JP2008144013A - ノルボルネン系付加共重合体の製造方法 - Google Patents

ノルボルネン系付加共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】屈折率などの光学特性、耐熱性などの化学特性などの性質が一定しており、かつ透明性に優れたエチレンとノルボルネン系単量体の付加共重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンなどの芳香環が脂環に縮合したノルボルネン系単量体及び4族の金属原子を含むメタロセン化合物(a)と有機アルミニウムオキシ化合物(b)とからなる付加重合触媒を含有する液相中に、エチレンを吹き込み、バッチ式で重合反応させる工程を含むエチレン−ノルボルネン系付加共重合体の製造方法。該エチレン−ノルボルネン系付加共重合体を成形して得られる光学部材。
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン−ノルボルネン系付加共重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、得られるノルボルネン系付加共重合体の組成比が安定し、かつ透明性に優れるエチレンとノルボルネン系単量体との付加共重合体の製造方法に関する。
エチレン−ノルボルネン系付加共重合体は、透明性、複屈折等の光学特性に優れ、さらに、耐熱性、耐熱老化性、耐薬品性、耐溶剤性の化学特性、剛性、耐衝撃性等の機械的特性に優れていることが知られている。また、芳香環を有するノルボルネン系付加共重合体は屈折率が高く、光学レンズ用途への展開が期待されている。
しかしながら、これら重合体を光学レンズなどの精密な設計が必要とされる光学用途で用いる場合には、一貫して同程度の屈折率を有することが必須であり、従来開示されている方法では、屈折率差の小さい重合体を製造するのは難しく、各ロット毎に屈折率を測定して所望の屈折率のものを選別して用いる必要があった。
特許文献1には、エチレンと芳香環を有するノルボルネン系モノマーとからなるアモルファスオレフィンコ/ターポリマーが開示されている。このポリマーは、槽型反応器にノルボルネン系モノマー溶液を添加し、該反応器をエチレンでパージし、ノルボルネン系モノマー溶液にエチレンを吸収飽和させて、次いでメタロセン触媒を加えて共重合して製造されている。
特表平11−504669号公報
特許文献2には、炭素数2〜30のα−オレフィンとノルボルネン系単量体付加共重合体が開示されている。この共重合体は、撹拌機付き耐圧ガラス反応器に、ノルボルネン系単量体を添加し、触媒を添加し混合し、次いでエチレンガスを反応器に導入し、重合を行うことによって製造されている。
特開2006−178150号公報
ところがこれら特許文献に記載のエチレン−ノルボルネン系付加共重合体は、エチレンとノルボルネン系単量体との共重合比にばらつきが生じやすく、屈折率などの光学特性、耐熱性などの化学特性にバッチ間でばらつきが生じることがあった。また、エチレンリッチな重合体(エチレン単位が過度に連鎖した重合体であり、ポリエチレンを含む)が生成し易く、そのため得られる重合体は透明性に劣る場合があり、光学材料として使用するには問題がある場合があった。
本発明者は、これらの特許文献に記載の製造方法について詳細に検討したところ、これらの製造方法では、反応器頂部側に供給されたエチレンガスが反応器底部側のモノマー及び触媒を含む溶液に気液平衡によって吸収されながら反応が進行するので、反応が進行するに従って溶液中のエチレン濃度が低下する一方、溶液の表面付近においてエチレン濃度が高くなることを見出した。その結果、エチレン圧変動や攪拌の影響によってエチレンとノルボルネン系単量体の共重合比が安定しないことが判った。さらに、溶液表面において、エチレンリッチな重合体が生成しやすく、透明性を低下させる原因となっていることが判った。
本発明は、屈折率などの光学特性、耐熱性などの化学特性などの性質が一定しており、かつ透明性に優れたエチレンとノルボルネン系単量体の付加共重合体の製造方法を提供するものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、エチレンを液相中に吹き込み、かつバッチ式で重合することにより、屈折率などの光学特性、耐熱性などの化学特性などの性質が一定しており、かつ透明性に優れたエチレンとノルボルネン系単量体の付加共重合体が得られることを見出した。本発明はこの知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) ノルボルネン系単量体及び付加重合触媒を含有する液相中に、エチレンを吹き込み、ノルボルネン系単量体とエチレンとをバッチ式で共重合反応させる工程を含むエチレン−ノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
(2) ノルボルネン系単量体が、芳香環を有するノルボルネン系単量体である前記のエチレン−ノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
(3) ノルボルネン系単量体が、脂環に縮合した芳香環を有するノルボルネン系単量体である前記のエチレン−ノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
(4) 前記の製造方法により得られたエチレン−ノルボルネン系付加共重合体。
(5) 前記のエチレン−ノルボルネン系付加共重合体を含有してなる光学部品。
本発明のエチレンとノルボルネン系単量体との付加共重合体の製造方法によって得られた重合体は、屈折率などの光学特性、耐熱性などの化学特性などの性質が一定しており、かつ透明性に優れている。
本発明のエチレン−ノルボルネン系付加共重合体の製造方法は、ノルボルネン系単量体及び付加重合触媒を含有する液相中に、エチレンを吹き込み、ノルボルネン系単量体とエチレンとをバッチ式で重合反応させる工程を含む。
