JP2006298885A - ナフタレンカルボン酸誘導体及びこれを含有する医薬組成物 - Google Patents

ナフタレンカルボン酸誘導体及びこれを含有する医薬組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】PPARαを選択的に活性化し、医薬として有用な化合物を提供することに関する。
【解決手段】 下記一般式(1):
【化1】

〔式中、Rは水素原子、C6-10アリール基又はC6-10アリールオキシ基(ここで、当該アリール基又はアリールオキシ基におけるアリール部は、それを構成する炭素原子上の水素原子がハロゲン原子、ニトロ基、C1-4アルキル基から選ばれる基で1又は2置換されていてもよい)を示し、nは1〜8の整数を示す。〕で表わされるナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPAR;Peroxisome Proliferator-Activated Receptor)のうちαタイプ(PPARα)を選択的に活性化し、高脂血症、動脈硬化症、糖尿病、糖尿病合併症、炎症、心疾患等の疾患の予防及び/又は治療薬として有用なナフタレンカルボン酸誘導体及びこれを含有する医薬組成物に関する。
PPARは核内受容体ファミリーの一つとして知られており、現在までに3つのサブタイプ(α、γ、δ)の存在が知られている(非特許文献1〜5参照)。このうち、PPARαは主に肝臓に発現しており、可塑剤及びフィブレート系薬剤、例えばWy14643や既に医薬品として市販されているクロフィブレート、フェノフィブレート、ベザフィブレート、ゲムフィブロジル等の薬剤により活性化されることが知られている(非特許文献6及び7参照)。
PPARα活性化は、哺乳動物において脂肪酸のβ酸化を亢進し、血中トリグリセリドを低下することが知られている。例えば、ヒトでは低密度リポ蛋白(LDL)コレステロール、超低密度リポ蛋白(VLDL)コレステロール等の血中脂質の低下が起こり、PPARα活性化薬は高脂血症等の予防及び/又は治療剤として有用である。また、PPARα活性化薬は、高密度リポ蛋白(HDL)コレステロールの上昇、血管内においては細胞接着因子であるVCAM-1の発現を抑制するので、動脈硬化等の予防及び/又は治療剤として有用であるとも考えられている。さらに、PPARα活性化薬は、糖尿病や炎症性疾患、さらには心疾患等の予防及び/又は治療に有用であるとも考えられている(非特許文献8〜14参照)。
一方、PPARγは主に脂肪細胞に発現しており、脂肪細胞の分化や増殖に重要な役割を果たしていることが知られている。PPARγの活性化剤として、チアゾリジン誘導体、例えばトログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン等の薬剤が知られている。これらの薬剤はインスリンの感受性が低下した肥大脂肪細胞を、インスリン感受性の高い小型脂肪細胞に誘導して、インスリン抵抗性を改善することが報告されている(非特許文献15〜18参照)。しかしながら、ヒトにおいて脂肪を増加し、体重の増加や肥満を起こすという好ましくない作用を有することが報告されており(非特許文献19参照)、最近ではPPARγの拮抗剤によってもインスリン抵抗性改善の可能性を示す報告もされている(非特許文献20〜22参照)。
また、PPARδは体内に普遍的に存在しており、脂質代謝に関与することが報告されている。最近の報告によると、PPARδ活性化剤であるGW501516はサルにおいてHDLを上昇させることが報告されている(非特許文献23参照)。また、活性化PPARδを発現させた脂肪細胞や骨格筋細胞では脂肪燃焼を促進することが報告されている(非特許文献24参照)。しかし一方では、PPARδ活性化剤である特許文献1に開示されている化合物Fはヒトマクロファージ内に脂質を蓄積してしまう好ましからざる作用を有することが報告されており(非特許文献25参照)、更に、PPARδ欠損マウスを用いた実験により、PPARδの活性化は脂質蓄積作用に繋がることが示唆されている(非特許文献26参照)。これらの現象は動脈硬化の進展と治療において相反する効果である。
従って、PPARδの治療上の意義については未だ解明されていない状態であり、PPARαとPPARγの選択性を指標に治療活性を有する化合物を探索することが重要であると考えられる。
これらのことから、PPARγ活性の低いPPARα選択的な活性化剤は、体重増加、肥満を伴わずに、高脂血症、動脈硬化症、糖尿病、糖尿病合併症、炎症、心疾患等の予防及び/又は治療に有用であると考えられ、斯かる薬剤の創製が期待されている。
最近、PPAR活性化剤としていくつかの化合物が報告されているが、(特許文献2〜5等)いずれもPPARα選択的であるとは言えない。例えば、特許文献5には、下記一般式(A)
(Ar1:ベンゾオキサゾール環等、Ar2:ナフタレン環等)で表される化合物が開示されているが、やはりPPARα選択的であるとは言えない。
