JP2006299117A - インクジェット用インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 分子中にジシクロペンテニル基を有するアクリレートモノマーと、N−ビニルラクタムモノマーと、両モノマーと共重合可能な他の光重合性化合物と、光照射によってこれらの化合物を共重合させて、インクジェット用インクを硬化させるための光重合開始剤と、着色剤とを含有する。
【選択図】 なし
Description
本発明の目的は、粘度が低いため、インクジェット用インクとして好適に使用して印字を形成できる上、硬化時間が短く、かつ硬化後の印字が、被印字体に対する密着性に優れると共に、耐擦過性にも優れるため、特に、非吸収性の被印字体の表面に印字を形成するのに適した、良好な、光硬化性のインクジェット用インクを提供することにある。
(a) 式(1):
(b) 式(2):
で表されるN−ビニルラクタムモノマーと、
(c) 上記(a)(b)の化合物と共重合可能な他の光重合性化合物と、
光照射によって上記(a)〜(c)の化合物を共重合させて、インクジェット用インクを硬化させるための光重合開始剤と、着色剤とを含むことを特徴とするインクジェット用インクである。
請求項3記載の発明は、25℃における表面張力が、25〜40mN/mである請求項1記載のインクジェット用インクである。
請求項5記載の発明は、着色剤が、表面をアルミニウムの酸化物で被覆した酸化チタン粒子である請求項1記載のインクジェット用インクである。
また、(b)のN−ビニルラクタムモノマーは、(a)のアクリレートモノマーや(c)の光重合性化合物に比べて極性が強いため、上記両化合物と共に重合反応を開始させる際の感度を向上して、印字の、光照射による硬化時間を短縮することができる。しかも、(b)のN−ビニルラクタムモノマーは、単官能のモノマーであって、インクジェット用インクの粘度を上昇させるおそれもない。
請求項3記載の発明によれば、25℃における表面張力を25〜40mN/mとすることによって、インクジェット用インクを、さらにインクジェット用として適したものとすることができる。
(a) 式(1):
(b) 式(2):
で表されるN−ビニルラクタムモノマーと、
(c) 上記(a)(b)の化合物と共重合可能な他の光重合性化合物と、
光照射によって上記(a)〜(c)の化合物を共重合させて、インクジェット用インクを硬化させるための光重合開始剤と、着色剤とを含むことを特徴としている。
なお、式(1)で表されるジシクロペンテニル基を有するメタクリレートは、アクリレートと比較すると、重合反応を開始させる際の感度が低いため、印字の、光照射による硬化時間を短縮する効果が得られない。また、式(1)で表されるジシクロペンテニル基に代えて、5員環が二重結合を有しないジシクロペンタニル基を有するアクリレートは、先に説明した、二重結合の部分を開裂させて、モノマーを、2官能のモノマーのように挙動させることで、重合反応の反応性および架橋密度を向上させて、印字の、硬化後の硬度を高めて耐擦過性を向上させる効果が得られない。そのため、(a)のアクリレートモノマーに代えて、これらのモノマーを使用することはできない。ただし、これらのモノマーを、(c)の光重合性化合物として、(a)のアクリレートモノマーおよび(b)のN−ビニルラクタムモノマーと併用することは可能である。
(a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=1.5/1〜3.5/1であるのが好ましい。この範囲より(a)のアクリレートモノマーが少ない場合には、当該アクリレートによる、インクジェット用インクの粘度を上昇させることなく、印字の、硬化後の硬度を高めて耐擦過性を向上させる効果が不十分になるおそれがある。また、相対的に、前記のように極性の強い(b)のN−ビニルラクタムモノマーの割合が多くなるため、印字の耐水性が低下するおそれがある。
イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可とう性アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、イソボニルアクリレート等の単官能モノマー類。
着色剤としては、顔料、染料などの従来公知の種々の着色剤を使用することができ、特に印字の隠蔽性を向上することや、印字の耐候性を向上することなどを考慮すると、顔料が好ましい。
また、酸化チタンの微粒子としては、インクへの分散性を向上するために、その表面をアルミニウムの酸化物で被覆したものを用いるのが好ましい。
本発明のインクジェット用インクには、上記各成分に加えて、さらに、表面張力調整剤、分散剤、増感剤などを含有させることもできる。
で表される化合物が挙げられ、その具体例としては、デグサ(degussa)社製のテゴ(TEGO、登録商標) Radシリーズのうち、例えば品番2100、2500、2600、2700等が挙げられる。有機変性シリコンアクリレートの含有割合は、インクジェット用インクの総量に対して0.1〜1.0重量%であるのが好ましく、0.2〜0.6重量%であるのがさらに好ましい。
増感剤としては、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン類を挙げることができる。