本発明に用いるノルボルネン系単量体は、一般式(I)または(II)で表される単量体である。
Figure 2008144013
(式(I)中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、kは0または1であり、R1〜R18およびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環は二重結合を有していてもよく、また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい)。
Figure 2008144013
(式(II)中、qは0または1以上の整数であり、mは0または1以上の整数であり、rおよびsは0または1であり、R21〜R39はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R29またはR30が結合している炭素原子と、R33が結合している炭素原子またはR31が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。)
一般式(I)で表されるノルボルネン系単量体としては、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(テトラシクロドデセンとも言う)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、9−エチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、 8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ブロモテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジクロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロペンタデカジエンなどが挙げられる。
一般式(II)で表されるノルボルネン系単量体(以下「芳香環を有するノルボルネン系単量体」ということがある)としては、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−o−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−m−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−p−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−o−エチルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−m−エチルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−p−エチルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−p−イソプロピルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−(ナフタレン−1−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどが挙げられる。
また、一般式(II)で表されるノルボルネン系単量体の中でも、芳香環が脂環に縮合したノルボルネン系単量体としては、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−クロロ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−ブロモ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロジベンゾフラン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロジベンゾチアジン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロカルバゾール、1,4−メタノ−9−フェニル−1,4,4a,9a−テトラヒドロカルバゾール、7,10−メタノ−6b,7,10,10a−テトラヒドロフルオランセン、7,10−メタノ−6b,7,10,10a−テトラヒドロフルオランセンにシクロペンタジエンを付加した化合物、アセアントリレンにシクロペンタジエンを付加した化合物、アセフェナントリレンにシクロペンタジエンを付加した化合物、11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、14,15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコサン、5,6−ベンゾ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどが挙げられる。
これらの中でも、得られる重合体の共重合比が安定し易く、かつエチレンリッチな重合体が生成し難くなることから、芳香環を有するノルボルネン系単量体が好ましく、芳香環が脂環に縮合したノルボルネン系単量体がより好ましく、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンが特に好ましい。これらノルボルネン系単量体は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン系単量体の量は、重合させる全単量体に対して、通常、10〜90モル%、好ましくは15〜60モル%、より好ましくは20〜50モル%である。この範囲にあると、得られるノルボルネン系付加共重合体中のエチレンとノルボルネンの組成比が安定し、かつエチレンリッチな重合体が生成し難くなる。