国際特許公開第97/28149号パンフレット 国際特許公開第02/046176号パンフレット 国際特許公開第04/000762号パンフレット 国際特許公開第04/092130号パンフレット 国際特許公開第04/093879号パンフレット Nature, 347, 645-650, 1990 Cell, 68, pp879-887, 1992 Cell, 97, pp161-163, 1999 Biochim. Biophys. Acta., 1302, pp93-109, 1996 Journal of Medicinal Chemistry, 43, pp527-550, 2000 Journal of the National Cancer Institute, 90, 1702-1709, 1998 Current Opinion in Lipidology, 10, pp245-257, 1999 Journal of Atherosclerosis and Thrombosis, 3, pp81-89, 1996 Current Pharmaceutical Design, 3, pp1-14, 1997 Current Opinion in Lipidology, 10, pp151-159, 1999 Current Opinion in Lipidology, 10, pp245-257, 1999 The Lancet, 354, pp141-148, 1999 Journal of Medicinal Chemistry, 43, pp527-550, 2000 Journal of Cardiovascular Risk, 8, pp195-201, 2001 Journal of Biological Chemistry, 270, 12953-12956, 1995 Endocrinology, 137, pp4189-4195, 1996 Trends Endocrinol. Metab., 10, pp9-13, 1999 J. Clin. Invest., 101, pp1354-1361, 1998 The Lancet, 349, pp952, 1997 Proc. Natl. Acad. Sci., 96, pp6102-6106, 1999 The Journal of Biological Chemistry, 275, pp1873-1877, 2000 J. Clin. Invest.,108, 1001-1013, 2001 Proc. Natl. Acad. Sci., 98, pp5306-5311, 2001 Cell, 113, pp159-170, 2003 Journal of Biological Chemistry, 276, pp44258-44265, 2001 Proc. Natl. Acad. Sci., 99, pp303-308, 2002
本発明は、PPARαを選択的に活性化し、医薬として有用な化合物を提供することに関する。
本発明者らは、PPARのうちαタイプを選択的に活性化する化合物を見出すべく種々検討した結果、下記式(1)で表わされるナフタレンカルボン酸誘導体がPPARαを選択的に活性化し、体重増加、肥満を伴わない、高脂血症、動脈硬化症、糖尿病、糖尿病合併症、炎症、心疾患等の予防及び/又は治療薬として有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1):
〔式中、Rは水素原子、C6-10アリール基又はC6-10アリールオキシ基(ここで、当該アリール基又はアリールオキシ基におけるアリール部は、それを構成する炭素原子上の水素原子がハロゲン原子、ニトロ基、C1-4アルキル基から選ばれる基で1又は2置換されていてもよい)を示し、nは1〜8の整数を示す。〕
で表わされるナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩を提供するものである。
また本発明は、上記ナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩を有効成分とする医薬を提供するものである。
また本発明は、上記ナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物を提供するものである。
本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩は、PPARのうちαタイプを選択的に活性化する作用を有し、体重増加や肥満を伴わない、高脂血症、動脈硬化症、糖尿病、糖尿病合併症、炎症、心疾患等の予防及び/又は治療薬として有用である。
一般式(1)中、Rで示されるC6-10アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられ、フェニル基が好ましい。C6-10アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフトキシ基が挙げられ、フェノキシ基が好ましい。
上記C6-10アリール基又はC6-10アリールオキシ基におけるアリール部は、それを構成する炭素原子上の水素原子がハロゲン原子、ニトロ基、C1-4アルキル基から選ばれる基で1又は2置換されていてもよい。ここで、ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、C1-4アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。このうち、好適な置換基としては、メチル基、塩素原子、フッ素原子、ニトロ基が挙げられる。
尚、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基としては、アリール部が置換基を有しないフェニル基であるのが特に好ましい。
一般式(1)中、nは1〜8の整数を示し、3〜8が好ましい。
本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、トリアルキルアミン塩等の有機塩基塩;塩酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩;酢酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
