填工程と、を含むことを特徴とする。
かかる方法によれば、埋設物が設置された支持体の上に、少なくとも水とセメントと骨材とを含み、連続空隙を有するセメント混合物を敷設することから、セメント混合物が硬化することにより、作業者がセメント混合物の上に立ち入って作業することが可能となる。そのため、セメント混合物の連続空隙にアスファルトセメントグラウト材を注入する作業や、注入し切れなかったアスファルトセメントグラウト材をレーキを用いて掻き出す作業が容易になる。
また、かかる方法によれば、セメント混合物は、敷き均すだけで容易に施工が可能であり、大質量の重機による転圧を必要としないため、埋設物の破損を防止することができる。また、固まる前の状態では、水とセメントと細骨材が潤滑剤の役目を果たすため、セメント混合物層の表面を平坦にすることが容易になる。さらに、アスファルトセメントグラウト材は常温施工が可能なことから、埋設物が熱によって膨張・収縮することがない。そのため、埋設物の体積変化によって舗装体にひび割れなどが生じるおそれがない。
本発明によれば、支持体のたわみに追従可能であり、施工性が良好で、常温施工が可能な舗装体及びその構築方法を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。図1は、本発明に係る舗装体を適用した橋梁を示す斜視断面図である。また、図2は、図1のA部を拡大して示した断面図である。
<橋梁1の構造>
本実施形態に係る橋梁1は、図1に示すように、支持体たる橋桁2と、この橋桁2の上に設置された放熱体たる放熱管3と、橋桁2の上に放熱管3を含んで敷設された舗装体たる支持層4と、支持層4の上に敷設された表層5と、から構成されている。
橋桁2は、複数のセグメント20をPC鋼線(図示省略)等で連結することにより構成されており、2つの橋脚(図示省略)の間に架設されている。
セグメント20は、図1に示すように、断面視逆台形形状を呈するコンクリート製のPC箱桁であり、床版部21と、床版部21から下方に離間した位置に平行に配置された底版部22と、底版部22の両側縁と床版部21の裏面とをそれぞれ斜めに連結する側壁部23,23と、これらに囲まれた空間を隔てるように長手方向に沿って配置された隔壁部24,24と、から構成されている。また、床版部21の両端縁には妻壁25,25が設けられている。セグメント20は、工場あるいは製造ヤードにおいてプレキャスト製造された後、完成された状態で現地に搬入され、先行しているセグメント20に取り付けられる。
放熱管3は、図1に示すように、中空構造を呈する連続した管であり、床版部21の上部に蛇行して配設されている。放熱管3は、その内部に温水などを通流させることにより、周囲の舗装体を暖めて、路面の凍結や積雪を防止する役割を担う。放熱管3を構成する材料は、特に限定されるものではなく、鉄管、鉛管、ステンレス管等の金属製のものや、ナイロン、ポリエチレン、塩化ビニル等のプラスチック製のものを用いることができる。放熱管3の端部は、給湯装置(図示省略)に接続されており、温水が供給されるようになっている。
舗装体たる支持層4は、放熱管3の周囲を被って放熱管3を通行荷重から保護するとともに、その上部に敷設される表層5を支持する層である。支持層4の下部に在る橋桁2は自重および通行荷重によってたわむことから、支持層4には当該橋桁2のたわみに追従して変形する性能(たわみ追従性能)が要求される。
支持層4は、図2に示すように、床版部21の上に敷き均されており、その内部には放熱管3が埋設されている。支持層4は、セメントと水と骨材(細骨材および粗骨材)とを混合したセメント混合物41と、当該セメント混合物41の内部に形成された連続空隙Sに充填されたAC材42と、から構成されている。
セメント混合物41は、図2に示すように、比較的大粒径である多数の粗骨材43を骨格とし、粗骨材43の表面に付着したモルタル44(水とセメントと細骨材とから構成される。)によって粗骨材43,43…同士が仮固定されて構成されている。セメント混合物41は、その内部に連続空隙Sが形成されるように、細骨材と粗骨材の割合や水セメント比等が適宜調節されている。連続空隙Sは、粗骨材43同士が噛み合うことで生じる隙間が連続することによって形成される。連続空隙Sは、支持層41の表面と連通しており、当該表面からAC材43を充填可能になっている。