本発明の製造方法では、光学特性、化学特性、機械的特性を損なわない範囲で少量の共重合可能な他のモノマーを共重合させてもよい。共重合可能な他のモノマーとしては、炭素数3以上のα−オレフィンなどが挙げられる。共重合可能な他のモノマーの量はノルボルネン系単量体に対して、10モル%以下である。共重合可能な他のモノマーは、通常、液相中に添加して用いられる。
炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、ブタ−1−エン、ペンタ−1−エン、ヘキサ−1−エン、オクタ−1−エン、デカ−1−エン、ドデカ−1−エン、テトラデカ−1−エン、ヘキサデカ−1−エン、オクタデカ−1−エン、エイコサ−1−エン;3−メチルブタ−1−エン、3−メチルペンタ−1−エン、3−エチルペンタ−1−エン、4−メチルペンタ−1−エン、4−メチルヘキサ−1−エン、4,4−ジメチルヘキサ−1−エン、4,4−ジメチルペンタ−1−エン、4−エチルヘキサ−1−エン、3−エチルヘキサ−1−エン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロへキセン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、スチレン等が挙げられる。
本発明で用いられる付加重合触媒は、エチレン等のオレフィンの付加重合反応に用いられる公知の触媒である。例えば、4族の金属原子を含むメタロセン化合物が挙げられる。本発明においては、特に4族の金属原子を含むメタロセン化合物(a)と有機アルミニウムオキシ化合物(b)とからなるメタロセン触媒が好ましい。
メタロセン化合物(a)として、架橋型メタロセン化合物と、ハーフメタロセン化合物が挙げられる。
架橋型メタロセン化合物としては、例えば、一般式(III)で表されるものが挙げられる。
Figure 2008144013
式(III)中、M1はチタン、ジルコニウム、及びハフニウムからなる群より選ばれる金属原子であり、触媒活性に優れることからジルコニウムが好ましい。
1及びX2は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、又はハロゲン基である。R2及びR3は、それぞれ独立に、シクロペンタジエニル基、インデニル基、又はフルオレニル基であり、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基;フェニル基若しくは、ベンジル基で置換されていてもよい。R1は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などの低級アルキレン基;イソプロピリデン基などのアルキリデン基;ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基;ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基などの置換シリレン基、又はシリレン基である。
式(III)で表される架橋型メタロセン化合物としては、イソプロピリデン−(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン−(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン−(9−フルオレニル)[1−(3−メチル)シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン−(9−フルオレニル)[1−(3−t−ブチル)シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン−(1−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドなどを挙げることができる。
ハーフメタロセン化合物としては、(t−ブチルアミド)ジメチル−1−インデニルシランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル−1−インデニルシランチタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−フルオレニルシランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−フルオレニルシランチタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−(3,6−ジメチルフルオレニル)シランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−[3,6−ジ(i−プロピル)フルオレニル]シランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−[3,6−ジ(t−ブチル)フルオレニル]シランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−[2,7−ジ(t−ブチル)フルオレニル]シランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−(2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)シランチタンジメチルなどを挙げることができる。
ノルボルネン系単量体を効率的に共重合するために、架橋型メタロセン化合物が好ましく、中でもエチレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドが特に好ましい。
メタロセン触媒を構成する、有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、メタロセン化合物(a)を活性化するための活性化剤である。
有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、従来公知のアルミノオキサンであってもよく、また、特開平2−78687号公報に開示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