また本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩は、水和物に代表される溶媒和物であってもよい。
本発明のナフタレンカルボン酸誘導体は、例えば以下の反応工程式Aに示した製造方法により得ることができる。
〔式中、R及びnは前記と同じものを示し、R4はC1-8アルキル基、Yはハロゲン原子を示す。〕
反応工程式Aの製法は、Chemical and Pharmaceutical Bulltin(30(5), pp1579-1587, 1982)に記載されている方法によりモノハロゲン体(a)を得、これにヒドロキシナフチルカルボン酸エステルを反応させた後、得られたフタルイミド体(b)をヒドラジンで処理することによりアミノ体(c)を得る。アミノ体(c)と2−ハロ−ベンゾオキサゾールを反応させてベンゾオキサゾール体(d)とし、任意のハロゲン化アルキルと反応させエステル体(e)を得、次いで加水分解することにより本発明の一般式(1)で表されるナフタレンカルボン酸誘導体を得る方法である。
第1工程(A-1)は、モノハロゲン体(a)をDMF、THF、ジオキサン、アセトニトリル等の溶媒に溶解後、必要量の炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸セシウム(Cs2CO3)等の無機塩基やトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基を加え、更に必要量のヒドロキシナフチルカルボン酸エステルを加えて、室温乃至溶媒の沸点付近で加熱し、数時間乃至24時間攪拌することで達成される。エステルとしてはtert−ブチルエステル、エチルエステル、メチルエステルなどから適宜選択される。
第2工程(A-2)は、原料のフタルイミド体(b)をメタノール、エタノール、n-プロパノール等の溶媒に溶解し、必要量のヒドラジンを加え、室温乃至溶媒の沸点付近で加熱しつつ数時間乃至24時間攪拌して達成される。
第3工程(A-3)は、原料のアミノ体(c)をDMF、THF、ジオキサン、アセトニトリル等の溶媒に溶解し、必要量のK2CO3、Na2CO3、Cs2CO3等の無機塩基やトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基の存在下に2-クロロベンゾオキサゾール等の2−ハロ−ベンゾオキサゾールを加え、必要な場合は不活性ガス雰囲気下に、室温乃至溶媒の沸点付近で加熱しつつ数時間乃至24時間攪拌して達成される。
第4工程(A-4)は、ベンゾオキサゾール体(d)をDMF、THF、ジオキサン、アセトニトリル等の溶媒に溶解し、必要量のK2CO3、Na2CO3、Cs2CO3等の無機塩基やトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基の存在下に、任意のハロゲン化アルキルと室温乃至溶媒の沸点付近で加熱しつつ数時間乃至24時間攪拌して達成される。
第5工程(A-5)は、メチル或いはエチルエステル等のようにアルカリで容易に加水分解されるエステルの場合は、エステル体(e)をメタノール、エタノール、THF等の溶媒に溶解後、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基又はそれらの水溶液を加え、冷却下あるいは室温乃至溶媒の沸点付近で加熱し、数時間乃至24時間反応する。反応後は塩酸等の酸で酸性にすることにより達成される。またtert−ブチルエステルのように、酸で容易に分解されるエステルの場合は、ジクロロメタン、クロロホルム等の溶媒に溶解した後、トリフルオロ酢酸等の酸を添加し、冷却下或いは室温で数時間乃至24時間攪拌することにより達成される。
本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩は、上記の方法によって得られるが、更に必要に応じて再結晶法、カラムクロマトグラフィーなどの通常の精製手段を用いて精製することができる。また必要に応じて、常法によって前記した所望の塩又は溶媒和物にすることもできる。
かくして得られるナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩は、後記試験例に示すように、PPARαを選択的に活性化する。そしてその活性化作用及び選択性は、当該ナフタレンカルボン酸誘導体において、ナフタレン環に置換している酸素原子とベンゾオキサゾール環に置換している窒素原子とを架橋するメチレン鎖がプロピレン基である類似化合物に比べて格段に優れている。従って、本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩は、ヒトを含む哺乳類における体重増加、肥満を伴わない、高脂血症、動脈硬化症、糖尿病、糖尿病合併症(糖尿病性腎症等)、炎症、心疾患等の予防及び/又は治療薬として有用である。
本発明の医薬は、一般式(1)で表されるナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩を有効成分とするものである。その形態は特に限定されず、治療目的に応じて各種の医薬組成物とすることができる。例えば、経口用固形製剤、経口用液体製剤、注射剤、坐剤、外用剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、貼付剤とのいずれでもよく、これらの医薬組成物は、薬学的に許容される担体を配合し、当業者に公知慣用の製剤化方法により製造できる。