粗骨材43は、連続空隙Sが確保でき、通常の強度を有していれば石質、サイズ等は特に限定するものではなく、砕石、鉱滓、玉砕、砂利、アスコン破砕材、コンクリート破砕材あるいは、人工焼成骨材、レンガ、タイル等の破砕材、陶磁器粒、エメリー等も使用することができる。好ましくは、粒径5〜13mmの6号砕石が用いられる。
モルタル44は、細骨材とセメントと水とが練り合わされたものであり、粗骨材43の表面に付着して粗骨材43,43同士を固定するものである。かかるモルタル44が硬化することにより、セメント混合物41にある程度の強度が付与される。そのため、後記するAC材42の注入作業において、作業員が硬化したセメント混合物41の上に立ち入ることが可能となる。
アスファルトセメントグラウト材(AC材)42は、セメント混合物41に形成された連続空隙Sに充填される材料であり、セメント、アスファルト乳剤、急硬性混和材、細骨材、凝結調整剤、消泡剤、膨張剤、添加剤、および添加水からなる組成物である。
AC材42は、結合材として、セメントのほかにアスファルト乳剤を含んでいることから、セメントのみの場合に比して、硬化したときの変形性能が大きい。このような特性を有するAC材42でセメント混合物41を一体化することで、たわみ追従性能の良好な支持層4を得ることができる。
なお、AC材42の個々の成分については、後に詳しく説明する。
表層5は、いわゆる排水性舗装であり、図2に示すように、多数の粗骨材51,51…を骨格として、これらがアスファルトモルタル52によって結合されて構成されている。また、表層5は、多数の粗骨材51,51…の間に連続空隙Sを有している。表層5は、表面に降った雨などを連続空隙S内に流入させることにより、排水性舗装として機能する。表層5の空隙率は、車両の交通量に応じて適宜設計され、例えば10%〜35%程度に設定される。
粗骨材51は、連続空隙Sが確保でき、通常の強度を有していれば石質、サイズ等は特に限定するものではなく、砕石、鉱滓、玉砕、砂利、アスコン破砕材、コンクリート破砕材等も使用することができる。好ましくは、粒径5〜13mmの6号砕石が用いられる。
アスファルトモルタル52は、少なくとも細骨材と石粉とアスファルトとを含む組成物である。アスファルトモルタル52は、結合材としてアスファルトを含むことから、ある程度の変形性能(粘弾性)を有しており、これによって結合された表層5は、床版たる橋桁2および支持層4の変形に追従可能になる。アスファルトモルタル52に使用するアスファルトは、特に限定されるものではないが、適宜な添加剤が添加されることで改質された高粘度改質アスファルトを用いるのが好ましい。特に、付着性を高めた付着性改善高粘度改質アスファルトを用いるのが好ましい。このようなアスファルトとしては、例えば大成ロテック社のポーラスファルトP(登録商標)などが挙げられる。
(AC材42の成分)
以下、AC材42の成分について説明する。
AC材42に使用するセメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、耐硫酸塩セメント、超速硬セメント、ジェットセメントなどが挙げられる。
AC材42に使用するアスファルト乳剤は、ノニオン系アスファルト乳剤であって、アスファルトをノニオン系乳化剤、分散剤、安定剤等を使用して水中に乳化分散させて得られるものである。AC材42に使用するアスファルト乳剤は、ポリマー入りのものでも、ポリマー入りでないものでも良いが、ポリマー入りアスファルト乳剤の方が好ましい。
ポリマー入りアスファルト乳剤に用いられる樹脂エマルジョンとしては、SBRエマルジョン、アクリルエマルジョン、EVAエマルジョンなどがある。本発明では、主としてSBRエマルジョンを配合したポリマー入りアスファルト乳剤が好適に使用される。SBRエマルジョンは、弱アルカリ性で、セメントおよびノニオン系アスファルト乳剤との混合性が良好である。
アスファルト乳剤あるいはポリマー入りアスファルト乳剤の使用量は、通常、セメント100質量部に対し20〜210質量部の範囲である。アスファルト乳剤あるいはポリマー入りアスファルト乳剤の使用量が20質量部未満の場合は、AC材42に粘弾性を付与することができない。また、アスファルト乳剤あるいはポリマー入りアスファルト乳剤の使用量が210質量部を超える場合は、AC材42の強度が低下してAC材42を充填した層の支持力を低下させる。