本発明に用いられる付加重合触媒には、必要に応じて有機アルミニウム化合物(c)を含有させることができる。
有機アルミニウム化合物(c)としては、上記アルミニウムオキシ化合物以外の有機アルミニウム化合物、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムハライド;ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;ジメチルアルミニウムメトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキシド等が挙げられる。
重合反応開始時のメタロセン化合物(a)の濃度は、好ましくは0.00005〜1.0ミリモル/リットル、より好ましくは0.0001〜0.3ミリモル/リットルである。また有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、メタロセン化合物(a)に対して、1〜10,000当量であることが好ましい。
有機アルミニウム(c)は、メタロセン化合物(a)に対して0.1〜1,000当量であることが好ましい。
付加重合反応は、その重合反応形態で制限されず、例えば、溶液重合、塊状重合、スラリー重合などが採用することができる。中でも、反応制御が容易で、かつ、特性が一定のエチレン−ノルボルネン系付加重合体を得やすい点で、溶液重合が好ましく採用できる。この際の使用するノルボルネン単量体の総量は、溶媒100重量部に対し、通常、1〜50重量部、好ましくは、10〜30重量部である。
重合反応で用いられる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを挙げることができる。これら溶媒は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ノルボルネン系単量体及び付加重合触媒を含む液の調製は、例えば、反応器にノルボルネン系単量体を添加し、次いで触媒を添加し、調製しても良いし;ノルボルネン系単量体の一部を添加し、触媒を添加し、次いで前記ノルボルネン系単量体の残部を一括又は少量ずつ添加し調製しても良いし;触媒を先に反応器に添加し、次いでノルボルネン系単量体を一括又は少量ずつ添加して調製してもよい。
付加重合触媒は、それを構成する、メタロセン化合物(a)と、有機アルミニウムオキシ化合物(b)と、必要に応じて添加される有機アルミニウム化合物(c)とを、重合反応器に別々に添加してもよいし、反応器外でこれらを混合してから重合反応器に添加してもよい。
本発明の製造方法では、エチレンを、前記ノルボルネン系単量体及び付加重合触媒を含む液の中に吹き込んで、バッチ式で付加重合反応を行う。
エチレンを、液の中に吹き込むために、例えば、重合反応器に導管を設ける。導管の数は反応器の大きさに応じて適宜選択でき、通常、1〜3本である。導管を反応器に導入する位置は反応器の頂部でも、反応器の側部でも、反応器の底部でも良いが、導管の先端(エチレン噴出し口)はノルボルネン系単量体及び付加重合触媒を含む液面よりも下になるようにする。
導管の太さは特に限定されないが、ノルボルネン系単量体及び付加重合触媒を含む液にエチレンが溶解しやすくする為に、エチレン噴出し口の径を気泡が小さくなり且反応圧を保てる程度の大きさにするのが好ましい。具体的には、導管の噴出し口の内径は、導管噴出し口の内径と、反応器の内径との比(導管内径/反応器内径)で、通常、0.001〜0.05である。エチレンガスが細かい気泡となって液中に導入されるように、噴出し口に、多孔板、多孔質板、ノズルなどが設けられていてもよい。
エチレンの噴出し口の位置は、反応器の底と液面との距離(A)及び反応器の底とエチレンの噴出し口との距離(B)の比(B)/(A)が、通常、0.1〜0.9であり、好ましくは0.3〜0.9である。この範囲にあると、エチレンが液相中に速やかに溶解し、重合反応においてエチレンリッチな重合体成分(ポリエチレン含む)が生成し難くなり、かつ得られる重合体は、組成が安定し、透明性にも優れたものとなる。
重合反応条件は、生産効率を損なわない程度に穏やかであるのが好ましい。重合温度は、通常、−50〜+100℃、好ましくは0〜+80℃、さらに好ましくは+20〜+60℃であり、重合時間は、通常2分間〜5時間、好ましくは10分間〜3時間である。重合反応時の圧力(ゲージ圧)は、通常、1MPa以下、好ましくは0.5MPa以下、より好ましくは0.2MPa以下、さらに好ましくは0.1MPa以下である。この範囲であると、エチレンリッチな重合体(ポリエチレン含む)が生成し難くなる。
重合反応終了後は、重合反応液に重合停止剤を添加して、重合反応を停止させる。用いる重合停止剤としては、例えば、メタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール化合物が挙げられる。
重合反応を停止後、公知の分離・精製手段により、目的とする共重合体を単離することができる。例えば、濾過、洗浄、吸着等の公知の方法により反応溶液から触媒や未反応物を除去し、次いで反応液を共重合体の貧溶媒中に注ぎ、共重合体を析出させる方法等が挙げられる。
以上のようにして得られる付加共重合体のノルボルネン系単量体とエチレンとの組成比(ノルボルネン系単量体(モル%)/エチレン(モル%))は、通常、10/90〜90/10であり、好ましくは15/85〜60/40、より好ましくは20/80〜50/50である。
本発明の製造方法で得られるエチレン−ノルボルネン系付加共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算値で、通常、10,000〜500,000、好ましくは30,000〜100,000である。