上記本発明のインクジェット用インクを、インクジェットプリンタを使用して、被印字体の表面に印字し、次いで、光照射して、インク中の(a)〜(c)の各成分を重合反応させてやると、上記被印字体の表面に、耐水性、耐溶剤性、耐擦過性等に優れた印字を形成することができる。また、光照射して重合反応を開始させた後に加熱してやると、重合反応を活性化させることができるため、重合後の印字の、被印字体に対する密着性を向上することができる。また、加熱により重合反応を促進して重合体の重合度を高めることができるため、印字を硬くして、耐擦過性を向上することもできる。
その他の工程は、従来同様に実施することができる。例えばインクジェットプリンタによる印字の工程は、インクジェットヘッド内で、インクジェット用インクを、加熱によって重合反応が開始されない所定の温度(45℃程度)に加温した状態で、ノズルの先端から吐出させて行うことができる。その際の、インクジェット用インクの粘度は、良好な吐出性能を得るために、7〜12mPa・s程度であるのが好ましい。また、印字後の光照射の工程では、例えば紫外線、可視光線、赤外線等の光のうち、光重合開始剤が感度を有する所定波長の光を印字に照射すればよい。
顔料としての、表面をアルミニウムの酸化物で被覆した、ルチル型の結晶形を有する酸化チタンの微粒子〔石原産業(株)製のR−630、平均粒径0.24μm〕24重量部と、分散剤〔アビシア(株)製の商品名ソルスパース36000〕0.8重量部と、(c)の光重合性化合物としての1,6−ヘキサンジオールジアクリレート〔化薬サートマー(株)製のKS−HDDA、分子量226〕15.2重量部とを、ジルコニアビーズと共にガラス製の密閉容器に入れて、ペイントシェーカーで2時間、分散処理した後、密閉容器から取り出して分散処理液を得た。
実施例2:
(b)のN−ビニルラクタムモノマーとして、同量の、前記式(2-2)で表されるN−ビニルカプロラクタムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクにおける、(a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=2.6/1であった。また、インクジェット用インクの、25℃における表面張力は、35.3mN/m、45℃における粘度は、11.1mPa・sであった。
(a)のアクリレートモノマーとして、同量の、前記式(1-1)で表されるジシクロペンテニルアクリレート〔日立化成工業(株)のFA−511A〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクにおける、(a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=2.6/1であった。また、インクジェット用インクの、25℃における表面張力は、35.4mN/m、45℃における粘度は、10.2mPa・sであった。
(a)のアクリレートモノマーとしての、式(1-2)で表されるエチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルアクリレート〔日立化成工業(株)のFA−512A〕の量を27.8重量部、(b)のN−ビニルラクタムモノマーとしての、式(2-1)で表されるN−ビニルピロリドンの量を20.7重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクにおける、(a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=1.3/1であった。また、インクジェット用インクの、25℃における表面張力は、36.1mN/m、45℃における粘度は、10.6mPa・sであった。
(a)のアクリレートモノマーとしての、式(1-2)で表されるエチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルアクリレート〔日立化成工業(株)のFA−512A〕の量を30重量部、(b)のN−ビニルラクタムモノマーとしての、式(2-1)で表されるN−ビニルピロリドンの量を18.5重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクにおける、(a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=1.6/1であった。また、インクジェット用インクの、25℃における表面張力は、34.7mN/m、45℃における粘度は、10.5mPa・sであった。
(a)のアクリレートモノマーとしての、式(1-2)で表されるエチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルアクリレート〔日立化成工業(株)のFA−512A〕の量を37.2重量部、(b)のN−ビニルラクタムモノマーとしての、式(2-1)で表されるN−ビニルピロリドンの量を11.3重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクにおける、(a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=3.3/1であった。また、インクジェット用インクの、25℃における表面張力は、34.6mN/m、45℃における粘度は、10.7mPa・sであった。