AC材42に使用する急硬性混和材は、カルシウムアルミネートと無水石膏を、質量比で、1:1.4〜2.9の割合で混合して得られる混合物である。この混合物は、セメントに急硬性を付与してAC材42に早期の強度発現を与える。無水石膏の配合比が1.4未満では、急硬性が弱く、また、無水石膏の配合比が2.9を超えると急硬性が強くなりすぎ可使時間のコントロールが難しくなる。急硬性混和材の使用量は、通常、セメント100質量部に対し、0〜70質量部、好ましくは30〜50質量部の範囲である。急硬性混和材の使用量が70を超えると急硬性が強くなりすぎて作業が困難となる。なお、急硬性混和材の使用は必須条件ではなく、AC材42の注入充填後の養生時間に制限がない場合は、使用しない場合がある。
AC材42に使用する細骨材は、川砂、丘砂、山砂、スクリーンニングス、シリカサンド等である。その粒度は、通常、FM値(粗粒率)が1.0〜1.6の範囲が好ましい。FM値が1.0未満の場合は、AC材42が増粘し、充填性が悪くなり、一方、FM値が1.6を超えると材料の分離を起こし易くなる。また、細骨材のかわりに、フライアッシュまたはシリカパウダー等の鉱物質の粉末状材料を使用しても良い。細骨材の使用量は、通常、セメント100質量部に対し、40〜220質量部の範囲である。細骨材の使用量が40質量部未満の場合は、硬化後のAC材42が容積収縮を起こし易くなるのに対して、細骨材の使用量が220質量部を超えると材料分離を起こして作業が難しくなる。
AC材42に使用する凝結調整剤としては、ポリカルボン酸等で、例えば、ジェットセッターなどが挙げられ、AC材42の可使時間の調整に有用である。凝結調整剤の使用量は、通常、セメント100質量部に対し、0〜5質量部の範囲である。凝結調整剤の使用量が5質量部を超えると可使時間は十分であるが早期の強度発現が期待できなくなる。
AC材42に使用する消泡剤は、練混ぜ作業時に大きな不要な泡の導入を除去する目的で添加するもので通常、セメント100質量部に対し、消泡剤0〜1質量部の範囲で用いられる。使用量が1質量部を越えると、効果の割には経済的でない。
AC材42に使用する膨張剤としては、例えば、アルミ粉末が挙げられ、膨張剤は、膨張率の調整のために、セメント100質量部に対し、0〜0.05質量部の範囲で用いられる。使用量が0.05質量部を越えると、AC材42の膨張破壊を起こす恐れがあるので、好ましくない。
AC材42に使用する添加剤には、流動化剤や空気連行剤がある。流動化剤はAC材42の作業性を向上させるためのもので、空気連行剤はAC材42の耐凍害性改善に有効である。その使用量は、通常、セメント100質量部に対して0.1〜3質量部の範囲である。0.1質量部未満では効果がなく、一方、3質量部を越えるとAC材42の材料分離や硬化不良あるいは硬化が著しく阻害され、好ましくない。通常、流動化及び空気連行化を共に付与できる添加剤が使用されるが、それぞれ単独で用いても良く、両者を併用しても良い。
AC材42に使用する添加水としては、通常、セメントに好ましくない有害物を含んでいない淡水であれば如何なるものでも使用できる。例えば、水道水、工業用水、地下水、河川水、湖沼水などである。
<舗装体の構築方法>
つづいて、舗装体の構築方法について説明する。
図3は、舗装体の施工状況を段階的に示した図であり、(a)は埋設物設置工程、(b)はセメント混合物敷設工程をそれぞれ示した断面図である。図4は、舗装体の施工状況を段階的に示した図であり、(a)はAC材充填工程、(b)は表層敷設工程をそれぞれ示した断面図である。
(埋設物設置工程)
はじめに、図3(a)に示すように、床版部21の上に埋設物たる放熱管3を所定間隔で配置する。このとき、この後の工程で放熱管3が動かないように、例えば取付金具(図示省略)等を用いて放熱管3を床版部21に固定するのが好ましい。
(セメント混合物敷設工程)
つぎに、図3(b)に示すように、床版部21の上にセメント混合物41を敷き均して、放熱管3を埋設する。敷き均されたセメント混合物41は、粗骨材43の表面に付着したモルタル44が硬化することにより、粗骨材43,43同士が固定され、所定の強度を発揮する。これにより、セメント混合物41の上に作業者が立ち入ることが可能となる。また、固定された粗骨材43,43の隙間が連続空隙Sとなる。
(アスファルトセメントグラウト材充填工程)
セメント混合物41が硬化したら、図4(a)に示すように、配管PからAC材42を吐出させて、セメント混合物41の上面から連続空隙Sの内部にAC材42を充填する。