重合平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される重合体の分子量分布は、通常、1.5〜5.0、好ましくは1.5〜3.0、より好ましくは1.5〜2.5である。
本発明の製造方法で得られるエチレン−ノルボルネン系付加共重合体のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常、20〜300℃、好ましくは、100〜200℃、より好ましくは、120〜160℃である。
本発明の製造方法によって得られるエチレン−ノルボルネン系付加共重合体を成形することによって、各種用途の部材として利用できる。特に本発明の製法によって得られる付加共重合体は透明性に優れているので光学部材としての利用に好適である。
本発明の製造方法によって得られるエチレン−ノルボルネン系付加共重合体を各種用途に利用するために、付加重合体に配合剤を添加することができる。
配合剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等の酸化防止剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、金属錯塩系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤;リン酸トリエステル系化合物、フタル酸エステル系化合物、脂肪酸一塩基酸エステル系化合物、二価アルコールエステル系化合物、オキシ酸エステル系化合物、パラフィン系化合物、液状ポリマー系化合物等の可塑剤ないし柔軟化剤;アルキルスルホン酸塩、ステアリン酸のグリセリンエステル等の帯電防止剤;脂肪族アルコール、脂肪族エステル、芳香族エステル、トリグリセライド類、フッ素系界面活性剤、高級脂肪酸酸金属塩等の離型剤;滑剤;重金属不活性化剤等が挙げられる。
付加共重合体に上記配合剤を添加する方法は、例えば、ミキサー、二軸混錬機、ロール、ブラベンダー、押出機等で共重合体を溶融状態にして配合剤と混練する方法、適当な溶剤に溶解して分散させ凝固する方法等が挙げられる。二軸混練機を用いる場合には、混錬後に、通常は溶融状態でストランド状に押し出し、ペレタイザーにてペレット状にカットして用いられる。
本発明の製造方法によって得られるエチレン−ノルボルネン系付加共重合体の用途としては、例えば、光学部品、医療用器材、電子部品処理用器材、被覆材、民生用・産業用電子機器匡体、構造部材等の電気絶縁材料、一般回路基板、高周波回路基板等の回路基板、透明導電性フィルムの基材、半導体封止材、電気・電子部品の封止材の封止材、自動車用外装材料等が挙げられるが、本発明の付加共重合体は、屈折率、ガラス転移温度などの特性値の変動が少なく、透明性に優れるため、光学レンズ、光ディスク、プリズム、光拡散板、光カード、光ファイバー、光学ミラー、液晶表示素子基板、導光板、偏光フィルム、位相差フィルムなどの光学部品に好適に用いられる。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
実施例及び比較例で行った評価方法は以下のとおりである。
(1)分子量
付加共重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶離液としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。
(2)組成比
付加共重合体のノルボルネン系単量体及びエチレンの繰り返し単位の組成比は、重クロロホルムを溶媒とした1H−NMR測定より求めた。
(3)光線透過率
付加共重合体を射出成形して寸法50mm×50mm×厚さ5mmの平板状の試験片を作成し、紫外可視分光光度計(日本分光社製;V−570型)を用いて、波長780nmにおいて光線透過率を測定した。
(4)ガラス転移温度
付加共重合体水素化物のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に基づいて示差走査型熱量計(DSC)により昇温速度10℃/分の条件で測定した。
(5)屈折率
付加共重合体を射出成形して寸法50mm×50mm×厚さ5mmの平板状の試験片を作成し、得られた試験片の角部(表面から厚さ方向に2.5mmの場所)の屈折率を精密屈折計(KPR−200、カルニュー光学社製)を用いて、25℃、波長587.6nmの光における屈折率を求めた。
(実施例1)
内容積1.0Lの攪拌機付槽型反応器を十分に窒素置換した。トルエン960部、1,4−メタノ−1,4,4a−9a−テトラヒドロフルオレン220部、及び1−ヘキセン0.166部を反応器に仕込み、回転数300〜350rpmで攪拌しながら溶媒温度を40℃に昇温した。トルエン23.5部、rac−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド0.044部、メチルアルミノキサン9.0重量%トルエン溶液(東ソー・ファインケム株式会社製:TMAO−200シリーズ、)6.22部をガラス容器にて混合して触媒を得た。反応器中の溶媒温度が40℃に達したところで、前記触媒を反応器に添加し、その後直ちに0.08MPaのエチレンガスを液相に導入し、重合を開始した。エチレン噴出し口の位置は、反応器の底と液面との距離(A)と、エチレン噴出し口と液面との距離(B)との比(B)/(A)が0.60である。エチレンガスが消費されると、自動的にエチレンガスが供給されるようにして、エチレンガスの圧力を一定に保った。30分間経過した後、エチレンガスの導入を停止し、脱圧し、次いでメタノール5部を添加し重合反応を停止させた。この溶液をラジオライト#800で濾過し、0.05%の塩酸を含むイソプロパノール中に注いで重合体を析出させた。析出した重合体を分取、洗浄し、100℃で15時間減圧乾燥した。
上記製造工程を同様に5回行って、5つの共重合体を得た。得られた共重合体の特性を表1に示す。
(比較例1)
トルエン1920部、1,4−メタノ−1,4,4a−9a−テトラヒドロフルオレン440部、及び1−ヘキセン3.50部を混合してモノマー液を調製した。
