JP2006299419A - 軸受部品の熱処理方法、軸受部品および転がり軸受 - Google Patents

軸受部品の熱処理方法、軸受部品および転がり軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】高度の耐割れ強度と寸法安定性とを有し、転動疲労寿命に優れた軸受部品の熱処理方法、軸受部品および転がり軸受を提供する。
【解決手段】軸受部品の熱処理方法は、鋼からなる軸受部品を、A1変態点以上の温度である浸炭窒化処理温度で浸炭窒化処理した後、A1変態点未満の温度に冷却し、その後、A1変態点以上であって、浸炭窒化処理温度未満の焼入れ加熱温度に再加熱し、焼入れを行なう。そして、焼入れ加熱温度は、815℃以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、減速機、ドライブピニオン、トランスミッション用軸受などに用いられる軸受部品の熱処理方法、軸受部品および転がり軸受に関し、転動疲労特性が長寿命で、高度の耐割れ強度や耐経年寸法変化を有する軸受部品の熱処理方法、軸受部品および転がり軸受に関するものである。
軸受部品の転動疲労に対して長寿命を与える熱処理方法として、焼入れ加熱時の雰囲気RXガス中にさらにアンモニアガスを添加するなどして、その軸受部品の表層部に浸炭窒化処理を施す方法がある(たとえば、特許文献1および2参照)。この浸炭窒化処理法を用いることにより、表層部を硬化させ、ミクロ組織中に残留オーステナイトを生成させ、転動疲労寿命を向上させることができる。
特開平8−4774号公報 特開平11−101247号公報
しかしながら、上記の浸炭窒化処理方法は炭素および窒素を拡散させる拡散処理であるため、長時間高温に保持する必要がある。このため、組織が粗大化する等して耐割れ強度の向上を図ることは困難である。また、残留オーステナイトの増加による経年寸法変化率の増大も問題となる。
一方、転動疲労に対して長寿命を確保し、割れ強度を向上させ、経年寸法変化率の増大を防ぐために、鋼の合金設計により組成を調整することによって対処することが可能である。しかし合金設計によると、原材料コストが高くなるなどの問題点が発生する。
今後の軸受部品には、使用環境の高荷重化、高温化に伴い、従来よりも、大きな荷重条件でかつより高温で使用できる特性を備えることが要求される。このため、高強度で、転動疲労特性が長寿命で、高度の耐割れ強度と寸法安定性とを有する軸受部品が必要になる。
本発明は、高度の耐割れ強度と寸法安定性とを有し、転動疲労寿命に優れた軸受部品の熱処理方法、軸受部品および転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明に従った軸受部品の熱処理方法は、鋼からなる軸受部品を、A1変態点以上の温度である浸炭窒化処理温度で浸炭窒化処理した後、A1変態点未満の温度に冷却し、その後、A1変態点以上であって、浸炭窒化処理温度未満の焼入れ加熱温度に再加熱し、焼入れを行なう。そして、焼入れ加熱温度は、815℃以下である。
上記軸受部品の熱処理方法において好ましくは、焼入れ加熱温度は800℃以上815℃以下である。
本発明に従った軸受部品は、上記本発明に従った軸受部品の熱処理方法により熱処理されている。そして、上記鋼のオーステナイト結晶粒の結晶粒度番号が11番以上である。
本発明に従った転がり軸受は、外輪、内輪および転動体の少なくとも1つは、上記本発明に従った軸受部品である。
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態における転がり軸受を示す概略断面図である。図1において、この転がり軸受10は、外輪1と、内輪2と、転動体3とを主に有している。図面はラジアル軸受を表しているが、玉軸受、円すいころ軸受、ころ軸受、ニードルころ軸受も同様に本発明の実施の形態の対象になる。転動体3は、外輪1と内輪2との間に配置された保持器により転動可能に支持されている。
