JP2006299199A - 光学フィルム用樹脂組成物及び光学フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メタロセン系触媒及び助触媒を用いて重合されてなる熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含有する光学フィルム用樹脂組成物であって、前記メタロセン系触媒に由来する金属の含有量が0.1ppm以下、かつ、助触媒に由来する金属の含有量が5ppm以下である光学フィルム用樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
以下に本発明を詳述する。
光学フィルム用樹脂組成物に重合時の触媒に由来する金属が含まれると、脱溶剤工程やペレタイズ工程等の高温プロセスにおいてゲルの発生を促進し、成形後に得られるフィルムに、ゲルに由来する欠点が生じる原因となる。
本発明の光学フィルム用樹脂組成物は、メタロセン系触媒に由来する金属及び助触媒に由来する金属の含有量が上記範囲内であることから、成形後に得られる光学フィルムに欠点が発生することなく、光学特性に優れた光学フィルムを得ることができる。
なお、上記メタロセン系触媒に由来する金属の含有量は、ICP発光分析を行うことにより測定することができる。
なお、上記助触媒に由来する金属の含有量は、ICP発光分析を行うことにより測定することができる。
上記アルミノキサンとしては、例えば、下記一般式(1)で表される線状及び/又は下記一般式(2)で表される環状のアルミノキサン等を用いることができる。
なお、上記ノルボルネン系モノマーと非環状オレフィンモノマーとからなる共重合体は、メタロセン系触媒及び助触媒に由来する金属の存在下で特異な分解機構を示すことよって、ゲルが発生しやすくなると考えられ、このような機構によって発生したゲルが、ポリマーフィルタを用いた除去・粉砕を行った場合に目詰まりの要因となるが、本発明の光学フィルム用樹脂組成物では、メタロセン系触媒及び助触媒に由来する金属の含有量が少なく、かつ、ポリマーフィルタを用いた除去処理を行う必要もないことから、上記ノルボルネン系モノマーと非環状オレフィンモノマーとからなる共重合体を熱可塑性ノルボルネン系樹脂として用いることにより、本発明の効果を充分に発揮することができる。
なお、上記数平均分子量は、クロロホルムに溶解した試料を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置を用いて、40℃にて測定し、標準ポリスチレンの分子量に換算することにより求めることができる。
本発明の光学フィルム用樹脂組成物を製造する場合は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の合成プロセス中でメタロセン系触媒及び助触媒に由来する金属の含有量を基準値以下とすることが好ましいが、ペレット化を行った後に基準値を超えるメタロセン系触媒及び助触媒に由来する金属が残留する場合は、他の方法によって金属を除去する必要がある。
(1)メタロセン系触媒及び助触媒を用いた熱可塑性ノルボルネン系重合体の合成
3Lのオートクレーブに、ノルボルネンを85重量%含有するデカリン溶液1.8Lを導入し、エチレンを徐々に加圧しながら導入して、内圧が0.7MPaで平衡となるようにした。次に、メチルアルミノキサン(アルドリッチ社製)の10%トルエン溶液を15mL反応器に導入した後、更にジメチルシリル−ビス−(2−メチル−ベンズインデニル)−ジルコニウム−ジクロライド0.3mgを反応容器へ導入し、溶解させた
次いで、反応容器を70℃で加熱、攪拌しながら1時間反応させた。このとき、エチレンの圧力を0.7MPaに保持した。反応終了後、反応溶液を多量のアセトン溶液へ再沈殿させ、白色の固体を濾別した。得られた固体をグラスフィルター上に入れ、10重量%の塩酸とアセトンとで交互に洗浄し、熱可塑性ノルボルネン系重合体を得た。
80℃に加熱したメチルシクロヘキサン97.5重量部に対して、得られた熱可塑性ノルボルネン重合体2.5重量部を添加して、樹脂溶液を調製し、孔径3μmのPTFEフィルタを用いて濾過を行った。得られた溶液について、エバポレーターを用いて溶媒を除去した後、真空オーブンを用いて130℃で2時間乾燥することにより、光学フィルム用ノルボルネン系樹脂を得た。
次いで、トルエン75重量部に対して得られた光学フィルム用ノルボルネン系樹脂25重量部を添加して、トルエン溶液を調製した後、キャスト法により光学フィルムを作製した。
実施例1で得られた熱可塑性ノルボルネン系重合体を原料として、プラスト押出機(東洋精機社製)によりペレタイズを行い、樹脂ペレットを得た。得られた樹脂ペレットを用いて実施例1と同様の濾過工程を行うことにより、光学フィルムを得た。
熱可塑性ノルボルネン系重合体をメチルシクロヘキサンに溶解して濾過する工程を行わず、そのまま光学フィルム用ノルボルネン系樹脂として用いた以外は、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
実施例1、2及び比較例1で得られた光学フィルム用ノルボルネン系樹脂、樹脂ペレット及び光学フィルムについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で用いた光学フィルム用ノルボルネン系樹脂及び樹脂ペレットについて、ICP分光分析装置を用いてICP発光分析を行うことにより、ジルコニウム及びアルミニウムの含有量を測定した。
実施例1及び2の濾過工程において、フィルタ上に捕捉されたゲルの重量を測定し、濾過に用いた樹脂の量から、ゲル分率を算出した。
得られた光学フィルムの表面を目視にて観察し、100μm以上の大きさの欠点をカウントした。なお、欠点数は20cm×25cmの枚葉を5枚測定したものの平均値を、m2あたりに換算したものとした。
また、実施例1で得られた光学フィルムと比較例1で得られた光学フィルムとを比較すると、濾過工程において除去したゲル成分中に、金属成分が含まれていることがわかる。これは金属成分がゲル発生の原因となっていることを示唆しているものといえる。
Claims (5)
- メタロセン系触媒及び助触媒を用いて重合されてなる熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含有する光学フィルム用樹脂組成物であって、
前記メタロセン系触媒に由来する金属の含有量が1ppm以下、かつ、助触媒に由来する金属の含有量が10ppm以下である
ことを特徴とする光学フィルム用樹脂組成物。 - 熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン系モノマーとオレフィン系モノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルム用樹脂組成物。
- メタロセン系触媒に由来する金属は、ジルコニウムであることを特徴とする請求項1又は2記載の光学フィルム用樹脂組成物。
- 助触媒に由来する金属は、アルミニウムであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の光学フィルム用樹脂組成物。
- 請求項1、2、3又は4記載の光学フィルム用樹脂組成物を用いてなることを特徴とする光学フィルム。
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JP2005126639A JP2006299199A (ja) | 2005-04-25 | 2005-04-25 | 光学フィルム用樹脂組成物及び光学フィルム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011158677A1 (ja) | 2010-06-15 | 2011-12-22 | コニカミノルタオプト株式会社 | 太陽光反射用フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置 |
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2005
- 2005-04-25 JP JP2005126639A patent/JP2006299199A/ja active Pending
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