(a)のアクリレートモノマーとしての、式(1-2)で表されるエチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルアクリレート〔日立化成工業(株)のFA−512A〕の量を38.4重量部、(b)のN−ビニルラクタムモノマーとしての、式(2-1)で表されるN−ビニルピロリドンの量を10.1重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクにおける、(a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=3.8/1であった。また、インクジェット用インクの、25℃における表面張力は、35.3mN/m、45℃における粘度は、10.6mPa・sであった。
(c)の光重合性化合物としてのトリメチロールプロパントリアクリレートの量を6.2重量部、表面張力調整剤としての有機変性シリコンアクリレートの量を0.3重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクにおける、(a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=2.6/1であった。また、インクジェット用インクの、25℃における表面張力は、39.0mN/m、45℃における粘度は、10.9mPa・sであった。
(c)の光重合性化合物としてのトリメチロールプロパントリアクリレートの量を6.3重量部、表面張力調整剤としての有機変性シリコンアクリレートの量を0.2重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクにおける、(a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=2.6/1であった。また、インクジェット用インクの、25℃における表面張力は、44.4mN/m、45℃における粘度は、11.2mPa・sであった。
(c)の光重合性化合物としてのトリメチロールプロパントリアクリレートの量を5.8重量部、表面張力調整剤としての有機変性シリコンアクリレートの量を0.7重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクにおける、(a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=2.6/1であった。また、インクジェット用インクの、25℃における表面張力は、21.1mN/m、45℃における粘度は、10.5mPa・sであった。
表面張力調整剤として、アセチレンジオール系界面活性剤〔エアー・プロダクツ・アンド・ケミカルス社製のサーフィノール(登録商標)140〕を同量、使用したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクにおける、(a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=2.6/1であった。また、インクジェット用インクの、25℃における表面張力は、36.7mN/m、45℃における粘度は、10.3mPa・sであった。
顔料として、表面をアルミニウムの酸化物で被覆していない、アナタース型の結晶形を有する酸化チタンの微粒子〔石原産業(株)製のA−100、平均粒径0.15μm〕を同量、使用したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクにおける、(a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=2.6/1であった。また、インクジェット用インクの、25℃における表面張力は、35.1mN/m、45℃における粘度は、11.7mPa・sであった。
(a)のアクリレートモノマーとしての、式(1-2)で表されるエチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルアクリレートに代えて、同量の、式(4):
比較例2:
(a)のアクリレートモノマーとしての、式(1-2)で表されるエチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルアクリレートに代えて、同量の、式(5):
比較例3:
(a)のアクリレートモノマーとしての、式(1-2)で表されるエチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルアクリレート、(b)のN−ビニルラクタムモノマーとしての、式(2-1)で表されるN−ビニルピロリドン、およびトリメチロールプロパントリアクリレートに代えて、イソボニルアクリレート(IBX)54.5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクの、25℃における表面張力は、36.0mN/m、45℃における粘度は、9.7mPa・sであった。
(a)のアクリレートモノマーとしての、式(1-2)で表されるエチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルアクリレート、および(b)のN−ビニルラクタムモノマーとしての、式(2-1)で表されるN−ビニルピロリドンを配合せず、かつ、トリメチロールプロパントリアクリレートの量を54.5重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクの、25℃における表面張力は、34.7mN/m、45℃における粘度は、14.3mPa・sであった。