rac−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド0.088部、及びトルエン94部、メチルアルミノキサン9.0重量%トルエン溶液(東ソー・ファインケム株式会社製:TMAO−200シリーズ)22.56部を混合して触媒液を調製した。
攪拌装置を備えた内容積1.0Lのガラス製の流通式重合反応器に、重合反応器上部から、前記モノマー液及び触媒液を、重合器内での濃度がそれぞれ590g/リットル、26.63g/リットルとなるように連続的に供給し、同時にエチレンを4リットル(圧力0.08MPa)/時間の供給速度で連続的に供給し、重合反応器内の反応液が0.8リットルに保たれ、平均滞留時間が0.5時間になるように反応器下部から反応液を抜き出して、反応温度40℃で連続的に重合反応を行った。エチレン噴出し口の位置は、反応器の底と液面との距離(A)と、エチレン噴出し口と液面との距離(B)との比(B)/(A)が0.60である。反応温度は重合器外部に備え付けられた熱交換器で調整した。前記重合反応を安定させるために1時間反応させ、その後反応液250部を抜き出し、反応液にメタノール1部を添加して反応を停止させた。
この液をラジオライト#800で濾過し、0.05%の塩酸を含むイソプロパノール中に注いで重合体を析出させた。析出した重合体を分取、洗浄し、100℃で15時間減圧乾燥した。上記製造工程を同様に5回行って、5つの共重合体を得た。得られた共重合体の特性を表1に示す。
(比較例2)
トルエン1920部、1,4−メタノ−1,4,4a−9a−テトラヒドロフルオレン440部、及び1−ヘキセン0.30部を混合してモノマー液を調製した。
rac−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド0.088部、及びトルエン94部、メチルアルミノキサン9.0重量%トルエン溶液(東ソー・ファインケム株式会社製:TMAO−200シリーズ)22.56部を混合して触媒液を得た。
攪拌装置を備えた内容積1.0Lのガラス製の流通式重合反応器に、重合反応器上部から前記モノマー液及び触媒液を、重合反応器内での濃度がそれぞれ590g/リットル、26.63g/リットルとなるように連続的に供給し、重合反応器上部からエチレンを4リットル(圧力0.08MPa)/時間の供給速度で気相部に供給した。一方、重合反応器内の重合液の全量が0.8リットルに保たれ、平均滞留時間が0.5時間になるように重合反応器下部から連続的に抜き出して、反応温度40℃で連続的に重合反応を行った。前記重合反応を安定させるために1時間反応させ、その後反応液250部を抜き出し、反応液にメタノール1部を添加して反応を停止させた。
この溶液をラジオライト#800で濾過し、0.05%の塩酸を含むイソプロパノール中に注いで重合体を析出させた。析出した重合体を分取、洗浄し、100℃で15時間減圧乾燥した。
上記製造工程を同様に5回行って、5つの共重合体を得た。得られた共重合体の特性を表1に示す。
(比較例3)
内容積1.0Lの攪拌機付槽型反応器を十分に窒素置換した。トルエン960部、1,4−メタノ−1,4,4a−9a−テトラヒドロフルオレン220部、及び1−ヘキセン0.030部を反応器に仕込み、回転数300〜350rpmで攪拌しながら溶媒温度を40℃に昇温した。トルエン23.5部、rac−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド0.044部、メチルアルミノキサン9.0重量%トルエン溶液(東ソー・ファインケム株式会社製:TMAO−200シリーズ、)6.22部をガラス容器にて混合して触媒液を得た。反応器中の溶媒温度が40℃に達したところで、前記触媒を反応器に添加し、次いで0.20MPaのエチレンガスを重合反応器上部から気相に導入し、重合を開始した。エチレンガスが消費されると、自動的にエチレンガスが供給されるようにして、エチレンガスの圧力を一定に保った。30分間経過した後、エチレンガスの導入を停止し、脱圧し、次いでメタノール5部を添加し重合反応を停止させた。この溶液をラジオライト#800で濾過し、0.05%の塩酸を含むイソプロパノール中に注いで重合体を析出させた。析出した重合体を分取、洗浄し、100℃で15時間減圧乾燥した。
上記製造工程を同様に5回行って、5つの共重合体を得た。得られた共重合体の特性を表1に示す。
Figure 2008144013
表1より、バッチ式反応でエチレンガスを液相に導入して重合した実施例1では、MTF/エチレンの組成比が安定しており、得られる重合体のTg、屈折率の特性が安定し、透過率に優れることが分かる。
一方、連続式反応で重合した比較例1、2は、MTF/エチレンの組成比が安定せず、得られる重合体のTg、屈折率の特性にバラツキが見られ、バッチ式反応でエチレンガスを気相に添加して重合した比較例3は、重合体の透過率に劣ることが分かる。

Claims (5)

  1. ノルボルネン系単量体及び付加重合触媒を含有する液相中に、エチレンを吹き込み、ノルボルネン系単量体とエチレンとをバッチ式で共重合反応させる工程を含むエチレン−ノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
  2. ノルボルネン系単量体が、芳香環を有するノルボルネン系単量体である請求項1記載のエチレン−ノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
  3. ノルボルネン系単量体が、脂環に縮合した芳香環を有するノルボルネン系単量体である請求項1記載のエチレン−ノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により得られたエチレン−ノルボルネン系付加共重合体。
  5. 請求項4のエチレン−ノルボルネン系付加共重合体を含有してなる光学部品。
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