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されているものでよく、例えば、賦形剤としては、乳糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、微結晶セルロース、珪酸等を、結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ゼラチン液、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等を、崩壊剤としてはカンテン末、炭酸水素ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等を、滑沢剤としては精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を、着色剤としては、β−カロチン、黄色三二酸化鉄、カルメラ等を、矯味剤としては白糖、橙皮等を例示できる。
経口用液体製剤を調製する場合は、本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されているものでよく、例えば矯味剤としては白糖等が、緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム等が、安定化剤としてはトラガント等が、保存剤としてはパラオキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
注射剤を調製する場合は、本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩にpH調節剤、安定化剤、等張化剤等を添加し、常法により皮下、筋肉及び静脈内注射剤を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されているものでよく、例えばpH調節剤としては、リン酸ナトリウム等が、安定化剤としてはピロ亜硫酸ナトリウム等が、等張化剤としては、塩化ナトリウム、等が例示できる。
坐薬を調製する場合は、本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩に担体、界面活性剤を加えて常法により製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されているものでよく、例えば、担体としてはポリエチレングリコール、ハードファット等を、界面活性剤としてはポリソルベート80等を例示できる。
外用剤を調製する場合は、本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩に基剤、水溶性高分子、溶媒、界面活性剤、保存剤等を加えて、常法により液剤、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤等を製造することができる。基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、精製ラノリン等が、水溶性高分子としてはカルボキシビニルポリマー等が、溶媒としてはグリセリン、水等が、界面活性剤としてはポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が、保存剤としては、パラオキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
点眼剤を調製する場合は、本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩にpH調節剤、安定化剤、等張化剤、保存剤等を加えて常法により製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されているものでよく、例えば、pH調節剤としては、リン酸ナトリウム等を、安定化剤としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA等を、等張化剤としては、塩化ナトリウム等を、保存剤としては、クロロブタノール等を例示できる。
点鼻剤を調製する場合は、本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩にpH調節剤、安定化剤、等張化剤、保存剤等を加えて常法により製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されているものでよく、例えば、pH調節剤としてはリン酸ナトリウム等を、安定化剤としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA等を、等張化剤としては、塩化ナトリウム等を、保存剤としては、塩化ベンザルコニウム等を例示できる。
点耳剤を調製する場合は、本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、保存剤等を加えて常法により製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されているものでよく、例えば、pH調節剤及び緩衝剤としてはリン酸ナトリウム等を、安定化剤としてはピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA等を、等張化剤としては、塩化ナトリウム等を、保存剤としては、塩化ベンザルコニウム等を例示できる。