次に、これら転がり軸受の外輪、内輪および転動体の少なくとも1つの軸受部品に行なう浸炭窒化処理を含む熱処理について説明する。図2は、本発明の実施の形態における熱処理方法を説明する図である。また、図3は、本発明の実施の形態における熱処理方法の変形例を説明する図である。図2は1次焼入れおよび2次焼入れを行なう方法を示す熱処理パターンであり、図3は焼入れ途中で材料をA1変態点温度未満に冷却し、その後、再加熱して最終的に焼入れる方法を示す熱処理パターンである。どちらも本発明の実施の態様例である。これらの図において、処理T1では鋼の素地に炭素や窒素を拡散させまた炭素の溶け込みを十分に行なった後、A1変態点未満に冷却する。次に、図中の処理T2において、処理T1よりも低温に再加熱し、そこから油焼入れを施す。
上記の熱処理を普通焼入れ、すなわち浸炭窒化処理に引き続いてそのまま1回焼入れするよりも、表層部分を浸炭窒化しつつ、割れ強度を向上させ、経年寸法変化率を減少することができる。上述したように、上記の熱処理方法によれば、オーステナイト結晶粒の粒径を従来の2分の1以下となるミクロ組織を得ることができる。上記の熱処理を受けた軸受部品は、転動疲労特性が長寿命であり、割れ強度を向上させ、経年寸法変化率も減少させることができる。
図4は軸受部品のミクロ組織、とくにオーステナイト粒を示す図である。図4(a)は本発明例の軸受部品であり、図4(b)は従来の軸受部品である。すなわち、上記図2に示す熱処理パターンを適用した軸受鋼のオーステナイト結晶粒度を図4(a)に示す。また、比較のため、従来の熱処理方法による軸受鋼のオーステナイト結晶粒度を図4(b)に示す。また、図5(a)および図5(b)は、上記図4(a)および図4(b)を図解したオーステナイト結晶粒界を示す図である。これらオーステナイト結晶粒度を示す組織より、従来のオーステナイト粒径はJIS規格の粒度番号で10番であり、また本発明による熱処理方法によれば12番の細粒を得ることができる。また、図4(a)の平均粒径は、切片法で測定した結果、5.6μmであった。
JIS規格SUJ2材(1.0重量%C−0.25重量%Si−0.4重量%Mn−1.5重量%Cr)を用いて、本発明の実施例1を行なった。表1に示した各試料の製造履歴を以下に示す。
Figure 2006299419
(試料A〜D;本発明例):浸炭窒化処理850℃、保持時間150分間。雰囲気は、RXガスとアンモニアガスとの混合ガスとした。図2に示す熱処理パターンにおいて、浸炭窒化処理温度850℃から1次焼入れを行ない、次いで浸炭窒化処理温度より低い温度域780℃〜830℃に加熱して2次焼入れを行なった。ただし、2次焼入温度780℃の試料Aは焼入不足のため試験の対象から外した。
(試料E、F;比較例):浸炭窒化処理は、本発明例A〜Dと同じ履歴で行ない、2次焼入れ温度を浸炭窒素処理温度850℃以上の850℃〜870℃で行なった。
(従来浸炭窒化処理品;比較例):浸炭窒化処理850℃、保持時間150分間。雰囲気は、RXガスとアンモニアガスとの混合ガスとした。浸炭窒化処理温度からそのまま焼入れを行ない、2次焼入れは行なわなかった。
(普通焼入れ品;比較例):浸炭窒化処理を行なわずに、850℃に加熱して焼き入れた。2次焼入れは行なわなかった。
上記の試料に対して、(1)水素量の測定、(2)結晶粒度の測定、(3)シャルピー衝撃試験、(4)破壊応力値の測定、(5)転動疲労試験、の各試験を行なった。次にこれらの試験方法について説明する。
I 実施例1の試験方法
(1)水素量の測定
水素量は、LECO社製DH−103型水素分析装置により、鋼中の非拡散性水素量を分析した。拡散性水素量は測定してない。このLECO社製DH−103型水素分析装置の仕様を下記に示す。