このとき、セメント混合物41は、モルタル44によってある程度の強度を付与されていることから、セメント混合物41の上部に作業者が立ち入って、配管Pの切り回し作業、および、充填し切れなかったAC材42のレーキ(図示せず)による掻き出し作業などを行うことができる。また、AC材42は、急硬性混和材および凝結調整剤によって硬化時間および凝結時間が調節されていることから、連続空隙Sの隅々まで行き渡った後に凝結・硬化することとなる。さらに、AC材42は、常温施工可能であることから、セメント混合物41に埋設された放熱管3が熱によって膨張・収縮することがない。そのため、セメント混合物41のひび割れを防止することができる。
また、AC材42が硬化すると、セメント混合物41の粗骨材43,43がAC材42によって一体化され、支持層4が形成されることとなる。硬化したAC材42は、変形性能(粘弾性)が高いことから、支持層4も高い変形性能を有することとなり、橋桁2の変形(たわみ)に追従可能となる。なお、粗骨材43,43同士を仮固定していたモルタル44は、それほど大きな強度を有しないことから、支持層4のたわみ追従性能が損なわれることはない。
(表層敷設工程)
AC材42が硬化したら、図4(b)に示すように、互いに混練された粗骨材51とアスファルトモルタル52とを支持層4の上に敷き均し、振動ローラRなどを用いて所定の厚さに締め固める。このとき、支持層4は十分な強度を有するまでに硬化しているので、放熱管3が破損するおそれがない。
また、表層5は連続空隙Sを有することから、いわゆる排水性舗装となる。そのため、路面に降った雨水等は、連続空隙Sの内部に通流されるので、路面に水溜りなどが生じにくい。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明に係る舗装体の主要な構成要素であるセメント混合物41について配合試験をおこなった。また、当該セメント混合物41の連続空隙SにAC材42を充填して構成した舗装体(支持層4)についてたわみ追従性能を確認する試験を行った。
(セメント混合物41)
セメント混合物41について、空隙率30%以上、一軸圧縮強度1.0kg/cm2(0.1N/mm2)程度を目標として配合試験を行った。ここで、一軸圧縮強度1.0kg/cm2(0.1N/mm2)程度を目標としたのは、AC材42の充填時に作業員が載っても壊れない強度であってAC材42を充填した後にそのたわみ追従性能を損なわない程度とするためである。
なお、細骨材と粗骨材の比率を1:9程度にするとともに、単位水量を50kg/m3程度にすると空隙率を30%以上にできるという目安をつけてから、本試験を行った。表1に試験を行った配合の一覧を示す。
Figure 2006299729
上記の配合No.1〜4について試験を行ったところ、すべての配合で空隙率30%以上となった。また、すべての配合において一軸圧縮強度1.0kg/cm2(0.1N/mm2)以上となった。特に、配合No.3、4については、一軸圧縮強度1.0kg/cm2(0.1N/mm2)程度となった。
(舗装体のたわみ追従性能)
つぎに、上記配合No.3のように配合したセメント混合物41を厚さ5cmに敷き均し、約1日養生した後、これにアスファルトセメントグラウト材を充填し、幅30cm×奥行10cmに切り出して、直方体形状の供試体を作成した。そして、この供試体を20cm離間させた2つの支点の上に左右対称に設置し、2支点間の中心に載荷して単純曲げ試験を行った。
試験に使用したアスファルトセメントグラウト材の配合を表2に示す。なお、セメントと細砂(8号硅砂)の質量比は6:4である。
Figure 2006299729
なお、上記の単純曲げ試験は、日本道路協会が出版する「舗装試験法便覧」に則って行ったものである。また、目標とする性能を表3に示す。ここでは、本州四国連絡橋公団の基準値を目標値とした。
Figure 2006299729
試験の結果、曲げ破断ひずみは、平均で8.24×10-3、最小でも7.27×10-3となった。これらの値から、本発明に係る舗装体の支持層は、本州四国連絡橋公団で規定する鋼床版上改質アスファルトの基準値以上であり、鋼床版上グースアスファルトと比較しても遜色ないたわみ追従性能を有することが確認された。
以上、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である.