貼付剤を調製する場合は、本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩に粘着剤、溶媒、架橋剤、界面活性剤等を加えて常法により含水型貼付剤、プラスター貼付剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されているものでよく、例えば、粘着剤としてはポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等を、溶媒としてはグリセリン、水等を、架橋剤としては、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、乾燥水酸化アルミニウムゲル等を、界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等を例示できる。
本発明の医薬の投与量は、年齢、体重、症状、投与形態及び投与回数などによって異なるが、通常は成人に対して本発明のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩として1日1〜1000mgを1回又は数回に分けて経口投与又は非経口投与するのが好ましい。
以下に製造例、参考例及び実施例を例示して本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。製造例、参考例及び実施例の機器測定については、NMRスペクトルの測定は GSX270(日本電子製、270MHz)を、MSスペクトルの測定はGC-MS-QP2000A(島津製作所製)を使用した。
製造例1
1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステルの合成
1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸7.6g ( 40.39 mmol ) をtert-ブタノール 60mLに溶解させ、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド 10g ( 48.46 mmol ), 4−ジメチルアミノピリジン 5.91g ( 48.46 mmol ) を加え室温で攪拌した。1時間後薄層クロマトグラフィーで反応終了を確認後、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムにて脱水。減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)にて精製し、表題化合物9.00g ( 収率91% ) を褐色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3)δ:1.65 ( 9H, s ), 7.23 ( 1H, d, J=8 Hz ), 7.50(1H, t, J=7 Hz), 7.58 (1H, t, J=7 Hz), 7.74 ( 2H, t, J=8 Hz), 8.38 ( 1H, d, J=8 Hz ), 12.2 ( 1H, s ).
製造例2
1-(4-フタルイミドブトキシ)-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステルの合成
1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステル 5.0g ( 22.3 mmol ) をアセトニトリル50mL に溶解させ、N-(4-ブロモブチル)フタルイミド 6.93g ( 24.6 mmol ), 炭酸カリウム 3.39g ( 24.6 mmol ) を加え80℃で一晩攪拌した。薄層クロマトグラフィーで反応終了を確認後、室温まで放冷し、減圧濃縮、酢酸エチル、水を加え有機層を抽出し、減圧濃縮。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製を行い、目的物を8.70g 収率95% 黄色油状物として得た。
製造例3
1-[4-(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステルの合成
1-(4-フタルイミドブトキシ)-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステル 8.70g ( 19.5 mmol ) をエタノール 100mLに溶解させ、ヒドラジン 3mLを加え加熱還流した。1時間後薄層クロマトグラフィーで反応終了を確認後、室温まで放冷し、減圧濃縮した。クロロホルムで抽出を行い、得られた黄色油状物に2-クロロベンゾオキサゾール 2.58mL ( 22.6 mmol ), ジイソプロピルエチルアミン 3.94mL ( 22.6 mmol ) 及びテトラヒドロフラン 80mL を加えて室温で1晩攪拌した。クロロホルムにて目的物を抽出し、フラッシュカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製を行い、目的物を3.85g 収率46% 黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.63 ( 9H, s ), 2.00-2.10( 4H, m ), 3.63(2H, q, J=6 Hz), 4.16(2H, t, J=6 Hz), 5.34(1H, br), 7.02(1H, t, J=7 Hz), 7.16(1H, t, J=7 Hz), 7.22(1H, d, J=8 Hz), 7.36(1H, d, J=8 Hz), 7.50-7.59(3H, m), 7.77(1H, d, J=9 Hz), 7.84(1H, d, J=7 Hz), 8.21(1H, d, J=8 Hz).