分析範囲:0.01〜50.00ppm
分析精度:±0.1ppmまたは±3%H(いずれか大なるほう)
分析感度:0.01ppm
検出方式:熱伝導度法
試料重量サイス゛:10mg〜35g(最大:直径12mm×長さ100mm)
加熱炉温度範囲:50℃〜1100℃
試薬:アンハイドロン Mg(ClO42 、 アスカライト NaOH
キャリアガス:窒素ガス、ガスドージングガス:水素ガス、いずれのガスも純度99.99%以上、圧力40PSI(2.8kgf/cm2)である。
測定手順の概要は以下のとおりである。専用のサンプラーで採取した試料をサンプラーごと上記の水素分析装置に挿入する。内部の拡散性水素は窒素キャリアガスによって熱伝導度検出器に導かれる。この拡散性性水素は本実施例では測定しない。次に、サンプラーから試料を取出し抵抗加熱炉内で加熱し、非拡散性水素を窒素キャリアガスによって熱伝導度検出器に導く。熱伝導度検出器において熱伝導度を測定することによって非拡散性水素量を知ることができる。
(2)結晶粒度の測定
結晶粒度の測定は、JIS G 0551の鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法に基づいて行なった。
(3)シャルピー衝撃試験
シャルピー衝撃試験は、JIS Z 2242の金属材料のシャルピー衝撃試験方法に基づいて行なった。試験片は、JIS Z 2202に示されたUノッチ試験片(JIS3号試験片)を用いた。
(4)破壊応力値の測定
図6は、静圧壊強度試験(破壊応力値の測定)の試験片を示す図である。図中のP方向に荷重を負荷して破壊されるまでの荷重を測定する。その後、得られた破壊荷重を、下記に示す曲がり梁の応力計算式により応力値に換算する。なお、試験片は図6に示す試験片に限られず、他の形状の試験片を用いてもよい。
図6の試験片の凸表面における繊維応力をσ1、凹表面における繊維応力をσ2とすると、σ1およびσ2は下記の式によって求められる(機械工学便覧A4編材料力学A4−40)。ここで、Nは円環状試験片の軸を含む断面の軸力、Aは横断面積、e1は外半径、e2は内半径を表す。また、κは曲がり梁の断面係数である。
σ1=(N/A)+{M/(Aρo)}[1+e1/{κ(ρo+e1)}]
σ2=(N/A)+{M/(Aρo)}[1−e2/{κ(ρo−e2)}]
κ=−(1/A)∫A{η/(ρo+η)}dA
(5)転動疲労試験
転動疲労寿命試験の試験条件を表2に示す。また、図7は、転動疲労寿命試験機の概略図である。図7(a)は正面図であり、図7(b)は側面図である。図7(a)および(b)において、転動疲労寿命試験片21は、駆動ロール11によって駆動され、ボール13と接触して回転している。ボール13は、(3/4)”のボールであり、案内ロールにガイドされて、転動疲労寿命試験片21との間で高い面圧を及ぼし合いながら転動する。
II 実施例1の試験結果
(1)水素量
浸炭窒化処理したままの従来浸炭窒化処理品は、0.72ppmと非常に高い値となっている。これは、浸炭窒化処理の雰囲気に含まれるアンモニア(NH3)が分解して水素が鋼中に侵入したためと考えられる。これに対して、試料B〜Dは、水素量は0.37〜0.40ppmと半分近くにまで減少している。この水素量は普通焼入れ品と同じレベルである。
上記の水素量の低減により、水素の固溶に起因する鋼の脆化を軽減することができる。すなわち、水素量の低減により、本発明例の試料B〜Dのシャルピー衝撃値は大きく改善されている。
(2)結晶粒度
結晶粒度は2次焼入れ温度が、浸炭窒化処理時の焼入れ(1次焼入れ)の温度より低い場合、すなわち試料B〜Dの場合、オーステナイト粒は、結晶粒度番号11〜12と顕著に微細化されている。試料EおよびFならびに従来浸炭窒化処理品および普通焼入品のオーステナイト粒は、結晶粒度番号10であり、本発明例の試料B〜Dより粗大な結晶粒となっている。