例えば、本実施形態においては、床版たる橋桁2として、コンクリート製のPC箱桁(セグメント20)を適用したが、鋼床版であってもよい。
また、本実施形態においては、表層5として排水性舗装を適用したが、これに限られるものではなく、通常の舗装であってもよいし、保水性舗装などの特殊な舗装であってもよい。これらの舗装としては、たわみ追従性を備えていることが望ましい。
また、本実施形態においては、埋設物として放熱管3を適用したが、これに限られるものではなく、電熱線などの他の放熱体でもよいし、電線や通信線などのケーブルを挿通する配管であってもよい。さらには、雨水等を排水するための配管等であってもよい。
また、本実施形態においては、床版部21の上に直接的に支持層4を敷設したが、支持層4の変形性能を損なわないものであれば、床版部21と支持層4との間に何らかの層が介在してもよい。
また、本実施形態では、床版部21の上に放熱管3を配設してから、床版部21の上部全体にセメント混合物41を敷設したが、本発明はこれに限られるものではなく、放熱管3を配設するスペースを残して床版部21の上にセメント混合物41を敷設した後、当該スペースに放熱管3を配設し、さらに当該スペースにセメント混合物41を敷設して放熱管3を埋設してもよい。かかる手順も本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。埋設物を配設するスペースを残す方法としては、例えば型枠による箱抜きなどが考えられる。
本発明に係る舗装体を適用した橋梁を示す斜視断面図である。 図1のA部を拡大して示した断面図である。 舗装体の施工状況を段階的に示した図であり、(a)は埋設物設置工程、(b)はセメント混合物敷設工程をそれぞれ示した断面図である。 舗装体の施工状況を段階的に示した図であり、(a)はAC材充填工程、(b)は表層敷設工程をそれぞれ示した断面図である。
符号の説明
1 橋梁
2 橋桁(支持体)
20 セグメント
3 放熱管(埋設物)
4 支持層(舗装体)
41 セメント混合物
42 アスファルトセメントグラウト材
43 粗骨材
44 モルタル
5 表層
51 粗骨材
52 アスファルトモルタル
S 連続空隙

Claims (5)

  1. たわみ性を有する支持体の上に敷設され、少なくとも水とセメントと細骨材と粗骨材とを含み、連続空隙を有するセメント混合物と、
    前記セメント混合物に埋設された埋設物と、
    前記連続空隙に充填されたアスファルトセメントグラウト材と、を備えることを特徴とする舗装体。
  2. 前記支持体は、2地点間に架設された床版であることを特徴とする請求項1に記載の舗装体。
  3. 前記アスファルトセメントグラウト材は、少なくともセメントとアスファルト乳剤と細骨材とを含んでなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の舗装体。
  4. たわみ性を有する支持体の上に、埋設物を設置する埋設物設置工程と、
    前記埋設物が設置された前記床版の上に、少なくとも水とセメントと骨材とを含み、連続空隙を有するセメント混合物を敷設するセメント混合物敷設工程と、
    前記連続空隙にアスファルトセメントグラウト材を充填するアスファルトセメントグラウト材充填工程と、を含むことを特徴とする舗装体の構築方法。
  5. 前記支持体は、2地点間に架設された床版であることを特徴とする請求項4に記載の舗装体の構築方法。
JP2005126127A 2005-04-25 2005-04-25 舗装体及びその構築方法 Pending JP2006299729A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005126127A JP2006299729A (ja) 2005-04-25 2005-04-25 舗装体及びその構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005126127A JP2006299729A (ja) 2005-04-25 2005-04-25 舗装体及びその構築方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006299729A true JP2006299729A (ja) 2006-11-02

Family

ID=37468350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005126127A Pending JP2006299729A (ja) 2005-04-25 2005-04-25 舗装体及びその構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006299729A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110499692A (zh) * 2018-05-17 2019-11-26 无锡市城市道桥科技有限公司 一种灌入式复合路面施工方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5592404A (en) * 1978-12-28 1980-07-12 Sho Bond Const Bridge antifreeze method