製造例4
1-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(4-クロロベンジル)]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステルの合成
1-[4-(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステル 120mg ( 0.277 mmol ) をアセトニトリル3mLに溶解させ、炭酸セシウム 180mg ( 0.554 mmol ), 4-クロロベンジルクロリド 89.3mg ( 0.554 mmol ) およびヨウ化カリウム91.9mg(0.554 mmol)を加え、80℃にて一晩攪拌した。 薄層クロマトグラフィーで反応終了を確認後、水、クロロホルムを加えて有機層を抽出。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)を用いて精製を行い、目的物を157mg 定量的に得た。
実施例1
1-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(4-クロロベンジル)]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物1)の合成
1-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(4-クロロベンジル)]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステル 157mg (0.281 mmol ) をジクロロメタン 3mLに溶解させて加え、50%トリフルオロ酢酸-ジクロロメタン0.5mLを加え室温で攪拌した。3時間後薄層クロマトグラフィーで反応終了を確認後、水及びクロロホルムを加えて有機層を抽出。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を用いて精製を行い、目的物を40mg 収率28% 無色油状物として得た。
MS(m/z) 499(M+), 501(M++2)
実施例2
以下、実施例1と同様にして下記の化合物2〜化合物14を合成した。
(1) 3-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(4-クロロベンジル)]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物2)
MS(m/z) 499(M+), 501(M++2)
(2) 3-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-オクチルアミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物3)
MS(m/z) 487(M+)
(3) 3-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-ヘプチル]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物4)
MS(m/z) 473(M+)
(4) 3-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-ブチル]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物5)
MS(m/z) 431(M+)
(5) 3-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(2-メチル-3-ニトロベンジル)]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物6)
MS(m/z) 524(M+)
(6) 3-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(3-フェノキシプロピル)]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物7)
MS(m/z) 509(M+)
(7) 3-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(ナフト-1-イル)メチル]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物8)
MS(m/z) 515(M+)
(8) 3-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(3-フェニルプロピル)]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物9)
MS(m/z) 493(M+)
(9) 1-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(4-フルオロベンジル)]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物10)
MS(m/z) 484(M+)
(10) 1-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-オクチル]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物11)
MS(m/z) 488(M+)
(11) 1-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(3-フェニルプロピル)]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物12)
MS(m/z) 494(M+)
(12) 1-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-プロピル]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物13)
MS(m/z) 418(M+)
(13) 1-[4-[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(3-フェノキシプロピル)]アミノブトキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(化合物14)
MS(m/z) 510(M+)
製造例5
1-(3-フタルイミドプロポキシ)-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステルの合成
製造例1で合成した1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステル 1.7g ( 6.96 mmol ) をアセトニトリル30mL に溶解させ、N-(3-ブロモプロピル)フタルイミド 2.24g ( 8.35 mmol ), 炭酸カリウム 1.2g ( 8.35 mmol ) を加え80℃で一晩攪拌した。薄層クロマトグラフィーで反応終了を確認後、室温まで放冷し、減圧濃縮、酢酸エチル、水を加え有機層を抽出し、減圧濃縮。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)にて精製を行い、表題化合物1.37g ( 収率 46%) を黄色油状物として得た。
製造例6
1-[3-(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)アミノプロポキシ]-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステル の合成
1-(3-フタルイミドプロポキシ)-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステル 1.37g ( 3.17 mmol ) をエタノール 50mLに溶解させ、 ヒドラジン 1mLを加え加熱還流した。2時間後薄層クロマトグラフィーで反応終了を確認後、室温まで放冷し、減圧濃縮した。クロロホルムで抽出を行い、得られた黄色油状物に2-クロロベンゾオキサゾール 0.54mL ( 3.45 mmol ), ジイソプロピルエチルアミン 0.828mL ( 4.75 mmol ) 及びテトラヒドロフラン 20mL を加えて室温で1晩攪拌した。クロロホルムにて目的物を抽出し、 フラッシュ カラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=7:1)にて精製を行い、表題化合物1.30g ( 98% ) を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3)δ:1.67 ( 9H, s ), 2.28(2H, quint, J=6 Hz), 3.92(2H, q, J=6 Hz), 4.22(2H, t, J=6 Hz), 6.64(1H, br), 7.00(1H, t, J=7 Hz), 7.15(1H, t, J=7 Hz), 7.20(1H, d, J=8 Hz), 7.36(1H, d, J=8 Hz), 7.51-7.62(3H, m), 7.79-7.86(2H, m), 8.19(1H, d, J=8 Hz).