(3)シャルピー衝撃試験
表1によれば、従来浸炭窒化処理品のシャルピー衝撃値は5.33J/cm2であるのに比して、本発明例の試料B〜Dのシャルピー衝撃値は6.30〜6.65J/cm2と高い値が得られている。この中でも、2次焼入れ温度が低いほうがシャルピー衝撃値が高くなる傾向を示す。普通焼入品のシャルピー衝撃値は6.70J/cm2と高い。
(4)破壊応力値の測定
上記破壊応力値は、耐割れ強度に相当する。表1によれば、従来浸炭窒化処理品は2330MPaの破壊応力値となっている。これに比して、試料B〜Dの破壊応力値は2650〜2840MPaと改善された値が得られる。普通焼入品の破壊応力値は2770MPaであり、試料B〜Fの破壊応力値と同等である。このような、試料B〜Dの改良された耐割れ強度は、オーステナイト結晶粒の微細化と並んで、水素含有率の低減による効果が大きいと推定される。
(5)転動疲労試験
表1によれば、普通焼入品は浸炭窒化層を表層部に有しないことを反映して、転動疲労寿命L10は最も低い。これに比して従来浸炭窒化処理品の転動疲労寿命は3.1倍となる。試料B〜Dの転動疲労寿命は従来浸炭窒化処理品より大幅に向上する。本発明の試料E,Fは、従来浸炭窒化処理品とほぼ同等である。
上記をまとめると、本発明例の試料B〜Dは、水素含有率が低下し、オーステナイト結晶粒度が11番以上に微細化され、シャルピー衝撃値、耐割れ強度および転動疲労寿命も改善される。
次に実施例2について説明する。下記のA材、B材およびC材について、一連の試験を行なった。熱処理用素材には、JIS規格SUJ2材(1.0重量%C−0.25重量%Si−0.4重量%Mn−1.5重量%Cr)を用い、A材〜C材に共通とした。A材〜C材の製造履歴は次のとおりである。
(A材:比較例):普通焼入れのみ(浸炭窒化処理せず)。
(B材:比較例):浸炭窒化処理後にそのまま焼き入れる(従来の浸炭窒化焼入れ)。浸炭窒化処理温度845℃、保持時間150分間。浸炭窒化処理の雰囲気は、RXガス+アンモニアガスとした。
(C材:本発明例):図2の熱処理パターンを施した軸受鋼。浸炭窒化処理温度845℃、保持時間150分間。浸炭窒化処理の雰囲気は、RXガス+アンモニアガスとした。最終焼入れ温度は800℃とした。
(1)転動疲労寿命
転動疲労寿命試験の試験条件および試験装置は、上述したように、表2および図7に示すとおりである。この転動疲労寿命試験結果を表3に示す。
Figure 2006299419
Figure 2006299419
表3によれば、比較例のB材は、同じく比較例で普通焼入れのみを施したA材のL10寿命(試験片10個中1個が破損する寿命)の3.1倍を示し、浸炭窒化処理による長寿命化の効果が認められる。これに対して、本発明例のC材は、B材の1.74倍、またA材の5.4倍の長寿命を示している。この改良の主因はミクロ組織の微細化によるものと考えられる。
(2)シャルピー衝撃試験
シャルピー衝撃試験は、Uノッチ試験片を用いて、上述のJISZ2242に準じた方法により行なった。試験結果を表4に示す。
Figure 2006299419
浸炭窒化処理を行なったB材(比較例)のシャルピー衝撃値は、普通焼入れのA材(比較例)より高くないが、C材はA材と同等の値が得られた。
(3)静的破壊靭性値の試験
図8は、静的破壊靭性試験の試験片を示す図である。この試験片のノッチ部に、予き裂を約1mm導入した後に、3点曲げによる静的荷重を加え、破壊荷重Pを求めた。破壊靭性値(KIc値)の算出には次に示す(I)式を用いた。また、試験結果を表5に示す。
Ic=(PL√a/BW2){5.8−9.2(a/W)+43.6(a/W)2−75.3(a/W)3+77.5(a/W)4}…(I)
Figure 2006299419