JPS61250203A (ja) * 1985-04-27 1986-11-07 興和地下建設株式会社 融雪装置
JPH08209613A (ja) * 1995-02-03 1996-08-13 Taisei Rotetsuku Kk 路面温度の上昇抑制機能を有する舗装体
JPH1018567A (ja) * 1996-07-08 1998-01-20 Abc Trading Co Ltd 防滑性耐久床材
JP2002371512A (ja) * 2001-06-18 2002-12-26 Taisei Rotec Corp 融雪機能を備えたブロック舗装の構築方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5592404A (en) * 1978-12-28 1980-07-12 Sho Bond Const Bridge antifreeze method
JPS61250203A (ja) * 1985-04-27 1986-11-07 興和地下建設株式会社 融雪装置
JPH08209613A (ja) * 1995-02-03 1996-08-13 Taisei Rotetsuku Kk 路面温度の上昇抑制機能を有する舗装体
JPH1018567A (ja) * 1996-07-08 1998-01-20 Abc Trading Co Ltd 防滑性耐久床材
JP2002371512A (ja) * 2001-06-18 2002-12-26 Taisei Rotec Corp 融雪機能を備えたブロック舗装の構築方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110499692A (zh) * 2018-05-17 2019-11-26 无锡市城市道桥科技有限公司 一种灌入式复合路面施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5957619A (en) Method of constructing block pavement
JP6025167B2 (ja) コンクリート床版アスファルト舗装路面の補修方法及びポリマーセメントモルタル
KR100869080B1 (ko) 수지몰탈 조성물 및 상기 조성물을 이용하여 포장된 구조물
KR100809006B1 (ko) 콘크리트 포장방법
JP3962150B2 (ja) スラブ式軌道の補修材料及び補修方法
JP6542015B2 (ja) コンクリート舗装構造体の施工方法
JP2005068887A (ja) 透水性舗装構造
WO1995035415A1 (en) A method of producing a reinforced concrete structure
JP2005068956A (ja) 舗装体およびその施工方法
JP2006299729A (ja) 舗装体及びその構築方法
JP2013142252A (ja) ブロック舗装の施工方法及びブロック舗装構造
KR101288346B1 (ko) 폴리머 개질 시멘트 콘크리트 조성물, 그 제조방법, 상기 조성물을 이용한 콘크리트 포장공법 및 콘크리트 구조물의 유지보수공법
JP4456984B2 (ja) 保水性コンクリート部材
JP2909929B2 (ja) ブロック舗装の構築方法
JP7191445B2 (ja) インターロッキングブロック舗装
JP4548976B2 (ja) 融雪機能を備えたブロック舗装の構築方法
JP2016199904A (ja) 床版構造体の施工方法
KR100408895B1 (ko) 교량의 신축이음 시공방법
JPH10325107A (ja) 小規模舗装復旧工事における舗装補修構造と舗装補修工法
JP6383342B2 (ja) ブロック舗装構造およびその構築方法
KR102459689B1 (ko) 섬유보강 고강도 후타재 모르타르 조성물
RU2206657C1 (ru) Способ бетонирования аэродромных и дорожных покрытий
JP3035843B2 (ja) 滑走路における誘導灯の補修固定方法
CA2207074C (en) Method of constructing block pavement
CN221142521U (zh) 一种盖板涵基底垫层结构

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Effective date: 20090717

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20100216

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20100615

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02