(a)のアクリレートモノマーとしての、式(1-2)で表されるエチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルアクリレート、および(b)のN−ビニルラクタムモノマーとしての、式(2-1)で表されるN−ビニルピロリドンを配合せず、かつ、トリメチロールプロパントリアクリレートの量を27.25重量部とすると共に、IBX27.25重量部を加えたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクの、25℃における表面張力は、35.1mN/m、45℃における粘度は、13.0mPa・sであった。
(b)のN−ビニルラクタムモノマーとしての、式(2-1)で表されるN−ビニルピロリドンを配合せず、かつ、(a)のアクリレートモノマーとしての、式(1-2)で表されるエチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルアクリレートの量を48.5重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用インクを製造した。このインクジェット用インクの、25℃における表面張力は、35.0mN/m、45℃における粘度は、10.5mPa・sであった。
上記各実施例、比較例で製造したインクジェット用インクを、インクジェットプリンタ〔セイコーエプソン社製のMC−2000〕に使用して、被印字体としてのポリプロピレン製フィルム(厚み100μm)の表面に、ベタ印字および8.0ポイントの文字パターンを印字し、次いで、出力を100%、コンベアスピードを10m/分に設定した紫外線照射装置〔Fusion UVSystem社製のLH−6〕内を通過させて、紫外線照射により重合反応を開始させ、さらに150℃の恒温槽中で60分間静置して加熱したのち、取り出して、下記の各試験を行い、その特性を評価した。
日本工業規格JIS D0202-1988「自動車部品の塗膜通則」所載のXカットテープピール法によってベタ印字の密着性をテストし、下記の基準で評価した。
◎:10点、剥がれは全く見られなかった。密着性極めて良好。
○:8〜9点、Xカット部に僅かに剥がれがあったが、交点には剥がれは見られなかった。密着性良好。
耐擦過性:
ベタ印字について、日本工業規格JIS K5400-1990「塗料一般試験方法」に規定した鉛筆硬度を測定して、下記の基準で印字の耐擦過性を評価した。
◎:6H以上、耐擦過性極めて良好。
×:4H以下、耐擦過性不良。
連続吐出性:
30分間、連続して、線幅0.5ポイントのラインを印字し、印字したラインが途切れたり、かすれたり、ラインの周囲にミストが発生したりしたか否かを観察して、下記の基準で連続吐出性を評価した。
○:ラインの途切れは見られなかったが、かすれ気味の箇所がわずかに見られるか、または、若干のミストが生じている箇所がわずかに見られた。連続吐出性良好。
×:ラインの途切れた箇所が見られるか、または、ひどいミストが発生している箇所が見られた。連続吐出性不良。
硬化時間は、紫外線照射のみで評価した。すなわち、上記実機試験と同様にして、被印字体としてのポリプロピレン製フィルムの表面に印字したベタ印字がタックフリーになるまで、繰り返し、紫外線照射装置〔Fusion UVSystem社製のLH−6〕内を通過させて、その通過回数を記録し、下記の基準で硬化時間の長短を評価した。
○:2回でタックフリーになった。硬化時間短い。
×:3回以上でタックフリーになった。硬化時間長い。
耐水性:
ベタ印字サンプルを沸騰水中で60秒間、加熱して取り出した後、前記印字の密着性と同様にしてベタ印字の密着性をテストして、下記の基準で耐水性を評価した。
○:8〜9点、Xカット部に僅かに剥がれがあったが、交点には剥がれは見られなかった。耐水性良好。
×:7点以下、Xカット部に3mm以内の剥がれが見られた。耐水性不良。
結果を表1〜表5に示す。
* (b)のN−ビニルラクタムモノマーとしては、N−ビニルピロリドンとN−ビニルカプロラクタムのいずれを用いても、良好な結果が得られること(実施例1、2)、
* (a)のアクリレートモノマーとしては、エチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルアクリレートとジシクロペンテニルアクリレートのいずれを用いても、良好な結果が得られること(実施例1、3)、
* (a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとの重量比A/Bは、A/B=1.5/1〜3.5/1であるのが好ましいこと(実施例1、4〜7)、
* 25℃における表面張力は、25〜40mN/mであるのが好ましいこと(実施例1、8〜9)、
* 表面張力調整剤としては、有機変性シリコンアクリレートが好ましいこと(実施例1、11)、
* 顔料としては、表面をアルミニウムの酸化物で被覆した酸化チタン粒子が好ましいこと(実施例1、12)
が確認された。
Claims (5)
- (a)のアクリレートモノマーAと、(b)のN−ビニルラクタムモノマーBとを、重量比A/B=1.5/1〜3.5/1の割合で含有する請求項1記載のインクジェット用インク。
- 25℃における表面張力が、25〜40mN/mである請求項1記載のインクジェット用インク。
- 表面張力調整剤としての有機変性シリコンアクリレートを含む請求項1記載のインクジェット用インク。
- 着色剤が、表面をアルミニウムの酸化物で被覆した酸化チタン粒子である請求項1記載のインクジェット用インク。
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