予き亀裂深さが浸炭窒化層深さよりも大きくなったため、比較例のA材とB材とには違いはない。しかし、本発明例のC材は比較例に対して約1.2倍の値を得ることができた。
(4)静圧壊強度試験(破壊応力値の測定)
静圧壊強度試験片は、上述のように図6に示す形状のものを用いた。図中、P方向に荷重を付加して、静圧壊強度試験を行なった。試験結果を表6に示す。
Figure 2006299419
浸炭窒化処理を行なっているB材は普通焼入れのA材よりもやや低い値である。しかしながら、本発明のC材は、B材よりも静圧壊強度が向上し、A材と遜色ないレベルが得られている。
(5)経年寸法変化率
保持温度130℃、保持時間500時間における経年寸法変化率の測定結果を、表面硬度、残留オーステナイト量(0.1mm深さ)と併せて表7に示す。
Figure 2006299419
残留オーステナイト量の多いB材の寸法変化率に比べて、本発明例のC材は2分の1以下に抑制されていることがわかる。
(6)異物混入潤滑下における寿命試験
玉軸受6206を用い、標準異物を所定量混入させた異物混入潤滑下での転動疲労寿命を評価した。試験条件を表8に、また試験結果を表9に示す。
Figure 2006299419
Figure 2006299419
A材に比べ、従来の浸炭窒化処理を施したB材は約2.5倍になり、また、本発明例のC材は約2.3倍の長寿命が得られた。本発明例のC材は、比較例のB材に比べて残留オーステナイトが少ないものの、窒素の侵入と微細化されたミクロ組織の影響でほぼ同等の長寿命が得られている。
上記の結果より、本発明例のC材、すなわち本発明の熱処理方法によって製造された軸受部品は、従来の浸炭窒化処理では困難であった転動疲労寿命の長寿命化、割れ強度の向上、経年寸法変化率の低減の3項目を同時に満足することができることがわかった。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態における転がり軸受を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態における熱処理方法を説明する図である。 本発明の実施の形態における熱処理方法の変形例を説明する図である。 軸受部品のミクロ組織、とくにオーステナイト粒を示す図である。(a)は本発明例の軸受部品であり、(b)は従来の軸受部品である。 (a)は図4(a)を図解したオーステナイト粒界を示し、(b)は図4(b)を図解したオーステナイト粒界を示す。 静圧壊強度試験(破壊応力値の測定)の試験片を示す図である。 転動疲労寿命試験機の概略図である。(a)は正面図であり、(b)は側面図である。 静的破壊靭性試験の試験片を示す図である。
符号の説明
1 外輪、2 内輪、3 転動体、10 転がり軸受、11 駆動ロール、12 案内ロール、13 (3/4)”ボール、21 転動疲労寿命試験片、T1 浸炭窒化処理温度、T2 焼入れ加熱温度。

Claims (4)

  1. 鋼からなる軸受部品を、A1変態点以上の温度である浸炭窒化処理温度で浸炭窒化処理した後、A1変態点未満の温度に冷却し、その後、前記A1変態点以上であって、前記浸炭窒化処理温度未満の焼入れ加熱温度に再加熱し、焼入れを行ない、
    前記焼入れ加熱温度は、815℃以下である、軸受部品の熱処理方法。
  2. 前記焼入れ加熱温度は、800℃以上815℃以下である、請求項1に記載の軸受部品の熱処理方法。
  3. 前記請求項1または2に記載の軸受部品の熱処理方法により熱処理され、前記鋼のオーステナイト結晶粒の結晶粒度番号が11番以上である、軸受部品。
  4. 外輪、内輪および転動体の少なくとも1つは、請求項3に記載の軸受部品である、転がり軸受。
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