製造例7
1-[3-[(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(3-フェニルプロピル)]アミノプロポキシ]-2-ナフタレンカルボン酸tert-ブチルエステルの合成
1-[3-(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)アミノプロポキシ]-2-ナフタレンカルボン酸tert-ブチルエステル 100mg ( 0.239 mmol ) をアセトニトリル3mLに溶解させ、炭酸セシウム 125mg ( 0.382 mmol)、フェニルプロピルブロミド100mg ( 0.382 mmol ) を加え、70℃にて一晩攪拌した。 薄層クロマトグラフィーで反応終了を確認後、水、クロロホルムを加えて有機層を抽出。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)を用いて精製を行い、表題化合物62mg (収率48%) を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:1.62 ( 9H, s ), 2.10 ( 2H, quint, J=8 Hz ), 2.33 ( 2H, quint, J=6 Hz ), 2.71 ( 2H, t, J=8 Hz), 3.65 ( 2H, t, J=8 Hz ), 3.87 ( 2H, t, J=8 Hz ), 4.24 ( 2H, t, J=6 Hz ), 7.00 ( 1H, t, J=8 Hz ), 7.12-7.27 ( 7H, m ), 7.37 ( 1H, d, J=7 Hz ), 7.44-7.59 ( 3H, m ), 7.73 ( 1H, d, J=9 Hz ), 7.81 ( 1H, d, J=8 Hz ), 8.21 ( 1H, d, J=8 Hz ).
参考例1
1-[3-(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(3-フェニルプロピル)アミノプロポキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(参考化合物1)の合成
1-[3-[(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(3-フェニルプロピル)]アミノプロポキシ]-2-ナフタレンカルボン酸 tert-ブチルエステル 62mg (0.116 mmol ) をジクロロメタン 2mLに溶解させて加え、50%トリフルオロ酢酸-ジクロロメタン0.5mLを加え室温で攪拌した。3時間後薄層クロマトグラフィーで反応終了を確認後、水及びクロロホルムを加えて有機層を抽出。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を用いて精製を行い、表題化合物55mg (収率99%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:2.08 ( 2H, quint, J=6 Hz ), 2.33 ( 2H, quint, J=6 Hz ), 2.73 ( 2H, t, J=8 Hz), 3.64 ( 2H, t, J=8 Hz ), 3.91 ( 2H, t, J=8 Hz ), 4.31 ( 2H, t, J=6 Hz ). 7.04 ( 1H, t, J=8 Hz ), 7.16-7.31 ( 7H, m ), 7.42 ( 1H, d, J=8 Hz ), 7.51 ( 1H, t, J=7 Hz ), 7.60 ( 1H, t, J=7 Hz ), 7.67 ( 1H, d, J=9 Hz ), 7.87 ( 1H, d, J=8 Hz ), 8.00 ( 1H, d, J=8 Hz ), 8.10 ( 1H, d, J=8 Hz ).
MS(m/z) 480(M+)
参考例2
以下、参考例1と同様にして下記の参考化合物2〜参考化合物8を合成した。
(1) 3-[3-(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(3-フェノキシプロピル)アミノプロポキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(参考化合物2)
MS(m/z) 495(M+)
(2) 3-[3-(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(3-フェニルプロピル)アミノプロポキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(参考化合物3)
MS(m/z) 479(M+)
(3) 1-[3-(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(4-クロロベンジル)アミノプロポキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(参考化合物4)
MS(m/z) 486(M+), 488(M++2)
(4) 1-[3-(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(4-フルオロベンジル)アミノプロポキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(参考化合物5)
MS(m/z) 470(M+)
(5) 1-[3-(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-オクチルアミノプロポキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(参考化合物6)
MS(m/z) 474(M+)
(6) 1-[3-(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-(3-フェノキシプロピル)アミノプロポキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(参考化合物7)
MS(m/z) 496(M+)
(7) 1-[3-(N-ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-プロピルアミノプロポキシ]-2-ナフタレンカルボン酸(参考化合物8)
MS(m/z) 404(M+)
試験例1
本発明化合物のPPAR受容体活性化作用を以下の方法で測定した(Proc.Natl.Acad.Sci., 92, pp7297-7301, 1995, Journal of Lipid Research, 40, pp2099-2110, 1999, Proc.Natl.Acad.Sci, 98, pp5306-5311, 2001)。また、比較として、上記の参考化合物(ナフタレン環に置換している酸素原子とベンゾオキサゾール環に置換している窒素原子とを架橋するメチレン鎖がプロピレン基である)についても同様に測定した。
(1)測定方法
トランスフェクションアッセイ
すべてのトランスフェクションアッセイはアフリカミドリザルの腎由来細胞株であるCOS細胞を用いて行った。COS細胞の培養は5%のCO2濃度で行い、培養液には10%のウシ胎児血清、グルタミン酸および抗生物質を含有するDMEM培地を用いた。
発現ベクターは酵母の転写因子であるGal4のDNA結合領域とヒトPPARのリガンド結合領域を融合したキメラ体を用いた。各アイソフォームのキメラ体はGal4転写因子の1から147番目のアミノ酸およびヒトPPARαは166から467番目のアミノ酸,ヒトPPARγ2は182から505番目のアミノ酸,ヒトPPARδは137から441番目のアミノ酸をそれぞれ融合したものを用いた。またレポーターベクターはホタルルシフェラーゼを用い,そのプロモーター領域には5個のGal4の認識配列が含まれている。細胞へのプラスミドのトランスフェクションはリポフェクトアミンを用いた方法により行った。更にβ-ガラクトシダーゼの発現ベクターを内部標準として用いた。
細胞へのトランスフェクションの後,化合物を添加したDMEM培地(0.2%血清含有)に交換し,更に16時間の培養を行った。その後,細胞溶解液中のルシフェラーゼ活性及びβ-ガラクトシダーゼ活性を測定した。
なお、本実験では化合物の溶解・希釈にはジメチルスルホキシド(DMSO)を用い、細胞への処理の際はDMEM培地(0.2%血清含有)にDMSO濃度が0.1%になるように調整した。陽性化合物としてPPARαにはWY14643を、PPARγにはロシグリタゾン( Journal of Medicinal Chemistry, 43, pp527-550, 2000 )を用いた。
(2)結果
各アイソフォームにおける陽性化合物(PPARα;WY14643 1μM、PPARγ;ロシグリタゾン 1μM)添加時のルシフェラーゼ活性を1.0としたときの本発明化合物及び参考化合物(1μM添加時)のhPPARα、hPPARγ相対活性値、α/γ相対選択比を表1に示す。
表1より、本発明化合物は、優れたPPARα活性化作用及び選択性を示し、参考化合物と比較してもhPPARα相対活性値、α/γ相対選択比が、格段に優れていることがわかる。
以上より、本発明のナフタレンカルボン酸誘導体は、優れたhPPARα選択的活性化剤である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1):
    〔式中、Rは水素原子、C6-10アリール基又はC6-10アリールオキシ基(ここで、当該アリール基又はアリールオキシ基におけるアリール部は、それを構成する炭素原子上の水素原子がハロゲン原子、ニトロ基、C1-4アルキル基から選ばれる基で1又は2置換されていてもよい)を示し、nは1〜8の整数を示す。〕
    で表わされるナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩。
  2. C6-10アリール基がフェニル基である請求項1記載のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩。
  3. C6-10アリールオキシ基がフェノキシ基である請求項1又は2記載のナフタレンカルボン酸誘導体又はその塩。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のナフタレンカルボン誘導体又はその塩を有効成分とする医薬。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載のナフタレンカルボン誘導体又はその塩及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
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